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    元スレほむら「幸せのまどか様」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 暁美ほむら + - 美樹さやか + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 1 :

    ――――
    キリカ「大変なんだ、魔法少女って」

    杏子「だから、好んで魔法少女になんて
       なるべきじゃないけど――」
       
    キリカ「けど?」

    杏子「キュゥべえが目をつけたってことは、
       何かしら理由があるだろうな……」

    キリカ「どういう意味?」

    杏子「アイツは誰彼構わず勧誘を行っているわけじゃないんだよ
       ま、これは完全に私の想像なんだけどな」

    杏子「……魔力の素質があるヤツ全員に声をかけているわけじゃない
       それに、魔法少女になったヤツには何かしら問題が抱えてるやつが多いし」

    杏子「実際、救われたってやつも多かれ少なかれいるんだ」

    キリカ「……杏子もその一人?」

    杏子「さぁね…… どうかな」

    杏子(あのとき魔法少女になっていなかったら、どうなってたんだろうなぁ
       家族仲良く飢えに苦しんで死んでいったとかかな……)

    102 = 1 :

    ――――
    キリカ「何でも願いが叶うか……」

    杏子「叶えたい願いでもあるのか?」

     変わりたい
     違う自分になりたい

    キリカ「いや……」

    杏子「アタシには、そうはみえないけど?」

    キリカ「……杏子は、なんでもお見通しなんだ」

    杏子「そんなわけ無いさ」

    キリカ「……」

    杏子「話してみろよ…… アタシにできる範囲なら力貸してやってもいいぜ?」

    杏子「ただし、それなりの報酬は弾んでもらうぜ?」ニヤニヤ

     何かの包み紙を外して、食べ物を頬張るジェスチャー
     つまり、私に食べ物を奢れという合図なのだろう……

    キリカ「食い意地の張ったヤツ……」クスクス

    103 = 1 :

    ――――
    杏子「うっわー、くだらねぇ……」

    キリカ「ひ、人の悩みを聞いておいて下らないなんて!」

    杏子「だってさ、その人にあって『ありがとう』っていいたいって」

    杏子「とんだヘタレだな……」

    キリカ「うっ……」

    杏子「人のことを見下したふりをしていながら、そのざまとはねぇ」

    キリカ「う゛ううう……」グスッ

    杏子「あ……、泣くなよ…… アタシが悪かった、悪かったからさ……」
       
    キリカ「……」
       
    杏子「違う自分になりたいねぇ
       そんなこと、魔法に頼まなくたってもできるだろうに」

    キリカ「……そうかな?」

    杏子「そうさ」

    104 = 42 :

    ささやかだけど幸せそうに見える…

    105 = 1 :

    杏子「そろそろアタシも帰ろうかな」

    キリカ「杏子ってこの辺に住んでるの?」

    杏子「いや、ここから少し離れたところに住んでいたよ」

    キリカ(……過去形?)

    杏子「今はその辺ぶらぶらしてる」

    キリカ「ぶらぶらって……」

    杏子「魔法少女は訳アリが多いっていったろ?」

    キリカ「その……」

    杏子「なんだよ?」

    キリカ「なんでも……ない」

    杏子「そっか」

    キリカ「助けてくれてありがと、杏子」

    杏子「次はないからな 気をつけろよ」バタン

    106 = 1 :

    キリカ「……」

     『助けてくれたお礼に、よかったら泊まっていってよ』

    キリカ(どうしてその一言がいえないかな……)

     魔法少女になれば変われる?
     愚図で鈍間な私ではなく、佐倉杏子のように強く――
     
    キリカ「はぁ…… 魔法少女……かぁ」

     『くだらない』
     
     かつての私なら、その一言で片付けていたのだはずなのに――
     杏子の使ったグラスを洗いながら考える

     魔法少女になれば、違う自分になれる
     本当かどうか分からないけれど、世界のためにもなる…らしい……

    キリカ「どうすればいいのかな……」

     彼女が口をつけたグラスの縁を指でなぞる
     振動が空気に伝わり、くぐもった音が部屋に鳴り響いた

    キリカ「魔法少女……」

    キリカ「佐倉杏子……」

    107 = 1 :

    ――――
    QB「やっと出てきた」

    杏子「……」

    QB「どうだい? 彼女は」

    杏子「魔法少女には向いて無いな」

    QB「残念だね…… 君が言うのだから間違いない 彼女の抱いている問題程度なら、
       彼女自信の力で打開できる可能性は高いし、ボクの力は必要ないだろう
       
    QB「他の少女を探すしかなさそうだね……」

    杏子「えらく信用されてるもんだ」

    QB「まぁね」

    杏子「けっ、別に嬉しいとも思わないけどさ」

    QB「……しかし、それだと心配だな」

    杏子「見滝原に集中発生している魔獣のことか?」

    QB「うん…… 君を呼び寄せたのもそのためだ」

    杏子「あの巴マミが管轄していても援護が必用なほどとはね……」

    QB「こんな異常事態は初めてだよ」

    108 :

    キリカとオリコってだれだよ

    109 = 1 :

    QB「魔獣の増加も気になるけど、正体不明の魔法少女も気になるのに……」

    杏子「暁美ほむらだったか?」

    QB「彼女は――」

    QB「……やれやれ、今日はこれで3度目だ」

    杏子「またか……」

    QB「近くに魔獣の反応を確認した―― しかも複数だ」

    杏子「わらわらと湧き出てきやがって……」

    QB「今からマミに連絡をいれるから、半分は杏子にお願いするよ」
       
    杏子「はいはい、分かりました」

    QB「キミをこの街に呼び寄せておいて本当に良かったよ」

    杏子「お前に褒められても全然嬉しくねぇ」

    QB「杏子は何時になったらデレになるのかなー」

    杏子「なんねーよ、ばーか」

    杏子「さてと、食後の運動と行こうか!」

    110 :

    >>108
    スピンオフの漫画に出てくるイレギュラー

    111 = 1 :

    ――数日後――

    キリカ「暇だなぁ」

     その後、私は魔法少女になるわけでもなく
     学校に行くわけでもなく、だらだらと生活をしていた

    キリカ「うーん…… あれから恩人も見かけないし 杏子にも会う機会がないし」

    キリカ「あー……」

    キリカ「ゲーセンでも行こうかな……」


    ――――
    キリカ「……」カチャカチャカタッ

    キリエッ…エクステンドッ フッハッセイッココダッ コムニオッ
    メサイア…ココダッココダッ…キリハラウ…イマイイチドキリハラウ

    タスケテヨ…ソフィー

    ××「だっ~ コムニオまじ爆発しろっ!」ダンッ

    キリカ(台バンだ…… 絡まれる前に逃げた方がいいかも……)

     クレジットが残っている格闘ゲームの台から離れて、私は逃げる準備をする
     リアルファイトに発展してしまっては私に勝ち目はない――

    112 = 108 :

    ほむほむ2号と3号ということか

    113 = 1 :

    杏子「んっ? キリカか?」

    キリカ「……杏子?」

    杏子「……学校サボってゲーセンかよ
       つーかお前が対戦相手だったのか……」
       
    キリカ「杏子こそ、昼間っからゲーセンにいるじゃないか」

    杏子「私は魔法少女って仕事をしてるから問題ないんだよ」

    キリカ「そういうものなの?」

    杏子「そういうもんなんだよ」

    杏子「で、恩人にちゃんとお礼は言えたのか?」

    キリカ「それが、まだ言えてなくって」

    杏子「はははっ ダメダメだなぁ」

    キリカ「うぅ…… 返す言葉も無い」

    114 = 110 :

    >>112
    というより全力でまどかを殺しにくるほむほむの敵

    115 = 1 :

    キリカ「こ、これから暇ならさ、またウチでご飯食べていかない?」

    杏子「そうだなぁ――」

    杏子「あー…… わりぃ、用事ができた」

    キリカ「また化け物が?」

    杏子「まぁな」

    キリカ「……私も契約すれば、杏子の手伝いができるかな」

     勇気を振り絞って、言ってみる――
     杏子は私が魔法少女になることを喜んでくれるだろうか?

    杏子「止めとけ―― 何不自由ないヤツが魔法少女になる必用はない」

    キリカ「そっか、そうだよね」

    杏子「それじゃあ、もう行くから――」

     最後まで言い終わらずに、杏子は脱兎の如く駆けていった
     勇気を振り絞って言った結果がこれだよ……

    キリカ「……」

    キリカ「帰ろう……」

    116 = 1 :

    ――キリカの部屋――

    キリカ「……」

    キリカ「本当、なにやってんだろ……」

     食事と入浴を終えて、ベッドに腰掛けて一時間
     特にすることもなくぼーっとして過ごす

    キリカ「散歩にでも行こうかな…… もしかしたら、恩人に会えるかもしれないし」

    キリカ(いい加減名前くらい知りたい……)


    ――――――
    ―――



    ――公園――

    キリカ(この季節だと、まだ夜は肌寒いな……)

    ゆま「キョーコー!? どこいったのキョーコ!?」

    キリカ(小さい子が一人……)

    ゆま「一人にしないで…… 私を捨てないで……」グスッ

    キリカ(まさか杏子の知り合いなのかな……)

    117 = 1 :

    ゆま「そこのお姉さん」

    キリカ「私?」

    ゆま「真っ赤な髪で、髪を後ろで束ねてて、
       それからそれから、短いズボンを履いていて――」

    キリカ(多分、私の知っている杏子のこと……だよね)

    ゆま「見ませんでしたか?」

    キリカ「昼間にゲーセンで会ったよ」

    ゆま「ほんと!? 今どこにいるか知りませんかっ」

    キリカ「ごめん、ちょっとわからないや」

    ゆま「そうですか…… お騒がせしました」

    キリカ「大変そうだね、私も手伝ってあげようか?」

    ゆま「いいの? お姉ちゃんありがとう! 私の名前は千歳ゆまだよっ」

    キリカ「よろしくね、ゆまちゃん 私はキリカっていうんだ」

    ―――――
    ―――

    118 = 1 :

    ――――
    魔獣「キヒヒャヒャハヤッ テヒィィテヒィィ」

    杏子「畜生…… どうなってんだよ、この街はさぁ!」

    杏子(キューブを使って魔力を回復する暇もない――)

    QB「倒しても倒しても、魔獣が沸いてくる……」

    QB(他の魔法少女たちも魔獣と戦闘中だ……
       直ぐに呼べる魔法少女はこの辺りにはいないし――)

    杏子「どうやら、アタシもここまでのようだね……」

    QB「そんなこと言わないでほしいな……
       今ここで君を失ったら、この街は魔獣に制圧されてしまう」
       
    杏子「……適当に不幸な少女でも引っ掛けて契約迫ればいいだろ?
       習熟するまではマミに―― 最悪イレギュラーを使えばいい話だ……」」

    QB「この前君が助けた子供も、魔獣にやられてしまうかもしれないよ?」

    杏子「知らねぇよ、そんなこと…… アタシの知ったこっちゃないね……」

    QB(仕方が無い…… こうなったら奥の手だ――)ダッ

    杏子「おいキュゥべえ! どこ行くんだよ!」

    杏子「信用しているって言ってたくせにさ 最後は見捨てるのかよ……」

    119 = 1 :

    ――――
    杏子「も…… だめ…… かな」

    杏子(腹部の出血が止まらない…… 視界が霞んできやがった)

    魔獣「ティヒヒヒヒヒヒイイイイイイイイイイイイイ」

    杏子「そんなに盛んなよ…… もう相手できねぇっての……」

    魔獣「残! 斬! 惨! ザン ザザザザザ 懺!?」

     頭を鷲掴みにされ、体が宙に浮く―― 
     魔獣の舌が鋭利な刃となって左眼に突き刺さり、抉り回す

    杏子「ぐっ、あ゛ああぁ……」

    魔獣「アッハァ! アァイ!」

     化け物の頭が割れて、その中から別の頭が現れる 二股になった頭の片方が右腕を―― 
     もう一方が右足をゆっくりと、リズミカルに音を立てて喰らう
     
    杏子「あ゛あ゛…… い゛てぇな…… 焦らすんじゃねぇよ……」ハァハァ

    魔獣「ティヒヒイイイイイイイマイウゥゥゥウウウウウウウウ」


    杏子(あぁ、これ死ぬじゃん…… つまんない人生だったなぁ)


     全てを諦めた瞬間、アタシの意識は白の世界へと飲み込まれる――

    120 = 1 :

     『えへへ、久しぶりだね。杏子ちゃん』

     辺り一面が白く染まって、明るい髪に純白のドレスを纏った少女が現れる
     やさしく語りかける声―― どこかで聞いたことのあるような……とても暖かい声

    杏子「……だれだよアンタ なんでアタシの名前、知ってんだ?」

     『私のこと覚えてない? 当然といえば当然かぁ……
      でも、なんだかちょっと寂しいな……』
     
    杏子「というか此処は何処なんだ… 三途の川とか?」

     『んー、だいたいそんな感じで合ってると思うよ』
     
    杏子「ははっ、なんか適当だな パッと見、神様みたいな姿してるのにさ」

    杏子「なぁ、アタシ……これから死ぬんだろ?」

     『そういことになるのかな』

    杏子「はぁ…… かつて何度も祈った神様がこんな頼りないヤツだったとはねぇ」

     『神様なんて…… そんな大それたものじゃないよ』

    121 = 1 :

     『ごめんね、杏子ちゃん』
     
    杏子「なんで神様が謝るのさ、それに謝られたってアタシが困る
       こんなめちゃくちゃな人生にした神様を許すことなんてできないよ」

     『本当にゴメンね……』

    杏子「……なんだよ、謝ってばっかりじゃねーか」

     『もう時間みたい……』

    杏子「さっくりと人思いに頼むよ」

     『うん…… お疲れ様、杏子ちゃん』

     これでお終いか……

     なんだったんだろうアタシのやってきた事って…… 
     
     父さん母さん、モモ…… 今からそっちに行くよ 今度は――





    「ちょっとまったあああああああああああああああああ」


     何かに体を押し戻されてる? 体が何かに引っ張られているみたいだ……
     白の世界はどんどん遠ざかっていく―― アタシの意識はもといた世界へ再び舞い降ちる

    122 :

    >>112
    クリームちゃん爆誕を防ぐため、まどか殺害を目論むイレギュラー
    並行世界を時間遡行して渡り歩くほむらに対して、自分の生きる世界を守りきることを考えてる
    まどかを守るため全てを犠牲にするほむらへのアンチテーゼ

    123 = 1 :

    キリカ「ラディカル!グッド、スピィィィィィード!」ズバッ

    魔獣「ギシュゥアアアアアアアアア」

    キリカ「魔獣! お前に足りないもの、それは――
        情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そしてぇ なによりもおぉぉぉ 」
        
    キリカ「速さが足りないっ!」ドヤッ

    杏子「きっ、キリカ!?」

    キリカ「危ないところだったね」

    杏子「どうして、お前―― その格好は――」

    キリカ「話は後にしようじゃないか 今は目の前の敵に集中しないと」
     
    杏子「わ、わかった」ジャキン

    杏子(あれ? あれだけ酷い傷だったのに…… 治ってる?)

    キリカ「遅い―― 遅すぎるよ! あぁ、体が羽のように軽い!」ヒャッハァ

    124 = 1 :

    ――――
    キリカ「ちょっと調子に乗りすぎたかも」ゼェゼェ

    杏子「デビュー戦で、そんだけ暴れられるならたいしたもんだぜ?」ハァハァ

    キリカ「とりあえず、あれだ、うん、休もう」

     そのまま地面に座り込むキリカ
     燕の尾の様に伸びた魔法少女の衣装が土に汚れる

    杏子「おい、戦いが終わったんだから変身を解いていいんだぞ?」

    キリカ「そうだった 魔力が勿体無いんだっけ
        でもこんなに素敵な体、分かれるのが名残惜しいよ」

    杏子「コントロールができるようになれば、
       変身していなくても、それなりに力が出せるようになるさ」

    キリカ「……それじゃ、さよならカッコいいアタシ」ギュン

    キリカ「あー…… 疲れたー」

    ゆま「やっと追いついたよ…… キョーコ キリカ お疲れさま!」

    杏子「お前…… ゆま、なのか……?」

    125 = 1 :

    ゆま「へっへっへー どう? 似合う?」

    キリカ「うん、とっても似合ってるよ?
        目からビームが出せそうだし、語尾に『にょ』ってつけて――」

    杏子「ちょっと待てよ! 何で魔法少女になってんだよ……
       それにキリカ、お前もなんで魔法少女なんかに」

    ゆま「杏子が魔獣にやられそうだって……」

    キリカ「キュゥべえが緊急事態だからって――」

    杏子「キュゥべえ!」

    QB「や、やぁ 杏子…… 元気そうでなによ――」

    杏子「ドサクサに紛れて何契約してんだよ…… 
       しかも二人―― 片方はガキじゃねぇか!」

    QB「この状況で君を失えば、この街の平穏が――」

    杏子「だからって、いきなり二人も魔法少女にするなんて」

    ゆま「キュゥべえを攻めないでよキョウコ……」

    キリカ「そうだよ、私達が望んだ結果なんだ」

    126 = 1 :

    杏子「だとしてもだなぁ……」

    杏子「って、お前ら…… 何を目的契約をしたんだ?」

    ゆま「杏子がピンチだから助けたいって願ったの
       だからわたしの魔法は治癒能力なんだって」

    キリカ「右に同じく 私は迅く助けにいけるようにって……
        まぁ、鈍間な自分が厭なだけだったんだけど――」

    杏子「おい…… キュゥべえ」

    QB「はい……」

    杏子(他人のために願いを使うだなんて―― ろくな事にはならないのに――)

    杏子「……これはあれか? アタシの責任なのか?」

    QB「ボ、ボクに聞かれてもわからないよ……」

    杏子「だから人助けはいやなんだよ…… こうやって面倒を被るんだ」

    キリカ「迷惑、だったかな……」

    杏子「べつに、お前らが悪いって言いたいわけじゃない……」

     他人のためにと願っても、その結果が悲惨なものに繋がりかねないことを
     アタシは身をもって味わったから―― だからせめて、他の魔法少女たちには――

    127 = 1 :

    杏子「今日アタシ助けたことで、もしかしたらお前らは後悔するかもしれない」

    杏子「これから先、アタシがお前らの大切な人を奪ってしまったら――
       お前らは後悔するだろうな…… あの時アイツを助けなければってさ」

    ゆま「キョーコ、悪い人だったの?」

    杏子「そういうことじゃなくて――」

    キリカ「杏子…… どうしてそんなこというのさ」

    杏子「別に…… ただ、そういう可能性があるのに
       自分の人生を棒に振ってまで助けることはなかった――」
       
    キリカ「ははん…… なるほど」ニヤニヤ

    杏子「んだよ…… 気味の悪い笑い方しやがって」

    キリカ「杏子はさ、私達のことを心配してくれてるんだ」

    杏子「そんなんじゃねーよ」

    キリカ「そうかな…… もしかしたら、杏子は誰かのために願って
        その結果が自分の思い描いたものとかけ離れた結果になったから――」

    キリカ「私達に同じ轍を踏ませないようにって思ってるんじゃないの?」

    128 = 1 :

    キリカ「こんな感じなんじゃない? どう、当たってた?」

    杏子「大はずれだ バーカ」ケッ

    キリカ「じゃあなんで、そんなに怒ってるのさ」

    杏子「大切な願いをアタシのために使った馬鹿どもには教えねーよ」

    ゆま「キョーコ…… ごめんなさい」

    杏子「謝るなよ、本当ならアタシがお礼を言わなければならない立場なのに……」

    ゆま「うん……」

    杏子「あーあー、結局どうすんだよ、この状況……」

    ゆま「キョーコ」

    杏子「なんだ?」

    ゆま「お腹すいた」

    杏子「……」

    ゆま「オ ナ カ ス イ タ ー」ザビエ-ル

    129 = 1 :

    杏子「あ゛あああああああああああ」

    キリカ「なに、どうしたの杏子!?」

    杏子「キリカっ」

    キリカ「はいっ」

    杏子「お前が人生無駄にして助けたかった恩人の命令だっ
       今夜はパーッっといくぞ! パーッっと!」

    キリカ「へ?」

    杏子「返事は!?」

    キリカ「わ、わかったよ」

    杏子「口からクソを垂れる前と後にsirを付けろ!」

    キリカ「サー!イエッサー!」

    ゆま(杏子は女性だからMamじゃないのかな……)

    杏子「ゆまっ! ぼさっとして無いでいくぞ!」

    ゆま「わわっ、まってよキョーコぉ」

    131 = 1 :

    ――キリカの部屋――

    杏子「う゛う~ もう食えないし、飲めない」

    キリカ「食べすぎだよ……」

    杏子「今魔獣がきたらやられるかも」

    ゆま「私が守ってあげるよ!」

    杏子「ああ、頼んだ アタシはもう寝る……」

    キリカ「食べて直ぐ寝ると、牛になるよ?」

    杏子「魔法少女は太らねーんだよ 成長はするけどな
       というか変幻自在だってキュゥべえが言ってただろ……」

    キリカ「そうだっけ……」

    杏子「お前、キュゥべえの話聞いてなかったのか? やっぱ馬鹿だな」

    杏子「……スースー」ZZz

    ゆま「キョーコ、もうねちゃったね……」

    キリカ「そうだね」

    キリカ「ゆまちゃんも寝ていいよ?」

    ゆま「うん、おやすみなさいキリカお姉ちゃん」

    132 :

    寝ないとまずいのに気になった眠れない

    133 = 1 :

    ――翌朝――

    杏子「ふぁあ……」

    キリカ「おはよう杏子」

    杏子「あ゛ー」キョロキョロ

    ゆま「……」Zzz

    杏子「この状況は――」

    キリカ「昨日は私の家で雑魚寝しちゃったからね」

    杏子「はぁ…… どうしたもんかなぁ ずっと気ままな一匹狼だったのにさ」

    キリカ「僧侶と戦士が仲間になったね!」

    杏子「仲間から外してぇ……」

    キリカ「冷たいなぁ」

    杏子「まぁ、不登校のお前はまともな人間じゃなかったからいいとして」

    キリカ「うわぁ…… 何気に酷い発言だ」

    杏子「ゆまのヤツ、どうしたもんかなぁ……」

    134 = 1 :

    キリカ「そういえばこの子は?」

    杏子「両親から虐待を受けてて、でもその両親が魔獣にやられちまってさ」

    キリカ「……そうだったんだ」

    杏子「今更突き放すわけにいかないだろうし、
       魔法少女としての生き方を誰かが教えてやら無いと――」
       
    ゆま「んん…… おはようキョーコ、キリカ」

    キリカ「おはよう」

    ゆま「殴られずに起きる朝って、清清しいね……」

    キリカ「……」ナデナデ

    ゆま「あはは、くすぐったいよキリカおねえちゃん」

    キリカ「一先ず、ウチに置いておいたほうがいいかな?」

    杏子「ああ、頼むよ……」

    キリカ「杏子も泊まっていきなよ この部屋は私以外誰も尋ねてきたりしないし」

    136 = 1 :

    杏子「親御さんは?」

    キリカ「お金だけ振り込んでくれるけど
        それだけだよ…… 最近はほとんど顔もみてないな」

    杏子「悪い……」

    キリカ「別に気にしなくていいよ……」

    ゆま「キョーコ、キリカ、朝ごはんー」

    杏子「こいつ…… アタシよりも食い意地はってるんじゃないのか?」

    キリカ「ははは、これじゃあウチのエンゲル係数は跳ね上がりそうだ」

    杏子「……なんだかなぁ」ハァ

    キリカ「どうしたの? ため息なんかついて……」

    杏子「いやさ…… こんな生活も」

    ゆま「……?」

    杏子(悪くないかな)

    137 :

    ほむ

    138 = 42 :

    正午くらいまで残しといてくれ
    けど、落ちてるといけないから先回し乙と言っておく

    139 = 1 :

    ◆◇◆◇

    ――美国邸――


     私がお父様の一部というのなら――
     何故私は生きているの?

     教えてキュゥべぇ
     
     私は――
     私の生きる意味を知りたい


    QB「契約成立だ――」

    織莉子「……!?」


     魔法少女は魔女に――
     
     鹿目まどかと暁美ほむら……
     
     変革された世界――


    織莉子「あぁ…… 私は、どうして――」

    140 = 122 :

    まさかのあんキリゆま

    141 = 1 :

    織莉子「そういうことだったの……」

    QB「どうしたんだい? 納得のいく答えがえられ――」

    織莉子「そうしましょう…… それがいいわ」

    QB(無視ですか…… 今回はちょっと人選ミスったかも……)

    織莉子「ねぇ、キュゥべえ」

    QB「なんだい?」

    織莉子「私の力は、あなたの役にも立ちそうよ」

    ――――――
    ―――


    QB「なるほどね 実に興味深い それが魔法少女の消えてしまう理由か……」

    QB(暁美ほむらの話した世界線と一致している……)

    織莉子「そうでしょう? どちらに転んでも、貴方は損をしないと思うわ」

    QB「君はそれでいいのかい?」

    織莉子「構わないわ…… だってこの命は―― 私がこの世界にいる理由は――」

    142 = 1 :

    ――路地裏――

    マミ「あなたが新しくキュゥべえに選ばれた魔法少女ね」

    織莉子「はい、美国織莉子です」

    マミ「私は巴マミ、よろしくね」

    QB「彼女の能力は戦闘向きではない だから当分の間サポートを頼みたいだけど……」
       
    マミ「そうね…… ここのところの魔獣増加にはまいっていたところだし
       新たな戦力が増えることは素直に嬉しいわ」

    織莉子「期待に添えるか分かりませんけど……」

    マミ「頑張ってもらわないと困るわ…… だって、この仕事は命がけだからね」

    織莉子「はい……」

    マミ「まずは、魔力の使い方から説明しようかしら」

    織莉子「お手柔らかにお願いします」

    143 = 1 :

    ――――
    マミ「驚いたわ……」

    マミ「ねぇキュゥべえ、彼女本当に素人なの?」

    QB「彼女と契約したのはつい最近の話だよ」

    マミ「魔力で鉄球を精製する技術、それを自在に操る能力
       本当にただの素人なの? ちょっと信じられないわ……」

    織莉子「お褒めに預かり光栄です」

    マミ(キュゥべえ、彼女は信用に値する人物なのかしら……?)

    QB(どういう意味だい?)

    マミ(いざ戦闘になったときに、いきなり後ろから攻撃なんてされたら――)

    QB(大丈夫だよ―― 彼女に敵意は無い
       今まで魔法少女同士の争い見てきたけど、織莉子はその類の人間じゃない)
       
    マミ(貴方がそこまでいうのなら…… 仕方ないわね)

    織莉子「あの…… 次はどのようにしたら……」

    マミ「これだけ動けるのなら、私から教えることは余り多くないかもしれないわね」

    144 = 1 :

    マミ「うん、これなら直ぐに実戦に参加しても問題ないわね」

    織莉子「ありがとうございます」

    マミ「さてと、私はこれから家に帰ろうと思うんだけど…… 
       ちょっと私の家に寄っていかない?」

    織莉子「門限が厳しいので――」

    マミ「どうしてそんな嘘を吐くの? 貴女、美国議員の娘さんでしょう
       駅前の街頭演説で貴女が一緒にいるのを見かけたことがあるわ……」

    織莉子「……知っていたんですか」

    マミ「行く当てがないんだったら、ウチにこない?」

    織莉子「……でも」

    マミ「美味しいケーキが手に入ったの
       一人で食べるのは寂しいじゃない? お近づきのしるしに、ね」ニコッ
       
    織莉子「それでは…… お言葉に甘えさせて――」

    QB「僕の分ももちろんあるんだろう?」

    マミ「ええ、特別なドッグフードを用意しているわ」

    QB「はは、まいったな」キュィ

    145 = 1 :

    ――マミの部屋――

    織莉子「美味しい……」

    マミ「気に入って貰えて何よりだわ」

    織莉子(お父様が居なくなってから、
        こんなに落ち着いてお茶を楽しむ機会なんて無かった――)

    マミ「大変だったみたいね……」

    織莉子「……ええ」

    マミ「結果として、魔法少女になるという選択肢が正しかったとは思えないけど……」

    織莉子「後悔はしていません」

    マミ「……」

    織莉子「これでよかったと思ってます」

    マミ「……私に手伝えることなら頼ってくれて構わないわ」

    織莉子「……」



    QB「僕の分のケーキは本当にないのかい?」

    146 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    147 = 1 :

     私は間違っていたのだろうか?
     鹿目まどかの魔力に気づいたとき、本当に彼女を亡き者にすることが正しかったのか
     
     
     今更そんなことを考えても取り返しのつかないことで――
     結局のところ、彼女は全ての魔法少女を救うために世界を変革してしまった
     
     
     私のしたことは全て無意味だった


    マミ「美国さん……?」

    織莉子「あのっ、ごめんなさい…… 少し考えことをしていて」


     巴マミ…… 彼女たちと手を携えていれば、もっと別の結末があったのかもしれない
     
     
     見滝原中学で鹿目まどかを始末しようと
     ×××と協力して――

     
     ×××? 誰だったかしら……
     私、何か大切なことを忘れているような――

    148 = 1 :

    ――――
    マミ「ええと、見滝原中学の制服がそんなに珍しいかしら?」

    織莉子「すいません、不躾にジロジロと見てしまって……」

    マミ「別にかまわないけど……」

    マミ「……白女に居づらかったら、見滝原に来てもいいと思うわよ?」

    織莉子「当分は魔法少女として慣れることを優先したいと思っています」

    マミ「そう……」

    織莉子「でも、見滝原中学に大切なものを忘れてきてしまったような気がして……」

    マミ「大切なもの?」

    織莉子「思い出せないんです」

    マミ「……どういう意味かしら?」

    織莉子「キュゥべえと契約したときに願ったんです 私の生まれた理由が知りたいと――」
        
    マミ「それが貴女の願い……」

    織莉子「それで、断片的に記憶が流れてきて―― その中に見滝原中学が出てきたんです」

    149 = 1 :

     鹿目まどかや、世界変革については触れずに私は巴マミと話を続ける――
     
    マミ「なるほど……ね」

    織莉子「上手く説明できなくて――」

    マミ「実際に行ってみましょうか」

    織莉子「え……?」

    マミ「もう少ししたら休校日があるから、外部の人連れて行っても目立たないと思うわ」

    織莉子「……そうですね 何か手がかりが得られそうですし」

    マミ「何か分かるといいわね」

    織莉子「何から何までお世話になって申し訳ありません……」

    マミ「かわいい後輩が困っているのを放ってはおけないわ」ニコッ

    織莉子「あ、ありがとうございます……」

    マミ「あっ、後輩って言うのは魔法少女暦であって、同い年の――」


     他人から厚意を向けられたのは本当に久しぶりだ
     お父様の汚職事件以来、私の周りには誰も味方なんて居なかった……

    150 = 122 :

    双璧を成すおっぱい


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