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元スレ京子「お姫様の勇気」
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~朝食後~
キョウノオテンキハ…
京子「今日も学校かぁ……」
結衣「天体観測を週末にあわせておけば、ゆっくり出来たのにな」
京子「まったくだよ!」
ちなつ「企画したの、京子先輩じゃないですか」ハァ
あかり「でも、朝から皆と一緒にいられるのは楽しいね」ニコニコ
結衣「飲み物は緑茶でいい?」
京子「うん」
ちなつ「あっ、手伝います!」
あかり「みんなあかりをスルーしすぎだよぉー!」エーン
キョウノオテンキハ…
京子「今日も学校かぁ……」
結衣「天体観測を週末にあわせておけば、ゆっくり出来たのにな」
京子「まったくだよ!」
ちなつ「企画したの、京子先輩じゃないですか」ハァ
あかり「でも、朝から皆と一緒にいられるのは楽しいね」ニコニコ
結衣「飲み物は緑茶でいい?」
京子「うん」
ちなつ「あっ、手伝います!」
あかり「みんなあかりをスルーしすぎだよぉー!」エーン
~登校~
京子「走らないと遅刻かな」
結衣「朝のアニメなんて見てるからだろ、馬鹿」
あかり「遅刻したら先生に叱られちゃうよ、急がないと」アワワ
ちなつ「あかりちゃん、鞄忘れてるよ!」
京子「じゃ、いくぞ!」グィ
結衣「わっ、急に引っ張るなって」
冬の空は高く澄んでいて、蒼天が心に清々しさをもたらす。
木枯らしが街を吹き、枯葉が宙を舞う、それが特別に思えてくるのだから不思議なものだ。
京子「走らないと遅刻かな」
結衣「朝のアニメなんて見てるからだろ、馬鹿」
あかり「遅刻したら先生に叱られちゃうよ、急がないと」アワワ
ちなつ「あかりちゃん、鞄忘れてるよ!」
京子「じゃ、いくぞ!」グィ
結衣「わっ、急に引っ張るなって」
冬の空は高く澄んでいて、蒼天が心に清々しさをもたらす。
木枯らしが街を吹き、枯葉が宙を舞う、それが特別に思えてくるのだから不思議なものだ。
~授業中~
「であるから、この式を……」カッカッカ
京子「………」カリカリ
理論というものは面白い。
それは人間社会のしがらみに囚われることはなく、ある種の美しさすら感じさせるものだ。
じゃあ恋や愛なんてものはどうだろう?理論を構築して、定義することはできるだろうか?
『好きだからそれでいい』なんてのは思考を放棄した暴論のようで、少々短慮に思える。
しかし実際問題、曖昧な概念の定義というのは難しい。
「ここで注意すべきなのは……」
京子「………」カリカリ
例えば、法曹世界にはリーガルマインド(法的思考)というものがあるとされる。
それは法律家が取得するバランス感覚のようなものだが、実は言葉だけが一人歩きをして、
その実態を体系立てて学ぶことはできない。
自分の感覚で身につけることしかできないなんて、それは定義する必要があるのだろうか?
……あると言い張ることでしか確認できないのに、それは本当に存在するのだろうか?
「であるから、この式を……」カッカッカ
京子「………」カリカリ
理論というものは面白い。
それは人間社会のしがらみに囚われることはなく、ある種の美しさすら感じさせるものだ。
じゃあ恋や愛なんてものはどうだろう?理論を構築して、定義することはできるだろうか?
『好きだからそれでいい』なんてのは思考を放棄した暴論のようで、少々短慮に思える。
しかし実際問題、曖昧な概念の定義というのは難しい。
「ここで注意すべきなのは……」
京子「………」カリカリ
例えば、法曹世界にはリーガルマインド(法的思考)というものがあるとされる。
それは法律家が取得するバランス感覚のようなものだが、実は言葉だけが一人歩きをして、
その実態を体系立てて学ぶことはできない。
自分の感覚で身につけることしかできないなんて、それは定義する必要があるのだろうか?
……あると言い張ることでしか確認できないのに、それは本当に存在するのだろうか?
「……以上の方法で、この解を導きだすことができる」
京子「………」カリカリ
昔の文豪はアイラブユーを『月が綺麗ですね』『死んでもいい』なんて訳したけれど、
それはあまりの難しさに、その定義を躊躇したからかもしれない。
ならば、私達は好きを開き直ることでしか、それを表現できない。
そんな不自由な生き物なのかもしれない。
「歳納、ここの答えは?」
京子「X=36です」
「正解」
カッカッカ
「この場合、この定理を軸にして……」
京子「………」カリカリ
結衣「………」ジィー
いつもそうやって真面目にしてろ、そんな視線を隣から感じる。
普段はマイペースだから、いざというときに力を発揮できるんじゃないか。
京子「………」カリカリ
昔の文豪はアイラブユーを『月が綺麗ですね』『死んでもいい』なんて訳したけれど、
それはあまりの難しさに、その定義を躊躇したからかもしれない。
ならば、私達は好きを開き直ることでしか、それを表現できない。
そんな不自由な生き物なのかもしれない。
「歳納、ここの答えは?」
京子「X=36です」
「正解」
カッカッカ
「この場合、この定理を軸にして……」
京子「………」カリカリ
結衣「………」ジィー
いつもそうやって真面目にしてろ、そんな視線を隣から感じる。
普段はマイペースだから、いざというときに力を発揮できるんじゃないか。
~帰宅中~
京子「その、今日も泊まってもいい?」
結衣「許可はもらってるの?」
京子「うぐっ」
結衣「……夕飯は何がいいんだ」ハァ
京子「えへへ、ハンバーグとか」
結衣「じゃあ、帰りに合挽肉とパン粉を買わないと」
京子「荷物持ちは任せろ!」
結衣「お前はその間に、親に頭下げて許可もらってこい」
京子「そうでした……」ガクッ
ずっと一緒にいられないのだから、現実というやつは無情だ。
それでも、織姫や彦星に比べたら恵まれているのだろうけど。
京子「その、今日も泊まってもいい?」
結衣「許可はもらってるの?」
京子「うぐっ」
結衣「……夕飯は何がいいんだ」ハァ
京子「えへへ、ハンバーグとか」
結衣「じゃあ、帰りに合挽肉とパン粉を買わないと」
京子「荷物持ちは任せろ!」
結衣「お前はその間に、親に頭下げて許可もらってこい」
京子「そうでした……」ガクッ
ずっと一緒にいられないのだから、現実というやつは無情だ。
それでも、織姫や彦星に比べたら恵まれているのだろうけど。
結衣「まぁ京子は成績いいんだし、多少の無茶も効くだろ」
京子「そうだけど、流石に二日連続の外泊は言い出しにくくて」アハハ
結衣「……私が京子に来て欲しがった、そう言ってもいい」
京子「それって……」
結衣「二回は言わない」プィッ
京子「そっか」エヘヘ
結衣の気遣いに、胸が暖かくなる。
私が結衣を求めているように、結衣も私を求めてくれるのだろうか。
結衣「さっさと帰るぞ」
京子「時間の節約に、途中まで一緒に走ろっ」
結衣「またか」ジトー
京子「ほら、おいていくぞ!」ガシッ
君の手を掴んで走り出す。
このまま、地の果てまでも、どこまでもいけそうな気がした。
京子「そうだけど、流石に二日連続の外泊は言い出しにくくて」アハハ
結衣「……私が京子に来て欲しがった、そう言ってもいい」
京子「それって……」
結衣「二回は言わない」プィッ
京子「そっか」エヘヘ
結衣の気遣いに、胸が暖かくなる。
私が結衣を求めているように、結衣も私を求めてくれるのだろうか。
結衣「さっさと帰るぞ」
京子「時間の節約に、途中まで一緒に走ろっ」
結衣「またか」ジトー
京子「ほら、おいていくぞ!」ガシッ
君の手を掴んで走り出す。
このまま、地の果てまでも、どこまでもいけそうな気がした。
~結衣の家~
ピンポーン
京子「外泊許可もらえたぞー」
結衣『今料理してるから、鍵を使って入って』
京子「はーい」
親の外泊許可はあっさりともらえた。
放任主義な家庭でよかったというべきか、晩ご飯の分量が狂うと文句が出たくらいだった。
ガチャ
バタバタ
京子「私にも料理を手伝わせろ!」バーン
結衣「命令かよ」
ピンポーン
京子「外泊許可もらえたぞー」
結衣『今料理してるから、鍵を使って入って』
京子「はーい」
親の外泊許可はあっさりともらえた。
放任主義な家庭でよかったというべきか、晩ご飯の分量が狂うと文句が出たくらいだった。
ガチャ
バタバタ
京子「私にも料理を手伝わせろ!」バーン
結衣「命令かよ」
京子「普通に聞いたら手伝わせてくれないじゃん」
結衣「二人でやると効率が悪いし」
京子「うぅ、そうだけど、そうじゃないんだよ」
結衣「どっちだよ」
一緒にやることに意味があるんだよ、結衣の馬鹿。
結衣「二人でやると効率が悪いし」
京子「うぅ、そうだけど、そうじゃないんだよ」
結衣「どっちだよ」
一緒にやることに意味があるんだよ、結衣の馬鹿。
~料理~
結衣「私は味噌汁の準備するから、とりあえずハンバーグのもとをこねておいて」
京子「感触が気持ち悪いんだよなぁ……」グチャグチャ
結衣「よくこねたほうが美味しいんだから仕方ない」
京子「………」グチャグチャ
結衣「………」ガタンッ
京子「………」ニチャニチャ
結衣「………」トントントントン
料理は化学のようなものだから、結衣のようなタイプに合っているのだろう。
私も簡単なものはできるが、複雑なものになるとお手上げになる。
結衣「私は味噌汁の準備するから、とりあえずハンバーグのもとをこねておいて」
京子「感触が気持ち悪いんだよなぁ……」グチャグチャ
結衣「よくこねたほうが美味しいんだから仕方ない」
京子「………」グチャグチャ
結衣「………」ガタンッ
京子「………」ニチャニチャ
結衣「………」トントントントン
料理は化学のようなものだから、結衣のようなタイプに合っているのだろう。
私も簡単なものはできるが、複雑なものになるとお手上げになる。
京子「これの次は?」
結衣「形を整えて、中の空気抜いて」
京子「ああ、その作業苦手だ……」
結衣「変わろうか?」
京子「全部私がやるっ!」
結衣「無理はするなよ」ハラハラ
京子「……難しい」ペタンペタン
結衣「お手玉みたいにやるんだよ」
京子「勢いよくやると吹っ飛びそうで怖いな」ペタンペタン
結衣「形さえまともならそれでいいからやめろ、私が悪かった」ガシッ
京子「もうちょっと信用してよ」ムッ
私は初めて包丁を握った小学生じゃないんだからさ。
結衣「形を整えて、中の空気抜いて」
京子「ああ、その作業苦手だ……」
結衣「変わろうか?」
京子「全部私がやるっ!」
結衣「無理はするなよ」ハラハラ
京子「……難しい」ペタンペタン
結衣「お手玉みたいにやるんだよ」
京子「勢いよくやると吹っ飛びそうで怖いな」ペタンペタン
結衣「形さえまともならそれでいいからやめろ、私が悪かった」ガシッ
京子「もうちょっと信用してよ」ムッ
私は初めて包丁を握った小学生じゃないんだからさ。
~夕飯~
京子「いただきまーす」
結衣「いただきます」
ご飯、ハンバーグ、小鉢のサラダ、味噌汁、おひたし。
割と普通のメニューだが、結衣と作るとそれだけで豪華なもののように思える。
京子「」モグモグ
結衣「」モグモグ
京子「美味しいぞぉー」パァァ
結衣「そうだな」
京子「なんてったって、私と結衣の共同作業だもん!」
結衣「」モグモグ
京子「」モグモグ
京子「……この溢れる肉汁が添えつけのキャベツのシャキシャキとマッチして専用ソースがまたk」
結衣「黙って食え」
グルメ評論家っぽく褒めてやろうと思ったのに。
食事中に話をするのは、マナーとしてよくないって知ってるけどさ。
京子「いただきまーす」
結衣「いただきます」
ご飯、ハンバーグ、小鉢のサラダ、味噌汁、おひたし。
割と普通のメニューだが、結衣と作るとそれだけで豪華なもののように思える。
京子「」モグモグ
結衣「」モグモグ
京子「美味しいぞぉー」パァァ
結衣「そうだな」
京子「なんてったって、私と結衣の共同作業だもん!」
結衣「」モグモグ
京子「」モグモグ
京子「……この溢れる肉汁が添えつけのキャベツのシャキシャキとマッチして専用ソースがまたk」
結衣「黙って食え」
グルメ評論家っぽく褒めてやろうと思ったのに。
食事中に話をするのは、マナーとしてよくないって知ってるけどさ。
~お風呂~
カポーン
結衣「京子、少しやせた?」
京子「あっ、分かる?」ヘヘ
結衣「……あんまりダイエットとかするな」
京子「心配してる?」ニヤニヤ
結衣「ばか」
京子「結衣のご飯食べてたら、すぐに太っちゃうし」ヘヘ
結衣「一生太ってろ」
京子「酷い言い草だなっ!」ウガー
結衣「京子が悪い」
結衣なりの心配と照れ隠しの言葉だろうけど、年頃の乙女にそれは失礼だよ。
何だか謝罪と賠償を要求したい気分だよ。
カポーン
結衣「京子、少しやせた?」
京子「あっ、分かる?」ヘヘ
結衣「……あんまりダイエットとかするな」
京子「心配してる?」ニヤニヤ
結衣「ばか」
京子「結衣のご飯食べてたら、すぐに太っちゃうし」ヘヘ
結衣「一生太ってろ」
京子「酷い言い草だなっ!」ウガー
結衣「京子が悪い」
結衣なりの心配と照れ隠しの言葉だろうけど、年頃の乙女にそれは失礼だよ。
何だか謝罪と賠償を要求したい気分だよ。
京子「ところで結衣はちょっと太ったね」ニヤニヤ
結衣「えっ」
京子「このあたりに、無駄な脂肪の塊がさ」ボヨ-ン
結衣「」ピキッ
京子「あっ、冗談です」
結衣「いい度胸してるね」
京子「まって、あの、セクハラは禁止だって」アセアセ
結衣「先にやったのは京子だろ」
京子「いやいや、そういう問題じゃな」
あっちょっとやめてくだs
結衣「えっ」
京子「このあたりに、無駄な脂肪の塊がさ」ボヨ-ン
結衣「」ピキッ
京子「あっ、冗談です」
結衣「いい度胸してるね」
京子「まって、あの、セクハラは禁止だって」アセアセ
結衣「先にやったのは京子だろ」
京子「いやいや、そういう問題じゃな」
あっちょっとやめてくだs
~就寝~
京子「……結衣の人でなし」
結衣「体を洗ってあげただけじゃないか」ハァ
京子「……結衣の馬鹿」
結衣「京子が悪い」
京子「……結衣の変態」
結衣「京子は痴女だな」
京子「うぅぅ///」ジタバタ
乙女の柔肌を好き勝手触っておいて、反省の色はなしか。
赤ちゃんみたいに扱われて、ものすごく恥ずかしかったんだぞ。
京子「……結衣の人でなし」
結衣「体を洗ってあげただけじゃないか」ハァ
京子「……結衣の馬鹿」
結衣「京子が悪い」
京子「……結衣の変態」
結衣「京子は痴女だな」
京子「うぅぅ///」ジタバタ
乙女の柔肌を好き勝手触っておいて、反省の色はなしか。
赤ちゃんみたいに扱われて、ものすごく恥ずかしかったんだぞ。
結衣「……今日は綺麗な満月だな」
京子「えっ、……ホントだ」ワァ
月には、不思議な魅力がある。
単なる風雅だけではなく、月満つればすなわち欠く、なんて諸行無常な捉え方もある。
京子「………」
結衣「………」
丸々としたお月様を見ていると、このまま吸い込まれてしまいそうだ。
そんなノスタルジックな気分になるのは、私たちに作用する引力の影響かもしれない。
なんて、ちょっと馬鹿げているだろうか。
京子「兎もお餅ついてる頃かな?」ジュル
結衣「兎の餅を盗るのはやめろ」
京子「ちょっと味が気になっただけじゃん」ブー
結衣「もう寝るよ」
京子「えぇ~」
結衣「おやすみ、京子」
京子「……おやすみ、結衣」
パチッ
京子「えっ、……ホントだ」ワァ
月には、不思議な魅力がある。
単なる風雅だけではなく、月満つればすなわち欠く、なんて諸行無常な捉え方もある。
京子「………」
結衣「………」
丸々としたお月様を見ていると、このまま吸い込まれてしまいそうだ。
そんなノスタルジックな気分になるのは、私たちに作用する引力の影響かもしれない。
なんて、ちょっと馬鹿げているだろうか。
京子「兎もお餅ついてる頃かな?」ジュル
結衣「兎の餅を盗るのはやめろ」
京子「ちょっと味が気になっただけじゃん」ブー
結衣「もう寝るよ」
京子「えぇ~」
結衣「おやすみ、京子」
京子「……おやすみ、結衣」
パチッ
~真夜中~
京子「………」
『どうせ無理』なんて心にもないことを思って、傷つかないための切り札にしていた。
でも、月明かりに照らされて、私の臆病な魔法は解けてしまった。
結衣「………」スースー
この澄んだ満月の夜に、私の嘘は解き明かされてしまった。
側にいる君の髪の匂いで、深い茨の眠りから醒めたから。
京子「結衣……」
頼りなげに揺れる君の髪、そっと漂う微かな匂い。
この瞬間は儚く消えてしまうものだけれど、だからこそやっと分かった気がする。
私は、君が好き。
京子「………」
『どうせ無理』なんて心にもないことを思って、傷つかないための切り札にしていた。
でも、月明かりに照らされて、私の臆病な魔法は解けてしまった。
結衣「………」スースー
この澄んだ満月の夜に、私の嘘は解き明かされてしまった。
側にいる君の髪の匂いで、深い茨の眠りから醒めたから。
京子「結衣……」
頼りなげに揺れる君の髪、そっと漂う微かな匂い。
この瞬間は儚く消えてしまうものだけれど、だからこそやっと分かった気がする。
私は、君が好き。
京子「………」モゾモゾ
結衣「……眠れないの?」
京子「……ごめん、起こした?」
結衣「……おいで」
京子「……うん」
寝ぼけた結衣も優しいなぁ。
思わず涙が滲んで、それを隠すように結衣の胸元に寄り添う。
京子「………」ウトウト
結衣の鼓動を感じて、
このまま、ずっと結衣の体温を感じていたいのに、眠気が訪れて。
京子「………」zzz
これが、きっと最後なのに。
結衣「……眠れないの?」
京子「……ごめん、起こした?」
結衣「……おいで」
京子「……うん」
寝ぼけた結衣も優しいなぁ。
思わず涙が滲んで、それを隠すように結衣の胸元に寄り添う。
京子「………」ウトウト
結衣の鼓動を感じて、
このまま、ずっと結衣の体温を感じていたいのに、眠気が訪れて。
京子「………」zzz
これが、きっと最後なのに。
~朝~
チュンチュン
京子「ねぇ、結衣」
結衣「ん?」
京子「放課後、帰りにちょっと付き合ってくれる?」
結衣「どうしたの?」
京子「話したいことがあって」
結衣「今話せば?」
京子「えっと……今は、その」
結衣「……えらく歯切れが悪いな、放課後に付き合えばいいの?」
京子「うん、ありがと」
抱えておくには重たくて、偲ぶるには大きくて。
気がついた時には、もう抑えられない状態だった。
チュンチュン
京子「ねぇ、結衣」
結衣「ん?」
京子「放課後、帰りにちょっと付き合ってくれる?」
結衣「どうしたの?」
京子「話したいことがあって」
結衣「今話せば?」
京子「えっと……今は、その」
結衣「……えらく歯切れが悪いな、放課後に付き合えばいいの?」
京子「うん、ありがと」
抱えておくには重たくて、偲ぶるには大きくて。
気がついた時には、もう抑えられない状態だった。
~放課後~
結衣「こんなところになんの用事があるんだ?」
いつもの私との違いを察してのことか、結衣の顔色は芳しくない。
まぁ、ふざけたキャラの人間が急に真顔になるなんて、誰だって不審に思うだろう。
京子「伝えたいことがあって」
結衣「伝えたいこと?」
京子「あなたが、好きです」
結衣「急にどうしたの?」
京子「急じゃないよ、私は結衣が好き」
結衣「……えっと、悪質な冗談はやめなよ」
京子「………」
結衣「こんなところになんの用事があるんだ?」
いつもの私との違いを察してのことか、結衣の顔色は芳しくない。
まぁ、ふざけたキャラの人間が急に真顔になるなんて、誰だって不審に思うだろう。
京子「伝えたいことがあって」
結衣「伝えたいこと?」
京子「あなたが、好きです」
結衣「急にどうしたの?」
京子「急じゃないよ、私は結衣が好き」
結衣「……えっと、悪質な冗談はやめなよ」
京子「………」
結衣「本気……なんだ……」
京子「うん」
これが冗談でも、親愛の情でもないことが、理解できたらしい。
私の沈黙でドッキリの可能性を捨て去った辺り、この幼馴染は私のことをよく理解している。
結衣「……京子、私は」
京子「わかってる」
京子「結衣にとって、私は保護対象のようなもので」
京子「そんなこと、考えたこともなかったんでしょ?」フフッ
結衣「………」
京子「それくらい分かるよ、何年の付き合いだと思ってるの」
この想いの成就を望んでいるけれど、本当は分かっていた。
私の想いと、結衣の想い、少しずつすれ違って、別物になっていたこと。
京子「うん」
これが冗談でも、親愛の情でもないことが、理解できたらしい。
私の沈黙でドッキリの可能性を捨て去った辺り、この幼馴染は私のことをよく理解している。
結衣「……京子、私は」
京子「わかってる」
京子「結衣にとって、私は保護対象のようなもので」
京子「そんなこと、考えたこともなかったんでしょ?」フフッ
結衣「………」
京子「それくらい分かるよ、何年の付き合いだと思ってるの」
この想いの成就を望んでいるけれど、本当は分かっていた。
私の想いと、結衣の想い、少しずつすれ違って、別物になっていたこと。
京子「私のわがままで困らせてごめんね」
京子「ずっと振り向いてもらえないことだって」
京子「気持ち悪い、怖いって、そう言われることも覚悟してる」
結衣「……ッそんなこと」
確かに、今の結衣の心を占めているのは困惑の念だ。
けれど、それが嫌悪や拒絶に変わらないなんて、誰が保証できるだろうか。
京子「私は普通じゃないけど」
京子「それでも、もしも許してもらえるなら」
京子「これからも友達でいてくれたら、嬉しいかな」エヘヘ
自分でも不思議なくらい、綺麗な笑顔を形作れたと思う。
今ならきっと、別離だって受け入れられる。
京子「ずっと振り向いてもらえないことだって」
京子「気持ち悪い、怖いって、そう言われることも覚悟してる」
結衣「……ッそんなこと」
確かに、今の結衣の心を占めているのは困惑の念だ。
けれど、それが嫌悪や拒絶に変わらないなんて、誰が保証できるだろうか。
京子「私は普通じゃないけど」
京子「それでも、もしも許してもらえるなら」
京子「これからも友達でいてくれたら、嬉しいかな」エヘヘ
自分でも不思議なくらい、綺麗な笑顔を形作れたと思う。
今ならきっと、別離だって受け入れられる。
結衣「……うん」
泣きそうな結衣の表情が、切なく細められた瞳が、眩しかった。
京子「まぁ、ちょっと気まずくなっちゃうけどさ……」
京子「私が関係を壊しちゃったから自業自得だね!」アハハ
結衣「………」
肯定も否定も返せないところからして、結衣は混乱の極地にあるようだ。
同性の親友に告白されたのだから、それも当然か。
京子「ごめん、結衣」
結衣「…………謝るなよ、謝ることじゃないだろ」
京子「それでも、ごめん」
結衣「……京子」
告白に失敗した私よりも、断る側の結衣の方が辛そうで胸が軋む。
そんな結衣の助けになりたいけれど、その苦しみの原因は私というジレンマ。
京子「……先に帰るね」
このまま傍にいると、私たちの友人関係は完全に壊れてしまいそうだから。
悲しいけれど、結衣に悪いけれど、これでお別れにしよう。
泣きそうな結衣の表情が、切なく細められた瞳が、眩しかった。
京子「まぁ、ちょっと気まずくなっちゃうけどさ……」
京子「私が関係を壊しちゃったから自業自得だね!」アハハ
結衣「………」
肯定も否定も返せないところからして、結衣は混乱の極地にあるようだ。
同性の親友に告白されたのだから、それも当然か。
京子「ごめん、結衣」
結衣「…………謝るなよ、謝ることじゃないだろ」
京子「それでも、ごめん」
結衣「……京子」
告白に失敗した私よりも、断る側の結衣の方が辛そうで胸が軋む。
そんな結衣の助けになりたいけれど、その苦しみの原因は私というジレンマ。
京子「……先に帰るね」
このまま傍にいると、私たちの友人関係は完全に壊れてしまいそうだから。
悲しいけれど、結衣に悪いけれど、これでお別れにしよう。
結衣「待って」
京子「……何?」
踵を返した私を、結衣が呼び止める。
結衣「逃げるなよ、京子」
京子「へっ?」
京子「やだな、逃げるって、何言ってるの?」
結衣は何を言っているんだろう。
私は、ただ、決着を付けようと思って、そのはずで。
結衣「とぼけるな」
京子「だから、逃げてないってば!」
京子「……何?」
踵を返した私を、結衣が呼び止める。
結衣「逃げるなよ、京子」
京子「へっ?」
京子「やだな、逃げるって、何言ってるの?」
結衣は何を言っているんだろう。
私は、ただ、決着を付けようと思って、そのはずで。
結衣「とぼけるな」
京子「だから、逃げてないってば!」
結衣「なら、私の目を見て言えよ」
京子「………ッ」
おかしいな、結衣の顔を直視できない。
私の全てを見透かそうとする、その瞳が怖くて。
結衣「仮面を被るのは、やめろ」
京子「そんなこと……」
結衣「私を見くびらないでよ、京子」
京子「結衣?」
結衣「確かに、今はわからないことばかりだけど」
結衣「それでも一番大切なものは、手放したくないんだ」
京子「……欲張り」
結衣「構わないよ、それで京子といられるなら」
京子「………ッ」
おかしいな、結衣の顔を直視できない。
私の全てを見透かそうとする、その瞳が怖くて。
結衣「仮面を被るのは、やめろ」
京子「そんなこと……」
結衣「私を見くびらないでよ、京子」
京子「結衣?」
結衣「確かに、今はわからないことばかりだけど」
結衣「それでも一番大切なものは、手放したくないんだ」
京子「……欲張り」
結衣「構わないよ、それで京子といられるなら」
京子「………」
結衣「お前、私から距離を置くつもりだろ」
京子「……なんでわかっちゃうのかなぁ」
結衣「京子のことなら、わかるよ」
距離を置こうなんて一言も口にしていないのに、友達でいて欲しいと言ったはずなのに。
結衣はいつだってそうだ、私が抱えているものを直感で見抜いてしまう。
結衣「お前、私から距離を置くつもりだろ」
京子「……なんでわかっちゃうのかなぁ」
結衣「京子のことなら、わかるよ」
距離を置こうなんて一言も口にしていないのに、友達でいて欲しいと言ったはずなのに。
結衣はいつだってそうだ、私が抱えているものを直感で見抜いてしまう。
京子「……だって」
京子「だって、私たちは女同士で、幼馴染でさぁ!」
京子「これは世間にも両親にも、顔向けできないような気持ちなんだよ!」
京子「今も、結衣の傍にいるだけで、こんなに、こんなに苦しいの……」
京子「私には耐えられないよ……」
やってしまった。
気が付けば、全てを打ち明けていた。
京子「………」
この胸の内のドロドロとしたものを、結衣にぶつけてしまった。
知られたくなかったのに、胸に秘めておくつもりだったのに。
京子「だって、私たちは女同士で、幼馴染でさぁ!」
京子「これは世間にも両親にも、顔向けできないような気持ちなんだよ!」
京子「今も、結衣の傍にいるだけで、こんなに、こんなに苦しいの……」
京子「私には耐えられないよ……」
やってしまった。
気が付けば、全てを打ち明けていた。
京子「………」
この胸の内のドロドロとしたものを、結衣にぶつけてしまった。
知られたくなかったのに、胸に秘めておくつもりだったのに。
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