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元スレ古畑「another……?」

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古畑「これ、覚えていらっしゃいますか?」ピラッ
三神「それは、私の家にあった……」
古畑「はい。今日望月君のものであると判明しました。こちらに『Y.M』とサインがしてあります」
古畑「もちろん上から油彩の絵具が加わっているので跡から付け加えたわけでもない」
古畑「そして、その反対側にも『R.M』との大き目のサインが。これが、何を意味するのか」
三神「……素直にいってちょうだい」
古畑「……私はこの『R.M』のサインが『三神怜子』を示していると見ています」
古畑「ということは先生に宛てたものである。しかも、今なおこの学校に通っている望月君から宛てられたものだ」
古畑「ですがなぜ、先生は作者が誰か忘れていたのか。望月君の作風をちゃんと理解しているはずの先生が」
古畑「……この絵が先生が死者となってから送られたものだからなのです」
望月「っ!」
三神「それは、私の家にあった……」
古畑「はい。今日望月君のものであると判明しました。こちらに『Y.M』とサインがしてあります」
古畑「もちろん上から油彩の絵具が加わっているので跡から付け加えたわけでもない」
古畑「そして、その反対側にも『R.M』との大き目のサインが。これが、何を意味するのか」
三神「……素直にいってちょうだい」
古畑「……私はこの『R.M』のサインが『三神怜子』を示していると見ています」
古畑「ということは先生に宛てたものである。しかも、今なおこの学校に通っている望月君から宛てられたものだ」
古畑「ですがなぜ、先生は作者が誰か忘れていたのか。望月君の作風をちゃんと理解しているはずの先生が」
古畑「……この絵が先生が死者となってから送られたものだからなのです」
望月「っ!」
古畑「ここからは推測です。恐らく望月君は、先生とこの絵を仕上げる約束をしていた」
古畑「しかしその矢先、なんらかのことで先生が亡くなってしまう。望月君は悲嘆にくれた」
古畑「やりきれない思いの中でせめてもの追悼としてこの絵を完成させて、先生のお宅に届けた」
古畑「だから先生が思い出せないのも当然なんです。死んでいる間に送られてきたのだから、記憶しようがないのだから!」
望月「あっ……」
三神「でも、それは偶然か何かで紛れ込んだ可能性だって……」
古畑「『R.M』というサインまでして大切に描かれたものが偶然どこかに紛れ込むとは考えにくいものです」
古畑「仮に偶然だとしましょう、紛れ込む程度のなんともない絵だとしましょう」
古畑「だとしたら易々と『R.M』という誰かに向けたサインがつくのはおかしい。望月君が取り戻さなかったのもまた」
古畑「もしかしたら、面と向かって渡された上で忘れていた可能性も否定はできません」
古畑「しかし、生徒への気配りが行き届いている先生がそこでド忘れをするとは、そちらのほうがおかしく思える」
三神「……」
望月「あっ、あぁ……」
古畑「とはいえ、これも決定的な証拠にはなりません」
古畑「先生の資質に頼み過ぎているきらいがあるので不十分だ」
古畑「しかしその矢先、なんらかのことで先生が亡くなってしまう。望月君は悲嘆にくれた」
古畑「やりきれない思いの中でせめてもの追悼としてこの絵を完成させて、先生のお宅に届けた」
古畑「だから先生が思い出せないのも当然なんです。死んでいる間に送られてきたのだから、記憶しようがないのだから!」
望月「あっ……」
三神「でも、それは偶然か何かで紛れ込んだ可能性だって……」
古畑「『R.M』というサインまでして大切に描かれたものが偶然どこかに紛れ込むとは考えにくいものです」
古畑「仮に偶然だとしましょう、紛れ込む程度のなんともない絵だとしましょう」
古畑「だとしたら易々と『R.M』という誰かに向けたサインがつくのはおかしい。望月君が取り戻さなかったのもまた」
古畑「もしかしたら、面と向かって渡された上で忘れていた可能性も否定はできません」
古畑「しかし、生徒への気配りが行き届いている先生がそこでド忘れをするとは、そちらのほうがおかしく思える」
三神「……」
望月「あっ、あぁ……」
古畑「とはいえ、これも決定的な証拠にはなりません」
古畑「先生の資質に頼み過ぎているきらいがあるので不十分だ」
古畑「最後に、お話しいただきたい方がいらっしゃいます」ピッピッ
プルルル... プルルル...
三神「だ、誰と……?」
古畑「もしもし、おはよう。いつもこうやって起こしてるんだから、これからはやめてね、うん」
古畑「ちょっと今電話代わるから、話してもらいたい人がいるんだ」スッ
三神「……もしもし」
古畑母『あなたが任三郎ちゃんの彼女ぉ? へぇ~』
三神「ね、義姉さん?」
古畑母『ん、ねえさんってなぁに? 母さんならわかるけど』ケラケラ
三神「私よ、三神怜子。あなたの前の夫の……」
古畑母『あっ、怜子ちゃん? 久しぶりぃ、いつ以来かしら、お兄さんが亡くなってからほどんど会わなかったから……』
三神「……」ホッ
古畑母『ふ~ん、でもね、私をだまそうたって残念でした。怜子ちゃん、もう死んでるんだもの』
三神「えっ……」
プルルル... プルルル...
三神「だ、誰と……?」
古畑「もしもし、おはよう。いつもこうやって起こしてるんだから、これからはやめてね、うん」
古畑「ちょっと今電話代わるから、話してもらいたい人がいるんだ」スッ
三神「……もしもし」
古畑母『あなたが任三郎ちゃんの彼女ぉ? へぇ~』
三神「ね、義姉さん?」
古畑母『ん、ねえさんってなぁに? 母さんならわかるけど』ケラケラ
三神「私よ、三神怜子。あなたの前の夫の……」
古畑母『あっ、怜子ちゃん? 久しぶりぃ、いつ以来かしら、お兄さんが亡くなってからほどんど会わなかったから……』
三神「……」ホッ
古畑母『ふ~ん、でもね、私をだまそうたって残念でした。怜子ちゃん、もう死んでるんだもの』
三神「えっ……」
古畑母『私の義理の妹の怜子ちゃんは、一年半前に亡くなりました』
古畑母『私がお葬式に行かなかったから、任三郎ちゃんは覚えていないんだろうと踏んだんだろうけど、駄目ねえ』
古畑母『で、ところであなたは誰なの? 任三郎ちゃんも聞こえてるんでしょ?』
三神「え、うそっ、私が、私が……」ガタガタ
ガシャンッ
古畑「……」スッ
古畑母『ちょっと、任三郎ちゃん、なに今の音? 朝からお母さんを騙すなんてひどいじゃない、ちょっと……』
ピッ ツーツーツー...
古畑「……義理堅いんだかなんなんだかよくわからない母親です。最初はきっと義理の妹のことを忘れているのだと思いました」
古畑「ですが、この現象の影響が及ぶのは、3組の生徒、教師に関係している人間だけだったようです」
古畑「それから、嘘をつけない動物と、記憶に障害をきたしてしまった人間も除外される」
三神「あっ、お父さん……!」ズキッズキ
古畑母『私がお葬式に行かなかったから、任三郎ちゃんは覚えていないんだろうと踏んだんだろうけど、駄目ねえ』
古畑母『で、ところであなたは誰なの? 任三郎ちゃんも聞こえてるんでしょ?』
三神「え、うそっ、私が、私が……」ガタガタ
ガシャンッ
古畑「……」スッ
古畑母『ちょっと、任三郎ちゃん、なに今の音? 朝からお母さんを騙すなんてひどいじゃない、ちょっと……』
ピッ ツーツーツー...
古畑「……義理堅いんだかなんなんだかよくわからない母親です。最初はきっと義理の妹のことを忘れているのだと思いました」
古畑「ですが、この現象の影響が及ぶのは、3組の生徒、教師に関係している人間だけだったようです」
古畑「それから、嘘をつけない動物と、記憶に障害をきたしてしまった人間も除外される」
三神「あっ、お父さん……!」ズキッズキ
古畑「もちろんこれも証拠にはなりません。私がハッタリを仕掛けている可能性もあるわけですから」
古畑「証拠を出そうと思えば他にもあるんです。副担任を置いた例は今年まで一度もない」
古畑「あるいは先程テープの声の主である松永さんに先生の名前を訊ねた所、お亡くなりになったと仰っておりました」
古畑「ただ、すべてが確かな証拠になりえない」
古畑「なぜなら三神怜子は生きている者だとしてちゃんと記録されているのだから」
古畑「三神怜子にまつわる全てのものが、死者は前から生きているのだということの事実を裏付けするために存在するのだから」
古畑「死んでしまったのだという証拠は消えるように、あるいは確かでなくなるように仕組まれているのだから」
三神「……」ガクガク
古畑「証拠を出そうと思えば他にもあるんです。副担任を置いた例は今年まで一度もない」
古畑「あるいは先程テープの声の主である松永さんに先生の名前を訊ねた所、お亡くなりになったと仰っておりました」
古畑「ただ、すべてが確かな証拠になりえない」
古畑「なぜなら三神怜子は生きている者だとしてちゃんと記録されているのだから」
古畑「三神怜子にまつわる全てのものが、死者は前から生きているのだということの事実を裏付けするために存在するのだから」
古畑「死んでしまったのだという証拠は消えるように、あるいは確かでなくなるように仕組まれているのだから」
三神「……」ガクガク
古畑「現象がこうした性質を持っている以上は、そして現象の性質すら推測でしか考えられない現状では」
古畑「ハッキリいって出来そこないの推理だと認めざるをえない。それに、これ以上の証拠も、もう出てこないでしょう」
見崎「……私は、三神先生が死んだ時の光景を覚えている」スッ
勅使河原「み、見崎?」
見崎「夜見山川にかかる橋の近くにある、ダムでの出来事だった」
見崎「男の人に、三神先生は放り投げられて川に転落したの。翌日の新聞には、溺死、って書いてあった」
見崎「死体は下流で見つかって、翌日全校集会で先生の死が知らされた。私は、その現場に居合わせていた」
見崎「揉み合いになりながら抵抗したけれど、あえなく川へと落ちていく、三神先生を覚えている」
見崎「犯人は、顔も恰好もあいまいだけど、私の方を見て、不敵に笑う表情だけはよく覚えている」
見崎「三年になって以来ずっと、漠然としたシーンだけが細切れに再生され続けていた」
見崎「けれど、三神先生をこの左目で見た時、おぼろげだった記憶が一気につながったの」
三神「あっ、いやっ……」ズキッズキッ
望月「そうだ、三神先生が、死んだって聞かされて、僕は……」
古畑「……」
古畑「ハッキリいって出来そこないの推理だと認めざるをえない。それに、これ以上の証拠も、もう出てこないでしょう」
見崎「……私は、三神先生が死んだ時の光景を覚えている」スッ
勅使河原「み、見崎?」
見崎「夜見山川にかかる橋の近くにある、ダムでの出来事だった」
見崎「男の人に、三神先生は放り投げられて川に転落したの。翌日の新聞には、溺死、って書いてあった」
見崎「死体は下流で見つかって、翌日全校集会で先生の死が知らされた。私は、その現場に居合わせていた」
見崎「揉み合いになりながら抵抗したけれど、あえなく川へと落ちていく、三神先生を覚えている」
見崎「犯人は、顔も恰好もあいまいだけど、私の方を見て、不敵に笑う表情だけはよく覚えている」
見崎「三年になって以来ずっと、漠然としたシーンだけが細切れに再生され続けていた」
見崎「けれど、三神先生をこの左目で見た時、おぼろげだった記憶が一気につながったの」
三神「あっ、いやっ……」ズキッズキッ
望月「そうだ、三神先生が、死んだって聞かされて、僕は……」
古畑「……」
古畑「それもまた証拠にはならない」フルフル
見崎「……その通りね。たぶん、それも現象の性質と思うの」
見崎「こういうことはあまり言うべきではないのかもしれない。けれど、先生、私達にはそれしか手がかりがないんです」
見崎「だから……」
三神「……もう、いいわ」
見崎「……」
三神「……思い、出せているわ、私も……」
望月「せ、先生……」
三神「そう、私は一昨年の3組の担任だった。そこで私も災厄の手によって……」
三神「……あなた達の言いたいことはわかったわ。ちゃんと伝わっている」
三神「私が何をすべきか、っていうことも、ちゃんと」
三神「だから、もう、一人にさせてくれないかしら……」
勅使河原「そんな、先生……」
見崎「……その通りね。たぶん、それも現象の性質と思うの」
見崎「こういうことはあまり言うべきではないのかもしれない。けれど、先生、私達にはそれしか手がかりがないんです」
見崎「だから……」
三神「……もう、いいわ」
見崎「……」
三神「……思い、出せているわ、私も……」
望月「せ、先生……」
三神「そう、私は一昨年の3組の担任だった。そこで私も災厄の手によって……」
三神「……あなた達の言いたいことはわかったわ。ちゃんと伝わっている」
三神「私が何をすべきか、っていうことも、ちゃんと」
三神「だから、もう、一人にさせてくれないかしら……」
勅使河原「そんな、先生……」
三神「……さぁ、帰りなさい。もうすぐ下校時間だから。大丈夫、先生は、大人だから。生徒を、子供を守るためにいるんだから」
望月「あっ、うあっ……」グスッ
見崎「……帰ろう」クルッ
古畑「……」スッ
三神「……やっぱりごめん、任三郎君だけでも、残って。ちょっと、伝えたいことがあるから」
古畑「……」コクリ
勅使河原「……頼むぞ、ニン」
望月「先生、先生……」
見崎「行こう、望月君」スッ
望月「あっ、うあっ……」グスッ
見崎「……帰ろう」クルッ
古畑「……」スッ
三神「……やっぱりごめん、任三郎君だけでも、残って。ちょっと、伝えたいことがあるから」
古畑「……」コクリ
勅使河原「……頼むぞ、ニン」
望月「先生、先生……」
見崎「行こう、望月君」スッ
キーンコーンカーンコーン...
『下校時刻になりました。校内に残っている生徒はすみやかに……』
怜子「……」
古畑「……」
怜子「任三郎君、しきりに証拠がない推理だって、言ったけれど」
怜子「でも、そんなこと、無いと思うわ。どこからどう見ても完璧な推理。否定のしようもない」
古畑「あくまで証拠がない以上は未熟な推理です」
怜子「やっぱりあなた、探偵になった方がいいと思うわ。そんなに頭がキレるなら、きっと依頼、くるだろうから」
怜子「警察になんか収まっちゃダメよ、日本中、いいや、世界中を飛び回るすごい探偵にならないと」
古畑「私にそんな行動力はございません」
怜子「……お母さん、元気そうね。よかった、兄さんのこと、引きずってないみたいで」
怜子「でも、任三郎君は、やっぱりお母さんのこと、嫌い?」
古畑「嫌いなのか好きなのか、判じかねる時期にまで来てしまいました」
『下校時刻になりました。校内に残っている生徒はすみやかに……』
怜子「……」
古畑「……」
怜子「任三郎君、しきりに証拠がない推理だって、言ったけれど」
怜子「でも、そんなこと、無いと思うわ。どこからどう見ても完璧な推理。否定のしようもない」
古畑「あくまで証拠がない以上は未熟な推理です」
怜子「やっぱりあなた、探偵になった方がいいと思うわ。そんなに頭がキレるなら、きっと依頼、くるだろうから」
怜子「警察になんか収まっちゃダメよ、日本中、いいや、世界中を飛び回るすごい探偵にならないと」
古畑「私にそんな行動力はございません」
怜子「……お母さん、元気そうね。よかった、兄さんのこと、引きずってないみたいで」
怜子「でも、任三郎君は、やっぱりお母さんのこと、嫌い?」
古畑「嫌いなのか好きなのか、判じかねる時期にまで来てしまいました」
怜子「そっか……でも、お母さんとは、いつか仲直りしてあげてね。あの人、兄さんを亡くして以来、ああなったんだから」
怜子「それも私が、夜見北なんかに行ったから」
古畑「あなたのせいではありません。こんなふざけた災厄のせいです」
怜子「なんで教師にまでなって夜見北に戻ってのに、あっけなく死んじゃっていただなんて、お笑いだよね、まったく」
怜子「教師としてだけじゃなくて、人間としても……」
古畑「それ以上はいけません」フルフル
怜子「……」
古畑「……」
怜子「それも私が、夜見北なんかに行ったから」
古畑「あなたのせいではありません。こんなふざけた災厄のせいです」
怜子「なんで教師にまでなって夜見北に戻ってのに、あっけなく死んじゃっていただなんて、お笑いだよね、まったく」
怜子「教師としてだけじゃなくて、人間としても……」
古畑「それ以上はいけません」フルフル
怜子「……」
古畑「……」
怜子「任三郎君、これから、大変だよね。私がいなくて、夜見山に住み続けるなんて」
怜子「母さんも、父さんを世話し続けられるかな。任三郎君、二人のこと、よろしくね」
古畑「……」
怜子「任三郎君、一つだけ、あなたを苦しませるかもしれないけれど、一つだけ言わせて」
怜子「あなたといた二ヶ月間、不幸に巻き込まれた中だけど、とても充実していた」
怜子「そして、出来るだけならもっと幸せな日々の中で、あなたと暮らしていたかった」
古畑「……」
怜子「ごめんね。暗くなっちゃったわね。家まで送っていくわ。でも、私は今日はずっと学校に残ってるわ」
古畑「……」
怜子「本当は仕事も残ってるし……さぁ、行きましょうか」スクッ
古畑「怜子さん」
怜子「……」
古畑「私もこの二カ月良い時間を過ごさせていただきました。まことに、お世話になりました」
怜子「……っ」ポロッ
怜子「母さんも、父さんを世話し続けられるかな。任三郎君、二人のこと、よろしくね」
古畑「……」
怜子「任三郎君、一つだけ、あなたを苦しませるかもしれないけれど、一つだけ言わせて」
怜子「あなたといた二ヶ月間、不幸に巻き込まれた中だけど、とても充実していた」
怜子「そして、出来るだけならもっと幸せな日々の中で、あなたと暮らしていたかった」
古畑「……」
怜子「ごめんね。暗くなっちゃったわね。家まで送っていくわ。でも、私は今日はずっと学校に残ってるわ」
古畑「……」
怜子「本当は仕事も残ってるし……さぁ、行きましょうか」スクッ
古畑「怜子さん」
怜子「……」
古畑「私もこの二カ月良い時間を過ごさせていただきました。まことに、お世話になりました」
怜子「……っ」ポロッ
翌日 教室
風見「おはよう、勅使河原」
勅使河原「お、おう、おはよう」ソワソワ
風見「どうしたんだ、具合でも悪いのか?」
勅使河原「い、いや、そんなんじゃねえよ」
風見「ふぅん……悪い物でも食ったなら保健室に行けよ」
勅使河原「あ、ああ……」ソワソワ
風見「……?」テクテク
風見「おはよう、勅使河原」
勅使河原「お、おう、おはよう」ソワソワ
風見「どうしたんだ、具合でも悪いのか?」
勅使河原「い、いや、そんなんじゃねえよ」
風見「ふぅん……悪い物でも食ったなら保健室に行けよ」
勅使河原「あ、ああ……」ソワソワ
風見「……?」テクテク
見崎「……大丈夫?」
勅使河原「大丈夫どころの話じゃねえって……まだ覚えてるけどさ、本当にそうなのか、確かめることさえ怖いし」
勅使河原「望月なんかずっと机にふせってるし、ニンもまだ来てねえし……」
見崎「……そうよね」チラッ
望月「……」
ガラッ
勅使河原「お、おうニン! あのさ、お前覚えて……」
古畑「……」コクリ
勅使河原「そ、そうか……」
見崎「……」
勅使河原「大丈夫どころの話じゃねえって……まだ覚えてるけどさ、本当にそうなのか、確かめることさえ怖いし」
勅使河原「望月なんかずっと机にふせってるし、ニンもまだ来てねえし……」
見崎「……そうよね」チラッ
望月「……」
ガラッ
勅使河原「お、おうニン! あのさ、お前覚えて……」
古畑「……」コクリ
勅使河原「そ、そうか……」
見崎「……」
ガラッ
千曳「皆、席に付きたまえ」
望月「あっ……」ガタッ
千曳「望月君、どうした、そんな風に突っ立って」
望月「あ、あの、三神先生は……」
千曳「三神先生? 誰だね、それは?」
望月「っ! ……」ダッ
千曳「おい、どこに行くんだ!」
勅使河原「まてよ望月!」ガタッ
古畑「……」
見崎「……」
ナニードウシタノー ミカミッテイッタカ ダレダヨソレ
千曳「皆、席に付きたまえ」
望月「あっ……」ガタッ
千曳「望月君、どうした、そんな風に突っ立って」
望月「あ、あの、三神先生は……」
千曳「三神先生? 誰だね、それは?」
望月「っ! ……」ダッ
千曳「おい、どこに行くんだ!」
勅使河原「まてよ望月!」ガタッ
古畑「……」
見崎「……」
ナニードウシタノー ミカミッテイッタカ ダレダヨソレ
翌日 屋上
勅使河原「あれから望月はほとんど授業に出てこなくなって、ニンも早退。今日は二人とも休み」
勅使河原「三神先生のことを覚えている人間は、誰もいない」
勅使河原「クラス名簿からも、教員名簿からも、跡形もなし、かぁ」ピラッ
勅使河原「そして三神先生が死んだ時の記事もちゃんと復活してる。中学教諭が川に転落、殺人か、ねえ」ピラッ
勅使河原「まさか千曳先生まで忘れてるとはなあ。ていうか、久保寺先生が亡くなった後に代理担任になったって……」
勅使河原「本当に、死に関わったヤツだけが覚えてるんだな……」
見崎「……」
勅使河原「お前はすごいよな。平然と学校来てさらりと授業受けてるし……」
見崎「……湿っぽくしても、しょうがないから」
勅使河原「……だよな。うん。しかしこれから、どうしたらいいもんか」
見崎「千曳先生はテープのことは覚えてるし、これから3組の皆に伝えてくれるんだと思う」
見崎「もっとも、無事であれば、の話だし、ずっと覚えていれば、の話でもあるけど」
勅使河原「……俺も何か残した方がいいのかな」
勅使河原「あれから望月はほとんど授業に出てこなくなって、ニンも早退。今日は二人とも休み」
勅使河原「三神先生のことを覚えている人間は、誰もいない」
勅使河原「クラス名簿からも、教員名簿からも、跡形もなし、かぁ」ピラッ
勅使河原「そして三神先生が死んだ時の記事もちゃんと復活してる。中学教諭が川に転落、殺人か、ねえ」ピラッ
勅使河原「まさか千曳先生まで忘れてるとはなあ。ていうか、久保寺先生が亡くなった後に代理担任になったって……」
勅使河原「本当に、死に関わったヤツだけが覚えてるんだな……」
見崎「……」
勅使河原「お前はすごいよな。平然と学校来てさらりと授業受けてるし……」
見崎「……湿っぽくしても、しょうがないから」
勅使河原「……だよな。うん。しかしこれから、どうしたらいいもんか」
見崎「千曳先生はテープのことは覚えてるし、これから3組の皆に伝えてくれるんだと思う」
見崎「もっとも、無事であれば、の話だし、ずっと覚えていれば、の話でもあるけど」
勅使河原「……俺も何か残した方がいいのかな」
ガチャッ
赤沢「珍しい組み合わせね、まさか、あなた達が……」
勅使河原「えっ、いやそんなんじゃっ」アセアセ
見崎「違うから」
赤沢「そうよね」
勅使河原「……」
赤沢「そんなことより、昨日のあれはなんだったの? それに今日二人が休んでること、知ってるんでしょう?」
勅使河原「あぁ、それなんだけどな……」
赤沢「珍しい組み合わせね、まさか、あなた達が……」
勅使河原「えっ、いやそんなんじゃっ」アセアセ
見崎「違うから」
赤沢「そうよね」
勅使河原「……」
赤沢「そんなことより、昨日のあれはなんだったの? それに今日二人が休んでること、知ってるんでしょう?」
勅使河原「あぁ、それなんだけどな……」
赤沢「……そう、災厄、止まったんだ」
勅使河原「? 意外と素直だな」
赤沢「あなたがそんな詳しいハッタリを言えるほど頭が良いとも思えないし」
勅使河原「ぐっ……」
赤沢「何より、全部古畑君がやってくれたって聞いて、納得せざるを得ないわ。悔しいけれど」
見崎「……」
勅使河原「? 意外と素直だな」
赤沢「あなたがそんな詳しいハッタリを言えるほど頭が良いとも思えないし」
勅使河原「ぐっ……」
赤沢「何より、全部古畑君がやってくれたって聞いて、納得せざるを得ないわ。悔しいけれど」
見崎「……」
アニメでは有能だったのに、AAでは赤沢さんアンチに無能呼ばわりされて可哀想です
無能すぎるほど無能だもんな
一つも役に立ってないしド低脳可愛い
一つも役に立ってないしド低脳可愛い
赤沢「……今だからいうけれど、私の従兄が、災厄で亡くなってたのよ」
勅使河原「! そうか……」
赤沢「意地張ってたんだって、今になってみたら反省するわ。古畑君のことは、いまだに苦手だけど」
勅使河原「やたらに留保つけるな」
赤沢「……古畑君に、ありがとう、って伝えておいて。それじゃ」
勅使河原「……そんなこと自分で言えよ」
赤沢「……そうね、ごめんなさい」
ガチャッ キィィ ドンッ
勅使河原「全く、素直じゃねえ奴だ……」
見崎「でもわかるわ。古畑君、なんとなくムカつくもの」
勅使河原「あのなあ……」
見崎「でも、あれだけズバズバと言い立てられたら、もう降参するしかない」
勅使河原「……だな」
勅使河原「! そうか……」
赤沢「意地張ってたんだって、今になってみたら反省するわ。古畑君のことは、いまだに苦手だけど」
勅使河原「やたらに留保つけるな」
赤沢「……古畑君に、ありがとう、って伝えておいて。それじゃ」
勅使河原「……そんなこと自分で言えよ」
赤沢「……そうね、ごめんなさい」
ガチャッ キィィ ドンッ
勅使河原「全く、素直じゃねえ奴だ……」
見崎「でもわかるわ。古畑君、なんとなくムカつくもの」
勅使河原「あのなあ……」
見崎「でも、あれだけズバズバと言い立てられたら、もう降参するしかない」
勅使河原「……だな」
>>391
何を勘違いしてるか知らんが、赤沢さんは自分で無能って言ったんだぞ
何を勘違いしてるか知らんが、赤沢さんは自分で無能って言ったんだぞ
放課後
勅使河原「なぁ、今日ニンの家に行ってみないか?」
見崎「そうね。望月君の方は?」
勅使河原「ニンを連れて行ったらうまいこと言えるんじゃねえか、ってつもりなんだが」
見崎「……それくらい自分でなんとか出来るんじゃ」
勅使河原「ぐっ、じゃあお前はなんとか出来るのかよ」
見崎「話のすり替え、嫌い」テクテク
勅使河原「はぁ……」
勅使河原「なぁ、今日ニンの家に行ってみないか?」
見崎「そうね。望月君の方は?」
勅使河原「ニンを連れて行ったらうまいこと言えるんじゃねえか、ってつもりなんだが」
見崎「……それくらい自分でなんとか出来るんじゃ」
勅使河原「ぐっ、じゃあお前はなんとか出来るのかよ」
見崎「話のすり替え、嫌い」テクテク
勅使河原「はぁ……」
三神宅
勅使河原「ずっと、家に帰ってきていない?」
祖母「昨日もそんな感じだったわね。病院に行くって言って、ちゃんと夕方には戻ってきたけれど」
祖母「今日は学校に行ってたものだとばかり……時折連絡はよこしたけれど……」
勅使河原「一体どこに行ってんだよ……」カリカリ
見崎「……あのダムじゃ」
勅使河原「ダム? ダムって山に向かう所にある……」
見崎「ありがとうございました。私達で捜してきます」ペコリ クルッ
勅使河原「あっ、ありがとうございました、待てって見崎!」クルッ
勅使河原「ずっと、家に帰ってきていない?」
祖母「昨日もそんな感じだったわね。病院に行くって言って、ちゃんと夕方には戻ってきたけれど」
祖母「今日は学校に行ってたものだとばかり……時折連絡はよこしたけれど……」
勅使河原「一体どこに行ってんだよ……」カリカリ
見崎「……あのダムじゃ」
勅使河原「ダム? ダムって山に向かう所にある……」
見崎「ありがとうございました。私達で捜してきます」ペコリ クルッ
勅使河原「あっ、ありがとうございました、待てって見崎!」クルッ
夜見山川 ダム
ザザァ...
勅使河原「ダムって言ったはいいものの、どこにいるんだか……」キョロキョロ
勅使河原「ていうか、落ちたらひとたまりもねえな、ここ。飛び込み台くらいの高さはあるんじゃねえか」
見崎「……このへん、だったかな。三神先生が突き落されたところ」
勅使河原「そういえば、犯人って誰だったんだ? それに三神先生が生きてた時って……」
見崎「新聞を見たけれど、犯人が捕まったっていう報道は見当たらなかった。もう少し漁れば、見つかるかもしれないけど」
見崎「仮に捕まっていたとしても、生きていた時は、どうだったんだろうね」
勅使河原「はぁ~……本当にとんでもないことに巻き込まれてたんだなぁ……」
ザザァ...
勅使河原「ダムって言ったはいいものの、どこにいるんだか……」キョロキョロ
勅使河原「ていうか、落ちたらひとたまりもねえな、ここ。飛び込み台くらいの高さはあるんじゃねえか」
見崎「……このへん、だったかな。三神先生が突き落されたところ」
勅使河原「そういえば、犯人って誰だったんだ? それに三神先生が生きてた時って……」
見崎「新聞を見たけれど、犯人が捕まったっていう報道は見当たらなかった。もう少し漁れば、見つかるかもしれないけど」
見崎「仮に捕まっていたとしても、生きていた時は、どうだったんだろうね」
勅使河原「はぁ~……本当にとんでもないことに巻き込まれてたんだなぁ……」
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