元スレほむら「鹿目まどかの消失」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
1 :
ほむ「ーーー結局、この時間軸でもまどかを救えなかった。………次こそは、必ず……!」
カチッ
2 :
ほむ
3 = 1 :
早乙女「はーい、それじゃあ自己紹介いってみよう!」
ほむ「暁美ほむらです。よろしくお願いします」
ほむ(まどか、今度こそ貴女を…)
ほむ「………?」
ほむ(まどかが、いない……?)
4 = 1 :
マエハドコノガッコウダッタノー?スッゴクキレイナ髪ダヨネー!ワイワイキャッキャッ
ほむ「…」
ほむ(何かがおかしい…)
ほむ(まどかは休みかしら?でも、こんな事は今までで初めてだわ…まさか、既にまどかの身に何か……!?)
「ほら皆ー、転校生困ってるじゃん。一気に質問し過ぎだって」
ほむ「…!」
ほむ(こいつは…)
5 = 1 :
ほむ「美樹…さやか」ボソ
さや「え?」
さや「もしかしてもうあたしの名前覚えてくれてる?いやー、照れるなぁ」ポリ
ほむ「…」
ほむ(彼女から私に接触してくるなんて珍しいわね…)
6 = 1 :
さや「ん?何か顔色良くないね。保健室行く?」
ほむ「…いいえ。その必要はないわ」
さや「そう?まだ退院したばっかりなんだし、気分悪くなったらいつでも言ってよ?」ニコッ
ほむ(…この時間軸の美樹さやかは何だか友好的ね。)ホムゥ
ほむ「ええ。…ありがとう」
さや「いいっていいって。こう見えてもこのクラスの"保健係"だからさ!」
ほむ「……っ!?」ガタッ
7 = 1 :
さや「うわっ!びっくりしたー。そんなに驚く事ないでしょっ」ハハッ
ほむ(………一体どういう事?美樹さやかが保健係?そんなはずは…)
ほむ(…やっぱり、何かがおかしい。この状況は一体……)
9 = 1 :
ほむ「………」
さや「ねぇ、ちょっと大丈夫?やっぱり保健室に…」
ほむ「っ!触らないで……っ!」パシッ
さや「…っ!」
エー何ー?ドウシタノー?ザワザワ
さや「いっ…たいなぁ…」
さや「あんた、いきなり何なわけ?あたし気に障るような事したかなぁ?」
ほむ「……だって…おかしいじゃない。美樹さやか…貴女が、保健係だなんてそんな…」
10 = 1 :
さや「はぁ?あたしが保健係の何がおかしいっての?こっちからしたら、あんたの言ってる事の方がおかしいんだけど?」
大丈夫ー?暁美サンドウシチャッタノ…ヒソヒソ
さや「…転校生?」
ほむ「…私の知る限りでは、このクラスの保健係は貴女ではなくまどかだったはずよ」
さや「はぁ?まどか…?」
さや「……まどかって、誰?」
11 = 1 :
ほむ「……!」
ほむ(一体どうなってるっていうの…?美樹さやかが、まどかを…知らない?)
さや「…仁美、分かる?」
仁美「まどか…さん?さぁ、聞いた事ありませんわねぇ」
ほむ「っ!」
ほむ「……まどかは…まどかよ。貴女達……鹿目まどかを忘れたって言うの………」
仁美「あの…暁美さん?このクラスにはそんな方いらっしゃいませんわ」
仁美「どこか他のクラスと勘違いしているんじゃ…?」
12 = 1 :
ほむ(そんな…そんなはずは……ないわ…)ガタッ
ほむ「貴方は、鹿目まどかを知ってるでしょう!?」
エ…シ、知ラナイヨ…ビクッ
ほむ「このクラスの保健係は鹿目まどかよね!?」
保健係ハズット美樹サンダヨ…
ザワ…ヒソヒソ…暁美サンドウシチャッタノ?怖イ…。大丈夫ナノ?
ほむ「…っ」
ほむ(何なの…一体何が……どうなっているの)
13 = 1 :
街中
ほむ(結局、あれから何の進展もないまま放課後になってしまったわ…)
ほむ(鹿目まどかが存在しない時間軸。魔女の仕業か……もしくは…こんな芸当が出来るのは…)
「……ふふっ。帰ったら大きなケーキを焼きましょう。それで、…をびっくりさせるの!」クスクス
ほむ「!」
ほむ「あ、あれは…!」
14 = 1 :
ほむ「巴マミ!」ダッ
マミ「え?」
ほむ「…っこの街は何かがおかしい!魔女の仕業かも…貴女は何か感じない?そうだ、キュゥべえ…キュゥべえの居場所は知ってるかしら!?」
マミ「え?あの…?」
マミ「…あなたは?……魔女って…何の事…?」
ほむ「…!」
ほむ「と…巴マミ、貴女は……魔法少女の巴マミよね?」
マミ「まほー…しょうじょ?」
15 = 1 :
ほむ(っ!そんな…巴マミまで)
「マミ、お友達?」
ほむ「!」
マミ「 お 母 さ ん 」
ほむ「…!?」
マミ「ううん?同じ学校ではあるみたいだけど…」
マミ「えーと…どこかで会った事あるかしら?それと、魔法少女って?」
16 = 1 :
ほむ「どうして…それに巴マミの両親は、事故で…」ボソ
マミ「!」
マミ母「あら、どうして事故の事?マミ、やっぱり知り合いじゃないの?」
マミ「知らない人のはずなんだけど…」
マミ「確かに昔事故にはあったけど、軽い怪我で済んだくらいだし。それより、どうして貴女がその事を知ってるの?」
17 = 1 :
ほむ(……一体…どうなって……)フラ…
マミ「あの?」
ほむ「っ巴マミ!」
マミ「は、はいっ?」
ほむ「ティロフィナーレという言葉に覚えはない?」
マミ「 」
18 :
紫煙
19 = 1 :
マミ「ティロ…え?」
ほむ「 」
ほむ「…何でもないわ。忘れて頂戴」
ほむ「親子水入らずの所を邪魔して悪かったわね」ファサッ
マミ「ティロフィナーレ…か」ボソッ
20 = 1 :
次の日
さや「おはよう転校生。今日は調子どう?また昨日みたいに急に暴れないでよー?」
ほむ「…心配には及ばないわ」ファサッ
ほむ「ところで、一つ確認しておきたいのだけれど…貴女、喋る猫のような生き物を見た事があるかしら?」
さや「 」
さや「やっぱり保健室、行く?」
21 = 1 :
ほむ「良いから聞いて」
ほむ「それで、その生き物が言うのよ。何でも願いを叶えてあげるよ。…って」
ほむ「美樹さん…貴女なら何を願う?」
さや「…これはまた唐突な」
さや「あたしなら……うーん、迷うなぁ」
22 = 1 :
ほむ「何でも良いのよ。…そう。例えば、怪我をした知り合いの天才バイオリニストの腕を治してあげたい。とか」
さや「え、あんた恭介の事知ってんの?」
さや「いやまぁ…そりゃあ確かに早く退院して欲しいとは思うけど…」
さや「…でもそんな物に頼るよりさ、自分の力で頑張って乗り越えて欲しい…そしてあたしはそれを全力で応援したい…って、思うかな?」
さや「まぁ、手も順調に回復に向かってるっていうしね!そんなチャンスがあったら、本当にそれを求めてる人に譲るよ」
さや「…って、夢がなさすぎでしたかねー?」アハハハ
23 = 1 :
ほむ(まどかがいないのなら、こんな時間軸は無かった事にする事も出来る)
ほむ(…戻った所で、その時間軸にまどかが存在しているとは限らないけれど。試してみる価値はあるかもしれない)
ほむ(…でも)
マミ『お母さん』
さや『手も順調に回復してるっていうしね』
ほむ(…………)
24 = 1 :
結界内
ドンッドンッ
ほむ「こんなにも狂った時間軸でも、魔女との戦いは避けられないのね……っ」
ドオオオンッ………カラン
ほむ(…それにしても)
ほむ「巴マミが魔法少女にならなかったのだとしたら、誰がこの見滝原を守っていたのかしら」
ほむ「他の魔法少女が縄張りにしているようでもなければ、別段魔女が放置されているとも思えない……」
ほむ「インキュベーターも今まで姿を現さないなんて…何かの企みか何かなの…?」
25 = 1 :
ほむ「…まどか……」
ほむ(……まどか…会いたい………)
26 = 1 :
次の日
さや「転校生ー!ねー、数学教えてくれない?今日当てられそうなんだわー」アハハ
ほむ「美樹さ、ん…別に構わないけれど。どこかしら?」
さや「 」
ほむ「?…何かしら?」
さや「え?あ、いやー…意外だったからつい。てっきり嫌われてると思ってたしさ」
ほむ「…」
ほむ「私も…貴女とこういう風に、普通のクラスメイトとして話す日が来るとは思ってなかったわ…」ボソッ
さや「え?」
27 = 1 :
早乙女「あ、暁美さんに、美樹さん…丁度良かった」
さや「和子先生?」
早乙女「2人に聞きたい事があって…どう?暁美さん、クラスには馴染めてる?」
早乙女「言いづらいんだけど、転校初日に美樹さんとケンカしちゃった…って聞いたんだけど…その様子だと仲直り出来たのかな?」
さや「やだなぁ!ケンカなんて大げさですよ。仲直りも何も、別に仲悪いって訳じゃないしね」ハハハ
早乙女「そう?なら別に良いんだけど…」
28 :
ほむほむ ほむほむ ほむほむ
29 = 1 :
さや「あ、でさー、転校生?その例の探してる人って見つかったの?」
さや「えーっと、何だったかな…何とかまどか…だっけ?」
早乙女「え?まどか?」
30 = 1 :
早乙女「あっ、ごめんなさいね?知ってる名前が出てきたからつい」フフ
早乙女「私の知り合いの娘さんでね、そうそう!丁度あなた達と同じくらいの歳で…名前は、"鹿目まどか"ちゃんっていうんだけど」
ほむ「っ!!」
ほむ「…っ……鹿目まどかを知ってるんですか!?」ガシッ
早乙女「えっ?えっ?暁美さん?」
ほむ「教えて下さいっ!鹿目まどかの事……っ」
ほむ「鹿目まどかは、今どこに……っ?」
31 = 1 :
早乙女「……確か、最近海外から帰ってきて、今は隣町の風見野の学校に通ってるはずだけど。暁美さん、まどかちゃんと知り合いなの?」
ほむ「…っ」
ほむ「まどか……」
ほむ(やっと…やっと手掛かりを見つけたわ……まどかっ)
32 = 1 :
ほむ「っ先生!」
ほむ「気分が優れませんので、今日は早退しますっ!」クルッ
早乙女「えっ?ちょっと、暁美さん?えっ?えっ?」
ほむ「……それから、美樹さやか!」
ほむ「ありがとう」
さや「へっ?……お、おー!」
33 = 1 :
風見野中
ほむ「勢い余って来てしまったのは良いけれど、よく考えたらまどかも授業があるのよね」
ほむ「…」ソワソワ
ほむ「時間停止して乗り込もうかしら」
ほむ「……」ソワソワ
34 :
プライベートで仲良くなっていちゃいちゃ
35 = 1 :
ほむ「…風見野か。そういえば、佐倉杏子はどうしているかしら…」
ほむ「巴マミや美樹さやかと同様に、佐倉杏子も魔法少女になっていないという可能性もあるわね……」
36 = 1 :
放課後
キーンコーンカーンコーン…ガヤガヤ
ほむ「…やっと放課後ね。生徒達が一斉に下校して行くわ」
ほむ「……ちゃんとまどかを見つけられるかしら」ドキドキ
ほむ(…思えば、魔法少女の巴マミと出会っていないのなら、鹿目まどかが魔法少女になる可能性は一気に下がる訳よね……。だったらいっそ、魔法少女である私と会わない方が良いのかも…)
ほむ(………)
「腹減ったなー。なぁーどっか寄ってこーぜ!」「…ちゃん、さっきもお菓子食べたばかりじゃない」ティヒヒ
ほむ「……あっ」
37 = 1 :
ほむ「……まどか…」
ほむ(やっと見つけた…っそれに…)
ほむ「…まさか、佐倉杏子まで一緒なんてね」
38 :
こういう展開は珍しい
39 = 1 :
ほむ「まどかっ!」
まど「!……え?」
ほむ「…」
ほむ「……まどか…」
まど「…あ、えっと……」
杏子「おいまどか、知り合いか?こいつ」
ほむ「佐倉杏子」
ほむ「ご家族は元気かしら?お父様はまだ教会で神父を?」
杏子「!何だ?あたしの事も知ってんのかよ…どっかで会ったか?」
40 = 1 :
ほむ「佐倉杏子。インキュベーター…いえ、貴女にはキュゥべえと言った方が良いかしらね…この言葉に聞き覚えはない?」
杏子「はぁ?インキュ…?からかってんの?」
ほむ「そう…。やっぱり貴女も、魔法少女にはなっていないようね」
まど「魔法…少女…?」
杏子「なぁ…変な奴なんじゃねぇの?まどか、もう行こうぜ」
まど「…で、でも杏子ちゃん…」
杏子「良いからほっときなよ。気味悪りぃ」スタスタ
まど「…う…うん…」チラ
41 = 1 :
ほむ「!待って!まどか…っ」ポムッ
まど「!……ほむらちゃ…っ」ハッ
杏子「!?…その格好は…コスプレか何かか?」
ほむ「お願い。私の話しを聞いて…っ」ギュッ
まど「!」
杏子「お、おい!離…」
ほむ「まどか、杏子、私から離れないで」カチッ
まど「!」
杏子「!?」
杏子「どういう事だ…おい。周りが…停まった…?」
42 = 1 :
杏子「おい!あんた一体何なんだ?あたしらに何を…」
………カチッ
ザワザワ
ネェ、今アノ子一瞬変ナ格好シテナカッタ?サァ?気ノセイジャナイ?
杏子「!……白昼夢でも見たってのか?」
ほむ「いいえ、今のは時間停止。私のチカラよ」
ほむ「…まどか」ギュッ
まど「…!」
ほむ「…私ね、未来から来たんだよ。貴女との出会いをやり直したくて…。信じて貰えなくても良い…私の話しを聞いて聞いて欲しいの…っ」
まど「 」
43 :
なにやら分からんが支援
44 :
まど「うん……うん。信じるよ」ソッ
ほむ「!」
杏子「まどか!?」
まど「だから…あなたの話し、ちゃんと聞かせて?」
ほむ「……まどか…………ありがとう」
まど「じゃあ、改めて」
まど「私、鹿目まどか。まどかって呼んで」ニコッ
杏子「…まぁ、あんなん見せられたら、信じるっきゃねーんじゃねえの?」スッ
杏子「佐倉杏子だ。………食うかい?」
ほむ「……ええ。暁美ほむらよ。ほむらで良いわ」ニコ
45 = 44 :
ファーストフード店
ほむ「……という訳で、私は幾度もの時間を繰り返してきた」
杏子「…ふぅん。で、今回だけが唯一のイレギュラーって訳ねぇ。…にわかに信じらんねぇけど、それも本当なんだろうな…」チッ
まど「…杏子ちゃん?」
杏子「いや…」
杏子「それでその、インキュ……キュゥべえってやつが黒幕なのは確かなのか?」
ほむ「さぁ」
杏子「さぁ…って、おい!」ズコッ
ほむ「違うとも言い切れないし、そうだとも言い切れないわ」
ほむ「…限りなく怪しくはあるけれど」
46 = 44 :
ほむ「…巴マミの事故、上条恭介の怪我、佐倉杏子の…家族の心中。そして、私とクラスメイトになるはずだった鹿目まどか。共通する物は全て"魔法少女になるべき理由だった"という事」
ほむ「これら全てが、何らかの形で書き換えられている」
ほむら「あいつがこんな事をしても特にはならないはず」
杏子「じゃあ、誰なんだよ…」
ほむ「分からないわ。そのインキュベーターだって姿を現さないのだもの」
ほむ「インキュベーターの企みかもしれないし、もしくは別の誰か…」
ほむ「もしかしたら、誰かの願いによって作られた世界なのかもしれないわね」
47 = 44 :
まど「…世界を、作る……?」
ほむ「厳密に言うなら、誰かが契約をした事により少しのズレが生じた。そしてそのズレによって、今の時間軸に繋がっているのかもしれないわ」
まど「……」
杏子「なぁ……巴マミと美樹さやかって奴らに会ってみねぇ?」
杏子「なーんか難しい事はわっかんねぇけどさ、魔法少女全員集合とか、もしかしたら何か起こるかもしんねぇじゃん?」
ほむ「!」
ほむ「…そうね。もしかしたら」
杏子「そうと決まれば…!」スクッ
まど「え、今から行くの?」
杏子「早い方が良いだろー?案内してよ、ほむら!」
ほむ「!」
48 = 44 :
テクテクテク
まど「ねぇ…ほむらちゃん。ほむらちゃんは、どうしてそんなに私の為に…?」
ほむ「…」
ほむ「…今のあなたは知らないだろうけど、昔の私は泣き虫で弱くて何も出来ない…何の役にも立たないような子だった。」
ほむ「そんな私に、あなたはいつも優しかった…。友達だって言ってくれた。…あなたはいつだって強くて、優しくて、私の…憧れだったの」
ほむ「今の私があるのは、全部あなたのおかげなの。まどか」
まど「…ほむら…ちゃん」
杏子「…っと、着いたぜ。…こっからが見滝原か」
49 = 44 :
杏子「早いとこ見つけてとっ捕まえようぜ!」
まど「そんなすぐ見つかるかな…?」
杏子「大丈夫だって!いざとなりゃあ、こっちには"魔法少女様"がついてるんだし?」ニヒヒ
ほむ「佐倉杏子。置いて行くわよ」
杏子「ちょっ!冗談だって!」
まど「杏子ちゃんたら…」ティヒヒ
50 = 44 :
ほむ「いざとなれば家を知ってるし、大体検討は付いてるわ。そうね…まずは巴マミを探しましょう」
みんなの評価 : ○
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