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    元スレ京子「ずっと…友だちでいよ…?」

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    みんなの評価 : ★★
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    151 :

    割と長かった

    152 = 102 :


    京母「おーい、京子ー?」ガチャ

    京子「……ノックくらいしてよ」

    京母「急ぎなのよ。結衣ちゃんから電話きててね」

    京子「え。な、なに?」

    京母「お友だち連れて来てもいいかって。大人数だから、遠慮して電話くれたみたい」

    京母「つっても、もう体調は落ち着いてるし、いいよね? 別に」

    京子「あ……い、いやその……っ」ゴホッ


    京子「……さっきから咳が出始めちゃって」

    京母「あら。それじゃ、遠慮してもらった方がいいかしら。治りかけのを移してもアレだし」

    京子「うん……お願い」ゴホッゴホッ

    京母「はいはい、りょーかい」バタンッ

    京子「……」

    153 = 102 :


    京子「……」ハァ

    京子「(みんなには、悪いことしちゃったな……)」


    京子「一回目の咳は、ホントだったけど」

    京子「(…咄嗟に出ちゃった嘘だし、お母さんには気付かれたかな……)」


    京子「これで結衣まで来なかったら、自業自得だよね……」

    京子「……」

    京子「(でも結衣は、たぶん……)」




    京子「……なに期待してんだろ」ポフッ

    京子「(私のばか……。結局、結衣に甘えたいんじゃん……)」ズキ

    154 = 102 :


    トントン

    京子「……ん」ピク

    ガチャ…


    結衣「……京子?」

    京子「あ……」ビクッ


    結衣「……一応、約束だったから。来たけど」

    京子「っあ、あの。結衣っ?」

    結衣「え。あ、あぁ……私だけど」

    京子「き、昨日は……ごめん……」

    結衣「え……?」



    京子「わ、私、結衣に一杯甘えて……」

    京子「我儘も、たくさん……」

    結衣「……」

    155 = 102 :


    京子「だから、その。ちょっとやりすぎたというか……」

    結衣「……病気だったんだし、仕方ないだろ」

    結衣「弱ってる時くらい、頼ってくれても……」

    京子「あ、あのっ……」



    京子「き、昨日のことは、気にしないで」

    結衣「……京子?」

    京子「で、できれば……いつも通り、接して欲しいというか……」

    結衣「……」



    結衣「…京子は、それでいいのか……?」

    京子「っ…!?」ビクッ

    156 = 102 :


    京子「わ、私は……っ」

    結衣「……」


    京子「…結衣と、一緒なら。私は、我慢できるから……」

    結衣「っ……」


    京子「で、でも、私のこと面倒になったら言ってね……?」

    京子「私、結衣に迷惑は……」

    結衣「ばか」ポン


    結衣「…迷惑なわけ、ないだろ」ナデナデ

    京子「ぁ……」

    結衣「京子がそれでいいなら。私もいい」

    京子「ん……」


    京子「……ありがと」ギュ…

    157 = 109 :

    しえん

    158 = 102 :




     ―――数日後 12/25



    結衣「よっと……」フゥ…

    京子「片付け、お疲れさん」

    結衣「みんなもある程度掃除してくれてたから、ほとんど仕事なかったけどな」



    京子「……久しぶりに賑やかだったよね。ここ」

    結衣「あぁ。娯楽部と生徒会、両方が集まってたしな」

    京子「大成功っしょ。クリスマスお泊り会」

    結衣「流石に、あの人数で布団敷くのは無理あったけどな……」

    京子「そこはほら、寝るつもりなかったし」

    結衣「結局みんな寝てただろ。おまえ含め」

    京子「それはほら、サンタさんへの配慮だよ。……本当に来るとは思わなかったけど」

    159 = 102 :


    結衣「私のとこは去年から来てないけどな、サンタ」

    京子「私はプレゼントより現金を所望したら来なくなった」

    結衣「ぶっちゃけすぎだろ……」

    京子「ま、おうちによってサンタさんも配慮してくれるっしょ。今年くらい」

    結衣「イブに泊まって、日付またいじゃったからな。サンタさんも困ったろうな」クス


    結衣「……一人出張してきたサンタさんもいたけど」トオイメ

    京子「うん……あかねさんパネェっす……」トオイメ



    京子「…でも、楽しかったよね。クリスマス会」

    結衣「そうだな……あれだけ人が集まると、な」

    京子「ひまっちゃんのケーキ、おいしかったよね」

    結衣「手作りとは思えない出来だったよな」

    京子「うむ。あれは認めざるをえない」

    結衣「おまえは何様だ」

    160 = 102 :


    京子「結衣の料理も中々だったぞよ」フフン

    結衣「なんで得意気なんだよ」

    京子「そいや結衣、ひまっちゃんと料理の話してたじゃん?」

    京子「どうせなら今度教えてもらいなよ、ケーキ作り」

    結衣「……まぁ、そういう話もしたけど」

    結衣「おまえの場合、自分が食べたいだけだろ」

    京子「味見は任せろ」フンス

    結衣「調子に乗んな」ペシ



    京子「……っと。もうこんな時間」

    結衣「……」

    161 = 102 :


    京子「それじゃ、私もそろそろ帰ろっかな」

    結衣「……っ」ギュ


    京子「ねぇ結衣。私の荷物……」

    結衣「なぁ京子」

    京子「ん?」



    結衣「……最近、泊まってなかったよな。うちに」

    京子「え……っ」ビクッ

    結衣「昨日は、みんなと一緒だったけど」

    結衣「それ以外は、全然……」

    京子「……」

    163 = 102 :


    結衣「風邪の時のこと、気にしてるんなら……」

    京子「ゆ、結衣は……」



    京子「結衣は、迷惑じゃない……?」

    結衣「…ばか。いつも通りだって言ったのは、京子だろ」

    結衣「私相手に、変な気遣うなっての」ポンポン

    京子「……うん」ホッ…


    京子「…それじゃ、久しぶりに泊まってもい?」

    結衣「あぁ。京子がいいなら」

    京子「ん。……やっぱ、結衣って優しいよね」ボソ


    結衣「…ん? あ、泊まるんなら家に連絡入れとけよ?」

    京子「はーい!」トテテ

    164 = 102 :


    結衣「……」

    結衣「(結局、私のが我慢できてないし……)」

    結衣「……バカか、私は」ハァ…




    京子「結衣ー、お夕飯どうするのー?」

    結衣「…あー。取り敢えず、食材の余りで作るよ。適当に」

    京子「チキンまだ余ってたっけ?」

    結衣「えっと……手羽が余ってたな、確か」

    京子「……」ジュルリ

    結衣「……」


    結衣「……作ってるから、風呂掃除してこい」

    京子「りょかいっ」ピュー!

    165 = 125 :

    いいよいいよー

    166 = 102 :


    京子「うんうん。やっぱ、結衣の料理はおいしい」モグモグ

    結衣「……褒めても鶏はやらんぞ?」

    京子「何故バレたし」

    結衣「視線が露骨だっての」


    京子「……」ジィィィィ

    結衣「……」

    京子「……」ジィィィィ

    結衣「……」


    結衣「……もう一本、焼いてくる」ハァ…

    京子「結衣さまっ!」ヒシッ!

    167 = 102 :


    京子「結衣、ドライヤーどこー?」キョロキョロ

    結衣「いつものとこなかったか?」

    京子「うん。昨日はみんなが使ってたからねぇ」

    結衣「あー、確か……」ゴソゴソ


    結衣「髪、乾かし合ってたよな。あの時だな」ホレ

    京子「おー。名探偵ユイ」パチパチ

    結衣「……最後に使ったの、おまえだからな」

    京子「あれ、そだっけ?」

    結衣「綾乃の髪、乾かしてたろ。確かティッシュを用意した覚えがある……」

    京子「あーあー。あの時かぁ……」チラ

    168 = 102 :


    京子「……ん!」グイ

    結衣「?」

    京子「髪! 乾かして!」エヘヘ

    結衣「……はいはい」


    ブォォォォォ…
    結衣「……」ナデナデ

    京子「んー……」ポケー

    結衣「気持ちいいか?」

    京子「ん。…なんかちょっと、くすぐったい」エヘヘ

    結衣「……加減がわかんないんだよ。下手に触ると、傷つけそうだし」

    結衣「京子、髪綺麗だから」


    京子「…そ、そう?」カァァ

    結衣「ああ。……髪だけは、お嬢様みたいだもんな」

    京子「な、なにをぅー!?」ジタバタッ

    169 = 102 :


    結衣「じゃあ電気消すぞ?」

    京子「えー。もう寝るの?」

    結衣「昨日も遅くまで起きてただろ……」

    京子「でも、せっかくの休みだしさぁ。どうせ明日も予定ないし……」

    結衣「……」



    結衣「……明日、どこか出掛けるか」

    京子「え。ホントっ?」バッ

    結衣「私も予定ないし。大掃除くらいは、しときたいけど」

    京子「そんじゃ、午前中は掃除して、午後から外出で!」

    結衣「……午前中だけで大掃除が終わるか…?」

    京子「大丈夫大丈夫。二人でやればパパっと済んじゃうって!」フンスッ

    結衣「まぁ……京子がいいなら、いいけど」

    170 = 102 :


    京子「そんじゃ、今日は寝よっか。起床は6時な!」

    結衣「……せめて7時くらいにしとけ」

    京子「んじゃ7時で。オヤスミー!」ガバッ


    結衣「……」

    結衣「」パチ


    結衣「寒くないか?」

    京子「ん。だいじょぶ」

    結衣「そか」



    結衣「……おやすみ、京子」

    京子「……んー」ヒラヒラー

    171 = 102 :


    京子「ほい、燃えるごみ」ヒョイ

    結衣「……冬の宿題だろ、それ」

    京子「冗談冗談」


    京子「ふぃー。案外掃除するとこあんのね」ヒトヤスミ

    結衣「一人だと適当に済ませてたけどな、多分」

    京子「京子ちゃんに感謝なさい」フンス

    結衣「おまえそれ気に入ってんのか?」フンス…

    京子「でもま、一人だと中々やんないよねー。ほら、長期休暇の最後に溜っちゃったり……」

    結衣「宿題なら、半分は終わらせたけど。私は」



    京子「……結衣さまー!」ズザー!

    結衣「はえぇよ。時間あるんだから自分でやれ」ペシ

    172 = 102 :


    結衣「あ……」カタッ

    京子「? なんかあったー?」フキフキ

    結衣「いや、なんでもない。そっちは終わりそうか?」

    京子「うん、窓ふきはおっけー。そっちは大丈夫?」

    結衣「掃除機かけたら終わり。戸棚の中は、こんくらいでいいだろ」

    京子「おぅし。んじゃ、次は洗面所見てくるっ」トテテテ

    結衣「あぁ、私もすぐ行く」

    京子「はいはーい」



    結衣「……アルバム、まだ他にもあったんだな」チラ

    結衣「でも、このアルバムって……?」ペラ…



    結衣「……掃除するか」パタン

    174 = 102 :


    京子「あー、冷たい空気が心地よい……」ホゥ…

    結衣「……ホントよく終わったな。午前中で」

    京子「ご褒美に宿題を……」

    結衣「今から宿題するか?」

    京子「勘弁くだせぇ……」グデー


    ザワザワ ガヤガヤ

    結衣「……今更だけど。年末だと、どこも人多いな」

    京子「まぁいーじゃん。またお昼、外食する?」

    結衣「せっかく外出たんだしな。またどっか入るか」

    京子「んじゃ、前のとこまた行ってみる?」

    結衣「そうだな……他にアテもないし」

    175 = 102 :


    イラッシャイマセー!

    京子「お、クリスマス仕様になってる」キョロキョロ

    結衣「昨日の今日だからな、クリスマス」

    京子「クリスマスケーキか……」フム…

    結衣「また食べんのか?」

    京子「うぅむ……」チラ



    京子「…この、カップルセットってどう思う?」

    結衣「……それがどうした」

    京子「お飲み物が付いてお安くなってるそうですが」

    結衣「いや、頼めないだろ。私たちじゃ、流石に……」

    176 = 102 :


    店員「ご注文を繰り返します」

    店員「醤油風味の海鮮和風パスタが一点、チキンドリアが一点、」

    店員「デザートにクリスマスケーキのカップルセットが一点。以上で宜しいですか?」

    ザワザワ…

    結衣「……」ダラダラ

    京子「大丈夫でーす」ヒラヒラー

    店員「畏まりました、しばらくお待ちください」テテテテ



    結衣「……あの対応は普通か…?」オイ…

    京子「向こうも気付いて言ってるっしょ。ほら、安くなるんならセットにしとけ、みたいな」

    結衣「ファーストフードならそういう対応もあるが……」

    京子「ま、言ったもん勝ちだって。結衣も食べたいっしょ? ケーキ」ニシシ

    結衣「代わりに変な汗掻いたけどな……」

    177 = 102 :


    ゴチュウモン オモチシマシター!

    京子「結衣のシーフード、一口ちょうだい?」モグモグ

    結衣「いいけど。……おまえはまた鶏か」

    京子「鶏って飽きなくね? 美味しいし」

    結衣「まぁ、手頃ではあるよな。タンパク源として」

    京子「なんかプロっぽいな。コメントが」

    結衣「なんのプロだよ」



    店員「それではデザートの方、お持ちしてもよろしいですか?」

    結衣「あ、はい。お願いします」

    店員「少々お待ち下さいー」トテテテ


    京子「……そういえばさ」

    結衣「ん?」

    178 = 109 :

    しえん

    179 = 102 :


    京子「周り、カップル多いよね…?」ヒソヒソ

    結衣「……今更か」

    京子「い、いや。なんとなくわかってたけどさ……」チラ…

    結衣「? なんだ、どうかし――――」



    京子「……あのカップルジュース、どう思う?」

    結衣「……」


    結衣「嫌な予感しかしないんだが……」

    京子「あのストロー、二人用のだよ……」

    結衣「実物は始めてみた……。…い、いや。まさかな?」ゴク…

    京子「だ、だよね。カップルセットって、写真では普通に……」アハハ…



    店員「お待たせしましたー!」

    結京「……」アチャー…

    180 :

    店員は気が利く

    181 = 102 :


    結衣「……で、どうするんだ? このジュース……」

    京子「……」

    ヒソヒソ ザワザワ…


    京子「え、えと。ゆ、結衣は、嫌なら飲まなくても……」

    結衣「……二人で飲まないと飲めないんじゃなかったか? このストロー……」

    京子「い、いや。無理に飲むことないんじゃない? 元々、セットで付いてきただけだし……」

    結衣「わ、私は別に、嫌では、ないけど……」カァァ

    京子「わっ、私も別に、嫌なわけないけどっ」ドキドキ

    結衣「……」

    京子「……」



    結衣「……食べるか。取り敢えず」

    京子「う、うん……」カァァ

    182 = 102 :


    京子「……」ドキドキ

    結衣「……っ」カァァ


    チュー……


    ア、ミテー! アノコタチカワイー!


    結衣「ぶはっ」ゴフッ…

    京子「ま、まだ半分も減ってない……」ゼイ…

    結衣「というか、周りの視線が恥ずかしすぎる……」

    京子「これ、こういう罠なんじゃない…? カップルかどうかは問題じゃなくて」

    京子「セット頼んだら、カップルに見えますっていう……」

    結衣「あぁ……ありそうだな、それ……」

    183 = 102 :


    アリガトウゴザイマシター!

    京子「強敵だった……」グッタリ

    結衣「結局、飲みきれなかったけど……」

    京子「や、やっぱりアレは……ねぇ?」

    結衣「まぁ、流石に恥ずかしかったよな……アレは」




    京子「さて。んじゃ、次どこ行く?」

    結衣「またその辺ブラブラするか?」

    京子「んー。どうせやることないしねぇ……」フム…

    結衣「じゃ、適当に見て回るか」

    185 = 102 :


    京子「あ、このパンダ結衣っぽい」ヒョイ

    結衣「なんだそれ。というか、なんでパンダ……」

    京子「いいじゃん、可愛いし」ニシシ

    結衣「悪くはないが……」

    京子「お、このパンダ時計付いてる」

    結衣「なんかそれ違うだろ」

    京子「んー。犬と猫と、あとトマトはないのか」キョロキョロ

    結衣「トマト……」


    京子「お、キーホルダーはあった」ヒョイ

    結衣「あー、動物シリーズと野菜シリーズがあるのな」

    京子「野菜に需要はあるのか……」

    結衣「おまえトマトだろ」

    京子「うむ。でも可愛いな、このトマト」プラーン

    結衣「…可愛い……か?」アレ…?

    186 = 102 :


    京子「あれ。結衣、このゲーム買ってたっけ?」フト

    結衣「ん?」ピタッ


    結衣「あぁ、それなら買ったよ。まだクリアしてないけど」

    京子「このシリーズ、前にやったよね? カメラで霊倒して、廃村から脱出するやつ」

    結衣「そいや、京子とやったっけ」

    京子「そうそう。触れたら即死でずっと追いかけてくる女の子とか」

    結衣「ラスボスがイベントで出てくるやつな。あれは焦った」

    結衣「……倒そうとして無駄に頑張ってたよな、京子は」ナツカシイ…


    京子「帰ったら新作もやろっか。まだクリアしてないんだよね?」

    結衣「そうだな。……どうせなら攻略本も捜してみるか」フム…

    京子「それは邪道!」

    187 = 102 :


    京子「よっと」ヒョイ

    結衣「相変わらず上手いな。UFOキャッチャー」

    京子「鉄則は、取れるやつを取る。取れないやつは取れない」フフン!

    結衣「カッコいいこと言ってるようで、別にカッコよくはないぞ」

    京子「でもこれ、取れんやつはどうやっても取れんからね。仕方ないさ、だって商売だもの」

    結衣「生々しいことを言うな」

    京子「結衣はなんか取って欲しいのあるー? 今なら何でも取ってあげるよ!」

    結衣「言ってることが前と矛盾してるぞ」


    結衣「……でも、取れるならアレ」ピ



    京子「…パンダクッション?」

    結衣「……」コク

    京子「なんだ。結衣も気に入ってんじゃん、パンダ」ニヤ

    結衣「……悪かったな」プイ

    188 = 102 :


    京子「ふむ。でもアレは難しそうだね」ジー

    結衣「まぁ、無理に取らんでもいいが」

    京子「んにゃ。あそこのは難しそうだけど、そっちに埋まってる同じのなら」チャリン

    結衣「いけるか?」

    京子「上のやつどければ、多分いける」ウィィ…


    京子「ほい、本命ゲット!」ドヤ

    結衣「どけるついでに色違いも取れちゃったな」アカパンダ…?

    京子「んじゃそれ、私専用で!」


    ガガガガガガ ババーン!

    京子「結衣とやると簡単でつまんなーい」パンパン

    結衣「私だってそんな上手くねーよ」ババババ

    京子「ほら、もう次の面」

    結衣「まだ序盤だっての。あ、リロードしとけよ?」カシャッ

    189 = 102 :


    ゴゴゴゴゴ……

    京子「ふぃー。やっとクリア……」ホッ…

    結衣「これ、最後までいくとけっこう時間潰れるからな」フゥ…

    京子「というか、エンディングまでいったの初めてだよ、私」

    結衣「……毎回、途中でやられてたからな」

    京子「そーそ。結衣だけいっつもクリアしてたじゃん、これ」

    結衣「でも、今回は最後まで守れたろ?」

    京子「……」



    京子「……結衣がこのゲームやってたのって、そういうこと?」

    結衣「負けっ放しは悔しいだろ。普段はシューティング、あんまやらないんだけどな」

    京子「……」ギュ…

    190 = 102 :


    結衣「それじゃ、そろそろ夕飯買って帰るか」

    京子「……あれ。もうこんな時間?」

    結衣「あぁ、今日はゆっくり見て回ってたしな」

    結衣「で、夕飯はリクエストあるか? 鶏肉が続いてたけど、他にも何か……」



    京子「…えと。私、今日はもう帰るね……?」

    結衣「っ……」ビクッ

    京子「今日も遅くなると、流石に怒られそうだしさ」

    京子「ほら私、一昨日から帰ってないわけだし……」



    結衣「……そっか。それなら仕方ないな」

    京子「うん、たまには帰っとかないとね。入り浸っちゃうと、また……」

    結衣「……」

    191 = 102 :


    結衣「京子は」

    京子「?」

    結衣「……今日のこと、デートだったと思うか?」

    京子「え……っ?」ビクッ



    結衣「別に、手を繋いだりはしなかったし」

    結衣「……お昼食べさせ合ったりも、しなかったし」

    京子「あ、あの……結衣……?」

    結衣「…京子が、なんとなく避けてるのは、わかってたけど」

    京子「っ!?」ビクッ

    結衣「……カップルセットも。開き直れば冗談にしか見えないもんな」

    京子「……っ」

    192 = 102 :


    結衣「……私は、デートでもいいかなって、思ってたんだけど」

    京子「ゆ、結衣…?」

    結衣「京子は、どこからがデートだと思う?」

    京子「そ、それって……っ」

    結衣「……」



    京子「っゆ、結衣はっ……」

    結衣「……」

    京子「私と、デートしてくれるの……?」



    結衣「……京子となら、嫌じゃない」

    京子「な、なんでさ……私のこと、好きにはなれないって……」

    結衣「好きだよ……私だって、京子のことが……」ギュ…

    194 = 102 :


    京子「じゃ、じゃあっ、なんで……っ」

    結衣「……私は、怖いんだと思う」

    結衣「京子と付き合って、普通の関係じゃ、なくなって……」

    結衣「……京子のこと、守れなくなるのが」


    京子「わっ、私は……結衣と一緒なら、それでも……」

    結衣「……両親にバレれば、転校させられるかもしれない」

    京子「ぁ……っ」ビクッ

    結衣「周りに敬遠されて……誰も味方してくれないかもしれない」


    結衣「……そうなったら、逆らえないだろ……。私たちだけじゃ、どうにもならない……」



    結衣「……京子を守るって。私、自信ないよ……」

    京子「っ……」ジワ…

    196 = 109 :

    しえん

    197 = 102 :


    京子「……私たち、一緒にいない方が、いいのかな」

    結衣「っ……」ズキッ…

    京子「でも……私、結衣のこと、好きだよ……」

    京子「誰になんて言われても、結衣のこと……―――――」



    結衣「……ごめん」ギュ…

    京子「……うぅん。私、嬉しいよ…? 結衣と、両想いになれたんだもん」

    結衣「ばか……っ」ジワ…

    京子「ずっと、友だちでいよ…? お互い、他に好きな人、捜そ?」ギュ…

    結衣「っ……」グッ…





    結衣「……失恋、しちゃったな」

    京子「ん……お互い、フラれちゃったね……」ギュ…

    198 = 102 :


    バタンッ!

    結衣「……」ガタッ

    結衣「(何だよ……結局、私が……)」

    結衣「…私が、京子を泣かせてどうすんだよ……っ」ギリッ…


    結衣「(守ってやるとか……バカか、私は……)」

    結衣「(でも、どうしようもないだろ……私たちじゃ、結局……)」


    結衣『京子は』

    結衣『……今日のこと、デートだったと思うか?』



    結衣「っ……私は、何がしたかったんだよ……」

    結衣「言わなきゃいいのに……なんで、あんなこと……」


    結衣「(私は……京子と、どうなりたいんだよ……)」

    199 = 102 :


    バタン


    京子「……」

    京子「(……このまま、友だちのままで、二人とも大人になって)」

    京子「(その時までずっと、結衣が私のこと、好きでいてくれたら……)」


    京子「…結衣は、私に……キスしてくれるかな……」


    京子「(それまで、ずっと友だちで我慢すれば……)」

    京子「(二人だけでも生きていけるって、証明できれば、きっと……)」ポテ…


    京子「あ……パンダ……」ヒョイ

    京子「(結衣に渡すの、忘れてたな……)」

    京子「……っ」ギュウ…

    200 = 102 :


    京子『ずっと、友だちでいよ…? お互い、他に好きな人、捜そ?』


    京子「もう、私……結衣のことしか、考えらんないよ……」


    京子「(結衣は、いつまで一緒にいてくれるかな……)」

    京子「(ずっと友だちのままでも、私のこと、好きでいてくれるかな……)」ヒクッ…



    京子「結衣……私、やっぱりダメだよ……」ジワ…

    京子「私一人じゃ、頑張れないよ……っ」ギュ…ッ

    京子「結衣と一緒じゃなきゃ、こんなに弱い子なんだよ……」グスッ…


    京子「(結衣……っ)」ギュ…


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