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元スレちなつ「仕方ないから傍にいてあげる、あかりちゃん」
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>>201
そう
そう
◆
いつのまにか秋も深まり、冬が近付いてきていた。
あかりちゃんからの連絡は一向になくて、私は時々あかりちゃんのことを考え、結衣先輩はたまに京子先輩に会っているみたいで、それでもずっと
私と一緒にいてくれた。
一緒にいるだけじゃ満たされないことはたくさんある。
そしてきっと、お互いがお互いを傷つけないようにするのはとても難しい。いつ崩れてしまうかわからないような私たちの関係はもうきっと、
ほとんど限界に近かったのかもしれない。
結衣「おはよう、ちなつちゃん」
結衣先輩と通学することがここ最近習慣になっていて、朝一番に結衣先輩の優しい声と笑顔が飛び込んでくる。
やっぱり私は、結衣先輩のことが好きなのだと、そう思う。
けれど、好きだからこそ、きっと違ったのだ。遠くから見詰める結衣先輩の姿が、愛しかった。こんなにも近くにいるのに触れられないのなら、
ただ遠くでその姿を見詰めているだけでよかったのだ。それで私は完璧には満たされなくったって、諦めがついたのだから。
いつのまにか秋も深まり、冬が近付いてきていた。
あかりちゃんからの連絡は一向になくて、私は時々あかりちゃんのことを考え、結衣先輩はたまに京子先輩に会っているみたいで、それでもずっと
私と一緒にいてくれた。
一緒にいるだけじゃ満たされないことはたくさんある。
そしてきっと、お互いがお互いを傷つけないようにするのはとても難しい。いつ崩れてしまうかわからないような私たちの関係はもうきっと、
ほとんど限界に近かったのかもしれない。
結衣「おはよう、ちなつちゃん」
結衣先輩と通学することがここ最近習慣になっていて、朝一番に結衣先輩の優しい声と笑顔が飛び込んでくる。
やっぱり私は、結衣先輩のことが好きなのだと、そう思う。
けれど、好きだからこそ、きっと違ったのだ。遠くから見詰める結衣先輩の姿が、愛しかった。こんなにも近くにいるのに触れられないのなら、
ただ遠くでその姿を見詰めているだけでよかったのだ。それで私は完璧には満たされなくったって、諦めがついたのだから。
昨日の夜、一件だけ着信があった。
あかりちゃんからだった。
メールがぱったりやんで以来、電話もしなくなっていたのに、それが突然。
なにかあったのかもしれない。
そう思って何度も電話をとろうとした。もちろん、とれるはずはなかった。あかりちゃんからの電話を無視してしまった私は、だけど。
尚更、あかりちゃんのことが未だに気に掛かっていて、話したいと、一緒にいたいと、きっとそう思っているのだということを自覚させた。
あかりちゃんへの気持ちはたぶん結衣先輩へのものとは違う。
もちろん、京子先輩やほかの友達に向けたものとも違う。今の私にはその気持ちの名前がなんなのか、よくわからない。
だからこそ踏み出せなくて、私はいつまで経っても結衣先輩の隣に、いる。
あかりちゃんからだった。
メールがぱったりやんで以来、電話もしなくなっていたのに、それが突然。
なにかあったのかもしれない。
そう思って何度も電話をとろうとした。もちろん、とれるはずはなかった。あかりちゃんからの電話を無視してしまった私は、だけど。
尚更、あかりちゃんのことが未だに気に掛かっていて、話したいと、一緒にいたいと、きっとそう思っているのだということを自覚させた。
あかりちゃんへの気持ちはたぶん結衣先輩へのものとは違う。
もちろん、京子先輩やほかの友達に向けたものとも違う。今の私にはその気持ちの名前がなんなのか、よくわからない。
だからこそ踏み出せなくて、私はいつまで経っても結衣先輩の隣に、いる。
その日はいつかの日と同じ、雨だった。
もうすぐ冬だという時期の雨は、とてつもなく冷たい。傘を忘れたと言って結衣先輩の黒い傘にいれてもらっていた私は、そっと結衣先輩を見上げ
その表情を窺った。
内ポケットが、震えていた。
誰かからの着信。けれど、それが誰からなのか、私はなんとなくわかっていた。
結衣「ちなつちゃん?どうしたの?」
ちなつ「あ、えっと……」
戸惑う私の様子に、結衣先輩が「電話?」と。
どうして、と思ってすぐにバイブの音が聞こえるのだと悟った。雨の音がうるさいはずなのに、震えている音が聞こえるほど結衣先輩との距離は今、
近かった。
もうすぐ冬だという時期の雨は、とてつもなく冷たい。傘を忘れたと言って結衣先輩の黒い傘にいれてもらっていた私は、そっと結衣先輩を見上げ
その表情を窺った。
内ポケットが、震えていた。
誰かからの着信。けれど、それが誰からなのか、私はなんとなくわかっていた。
結衣「ちなつちゃん?どうしたの?」
ちなつ「あ、えっと……」
戸惑う私の様子に、結衣先輩が「電話?」と。
どうして、と思ってすぐにバイブの音が聞こえるのだと悟った。雨の音がうるさいはずなのに、震えている音が聞こえるほど結衣先輩との距離は今、
近かった。
結衣「出ないの?」
ちなつ「……」
今日はこれから、二人でどこかへ行こうと話していたところだった。
この電話に出てしまったら、その話はきっとなかったことになってしまう。そんな予感が確かにどこかにあって。
いいよ。
結衣先輩は突然、そう言った。立ち止まる。激しい雨が、私たちの上を容赦なく叩き付けて行く。
ちなつ「……」
今日はこれから、二人でどこかへ行こうと話していたところだった。
この電話に出てしまったら、その話はきっとなかったことになってしまう。そんな予感が確かにどこかにあって。
いいよ。
結衣先輩は突然、そう言った。立ち止まる。激しい雨が、私たちの上を容赦なく叩き付けて行く。
結衣「出て、ちなつちゃん」
ちなつ「どうして……」
結衣「だって、すごくその電話に出たいって顔、してるよ」
そう言って、結衣先輩はくすっと笑った。
少しだけ、寂しそうに。けれど、どこか安堵の表情で。
それでもまだ迷っているような私に、結衣先輩は「気付いてたかな」なんて。
ちなつ「どうして……」
結衣「だって、すごくその電話に出たいって顔、してるよ」
そう言って、結衣先輩はくすっと笑った。
少しだけ、寂しそうに。けれど、どこか安堵の表情で。
それでもまだ迷っているような私に、結衣先輩は「気付いてたかな」なんて。
結衣「ちなつちゃん、よく自分があかりの話してたこと」
ちなつ「え……」
言われて、初めて、そうだったかもしれないと気付く。
先輩を傷付けないように、私が傷付かないように、それだけのことに必死で、それなのにそんなことにちっとも気が付かなくて。
結衣「ごめんね、私は、ちなつちゃんの欲しかった私になれなかったんだよね」
そんなことないです。
どんな結衣先輩でも好きでした。
辛うじて出た言葉は、ちゃんと聞こえただろうか。
結衣先輩はやっぱり優しく微笑んで、「私もちなつちゃんのこと、好きだよ」と。どきどきとしているはずの心臓は、けれど雨の音に紛れて
その音は聞こえなかった。ただ無性に、痛かった。
ちなつ「え……」
言われて、初めて、そうだったかもしれないと気付く。
先輩を傷付けないように、私が傷付かないように、それだけのことに必死で、それなのにそんなことにちっとも気が付かなくて。
結衣「ごめんね、私は、ちなつちゃんの欲しかった私になれなかったんだよね」
そんなことないです。
どんな結衣先輩でも好きでした。
辛うじて出た言葉は、ちゃんと聞こえただろうか。
結衣先輩はやっぱり優しく微笑んで、「私もちなつちゃんのこと、好きだよ」と。どきどきとしているはずの心臓は、けれど雨の音に紛れて
その音は聞こえなかった。ただ無性に、痛かった。
結衣先輩は、雨の中を駆け出していった。
私にただ一本の、黒い傘を持たせて。
本当に、最後までどこまでも凛々しくてかっこいいかっこいい人だ、と思う。本当に素敵だ。
そんな人に、たとえお互いにその意味が違ったとしても、好きだと言ってもらえて、私はきっと、世界で一番の幸せ者だった。
もったいないな、そんなふうにも思うけど。
私がずっと、結衣先輩が離れていく不安に耐え切れていたなら。あかりちゃんと一緒にいるのがなによりも安心出来ることなのだと気が付かなかったら。
でもきっとどちらにしてもこうなったのかもしれない、なんて。
私は深呼吸をすると、いつのまにか震えの止まっていた携帯を内ポケットから取り出した。
やっぱり、着信履歴には赤座あかりという名前があって、私はもう一度そっと、息をして、それからその番号を、押した。
私にただ一本の、黒い傘を持たせて。
本当に、最後までどこまでも凛々しくてかっこいいかっこいい人だ、と思う。本当に素敵だ。
そんな人に、たとえお互いにその意味が違ったとしても、好きだと言ってもらえて、私はきっと、世界で一番の幸せ者だった。
もったいないな、そんなふうにも思うけど。
私がずっと、結衣先輩が離れていく不安に耐え切れていたなら。あかりちゃんと一緒にいるのがなによりも安心出来ることなのだと気が付かなかったら。
でもきっとどちらにしてもこうなったのかもしれない、なんて。
私は深呼吸をすると、いつのまにか震えの止まっていた携帯を内ポケットから取り出した。
やっぱり、着信履歴には赤座あかりという名前があって、私はもう一度そっと、息をして、それからその番号を、押した。
呼び出し音は、すぐに途切れた。
『もしもし』と、そんな声がするかと思ったのに、ただ聞こえてきたのはあかりちゃんの息遣いだけで。
ちなつ「……」
あかり『……』
あかりちゃん。
確かめるように、名前を呼んだ。すっと、向こうであかりちゃんが息を呑んだのがわかった。
『もしもし』と、そんな声がするかと思ったのに、ただ聞こえてきたのはあかりちゃんの息遣いだけで。
ちなつ「……」
あかり『……』
あかりちゃん。
確かめるように、名前を呼んだ。すっと、向こうであかりちゃんが息を呑んだのがわかった。
あかり『……ちなつちゃん』
やっと、聞こえた声は。
やっぱりいつかの日と同じ、震える声で。
私はだから、言った。
ちなつ「あかりちゃん、今どこ?」
あかり『いつもの公園……』
その言葉に返した言葉も「待ってて、すぐ行くから」
私はそれから、そう言うとあかりちゃんの返事も聞かずに通話を切り駆け出した。今度は逃げ出すためでもなんでもなく、きっとはっきりとした
私の意思で。
やっと、聞こえた声は。
やっぱりいつかの日と同じ、震える声で。
私はだから、言った。
ちなつ「あかりちゃん、今どこ?」
あかり『いつもの公園……』
その言葉に返した言葉も「待ってて、すぐ行くから」
私はそれから、そう言うとあかりちゃんの返事も聞かずに通話を切り駆け出した。今度は逃げ出すためでもなんでもなく、きっとはっきりとした
私の意思で。
―――――
―――――
いつもの公園に辿り着くと、雨は一層強くなっていて、私の身体はびしょびしょに濡れていた。
なにもかも、あの頃と同じ。
「……あかりちゃん、風邪引くよ」そうかけた声だって、なにもかも。
けれど、ただ一つ違うのは。
結衣先輩の黒い傘を、私はたたんだ。
強い雨が、それでも私たちの頭上に降り続ける。けれど今はそんなことを気にしている余裕もなくて、ただ私は、「あかりちゃん」と。
近付いて、そして、雨に濡れ冷え続けた身体に抱きついた。あかりちゃんの身体が、びくっと痙攣するように震えて。
―――――
いつもの公園に辿り着くと、雨は一層強くなっていて、私の身体はびしょびしょに濡れていた。
なにもかも、あの頃と同じ。
「……あかりちゃん、風邪引くよ」そうかけた声だって、なにもかも。
けれど、ただ一つ違うのは。
結衣先輩の黒い傘を、私はたたんだ。
強い雨が、それでも私たちの頭上に降り続ける。けれど今はそんなことを気にしている余裕もなくて、ただ私は、「あかりちゃん」と。
近付いて、そして、雨に濡れ冷え続けた身体に抱きついた。あかりちゃんの身体が、びくっと痙攣するように震えて。
あかり「……ちなつちゃん」
どうして、とかすかな声が耳に届いた。
私だってそんなのはよくわからなかった。けれど、嫌われたのかと思ってたのに、そんなふうなことを言うあかりちゃんには、確実に違うよと
言うことができる。
あかり「やっぱりあかり……だめだって思ったの。ちなつちゃんがいなきゃ、だめだって」
私はなにも言わなかった。
雨に混じって、あかりちゃんの涙も受け止める。怯えるように、けれど、確かに求めるみたいに、あかりちゃんの手が、私の背中に回された。
どうして、とかすかな声が耳に届いた。
私だってそんなのはよくわからなかった。けれど、嫌われたのかと思ってたのに、そんなふうなことを言うあかりちゃんには、確実に違うよと
言うことができる。
あかり「やっぱりあかり……だめだって思ったの。ちなつちゃんがいなきゃ、だめだって」
私はなにも言わなかった。
雨に混じって、あかりちゃんの涙も受け止める。怯えるように、けれど、確かに求めるみたいに、あかりちゃんの手が、私の背中に回された。
あかり関連にしか興味身としては余計な登場人物がいなくて読みやすい
その上ちなあかですし
その上ちなあかですし
あかり「あかり、好きとか嫌いとか、よくわからないよ。でも、ちなつちゃんと離れちゃうのはすごく怖いって、そう思って」
ああ、きっとそれを言わなきゃいけないのは私のほう。
私だってたぶん、あかりちゃんがいなくちゃだめなのだ。ずっと離れたままだと、おかしくなっちゃいそうなくらい。
結衣先輩への気持ちとも違う、もちろん京子先輩や他の友達に対する気持ちとも違う、この感覚。
わからない。
わからないけれど。
あかり「……どこにも行かないで、ちなつちゃん」
仕方ないから傍にいてあげる、あかりちゃん。
ああ、きっとそれを言わなきゃいけないのは私のほう。
私だってたぶん、あかりちゃんがいなくちゃだめなのだ。ずっと離れたままだと、おかしくなっちゃいそうなくらい。
結衣先輩への気持ちとも違う、もちろん京子先輩や他の友達に対する気持ちとも違う、この感覚。
わからない。
わからないけれど。
あかり「……どこにも行かないで、ちなつちゃん」
仕方ないから傍にいてあげる、あかりちゃん。
◆
それから私たちの関係がなにもかも変わったわけではない。
結衣先輩と京子先輩はうまくいってるとこの間あかりちゃんが報告してくれたら、きっと大丈夫だろう。
その時のあかりちゃんの表情は、とても嬉しそうだった。それまで続いていた京子先輩の悪い噂も、ぱったり途切れたというのだから。
もし苦しんでいた京子先輩を結衣先輩が救えたのだとしたら、やっぱり私は、結衣先輩と離れたことを後悔しないししたくもないと思う。
時々、少しだけ苦しくなっちゃうときはあるけど。
それでも私はきっと、今、世界で一番の幸せ者。
だって、誰よりも信頼できて、誰よりも安心できるあかりちゃんの傍にいられるのだから。
もちろんこれまでと同様、会いたいと思った時にしか会えないけれど。お互い会いたいと思っていられるのだ。それだけですごく、嬉しい。
そして私はきっと、今、そんなあかりちゃんに惹かれている。これはまだ、あかりちゃんには言えないけれど。
ちなつ「高校卒業したら、一緒に旅行したいよね」
あかり「わぁ、楽しそうだねぇ」
ちなつ「じゃ、約束ね」
あかり「うん、約束」
今は、そんな未来も一緒に見られる。けれど、それでもいつかはまた離れなきゃいけないときがくるだろう。
そのときのいつか、この気持ちを言葉にできたなら。どうなるかはわからない。
わからないからこその約束と。
そして私は、やっぱりあかりちゃんの傍にいたいから。
終わり
それから私たちの関係がなにもかも変わったわけではない。
結衣先輩と京子先輩はうまくいってるとこの間あかりちゃんが報告してくれたら、きっと大丈夫だろう。
その時のあかりちゃんの表情は、とても嬉しそうだった。それまで続いていた京子先輩の悪い噂も、ぱったり途切れたというのだから。
もし苦しんでいた京子先輩を結衣先輩が救えたのだとしたら、やっぱり私は、結衣先輩と離れたことを後悔しないししたくもないと思う。
時々、少しだけ苦しくなっちゃうときはあるけど。
それでも私はきっと、今、世界で一番の幸せ者。
だって、誰よりも信頼できて、誰よりも安心できるあかりちゃんの傍にいられるのだから。
もちろんこれまでと同様、会いたいと思った時にしか会えないけれど。お互い会いたいと思っていられるのだ。それだけですごく、嬉しい。
そして私はきっと、今、そんなあかりちゃんに惹かれている。これはまだ、あかりちゃんには言えないけれど。
ちなつ「高校卒業したら、一緒に旅行したいよね」
あかり「わぁ、楽しそうだねぇ」
ちなつ「じゃ、約束ね」
あかり「うん、約束」
今は、そんな未来も一緒に見られる。けれど、それでもいつかはまた離れなきゃいけないときがくるだろう。
そのときのいつか、この気持ちを言葉にできたなら。どうなるかはわからない。
わからないからこその約束と。
そして私は、やっぱりあかりちゃんの傍にいたいから。
終わり
最後は自分でもよくわからなくなった、猛省
ここまで付き合ってくださった方ありがとうございました
それではまた
ここまで付き合ってくださった方ありがとうございました
それではまた
内容はよかったけど文章が良くわからないところ多かったな今回はwww
いつのまにか別れて結衣が京子のほう行ってたし
とりあえずおつおつ
いつのまにか別れて結衣が京子のほう行ってたし
とりあえずおつおつ
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