元スレ真美「真美は、どんなアイドルになればいいの~?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
いち
2 = 1 :
P(事務所に余裕が出来て、竜宮小町に続くアイドルを、と他の子たちの活動を本格的に開始しようと考えた)
P(今のところ、千早・春香・貴音・雪歩の四人には、今後の方針を話すことが出来た)
P(自分で提案しといて辛い道のりだとは思うが、彼女たちもまた俺の予想以上に強い人間のようだ。十分なやる気を見せてくれた)
P(さて、次は―――)
3 :
おっとこれは覚えがある話題ですねっ!
5 = 1 :
ガシッ
P「んぐうぅっ!?」ギリギリ……
真美「んっふっふ~、兄ちゃーん、ゆきぴょんとのお話、もう終わりだよね~?」グリグリ
P「んちょ……ギブ!ギブギブギブ!」パンパン
貴音(完全に入っておりますね)
春香(首に……ね)
雪歩(苦しそうですぅ……)
真美「はいほーい、離したげる♪」パッ
6 = 1 :
P「ああもう……。待たせて悪かったよ、真美」ゲホッ
真美「ほんとだよ~!……さ、早く、早く聞かせて」
真美「真美は、どんなアイドルになればいいの~?」
P「ハー、ハー…………えー、真美自身は、どういうアイドルになりたい?」
真美「んっとね~、……とりあえず、早く亜美に追いつきたい!」
7 = 1 :
真美「亜美みたいにぃ、歌って踊れる、ちょーかっちょい~アイドルになりたいなっ」
P(…………)
P「……じゃあ、アイドルになりたい理由は?」
真美「えぇ?……そりゃあ、面白そうだったからだよ~」
真美「そんで亜美と、『二人で』売れっ子アイドルになろうね、って約束してたの」
P「……なるほどな」
8 :
やっと来たか支援
9 = 1 :
真美「だからさ~、亜美ばっかりテレビに出てて、見てるとウズウズしちゃうんだよ~」
真美「早く一緒の番組とか出られるようになりたいよ~、兄ちゃーん!」
P「お、落ち着け。ちゃんと真美のために考えてきてあるから」
真美「ええ~、どんなの、どんなのっ!?」
P「えーとだな……お前には、雑誌の仕事を受けてもらう」
10 = 1 :
真美「雑誌の?……取材か何か?」
P「いや、写真撮ってもらう方。……つまりモデル活動を最初は進めて欲しい」
真美「モデルか~、それも面白そうだね」
真美「真美のかっちょかわい~い写真も、撮ってもらえそうだしね」ンッフッフー
P「ちょっと待ってろよ…………」ガサゴソ
P「真美がモデルとして活動していくにあたって、傾向を調べたい」
12 = 1 :
P「あまりにも真美のイメージに合わないのは、流石に除いといた」ヨッ、…ト
P「…………この中から、気に入ったのを選んでくれ」ドサッ
春香「うわ!これ……全部、ファッション誌ですか?」
P「ああ、真美に水着グラビアはちょっとなあ。女性ファッション誌が良いだろう」
雪歩「ふわあぁ……表紙が、綺麗な人ばっかりですぅ……」
14 = 1 :
春香「えーと……『Seventeen』『Popteen』『CUTiE』『ピチレモン』『nicola』『ニコプチ』……」
貴音(ふぁっしょん雑誌とは、こんなにもたくさんあったのですか……)
春香「見たことないのも入ってるなあ……ニコプチ?」
P「そりゃそうだ。真美に合わせた小中学生対象の雑誌も入ってるからな」
15 = 1 :
貴音「……あなた様、こちらの『びび(ViVi)』や『のんーの(non-no)』は、逆に真美には早すぎるのでは?」
P「(のんーの……)ああそういうのはあくまで参考資料だから、そんなに深く考えなくてもいいぞ」
真美「おーおー、色々あるものだねぇ~」パラパラ
P「……真美の年齢を考えると、ピチレモンか、ニコプチが妥当だろう」
16 :
のわーの
17 = 1 :
P「こういう雑誌のモデルには二種類ある。プロのモデルと、もう一つ」
P「素人オーディションやスカウトで雑誌に載り、その後芸能事務所に入る『読者モデル』がそうだ。縮めて『読モ』だ」
P「真美はもう765プロ所属だから、プロとしてこちらから出版社に売り込むのが基本だな」
雪歩「……プロデューサー、この表紙に乗ってる『益若つばさ』さんは、どっちなんですか?」
19 = 1 :
P「益若つばさ、は読者モデル出身だ。今や『一般人代表』である分、読モの方がより身近で、読者から注目されやすい」
P「『新垣結衣』も読モ出身だな。男性からの支持もスゴイが、女性誌出身だから女性からの支持も厚い」
P「……と言っても、プロのモデル出身者にも『蒼井優』や『長澤まさみ』がいる」
貴音(お二人とも、今は女優の道へ行っておられますね……)
20 = 1 :
P「読モは『同じ学校のオシャレな先輩』で、プロが『憧れのお姉さま』って感じになるのかな」
真美「真美が『憧れのお姉さま』か~、いいねいいねぇ♪」
P「女性誌のモデルをきっかけにブレイクして、芸能界で活躍することも十分に可能なんだ」
P「……そうだなぁ、女性スタッフも多いし、雪歩にもこっちあたりの仕事は回してみるか」
雪歩「が、頑張りますぅ……」
22 = 1 :
P「……で、実は俺が、既に真美の写真を送っている出版社もある……どこも反応は上々だ」
P(…………)
P(このまま……上手く行ってくれれば……)
P「……でだ、雑誌の専属モデルになれれば、仕事としてはかなりの収穫だし、その経験を活かしてステップアップも狙える」
P「モデル活動はもちろん、それこそ歌手やったり、ドラマやバラエティに出たりとか」
23 = 1 :
春香「読者モデル出身の人、今はよくテレビに出てますもんねー」
P「そうだな。春香にも言った『こうなりたい』って思わせる仕事でもあるから、『アイドル』の要素もちゃんと必要なんだ」
P「そういう資質は真美は十分に持ってる。明るくて可愛くて元気、貴音とは別の意味で、空気を自分のものに出来る人間だ」
真美「♪」ンッフッフー
24 :
亜美真美は765プロの中でもトップクラスでオシャレだと思う
25 = 1 :
P「それに真美には、中学生の女の子らしい、ポップで可愛い服が似合うだろう」
P「雑誌に載れば、同年代くらいの女の子たちから本当に『憧れのお姉さま』扱いされるかもな」
真美「えーなになに~?真美ってば超売れっ子の素質ありありじゃ~ん!?」
P(……大丈夫……か……?)
P「…………真美の目から見て、自分に合ってそうな雑誌はあったか?」
26 = 1 :
真美「うーん……やっぱり兄ちゃんの言ってたピチレモンかニコプチが合ってるかなあ~」
真美「真美の普段の服と一番近いし、雑誌に載ってる持ってない服とか、着てみたいよ」
真美「……でもさぁ兄ちゃーん、…………モデルのお仕事も面白そうだけどぉ、歌は?」
真美「アイドルみたいなぁ、ぷりちーな歌はいつ出すの?」
真美「ほら、千早お姉ちゃんの時に聞いた『スタ→トスタ→』とかさ!」
27 = 1 :
P(…………)
真美「やっぱり真美としては、歌って踊れるアイドルの方がいいよぉ~」
真美「亜美が竜宮小町で、歌でもダンスでも活躍してるんだからさぁ」
真美「こっちも対抗してさっ、かっこい~ダンスとか、かわい~ステージ衣装とかやらせてよぉ~」
P(…………やる、しかないのか……)
P(…………)
P(…………覚悟を決めるか……)
28 = 1 :
P「……真美」
真美「なーに?」
P「真美の活動についてなんだが……」
P「……真美ひとりでの活動では、……しばらく『アイドル』はやらせないつもりだ」
真美「…………」
真美「…………え?」
春香(プロデューサーさん……!?)
貴音(…………)
雪歩(え、何で……!?)
29 = 1 :
真美「や、やだなあ兄ちゃん、冗談きついよぉ~……」
P「……すまん。…………本当だ」
真美「………………」
P「………………」
真美「………………」
真美「…………どうしてっ!?」ガタッ
30 = 1 :
雪歩「!」ビクッ
真美「ど、どうして真美は、歌を歌っちゃ、いけないっていうのさぁー!」
P「…………すまん」
真美「……そんな…………どうして…………」
真美「…………なん……せっかく……真美も……亜美、みたい、に……」ジワァ
真美「……う、うぅ………………」ポロポロ
春香「ぷ、プロデューサーさん、説明してくださいよ!」
32 = 1 :
雪歩「そ、そうですよぉ。私だって、このままじゃ納得行きません」
貴音「………………」
P「…………泣きながらでもいい。真美、理由を知りたいか?」
真美「……」コクコク
P「……もう聞きたくない、と思ったら、その時点で手を挙げてくれ」
真美「……」コクコク
33 = 1 :
P「俺の話を聞いて、それでも納得がいかないなら……真美の意思が最優先だ。方針を完全に変えよう、いいな?」
真美「……」コクコク
P「…………」
P「お前一人で歌を歌わせない理由……それは、竜宮小町にある」
貴音(………………)
真美「……どおして……?」
34 = 1 :
P「全ては……今の時期まで本格的に真美のプロデュースが出来なかった……俺が悪い」
P「他の人たちは誰も悪くない。もちろん真美も。だから、俺だけを恨んでくれ」
P「……竜宮小町が765プロで生まれ、みんなが活動するよりも先に、ブレイクした」
P「リーダーでしっかり者の伊織、大人で柔らかな雰囲気をもったあずささん、そして元気いっぱいでお調子者の亜美」
35 :
待ってたよー
36 = 1 :
真美「うん…………」ヒック
P「知名度も上がり人気も出て、テレビで見る機会も多くなった」
P「そしてお茶の間に、竜宮小町の元気娘『双海亜美』、というキャラクターが浸透してきた」
P「…………真美がこの状況で単に『アイドル』として出ていっても、失敗する危険性が高い」
真美「……どーゆーこと……なの……?」
37 = 1 :
P「お前と亜美はよく似てる。それはまあ、双子だから当たり前だ」
P「でももちろん、真美と亜美でも違うところはある」
P「例えば、真美の方が『お姉さん』で、責任感が強い。我慢強くて『大人』だ」
真美「……」
P「亜美は亜美で、自由奔放で元気いっぱい」
P「真美と比べると『子供』だけど、それが元気の源となって、みんなを一緒に明るくする」
38 = 1 :
P「どっちが良いとか悪いとかじゃない。ていうかどっちも良いんだ、それは個性なんだから」
P「だけど……初めて真美を見た人たちは、そんな違いにまで気づいてはくれない」
春香(…………!)
雪歩(そ、そんな……)
真美「…………」ギュッ
P「『双海真美』として一人で舞台に立ち、アイドルの地位を確立するのは、今の段階では難しすぎる」
39 :
ゲームがおかしく見えてくるレベルでごもっともだな
40 = 1 :
P「一人のアイドル『双海真美』ではない、『双海亜美の双子の姉』としか見てくれない人がほとんどだからだ」
真美「……ヒグッ、……そん、なぁ……」
P「『双海亜美』のイメージからの脱却は、竜宮小町が人気の今は限りなく難しい」
P「……実際に、売れっ子の片方に続いて、兄弟・姉妹のもう一人が芸能界デビューした、という前例はある」
41 = 1 :
P「『安倍なつみ』という、全盛期の『モーニング娘。』を支えたアイドルがいる」
P「それに続く形で、妹の『安倍麻美』がデビューした。……残念ながら、彼女は姉を超えるほどの活躍は出来なかった」
雪歩「…………どうして、ですか……?」
P「……姉の影響力が、それだけ強すぎたんだ。彼女の後ろには、いつでも『安倍なつみ』の影が付き纏ってしまっていた」
42 :
説得力があるな
43 = 1 :
P「例え片方の人気に便乗したわけじゃなくても……後からデビューするということは、それだけで『二番煎じ』の烙印を押される」
P「そして先にデビューした方のイメージから脱却できなければ……」
P「竜宮が活躍している以上、二番煎じ扱いのアイドル『双海真美』に……居場所は無い」
真美「…………」ヒック
春香(真美、しっかり……!真美……)サスサス
44 = 3 :
なるほどねえ
45 = 1 :
P「……かといって、イメージ脱却のためにアイドルとしての個性を付けすぎると、それもそれで亜美と比較されてしまう」
P「亜美がああやって『正面から』アイドル活動をしている以上、変化球で攻めれば『姉はイロモノ』で終わる」
P「そうなると、今度は亜美のイメージにも悪影響が出る。お互いのイメージ崩壊の後、共倒れになる危険性がある」
真美「……うん…………」ズズッ
46 :
これは自殺ルート
47 = 35 :
真美ヤンデレルートもありやで
48 :
>>46
おい
49 = 1 :
P「……お茶の間だけじゃない。多分テレビ局も、スポンサーも、『双海亜美の姉』としてしか見てくれないし、使ってくれない」
『竜宮小町を呼びたかったけど、都合がつかないから真美を呼ぶ』
P「……例えば、そういう使われ方だ」
P「どんなに頑張っても、『双海亜美の姉』のポジションからは、抜け出せない可能性のほうが高い」
50 :
コアなファンはまた別なんだろうけど
やはり一般人に認められてこそのトップアイドルか
みんなの評価 : ★
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