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元スレあおい「え・・・解雇・・・?」
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早々と着替えを済ませグランドに出ると早速人だかりができていた。
頭ひとつ高い長身にスラッとしたようにみえてガッシリとした体
今は休憩時間なのか選手達に囲まれいろいろ質問されているようでアイツは少し困っていた。
私が近づいていくとアイツは私に気づいて人だかりを抜けてきて
あの日と変わらない笑顔で
小波「あおいちゃん、久しぶりだね!今日はよろしく頼むよ」
去年の交流戦からだから半年以上前になるのかな。
あおい「う、うん よろしく・・・」
久しぶりの彼に私は鼓動が早くなるのを感じて思わずそっぽを向いてしまった。
その後ろでは
「うぉお、あおい選手だ・・・」
「やっぱ可愛いよな!!」
「意外に大きいな・・・」
「小波さんの隣だから凄い小さく見えるけどね」
なんて選手達がこっちをみてコソコソ話してる。慣れてるとはいえ少し恥ずかしい。
あおい「今日は練習なのにごめんね、できるだけ邪魔しないようにするから。」
と私が笑いながら言うとキャプテンらしき選手が
「い、いえ!こっちもプロの練習は参考になると思うのでぜんぜん構いません!」
と高校生らしい大きな声で答えてくれた。
そう、今日はオフシーズンの自主トレに小波に誘われたのだった。
電話では
《いやー、今年は守が海外へ自主トレに行きやがってさー》
《せっかくだし地元に帰ろうと思ってさ。》
《そこであおいちゃんと自主トレもしようかなって》
《矢部君は、先輩と先約があって無理らしいよ》
久しぶりの会話からなのか彼はとても嬉しそうに話してて・・・
ごめん、私クビになったから・・・もう・・・
その一言を言うことが出来なかった私は
そのまま言われるがままに自主トレの日程を伝えられ
ノコノコとやってきたのだった。
電話では
《いやー、今年は守が海外へ自主トレに行きやがってさー》
《せっかくだし地元に帰ろうと思ってさ。》
《そこであおいちゃんと自主トレもしようかなって》
《矢部君は、先輩と先約があって無理らしいよ》
久しぶりの会話からなのか彼はとても嬉しそうに話してて・・・
ごめん、私クビになったから・・・もう・・・
その一言を言うことが出来なかった私は
そのまま言われるがままに自主トレの日程を伝えられ
ノコノコとやってきたのだった。
あおいちゃん確か身長165の70キロだかな
そりゃでかく見えるわ
そりゃでかく見えるわ
>>59
筋肉質ってレベルじゃねーぞ
筋肉質ってレベルじゃねーぞ
>>59
!?
!?
「去年は2位だったし 今年こそは優勝しないとな」
ランニングをしながらアイツはよく喋った
「あいつさー俺が12勝で自分が13勝だからって やれやれ君はまだまだだね
とかいいやがってさー あいつのほうが味方の援護多かっただけなんだよ。」
口では文句を言いながらも彼はとても嬉しそうだった。
そして、既にその目は来年のシーズンを見据えていた。
今年で終わった私と違って彼は、次のシーズンのために今の練習を行っている。
1軍のローテを守り華々しく活躍した彼は
私にはとてもまぶしく見えて・・・羨ましくって・・・
なにより未来を見据えている彼に嫉妬してしまった。
身長は2010より167cmと判明
体重は不明
体型は矢部曰く三角フラスコ体型
体重は不明
体型は矢部曰く三角フラスコ体型
小波「あおいちゃんは今年はどうだった?来年は目標とかある?」
何も知らない彼は気楽に聞いてくる
私はもう駄目なんだと 使えない投手といわれクビになったのだと
言ってしまいたかった。その言葉が出ない。
あおい「ちょっと今年はシンカーのキレが悪くてね。
このオフシーズンで足腰を鍛えなおすつもりさ。」
私は嘘をついた。
小波「そっかーあおいちゃんのシンカーは膝元に決まったら打てないからなー」
彼はなにも知らない。
その膝元のシンカーを軽々と引っ張られホームランにされることを。
空振りをさそったアウトコースのシンカーも流し打たれて長打にされることを
何も知らない。
・
・
・
小波「そりゃ」
パン!
あおい「ふっ」
パン!
ランニングが終わった後はキャッチボールだ。
5年ぶりのキャッチボール。
互いに軽くは投げているがアイツの球は5年前とは比べ物になっていない。
ムラがあった回転軸のズレも直ってる・・・回転数もあがってる・・・
凄い成長をしていた。
・
・
・
自主トレのメニューは地味だ。
キャッチボールは遊びだし、肩や肘に負担をかけないように軽くしか投げない。
後はダッシュ。体幹トレ。ストレッチ。
3時間程度の自主トレはあっという間に過ぎた。
最後に締めのストレッチをしながら
小波「・・・あおいちゃん。今日はなんか元気ないね。」
いきなり、そんなことを言い出した。
あおい「えっ?そ、そんなことないよ。」
動揺は隠せただろうか、声は上ずらなかっただろうか・・・
ここまで来たんだ、もうあいつには悟られたくなった。教えて句無かった。
小波「なんとなく・・・あおいちゃんらしくないなーって」
小波「電話をしたときもなんか元気じゃなかったし」
小波「今日もなんか練習に身が入ってないような気がするんだ。」
小波「5年ぶりだけどさ。あおいちゃんの練習してる姿ってやっぱ覚えてるし」
・・・気づかれないようにしていたつもりだった。でもそうだろう
練習しても次の試合は二度と来ないのだ。そんな気持ちで練習してるなら
気づかれてもおかしくないだろう
あおい「・・・いや、なんでもないよ」
小波「本当に?」
あおい「本当だって。キミは心配症だなぁ」
アイツに悟られたくなかった。
私がクビになったって聞いたらあいつは悲しむだろうから
そう、言いたくないのはアイツの悲しい顔をみたくないからなんだろう。
小波「今日もなんか練習に身が入ってないような気がするんだ。」
小波「5年ぶりだけどさ。あおいちゃんの練習してる姿ってやっぱ覚えてるし」
・・・気づかれないようにしていたつもりだった。でもそうだろう
練習しても次の試合は二度と来ないのだ。そんな気持ちで練習してるなら
気づかれてもおかしくないだろう
あおい「・・・いや、なんでもないよ」
小波「本当に?」
あおい「本当だって。キミは心配症だなぁ」
アイツに悟られたくなかった。
私がクビになったって聞いたらあいつは悲しむだろうから
そう、言いたくないのはアイツの悲しい顔をみたくないからなんだろう。
最後のストレッチも終わり、互いに着替えということで
私は保健室へ移動した。
私は球団職員になるかどうかの答えを引き伸ばしてここにきている。
意味のない練習。意味のない時間。ただの逃げの時間。
でも5年ぶりのアイツとの練習は懐かしくて嬉しくって泣きそうなくらいだった。
あの頃も試合に出れない。そんな規則の前に打ちのめされて
練習さえも出来なかった時にあいつはそれでも私を励ましてくれたんだった。
着替えも終わり、監督に挨拶を交わし
選手達に見送られ私達は今駅に向かって歩いている。
小波「今日はありがとう。練習にもなったし気分転換にもなったよ。」
疲れた顔の中にも充実感が見える笑顔で彼は言った。
あおい「・・・ううん僕のほうこそありがとう。」
アイツはこの後東京へ戻りチームメイトと自主トレをするらしい。
私にはもう関係ない話だが。
駅が見えてきた。高校時代何百回と往復した道
そうそう、あの駅で小さな署名活動したんだよね・・・
必死でなんとかしようってがんばったんだ
小波「・・・懐かしいね。」
あおい「え?」
小波「ここで署名活動したんだ」
彼も同じことを思い出していたらしい
あおい「ふふ。懐かしいね。大変だったけど本当あの時はありがとう。」
小波「いいよ。あおいちゃんのかわいい涙も見れたし」
そういって照れ隠しなのかおどけた彼を私は
あおい「あーもう、その時のことは忘れてよ」
高野連が女性の甲子園出場を認めたニュースが流れたとき
私は思わずみんなの前で泣いてしまったのだった。
あの頃の私達は17、8歳で子供で何も知らなくて
これからの自分の人生は光輝いていくものだと信じて疑わなかった。
ふと、彼が立ち止まった。
小波「あおいちゃん。」
あおい「どうしたの?そんな真剣な顔して」
彼の顔は先発のマウンドで見せる表情そのものだった。
小波「・・・何を悩んでいるのか僕には教えてくれないのかい」
ドキッとした。そんな真剣な目で私を見る彼を私は5年前にも見たから。
あの時も現実の前に何もできなくなって諦めていた私を
彼は気づいた。いや、気づいてくれた。
あおい「なんで・・・?そんなことないよ」
小波「嘘だよ。3年間一緒に練習して試合して泣いて笑ったんだ。」
小波「電話したときからおかしいなぁとは思ってたけどさ」
小波「あおいちゃんの今の顔はあの時と一緒だよ。」
あおい「どうしたの?そんな真剣な顔して」
彼の顔は先発のマウンドで見せる表情そのものだった。
小波「・・・何を悩んでいるのか僕には教えてくれないのかい」
ドキッとした。そんな真剣な目で私を見る彼を私は5年前にも見たから。
あの時も現実の前に何もできなくなって諦めていた私を
彼は気づいた。いや、気づいてくれた。
あおい「なんで・・・?そんなことないよ」
小波「嘘だよ。3年間一緒に練習して試合して泣いて笑ったんだ。」
小波「電話したときからおかしいなぁとは思ってたけどさ」
小波「あおいちゃんの今の顔はあの時と一緒だよ。」
でも、あの時と今は違う。
規則を変えればいいわけじゃない。
問題は私なんだから・・・関係ない。
シーズンで12勝を上げ来年もローテ候補と期待される君には関係ない・・・
使えないと言われ解雇になった選手に掛ける言葉なんてないんだよ・・・
余計みじめになるだけ・・・だから・・・だからもう・・・
小波「だからさ、また」
彼は私の気持ちなんて気づかずに続ける。
やめて。
小波「何か力になれることがあったらさ。」
やめて。
小波「僕がなんとか」
あおい「やめて!!!」
自分でもびっくりするくらいの声だった。
あぁ、やってしまった。止まらない。感情が止まらない。
言葉が止まらない。彼は驚いている。あたりまえだ。
いきなり叫んで・・・
こんな涙でぐしゃぐしゃになった顔見せられたら誰だっておどろくよね
あおい「私さ解雇なの。クビわかるよね
使えないってさ。チームにいらないって言われちゃった。」
止まらない。彼は関係ない。彼は心配してくれただけなのに止まらない。
あおい「ファンも呼べないって! 客寄せパンダにもなれないって!」
駄目だ凄い顔してる。涙で前が見えない。
あおい「自分でもわかってたの!!綺麗なアンダースローがどうしたの!」
あおい「ストレートもカーブもシンカーも!! もう・・・駄目になっちゃったの!!」
何が駄目なんだろう。これじゃ意味が分からない。
言葉が上手く出ない 整理できていない。恥ずかしい。
あおい「頑張ったよ・・・頑張ってきたつもりだよ・・・・」
彼は何も答えない。彼の顔は涙で見えない。
あおい「私は小波君や矢部君みたいになれない・・・っ!」
あおい「私は客寄せでしかなったんだから!」
あおい「私はただの客寄せでプロの入ったんだから!!!」
「違うっ!」
いきなり大声を出された私は思わず黙ってしまった。
初めて聞く怒ったアイツの声。
小波「あおいちゃんは客寄せパンダなんかじゃない!」
あいつは私の両肩を荒く掴んだ。あいつはすごく怒っていた。
あおい「ちがっ・・・ちがっ」
大柄な彼に両肩を強く掴まれ怖さと痛さで私はうまく言葉を出すことができなかった。
小波「違わない!アンダースローで135キロ 十分じゃないか!!」
小波「カーブにシンカー 左右に投げ分けれて打者を翻弄するのに十分じゃないか!!」
彼は私を勇気づけようとしてる。でも、彼が知ってるのは高校時代の私。
私が通用した高校生の話 でも今はプロ相手に投げてる。
プロ相手には通用しない。彼はそれを知らない。
あおい「打たれたの!!だから、全部もう通用しなくなったの・・・!」
そういってるのに彼はまだ続ける。
小波「打たれたからなんだ!俺のカーブなんてコーチに二度と使うななんていわれたんだぞ!」
小波「クイックが遅い!おまえは安打を全部2塁打にするつもりか!」
小波「直球頼りの馬鹿投手。 こんなことも言われたさ!」
私が通用した高校生の話 でも今はプロ相手に投げてる。
プロ相手には通用しない。彼はそれを知らない。
あおい「打たれたの!!だから、全部もう通用しなくなったの・・・!」
そういってるのに彼はまだ続ける。
小波「打たれたからなんだ!俺のカーブなんてコーチに二度と使うななんていわれたんだぞ!」
小波「クイックが遅い!おまえは安打を全部2塁打にするつもりか!」
小波「直球頼りの馬鹿投手。 こんなことも言われたさ!」
小波「あ、でもまあ、そりゃ仕方ないよね。あおいちゃん防御率5(笑)だしwww」
あおい「え…」
小波「だいたい女の子が野球とか無理だし自己満足ならソフトボールでもやってなよ」
あおい「嘘…だよね小波君…」
小波「いやいやいやwジーマーだからジーマーww」
あおい「ひどい、ひどすぎるよ小波くん!」
小波「あのねえ、プロの世界は厳しいんだよあおいちゃ~ん?」
あおい「そんなのってないよ…(´;ω;`)ブワッ」グスグス
小波「んじゃ!これから僕みずきとデートなんでまたね、あおいちゃん寂しくなったら電話してよ。高校時代みたいに慰めてあげるからさ♪~」ブーン
あおい「う…こんなのってないよ、ひどすぎるよ」ポロポロ
???「やあ、あおい。僕と契約して魔法少女にならない?」
あおい「え…」
小波「だいたい女の子が野球とか無理だし自己満足ならソフトボールでもやってなよ」
あおい「嘘…だよね小波君…」
小波「いやいやいやwジーマーだからジーマーww」
あおい「ひどい、ひどすぎるよ小波くん!」
小波「あのねえ、プロの世界は厳しいんだよあおいちゃ~ん?」
あおい「そんなのってないよ…(´;ω;`)ブワッ」グスグス
小波「んじゃ!これから僕みずきとデートなんでまたね、あおいちゃん寂しくなったら電話してよ。高校時代みたいに慰めてあげるからさ♪~」ブーン
あおい「う…こんなのってないよ、ひどすぎるよ」ポロポロ
???「やあ、あおい。僕と契約して魔法少女にならない?」
>>99
まぁシンカーでいいでしょ
まぁシンカーでいいでしょ
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