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元スレ黒子「ひなまつり弁当360円ですの?」
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白井黒子は《風紀委員》の仕事を終え、帰路についていた。
現在の時刻は20時15分。寮食堂のラストオーダーは20時半まで。
テレポートをすれば十分間に合うが、しかし彼女はのんびりと夜の街を歩いていた。
学生ばかりの学園都市において、最終下校時刻とは街の眠る時間だ。
明かりの無い夜の通りは死んだように人気が無い。
しかし黒子はこの時間が好きだった。
ある人と会って、好きになった。
空を見上げる。
明かりの消えた街は、夜空の星の明かりを際立たせ、まるで宇宙空間に放り出されたかのような錯覚を得る。
だけれど、心細くは無い。
あの人も、同じ夜空の下に居るから。
夜空を見上げていた黒子は不意に、ある建物の前で立ち止まった。
視線を戻し、向き直る。
そこには、こう書かれていた。
『セブンスマート』
そう――スーパーである。
メ シ ア トレジャーボックス ヴァルハラ
《貧乏学生の救い手》《自炊族の宝物庫》そして――《神の住む園》
呼び方は様々だ。しかし、その低価格、汎用性、一括購入力は、コンビニの比ではない。
そして、その中でも最も特筆すべき特徴。それは――
――割引サービスの存在
スーパーにおいて、閉店間際に売れ残っている商品は、多くの場合値引きされる。
それは1割、3割引に始まり、さらには半額にまで至る。
白井黒子は、その事を知っていた。
いや、『体験していた』と言ったほうが良いだろう。
彼女はしっかりとした足取りでスーパーの自動ドアをくぐると、微塵の迷いも無く店内の最奥、弁当売り場へと足を運ぶ。
しかし弁当を手に取ることも無く、3割引のシールが貼られたそれらをチラリと見るだけで、通り過ぎてしまった。
常人には弁当の残り数を確認するのも困難な一瞬。
だが白井黒子にとっては、その一瞬で十分だった。
黒子(今日は『輝け! 愛と怒りと哀しみの! シャイニングちらし寿司弁当!』と
『燃やせ! 勝利を掴めと轟き叫べ! 爆熱ゴッドカレー弁当!』の二つしか残っていませんのね。これは……荒れますの)
黒子は弁当売り場から直線状にあるお菓子売り場で立ち止まると『きのこの山』のパッケージを凝視する。
どれだけ経っただろうか。
ふと、隣に気配を感じ、黒子は意識を隣に向ける。
上条「荒れるな、今日は」
黒子の隣で『たけのこの里』のパッケージを見つめるツンツン頭の少年――上条当麻は呟くように言った。
黒子「当麻様はどちらをお求めですの?」
上条「今日はがっつり行きたいからな、上条さんはカレー弁当を狙いますよ」
黒子「良かったですわ、ちらし寿司の方を狙うようでしたら、当麻様の今日の夕食はどん兵衛になっている所でしたの」
上条「言うようになったじゃねえか黒子。良かったよ、お前がカレー弁当を狙わなくて。
可愛い後輩が、寒空の下でシーフードヌードルを啜るのを見るのは、あまりに心苦しいからよ」
軽口を叩きあい、どちらとも無く二人はクスクスと笑い出した。
しばらく笑いあっていた二人だったが、その雰囲気が唐突に張り詰めた物へと変わる。
黒子がチラリと見た先。
柔和な顔の店員が流れるような動作で、乱れた商品を芸術品がごとく陳列しなおしていく。
そしてその手は、ついに弁当コーナーへ至る。
ぱさり。と、エプロンの広いポケットから店員が取り出したのは、シール束。
『半額』と印字されたソレを、店員は体の一部が如く操り、弁当へと貼り付けた。
満足そうに頷くと、柔和な顔の店員はシールをポケットに戻し、スタッフルームへと歩き出す。
一般人は立ち入る事すら許されないその扉を開き、店内へと一礼。
その店員を隠すように扉は徐々にその体を元へと戻していき――
――そして、閉まった。
柔和な顔の店員が流れるような動作で、乱れた商品を芸術品がごとく陳列しなおしていく。
そしてその手は、ついに弁当コーナーへ至る。
ぱさり。と、エプロンの広いポケットから店員が取り出したのは、シール束。
『半額』と印字されたソレを、店員は体の一部が如く操り、弁当へと貼り付けた。
満足そうに頷くと、柔和な顔の店員はシールをポケットに戻し、スタッフルームへと歩き出す。
一般人は立ち入る事すら許されないその扉を開き、店内へと一礼。
その店員を隠すように扉は徐々にその体を元へと戻していき――
――そして、閉まった。
同時。
弾かれたように上条と黒子は走り出している。
向かうは、弁当コーナー。
目的は、半額弁当。
これは、半額弁当を求め誇りを懸けて戦う、『狼』達の物語である。
ベン・トー×とある魔術の禁書目録
黒子「ひなまつり弁当360円ですの?」
――狼と半額弁当が交差する時、物語は始まる。
◆
需要と供給、これら二つは商売における絶対の要素である。
これら二つの要素が寄り添う販売バランスのクロスポイント……その前後に於いて必ず発生するかすかな、ずれ。
その僅かな領域に生きる者たちがいる。
己の資金、生活、そして誇りを懸けてカオスと化す極狭領域を狩り場とする者たち。
――人は彼らを《狼》と呼んだ。
◆
覚えていてくれて嬉しいです。
一応続き。
というわけで初めての方のための用語及び人物紹介。
《用語集》
・狼
スーパーでの暗黙のルールを理解し、誇りを持って半額弁当の奪取に当たる人間のことを指している。
無論、実際の狼は半額弁当を求めてスーパーに行ったりはしない。
またよく狼には凶暴なイメージがつきまとうが、実際にはそれほどではなく、縄張りを荒らしたり不用意に刺激したりしない限りまず人は襲わないとされる。
・犬
半額弁当を狙ってスーパーにやってくる未熟者を指している。
余談だが、猫派か犬派かと問われれば>>1は猫派。それも日本猫が特に好き。
・半額神
総菜、弁当等に半額シールを貼る店員のこと。敬意をこめて〝神〟と称えられている。
・二つ名
主に《狼》の中から特出した強さ、個性を有する者に自然と付く本名とは別の名のこと。あだ名。
基本的にその者の見た目や、戦闘スタイル、経歴などから付けられる。
ただしある程度有名になれば《狼》でない者にも付けられる場合もある。
・月桂冠
長時間置いた半額弁当の中にはより深い味わいをかもし出すものがあり、半額神がその太鼓判を押した弁当。
通常の半額シールではなく、店ごとに特別な半額シールが貼られる。
一応続き。
というわけで初めての方のための用語及び人物紹介。
《用語集》
・狼
スーパーでの暗黙のルールを理解し、誇りを持って半額弁当の奪取に当たる人間のことを指している。
無論、実際の狼は半額弁当を求めてスーパーに行ったりはしない。
またよく狼には凶暴なイメージがつきまとうが、実際にはそれほどではなく、縄張りを荒らしたり不用意に刺激したりしない限りまず人は襲わないとされる。
・犬
半額弁当を狙ってスーパーにやってくる未熟者を指している。
余談だが、猫派か犬派かと問われれば>>1は猫派。それも日本猫が特に好き。
・半額神
総菜、弁当等に半額シールを貼る店員のこと。敬意をこめて〝神〟と称えられている。
・二つ名
主に《狼》の中から特出した強さ、個性を有する者に自然と付く本名とは別の名のこと。あだ名。
基本的にその者の見た目や、戦闘スタイル、経歴などから付けられる。
ただしある程度有名になれば《狼》でない者にも付けられる場合もある。
・月桂冠
長時間置いた半額弁当の中にはより深い味わいをかもし出すものがあり、半額神がその太鼓判を押した弁当。
通常の半額シールではなく、店ごとに特別な半額シールが貼られる。
《狼》紹介
・白井黒子
常盤台中学に通う第七学区の《狼》
まだ新米の《狼》だが、上条当麻の指導により覚醒、才能の片鱗を見せる
・上条当麻
第七学区の学校に通う高校生で、スーパー『セブンスマート』を縄張りとする凄腕の《狼》
《幻想殺し》の二つ名を持つ。
・茶髪の女
上条当麻と同じ学校に通う3年生。大変いい胸をしている。
・坊主の男
上条と同じ学校の2年生。顎鬚とよくつるんでいる。
・顎鬚の男
上条と同じ学校の2年生。坊主とよくつるんでいる。
《半額神》
・錬金術師
『セブンスマート』の半額神。
どんな食材も美味しく調理することからそう呼ばれている。
《弁当争奪戦の掟》
一つ、争奪戦前は弁当コーナーから離れよ。
一つ、開始の合図は半額神がスタッフルームの扉を閉じた瞬間なり。
一つ、弁当を手に入れたものを攻撃するなかれ。
一つ、スーパーがリングだ!
実は前回の話が終わった直後から続きを書いてたんだけど、
スレ落ちちゃったのと途中で展開に悩んだり、別スレのっとってSS書いてたりとで少し放置してました。
まだ書き終えてないけど、このままだとお蔵入りしそうなのでモチベーション上げるためにも頑張って書こうと思います。
さる避けよろしくです。
>>19
お前・・・この狼たちに挑めるっていうのか
お前・・・この狼たちに挑めるっていうのか
おお……またあんたか
続編があるとは思わなかった
期待してるぜ
続編があるとは思わなかった
期待してるぜ
第一章 幻想殺し 黒子はきっと、いいお嫁さんになるな。 >上条当麻
夜の公園にずるずると麺を啜る音が響いた。
白井黒子はどん兵衛のお揚げにかぶりつきながら、横目で隣に座る上条当麻を見る。
上条は大口をあけ、ホカホカと湯気の立つカレーをプラスチックのスプーンで口に運んでいた。
冷たい空気の中、温められた弁当が発するスパイスの匂いが、黒子の胃袋を刺激する。
急にどん兵衛を啜っている自分が惨めになり、黒子は誤魔化すように、残りの汁を飲み干した。
黒子「何故……ですの」
上条「ん? どうした、黒子」
黒子「何故、わたくしは勝てないんですの?」
>>23
俺は『変態』だぜ…
俺は『変態』だぜ…
黒子はあの日――月桂冠を手にしたあの日以来、未だ一度も弁当を手にしていなかった。
あの日よりも確実に自分は強くなっているという実感はあった。
周りの《狼》との差は確かにあるものの、絶望的というほどではない。
なのに、勝てない。
黒子「それとも、わたくしには《狼》の才能がないのでしょうか……」
つい、弱気な発言をしてしまう。
弱音など、本当は吐きたくなかった。
けれど、この人の傍に居るとなぜか不安も悩みもすべて打ち明けてしまう自分が居た。
上条「才能が無いなら、あの時月桂冠を取れたりはしなかったさ」
あの日よりも確実に自分は強くなっているという実感はあった。
周りの《狼》との差は確かにあるものの、絶望的というほどではない。
なのに、勝てない。
黒子「それとも、わたくしには《狼》の才能がないのでしょうか……」
つい、弱気な発言をしてしまう。
弱音など、本当は吐きたくなかった。
けれど、この人の傍に居るとなぜか不安も悩みもすべて打ち明けてしまう自分が居た。
上条「才能が無いなら、あの時月桂冠を取れたりはしなかったさ」
上条は微笑みながら言うと、カレーの最後の一口を掬い、黒子の方へと差し出す。
黒子はそれに躊躇いも無く(この男相手にその程度でうろたえていては身が持たない事を、
黒子はそう長くない付き合いの中で学習していた)食いついた。
わざと水を少なくして炊かれた米にねっとりとルーが絡みつき、噛む度に黒子の口内でスパイスとともに弾ける。
ピリリと舌を刺激する香辛料の辛さが、理性を超えて本能的に彼女の食欲を湧かせる。
どん兵衛のみで油を摂取していなかった黒子の体に、少量だがしっかりと含まれたビーフの油がゆっくりと染み渡るのが分かった。
上条「弁当争奪戦で何よりも重要なのは空腹感だ。己の腹の虫と対話し、飢餓感を高めた時こそ、
人としての生存本能が本来の何倍もの力を生み出す。と、俺はそう思っている」
黒子「腹の……虫」
上条「そう、お前の腹の虫がその程度で治まるとと本気で思ってんなら、そんな幻想、ぶち殺しちまえ」
黒子「…………」
上条「んじゃ、俺はそろそろ行くわ。お前も気をつけて帰れよ」
黒子「ええ、お休みなさいませ、当麻様」
上条「ああ、お休み、黒子。また明日、スーパーで会おう」
しかし翌日。上条当麻はスーパーに来なかった。
黒子は動揺から凡ミスを連発し、その日もどん兵衛を啜る事となる。
黒子「…………」
上条「んじゃ、俺はそろそろ行くわ。お前も気をつけて帰れよ」
黒子「ええ、お休みなさいませ、当麻様」
上条「ああ、お休み、黒子。また明日、スーパーで会おう」
しかし翌日。上条当麻はスーパーに来なかった。
黒子は動揺から凡ミスを連発し、その日もどん兵衛を啜る事となる。
さらに翌日。
上条当麻は濡れた手ぬぐいを額に乗せ、ベッドに横になっていた。
上条「不幸だ……」
風邪である。
一昨日スーパーから帰ってきてから急に熱が出始め、昨日は学校を休む事になった。
昨日と比べれば大分楽になったが、大事を見て今日も学校を休んでいる。
ちなみにインデックスには、風邪を移すといけないからと小萌先生の家に行って貰っていた。
今日はしゃぶしゃぶだと聞いた途端、これまで心配そうにしていた表情をころりと変えて部屋を出て行くあたり、なんとも薄情なシスターである。
風邪は体だけでなく、心も弱らす。
普段は邪魔なだけのシスターでさえ、今は早く帰ってきてくれないかと思ってしまうあたり、かなり重症だ。
上条当麻は濡れた手ぬぐいを額に乗せ、ベッドに横になっていた。
上条「不幸だ……」
風邪である。
一昨日スーパーから帰ってきてから急に熱が出始め、昨日は学校を休む事になった。
昨日と比べれば大分楽になったが、大事を見て今日も学校を休んでいる。
ちなみにインデックスには、風邪を移すといけないからと小萌先生の家に行って貰っていた。
今日はしゃぶしゃぶだと聞いた途端、これまで心配そうにしていた表情をころりと変えて部屋を出て行くあたり、なんとも薄情なシスターである。
風邪は体だけでなく、心も弱らす。
普段は邪魔なだけのシスターでさえ、今は早く帰ってきてくれないかと思ってしまうあたり、かなり重症だ。
上条(あぁ……腹、へった)
上条は昨日から水以外を口にしていない。
それは単純に物が喉を通らないというのもあるが、何か簡単なものさえ料理する気が湧かないからでもあった。
普段は力を貸してくれるはずの腹の虫が、胃袋の中で蠢き、暴れまわるのを感じる。
このままでは腹の虫に胃袋を食い破られ、自分は体の内側から食い殺されてしまうのではないか。
そんな益体の無い妄想まで、今の上条にはあり得るような気さえしてくる。
そんな時だった。
このスレのおかげでベン・トー読む人が増えてるみたいでうれしい限りだ
変態は出てこないかなあ・・・
変態は出てこないかなあ・・・
ピンポーンと、間の抜けたチャイム音が聞こえてきた。
上条は半ば無理やり立ち上がると玄関まで向かい、扉を開ける。
そこに居たのは、スーパーのビニール袋を提げた、小柄な少女。
白井黒子の姿だった。
上条「黒子……どうして」
黒子「当麻様がお風邪だと聞き、お見舞いに来ましたの。どうせ何も口にしていらっしゃらないのでしょう?
今おかゆを作りますので、病人は寝ていてくださいな」
上条「あー、なんだ。ありがとな、黒子」
黒子「いえ、いつもお世話になっているお礼ですの」
好意に甘え、横になる。
上条が布団をかぶると、台所から料理の準備をする音が聞こえてきた。
しばらくし、おかゆの入ったお椀を黒子が運んできた。
黒子「当麻様、できましたわよ」
上条「いい匂いだ……これは、卵粥だな」
黒子「えぇ、思ったよりお具合がよさそうでしたので、滋養が着くようにと」
上条が起き上がり手を伸ばすが、しかし黒子は盆に粥を載せたまま渡そうとしない。
怪訝に思っていると、黒子が溜息をつき呟いた。
黒子「病人に下手にお椀を持たせて、ひっくり返されたら困りますの。わたくしが食べさせてさしあげますので、当麻様は座っていてくださいな」
上条「えっと……それって」
黒子「あーんですの」
上条「あ、あーん」
木匙に掬った粥を黒子は息を吹きかけ冷まし、上条の口へと運ぶ。
上条「うまい……!」
上条の中に、ふわりとした卵粥の味がひろがる。
片栗粉を少し混ぜてとろみをつけた米はしっかりと舌に残り、卵の甘みと醤油の塩気が、濃すぎず薄すぎずの丁度良い塩梅で、鈍っていた味覚を呼び覚ます。
さらにその優しい味付けの中、たまにある三つ葉の苦味がアクセントとなり、単調な味を飽きさせないものにしていた。
上条「それにこれは……シラスか……!」
そう、同じ白色で見た時は気付かなかったが、確かに口にしてみればはっきりと分かる。
お粥の中には、少量のシラスが入っていた。
シラスの自己主張をしない味とコリッとした食感が、上条の口を楽しませる。
ふと、幼い頃、風邪を引いた時に母の詩菜が作ってくれたお粥の味を思い出し、上条は自然と涙を流していた。
上条「うまい……うまい……!」
気付けば上条は、黒子が匙を差し出すそばから次をねだり、あっと言う間にお椀を空にしていた。
上条「ごちそうさま」
黒子「お粗末さまでしたの」
上条「いや、すげぇ美味かったよ、黒子はきっと、いいお嫁さんになるな」
黒子(またこの人は、そんな事を……)
黒子「わたくしの料理など、お姉さまの物に比べたら、とてもとても……」
上条「いや、それでも……黒子もなかなか……うま……い……」
空腹が満たされた事で安心してしまったのか、呟きながら、上条の意識はゆっくりと闇に落ちて行った。
上条「ん……あぁ、寝ちまってたか……」
深夜、昼に寝すぎてしまった所為か、上条が目を覚ました。
明かりのついていない部屋の中は真っ暗だったが、先まで寝ていた上条にはなんとなく部屋の中が見て取れた。
ふと、右腕に重みを感じ、視線を向ける。
寝ている上条の右腕を抱くように、そこでは白井黒子が眠っていた。
おそらく、看病をしているうちに自分も寝てしまったのだろう。
上条は黒子を起こさないよう、ベッドの横で座りながら寝ている黒子を抱くと、自分が寝ていたそこに寝かす。
上条「んじゃ、俺はいつも通り、風呂場に行きますかね」
上条は風呂場に毛布を引きずっていくと、それに包まり再び目を閉じた。
こまけぇことは(AAry
自分でいっておいてあれだがおもしろいから気にならないよっと
自分でいっておいてあれだがおもしろいから気にならないよっと
顎鬚「クソッ! 何だってんだ! 何なんだよお前!」
坊主「うろたえるな。掟を忘れたか」
茶髪「豚はつぶせ――弱者は叩け」
上条当麻と白井黒子の居ない「セブンスマート」で、名も無き狼達が呟いた。
時はすでに《半値印証時刻》を迎えている。しかし、誰一人として弁当へと手を伸ばすものは居ない。
そんな狼達を、蔑むように睥睨する者がいた。
??「掟、ねぇ…… ふふ、馬鹿らしいわ。そんなものに拘って夕飯を手にする機会を逸するだなんて」
『ソレ』は右腰に吊るしていた軍用懐中電灯を抜くと、つい――と、振った。
次瞬、弁当コーナーに並べられていた数個の弁当が、彼女の持つ買い物籠へと移動している。
茶髪「《瞬間移動者》!?」
坊主「だがテレポーターってのは、対象に触れてないと、瞬間移動はさせられないんじゃ!?」
??「あはは! テレポーター? 《瞬間移動》? そんな不出来な能力と一緒にしないで頂戴。私のは《座標移動(ムーブポイント)》正真正銘の、空間移動よ」
言い、次に《座標移動》は、手にした懐中時計を惣菜コーナーへと向けた。
思惑を悟り、顎鬚が叫ぶ。
顎鬚「やらせるかよ!」
彼女の目測を狂わせようと、惣菜コーナーと懐中電灯の間に割って入る。
しかし、気付いた頃には、顎鬚はスーパーの中空に転移させられていた。
次瞬、弁当コーナーに並べられていた数個の弁当が、彼女の持つ買い物籠へと移動している。
茶髪「《瞬間移動者》!?」
坊主「だがテレポーターってのは、対象に触れてないと、瞬間移動はさせられないんじゃ!?」
??「あはは! テレポーター? 《瞬間移動》? そんな不出来な能力と一緒にしないで頂戴。私のは《座標移動(ムーブポイント)》正真正銘の、空間移動よ」
言い、次に《座標移動》は、手にした懐中時計を惣菜コーナーへと向けた。
思惑を悟り、顎鬚が叫ぶ。
顎鬚「やらせるかよ!」
彼女の目測を狂わせようと、惣菜コーナーと懐中電灯の間に割って入る。
しかし、気付いた頃には、顎鬚はスーパーの中空に転移させられていた。
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