元スレ勇者「俺が守ったものはこんなにも醜かったのか…!?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 37 :
勇者「黙れ、このゲスが…っ…!」
勇者はついに片膝をついてしまった。
神官「これで、終わり…」
神官は虚空から、透き通った神々しい槍を召喚した。
神官「ばいばい、勇者…」
魔力を込め、勇者めがけて打ち出した。
102 = 37 :
勇者(あれは全てを貫く水晶の槍…駄目だ…足が動かない…避ける術が無い…)
勇者は覚悟を決め、風切り音と共に近づいて来る槍が自らの心臓を貫くのを待った。
勇者(最後は仲間に殺される羽目になるなんてな…
なあ、剣士…俺達、冒険者なんかにならないで…あのまま剣道場で暮らしてればよかったのかな…
お前の墓までもう一度戻るって約束、守れなかったわ…ゴメンな…)
104 = 37 :
勇者が死の際の祈りを済ませ。
水晶の槍が、勇者の胸を貫こうとしたその瞬間。
術師「何!?」
一つの影が木陰から飛び出し、勇者をさらっていった。
神官「えっ!? 自動追尾の水晶の槍が…そのまますっ飛んで、どっか行っちゃった!?」
術師「誰の横槍だかは知りませんが…無駄ですよ、千里眼の術で…」
105 = 37 :
だが、術師は何者の気配も感知する事はできなかった。
術師「馬鹿な!? 私に感知できぬ者など…!」
神官「術師さん、あれ!」
神官が指さした先には、“光の網”にパックリと縦穴が開いている様が見えた。
106 = 37 :
術師「馬鹿な…!? 勇者ですら断ち切れない、望月結界を破るすべなど…」
神官「こ、これってもしかして…魔力を封じる剣じゃあ…!?」
術師「ま、まさか…!」
二人は、たった一つだけ自分達の術を破る武器を知っていた。
神官「“魔断の魔剣”…け、剣士くんが…!?」
108 = 37 :
―森の獣道―
勇者「う…」
誰かに抱かれている。
柔らかい肌。
石鹸の良い香り。
飛び跳ねる度聞こえる、剣がカラカラと揺れる懐かしい音。
勇者「誰…だ…」
顔は見えないが、腰から下げた剣が見えた。
勇者(あいつの…剣…)
110 :
ホモは死んだ方がいいな
111 = 37 :
―森の北端―
??「…き……さ……」
勇者(誰の声だ…)
??「…きて…さ……」
勇者(俺は…神官達と戦って敗れて…誰かが、助けて…)
??「起きて…さ……」
勇者(あいつの剣が見えて… ! まさか、まさかあいつが…!?)
113 :
なんだホモか
114 = 37 :
勇者「剣士っ!?」
従者「わあっ!?」
勇者「あ…」
従者「お、驚かさないで下さい…!」
勇者「あんたは…?」
116 = 37 :
従者「私は、貴方が救った国の姫にお仕えする従者です」
勇者「従者…そうか、俺を連れ戻しに来たか…」
従者「…いえ。私は、貴方が姫様の夫となる事を良く思っていません」
勇者「…? ならば殺す気か? どうしてわざわざ俺を助けた? 異端審問にでもかけたいのか?」
117 = 37 :
従者「いえ。私は貴殿を、国外へ追放しに来ました」
勇者「はぁ?」
従者「今後二度と姫様の前に姿をあらわさないで頂きたいのです」
勇者「あのなあ…あんたらの方が俺を追いかけ回してたんだろうが!」
118 = 37 :
従者「姫様はおそらく、貴殿の事を…心の底からお慕いになられております」
勇者「…」
従者「ですが、貴殿はどうやっても姫様を愛せぬ身。王家はあくまで“嗜好”、矯正できると考えているようですが…私はそんな馬鹿げた考えは持ち合わせていません」
119 = 37 :
勇者「お前…王家に仕える身だろ。馬鹿げたとか言うなよ」
従者「私が忠誠を誓っているのは姫様だけです!…でなければ、あんな腐った王に忠など尽くさない…!」
勇者「…」
122 = 37 :
従者「こほん、話が逸れました…とにかく、貴殿は国外にお逃げなさい。貴殿ほどの英雄が、むざむざ異端審問官などの牙になどかかる事はありません」
勇者「そうだな…この国にはもういられないしな…」
従者「これをお持ちになって下さい」
123 = 37 :
勇者「これは…あいつの墓前に備えてきた、形見の剣じゃないか」
従者「それは“魔断の魔剣”です」
勇者「何だと? 魔断の魔剣は、もっと厳つい無骨なやつだぞ? こんなスマートな長剣じゃない」
従者「やはり気づいていませんでしたか…」
124 :
最初読んでて近親でもしたのかと思ったらモーホーかよ・・・
125 = 37 :
従者「どうやらそれは、同じ材質で作られたスペアのようですね」
勇者「スペア…そうか、あいつはお守りだとか言って、いつも腰にこいつを下げてたっけ」
従者「性質上、見抜かれれば真っ先に破壊される武器ですからね。本物は、彼の処刑後に押収されてしまいましたが…」
勇者「…」
126 = 37 :
従者「勇者よ。…貴方は今、その強大な力とこの魔剣を以って、憎しみにかられるまま人類の敵となる事もできる」
勇者「…」
従者「だが…どうか貴方には、この国を外から変える役目を担っていただきたいのだ。」
勇者「? どういう事だ?」
127 = 37 :
従者「魔族無き今…人々は偽の平和に酔いしれ、自分の目先の欲望や自己の保身に忙しいばかりだ」
勇者「偽の平和…」
従者「貴方の功績をけなしているのでは無い。その先にある、人々の愚かしさについて言っているのだ。
例えば、自分に理解できない人種を恐れるばかりに、異端として処刑してしまうような者達のな」
勇者「…」
128 = 110 :
ホモの楽園にでもするのか
129 = 37 :
勇者「俺に、どうしろというのだ…」
従者「私は、内側からあの腐った王家を変える。…もし、私が失敗したならば。勇者よ、貴方にこの国を滅ぼして欲しい」
勇者「…」
従者「勝手な言い分だが…私には、わかる。貴方の心の痛みが…」
130 :
お前レズかよォ!()
131 = 112 :
なるほど
132 = 95 :
まさか…
133 :
姫さま…
134 = 37 :
従者「おっと、そうだ…そろそろこの場所を離れないと。お二方に見つかってしまいます」
勇者「それは、そうだな」
従者「では、私の一方的な願いですが…どうか…どうか、この国を真に救ってください。
我が主、姫様…あの純粋すぎる心の持ち主を、こんな欲望の渦巻いた地で、利用されるがままにさせたくはないのです」
135 = 37 :
勇者「…考えておく。ひとつ、聞かせてくれないか」
従者「何でしょう?」
勇者「あんた、ずいぶん俺等の事を調べ回ったんじゃないか? なぜそこまでして俺を助けに来た?
俺は異端だぞ? 下手をすればお前が危ない。手を貸すかもわからない男に、そこまで賭けていたのか?」
136 = 37 :
従者「…私とあなたは、似ていると思ったから」
勇者「何?」
従者「戯れ事だと思ってください。…では!」
勇者「あっ、ちょっと…! …行っちまった…」
137 = 133 :
呪いは?
138 = 37 :
勇者「この国を変えろ…か…」
―十年前 道場にて―
剣士「ちっ、まいった! やっぱお前にはかなわねえな…!」
勇者「へへっ! 魔物の掃討戦じゃまだ負けるけどよ、そのうちそっちでも追い越してやるよ」
剣士「くそーっ! …なあ、勇者。お前、それだけ強かったら魔王倒せるんじゃねえか…?」
139 = 37 :
勇者「じょ、冗談キツいぜ…!」
剣士「何でも…魔王を倒せば、王様が叶えられる望みなら何でも一つ聞いてくれるらしいぜ!」
勇者「マジか!? すげ~けど、う~ん…
お前、何か叶えたい望みなんてあるのか?」
剣士「…ああ。一つ、どうしてもやりたい事があるんだ」
140 :
>>137
魔剣
141 = 37 :
―北の海辺―
勇者(まさか、本当に俺達が魔王討伐に成功して…あいつが国王に向かって、同性愛の異端認定を辞めて欲しい、だなんて言い出すなんて…あの頃は、思っちゃいなかった。
俺達は多分…いや、間違いなく好きあっていたが…異端と知ってそれを口に出した事は無かったし、何か行為に及んだ事も無かった)
142 = 37 :
勇者「さて…こんなイカダで、果して漕ぎつけるかな。
海の魔物は、魔法で船を沈めに来るが…」
勇者は左腕を捲った。
勇者「こいつも何とかなったし、何が来ても大丈夫だろう。抜き身にしてなきゃ効果が無いから、最初は全くわからなかったが…こいつはやはり、すごい代物だ」
143 = 37 :
勇者は魔剣を、イカダの真ん中に突き刺した。
勇者「お守りだ…さて、食料もたっぷり積んだし。…しばらくは、のんびり波にでも揺られるか」
勇者を乗せたイカダは波に漕ぎ出し、彼を英雄と呼ばれた地からさらっていく。
彼が再びこの地に戻る時、果して人々は彼に何の称号を授けるのであろうか。
HAPPY END
(ゝω・)vキャピ
144 :
えっ
145 :
男坂ENDだろ
146 :
お前ホモか!?(歓喜)
147 :
眠くなったな
148 = 37 :
明日バイト
もう寝なきゃヤバイ
ごめん
149 = 112 :
ふむ
150 :
>>148
明日ならまだ寝なくてもいいな
早く続きかきやがれください
みんなの評価 : ★
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