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元スレ一方通行「どンだけ売っても1,000円いかねェ…」
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「…い~加減にするじゃんよ、一方通行!」
そう言って、ばん、と威嚇するように黄泉川がテーブルを手のひらで叩く。
その指先の前には、色とりどりのガラス玉。見た目は俗に言う、ビー玉だ。
それが黄泉川が叩いた衝撃でころころと緩やかに転がり、光を受けて煌く。
「っせェなァ、ババア…情操教育に昔の玩具がいいっつったの、オマエらだろォが」
「そうね。確かに愛穂、そう言ってたわねぇ」
「…桔梗、」
「まぁでも、言わんとする事は分かるわ。…これ流石に、物凄く綺麗だもの」
ダイニングテーブルの前に、ふて腐れた態度で座る一方通行の横から、芳川が手を伸ばす。
そして指先でそっとビー玉を一つ摘むと、電灯の光に翳すようにして掲げた。
「さすが、一個一万円のビー玉だわ…」
「…ふざけた値段すぎるじゃんよ…」
感心したように呟く芳川の言葉に、黄泉川の溜息が重なる。
大人二人に囲まれながら、一方通行は面倒くさそうに舌打ちをした。
(…なァァンで、この俺がこンな目に合わなきゃなンねェンですかァ?…クソったれ!)
あれから再開された説教は、結局のところいつも通りの結論に落ち着いた。
いわく、『その金銭感覚を直せ!』。
一方通行にすれば余っている金なのだから、使わなければ意味がない。
しかし欲しい物など知れているし、大きい金額をド派手に気持ちよく使いたくても、それこそあの保護者どもがうるさい。
だから仕方なく、打ち止めの欲しがっていたレゴブロックを特注製で作ってみたり、
似合いそうな服を生地から選びオーダーメイドしてみたり、
三人が雑誌を見てキャーキャー言っていた菓子を手に入れる為にその店のパティシエを一日借り切ったり、
たまに野郎同士で集まった時に豪勢な鍋や焼肉をやったりと、慎ましやかに暮らしているというのに。
(あー面倒くっせ…でもここで一度でも言う事聞いておけば、後々もォ言われねェで済みそォだしな…)
今回のビー玉だってそうだ。
どうせだからと、貴重な石をふんだんに使って作らせただけだ。
いつも通りと言えば、いつも通りの所業だ。
しかし今回は、前回の『家の絨毯を勝手にペルシャ絨毯に取替え事件』からあまり間が無かったことが災いした。
黄泉川の堪忍袋の緒が、どうも切れてしまったらしい。
(…住所によると、…ここかァ?……なンっだ、ここ…)
言いつけられたのは、『ここで金の価値を知ってこい』との、ただ一言だけ。
ふざけンな、とは反抗したものの、暗部にまで勝手に休暇願いを出されそうだったので大人しく言う事を聞く事にした。
保護者から休みの連絡だなんてされたら最後、グループの輩に何を言われるかは分かったものではない。
幸いに最近は特に仕事もない。
だからこそ、こうして一方通行は午後の昼過ぎから、指定の場所へやってきていた。
のだが。
「…………」
「…………」
「……あのー、すンませン」
「……どなたかいらっしゃいますかァ」
「…………」
「……(いねェのか?)」
「…いねェンだったら、仕方ねェよな? 不可抗r…」
「おや君は誰かな」
「ひっ!…な、い、いつからそこに…」
「…最初からいたんだがな…。…ああ、その出で立ち…一方通行くん?」
「…あ、あァ、ハイ…」
「そうか。私は木山春生。訳あって、ここを経営している…話は聞いてるよ、宜しく。とても助かる」
「いや、俺は全く話とか聞いてねェンだけど」
「それにしても君は白いな…」
「いや話聞けよ」
「まるで私が先日作った新商品、『ロシアの大地から~春畑牧場生キャラメル~』のような白さだ…」
「いや全く言ってる意味が分かンねェ。後それパクりだから。…つゥか何? 何作ってるって? そンな白衣着て…」
「私は大脳生理学を専門としていてね…専攻はAIM拡散力場だ」
「へェ…?」
「そして今は、駄菓子屋を経営している…」
「何でだよ!?」
「先程の生キャラメルだってな、あっちのボってる価格とはえらい違いなんだぞ、お子様にも大変お求め安いお値段なんだ、何せ駄菓子屋だからな!」
「突然熱くなってンじゃねェよ」
「私はあの子達の笑顔を見る為だったら、何だってするさ…!」
「ああ、はい…うン…」
「そしてその努力のかいあって、おかげでかなり盛況なんだがな…何せ私は元々研究職の人間だ。開発には向いているが、いかんせん接客がな…」
「だろォな…それ以前にオマエ話通じてねェし」
「だから今回、君が店番のバイトとして来てくれて大変助かっている」
「は、はァァ!?!?!?」
「宜しく頼むよ」
「いや、ちょっ、待っ、」
「これが制服だ」
「白衣!?」
「ちなみに給料は歩合制だ」
「駄菓子屋で!?」
「困ったことがあったら、そこにホットラインがあるから…」
「あァ、これか…ってざっけンな! これ糸電話だろォが!!」
「そうだ、何せ駄菓子屋だからな。夢の無いものは排除してある」
「…この学園都市でオマエそれは…」
「安心してくれ、私を呼ぶ方法は他にもある」
「何だよ」
「後ろ振り向いて、大声で呼んでくれ」
「もォ何なンだよオマエは!?」
~何だかんだで初日スタート~
(……あァ…何なンだこれもォ本当によォ…)
(店狭ェし…)
(今にも潰れそォな雰囲気醸し出してっし…)
(…何かそこかしこに、見た事ねェ安っちい菓子?らしきもの?がたくさンあるしよォ…)
(駄菓子屋がどンなもンかっつゥ、知識だけはあンだけど…)
(…このガムとか、一個10円…こっちのチョコなンざ、5円…なンだこれ?)
(原価計算どォなってンだ? 利益出ンのか? そもそも怪しくねェのか…?)
(いやでも、さっきあいつが持ってたタブレットに映ってた成分表…あれを見る限り、無添加無着色…)
(……お子様用ってかァ…?)
(…それにしちゃァ、何か渋いもンもあるよな…するめ?とかイカとか昆布とか…)
(…………)
(美味ェのか、これ…?)
(……、……)パクッ
(…………)ムグムグ
(…………)ムグ…
(……まァ、悪かねェな)
(で、これが……30円かよ。どォなってンだ…駄菓子屋っつゥのは…)ビリビリ パク
(……ん?これで歩合制って…?)ムグムグ
「…あのー、すいません」
「あァ? はンはお」ムグムグ
「…お菓子、買いたいんですけど」
「…………」ムグムグ
「…………」
「……(あっ、客か…)」ゴックン
「…いいですか?」
「あ、あァ…」
「えっと、どれにしよっかな~」
「(…ガキが来るって聞いてたけど…これ中学生じゃねェのか…どこの制服だァ?)」
「う~ん…どんどん焼き…タラタラしてんじゃねーよ…」
「えっ!?」
「えっ?」
「(『どんどんヤキ入れろ』…?『タラタラしてンじゃねェよ』…? )」
「ねるねるねるね…う~ん…」
「(ネルネルネルネル…? 何それ怖い)」
「佐天さ~ん!」
「おー、初春ー」
「決まりましたか?」
「うーん、この三つで迷っちゃってて」
「どれも捨て難いですもんね。…えっとじゃあ私は、うまいぜ棒全種類下さい!」
「うまいぜ棒…?……なンだそりゃ…」
「あれ、お兄さん店員さんじゃないんですか?」
「違う…って言いたいンだがな…」
「そう言えばいつもは、覆面ののんびりした人が売ってるもんね」
「そうそう、ぱっと見なんかパンツみたいな真っ白の…脱ぎ女の伝説思い出しちゃうんですよね見る度」
「(あいつすげェ変人なンだなやっぱり…)」
「えっとですね、うまいぜ棒ってのはこれの事ですよー」
「…細長ェンだな。どォいう菓子だ?」
「スナックですねー。でもただのお菓子じゃないんですよ!何と種類は、100を越えるんです!」
「えェ~…? なンで?」
「さぁ? でもご当地ものとかも多いから、通常見かけるのは10種類ぐらいだよね~」
「どれも美味しいんですけど、私は今、マンゴー海苔味にハマってるんです!」
「えェ~…」
「お勧めなんですから!」
「…まァいいわ、…えっとじゃあ、金出せ」
「何と言う強盗チックな」
「新しいスタイルですね…えっと、お釣りありますか? 千円札しかなくて…」
「釣り?…あァ、硬貨使うのかよ……どこにあンだ…」
「…お兄さんお兄さん、レジそこ。…うん、それ。私たちが今手に取った分、サーモグラフィーと重量認識で把握してるから勝手に計算してはじいてくれますよ。パネルに出てるでしょ?」
「…無駄に高機能だなオイ…えーっとォ、…そこの長髪、150円。花瓶は100円。…だとよ」
「失礼な! 私には初春飾利っていう、ちゃんとした名前があります!」
「あっそ」
「ちなみに私は、佐天涙子でーす」
「あっそ。…オラよ、袋これでいいンだろ? さっさと持っていけ」
「あ、ありがとうございます。…で?」
「あ?」
「お兄さんの名前」
「…はァ? なンでオマエに…」
「名乗られたら名乗り返す、これ常識。私の中の」
「………一方通行だ」
「ん? あ、あくせ…? 外人さん?」
「あァ、そォ。そンな感じ、じゃあ帰れ」
「(…『一方通行』…? なんか物凄く聞き覚えが…いやまさか……だってここ駄菓子屋…)」
「うーん、呼びにくいな…聞いておいて何だけど。ね、初春」
「え、あ、…そ、そうですね…何か踏むと速度が出そうなイメージしか…」
「オマエも大概失礼じゃねェか」
「ま、いっか。じゃあねお兄さん、次はもっと愛想よくしてねー! バイト頑張ってくださーい!」
「うるせェメスガキ、真っ直ぐ帰れ」
「わ、佐天さん待ってください!…じゃ、失礼します!」
「…………」
「…………」
「……まさかこれから、あンなンばっか、来ンじゃねェだろォな…?」
~夕刻~
「…一方通行くん、一方通行くん」
「あ?」
「…しゃがみこんで、一体何をしてるんだ?」
「商品の名前と形状覚えてンだよ。名前からは全く想像できねェのが多いからな…」
「はは、駄菓子はそれも売りだからな」
「…さっきクッソ小せェのが来やがってよォ…『カエルのお菓子!』しか言わねェンだぜ…」
「あはは」
>>33
駄菓子屋さンですのぉぉぉおおおおwww
駄菓子屋さンですのぉぉぉおおおおwww
「しかも当てるまで纏わりつきやがってよォ、うぜェのなンの…だからすぐに与えられるよォに、把握しとくンだよ今の内に」
「いい心がけだな。駄菓子の名前はとても楽しい…「どんぐり飴」とか素敵だろう? 私は!あれが!大好き!だ!」
「うるせェンだよ」ヒュッ
「っと…おお、そうこれだ。よく分かったな…これはお気に入りだから子供達に見つからないように、奥の方に隠しておいたのに…」
「いやオマエ何の為に駄菓子屋やってンの!?」
「こほほはひのへはほの…」ムグムグガリガリ
「いやもォいいわ…で? なンだよ?」
「うん…今日の仕事は終わりだ。お疲れ様」
「あ?…あー、そォかよ。…はー、ダリィ…」
「今日の売り上げは?」
「あー…、780円」
「そうか。ならば君の今日の給料は、100円だな」
「はァァ!?…いや、待て、どォいう計算なんだ?」
「私の気分」
「死ね」
「まぁ一割を渡そうと思っている。だから本当は78円なんだが、初日だしな。色をつけて100円だ!」
「いや、そンな「どォだ!」みたいな顔をされてもな、正直反応に困るっつゥかな」
「…ほら」ヒュッ
「っと、………」
「大事に使いたまえ。君が稼いだお金だ」
「…………」
そして一方通行は帰り道、早速自動販売機でコーヒーを買った。
~一日目 完~
書き溜め終了今から便所!!!!!
そしてここはVIPなので適当にやっていくぜ!ぜ!
二日目の客を41~50の間で戻ってくるまでに適当に書いてくれてたら それ やる
無かったら 俺 好き勝手 やる
一方さんの 顔芸 マジCOOOOL
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