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    元スレ朝倉「キョンくん起きて、はやく服着ないと妹ちゃん来ちゃうよ」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - ガンダム + - キョン + - キョン妹 + - 五和 + - 朝倉 + - 森さん + - 涼宮ハルヒの憂鬱 + - 谷口 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    601 :

    ほっしゅ

    602 = 580 :

    ぶっしゅ

    603 :

    「敵わねえな」
    「謙遜。キョンくん、何か考え事しながら打ってたでしょう。
     やり直しよ。でも、勝ち星は記録させてもらうわね?」

    朝倉は嬉々として古泉の名前の隣に白星を書き記す。
    二戦目、三戦目、四戦目と、俺の名前の隣には黒星ばかりが増えていった。
    確かに朝倉は強い。
    が、二人零和有限確定完全情報ゲームに特化したスーパーコンピュータを相手にしているような、理不尽な強さじゃない。
    朝倉は一般的なオセロが得意な女子高生の脳みそをトレースしているのだろうか。
    それとも、朝倉の知能は元々セーブされていて、
    その中で全力を出した結果がこれなのか。
    長門とオセロをしていたときは気にならなかったことが、気になる。

    「これで終わりよ」

    朝倉の子供っぽさの残る指が、一枚一枚、盤面の白を反転させていく。
    結局、五戦目も俺は負けた。あっさりと。

    「ふふっ、手加減したほうが良かったかしら?」
    「手心を加えられるくらいなら、全力で打ちのめされるほうがマシだ」

    それまで朝倉の背後で腕組みしていた古泉が、

    「そうですか?
     僕は勝利の喜びを知ってこそ人は意欲を滾らせるものだと思いますが」
    「万年初心者のお前が言っても説得力がねえ」
    「万年だなんて、古泉くんに失礼よ。好きこそ物の上手なれって言葉があるわ」
    「下手の横好きって言葉もあるぜ」

    604 = 584 :

    きたのか

    605 :

    本家より好きだな

    606 = 603 :

    「言いたい放題ですね」と溜息をつきつつ古泉。

    朝倉と俺は顔を見合わせた。
    笑った。自然に、
    無意識に、喉の奥から笑い声がこみ上げてきたのだ。
    朝倉が唇の三日月はそのまま、目だけを見開いた。
    何がおかしい?
    少し遅れて、気づいた。
    朝倉との関係が初期化されて二日目、
    俺は早くも、朝倉の前で無防備に笑っていた。

    帰り道。

    「ファイルを見た感想はいかがです」

    前方を歩く三人娘に配慮したのか、古泉の歩調が落ちる。

    「他人の日記帳を見てるような気分になった」
    「心中お察ししますよ」
    「口だけの同情はいい」
    「機関の観察員の記録は、お役に立てたでしょうか?」

    608 = 601 :

    文章の書き方がうまいなぁ

    609 :

    あーさーくーらー

    610 :

    チャーチャッチャチャーチャッチャチャッチャチャー

    611 :

    息が長いな

    612 = 586 :

    さあ支援

    613 = 603 :

    「記憶を補う分にはな……。
     記憶を取り戻す手がかりにはなりそうにない」

    結局、俺は八日目までの記録にしか目を通していない。
    朝倉との交際が始まってからの記録に、一読の価値が見出せなかったからだ。
    俺は朝倉に心を許すまでの過程に、劇的な"何か"を期待していた。
    そして喪った記憶の中の自分から、酷い裏切りにあった。

    「俺と朝倉が付き合うことは、古泉や朝比奈さんに反対されなかったのか」
    「機関も朝比奈さんの組織も、念頭にあるのは常に涼宮さんのことです。
     あなたと朝倉さんの間に交際に関して、僕の上司も、朝比奈さんの上司も、静観するということで合意に達したようです。
     あなたたちが節操無く睦言を語らう中高生カップルの例に倣っていれば、話は別でしたでしょうがね。
     事実、学校生活を営む上で、北高生の誰かがあなたたちの交際に勘づいたという報告は上がっていません。
     涼宮さんを含めて」
    「朝倉の親玉も、交際を認めていたのか?」

    恋愛を精神病の一種と貶していたハルヒに付き合っていたことがバレれば、
    俺と朝倉は一発で除名処分を受けていたのではなかろうか。
    そんなリスクを情報統合思念体が受け入れたとは到底信じられないんだが。

    「さあ、それは僕の与り知るところではありませんから、どうとも。
     なんなら、彼女に直接尋ねてみてはいかがです?」

    前を見る。
    ハルヒの左隣、元は長門のポジションで、
    朝倉は長い後ろ髪を揺らせ、整った横顔に上品な微笑を浮かべている。

    「………」

    魅入りそうになる自分がいた。

    614 = 574 :

    朝倉の太ももペロペロ支援

    615 :

    朝倉好きの書くSSはレヴェル高い豆な

    617 :

    朝倉好きじゃない豆はレヴェルの低い豆

    618 :

    支援します

    619 = 603 :

    首を横に振り、目頭を押さえる。
    古泉、今すぐその気色悪いニヤつきをやめろ。殴るぞ。

    「失礼」

    古泉はちっとも悪びれた様子もなく、首を竦めた。

    土曜。
    携帯のメモリに記録されていた(喪った記憶のどこかで交換していたのだろう)朝倉のアドレスを呼び出し、メールを送る。
    『情報操作で俺と同じ班になるようにしろ』
    返事はすぐに帰ってきた。理由は聞かずに、承諾の旨が書かれてある。
    勘違いされそうなので言っておくが、俺は何も朝倉とデートしたくてこんな仕込みをしているわけじゃない。

    朝倉との関係が初期化されてから三日目。
    朝登校したとき、朝倉が教室にいることに違和感を覚えなかった。
    四日目。
    休み時間に朝倉と会話することに、抵抗を感じ無くなっていた。
    五日目。
    下校時、分岐路に差し掛かった朝倉に、自然に手を振っていた。

    純粋な好意を目に宿して近づいてくる人間、否、ヒューマノイドインターフェイスに、
    邪険に接することができなくなっていく自分がいた。
    かつて俺は朝倉に殺されかけた。
    だが復活した朝倉は、見れば見るほど、刃傷沙汰とは無縁の女子高生だった。
    どちらが本物で、どちらが贋物の朝倉なんだ?
    痛痒感にも似たもどかしさが募っていった。
    どうすればいいかは分かっている。
    最初に妹が教えてくれた。
    訊けばいいのだ。
    朝倉に。

    620 :

    キテルー

    621 = 605 :

    朝倉はいいなぁ

    622 = 603 :

    「おっそーい! 罰金よ罰金」
    「ここでの飲み食いは全部俺の奢り。それでいいだろ?」

    システマティックに罰則を甘受し、古泉の隣に座る。
    ハルヒ「反省の態度が見られないわ」とぶぅぶぅ文句を垂れた後、くじを用意し、皆の前に差し出した。
    朝倉は俺にしか見えない角度でウインクした。
    その一瞬のうちに、情報操作は終わったらしい。
    喫茶店前でハルヒ、古泉、朝比奈さんの三人と別れ、
    その姿が駅構内に消えた頃、

    「朝のメールの理由を聞いてもいい?」
    「訊きたいことがある。人気のないところまで歩こう」

    朝倉はコクリと頷き、黙って俺の後ろを着いてきた。
    人気のないところの候補はいくつかあったが、
    最終的に喫茶店からそう遠くない河川敷沿いの散歩コースを選んだ。
    春に花弁を吹雪かせていた桜並木も、早熟ながら、黄と橙の秋色を纏っている。

    623 :

    SS速報とか載りそう

    624 = 603 :

    ちょっとようじ

    625 = 586 :

    早く帰ってこいよ

    626 = 595 :

    マユ毛虫

    630 = 610 :

    眉毛を取るとゲル状になる?

    631 = 586 :

    おいどこに行ったんだ

    632 = 609 :

    田んぼの様子でも見に行ったのか?

    633 :

    酉付けてくんないかな?
    と思いつつほしゅ

    634 = 603 :

    「お前は、俺を殺そうとしたときのことを憶えてるか?」

    それまで距離を置いていた朝倉が、隣に並ぶ。

    「憶えてるわ。
     夕暮れの教室と、改変直後の真冬の夜、わたしはキョンくんを殺そうとした。
     一度目は、あなたを殺して涼宮さんの出方を見るため。
     二度目は、改変された世界を、長門さんを守るために」
    「朝倉がああした理由は知ってる。
     俺が訊きたいのは、俺が本当に訊きたいのは……」

    歩みを止める。
    クソッタレな矜持は捨ててきた。

    「お前が俺を殺そうとしたのは、お前の本心からの行為だったのかどうかだ」

    朝倉が目を丸くし、息を飲む気配が伝わってきた。
    言っちまった。顔が熱を帯びてくるのが分かる。
    俺はきっと記憶を喪う前にも、朝倉にまったく同じことを訊いていたはずだ。
    そして求めていた答えを得て、朝倉を許し、交際に至った。
    いうなれば、これは赦免の儀式だ。
    こうして今質問していること自体が、
    朝倉を許す準備ができていると言ってるようなもんだからな。

    「わたしが、キョンくんを本心から殺そうとした?」

    朝倉の声は奇妙に震えていた。
    三流のお涙頂戴ドラマのクライマックスを見てハンカチを噛んでいるおふくろの声の震え方と似ていなくもなかった。

    「そんなわけ、ないよ……!」

    635 = 586 :

    よしきた支援

    636 :

    このスレまだあったのか

    ケータイで初めから読むのめんどいからぷん太かどっか載せてくれ

    637 = 615 :

    >>636
    なら読むなこの豆野郎

    638 = 573 :

    腹立たしい

    639 = 588 :

    >>637
    豆野郎に不覚にも

    640 = 603 :

    おそるおそる隣を見る。朝倉は円な瞳を潤ませ、

    「できることなら、キョンくんと普通に……普通に仲良くなりたかった。
     あなたにナイフを向けたとき、わたしがどんなに苦しかったか……」

    おい泣くのはやめろ。
    このイベントはお前にとって二度目の経験で、焼き直しもいいとこだろ。

    「それはそうだけど……でも……」
    「お前に悪意が無かったことはよく分かったから、泣きやんでくれ」

    人目が気になるのも理由の一つだが、
    朝倉に泣かれるというシチュエーションが精神的に辛い。
    涙腺の弱い朝比奈さんとは違い、『泣かせている』感が強いからだろうか。

    「キョンくん、勘違いしてる。
     わたしが泣いてるのは、嬉しいからよ。
     キョンくんが訊いてきてくれて、本当に嬉しかったの」
    「どうして最初に、お前のほうから言わなかったんだ」
    「わたしに免疫ができていないキョンくんに、
     いきなりわたしがキョンくんを殺そうとしたのは仕方なくだったと弁解しても、信じてもらえなかったと思うわ。
     だから今こうやって、キョンくんの誤解が解けて……」
    「待った」

    641 = 595 :

    そこに気がつくとは…やはり天才…!

    642 :

    そろそろズボンはくか

    643 = 603 :

    俺はまだお前に、完全に心を許したわけじゃないぜ。

    「一度目の例をとって考えてみれば、
     朝倉は思念体の急進派の命令に従って俺を殺そうとしたわけだよな」

    こくり、と頷く朝倉。

    「じゃあ、また思念体から『俺を殺せ』と命令されたら、そのときお前はどうするつもりなんだ?」
    「あの件以来、急進派は粛清されて規模を縮小したわ」
    「それでも、絶対にないとは言い切れない」

    朝倉は涙を拭い、きっぱりと宣言した。

    「その時は、自分で自分の情報連結を解除する。
     情報統合思念体は代替手段を使うかもしれないけれど、
     少なくともあなたの前に現れるのは、わたしとは別の誰かよ」

    644 = 586 :

    まさか長門が…

    645 = 603 :

    「信じていいか」

    ここで媚びた態度で「信じて?」と言われたら、
    俺は朝倉に対する意識を翻してたかもしれない。

    「それはわたしの決めることじゃないから」

    朝倉はどこまでも真っ直ぐな眼差しで俺の答えを待っている。
    視線を交錯させること十秒。

    「俺の負けだ。信じるよ」
    「よかったぁ……」

    朝倉が破顔する。
    そのとき初めて、俺は目の前の女の子がとんでもなく可愛いことに気がついた。
    谷口のAAA評価に+を付け加えたくなるほど、魅力的な女の子だ、とも。

    646 = 572 :

    いいねいいね

    647 = 586 :

    たまらんね

    648 = 595 :

    毛虫マジ腹黒

    649 :

    朝倉かわいいよ

    650 :

    それから俺たちは他愛のない会話をしながら、
    ハルヒに指定された時間まで、河川敷沿いの道を歩き続けた。
    不思議は見つからなかったが、その代わりに、朝倉に対する蟠りがいくつか溶けた。
    曰く、朝倉の知能は平均的な女子高生よりも賢く周りから引かれない程度に設定されており、
    性向に至っては「明るく親しみやすい」という基本方針の他は、
    離散的計算モデルのごとき自由を与えられているそうだ。

    「たまに『朝倉さんは何でも上手くこなしそう』って言われることがあるけど、
     そんなの、大間違い。わたしだってドジるときはドジるし、ポカるときはポカる。
     完璧な人がいないように、完璧なインターフェイスなんて存在しないわ」

    そういう朝倉はどこか誇らしげだった。





    寝る
    脳みそ圧搾してオチ考えたけど書き終えるまでにスレ落ちるんじゃねえのコレ


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