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    元スレ少女「私を食べてくれない?」青年「いいよ!」

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    51 = 1 :

    青年(料理が例外なくあの少女に見えてくる……)

    青年(もう俺の中で、少女は食い物になってしまったのか?)

    青年(死ぬのは悲しいだの、法がどうの、犯罪がどうのといいつつ、心の奥底では──)

    青年(俺はあの少女を食べようとしているのか?)

    青年(食べるのか?)

    青年(食べられるのか?)

    青年(食べたいのか?)

    青年(食べちまうのか?)

    53 = 1 :

    青年(どうやって?)

    青年(洗って? 包丁で切って? よく揉んで? フライパンで焼いて?)

    青年(鍋で煮て? 油で揚げて? 塩コショウで味付けして? 皿に盛り付けて?)

    青年(どんな味がするんだ?)

    青年(人肉はマズイっていうけど、美食家に育てられたくらいだしあの子は美味いのか?)

    青年(嗚呼……)

    青年(誰か……)

    青年(誰か俺を止めてくれ……)

    54 :

    人間ってどんな味なんだろ

    55 :

    美食家

    トリコか!

    56 = 1 :

    青年はアパートに戻った。

    「お帰りなさい!」

    青年「いい子にしてたか?」

    「うん。ところでお兄さんって、なんのお仕事してるの?」

    青年「ファミレスでバイトしてるんだよ」

    「へぇ~、つまり調理だってやるってことだよね」

    「やっぱり私の目に狂いはなかったみたい!」

    「二日後が楽しみだわ~」

    青年「ハハ……そうだな……」

    57 = 1 :

    青年(俺はなにをやっているんだ)

    青年(本当にこの子を食いたくないのなら、力ずくで追い出すべきだ)

    青年(警察にだって“自殺しかねないのできちんと見張ってて下さい”っていえばいい)

    青年(それをやらないってことは、やっぱり俺は食べたがってるのか?)

    青年(なぜ?)

    青年(好奇心? 義務感? それとも元々こんな性癖を持ってたのか?)

    青年(ああ、なんかもう、どうでもよくなってきた……)

    58 = 1 :

    それからの二日間を、青年はまるで夢遊病患者のように過ごした。

    青年(結局なんの解決策も打ち出せてないけど)

    青年(というか、解決する気が失せてきた)

    青年(食うのか? 食っちまうのか?)

    青年(結局俺ってそんなヤツだったのか?)

    青年(そんなヤツだったのかもしれないな、きっと)

    そんな青年を尻目に、少女は遠足の日でも待つかのように浮かれていた。

    (私、お兄さんと出会えて本当によかったぁ~)

    (もうすぐ夢が叶うんだね……うふふ)

    (いったいどんな感じなんだろうな、食べられるのって)

    (ドキドキが止まらないよ……)

    59 = 1 :

    ついに当日が来てしまった。

    青年「おはよう」

    「おはよう」

    「今日はいよいよ約束の日だね」

    「約束……守ってくれるんだよね?」

    青年「守るよ……俺は君を食べる」

    青年「ブツ切りにして、焼いて食べてあげるよ……」

    「ありがとう」

    60 = 1 :

    青年「ただし、俺は人肉を食べたことがない……」

    青年「どうしても君を食べることに罪悪感、っていうか抵抗がある」

    青年「だから俺はその抵抗を少しでも和らげるため」

    青年「今日は右腕だけで調理をしたい……」

    「?」

    「いいよ、それくらい」

    「お兄さんの心が少しでも楽になるのなら」

    61 :

    えっ

    62 = 1 :

    青年「分かってないな……」

    青年「右腕だけで調理するってのは、単に左腕を使わないって意味じゃない」

    青年「左腕を切り落とすって意味だ」

    「え……どういうこと!?」

    青年「つまり、俺はまず俺の左腕で料理を作る」

    青年「そしてそれを君に食べてもらう」

    青年「その後、俺は右腕だけで君を調理する」

    青年「こうすれば互いに互いを食べたことになり、俺の心も和らぐって寸法だ」

    青年「我ながらいいアイディアだろ?」

    63 :

    ほう

    64 = 1 :

    「ちょっと待って……何それ……」

    青年「だから、調理されるのは少し待ってろ」

    青年「すぐ俺の左腕でステーキ作ってやるから。君の最後の晩餐だ」

    「やめてよ……そんなことしなくていいよ!」

    青年「なんでだ?」

    「そんなことしたら、血がいっぱい出て……お兄さん死んじゃうよ!」

    青年「で?」

    青年「そりゃお互い様だろう」

    青年「左腕を調理した後は、君も調理するんだから」

    65 = 1 :

    青年「もしかして君さぁ」

    青年「食べられる覚悟はあっても、食べる覚悟はしてなかったのか?」

    「!」

    青年「そりゃあないだろ」

    青年「俺と君は共犯者、運命共同体」

    青年「俺が君を食うからには、君にも俺を食ってもらう」

    青年「これが、この三日間で俺が出した結論だ」

    青年「まぁ、一口食ってマズかったら残していいから。どうせマズいし」

    66 = 1 :

    青年「さぁて、さっそく包丁入れるか……」

    青年「まな板に左腕を置いて、と……」

    青年「うまく切れるかな……」

    「やめてっ! 死んじゃうってば!」

    青年「大丈夫、すぐ止血するし、君を調理して食うまでは生きてみせる」

    青年「ま、なんとかなるだろ」

    67 = 63 :

    つづけて

    68 = 1 :

    青年「さてと、切るぞ」

    青年「頼むから、もうジャマすんなよ」

    グイッ

    ゴリゴリ…

    青年(ちっ、けっこう腕って硬いな……右腕だけだと力入らねぇし……)ゴリゴリ

    青年の左腕から血が滴り落ちる。

    「あ、ああ……あぁっ……」

    70 = 1 :

    「やめてぇぇぇっ!」ガシッ

    青年「!?」

    「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!」

    「私、人を食べるってことがこんなに恐ろしいことだと思わなかった!」

    「悲しいことだと思わなかった!」

    「お兄さんにそんなことをお願いしてただなんて夢にも思わなかった!」

    「もう私、自分を食べてなんていわないから、お兄さんも腕を切るのをやめてっ!」

    青年「………」

    72 = 1 :

    青年「───!」ハッ

    青年「いってぇ……って左腕からすげぇ血が出てる!」

    青年「いたい、いたい!」

    青年「あそこに救急箱あるから、取って来てくれ!」

    「わ、分かった!」ダッ

    青年「早くっ! 死んじゃうっ!」

    「う、うんっ!」バタバタ

    73 = 54 :

    ええSS

    74 = 1 :

    青年「ふぅ……」

    「思ったより傷が浅くてよかったね」

    青年「あぁ、なまくら包丁で助かったよ」

    青年(あんな包丁じゃ、どのみち人を切ったりするのは無理だったろうな……)

    青年「……で、さっきいったことは本当だろうな?」

    「え?」

    青年「もう食べてもらう、なんていわないって」

    「……うん」

    75 :

    なんだ少女解体しないのか

    76 = 1 :

    「お兄さんが自分の腕を切ろうとした時──」

    「突然私の中にブワッと、お兄さんの優しい顔が流れ込んできてね」

    「あ、お兄さんに傷ついて欲しくない、絶対イヤだって……」

    「もしかしたら私もお兄さんに同じことを……って分かったの」

    「ごめんなさい……」

    青年「気にするなよ」

    青年「それを分かってくれたなら、こんな傷なんか安いもんさ」

    78 :

    >>77
    食べるなら>>1に注意書きあるはずだろ

    79 = 1 :

    「うっ……」

    「うぇぇぇん……」ギュッ

    青年「よしよし」

    青年(この子も……きっと心の奥の奥底では食べられたくなんかなかったんだろう)

    青年(当然だ……人間には生きようっていう本能が備わってるはず)

    青年(いくら“お前は料理になるんだ”って赤ん坊の頃から洗脳したって)

    青年(本能ってのはそう簡単に消せるもんじゃないはずだ)

    「うっ……うっ……」

    青年「よしよし。もう君を食べようなんてヤツはどこにもいやしないよ」

    80 = 1 :

    一時間後──

    「私……警察行くよ」

    「行って、お父さんが私にしてきたこと、全て話すよ」

    青年「俺もついてくよ」

    「でも、それじゃお兄さん誘拐犯みたいに思われちゃうんじゃ……」

    青年「まぁ、大丈夫だろ」

    青年「それにここまで来て、最後に突き放すみたいなマネするのはイヤだしな」

    「ありがとう……」

    82 = 1 :

    青年と少女は警察に向かった。

    どうやら警察でも美食家の××は色々不審な点が多いとマークしていたらしく、
    家から逃げた少女がその答えだったということで納得したようだ。

    また、青年が三日間通報することもなく少女をかくまったことについては、
    少女の特異な価値観と「通報したら自殺するかもしれなかった」などの点が考慮され、
    不問にされることとなった。

    もちろん「もっと警察を信用して欲しい」と怒られもしたのだが。

    83 = 1 :

    一流料理評論家が金で女性を孕ませ、食べるために子供を育てたというおぞましい事件に
    マスコミは飛びついた。

    連日のように、テレビでは特集が組まれた。
    希代の美食家は、死後になって恐怖の食人鬼へとその評価を変えることになった。

    しかし、青年にとってはそんなことはどうでもよかった。
    あの少女がどうなったのかだけが気がかりだった。

    84 = 1 :

    事件のほとぼりが冷めた頃──

    青年(ポストになんか入ってるな。どうせダイレクトメールだろうけど)

    青年(お、手紙か……珍しいな)

    青年(誰からだ……?)ガサッ

    青年「!」

    青年(おお、あの少女からだ。なにも連絡がないから心配だったんだ)

    青年「どれどれ……」ガサッ

    85 = 1 :

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    お兄さん、お元気ですか?

    私は元気です。

    今、私は○△児童養護施設にいます。

    いっぱい友達もできました。

    もしお兄さんが会わなかったら、私はどうなっていたか分かりません。

    お礼が言いたいし、話したいこともいっぱいあるし、

    今の私を見て欲しいから、ぜひ遊びに来て下さい。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    86 :

    嫌な予感

    87 = 1 :

    青年「………」

    青年(あまりに特殊な育ち方をしたから、普通の生活に馴染めるか少し不安だったけど)

    青年(元気でやってるようでよかった……)

    青年(今度の日曜にでも、遊びに行ってみるかな)

    青年の左腕の傷も、だいぶ薄れつつあった。





                                        ~おわり~

    88 :

    えっ














    えっ

    89 :

    いや終わっていいだろ

    90 :

    はい?

    91 :

    もうちょっとなんかさぁ....

    92 :

    いやいや普通に終わらせようよどんだけ歪んでんだお前ら
    そんなルートあると思ってんのか(チラッ

    94 = 86 :

    ここで終わるという世界もあるんだなあ
    起承転結の承で終わるのは未知の領域だったわ

    95 :

    え?セックスは?

    97 :

    イク時になったら、ケツ穴からローターぶちまけながらイクんだぞ?

    98 :

    「私を食べてくれない?」青年「いいよ!」
    の下に
    のび太「何食べてるのドラえもん…?」 ドラえもん「…」クチャクチャ
    あってクソワロタ

    99 = 43 :

    乙乙
    おやすみ

    100 :


    結があっさりし過ぎているけど、わりと悪くない終わり方じゃないか


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