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    元スレ澪「えーっと…軽音楽部部長の秋山澪です。部員は1名です…」

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    みんなの評価 :
    タグ : - けいおん! + - 秋山澪 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    パラレルワールド

    ID:yu+KLfy+0

    2 :

    4 :

    代行ありがとうございます

    5 :

    読む準備完了!

    6 :

    ふわふわターイム ボンボンボボーン

    7 = 4 :

    「……」スヤスヤ

    「う~ん……」

    「は!」ムク

    ここは…部室?みんなと一緒に寝ちゃってたみたいだな。
    じゃあさっきのは……夢だったのか。
    変な夢だったな。私が部長で律が軽音部に居なくて、それから…鈴木さんが泣いていた…。

    それにしてもみんなぐっすり眠っているな。そろそろ起こそう。

    「おーい、起きろよ律」ユサユサ

    「……」

    「おい!」ペチ

    「……」

    「おかしいな全然起きない。」

    8 :

    みおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおまえが好きだあああああああああ

    10 = 4 :

    「唯ー。唯ー起きろー」ユサユサ

    「……」

    「あれ? お、おいムギ!あずさ!鈴木さん!?」

    「……」

    「……」

    「……」

    「みんなどうした!おい!起きろ!」

    「律!」ドガッ

    「……」

    「なんでみんなピクリともしないんだ……」


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    12 = 4 :

    5月初旬のことだ。

    「え?」

    文芸部の顧問が苦笑いする。

    顧問「もう一回言うよ。文芸部は去年廃部したんだよ。残念だったね。」

    と、いうことはこの先生は正確には元顧問というわけか。
    いやいや、問題はそこじゃない。

    「で、でも桜ヶ丘高校のサイトにはしっかり文芸部って…」

    元顧問「また生徒会がサボってるな…廃部したのは事実だから、諦めてくれ」

    「…分かりました」

    桜ヶ丘高校のサイトは管理が不十分だったようだ。まさか1年以上更新していないとは…

    13 = 4 :

    「参ったな…」

    自然と口からそんな言葉がこぼれる。
    本当に参った。
    軽音楽部が廃部になっても、文芸部に入ればいいかという計算が外れてしまった。
    4月いっぱい律とムギと私とで軽音楽部の部員集めをしていたのだが、努力もむなしく最後の1人が入らず廃部してしまったのだ。
    いや、私は努力していなかったな…。

    「こんなことになるならもっと頑張れば良かった」

    後悔先に立たず。

    結局私は帰宅部員という、自宅警備員に似た響きを持つ肩書きを持ったままズルズルと5月を過ごした。


    ……

    14 = 4 :

    「もう5月も折り返し地点か…時が経つのは早いな…」

    登校しながらポツリと呟く。
    その言葉に隣を歩く律が反応する。

    「帰宅部員なんかしてるからそう感じるんだよ。澪も何かやれよ。」

    律にこんなことを言われる日がくるとはな…
    私は暇人生活を謳歌していたが、律は真逆であった。
    彼女は軽音楽部が廃部になったときには、落ち込んでいたが、すぐに立ち直り今はバイトバイトの毎日だ。
    バイト仲間と楽しくやっているらしい。

    「なぁ一緒にバイトしないか?そしたら一緒に下校できるし…」

    「うーん接客業はなぁ…」

    「私が一緒だから心配すんな!」

    「なんだそりゃ。私はバイトは良いよ。金には困っていないし。」

    「そうか…」

    15 = 4 :

    こんなやりとりをしてからだろうか、私と律の間に溝が出来始めたのは。
    共に登校したり昼食を食べたりはするが、中学生のころのようにプライベートで遊ぶことが無くなってしまった。
    こんな関係なんて言ったかな。
    そうだ

    「表面上の付き合いか」

    まさか律とそんな関係になってしまうとは…
    私の予定表は空白が支配するようになった。

    ………

    16 = 4 :

    もうすぐ5月も終わる。
    相変わらず予定表は白が目立つ。
    そのうち埃で真っ白になるだろう。
    休日に1人でゴロゴロしているとなんだか選んだ高校間違えたかなと思ってしまう。
    青春真っ盛りなはずだったのにな。

    「いやいや、高校なんか途中経過にすぎないし」

    なんて1人で言っても心のモヤモヤは増すばかりであった。



    ………

    19 :

    ふむ

    20 = 4 :

    ……なんだか、ゴロゴロしながら高校生活過ごすのも悪くない。
    寝正月ならぬ寝青春か。なかなか粋ではないか。あーもうどうでもいいや。
    そんな腐りかけの心を制服にしまい込んで登校する6月上旬。
    昼食を終えて机に突っ伏していると、担任から呼び出される。
    はて、何にもしてないのに何故呼び出されるのだろうか。

    担任「何にもしてないのが問題なのだよ秋山君」

    「はぁ勉強はそこそこやってるつもりですが」

    担任「勉強はやって当たり前だよ。もっと他にもやるべきことがあるんじゃないのか?」

    やるべきこと?妥当な線で行けば部活動でしょうかね。
    しかし、ここは分からないふりだ。

    「やるべきことですか…」

    誘導尋問には引っかかりませんよ先生。


    21 = 4 :

    担任「部活だよ部活。」

    ほら来た。

    「部活…」

    担任「秋山君は部活動には興味は無いのかね?」

    「4月ごろでしょうか…。一時的に軽音楽部という部に所属してはいました。」

    担任「何?…そうか。あ~なるほどなるほど」

    担任は何やら1人で納得している。
    何がなるほどなんだろうか。
    腕を組んで大げさに頷く担任の様子が滑稽で笑いがこみ上げてくる。
    拳に力を込めて全身で笑いを押さえる。
    プルプル震えている私に担任は同情的な眼差しを送る。

    22 = 4 :

    担任「君も最初からこんな怠けた高校生活を送るつもりでは無かったのだね…」

    それはまあ、どちらかといえば

    「…はい」

    担任「よし分かった!軽音楽部は廃部保留にしよう!」

    は?

    担任「たしか一緒に入部していた田井中君も部活には入ってなかったね。2人でまた部員を集めなさい。」

    今更それは…

    「あの…先生!」

    担任「何だ?」

    キーンコーンカーンコーン
    予鈴が鳴る。

    担任「礼はいらないよ。グッドラック!」

    不器用なウィンクをして立ち去る担任の背中を私は呆然と見つめていた。

    23 = 9 :

    グッドラックて

    24 = 4 :


    最初こそ憤ったが、これは客観的に見ればチャンスだと思う。
    ここは頑張りどころなのだ、客観的に見れば。
    放課後、担任から音楽準備室の鍵を受け取る。
    ひさしぶりに訪れる音楽準備室。
    ソファに薄らと積もった埃を指でなぞる。

    「掃除不十分…」

    ソファの埃を軽く払って腰掛ける。
    目の前には同じように埃っぽいドラムセットがある。

    「律…」

    26 = 4 :

    「うーん…一応メールしてみよ」

    From澪
    Sub 軽音部
    バイト中ごめんなさい。
    先生が軽音部の廃部を保留にするから律と一緒に部員集めろって言ってきたんだけど、バイト忙しいし無理だよね?


    「多分律バイト中だろうから返信は遅いだろうなぁ…」

    そうは言いつつも久しぶりに律からメールが来るかと思うと少しワクワクした。

    「ウソ!?マジで!?とか言ったりすんのかなー」

    自然と顔がにやけていた。夕日の差し込む音楽準備室で女が1人ニヤニヤしているのはちょっと気味が悪いなと思いつつ、気分は良かった。

    28 = 4 :

    しかし、下校時間になっても律からの返信は無かった。
    そして、家に帰って夕食を食べ風呂に入った後、宿題をすませ、音楽を聞いたり読書をしたりしてもうすぐ眠る時間になっても返信は無かった。

    「む、無視されたのかな…いやそんなことは律はしないはず…! 多分…」

    きっとバイトか何かで忙しいんだ!きっとそうだ!
    モヤモヤした気持ちのまま眠りに付いた。

    翌朝携帯を開いて朝から絶望感を味わう。
    いや、最近は朝目が覚めた瞬間に絶望感に押しつぶされそうになっているのだが……
    更にそれに追い打ちをするように

    「へ、返信が来てない…だと…?」

    なんてこった律に無視されてしまった…
    もう律にとって私はどうでも良い存在なんだろうな…

    「うぅー…律ぅー…」

    ダメだ涙が出そう…

    30 = 4 :

    「グスン…ん?あ、もしかして!」

    私は携帯の送信メールボックスを見た。

    「やっぱり…」

    私のメールは送信失敗をしていた。
    ここ最近、私の携帯電話のメール機能は迷惑メールの受信をするだけのものとなっていて、
    私からメールを送信することが無く、メールの送信が失敗することを私は忘れていたのだ。
    普通の人間ならばすぐに再送信をするだろうが、今の私は極度に臆病になっていた。

    「も、もし律に本当にメールを送っても返信が来なかったらどうしよう…」

    結局私は律にメールを送ることを諦めた。律には、軽音部の復活を伝えないことにした。
    きっと今の律にとっては腐った私なんかより、明るい仲間と遊ぶほうが楽しいだろう…


    31 = 4 :

    軽音部が復活しても私の生活にあまり変化は無かった。
    相変わらず1人で登校し、授業中は誰ともおしゃべりせず黒板を見つめ、休み時間は机に突っ伏して寝たフリをした。
    そうそう一つ良いことがあった。部長になって手に入れた音学準備室だ。
    昼休み、あそこは私にとって絶好の避難所になった。

    午前中の授業が終わると私は自然な範囲内で限りなく早く歩いて音楽準備室に行き、そこで昼食を食べた。
    食べ終わると窓から外を眺めた。
    楽しそうに友達と弁当を食べたり喋ったりする生徒たちを見ていた。

    33 :

    なんだ
    俺のことか

    34 = 4 :

    「青春は今のうちだぞー。後悔しないように楽しめよー。」

    そんなことを呟きながらひたすら外を眺めていた。
    別にそこまで落ち込みはしなかった。
    元々律がいなければ一人ぼっちだったのだから、こういうのには耐性があるんだ。
    ただし放課後も窓から、一生懸命部活をしたり楽しそうに友達と話しながら下校する生徒達を見ている気にはならなかった。
    だから結局、軽音部の部長になっても音楽準備室には昼休みに弁当を食べに来るだけだった。
    外を眺めるのにも飽きて、ただただ天井を眺めている時は本当に退屈だ。

    「昼休み退屈タイム…略してHTT。なんかそういう名前のバンド居たよな。」

    退屈だった。

    ………

    35 :

    最初の部員集め頑張らなかったのに、戻ってこいとはむしがよろしおすなぁ

    36 :

    秋 山澪

    37 = 4 :

    7月に入って夏休みも見えてくる頃になった。
    朝目が覚めて今日も学校に行くのか、と絶望することの無い夏休みが待ち遠しかった。
    夏休みに入ったらあの音楽準備室も1月半は無人になるだろう。
    そんなことを考えながら朝食を食べていると携帯が鳴る。
    また迷惑メールか。
    せめて迷惑メールだけでも受信してあげないと携帯が可哀想だとは思うがいい加減うるさいな。
    ため息をつきながらメールボックスを開く。

    From TRITON EXTREME 76
    Sub  今日のTRITON占い

    「TRITON EXTREME 76? なんだ?TRITON占いって…」

    39 = 19 :

    いいかも

    40 :

    いつもなら中身を見ないで消すところだが、少し気になってメールを開いた。

    From TRITON EXTREME 76
    Sub  今日のTRITON占い

    友達運が急上昇!
    部活をしている子は部活中に大切な仲間が訪れる可能性大!

    「部活中に仲間が来る…? 律?」

    占いは信じない方だが、このメールはどうも気になった。

    放課後、迷惑メールの占いなんか信じちゃってバカだなと思いつつ音楽準備室でベースを弾いていた。

    「私はただ部活動をしているだけなんだ…律なんか待ってないぞ…」

    そうぶつぶつ呟きながらベースを弾いた。

    42 = 40 :

    夕日で音楽準備室が真っ赤になり、しばらくして辺りが薄暗くなってきたころ、不意にドアをノックする音がする。
    丁度帰る支度をし始めていた私はバッグを放り投げてドアに走った。

    「律!」

    大声をあげながらドアを開けると見知らぬ生徒がバケツを持って立っていた。
    上履きの色からして恐らく2年生だろう。
    私の大声に少し驚いている様子だった。
    とんでもないバカな行動をしてしまったことに気づいた私は顔を赤くしながら聞いた。

    「え…っと、何か用ですか…?」

    2年生「あの…部活中にごめんなさいね。私生物部の者なのだけれど、頼みごとがあって…」

    バケツを持ったまま気まずそうに話すその2年生の雰囲気からしてあまりいい話ではないようだ。

    43 :

    澪は金なんていわない

    44 :

    「入部希望なんですけど、フヒヒ……」

    45 = 40 :

    「な、何ですか?頼みごとって」

    2年生「実はね、この子を引きとってもらいたいの…」

    そう言ってバケツを床に置き、バケツの中を指差す。
    中ではカメが泳いでいた。

    「カメ?」

    2年生「そう…スッポンモドキって言うの。この子ね、後輩が勝手に買ってきちゃったんだけれどウチの部ではもう水槽の置き場所が無くて飼いきれないの」

    「え…あの、うちでは無理です…そんなの…どこか他の部活にお願いしてください…」

    2年生「お願い! もう軽音部しか無いの?全部活回ってあなたのところが最後なの!」

    46 = 29 :

    >>44
    ひっこめ

    47 = 35 :

    仲間来てよかったね

    しかも水陸両用じゃん

    48 = 40 :

    「だ、誰かの家で飼うなり、店に引きとってもらうなりするか、自然に帰すかするかいいじゃないですか」

    2年生「もう誰も引き取りたがらないし、他の選択は嫌! お願いよ、設備や餌は全部生物部で持つから!」

    「そんなこと言われても…」

    2年生「どうせ軽音部ってあなた一人だけでしょ? 一人で寂しくないの!?」

    「……」

    2年生「そんなあなたにこのカメをあげましょう。 それじゃあ水槽とか持ってくるから待っててね!」

    「ちょ! え!?」

    2年生「あ、もしもし? うん、そう見つかったの! 飼育環境作るから来て!」

    「おい!」

    49 :

    >>47
    ちょっとワロタ

    50 = 40 :

    すぐに生物部の部員達が水槽を持って現れた。
    次々に水槽に水や砂利を入れていく生物部員達。

    「待て! ここは私の部室だぞ! 人の話を聞かないで勝手に水槽を置くな! 私はこんなキチガイ沙汰認めないぞ!バカー!」

    1年生「あうぅーごめんなさいー。私が勝手にカメを買ってきたばかりに…」

    ヘアピンをした頭の悪そうな1年生が私の方へ謝りに来た。
    そのどうしようもない雰囲気に私の怒りは冷えていった。
    それに、なんだかその生徒は懐かしいような昔からの友達のような感じがして怒れなかった。

    「はぁ…」

    うな垂れる私を無視して生物部員達が水槽を設置していった。


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