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翌日――夕方、公園
男「来てないなぁ……」
幼「来てないね~~」
女「来てないですね」
男「女さんもついてきて貰っていいんですか?」
女「はい、言いだしっぺの法則ですから」
幼「よ~~~し、少女ちゃん家に行くぞ~~」
男「そうだな」
男「来てないなぁ……」
幼「来てないね~~」
女「来てないですね」
男「女さんもついてきて貰っていいんですか?」
女「はい、言いだしっぺの法則ですから」
幼「よ~~~し、少女ちゃん家に行くぞ~~」
男「そうだな」
―――
少女「パパの……嘘つき」
母「……少女」
トゥルルルルル
母「はい。もしもし」
母「え……夫が?」
母「は、はい! わかりました!」
母「某病院ですね! はい、今すぐに向かいます!」
母「少女! 病院に行くよ!」
少女「え? どうして?」
母「いいから!」ギュッ
少女「マ、ママ?」
―――
少女「パパの……嘘つき」
母「……少女」
トゥルルルルル
母「はい。もしもし」
母「え……夫が?」
母「は、はい! わかりました!」
母「某病院ですね! はい、今すぐに向かいます!」
母「少女! 病院に行くよ!」
少女「え? どうして?」
母「いいから!」ギュッ
少女「マ、ママ?」
―――
少女の家
男「き、緊張するなぁ」
幼「へ、へたれ~~」
男「お前の方がガチガチじゃないか」
女「さっさとインターホン押してください」ポチ
ピンポーン
男「あ」
幼「あ」
女「……出ませんね。留守ですかね?」
男「そうかもな」
幼「帰ろうっか?」
女「仕方ないですね」
男「き、緊張するなぁ」
幼「へ、へたれ~~」
男「お前の方がガチガチじゃないか」
女「さっさとインターホン押してください」ポチ
ピンポーン
男「あ」
幼「あ」
女「……出ませんね。留守ですかね?」
男「そうかもな」
幼「帰ろうっか?」
女「仕方ないですね」
―――
某病院
医者「色々手を尽くしましたが」
母「そ、そんなぁ」
少女「え……パパ、大丈夫なの?」
母「うぅ……少女、少女!」
少女「どうしたの?」
看護婦1「かわいそうに」
看護婦2「まだあんなに小さい子なのに」
少女「ねぇ、ママ」
母「うぅ……ぅ」
少女「どうしてママは泣いているの……?」
―――
某病院
医者「色々手を尽くしましたが」
母「そ、そんなぁ」
少女「え……パパ、大丈夫なの?」
母「うぅ……少女、少女!」
少女「どうしたの?」
看護婦1「かわいそうに」
看護婦2「まだあんなに小さい子なのに」
少女「ねぇ、ママ」
母「うぅ……ぅ」
少女「どうしてママは泣いているの……?」
―――
>>105
んなこと言わんでもええやろ黙ってろ
んなこと言わんでもええやろ黙ってろ
公園
男「結局、ここに戻るだな」
幼「なんか、ここが拠点になっている気がする」
女「まぁ、実際そうですね」
男「会えなかったなぁ、少女ちゃん」
幼「お母さんも居なかったし、一緒に買い物とか?」
女「一緒に病院かもしれませんね」
男「……仕方ない、帰ろうか」
幼「そうだね」
男「結局、ここに戻るだな」
幼「なんか、ここが拠点になっている気がする」
女「まぁ、実際そうですね」
男「会えなかったなぁ、少女ちゃん」
幼「お母さんも居なかったし、一緒に買い物とか?」
女「一緒に病院かもしれませんね」
男「……仕方ない、帰ろうか」
幼「そうだね」
―――
病院
母「はい、はい、ありがとうございます」
少女「……」
少女「パパ」
少女「……」
家
祖母「辛かったでしょう?」
母「ううん、ありがとう、お母さん」
祖母「……少女ちゃん」
少女「……」
母「さっきまでずっと泣き続けてたんだけどね」
祖母「そう」
少女「……ママ、トイレ行ってくるね」
母「え? うん、いってらっしゃい」
病院
母「はい、はい、ありがとうございます」
少女「……」
少女「パパ」
少女「……」
家
祖母「辛かったでしょう?」
母「ううん、ありがとう、お母さん」
祖母「……少女ちゃん」
少女「……」
母「さっきまでずっと泣き続けてたんだけどね」
祖母「そう」
少女「……ママ、トイレ行ってくるね」
母「え? うん、いってらっしゃい」
廊下
少女「……」
親戚「ええ、そう、殺されたらしいわ」
親戚「え? そうなの?」
親戚「テロだそうよ。ほら、父さん警察官でしょう?」
親戚「殉職ってこと?」
親戚「そう。傷の具合から例の組織の首謀者に――」
少女「……」
親戚「……能力者の子よ、行きましょう」
親戚「……ええ」
少女「テロ……首謀者」
少女「……」
親戚「ええ、そう、殺されたらしいわ」
親戚「え? そうなの?」
親戚「テロだそうよ。ほら、父さん警察官でしょう?」
親戚「殉職ってこと?」
親戚「そう。傷の具合から例の組織の首謀者に――」
少女「……」
親戚「……能力者の子よ、行きましょう」
親戚「……ええ」
少女「テロ……首謀者」
棺
少女「……パパ」
父「……」
少女「大嫌いなんて……もう言わないから」
父「……」
少女「パパ……ごめん、なさい……もう、わがまま、言わないから」
父「……」
少女「ぱぱぁ……ぱぱぁ……うぅ、やだよぉ……ぱぱぁ」
父「……」
少女「……パパ」
父「……」
少女「大嫌いなんて……もう言わないから」
父「……」
少女「パパ……ごめん、なさい……もう、わがまま、言わないから」
父「……」
少女「ぱぱぁ……ぱぱぁ……うぅ、やだよぉ……ぱぱぁ」
父「……」
外
少女「……」
?「そんなとこでどうしたの?」
少女「え……誰」
?「わたし? わたしは貴方のお父さんの古い知り合い」
少女「パパの?」
?「そう。昔はよくお世話になったわ」
少女「パパは……パパは……」
?「ええ、知ってる。今はパパより、貴方のお母さんに会いたいの」
少女「ママに?」
?「ええ、貴方のママに」
少女「……」
?「そんなとこでどうしたの?」
少女「え……誰」
?「わたし? わたしは貴方のお父さんの古い知り合い」
少女「パパの?」
?「そう。昔はよくお世話になったわ」
少女「パパは……パパは……」
?「ええ、知ってる。今はパパより、貴方のお母さんに会いたいの」
少女「ママに?」
?「ええ、貴方のママに」
少女「呼んでこようか?」
?「いいえ、心配ご無用。ここまで来たら、自分で呼べるから」
少女「え?」
?「ほら、ちゃ~~~んと見ててね。貴方のお父さんを殺した能力」パチンッ
少女「え……」
母「え?」シュン
少女「マ、ママ!」
?「びっくりしました? 驚きました?」
母「あ、あなたは」
?「お久しぶりですね」
?「いいえ、心配ご無用。ここまで来たら、自分で呼べるから」
少女「え?」
?「ほら、ちゃ~~~んと見ててね。貴方のお父さんを殺した能力」パチンッ
少女「え……」
母「え?」シュン
少女「マ、ママ!」
?「びっくりしました? 驚きました?」
母「あ、あなたは」
?「お久しぶりですね」
母「ど、どうして、あなたがここに」
?「そんなに警戒しなくても、わたしはただ会いにきたんです」
母「誰に……?」
?「貴方にですよ」
母「どうして……?」
?「部下が何人も死に、捕まりました」
母「……」
?「本当、貴方の夫には苦労させられましたよ。全く」
少女「……」フルフル
?「こちらがいくら仲間に誘っても、断って、こちらが損害受けるんですから、たまったもんじゃありません」
?「そんなに警戒しなくても、わたしはただ会いにきたんです」
母「誰に……?」
?「貴方にですよ」
母「どうして……?」
?「部下が何人も死に、捕まりました」
母「……」
?「本当、貴方の夫には苦労させられましたよ。全く」
少女「……」フルフル
?「こちらがいくら仲間に誘っても、断って、こちらが損害受けるんですから、たまったもんじゃありません」
>>107
やなせたかし先生に申し訳ないと思わないの!?
やなせたかし先生に申し訳ないと思わないの!?
母「なにが……言いたいの?」
?「つまり、埋め合わせが欲しいんです。わたしの仲間になりませんか?」
?「そちらのお子さんも相当な能力者だと伺ってます」
母「……」
?「あ、動かないでくださいね? お子さん、殺しますよ?」
母「……」
?「仲間になるんですか? どうなんですか?」
母「ふざけないで! あなたにあの人を殺されたのよ! 死んだ―――」
?「あまり大声出さないでください。気付かれたどうするんです?」
?「幻覚で貴方の偽物を用意してますけど、大声出されると流石にバレますよ」
母「――――」
?「つまり、埋め合わせが欲しいんです。わたしの仲間になりませんか?」
?「そちらのお子さんも相当な能力者だと伺ってます」
母「……」
?「あ、動かないでくださいね? お子さん、殺しますよ?」
母「……」
?「仲間になるんですか? どうなんですか?」
母「ふざけないで! あなたにあの人を殺されたのよ! 死んだ―――」
?「あまり大声出さないでください。気付かれたどうするんです?」
?「幻覚で貴方の偽物を用意してますけど、大声出されると流石にバレますよ」
母「――――」
?「さぁ、わたしの仲間になるなら首を縦に、嫌なら横に。まぁ、横に振った瞬間――」
少女「……」
?「この子の命は無いと考えてくださいね?」
母「――――」
?「ねぇ、少女ちゃん」
少女「……っ」
?「あなたはおかしいと思わない? この世の中。能力者はみんなから嫌われてる」
?「なにも悪いことしてなくても、悪い奴と決めつけられてる」
?「あなたもなにか心辺りあるんじゃない?」
少女「……」
?「この子の命は無いと考えてくださいね?」
母「――――」
?「ねぇ、少女ちゃん」
少女「……っ」
?「あなたはおかしいと思わない? この世の中。能力者はみんなから嫌われてる」
?「なにも悪いことしてなくても、悪い奴と決めつけられてる」
?「あなたもなにか心辺りあるんじゃない?」
少女「……友達居ない」
?「そう! 能力者には友達が出来ない。おかしいと思わない?」
?「能力者は他の無能な連中より全然優れているのに!」
?「奴らはわたしたちを怖がって、不当な扱いを強いている。最悪、無罪で殺される」
?「こんなの絶対おかしい。もっとわたしたちはまともな待遇を受けるべき」
少女「……」
?「ねぇ、少女ちゃん。お父さんを殺したことは謝るわ。でも、あれは事故なの」
?「わたしはね、お父さんには仲間になって欲しかったのよ?」
?「でも、あの人はなかなか受け入れてくれなかった……本当……馬鹿な人」
?「あなたは能力者だもの。わたしたちの気持ちがわかるはずよ?」
?「そう! 能力者には友達が出来ない。おかしいと思わない?」
?「能力者は他の無能な連中より全然優れているのに!」
?「奴らはわたしたちを怖がって、不当な扱いを強いている。最悪、無罪で殺される」
?「こんなの絶対おかしい。もっとわたしたちはまともな待遇を受けるべき」
少女「……」
?「ねぇ、少女ちゃん。お父さんを殺したことは謝るわ。でも、あれは事故なの」
?「わたしはね、お父さんには仲間になって欲しかったのよ?」
?「でも、あの人はなかなか受け入れてくれなかった……本当……馬鹿な人」
?「あなたは能力者だもの。わたしたちの気持ちがわかるはずよ?」
?「少女ちゃん、わたしの仲間になって?」
少女「ふ、ふざけっ――――――」
?「少女ちゃん、よく考えて? お母さんの命は今わたしが握ってるんだよ?」
少女「――――」
母「――――」パチパチ
少女「―――――(ウィンク……能力を使えってこと?)」
?「さぁ、少女ちゃん、答えて? イエスなら首を縦にノーなら横に」
少女「――――(い、嫌だ。ママを置いて、そんなの!)」
母「――――」ニコ
少女「――――(泣きながら笑ってる……能力……使うよ、ママ)」
?「さっきから、どこを、まさか!」
少女「――――」シュン
少女「ふ、ふざけっ――――――」
?「少女ちゃん、よく考えて? お母さんの命は今わたしが握ってるんだよ?」
少女「――――」
母「――――」パチパチ
少女「―――――(ウィンク……能力を使えってこと?)」
?「さぁ、少女ちゃん、答えて? イエスなら首を縦にノーなら横に」
少女「――――(い、嫌だ。ママを置いて、そんなの!)」
母「――――」ニコ
少女「――――(泣きながら笑ってる……能力……使うよ、ママ)」
?「さっきから、どこを、まさか!」
少女「――――」シュン
?「き、消えた……どこに、そんなに遠くへテレポート出来ないはず」
?「全然……見つからない。どういうこと? あんな小娘がそんな遠くいけるはずが」
?「……わたしが探れないほどに遠くへ行ったというの?」
母「――――」
?「……」パチンッ
母「ぷっはっ……はぁ……はぁ」
?「どういうこと? あの娘はどこへ行ったの?」
母「あなたには追えないわ」
?「へー、このわたしが? 追えない? そんな冗談は良いから教えなさい」
?「なにかからくりがあるんでしょう?」
母「そうね……からくり。そのからくりが解けたとしてもあなたは追えないわ」
?「そう……言わないのね。今のわたしはとてもイラついてるわ。早く答えを言いなさい」
母「……」
?「そう、じゃあ、死になさい」パチンッ
――――
?「全然……見つからない。どういうこと? あんな小娘がそんな遠くいけるはずが」
?「……わたしが探れないほどに遠くへ行ったというの?」
母「――――」
?「……」パチンッ
母「ぷっはっ……はぁ……はぁ」
?「どういうこと? あの娘はどこへ行ったの?」
母「あなたには追えないわ」
?「へー、このわたしが? 追えない? そんな冗談は良いから教えなさい」
?「なにかからくりがあるんでしょう?」
母「そうね……からくり。そのからくりが解けたとしてもあなたは追えないわ」
?「そう……言わないのね。今のわたしはとてもイラついてるわ。早く答えを言いなさい」
母「……」
?「そう、じゃあ、死になさい」パチンッ
――――
男「ああああああああああ!」ガバッ
幼「わわ! ど、どうしたの?」
男「い、いや」
女「叫びながら起きる人初めて見ました。お化けにでも襲われました?」
男「はぁ……はぁ……」
女「茶化す場面じゃなさそうですね」
男「出かけてくる」
幼「え?」
幼「わわ! ど、どうしたの?」
男「い、いや」
女「叫びながら起きる人初めて見ました。お化けにでも襲われました?」
男「はぁ……はぁ……」
女「茶化す場面じゃなさそうですね」
男「出かけてくる」
幼「え?」
少女の家前
忌中 告別式執行 少女家
男「マジかよ……」
親戚「……」ジロジロ
男「あ……」タタタタ
公園前
男「……」
少女「……」
男「あ……少女ちゃん、なんでこんなところに?」
男「少女ちゃんは確かテレポートで遠くに行ったはず」
忌中 告別式執行 少女家
男「マジかよ……」
親戚「……」ジロジロ
男「あ……」タタタタ
公園前
男「……」
少女「……」
男「あ……少女ちゃん、なんでこんなところに?」
男「少女ちゃんは確かテレポートで遠くに行ったはず」
公園
男「少女ちゃん……?」
少女「……」
男「……あ、いや、すごく辛かったと思う」
少女「お兄ちゃん」
男「うん」
少女「わたしのお父さんとお母さん、殺されたんだ」
男「……」
少女「しかも、原因はわたしなんだ」
男「え?」
男「少女ちゃん……?」
少女「……」
男「……あ、いや、すごく辛かったと思う」
少女「お兄ちゃん」
男「うん」
少女「わたしのお父さんとお母さん、殺されたんだ」
男「……」
少女「しかも、原因はわたしなんだ」
男「え?」
少女「わたしが超能力者だから、危険だから殺そうとしたんだって」
男「……」
少女「お父さんもお母さんもわたしを庇ってくれたの」
少女「でも、わたしは逃げた。お父さんとお母さん置いて逃げたの」
男「……(違和感……この娘はただそう感じてるのか?)」
少女「もう……やだよ……助けて」
男「え……」
少女「助けて……お兄ちゃん」
男「な、なんだ」
男「……」
少女「お父さんもお母さんもわたしを庇ってくれたの」
少女「でも、わたしは逃げた。お父さんとお母さん置いて逃げたの」
男「……(違和感……この娘はただそう感じてるのか?)」
少女「もう……やだよ……助けて」
男「え……」
少女「助けて……お兄ちゃん」
男「な、なんだ」
―――
少女「もう……やだよ……助けて」
男「……」
少女「助けて……お兄ちゃん」
男「……」
少女「お……兄ちゃん?」
男「……」スタスタ
少女「おにいちゃん、待ってよっ……おにいちゃん!」
男「……」スタスタ
少女「……はは、そっか……そうだよね……そうだよ」
少女「特殊能力者は……嫌われて……当然……なんだ」
―――
少女「もう……やだよ……助けて」
男「……」
少女「助けて……お兄ちゃん」
男「……」
少女「お……兄ちゃん?」
男「……」スタスタ
少女「おにいちゃん、待ってよっ……おにいちゃん!」
男「……」スタスタ
少女「……はは、そっか……そうだよね……そうだよ」
少女「特殊能力者は……嫌われて……当然……なんだ」
―――
男「……」
少女「お、お兄ちゃん? 大丈夫?」
男「……少女ちゃん、俺は、なんてことを……」
少女「……お兄ちゃん」
男「ごめん、ごめんね」
少女「え……? なんのこと?」
男「きみは、俺が助け―――」
女「――に近付くなぁ!」ドンッ
少女「きゃっ!」
少女「お、お兄ちゃん? 大丈夫?」
男「……少女ちゃん、俺は、なんてことを……」
少女「……お兄ちゃん」
男「ごめん、ごめんね」
少女「え……? なんのこと?」
男「きみは、俺が助け―――」
女「――に近付くなぁ!」ドンッ
少女「きゃっ!」
男「お、女さん? な、なにを」
女「……」
少女「い、痛い……なんで……なんでこんなことするの……」
女「ちっ……こいつで!」バシッ
少女「!」シュンッ
女「くっ! 瞬間移動」
男「女さん! やめろ! そんな警棒みたいなもので少女を殴りつけないで!」
少女「はは……そう……わたしを、狙うの……また、わたしから奪うの」
女「奪う? 奪った癖に!」シュンッ
男「消えた?」
少女「瞬間移動したって無駄だよ? わたしにはわかるの、どこに――え? どこ?」
女「ここ!」バシッ
少女「うっ……こんなので! ……あれ? 特殊能力が」
女「使えないでしょう?」
女「……」
少女「い、痛い……なんで……なんでこんなことするの……」
女「ちっ……こいつで!」バシッ
少女「!」シュンッ
女「くっ! 瞬間移動」
男「女さん! やめろ! そんな警棒みたいなもので少女を殴りつけないで!」
少女「はは……そう……わたしを、狙うの……また、わたしから奪うの」
女「奪う? 奪った癖に!」シュンッ
男「消えた?」
少女「瞬間移動したって無駄だよ? わたしにはわかるの、どこに――え? どこ?」
女「ここ!」バシッ
少女「うっ……こんなので! ……あれ? 特殊能力が」
女「使えないでしょう?」
男「お、女さん! やめてくれ!」
少女「くっ……なんで、こんなので」
女「貴方は危険なのよ。すごく危険。だから、ここで処理されるべき人間なの」ガチャッ
少女「手錠……これも、特殊能力が……使えないっ」
男「女さん! なに言ってるんだ!」
少女「……殺すの? お母さんやお父さんみたいに!」
女「そうね。そうした方が世の中の為なんでしょうね」
男「た、頼む! やめてくれ!」
女「男さん、この娘は未来、どんでもない犯罪者になるの」
男「え……?」
女「組織を作り、そのリーダーとなり、そして、わたしの両親を、殺すの」
男「……」
少女「くっ……なんで、こんなので」
女「貴方は危険なのよ。すごく危険。だから、ここで処理されるべき人間なの」ガチャッ
少女「手錠……これも、特殊能力が……使えないっ」
男「女さん! なに言ってるんだ!」
少女「……殺すの? お母さんやお父さんみたいに!」
女「そうね。そうした方が世の中の為なんでしょうね」
男「た、頼む! やめてくれ!」
女「男さん、この娘は未来、どんでもない犯罪者になるの」
男「え……?」
女「組織を作り、そのリーダーとなり、そして、わたしの両親を、殺すの」
男「……」
女「それだけじゃない、たくさんの人間が組織によって殺される」
男「……」
女「男さん、こいつはね、貴方の大切なものも奪ったんだよ」
男「え……」
女「貴方がもっとも大切にしていたおじいさん、お父さん、お母さん、そして」
男「……」
女「幼馴染さん」
男「な」
少女「……」
女「そんな奴を生かしておけるの?」
男「……」
女「男さん、こいつはね、貴方の大切なものも奪ったんだよ」
男「え……」
女「貴方がもっとも大切にしていたおじいさん、お父さん、お母さん、そして」
男「……」
女「幼馴染さん」
男「な」
少女「……」
女「そんな奴を生かしておけるの?」
男「俺は……この娘を助けたい……」
少女「……」
女「ど、どうして!」
男「たぶん、この娘が未来、そんな風になったのは俺の所為だから」
女「そんなこと、そんなことない! こいつが勝手に暴走しただけ!」
男「でも、俺は、助けたいんだ」
少女「おにい……ちゃん」
男「ごめんね、痛い思いさせて……」
少女「……」
男「女さん、鍵を」
少女「……」
女「ど、どうして!」
男「たぶん、この娘が未来、そんな風になったのは俺の所為だから」
女「そんなこと、そんなことない! こいつが勝手に暴走しただけ!」
男「でも、俺は、助けたいんだ」
少女「おにい……ちゃん」
男「ごめんね、痛い思いさせて……」
少女「……」
男「女さん、鍵を」
女「そ、そんなの……だめ……だめ!」
男「……」
女「そ、そんなことしたら! そいつ、貴方を殺すよ? 殺されちゃう!」
男「いいから、鍵を渡すんだ」
女「いや……そんなこと出来ない」
男「渡すんだ!」
女「っ……いや……嫌、嫌わないで……渡すから、嫌わないで」
男「ありがとう」
少女「……」
男「……」
女「そ、そんなことしたら! そいつ、貴方を殺すよ? 殺されちゃう!」
男「いいから、鍵を渡すんだ」
女「いや……そんなこと出来ない」
男「渡すんだ!」
女「っ……いや……嫌、嫌わないで……渡すから、嫌わないで」
男「ありがとう」
少女「……」
少女「おにい、ちゃん」
男「ごめん、ごめんな。俺はきみを助けるから」
少女「……」
男「きみを絶対、守るから」
少女「うぅ……うわああああ、おにいちゃん」ギュッ
男「大丈夫。大丈夫だから」
女「なんで……そいつは……」
男「もう、俺は、見捨てたり、しないから」
少女「うぅ……おにいちゃん」ギュッ
女「……未来は変わらないの?」シュンッ
男「ごめん、ごめんな。俺はきみを助けるから」
少女「……」
男「きみを絶対、守るから」
少女「うぅ……うわああああ、おにいちゃん」ギュッ
男「大丈夫。大丈夫だから」
女「なんで……そいつは……」
男「もう、俺は、見捨てたり、しないから」
少女「うぅ……おにいちゃん」ギュッ
女「……未来は変わらないの?」シュンッ
>>33
お薬の時間ですよー
お薬の時間ですよー
公園
女「……」シュンッ
女「一時間後だし、居ないか」
女「……」
男の家
幼「じゃあ、少女ちゃんは――」
男「ああ、親戚に引き取られるそうだ」
幼「そっか、それは仕方ないね……」
男「幼、俺、ひとり暮らししようと考えてる」
幼「え?」
女「……」シュンッ
女「一時間後だし、居ないか」
女「……」
男の家
幼「じゃあ、少女ちゃんは――」
男「ああ、親戚に引き取られるそうだ」
幼「そっか、それは仕方ないね……」
男「幼、俺、ひとり暮らししようと考えてる」
幼「え?」
男「少女ちゃんが預けられる家はそこまで田舎じゃないし、近くに大学もある」
幼「もしかして」
男「ああ、そこの大学に入ろうと俺は考えてる。母さんは大学に行かせたがってるし」
男「どうせ、行くなら、少女ちゃんを見守れるそこにしようと思う」
幼「いいの? それで」
男「本当は……少女ちゃんを自分の手で育てたいけど」
幼「うわ……第三者が聞くと、かなり危ない人だ」
男「うるさいな。で、まぁ、そういうわけだから、たぶん、ここから離れると思う」
幼「そっか~~、やっぱり、男ちゃんは弱い者の味方だね」
男「そんなこと……ないよ。俺は、最低だったから」
幼「まぁ、そうなると、男ちゃんのお目付役としては~~ついて行くしかないかなぁ」
幼「もしかして」
男「ああ、そこの大学に入ろうと俺は考えてる。母さんは大学に行かせたがってるし」
男「どうせ、行くなら、少女ちゃんを見守れるそこにしようと思う」
幼「いいの? それで」
男「本当は……少女ちゃんを自分の手で育てたいけど」
幼「うわ……第三者が聞くと、かなり危ない人だ」
男「うるさいな。で、まぁ、そういうわけだから、たぶん、ここから離れると思う」
幼「そっか~~、やっぱり、男ちゃんは弱い者の味方だね」
男「そんなこと……ないよ。俺は、最低だったから」
幼「まぁ、そうなると、男ちゃんのお目付役としては~~ついて行くしかないかなぁ」
男「お目付役って……いや、べつについて来なくても」
幼「なに~~~もしかして~~~少女ちゃんが大人になったら少女ちゃんと結婚するとか言うの?」
男「い、いや、言わないから」
幼「本当かな~~」
男「はぁ……まぁ、俺がなに言っても、どうせ少女ちゃん心配してついてくるんだろうし」
幼「そうだね~~、男ちゃんからそういう心得を学んでますので~~」
男「だから、俺はそういう聖人君子じゃないの。もっと、最低な奴だったんだって」
幼「わかってる……でも、男ちゃんはそれを過ちだったって気付けたんでしょ~~?」
男「……どう、だろ。後悔して、ただ償いたいだけかもな」
幼「それでも……後悔して、そこから成長出来る男ちゃんは、本当に優しいんだよ」
男「はぁ……相変わらず、お前は俺のそういう奴にしたがるな」
幼「そうだね~~」
幼「なに~~~もしかして~~~少女ちゃんが大人になったら少女ちゃんと結婚するとか言うの?」
男「い、いや、言わないから」
幼「本当かな~~」
男「はぁ……まぁ、俺がなに言っても、どうせ少女ちゃん心配してついてくるんだろうし」
幼「そうだね~~、男ちゃんからそういう心得を学んでますので~~」
男「だから、俺はそういう聖人君子じゃないの。もっと、最低な奴だったんだって」
幼「わかってる……でも、男ちゃんはそれを過ちだったって気付けたんでしょ~~?」
男「……どう、だろ。後悔して、ただ償いたいだけかもな」
幼「それでも……後悔して、そこから成長出来る男ちゃんは、本当に優しいんだよ」
男「はぁ……相変わらず、お前は俺のそういう奴にしたがるな」
幼「そうだね~~」
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