私的良スレ書庫
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元スレ黒子「ひなまつり弁当360円ですの?」
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中途半端なところで切っちゃったなぁ
黒子「《空間移動者》ですの!? それもレベル5に匹敵するとなると、一筋縄ではいきませんわね……」
女子生徒「これを、彼に伝えて欲しい。私は他に、この状況を打開する術を知らない」
黒子「貴女は、いったい……」
女子高生「私はただのポストガール。便りを集め、届ける事しかできない」
黒子「ポスト……ガール」
バスが学び屋の園へと着き、次々に乗客が降りていく。
後ろの席からも人が立つ気配がし、慌てて黒子は振り向いた。
しかしそこには誰もおらず、暫くの間、黒子はそこに立ち尽くしていた。
黒子「《空間移動者》ですの!? それもレベル5に匹敵するとなると、一筋縄ではいきませんわね……」
女子生徒「これを、彼に伝えて欲しい。私は他に、この状況を打開する術を知らない」
黒子「貴女は、いったい……」
女子高生「私はただのポストガール。便りを集め、届ける事しかできない」
黒子「ポスト……ガール」
バスが学び屋の園へと着き、次々に乗客が降りていく。
後ろの席からも人が立つ気配がし、慌てて黒子は振り向いた。
しかしそこには誰もおらず、暫くの間、黒子はそこに立ち尽くしていた。
前半額弁当買いに行こうと思ったけど実物はうまそうじゃなかったからやめた
上条「なるほど、《郵便屋(ポストガール)》に会ったか」
黒子「彼女は、何者なんですの?」
上条「『空に吠え立てるもの』ガブリエルラチェットの元メンバーだ。今はガブリエルラチェットを抜け、《郵便屋(ポストガール)》と呼ばれている」
黒子「がぶりえるらちぇっと?」
上条「《モナーク》と呼ばれる狼の飼い犬だ。情報収集及び、主の身辺警護を命とする犬」
学校が終わり、黒子は上条の寮へと来ていた。
黒子は彼に今日の朝あった出来事を話すか悩んだが、結局相談していた。
上条「しかし、単独行動をするアラシか…… 確かにこれまでにないケースだぜ……」
黒子「アラシというのは、それほどにも危険なものなのですの?」
上条「基本的には災害のようなもの……食い止めることができる大猪だと思ってくれればいい」
黒子「では、アラシを討伐する事も!」
上条「いや、食い止める事は確かに出来るが、完全に潰すことは難しい。
だからアラシが加わると、争奪戦はアラシより先に弁当へ辿り付けるかの勝負になる」
上条「こうなったら、黙っちゃいられねぇ……黒子、今日は出るぞ」
黒子「出るって、争奪戦にですの!? 無理ですの! そんな身体では実力を発揮できませんの!」
上条「だけど黒子、俺は狼なんだ。縄張りを荒らされて黙っていたら、俺は臆病な犬へと成り下がる。そんな事は、俺の誇りがゆるさねえ」
黒子「でもっ!」
上条「なぁに、俺が『幻想殺し』でそいつの能力を封じている間に、他の狼達が攻撃を仕掛ければ良い。あくまで戦うのはお前達だ」
黒子「当麻様……」
上条「それにな、今日は特別な日なんだ」
黒子「特別……ですの?」
上条「ああ、今日3月3日ひなまつりは、セブンスマートでひなまつりフェアが開催される。そこで売られる弁当こそが、『ひなまつり弁当』」
上条「いや、食い止める事は確かに出来るが、完全に潰すことは難しい。
だからアラシが加わると、争奪戦はアラシより先に弁当へ辿り付けるかの勝負になる」
上条「こうなったら、黙っちゃいられねぇ……黒子、今日は出るぞ」
黒子「出るって、争奪戦にですの!? 無理ですの! そんな身体では実力を発揮できませんの!」
上条「だけど黒子、俺は狼なんだ。縄張りを荒らされて黙っていたら、俺は臆病な犬へと成り下がる。そんな事は、俺の誇りがゆるさねえ」
黒子「でもっ!」
上条「なぁに、俺が『幻想殺し』でそいつの能力を封じている間に、他の狼達が攻撃を仕掛ければ良い。あくまで戦うのはお前達だ」
黒子「当麻様……」
上条「それにな、今日は特別な日なんだ」
黒子「特別……ですの?」
上条「ああ、今日3月3日ひなまつりは、セブンスマートでひなまつりフェアが開催される。そこで売られる弁当こそが、『ひなまつり弁当』」
黒子「ひなまつり弁当……ですの?」
上条「中々売れ残る事はないが、売れ残ればまず間違いなく月桂冠になる。うまいぞ」
ごくり、と黒子は唾を飲み込んだ。
いったい、どんな弁当なのだろう。
想像するだけで腹が空いてくる。
上条「去年は売れ残らず、半額にならなかった。だが、今年こそはきっと……!」
黒子「はぁ……分かりましたわ。たしかにその弁当はわたくしも食べてみたいですし。ただし! 無理は厳禁ですの!」
上条「りょーかい。ったく、黒子は心配性だな」
黒子「貴方がわざわざ心配をかける事をするからでしょう……では夕飯を作りますので、寝ていてくださいまし」
夕飯を食べ終えた上条が眠ったのを確認し、黒子はそっと枕元に立つ。
黒子「すみません、当麻様。許して欲しいとは言いませんの。たとえ貴方に許されずとも、貴方が傷つくのを見たくはありませんの」
黒子はゆっくりと、枕元に置かれた目覚まし時計に手を伸ばしたのだった。
>>108
駅前とかじゃないと、豚も寄りつかないんだよね
駅前とかじゃないと、豚も寄りつかないんだよね
セブンスマート。 スーパーマーケット
第七学区に存在する、個人経営の『大規模小売店』。
個人経営ながら充実した品揃え、そして豊富なサービスは、自炊派の学生の心強い見方であり、
親しみを込めて『ナナマ』などとも呼ばれている。
しかしそんなスーパーマーケットにはもう一つの顔があった。
『狩場』
腹を空かせた狼達が集う、戦場。
そんな極狭領域に、今日もまた一人、狼が現れた。
白井黒子。
未だ弁当獲得数1個でありながらも、月桂冠を手にした少女。
レベル4の《テレポーター》
その隣に、この店を縄張りとする《幻想殺し》の姿は無い。
だが、今の彼女からは一欠けらとして《新人(ニュービー)》の雰囲気は感じ取れなかった。
まるで老獪な《古狼》のような、そんなオーラを漂わせ、彼女はスーパーの自動ドアをくぐる。
スーパーの店内から、刺すような視線が飛んでくるが、彼女はまるで意に介さない。
黒子(今日こそは決戦。皆ピリピリとしていますの)
黒子は弁当コーナーまで歩くと、ちらりと弁当を一瞥して、冷凍食品コーナーに陣取る。
そこでは一人の女子生徒が、すでに立っていた。
女子生徒「やはり『幻想殺し』は来れないか……」
黒子「えぇ、今頃は目覚まし時計に邪魔される事無く、ゆっくりお眠りになられていますわ」
黒子「それよりも、本当にそのアラシは今日もここに来ますの?」
女子生徒「間違いない。彼女はスーパーを荒らす際、必ず数日現れて姿を消す。これまで通りならまだ二日目、来る公算は高い」
黒子「そうですの……」
黒子は先程弁当コーナーで見た弁当を思い出す。
数は5個。
通常の弁当が3つに、特殊な弁当が二つ。
やたらと長い名前の弁当の多いこの店に於いて、珍しく簡潔な名前の弁当。
『ひな祭り弁当』
まずはその豪華な装丁に目を奪われる。
六角形の箱に入れられたそれにはビニールの帯がかかり、雛人形のイラストがプリントされている。
中身はしっかり見えなかったが、おそらくちらし寿司であろう、彩り鮮やかな錦糸卵や小エビが見えた。
ごくり、と黒子は唾を飲み込む。
あの弁当を食べたい。
あの弁当をアラシなんかに渡してなるものか。
決意を固め、拳を握る――と、不意に、ゾクリとした悪寒が、背筋を駆け抜けた。
振り返る。
そこには、買い物カゴを手にした女が立っていた。
短いスカート。
ゴテゴテとした装飾のベルト。
腰に釣られた軍用懐中時計。
サラシのように巻いたピンクの包帯。
そして、肩から袖を通さずに羽織るブレザー。
白井黒子は彼女を知っていた。
《書庫(バンク)》のデータで見たことがある。
『座標移動』の二つ名を持つ、最強の『空間移動者』――!
黒子「結標――淡希!」
振り返る。
そこには、買い物カゴを手にした女が立っていた。
短いスカート。
ゴテゴテとした装飾のベルト。
腰に釣られた軍用懐中時計。
サラシのように巻いたピンクの包帯。
そして、肩から袖を通さずに羽織るブレザー。
白井黒子は彼女を知っていた。
《書庫(バンク)》のデータで見たことがある。
『座標移動』の二つ名を持つ、最強の『空間移動者』――!
黒子「結標――淡希!」
結標「ふふ、ごきげんよう。できそこないの《風紀委員》さん」
不味いですの。
と、黒子は思考する。
レベル5に匹敵するレベル4と言う時点で嫌な予感はしていたが、まさか彼女が現れるとは……
黒子「窓の無いビルへの案内人が豚などと、一体何をしているんですの? 貴女は《空間移動者》としての矜持を忘れてしまいまして?」
結標「《空間移動者》に矜持なんてないわよ。あるのは圧倒的な力と、周囲からの畏怖の目。貴女も覚えがあるでしょう?」
黒子「はん! そんなもの、臆病者の僻みですの。そんな視線を向けて来る奴など、ハナから相手にしていませんの」
結標「そう……まぁ、いいわ。噂には聞いていたから、貴女とはいつか戦いたいと思ってたのよ」
黒子「あらあら光栄ですわ」
結標「そろそろ来るわね、半額神が」
黒子「…………」
結標「それでは、また会いましょう。不出来な大能力者さん」
去っていく結標の背中を見送り、黒子は思う。
おかしい――と。
アラシとは本来、狼の掟を守らない者達だ。
しかし、今の時点までは、狼として振舞っているようにも見える。
黒子(彼女の目的は、いったい何ですの?)
女子生徒「来た。錬金術師だ」
スタッフルームの向こうから、柔和な顔をした男性店員が現れた。
彼は端から順に、乱れた陳列を並べなおしていく。
その流麗な動作はまるで魔法のようであり、黒子はつい見とれてしまう。
そして、その魔法が弁当コーナーにも降りかかった。
綺麗に並べなおされた弁当に、錬金術師は右手と左手を交互に繰り出す。
魔法をかけられた弁当は、まるで完成された芸術品のように、その姿を誇っているようにすら見える。
ひなまつり弁当に、最後の魔法がかけられた。
月桂冠。
半額神が認める最高の弁当。
至高の料理であるそれが、彼の『完全練成(アルス・マグナ)』により更なる高みへと昇華する――!
魔法という名の演劇を終え、半額神はゆっくりとスタッフルームへと向かっていく。
その途中、黒子と目が合った。
まるで神のような全能を持ちながらも、しかし下界に干渉する事のできないのを悔やむ、そんな瞳。
大きすぎる力ゆえに、自らの世界を守る事ができない無力感が、彼の目にはあった。
黒子がその瞳に答えるように強く頷くと、錬金術師は安心するように微笑み、扉を、開ける。
そして――閉まった。
飯くってきます
半額前からカゴに入れて周りウロウロして
半額神が来たら渡してシール貼ってもらう豚が近所にいる
半額神が来たら渡してシール貼ってもらう豚が近所にいる
弾かれたように狼達が弁当コーナーへと集結する。
しかし今日は争いを始めず、隊列を組むように弁当コーナー前へと陣取った。
戦争だ。
狼達は自らの狩場を守るため、徹底抗戦の道を選んだ。
彼らは何か事前に作戦を考えていたわけではない。
しかし、奇妙な連帯感だけは確かにあった。
アラシに対する強い憎しみと、狼としての誇りだけは、確実にあった。
そこへ、結標淡希がゆっくりと近づいてくる。
敵。
掟をないがしろにする、豚。
至上最悪の、アラシ。
悠々と、彼女は狩場へと這入ってきた。
結標「あはは! 雑兵が寄って集って、一体何を始めるのかしら。
顎鬚「豚は潰す。それだけだ」
結標「豚! 豚ねぇ。果たして、豚はどちらの方かしら」
顎鬚「なんだと……!」
結標「半額の弁当に群がって、他人を押しのけ飯を食らう。なんて、醜いのかしら」
顎鬚「お前は違うとでも言うのかッ!」
結標「えぇ、違うわ。群がる豚共を蹴散らし、圧倒的な力を持つ私こそが――狼」
茶髪「言うわね、アラシ風情が」
結標「うふふ、豚が何か吼えているようだけれど、残念ながら私にはぶぅぶぅとしか聞こえないの」
茶髪「ほざけよ……アラシィ!!」
>>135
マジもんのレベル5じゃねぇかwww
マジもんのレベル5じゃねぇかwww
茶髪が隊列から飛び出し、結標へと特攻する。
その速度はまさに弾丸。
しかし、それよりも結標がホルスターから懐中電灯を抜くほうが早かった。
茶髪の全力を込めた拳。
しかしそれも、結標の一振りで無効化される。
ズドン、と茶髪の拳が顎鬚のどてっ腹をぶち抜いていた。
顎鬚「ぐ……あ」
茶髪「なっ!? テレポートで盾にしたのか!?」
結標「あら、仲間割れだなんて、やっぱり豚は醜いわねぇ」
茶髪「クソッ……」
歯噛みし、顎鬚を抱えて茶髪が後退する。
結標「あら、見逃すと思ったの?」
懐中電灯を振る。
すると茶髪の軽い身体が宙に浮き、スーパーの床に叩きつけられる。
茶髪「くぅ……っ!」
結標「もいっぱぁつ!」
不意に茶髪の周辺に影ができ、彼女は慌てて天井を見上げる。
そこには、落下してくる顎鬚の巨体があった。
茶髪「がはっ……!」
押しつぶされ、茶髪は呼気を吐き出し、そのまま動かなくなった。
その間、僅か数秒。
しかし、圧倒的な力量差。
それでも、狼達は絶望しない。
昨日一歩も動けなかった狼達は、今日勇気を振り絞り立ち向かう。
すまん、ちょっと出かける。
何時に戻ってくるか分からんが、そこまで遅くはならないと思うます。
何時に戻ってくるか分からんが、そこまで遅くはならないと思うます。
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