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    元スレほむら「幸せのまどか様」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 暁美ほむら + - 美樹さやか + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 = 146 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    202 = 1 :

    ――ハッキンビーフバーガー店内――

    杏子「混んでるな…… しょうがない、喫煙席で我慢するか」

    織莉子「……」///

    ゆま「オリコおねえちゃんどうしたの?」

    杏子「注文だけして会計を素通りだもんなー」ニヤニヤ

    織莉子「なっ、わ、私、こういうお店は初めてで――」

    杏子「お嬢様育ちなんだねぇ」

    ゆま「ゆまたちとは大違いだー」

    織莉子(もうっ、マミさんといい杏子といい、どうして私をからかうのかしら……)


    ――――
     アタシたちは席についた ゆまはナゲットを笑顔で頬張る
     コイツは何を食っても幸せそうにしているから、見ているだけで和む

     アタシもフライドポテトを一度に二本掴んで口に放り込む
     そんな姿をまじまじと見つめてくる織莉子――

    杏子「なんだよ? お前は食わないのか?」

    織莉子「……フォークとナイフはどこかしら?」

    203 = 1 :

    ――――
    織莉子「そんなに大笑いしなくてもいいじゃない…… 周りの目が――
        酷いわ……杏子 私がこういう店が初めてなの知っていて楽しんでいたのね……」

    杏子「悪い悪い…… 別にからかう気はなかったんだけど
       あははは…だめだ 思い出しただけでも笑えてくる……」

    ゆま「ごちそーさまでしたー」

    織莉子「……」プイッ

    杏子「だから悪かったって……」

    織莉子「ねぇ、杏子」

    杏子「なんだよ、いきなり真面目な顔して」

    織莉子「さっきのアニメみたいに、どんな奇跡でも起こったらいいのにね」

    杏子「……」

    織莉子「私、今の生活がとても楽しいわ」

    杏子「ふぅん…… アタシにはちょっと騒がしすぎるかな」

    織莉子「そんなことを言って、それなりに楽しいでるでしょ」

    杏子「べつに……」

    ゆま(おなか一杯になったら眠くなってきたなぁ)Zzz

    204 = 1 :

    織莉子「ねぇ、この前皆にも話した『まどか様』についてなんだけど」

    杏子「円環の理に喧嘩を売ろうっていうあれか……」

    織莉子「こうして生きていられるのは、全て彼女の願いがあってこそだから――」

    杏子「実はアタシ、その神様と会ったことあるよ」

    織莉子「本当!?

    杏子「魔獣に殺されそうになったとき、目の前に現れたんだ」

    織莉子「それで?」

    杏子「悲しそうな顔で謝ってきたよ でも、その後すぐにキリカが助けに来てくれたんだ」

    織莉子「……」

    杏子「まどかってやつはさ…… 何もない真っ白な世界で
       ずっと一人で全ての魔法少女を見守ってるんだ……」

    杏子「一人ぼっちはさ、寂しいよな……」

    織莉子「そうね……」

    206 :

    何となく展開が読めてきた

    207 = 1 :

    織莉子「魔法少女は希望を振りまく存在でしょう?」

    杏子「建前ではな……」

    織莉子「たとえ可能性が低くても、孤独からまどかを救えるとしたら――」

    杏子「いいよ、織莉子の計画にのっても」

    織莉子「……失敗したら、最悪の事態を招くかもしれない」

    杏子「この命はまどかってヤツのお陰で存在しているんだろ?」

    織莉子「……」

    杏子「こんな話をするんだ、織莉子には勝算があるんだろ?」

    織莉子「考えがあるわ…… あっちの席を見て
        ロングの黒髪の子がイレギュラーよ 今、トレイのゴミを捨てているところね」

    杏子「……へぇ、あれが噂のイレギュラーか」

    織莉子「そして今、御手洗いから戻ってきたのが、その大切な親友よ」

    杏子「詳しいな」

    織莉子「杏子、彼女の顔をしっかりと覚えておいてね」

    杏子「何でか知らないけど、分かったよ……」

    209 = 1 :

    ――マミホーム――

    マミ「織莉子…… ついにやる気になったのね」

    織莉子「皆はこの作戦についてどう思う?」

    杏子「触らぬ神に祟りなし―― とはいうけれど」

    キリカ「こうして一同が会することができるは彼女の願いの賜物なわけだから」

    ゆま「一人寂しくしているかみさまを放ってなんておけないよ」

    織莉子「揃いもそろって馬鹿ばっかり……」

    マミ「ふふっ、貴女が言い出しっぺの大馬鹿者でしょう?」

    織莉子「……ですね」

    QB「やれやれ、君たちには恐れ入ったよ……」

    マミ「乗り気じゃないの? 貴女にとっては有益な話でしょう
       魔女システムが復活すれば、エネルギー回収なんてあっという間よ?」

    QB「別にこのままのペースでも問題ないよ…… ずっとこの調子でやってきたんだし
       それに、ボクはずっとこの惑星で生きていくのも悪くないって思ってるからね」

    織莉子「かつての貴方からは想像もつかない発言ね」

    210 = 1 :

    QB「ボクの惑星では、感情というものは特異な精神疾患だった」

    QB「そしてボクがその患者」

    杏子「驚いたな……(いや、別にそうでもない……かも 
       コイツ言動を省みてみると、結構思い当たる節があるような)」

    QB「ボクならば、この未開の惑星の住人の心が手に取るように分かるだろう
       他の固体たちの提案で、ボクはこの惑星に来ることになったんだから」

    キリカ「驚愕の事実だね」

    QB「最初は厭で厭で仕方なかったね……
       事実上の左遷というか、島―― 惑星流しなわけだし」

    ゆま「……」

    QB「この世界の酔狂な住人と生活していて、いろいろあったなぁ
       たくさんの魔法少女を生み出して、その最後を見取っていったよ」

    QB「仲間想いな少女、徹底的に利己主義に走った少女
       様々な魔法少女がいたよ…… 本当にいろんな魔法少女達と接してきた……」

    QB「そうしていくうちにマミみたいな魔法少女と、お菓子を食べてお茶をのんで
       ペットみたいにだらだら過ごす生活でもいいかなって思えてきたんだ」
       
    マミ「キュゥべえ……」

    QB「そりゃ、最初は惑星のやつらを見返してやろうと躍起にもなったけどさ
       魔法少女達の奮闘をみてたら、そんな気分も吹き飛んでしまって――」

    211 = 146 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    212 = 122 :

    おりおり

    213 = 1 :

    QB「っとと、ちょっと語りすぎたかな……」
       だからボクはその作戦、乗り気じゃないよ」

    QB「ハイリスクノーリターンだ それに彼女の願いを無駄にする可能性だって――」

    マミ「キュゥべえ、貴方言ったじゃない……
       魔法少女の魔法は希望を振りまくものだって――」
       
    マミ「僅かな希望があるのならば、それに賭けたっていいじゃない?
       今この世界があるのは、彼女のおかげなんだから」

    QB「はぁ…… 全く、どうなっても知らないよ?」

    キリカ「それで、肝心の作戦の内容は――」

    織莉子「……単刀直入に説明するわ」

    ――――――
    ―――


    QB「……本当に馬鹿げているよ でも、たしかに可能性は零じゃない」

    織莉子「ことを穏便にすすめるためには、美樹さやかの協力がほしいわ……
        杏子、貴女今すぐ彼女とコンタクトをとってきなさい」

    杏子「だからアイツの顔を覚えておけって言ったのか…… って、どうしてアタシなんだ?」

    織莉子「彼女と一番相性がいいのは貴女なのよ」

    215 = 122 :

    ゆまゆま

    216 = 1 :

    ――さやかの家近辺――

    杏子(なんでアタシが…… 織莉子のヤツ…… つーか相性ってなんだよ)

    杏子「……そこのお前、ちょっとツラかしな」

    さやか「誰、あんた……」

    杏子「同業者だ、そういえば理解できるだろ?」

    さやか「魔法少女――」

    杏子「飲み込みが早くて助かるよ」

    さやか「キューブを奪いに来たわけ……?」

    杏子「そんなことしなくても街は魔獣だらけだ」

    さやか「じゃあどうして」

    杏子「暁美ほむら」

    さやか「ほむらが…… どうしたっていうの」

    杏子「それと、鹿目まどかについてだ」

    さやか「――!? どうしてその名前を」

    217 = 146 :

    あんあんさやさや

    218 = 1 :

    ――――
    さやか「過去を視る力ね…… それなら納得できるわ」

    杏子「ふぅん、本当に物分りがいいな
       信じてくれるっていうのは楽でいいけどさ」

    杏子「……それで、アタシたちに協力してくれるのか?」

    さやか「……するわ」

    杏子「だろうな、大切な友達を裏切ることなんて―― って、はぁ?」

    さやか「あんたたちに協力するわ」

    杏子「……へぇ、意外だなぁ こんな簡単に協力が得られるなんて」

    さやか「……」

    杏子「アタシたちを裏切んなよ?」

    さやか「そんなことしない」

    杏子「後悔すんなよ?」

    さやか「……しない」

    杏子「それじゃあ、また連絡する このことは他言無用だ
       絶対にイレギュラーに教えるんじゃないぞ」

    さやか「ええ、約束してあげるわ……」

    220 = 1 :

    ――――
    杏子「というわけで、簡単に了解が得られたけど……」

    織莉子「ここまで上手くいくとは思わなかったわ」

    マミ「キュゥべえ、手筈は整っているかしら?」

    QB「ああ、次からは一人で魔獣退治に赴くように指示したよ」

    キリカ「そのときに私が美樹さやかを掻っ攫えばいいんだね」

    織莉子「ええ、くれぐれもイレギュラーには気づかれないようにね」

    ゆま「なんだかドキドキしてきたよ……」

    マミ「それで、作戦名はどうするの?」

    杏子「別にいらないだろ…… そんなもの」

    マミ「オペレーション・ラグナロクってのはどうかしら!?」

    キリカ「……え?」

    221 = 1 :

    マミ「いや、ここは幸せのまどか様でも…… それだと捻りがないわね」

    織莉子(あぁ、マミさん…… 何かスイッチはいっちゃった……)

    マミ「ねぇ、みんな 何かいい案は無いかしら?」

    杏子「そんなこと言われてもなぁ…… 」

    マミ「そうだ、この際みんなの必殺技名も決めた方がいいわ!」

    キリカ「遠慮しておくよ……」

    マミ「何いってるの!? だいたい彼方たちはねぇ――」


     殆どが他愛のない会話で構成されていたのだけれど、会議は夜遅くまで続いた
     自分達のやろうとしていることは非常に愚かなことだと思う

     
     上手く行く保証なんてないにに、必ず成功するんじゃないかと感じてしまう
     キリカと二人で共謀したあの時と違って、こんなにも大切な仲間がいるから――

    222 = 122 :

    肝心なところで詰めの甘い織莉子さんのおっぱいおりおり

    223 = 146 :

    まみまみ

    224 = 1 :

    ◆◇◆◇
    ――キリカの部屋――

    ゆま「……スースー」Zzz

    マミ「暁美さん、今日も一日中街を探し回っていたわね……」

    さやか「……」

    キリカ「アイツに見つからないように魔獣退治するのは骨が折れるよ」

    織莉子「……そろそろ頃合かしら」

    杏子「手紙で呼び出すんだったよな でも、どうして駅なんだ?」

    織莉子「そこが一番効果的なの」

    マミ「手紙は私が書いていおいたわ」

     
        美樹さやかを預かっている 返してほしければ

                丑三つ時、××駅構内に来い


                          放課後のジョーカー
                                        』

    キリカ「放課後の…ジョーカー……」

    225 = 146 :

    なつかしい

    226 = 1 :

    杏子「……その差出人名は消しておけよ」

    マミ「かっこいいじゃない」

    織莉子「ふざけないでください、マミさん」

    マミ「そんなつもりはないんだけど……」

    杏子「キリカ、修正するものあるか?」

    キリカ「ないや…… 買ってくる?」

    織莉子「そこまでしなくてもいいわ…… マーカーで塗りつぶしておきましょう」

    マミ「あぁ…… マミさんショックで腐り果ててしまうわっ」


    杏子「はぁ……」
    ゆま「あはは……」
    織莉子「マミさん……」
    キリカ「何それ怖い……」
    さやか(何この人……)


    マミ「何、なんのこの空気―― わ、私だって一生懸命考えているのにっ」

    227 :

    ほむほむ

    228 = 1 :

    ――――
    ゆま「こんな感じかな?」

     魔力を練り、美樹さやかのソウルジェムそっくりの偽者を作り出す
     これを暁美ほむらの目の前で破壊し、絶望の淵においやる作戦だ

    杏子「へぇ、上手いもんだな」

    キリカ「これなら暁美ほむらも本物のソウルジェムと見間違えるだろうね」

    マミ「あとは……」

    さやか「……ん」

     美樹さやかは立ち上がると、おもむろに自らの腕を引き千切る
     一瞬、苦痛に顔をゆがめたが、直ぐに元の無表情へと戻す

    杏子「おいっ、お前……」

    さやか「魔力で一から精製するより早いでしょ……
        それに、あたしの魔法は治癒能力だから」

    ゆま「……私も手伝う」

    さやか「ありがと、おチビちゃん……」

    杏子「……」

    229 = 122 :

    なぜこうもマミさんは厨二扱いされるのか

    230 = 72 :

    さやかの腕とか杏子の幻覚魔法だと思ってたのに……

    231 = 1 :

    マミ「準備は整ったわね」

    キリカ「暁美ほむらを依り代としてまどかを呼び出す ソウルジェムから光の柱が上がったら、
        杏子のときみたいに光へ向かって飛び込めば、まどかの結界に入れるはずだよ」

    さやか「……」

    織莉子「杏子、作戦当日はゆまと一緒に美樹さんについていて」

    杏子「いいのか?」

    マミ「ゆまちゃんと二人きりにしておくのは不安だわ」

    さやか「大丈夫、逃げたりしないって……」

    キリカ「自己嫌悪に落ちいって、ソウルジェムに濁りを溜めちゃって……
        キューブのストックはたくさんあるとはいっても、無限じゃないんだ」

    さやか「……」

    織莉子「美樹さんが先に導かれてしまわないか不安だわ」

    杏子「わかったよ、コイツの面倒はアタシは見る」

    マミ「まかせたわ」

    キリカ「でも、それだと不公平だよ」

    杏子「何が不満なんだ?」

    232 = 1 :

    キリカ「私たちばかり悪役になって、杏子だけ暁美ほむらを傷つけないじゃないか」

    杏子「織莉子が残れっていったんだ、首謀者には従うもんだぜ?」

    織莉子「……じゃあこうしましょう 杏子、貴女の首を差し出しなさい」

    杏子「は? 何言ってんだ織莉子……」

    マミ「関係のないはずの杏子が殺されたと知ったら、精神的なダメージを与えられそうじゃない?」

    キリカ「なるほど、うん、そうだね それくらいはしてもらわないと釣り合わないよ」

    杏子「お、おう……わかったよ それじゃ魔法で体の精製を――」

    織莉子「首を落としたほうが手っ取り早いわ」

    杏子「おい……冗談だろ?」

    マミ「あら、貴女は直接暁美さんを痛めつける作戦に不参加なのだから、これくらはね?」

    キリカ「回復のエキスパートが二人も居てよかったね、杏子」

    杏子「ひっ、お、お前らちょっと待て 落ち着け、な?

    キリカ「……」ジャキ

    杏子「いやああああああああああああああああああああああああああああ」

    ゆま「南無……」

    234 = 146 :

    あんあん……

    235 = 1 :

    ――計画当日――

    織莉子「そろそろ駅に向かうことにするわ」

    ゆま「うん……」

    マミ「頃合を見計らって、キュゥべえに連絡をさせるわ」

    QB「魔法少女たちにテレパシーはプライバシーの侵害だから使うなって言われてたのに……」

    杏子「今回は緊急事態なんだ、頼んだぜキュゥべえ」

    QB「馬鹿な魔法少女に付き合うのが、ボクの役目だから――
       べ、べつキミたちのためじゃないんだからねっ 今回だけなんだからねっ」

    キリカ「安っぽいツンデレだねー」

    織莉子「馬鹿やっていないで行くわよ……」


    ――――
    ゆま「……」Zzz

    さやか「……」

    杏子「なぁ……」

    さやか「……何?」

    杏子(やり辛いな…… ゆまのヤツはまた寝てるし……)

    236 = 146 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    237 = 1 :

    杏子「く、食うかい?」ポッキー

    さやか「いらない」

    杏子「そっか……」

    さやか「……」

    さやか「失敗しちゃったかな……」

    杏子「ん?」

    さやか「あんたたちの作戦に乗らなきゃよかった」

    杏子「……」

    さやか「今頃、ほむらはあたしを助けるために必死なんだ……」

    さやか「あたしはその思いを知っていて、こんなところで蹲ってる……」グスッ

    杏子「おいっ、な、泣くなよ また穢れが――」

    さやか「あたしってほんと馬鹿だ……」

    杏子「だったらお前 どうして協力する気になったんだよ……」

    238 = 1 :

    さやか「これ以上ほむらの顔を見ていられなかった」

    さやか「ほむらはあたしのことなんか見てなかった――と思う
        あたしを通して、その先にある何かを見ていただけなんだ……」

    杏子「……」

    さやか「ほむらが一番楽しそうに笑っているときは、決まってまどかの話をしてるときだった」

    さやか「あいつが楽しそうにしている顔が見られるのなら、あたしはそれでもよかった
        ……ほむらは無理をしてる 本当は今すぐにでもまどかに会いに行きたいはずなんだ」

    さやか「まどかが助けられるかもってアンタから聞いたとき、嬉しかった すごく嬉しかった
        あたしにできることならなんだってできるって思ったよ でも、でもさ――」

    さやか「ほむらは今、死んでしまうほど苦しめられているんでしょ!? ねぇ!?」

    杏子「そういう作戦だからな……」

    さやか「あたしには何もできない…… それどころかほむらを裏切って――
        ここで、ほむらが苦しむのただ待ち続けてるだけなんだっ!」

    杏子「……」

    さやか「あたしは…… あたしは……」グスッ

    239 = 122 :

    友達想いのさやかちゃんさやさや

    240 = 1 :

    杏子「お前は暁美ほむらの笑顔を取り戻すために、この作戦協力してくれてるんだろ?」

    さやか「……」

    杏子「アタシはよくやっていると思うぜ、さやか」

    さやか「……あんたなんかに褒められてもうれしくない」

    杏子「んだよ、せっかく慰めて――」

    さやか「あと、勝手に名前で呼ぶな」

    杏子「はいはい、わかったよ」

    さやか「……ねぇ、さっきのお菓子ちょうだい おなか空いたんだけど」

    杏子「ほらよ」

    さやか「ありがと杏子」

    杏子「お前こそ名前で――」

    ゆま「わっ、頭の中に声が――!?」ネムネム

    杏子「おっと、お呼びがかかったか」

    さやか(ほむら…… 今行くからね……)

    241 = 1 :

    ◆◇◆◇

     ここはどこだ―― 真っ暗で何も見えない――
     何か音が―― これは声? 懐かしい声…… 誰かが私を呼んでいる? 

     ああ、そうだ 私は死んだんだ だからまどかが私を呼んで――

    さやか「ほむらっ! ほむらっ眼をあけてよ!」

     さやか……? どうしてここに?
     そっか、彼女も死んだんだっけ…… だから一緒に死後の世界に――

    ほむら「んん…さやか…… どうして泣いているの?」

    さやか「ああっ、ほむら! よかった!」ギュッ

    ほむら「ちょっと、なんなのいきなり……」

    さやか「ごめんね…ごめんね…… 辛かったよね……」グスッ

     状況が飲み込めない…… さやかをなだめる為に頭を撫でる
     そうしながら辺りを見回すと、そこには見知った顔が――

    杏子「よっ、はじめましてかな? それとも久しぶりでいいのか?」

     久しぶり? どうして彼女が私のことを……?
     それに彼女の手の中で、私のソウルジェムがキューブによって穢れを取り除かれている――

    242 = 146 :

    さやさや

    243 = 1 :

    ゆま「ふぅ…… これで体のほうも大丈夫だよ」

    杏子「お疲れさん それじゃ、ゆまのソウルジェムも回復しないとな」

     千歳ゆま……? 彼女も死んでしまったのだろうか……
     死んでしまったのにソウルジェムの穢れをとる必要ってあるの?
     そもそも死んだのにソウルジェムがあるってどういうことなのかしら……」

    ほむら「ねぇ、ここはどこ? 私たちは死んでしまって天国にでも来たの?」

     白い広大な部屋に私たちがぽつんと染みのように存在しているだけで、周囲には何も見当たらない
     眼を凝らして遠くを見ても、がらんどうな空間がどこまでも続いているようだった 

    織莉子「限りなく死後の世界に近い場所―― なんじゃないかしら?」

    ほむら「……美国織莉子!?」

    織莉子「あら、気がついたのね…… よかった、あのまま消え去って――」

    ほむら「貴女、どうしてここに!?」

    さやか「おちついて、ほむら! 大丈夫、美国織莉子たちは敵じゃない」

    ほむら「敵じゃない? アイツはあなたを殺して――」

    織莉子「ごめんなさい でも、こうするしか方法が思いつかなくて」

    ほむら「この状況を説明してくれないかしら…… 一体何が起こっているの?」

    244 = 146 :

    ほむほむ

    245 = 122 :

    ゆまゆま

    246 = 1 :

    ――――


    ほむら「まどかを神から引き摺り下ろすだなんて――
        呆れた……  なに、何なの? 馬鹿なの? 死ぬなの?」

    杏子「そうだな、アタシたちは馬鹿だよ」

    ほむら「さやかまで私を裏切って――」

    さやか「まどかを救えるかもしれないんだ」

    ほむら「そんなことしてまどかが喜ぶとでも思っているの?」

    さやか「でも、ほむらはまどかと一緒にいたいと――」

    ほむら「そんなこと微塵も思ってない!」

    さやか「嘘吐き…… ほむらはずっとまどかのことしか考えてないくせに!」

    ――――
    キリカ「ただいまー、この辺りを調べてみけど出口も何も見当たらなかったよ」

    マミ「ぐるぐる同じところを回っているような感じだったわ……」

    織莉子「そう……、それは困ったわ……」

    ゆま「このまま出られなかったら、ゆまたち飢え死にだね」

    ほむら「考えもなしに愚かなことをするからよ……」

    247 = 1 :

     どうやらここは、まどかの作り出した結界のような場所らしい
     馬鹿な魔法少女たちの目論見で、私はこんなところに連れてこられてしまったようだ

    ほむら「どうするのよ」

    織莉子「杏子の話だと、直ぐにまどかが現れたって言うから」

    杏子「アタシが悪いって言うのか?」

    キリカ「喧嘩はやめなよ……」

    マミ「もう一度周辺をくまなく探してみましょうか……」

     巴マミのその言葉に従って、おのおの辺りを調べ始めた
     しかし…… 何もない空間で探すといったって――

    ほむら「……あるじゃない、扉」

     立ち上がって数分も経たないうちに、閉じられた大きな扉を見つけた
     何もない空間に扉だけがぽつんと―― 明らかに不自然な形で存在している

    キリカ「あれ…… おかしいな……
        さっきみたときにはこんな馬鹿でかい扉なかったと思うんだけど」

    さやか「ロダンの地獄の門みたい……」

    マミ「貴女をまどか様が導いてるんじゃない?」

    ほむら「……下らないこと言わないで」

    248 = 227 :

    マミマミ

    249 = 135 :

    長編
    シリアス
    地の文

    ss速報でやったほうがウケそうなssだな

    250 = 1 :

     扉に手を伸ばそうとした瞬間だった
     不穏な気配を感じ取る―― 辺りにけたけたと気味の悪い笑い声が響く 

    「 ―― 」
    手下「 ―― 」

    ほむら「御菓子の魔女に…… 薔薇園の魔女……」

    杏子「これが魔女か 魔獣よりも手ごたえがありそうじゃん」

    マミ「ここは杏子と私が食い止めるわ…… 織莉子たちは先に行って」

    ゆま「だったらわたしも残るよ」

    織莉子「そいつらを倒したら、直ぐに追いつきなさい」

    杏子「ははっ、無茶いうなぁ……」

    ほむら「愚かな作戦に巻き込んで、挙句にこんなところまで連れて来られて――
        貴方達……あとでたっぷりと叱ってあげるから絶対に生き残りなさい」

    キリカ「マミさん、杏子、ゆま 任せたよ」

    杏子「あぁ、行って来い!」


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