私的良スレ書庫
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元スレ影女「あ、喋れる…」
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父「つらかったか」
座敷童子「つらかったよ」
父「泣くか?」
座敷童子「もう泣いた。一晩泣いて、翌日友の胸で泣いた」
父「そうか。男はお前の気持ち知ってるのか?」
座敷童子「遠まわしな表現はしたが、直接は言っとらん」
父「言わないのか」
座敷童子「言わぬよ。言っても仕方のないことじゃ」
父「そうは思わないぜ?」
座敷童子「そうなんじゃよ。もう、遅い」
座敷童子「つらかったよ」
父「泣くか?」
座敷童子「もう泣いた。一晩泣いて、翌日友の胸で泣いた」
父「そうか。男はお前の気持ち知ってるのか?」
座敷童子「遠まわしな表現はしたが、直接は言っとらん」
父「言わないのか」
座敷童子「言わぬよ。言っても仕方のないことじゃ」
父「そうは思わないぜ?」
座敷童子「そうなんじゃよ。もう、遅い」
父「しばらく会わないうちに卑屈になってまあ、昔のようだ」
座敷童子「暗いか」
父「明るくはない。お前はもっと、そうだな。気持ちのいい奴だったよ」
座敷童子「……」ゾッ
父「無言で自分の身体を抱くな、そういう意味じゃねーから」
座敷童子「ふん…。で、財政難なんじゃろ? わしは金をどの程度稼げばいい?」
父「適当に。次に帰省するときまで、もつ程度で」
座敷童子「じゃあ200万ほどでいいかの」
父「十分だ。今具現化してるってことはどうせこの家に戻ってくる気はないんだろ?」
座敷童子「ああ、わしの家は男のそばじゃ。隣ではなくても、の」
座敷童子「暗いか」
父「明るくはない。お前はもっと、そうだな。気持ちのいい奴だったよ」
座敷童子「……」ゾッ
父「無言で自分の身体を抱くな、そういう意味じゃねーから」
座敷童子「ふん…。で、財政難なんじゃろ? わしは金をどの程度稼げばいい?」
父「適当に。次に帰省するときまで、もつ程度で」
座敷童子「じゃあ200万ほどでいいかの」
父「十分だ。今具現化してるってことはどうせこの家に戻ってくる気はないんだろ?」
座敷童子「ああ、わしの家は男のそばじゃ。隣ではなくても、の」
【ワロスのさみだれ】
座敷童子「……」カタカタ
濡女子「失礼、します」ガラ
座敷童子「お、濡女子か。わしの部屋にようこそ」
濡女子「ぱそこん、多いね」
座敷童子「商売道具じゃ」
濡女子「すごい、ね」
座敷童子「ありがとう。それでどうした、何か用か?」
濡女子「特に、ないけど」
座敷童子「ふむ、男らはどうした」
濡女子「影っちは、影さんの、ところ。男は、猫娘さん」
座敷童子「……」カタカタ
濡女子「失礼、します」ガラ
座敷童子「お、濡女子か。わしの部屋にようこそ」
濡女子「ぱそこん、多いね」
座敷童子「商売道具じゃ」
濡女子「すごい、ね」
座敷童子「ありがとう。それでどうした、何か用か?」
濡女子「特に、ないけど」
座敷童子「ふむ、男らはどうした」
濡女子「影っちは、影さんの、ところ。男は、猫娘さん」
座敷童子「ほう…。それはそれは」
濡女子「……」
座敷童子「どうした?」
濡女子「えろきゃら、には、なれなかった」
座敷童子「ああ、猫には敵わんじゃろ」
濡女子「私も、あんなに、きゃら、濃くなりたい」
座敷童子「いいことだけとは限らんがの」
濡女子「濃く、なくても、これが私って、胸の張れるような」
座敷童子「……」
濡女子「私みたいな、私になりたい」
濡女子「……」
座敷童子「どうした?」
濡女子「えろきゃら、には、なれなかった」
座敷童子「ああ、猫には敵わんじゃろ」
濡女子「私も、あんなに、きゃら、濃くなりたい」
座敷童子「いいことだけとは限らんがの」
濡女子「濃く、なくても、これが私って、胸の張れるような」
座敷童子「……」
濡女子「私みたいな、私になりたい」
座敷童子「……なれとるよ」
濡女子「え?」
座敷童子「そう言える時点で、なれとるよ。そう思うお主の心が、お主自身じゃ」
濡女子「そう、かな」
座敷童子「おうとも。胸の張れるお主みたいな、お主じゃよ」
濡女子「そっ、か」
座敷童子「自信を持っていい」
濡女子「……。……うん。ありがとう、そうするね」
座敷童子「…………普通にしゃべったー!?」
濡女子「自信、もつことにしたから」
濡女子「え?」
座敷童子「そう言える時点で、なれとるよ。そう思うお主の心が、お主自身じゃ」
濡女子「そう、かな」
座敷童子「おうとも。胸の張れるお主みたいな、お主じゃよ」
濡女子「そっ、か」
座敷童子「自信を持っていい」
濡女子「……。……うん。ありがとう、そうするね」
座敷童子「…………普通にしゃべったー!?」
濡女子「自信、もつことにしたから」
座敷童子「そ、そうか」
濡女子「うん。もっと男にもあたっくする」
座敷童子「前向き、じゃな」
濡女子「うん。私の目、前についてるから」
座敷童子「…かかっ、なるほどの」
濡女子「男のところに、行ってくるね」トテトテ
座敷童子「……そうか、後ろ向きは――わしひとりか」
座敷童子(みんな大人になっていく。わしだけが停滞している)
座敷童子「ままならない」
座敷童子「……ままならないから、だから、わしは」
濡女子「うん。もっと男にもあたっくする」
座敷童子「前向き、じゃな」
濡女子「うん。私の目、前についてるから」
座敷童子「…かかっ、なるほどの」
濡女子「男のところに、行ってくるね」トテトテ
座敷童子「……そうか、後ろ向きは――わしひとりか」
座敷童子(みんな大人になっていく。わしだけが停滞している)
座敷童子「ままならない」
座敷童子「……ままならないから、だから、わしは」
【ワロスの夜の夢】
猫娘「やあ、ワロス。元気かい?」
座敷童子「よお、猫。お主は元気じゃの」
猫娘「なんだい、反応が普通だね。もっと嫌な顔をすると思ったんだが」
座敷童子「その名は慣れた」
猫娘「くっく、そうか」
座敷童子「こんな夜中に、何用じゃ」
猫娘「おいおい。夜行性のボクらはいつも夜中に話をしてたじゃないか」
座敷童子「ああ。そうか、最近は夜になると寝てたからの」
猫娘「へえ、健康だねえ」
座敷童子「ただの暇潰しじゃよ」
猫娘「やあ、ワロス。元気かい?」
座敷童子「よお、猫。お主は元気じゃの」
猫娘「なんだい、反応が普通だね。もっと嫌な顔をすると思ったんだが」
座敷童子「その名は慣れた」
猫娘「くっく、そうか」
座敷童子「こんな夜中に、何用じゃ」
猫娘「おいおい。夜行性のボクらはいつも夜中に話をしてたじゃないか」
座敷童子「ああ。そうか、最近は夜になると寝てたからの」
猫娘「へえ、健康だねえ」
座敷童子「ただの暇潰しじゃよ」
猫娘「ボクは最近寝てないからさー。だから教えてほしいんだけど」
座敷童子「なんじゃ」
猫娘「どんな夢を見る?」
座敷童子「……最近は、懐かしい夢を見る」
猫娘「懐かしい」
座敷童子「そう、懐かしい」
猫娘「具体的には?」
座敷童子「男と、仲良くなった頃の夢」
猫娘「へえ」
座敷童子「あの時から、男の隣はわしだと、思ってたんじゃが」
座敷童子「なんじゃ」
猫娘「どんな夢を見る?」
座敷童子「……最近は、懐かしい夢を見る」
猫娘「懐かしい」
座敷童子「そう、懐かしい」
猫娘「具体的には?」
座敷童子「男と、仲良くなった頃の夢」
猫娘「へえ」
座敷童子「あの時から、男の隣はわしだと、思ってたんじゃが」
座敷童子「わしが向こうの家で具現化した時には、すでに二人の女がいたよ」
猫娘「もてるからねぇ」
座敷童子「一人暮らしを始めた男と、二人きりになれると思って出てきたんじゃがな――」
猫娘「…なんだか、今日は素直に話すんだね」
座敷童子「悪い。…思ったより、引きずっとる」
猫娘「いいよ、話しなよ。君がこんなこと話すのなんか親父殿かボクくらいだろ」
座敷童子「……ありがとう」
猫娘「なんならキスもしてあげようか」
座敷童子「遠慮する」
猫娘「残念だ」
猫娘「もてるからねぇ」
座敷童子「一人暮らしを始めた男と、二人きりになれると思って出てきたんじゃがな――」
猫娘「…なんだか、今日は素直に話すんだね」
座敷童子「悪い。…思ったより、引きずっとる」
猫娘「いいよ、話しなよ。君がこんなこと話すのなんか親父殿かボクくらいだろ」
座敷童子「……ありがとう」
猫娘「なんならキスもしてあげようか」
座敷童子「遠慮する」
猫娘「残念だ」
座敷童子「わしもそろそろ前を向く時か…」
猫娘「今までは後ろ向きだったの?」
座敷童子「ああ、でも、もういいじゃろ」
猫娘「目を反らすの?」
座敷童子「違うよ。背負って前を向くだけじゃ」
猫娘「へえ。帰って来た時とは全然目の色が違うじゃないか。何かあったのかい?」
座敷童子「…戦うことすらできず負けた奴が、前を見ておった」
座敷童子「戦った結果惨敗して、それでもなお戦うやつがおった」
座敷童子「それで、ちょっと色々考えただけじゃよ」
猫娘「うーん、ますます惚れるね」
猫娘「今までは後ろ向きだったの?」
座敷童子「ああ、でも、もういいじゃろ」
猫娘「目を反らすの?」
座敷童子「違うよ。背負って前を向くだけじゃ」
猫娘「へえ。帰って来た時とは全然目の色が違うじゃないか。何かあったのかい?」
座敷童子「…戦うことすらできず負けた奴が、前を見ておった」
座敷童子「戦った結果惨敗して、それでもなお戦うやつがおった」
座敷童子「それで、ちょっと色々考えただけじゃよ」
猫娘「うーん、ますます惚れるね」
【ハンマーソングとワロスの塔】
猫娘「でも本当にいいの?」
座敷童子「何がじゃ」
猫娘「告白するつもりなんだろ?」
座敷童子「おう。明日、男に直接言うつもりじゃ」
猫娘「傷つくよ?」
座敷童子「望むべくもない傷じゃ」
猫娘「傷つかなくたって、前は向けるよ」
座敷童子「それでもちゃんと戦いたい」
猫娘「それで悲しむことになってもかい?」
座敷童子「違う。そんなのは問題ではないんじゃ猫娘」
猫娘「でも本当にいいの?」
座敷童子「何がじゃ」
猫娘「告白するつもりなんだろ?」
座敷童子「おう。明日、男に直接言うつもりじゃ」
猫娘「傷つくよ?」
座敷童子「望むべくもない傷じゃ」
猫娘「傷つかなくたって、前は向けるよ」
座敷童子「それでもちゃんと戦いたい」
猫娘「それで悲しむことになってもかい?」
座敷童子「違う。そんなのは問題ではないんじゃ猫娘」
座敷童子「悲しむから、傷つくから、つらいから、苦しいから、しんどいから」
座敷童子「どれも、告白しない理由には成りえぬ」
座敷童子「その痛みは、泣いてでも得るべきなんじゃ」
座敷童子「いや、むしろ得て泣くべきなんじゃ」
座敷童子「そうしないと、前は向けても、進めない」
座敷童子「心の歩を進めるのは、痛みに他ならない」
座敷童子「痛みは確かに嫌じゃが、それでもそれを知らなければ」
座敷童子「わしはきっと」
猫娘「……」
座敷童子「わしはきっと、恋などできない」
座敷童子「どれも、告白しない理由には成りえぬ」
座敷童子「その痛みは、泣いてでも得るべきなんじゃ」
座敷童子「いや、むしろ得て泣くべきなんじゃ」
座敷童子「そうしないと、前は向けても、進めない」
座敷童子「心の歩を進めるのは、痛みに他ならない」
座敷童子「痛みは確かに嫌じゃが、それでもそれを知らなければ」
座敷童子「わしはきっと」
猫娘「……」
座敷童子「わしはきっと、恋などできない」
猫娘「……なるほど」
座敷童子「かかっ、恥ずかしい。これでは乙女じゃ」
猫娘「いいじゃないか、君は乙女だ。惚れ直したよ」
座敷童子「ただの恋愛初心者のたわごとじゃがな」
猫娘「懸命に考えて決めたことだろ?」
座敷童子「まあの」
猫娘「なら胸を張ろう。君が得た答えなんだ、それは誰にも否定できない」
猫娘「自信を持って、貫こう。ボクは応援するからさ!」
座敷童子「猫…」
猫娘「惚れるかい?」
座敷童子「かかっ、恥ずかしい。これでは乙女じゃ」
猫娘「いいじゃないか、君は乙女だ。惚れ直したよ」
座敷童子「ただの恋愛初心者のたわごとじゃがな」
猫娘「懸命に考えて決めたことだろ?」
座敷童子「まあの」
猫娘「なら胸を張ろう。君が得た答えなんだ、それは誰にも否定できない」
猫娘「自信を持って、貫こう。ボクは応援するからさ!」
座敷童子「猫…」
猫娘「惚れるかい?」
座敷童子「まさか。わしが惚れとるのはひとりじゃよ」
猫娘「男が好きなんだね」
座敷童子「言うまでもないことじゃ」
猫娘「それは恋かい?」
座敷童子「そうかもしれぬ」
猫娘「明日はきっと、傷つくね」
座敷童子「そうじゃな」
猫娘「……童子の頑張りは、知ってるからね」
座敷童子「見ていてくれるか?」
猫娘「うん。だから明日は、ちゃんと恋愛するといい」
猫娘「男が好きなんだね」
座敷童子「言うまでもないことじゃ」
猫娘「それは恋かい?」
座敷童子「そうかもしれぬ」
猫娘「明日はきっと、傷つくね」
座敷童子「そうじゃな」
猫娘「……童子の頑張りは、知ってるからね」
座敷童子「見ていてくれるか?」
猫娘「うん。だから明日は、ちゃんと恋愛するといい」
【ワロスに届け】
座敷童子『明日、必ず告白する』
猫娘『泣くときはボクの胸を貸してあげよう』
座敷童子『わかってることじゃが、フラれるのが前提って悲しいの――』
座敷童子「――とは言ったが、さて」
男「よお、ワロス。何か話があるって?」ガラガラ
座敷童子「お、おお、よく来たな。まあ座るがよい」
男「じゃ、失礼して…」
座敷童子「……」
男「……えっと、どした?」
座敷童子「男、お主わしとはじめて話した時のことを覚えとるか?」
座敷童子『明日、必ず告白する』
猫娘『泣くときはボクの胸を貸してあげよう』
座敷童子『わかってることじゃが、フラれるのが前提って悲しいの――』
座敷童子「――とは言ったが、さて」
男「よお、ワロス。何か話があるって?」ガラガラ
座敷童子「お、おお、よく来たな。まあ座るがよい」
男「じゃ、失礼して…」
座敷童子「……」
男「……えっと、どした?」
座敷童子「男、お主わしとはじめて話した時のことを覚えとるか?」
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