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    元スレ古畑「IQ1300……?」

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    タグ : - ミルキィホームズ + - 古畑任三郎 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    古畑「えー、数字を申告する時、実際より大きい数を言う人っています。
       俺には八千人の部下がいるだとか。
       韓流グルメフェスタに来場者20万人とか。
       無駄を削れば10兆、20兆の埋蔵金が簡単に出てくるとか。
       ただ、そういうことする人は決まってロクな目に合いません。ご注意を」

    2 = 1 :

    ~警察博会場・野外ステージ~

    小衣「いいアンタらー! 今日は待ちに待った警察博の開催日よー!
       本当に警察博が開かれるなんて、分かってるじゃないー!
       でも、どうせなら小衣博を――」

    次子「こらっ」ゴンッ

    小衣「痛っ。
       ……と、とにかく、警察博の開催日だから心行くまで楽しみなさいー!
       過去の事件の証拠品や、最新の捜査道具、
    警察が怪盗から守った美術品なんかが展示されてるわよ!
       以上!」

    アイリーン「きゃーっ、こころーっ!」

    今泉「小衣ちゃーんっ!!」

    3 = 1 :

    ~警察博会場・野外ステージ裏~

    小衣「ようやく警察博の開催日になったわね。
       本当は小衣博の方が良かったけど」

    次子「まだ言ってるのかよ」

    アイリーン「小衣ー、今日も可愛いかったわよー」

    小衣「ひいっ、アイリーン!」

    「あ、逃げた」

    アイリーン「あははー、待ちなさーい小衣ー♪」

    平乃「行っちゃいましたね」

    次子「アタシも警備の持ち場に行ってくるわ」

    「うぃ~す」

    4 = 1 :

    ~警察博会場内~

    店員「はあ、そう言われましても……」

    古畑「だって、写真ではこのクレープ、イチゴが6つ入ってるじゃない。
       私が買ったのには5つしか入ってないんだよ。
       よく見なさいよ、ほら」

    店員「いや、だからですね」

    古畑「勘違いしないで欲しいんだけど、
       別にイチゴが欲しくて言ってるわけじゃないんだよ。
       ただ、こういうことはちゃんとしときたいんだよ」

    店員「でも規則で、一度お渡ししたものの交換は――」


    ダダダダダ――ドンッ


    古畑「あ、クレープが」

    5 = 1 :

    小衣「ちょっとアンタ! なにボケッとつったってんのよ!」

    古畑「何言ってるの、ぶつかってきたのはそっち――あれ、もういない」

    今泉「古畑さーん、何やってるんですか」

    古畑「あ、今泉君。いや、なんか今、子供がぶつかってきたんだよ。
       背の低い、金髪のツインテールの子」

    今泉「あ、それきっと小衣ちゃんですよ。
       G4の明智小衣。ハーバード大学を飛び級で首席卒業したIQ1300の天才美少女。
       さっき、野外ステージに出てたんで、僕見に行ってたんですよ。
       ほら、携帯で動画も撮ったりなんかしちゃって」

    古畑「あー、そうだよこの子だよこの子!
       へー、この子がG4の」

    7 = 1 :

    ~警察博会場・西館~

    次子「あー、カステラうめーっ。
       それにしても、こっちは展示もないからあんまり客こなくて暇だなー。
       ……お、小衣だ」

    ダダダダダ――

    次子「小衣ー、まだやってたのか」

    小衣「そーよ、まだやってたのよ!
       アイリーンが来たら小衣はそっちに逃げたって言っておいて!」

    ダダダダダ――

    次子「あーあー、アイツも大変だな」

    8 = 1 :

    ~警察博会場内~

    小衣「はあっ……はあっ……」

    キョロキョロ

    小衣「よし、誰もいないわね」

    ガチャ――

    ガサゴソ……

    小衣「……」

    9 :

    ふむ

    10 = 1 :

    ~警察博会場・西館~

    次子「こんどはアイリーンが来たよ」

    ダダダダダ――

    アイリーン「ねえ、小衣見なかった?」

    次子「あー、小衣ならそっちへ行ったよ」

    アイリーン「ありがとーっ」

    ダダダダダ――

    次子「やれやれ」

    11 :

    前フリがいい

    12 = 1 :

    ~警察博会場内~

    ガチャ――

    アイリーン「小衣ー、どこでちゅかー?」

    小衣(……)

    アイリーン「あはは、小衣見ーつけた」

    ――カチャリ

    小衣(……)

    アイリーン「さ、小衣ー、お姉ちゃんと一緒に行きまちょうねー♪」

    ぐいっ

    アイリーン「え、小衣……?」

    小衣(……)スッ

    ――――ドガッ!!

    13 = 1 :

    ~警察博会場・西館~

    『ご来場の皆様。本日は、ヨコハマ警察博にお越しくださり
     まことにありがとうございます。
     ただいま、入場者数が10000人を突破しました』

    次子「お、もうそんな人数が入ったのか。
       まだ午後一時になったばっかだってのに盛況だねえー」

    古畑「あのー、すみません」

    次子「おわ、誰だ?」

    古畑「警視庁の古畑と申します。
       いやー、そのなんというか……
       迷ってしまいまして」

    次子「あははー、まあ混んでるしなー。
       ちょっと待ってな、今地図を……あれ、ないな」

    古畑「私も会場の地図がついたパンフレットを貰ったんですが、
       一緒に来た部下に預けていたらその部下とはぐれちゃいまして。
       部下は多分、展示を見に行っていると思うんですが」

    次子「ふーん。展示見に行ってるなら東館だろーな。
       あ、展示と言えば爆弾処理班が面白いぞ。
       アタシが連中に勧めて爆弾処理用のロボットを展示させたんだよ」

    14 = 1 :

    古畑「そうですか。あーでも、見に行こうにもどっちにいけばいいのか」

    次子「そうだ、そっちの部屋にパンフが保管してあるから、それを使ってくれよ。
       ついてきな、案内するから」

    古畑「いやー、すみません。
       あれー? ところで貴女、もしかしてG4の……」

    次子「お、アタシのこと知ってるのか?
       そうだよ、G4の銭形次子だ。よろしくな」

    古畑「こちらこそよろしくお願いしますー。
       あ、この部屋ですか?」

    次子「ああ。空き部屋だから物置みたいになってるんだけど、
       確かパンフが置いてあったはず。ちょっと待ってな――」

    ――ガチャガチャ

    次子「あれ?」

    古畑「鍵がかかってますね。
       んー、どなたか中にいらっしゃるんでしょうか」

    15 = 1 :

    次子「あ、そう言えばさっきアイリーンが入ったんだった。
       まだ部屋の中にいたのか。
       おーい、アイリーン。開けろー」ドンドン

    古畑「……返事がありませんね」

    次子「あれ、いないのか。いつの間に出て行ったんだ?」

    古畑「いやー、中にいないってことはないと思いますよ」
       
    次子「なんで?」

    古畑「このドア、鍵穴がついてません。
       ということは、鍵は内側からしかかけられないということになります」

    次子「ああ、そうか。じゃあやっぱり中にいるのか。
       アイリーン! 開けろー!」ドンドン

    古畑「……んー、返事がない」

    16 :

    古畑系は面白い

    17 :

    古畑「ミルキィホームズ……?」
    書いた奴?

    18 = 1 :

    小衣「あ、次子ーっ!」

    次子「お、小衣」

    ダダダダダ――

    小衣「はあっ、はあっ……アイリーンはこっちには来てない?」

    次子「いや、来たぞ。今、この部屋の中」

    小衣「ひいっ」

    次子「あっと待て、逃げるな。
       なんか変なんだよ」ガシッ

    小衣「ちょっと、離しなさいよ次子!
       あと何が変なのよ!?」

    古畑「ドアに鍵がかかっていて開かないんです」

    19 :

    さすがにIQ四桁だけあってミルキィの時よりは手が込んでるっぽいな

    20 :

    古畑×ミルキィって相性いいよな

    22 :

    閣下の仕業は犯人の嵌め方が一番好きだわ

    23 = 1 :

    小衣「誰よアンタ!」

    古畑「あ、申し遅れました。私、警視庁の古畑と申します」

    小衣「そう。小衣はG4のリーダー明智小衣。
       ハーバード大学を飛び級で首席卒業した天才美少女よ!」

    古畑「ああ、知ってます。IQ1300の」

    小衣「1400!」

    古畑「はい?」

    小衣「IQ1400よ、間違えるんじゃないわよ!」

    古畑「あー、それは失礼しました。
       IQ1400……それはすごい」

    24 = 1 :

    >>17
    そう。
    前回はあまりにもあっけなくトリックが解かれたから今回はきちんと考えた。

    26 = 1 :

    小衣「そーよ、小衣はすごいのよ!
       この前なんかハッケイ島からの脱獄犯達を全員捕まえてヨコハマの街を守ったわ!」

    古畑「そうですか。ちなみに私はSMAPを逮捕しました」

    小衣「他にも海賊の黒ひげやジャック・スパロウや
       麦わらのルフィやゴーカイレッドも小衣が捕まえたのよ!」

    古畑「そうそう、イチローを逮捕したのも私なんですー」

    小衣「他にも、他にも、ヨコハマを恐怖に陥れた変質者を捕まえたのも――」

    次子「張り合うな」ゴンッ

    小衣「痛っ!
       何よー、小衣は悪くないー!!」

    古畑「えー、それで話を戻すとですね。
       この部屋、鍵がかかっていてドアが開かないんですけど、
       中に声をかけても反応がないんです」

    27 :

    期待してますよ古畑さん

    28 = 1 :

    >>25
    出ない、G4のみ。
    ----------------------

    次子「あ、分かった。
       アイリーンの奴、ここに隠れて小衣を待ち伏せしてるんじゃないか?」

    古畑「と、言いますと?」

    次子「アイリーンは小衣の大ファンでなー。
       いつも小衣のことを追いかけまわしてるんだ」

    小衣「小衣は迷惑してんのよ!」

    次子「さっきだって、
       アイリーンが来たらこっちに逃げたように言えって
       小衣に頼まれてさー。
       実際に来たから言われた通りに言ってやったんだからな。
       小衣ー、感謝しろよー?」

    小衣「何よー! 小衣はリーダーなんだから言うこと聞くのは当然でしょ!」

    古畑「なるほど、だいたい分かりましたー。
       でも、待ち伏せをしているってことはないと思いますよー。
       鍵をかけていたら誰も入ってこれません」

    次子「ありゃりゃ、それもそうか」

    29 = 1 :

    古畑「もしかしたら、中で体調が悪くなって動けないのかも」

    小衣「……仕方ないわね。
       外から回り込んで、窓から部屋の中を見てみましょう。
       べ、別にアイリーンのことが心配なわけじゃないわよ!
       ただ、何かあったらまずいから仕方なく――」

    次子「お、ツンデレ発動ですかー?」

    小衣「違う! ほら、次子が先に行きなさいよ。
       アイリーンがなんともなかったら、小衣はダッシュで逃げるんだから」

    次子「分かった分かったって、押すな押すな」

    古畑「あ、私もご一緒しますー」

    30 = 1 :

    ~警察博会場・西館外~

    次子「小衣ー、そんなに離れてないでこっち来いー」

    小衣「いいからさっさと部屋の中を確認しなさい!」

    古畑「えー、この部屋ですね。どれどれ……
       …………!」

    次子「お、どーした? アイリーンはどうだ……
       …………えっ、おいおいウソだろ!?」

    小衣「ちょっとー、どうしたのよー?
       アイリーンはいたのー? 小衣もう逃げた方がいいー?」

    次子「逃げないでこっち来い!
       アイリーンが頭から血を流して倒れてるんだ!」

    小衣「はぁ? どういうこと」

    次子「いいから、そこの窓から覗いてみろって」

    小衣「……うわ! 何これどういうことよ!?」

    31 = 1 :

    次子「アタシだってわかんないよ!
       なあ、もしかしてアイリーンの奴、死んでるのか?」

    小衣「いや、まだ息があるかも知れないわ。
       次子、中に入って確かめてきなさい」

    次子「おう、了解!
       ――ん、あれ?」ガタガタッ

    小衣「何やってるのよ?」

    次子「いや、この窓、鍵がかかっていて開かないんだよ。
       古畑の旦那、そっちの窓は開くかー?」

    古畑「いやー、こっちも鍵がかかっています」

    次子「あーもう、しょうがないな!
       緊急事態だし、銃底でガラス割るか。
       ちょっと泥棒みたいだけど、鍵のとこをパリンと」

    古畑「あ、ちょっとお待ちください。
       そちらの窓の鍵、少し見せてくださいますか?
       ……んー、確かに鍵かかってます」

    次子「だからそう言ってるだろー。
       それじゃガラス割るから、少し下がってな。
       ――せいっ」ガチャパリーン

    32 = 1 :

    小衣「早く早く、急ぎなさい!」

    次子「そんな急かすなってーの!
       この窓、鍵だけじゃなくてロックも掛かってるんだよ。
       ――よし、開いた!」

    ガラララ――ッ

    次子「よっと。
       おい、アイリーン、大丈夫か?
       おーい!」

    小衣「アイリーンはどうなの?」

    次子「ダメだ。死んでる……。
       すぐ横に血塗れのハンマーが転がってるから、
       これで頭をガツンとやられたっぽいな」

    小衣「ちょっと……それって、殺されたってこと?」

    次子「……多分」

    古畑「あのー、すみません。
       ドアにも、鍵かかってます?」

    次子「ん? ああ、掛かってるな。
       ……って、そもそもドアに鍵が掛かってたから、
       アタシらこうやって窓側に回り込んできたんだろー」

    33 = 1 :

    古畑「ええ、そうなんです。
       となると……んー、これは一体どういうことなんでしょう」

    小衣「そうね、変だわ。
       ま、とりあえずはこの部屋をよく調べてみましょ。
       咲たちと鑑識を呼ぶから少し待ってなさい」ピッピッピ

    プルルル――

    小衣「……」

    プルルル――

    小衣「……」

    プルルル――

    小衣「あーもーっ! なんで出ないのよ咲は!
       じゃあ、平乃に……」ピッピッピ

    プルルル――ガチャ

    平乃『はい、長谷川です』

    小衣「あ、平乃ー?
       事件発生よ、至急、咲と鑑識を連れて現場まで来なさい!
       場所は西館南端の――」

    34 :

    シャロくらい耐久力あれば…

    35 = 1 :

    ~警察博会場・事件現場~

    平乃「被害者はアイリーン・ドアラー。
       死因は打撃による頭蓋骨骨折および脳挫傷。
       凶器は死体の横に転がっていた鋼鉄製のハンマーと思われます」

    小衣「……」

    平乃「特筆すべきは、現場であるこの部屋の施錠状態ですね。
       ドアには内側からサムターン錠がかけられていました。
       部屋の南側と西側にある窓も全てクレセント錠がかけられ、
       さらにロックもされていました」

    小衣「他にこの部屋に出入りできるところは?」

    平乃「ありません」

    「密室~」

    次子「おいおい、マジかよ」

    36 = 21 :

    分かった




    犯人はヤス

    38 = 1 :

    平乃「他には、被害者の右手にこんなものが握られていました」

    次子「なんだこりゃ、青い布?」

    「うえ、飛び散った血がついてる~」

    平乃「被害者が倒れていた場所のすぐ側、
       壁際のキャビネットの扉がほんの少しだけ開いていました。
       そこから取り出したものと思われます。
       何かのダイイング・メッセージなのでしょうか」

    小衣「そのキャビネットの中には、他に何か入ってたわけ?」

    平乃「被害者が握っていたものと同じ青い布がたくさん……
       他に、赤い布や黄色い布、緑色の布も入っていました。
       警察博の飾り付けに使用したものの余りみたいですね」

    小衣「青い布……青……ブルー……
       うーん、ピンと来ないわね」

    39 = 1 :

    古畑「あのー、ちょっとよろしいでしょうか」

    小衣「何よ?」

    古畑「被害者の……アイリーンさんでしたっけ?
       彼女のつけている腕時計の、針が止まっているみたいですが」

    平乃「あ、本当ですね。
       倒れた時のショックで壊れたんでしょうか?
       時計の針は12時59分で止まっています」

    次子「おお、犯行時刻ってわけだな!」

    小衣「それをそのまま信じるのはどうかしら。
       世の中には信用できないものが5つあるわ。
       年寄りの自慢話、通信販売の売り文句、
       スポーツ新聞の見出し、ミルキィホームズの推理、
       そして最後が――」

    古畑「犯行現場の壊れた時計」

    小衣「分かってるじゃない」

    古畑「私も4つ目を今泉慎太郎の推理と言い換えてよく使ったりします。
       しかしですね、今回の場合は信じてもいいと思いますよー」

    小衣「何で。あと今泉って誰よ?」

    40 = 1 :

    古畑「はい、何故かと申しますと、
       実際にその頃に殺害が行われたと思われるからです。
       我々が彼女を発見したのは1時5分頃でした。
       えーと、銭形さん?」

    次子「ん、アタシ?」

    古畑「あなた、この部屋に入る直前の被害者のこと見てますよね?
       ご自分でそうおっしゃっていました。
       いつ頃のことだか覚えてらっしゃいますか?」

    次子「ああー、えーといつだったかな。
       一時よりは前だったけど……そんなに前でもなくて、
       12時55分か、それよりちょっと後くらいかも」

    古畑「では、12時55分としましょう。
       被害者が部屋に入ったのが12時55分、我々が被害者を発見したのが1時5分。
       この間10分です」

    平乃「時計の指している時刻もその10分間に合致しますね」

    古畑「はい、そうなんです。
       時計が偽装だと考えた場合でも、犯行時刻とはせいぜい数分のズレしかないはずなんです。
       犯人にとって、こんな偽装をする意味があるんでしょうか」

    平乃「なるほど、確かにそうですね」

    小衣「ふん、小衣だってそんなことは分かってたわ。
       さっきのはちょっと言ってみただけよ!
       それより今泉って誰よ?」

    41 :

    ココロ以外のG4の名前を未だに覚えられん

    42 = 1 :

    古畑「あ、私の部下です。今日も一緒に来てたのですがはぐれちゃいまして……
       多分、展示を見てると思うんですが」

    次子「あー、そう言えばさっきそんなこと言ってたな。
       展示を見てるなら多分東館にいるだろ。館内放送で呼び出そうか?」

    古畑「んー、まあ居ても役には立たない奴なんで結構です」

    平乃「古畑さんも結構きついこと言いますね……」

    小衣「まあ役に立たない奴ならどうでもいいわ。
       そんなことよりも問題なのは密室状況よ」

    古畑「ええ、これは大きな謎です」

    小衣「ふふん、小衣には犯人がどうやってこの部屋から脱出したか、
       もう大体の見当はついてるわ」

    古畑「ええ、本当ですか?
       さすがIQ1300だ……」

    小衣「1400っ!」

    古畑「あ、失礼しました。IQ1400でした。
       で、一体どんな方法で?」

    43 = 1 :

    小衣「テレポートよ!」

    古畑「はい?」

    小衣「テレポート」

    古畑「……」

    小衣「何よその小衣を憐れんだような顔は!
       警視庁の刑事なんかには分かんないでしょうけどね、
       ヨコハマ市警はトイズを使う怪盗の犯罪と日々戦ってるんだから!」

    古畑「トイズ……トイズと言うと、そのー、超能力みたいな」

    小衣「そうね、超能力と考えて問題ないわよ。
       トイズには色々な種類があって、当然テレポートのトイズもあるわ。
       他には壁抜けとか、また別のトイズの可能性もあるかも知れないけど」

    古畑「うーん……」

    小衣「とにかく、小衣は現場の状況からこの事件を怪盗事件と判断するわ。
       よって、事件の指揮は対怪盗チームである小衣たちG4が執るわよ。
       いいわね?」

    古畑「うーん……」

    45 = 1 :

    小衣「咲、警察のデータベースから該当しそうなトイズを持つ怪盗の情報を洗い出して」

    「了解~」

    小衣「それと、犯人は大柄な男の可能性が高いわ。
       条件にあてはまる怪盗がいたらチェックしといて」

    「おいす~」

    古畑「あのー、なんで犯人は大柄な男なんでしょう」

    小衣「凶器からのプロファイリングよ。
       あのゴツいハンマーを女子供が振り回すのは難しいでしょう。
       それなりの腕力がなければわざわざ凶器にはしないわ」

    古畑「んー、なるほど」

    小衣「平乃、市警本部に本件を怪盗事件として連絡して。
       それが済んだら次子と一緒に周囲の聞き込みを」

    平乃「わかりました」

    次子「なあ、警察博にきている客は引き止めなくてもいいのか?」

    小衣「本当ならそうしたいところだけど、
       来場者が一万人を超えているのに全員引き止めておくのは無理だわ。
       それに犯人がまだ会場内にいるかも怪しいし」

    次子「まー、そりゃそうか」

    46 = 1 :

    古畑「あのー、指示はそれで終わりですか?」

    小衣「ええ。アンタももう帰ってもいいわよ。
       あとはG4に任せなさい」

    古畑「…………」

    小衣「ほら、帰った帰った。
       怪盗事件なんだから、ただの刑事がいても邪魔なだけだわ」

    次子「こら、小衣。そういう言い方はないだろ」ゴンッ

    小衣「痛っ!」

    次子「ごめんなー、こいつ口悪くてさー」

    古畑「いえいえ、んーふふふ。
       それよりもですねー、この事件、
       本当にトイズを使った怪盗事件と考えて良いんでしょうか?」

    小衣「何よ、小衣の判断にイチャモンつけようってわけ?
       でも、この部屋はドアの鍵も窓の鍵も構造上内側からしかかけられないのよ。
       ドアや窓の周りに隙間もなさそうだし、外から糸で操作するのも無理。
       他に出入口もない以上、これはもうトイズを使ったと考えるのが自然でしょうが」

    古畑「いやー、分かりませんよ。
       私がこれまでに解決した事件の中にも、
       トイズを持たない普通の犯人が密室殺人を行った例があります。
       密室だから犯人がトイズを使ったとは限りません」

    47 = 1 :

    小衣「じゃあ、犯人はどうやってこの部屋から脱出したって言うのよ」

    古畑「んー、それはまだ、何とも」

    小衣「何それ、お話にならないじゃない」

    古畑「ただですね、怪盗が犯人だったとして、
       なんでアイリーンさんを殺したんでしょう?」

    小衣「さあ、警察博に忍び込んでいるのを見つかったからじゃない?」

    古畑「何も殺すことはないじゃないですか。
       トイズでもなんでも使って逃げれば済む話なんです。
       はい、そこのところがどうも腑に落ちないんです」

    小衣「誰かに見られていると発動できないトイズだったとかね」

    古畑「トイズにはそういう発動する条件みたいなものもあるんですか?」

    小衣「トイズによってはね。何しろ色々な種類があるし」

    古畑「んー、だとしても分からないなあ」

    小衣「何がよ」

    48 :

    古畑SSは安定の面白さ。期待してます。④

    49 = 1 :

    古畑「そもそも怪盗は何でこんな部屋に忍び込んだでしょうか。
       ただの空き部屋ですよ? 怪盗の気を引きそうなものなんか何もない」

    小衣「単に通り道だったんじゃないのー。
       壁抜けのトイズなら、部屋から部屋への移動中にアイリーンに見つかったとか。
       テレポートにしても一回の移動距離に限界があって、
       この部屋は単に中継点だったのかも知れないじゃない」

    古畑「なるほど。んー、トイズの都合にすれば何とでも言えますね」

    小衣「何よ? 小衣に何か文句あるの?」

    古畑「いえいえ、別に」

    小衣「だいたいねー、疑問って言うなら、
       トイズを使わずに犯人が密室から脱出したって考えの方が
       小衣にはよっぽど疑問だわ」

    古畑「さっきから犯人が密室から脱出したって言い方されてますけど、
       犯人が部屋の外に出た後、何らかの方法で施錠を行ったという考え方もあるのでは?」

    小衣「ドアの鍵も窓の鍵も内側からしかかけられない構造だって言ったでしょーが!
       それとも、何か外から鍵をかける方法でもあるってわけ?」

    古畑「んーふふふ、今はまだ、なんとも」

    50 = 1 :

    小衣「あーもー、それってつまり、ないってことでしょうが!
       それに百歩譲って犯人が何らかのトリックを使って外から施錠をしたとしてもさー、
       なんで犯人はそんなことする必要があったわけ?」

    古畑「さー、なんででしょう」

    小衣「ドアの向こう側は一本道だし、ドア自体が次子の警備してた箇所から丸見えだったわ。
       ってことは少なくとも、犯人はドアからは出ていないでしょ。
       ドアから出れば次子が気付いているはずだし」

    古畑「はい、それはそうだと思います」

    小衣「アンタの言う通り、犯人がトイズを持たない普通の人間だった場合、
       脱出ルートは窓以外には考えられないわ。
       でも窓はクレセント錠とロックで二重に施錠されてたわけ。アンタも見てたわよね?」

    古畑「はい」

    小衣「仮に外から窓を施錠できたとしても、そんなに短時間でできるとは思えないわ。
       外は人通りが全くないわけじゃないんだから、
       犯人からすれば見られるリスクがあったってことになるわよね。
       そこまでして密室を作る理由が、小衣には理解できないんだけど?」

    古畑「常人には不可能な状況だったとなれば、ヨコハマでは怪盗事件ということになりますからねー。
       トイズを持たない犯人が、容疑者圏内から抜けることができます」

    小衣「ふん、何にせよ窓を外から施錠する方法が見つからない限り意味のない話ね。
       悪いけど、小衣はあくまで怪盗事件として捜査するつもりだから」


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