のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,057,120人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろう」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 黒髪娘 + - とある科学の超電磁砲 + - とある魔術の禁書目録 + - パンツ + - ヤンデレールガン + - 一方通行 + - 上嬢 + - 上条 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    302 = 217 :

    ――――――
    ・23日夜、ペットショップ前路地・


    ガシャリ

    初春「……う…うぅ…!」

    御坂「そんなに怯えないでください、初春様」

    初春「…な……なに…を」

    御坂「心配しないで下さい」

    御坂「私は…私たちはあなたの味方です」

    初春「……え……?」

    御坂「今日は、あなたと少しお話をしたいと思っただけです」

    初春「…なっ……なにを……?」

    御坂「いえ、そんな大したことじゃありません」

    御坂「あなたの友達の、…佐天涙子様のことです」

    初春「……佐天……さん?」

    御坂「ええ」

    303 = 217 :


    御坂「私、あの方に少し恨みがございまして…」

    初春「……うらみ……?」

    御坂「はい」

    御坂「…私の、大切なものが…彼女に奪われてしまったのですよ」

    初春「…大切な……もの?」

    御坂「とても、大切なものです」

    初春「……………?」

    御坂「彼女に、『彼』を、奪われてしまったんですよ」

    初春「……!(彼って…)」

    御坂「あなたも、ご存知でしょう?」

    初春「…!」

    御坂「…上条、当麻様です」

    初春「…………」

    御坂「ですからね、初春様」

    御坂「少しばかり、私に協力してはいただけないでしょうか?」

    304 = 217 :


    初春「………」

    御坂「あなたが私に協力してくれると言うのなら、あなたの身の安全は…」

    初春「……嫌…です」

    御坂「……」

    初春「…それ…だけは」

    初春「…絶対に、嫌…です」

    御坂「…どうしてでしょう?」

    初春「…わたし……は」

    初春「…佐天さんと…約束……して、ますから…」

    御坂「……」

    初春「…もう…」

    初春「…二度と……うらぎら…ない……って…」

    御坂「……」

    305 = 217 :


    初春「……私は……いちど…」

    初春「……佐天さん…を……裏切って…しまって…」

    初春「…たく…さん……彼女を……傷付け……ました」

    御坂「……」

    初春「…だ、だから…」

    初春「……私は……二度と……親友を……裏切ったり…しない……!」

    御坂「……」

    御坂「…そうですか」

    初春「………」

    御坂「…仕方ありませんね」

    ガシャリ

    初春「―――――っ!?」


    バババババババッ!!!!!


    初春「――――――!!!」

    306 = 217 :


    ……シュー…


    御坂「…恐いでしょう?」

    御坂「何千もの銃弾が、あなたの周りを駆け回る様は」

    初春「―――――」ガクガク

    御坂「…言葉も、出ませんか」

    御坂「仕方ありませんよね」

    初春「―――――」ガクガク

    御坂「…ねぇ、初春様」

    初春「―――…?」

    御坂「…どうして」

    御坂「どうして、こんな目に遭うんでしょうね?」

    初春「………」

    御坂「…考えたことは、ありませんか?」

    初春「………」

    307 = 217 :


    御坂「あなたは、何もしていない」

    御坂「あなたは、何も関係ない」

    御坂「ただ、ただ…」

    御坂「佐天様と、友達であるというだけで」

    御坂「…あなたは、こんな目に遭っている」

    初春「………!」

    御坂「そう考えたことは……ありませんか?」

    初春「……そ……それ…は…」

    御坂「…だって、おかしいでしょう?」

    御坂「…あなたは、ただ『巻き込まれた』だけなんですよ?」

    初春「……構い…ません…」

    御坂「……」

    308 = 217 :


    初春「……わたし…は、そんなこと……覚悟の……上で…」

    初春「……佐天…さんの……傍に……いるんです…」

    初春「……あなたの……言うこと……なんか……!」

    御坂「……はぁ」


    ガシャリ

    バババババ!!!!!


    初春「ひっ――――――!!!」

    御坂「……」

    初春「……うっ……うぅ…」

    御坂「どうしましょう」

    御坂「次は、当ててしまいそうです」

    初春「―――――!!」

    御坂「あなたが協力しないのが悪いんですよ、初春様」

    309 = 217 :


    御坂「だから私達は、あなたを次の瞬間に殺してしまう」

    初春「―――――い、嫌――――」

    御坂「……ね?」

    初春「――――!?」

    御坂「…こんなことに、なるでしょう?」

    初春「―――…」

    御坂「…いいですか、初春様」

    初春「へ………?」

    御坂「…あなたの友達の佐天様は、あなたのことをこう思っています」

    御坂「『初春は可哀想だ』と」

    初春「………!」

    御坂「『私のせいで巻き込んでしまってごめんなさい』」

    御坂「『でも』」

    御坂「『私の幸せは初春のおかげで成り立ってるから、感謝してる』」

    初春「………っ」

    310 = 217 :


    御坂「良かったじゃないですか」

    御坂「あなたのお友達の佐天様は、あなたのおかげで幸せだそうですよ?」

    初春「………」

    御坂「あなたが…」

    御坂「あなたが…………『不幸でいてくれるから』」

    初春「……!」

    御坂「そのおかげで、私は、幸せになれる」

    初春「………」

    御坂「良いものですね、友情って」

    御坂「とても美しく……そして……」

    御坂「とても、不公平」

    初春「………っ」

    御坂「良いんじゃないですか?」

    初春「え……?」

    311 :

    なんかもう飽きた
    御坂妹や打ち止めの口調があからさまに違いすぎるし
    無駄に引っ張りすぎ
    完全に落とし所を逃したな

    312 = 289 :

    飽きたなら黙って立ち去れ

    313 = 217 :


    御坂「あなたに、覚悟があるというなら…」

    御坂「もう何も話すことも、考えることもない」

    御坂「ただ…」

    御坂「『佐天さんのために』殺されるだけ」

    初春「…………っ!」

    御坂「私は、構いませんよ?」

    御坂「ただ、私はわからない」

    御坂「こんなに友達思いで、こんなに頑張っている」

    御坂「…そんな、あなたが」

    御坂「たった一人の女の幸せの為に、その人生を棒に振ってしまいそうになっている」

    初春「……!!」

    御坂「…まぁ」

    御坂「あなたがこの先ずっと、そうやって生きていくというなら、私は構いません」

    初春「……っ」

    御坂「――それでは、お話はこれで終わりにしましょうか」

    314 = 217 :


    初春「………」

    御坂「あなたは、今から死にます」

    初春「………」

    御坂「それは、あなたの友達の佐天さんの、幸せのため」

    初春「………」

    御坂「そのためだけに、あなたは今から、数千の銃弾を体に受け…」

    御坂「…その体に数千もの穴を空けて、絶命します」

    初春「………」

    御坂「私としては、とても残念です」

    初春「………」

    御坂「あなたの力になりたいと、願っていましたからね」

    初春「……」

    御坂「でも、仕方ありません」

    御坂「あなたに、そんなにも死ぬ覚悟があるというのなら、仕方ありません」

    初春「………」

    315 = 217 :


    御坂「……では」

    御坂「―――参ります」


    ガシャリ


    初春「………い……や……」

    御坂「……何でしょう?」

    初春「……嫌……だ…」

    御坂「……何がですか?」

    初春「……死ぬ、のは……嫌だ……」

    御坂「…しかし、それはあなたが決めたことなのでは?」

    初春「……嫌…だ…死ぬ…の…嫌…」

    御坂「困りましたね。…それでは、あなたのお友達の佐天様が幸せになれませんよ?」

    御坂「あなたが……こうして不幸に巻き込まれ続けない限り」

    初春「………嫌……だ……そんなの……」

    316 = 217 :


    初春「……なんで……わた…しが……佐天さんの……ために……」

    御坂「……佐天様は、あなたが死んでくれたら、幸せだそうですよ?」

    初春「……なん……ですって…?」

    御坂「あなたがこうして悪い事件に巻き込まれている間…」

    御坂「あなたのお友達の佐天様は、暢気にクリスマスの予定を考えてるみたいですね」

    初春「……………」

    御坂「…どうします?」

    初春「………」

    御坂「…このまま死にますか?」

    初春「……い……嫌…」

    御坂「それとも」

    御坂「私と協力して……佐天さんに仕返しをしますか?」

    初春「………仕返し…?」

    御坂「ええ」

    御坂「私なら……今のあなたを救うことができます」

    317 = 217 :


    御坂「…あなたのその胸にずっと溜め込んでいた…」

    御坂「―――怒りを、恨みを、憎しみを」

    御坂「綺麗さっぱり、吐き出させてあげられます」

    初春「………本当…ですか……?」

    御坂「ええ」

    御坂「―――『約束』します」

    初春「……ふふっ……ふふっ……」

    初春「…仕返し……佐天さんに……ふふふ」

    初春「……やったぁ……やっと……」

    初春「……やっと……仕返しが、できる……」

    御坂「……ふふっ」

    初春「……もう、我慢……しくて……いいんですよね……?」

    御坂「…ええ。そんなもの…必要はありません」

    御坂「あとは、私に任せてください」

    御坂「…あなたにとって、最高の舞台を用意しますから―――」

    318 = 217 :

    ―――

    ・路地・


    佐天「―――――!!?」

    御坂「…以上が、私と初春様が話した内容であり…」

    御坂「私達が交わした『約束』です」

    佐天「……う、嘘だ……」

    佐天「そんな……そんなことが……」

    御坂「…嘘?」

    御坂「私は初春様に嘘など一言も言った覚えはありませんが?」

    佐天「…っ」

    御坂「事実でしょう」

    319 = 217 :


    御坂「1ヶ月前にしろ、今にしろ…」

    御坂「…あなたのせいで、初春様に迷惑がかかっていることは」

    佐天「……そ、れは……っ」

    御坂「…まぁ」

    御坂「そんなに疑うのであれば」

    御坂「本人に聞いてみてはいかがですか?」

    佐天「…っ」

    初春「……」

    佐天「…初……春…」

    初春「……」


    初春の目にはもう、光がなかった

    ―――――――

    320 = 217 :

    ―――

    ・路地前・


    一方「……おそらく、この辺か」

    美琴「……ここに、佐天さんが…?」

    一方「さぁな…」

    一方「ただ、方角からして、ここしか考えられねーな」

    打止「…早く行こう!」

    美琴「…そうだね」

    一方「…わかってらァ」


    「…あら、追い付いてしまいましたね」


    一方「……!」

    美琴「……!」

    打止「……あなたは」

    「……『後で行く』と言いましたでしょう…」

    321 = 217 :


    黒子「……ねぇ、お姉さま」

    美琴「黒子……っ!!」

    黒子「ふふっ、そんな驚かれなくてもいいじゃないですか」

    美琴「……だって…」

    黒子「…心配しなくていいと、言ったでしょう?」

    一方「…はっ、ンなボロボロな様で何言ってやがンだテメェは」

    黒子「……うるさい人ですわねぇ。人がせっかくお姉さまとの再会を喜んでいると言うのに」

    打止「無事で良かった!ってミサカはミサカはとびきりの笑顔で言ってみたり」

    黒子「……ふふっ、ありがとうございます」


    美琴「…黒子、それより早く佐天さんを…!」

    黒子「ええ……時間がありませんわ」

    黒子「…さっさと、行きましょう」


    …王手をかけに

    322 = 217 :

    ――――


    佐天「…初春…?」

    初春「すみません、佐天さん」

    佐天「…え…?」

    初春「…あなたの声を聞くと、イライラします」

    佐天「………!?」

    初春「考えてみたら、簡単なことだったんですよ」

    初春「…私がどうして、いつも不利な役割ばかりになってしまうのか」

    佐天「……っ」

    初春「あなたです」

    初春「あなたですよ、佐天さん」

    初春「私の人生を、滅茶苦茶にしようとしているのは」

    佐天「…っ、ち、違……」

    初春「…何が、違うんですか?」

    324 = 217 :


    佐天「……そ、それは…」

    初春「ほら、言えない」

    初春「人を馬鹿にするのもいい加減にしてください」

    佐天「……っ、初春、違うの…」

    佐天「わ…私は……初春が不幸に…なるから…幸せなんて……思ってない…!」

    初春「でも」

    初春「現に、そうなっている」

    佐天「…………っ!」

    初春「もう、疲れました」

    佐天「…」

    初春「嫌なんですよ、もう」

    初春「あなたに関わるのは」

    佐天「…う…い…はる…」

    初春「だから…」

    初春「さようなら、佐天さん」

    325 = 217 :


    佐天「……っ」

    何も

    何も、言い返せない

    結局は、何も考えていない

    何も、わかっていない

    初春が、どうしてそんな目に遭ってしまうのか

    …私の

    私の、せいだ

    私のせいなのに……

    私のせいで、初春を傷つけているのに…

    初春を……そんな目に遭わせたくない…なんて

    …都合が、良すぎた

    ただの、私の勝手な思い込みで

    そのせいで、初春を追い詰める

    326 = 217 :


    佐天「…うっ……うぅっ…」

    初春「…何、泣いてるんですか?」

    佐天「…ひぐっ……うっ…うぅ……」

    初春「泣きたいのはこっちですよ」

    初春「…そうでしょう?佐天さん」

    佐天「…うっ…うぅ…」


    一人の親友も守ることが出来ない

    守るどころか…

    自分で、追い詰めて、傷付けて…


    佐天「……うぅ…っ……」

    初春「……」

    佐天「……はぁ……はぁ…」


    そんな私に…出来ることは…

    327 :

    全力支援

    328 = 217 :


    初春「……」

    佐天「……はぁ…はぁ…」

    初春「……」

    佐天「………はぁ…」

    初春「…やっと、泣き止みましたか」

    佐天「……」

    初春「…私は」

    初春「あなたとの、このくだらない関係を…」

    初春「…今、断ち切ります」

    佐天「……」

    初春「…なかなか」

    初春「楽しかったですよ。あなたと過ごした日々」

    佐天「……」

    初春「それ以上に、不愉快な気持ちがたくさんありましたがね」

    佐天「……」

    329 = 217 :


    ガシャ

    初春「……お別れです」

    佐天「……」

    初春「…最後に…何か言い残すことは?」

    佐天「……」

    初春「…何も、ありませんか?」

    佐天「……」

    初春「…わかりました」

    初春「…では…」

    佐天「……が……と…」

    初春「……?」

    佐天「ありがとう、初春」

    初春「……は?」

    佐天「…ありがとう、初春」

    初春「…何を…言ってるんですか?」

    330 = 217 :


    佐天「…ありがとう」

    初春「……だから、何を……!」

    佐天「…手袋」

    初春「……え?」

    佐天「…手袋、付けててくれて、ありがとう」

    初春「…………!」

    佐天「私ね、初春」

    佐天「…もう、初春に…何もかける言葉がないの」

    初春「………?」

    佐天「……でも、嬉しいの」

    初春「……え?」

    佐天「…その手袋、付けて…」

    佐天「…その引き金を引いてもらえることが」

    初春「……っ」

    331 = 217 :


    佐天「…私にとって、もう、それだけで十分なの」

    初春「……これは………寒いから……付けてるだけで……!」

    佐天「……うん、ありがとう」

    初春「……っ」

    佐天「…もう、私は十分に幸せになったよ」

    初春「……」

    佐天「…だから、初春にも、分けてあげたい」

    初春「…っ、勝手な…ことを…!」

    佐天「…だからさ」

    佐天「…その引き金を引いて、初春が幸せになれるんだったら…」

    佐天「…私は、喜んでそれを受け入れようと思う」

    初春「……っ!」

    佐天「…だって私は」

    佐天「…初春の、親友だから」

    初春「……っ!」

    332 = 217 :


    佐天「…親友の幸せを願わないやつが、親友なんて……言えないでしょう?」

    初春「………っ」

    佐天「…親友を信頼できないやつが、親友なんて…言えないでしょう?」

    初春「……め……て」

    佐天「…だから、初春」

    初春「……や……め…て…」

    佐天「……私を―――」

    初春「…やめて!!」

    佐天「…!」

    初春「…やめて、ください」

    初春「…これ以上、あなたと、話していたら…」

    初春「…頭が……痛い…」

    佐天「……」

    初春「…何が……何が、信頼、ですか…」

    333 = 217 :


    黒子『―…私たちは、あなたを信頼しています…―』

    初春「……そんな……安っぽい……言葉……っ!」

    黒子『―…ですから、あなたも…―』

    初春「……そんな……そんな……」

    黒子『―…私達を…―』

    初春「………こと……ば……」

    「――――初春様」

    初春「…!」

    御坂「…どうかなさいましたか?」

    初春「……あ……」

    御坂「…何か、躊躇うことでもあるのですか?」

    初春「…………い、いえ」

    御坂「…そうでしょう?」

    御坂「あなたの目の前には今…絶好のチャンスがあります」

    初春「……はい」

    334 = 217 :


    御坂「……なら……やることは、わかっていらっしゃいますよね?」

    初春「………はい」

    佐天「…っ、初春…!」

    御坂「―――おっと」

    佐天「…!」

    御坂「…あなたには…もう何も言える権利はないはずですが?」

    佐天「………っ!」

    御坂「あなたは、勝負に負けた」

    御坂「あなたが提案した、賭けにね」

    佐天「……っ」

    御坂「…ですから」

    御坂「…潔く、負けた罰を……受けとるべきでは?」

    佐天「………」

    御坂「……ふふっ……それでいい」

    佐天「……」

    336 = 217 :


    御坂「では、初春様」

    御坂「…お願いします」

    初春「…はい」

    佐天「……!」


    「―――やめなさい初春」


    初春「え――――?」

    佐天「――――!」

    御坂「………!」


    「…もう、やめなさい。初春」


    初春「……あ…ああ…」

    佐天「……あなたは……」

    御坂「………白井……黒子……!」

    337 = 217 :


    黒子「……ふぅ」

    黒子「……なんとか、間に合ったみたいですね」

    佐天「……白井……さん」

    黒子「…佐天さん」

    佐天「……無事……だったん…ですね」

    黒子「ふふっ……私が、簡単にやられるわけないでしょう?」

    佐天「…ふふっ…そう、ですね………良かった……」

    黒子「……佐天さん」

    佐天「……?」

    黒子「…本当に、すみません」

    佐天「……え?」

    黒子「…少し………少し、来るのが…遅れました」

    佐天「……そ、そんな…」

    黒子「……あなたを、そんなに傷付ける前に…」

    黒子「……もっと早くに、来るべきでした」

    338 = 217 :


    黒子「……本当に、すみません」

    佐天「……良いんです…!わ、私のことは…!私は、私は…白井さんを…巻き込んで…」

    黒子「……ええ、そうですね」

    佐天「……え?」

    黒子「…巻き込まれましたよ、あなたに」

    佐天「……っ、じゃあ……私を……恨んで…」

    黒子「ふふっ…」

    佐天「……?」

    黒子「何を言っていらっしゃるんですか?」

    佐天「…え…?…だ、だって……私の…せいで…」

    黒子「ええ、あなたの『おかげ』で」

    黒子「私は、随分と楽しませていただいていますよ?」

    佐天「…え……?」

    黒子「…佐天さん。……あなたは、何か勘違いをしていらっしゃいませんか?」

    佐天「……?」

    339 = 217 :


    黒子「…あなたは、私の大切な友達です」

    黒子「…そんなあなたが、そんな姿になるまで、頑張っていらっしゃる」

    佐天「……!」

    黒子「…これを……この私が、放っておくとお思いですか?」

    佐天「……で、でも…」

    黒子「だ・か・ら、勘違いしちゃダメですって」

    佐天「……え?」

    黒子「…正確には、あなたが、巻き込んだのではない」

    佐天「……?」

    黒子「…私が、自ら巻き込まれていっただけの話ですよ」

    黒子「…馬鹿みたいに、首を突っ込んでいるだけの話ですわ」

    佐天「……!」

    黒子「だから、あなたが気に病むことは、何もない」

    佐天「……でも……」

    黒子「…ふふっ、納得いきませんか?」

    341 = 217 :


    黒子「…なら」

    佐天「……?」

    黒子「…これが片付いたら……パフェでも奢っていただきましょう」

    佐天「……!」

    黒子「それで…ちゃらですわ」

    黒子「いいですね?佐天さん」

    佐天「……は…はい!」

    黒子「……ふふっ、よろしい」


    初春「……白井…さん…?」

    黒子「……あら、初春」

    黒子「どうしたのですか?そんな物騒な物を持って」

    初春「……こ…これ…は…」

    黒子「…まったく…似合っていませんわよ?」

    初春「……え……?」

    342 = 217 :


    黒子「あなたには、そんなもの、似合いません」

    黒子「…違いますか?初春」

    初春「……わ……わたしは……」

    黒子「…そんなものを佐天さんに向けて、何をしていらっしゃるのですか?」

    初春「…っ、私は…これで…」

    黒子「…それで撃てば、何か変わるのですか?」

    初春「……!」

    黒子「…いいでしょう」

    黒子「それで、何かがあなたにとって良い方向に行くと言うのなら…」

    黒子「…試しに、引き金を引いてみてはどうですか?」

    初春「………っ」

    佐天「……」

    黒子「巻き込まれるのが、嫌なんでしょう?」

    黒子「佐天さんの友達だからという理由だけで、嫌な事態に巻き込まれるのが」

    初春「………」

    343 = 217 :


    黒子「…確かに、嫌ですよね」

    初春「………」

    黒子「…でも、だからこそ……あなた方は、友達なんですよ」

    初春「……!」

    黒子「…辛いことを、分けあえ……楽しいことを、分かち合い…」

    黒子「…その繋がりがあるからこそ……二人の世界がある」

    黒子「…私は、友達とはそういう物だと思いますね」

    初春「……っ!」

    佐天「…白井さん……」

    黒子「…ねぇ、初春」

    黒子「…それで、いかがいたしますか?」

    初春「……わ、私は……」

    黒子「…その上で、まだ佐天さんを…」

    佐天「…!白井さん!危ない!!」

    黒子「――――!」

    344 :

    シェーンよりも早く支援

    345 = 217 :


    バシュン!!!

    黒子「―――っと、危ないですわね」

    御坂「……」

    黒子「…ああ、そういえば……居らっしゃったんですね、あなたも」

    御坂「……久しぶりの再会なのに、随分な挨拶ですね……白井様」

    黒子「あなたこそ……なかなかのご挨拶ですわね」

    御坂「邪魔しないでいただけますか?」

    御坂「初春様は今、自分の意思でそこに立っていらっしゃるんです」

    御坂「ですから、あなたに邪魔をする権利などない」

    黒子「…ふふっ……何を言っていらっしゃるのですか?」

    御坂「……私は、事実を……」

    黒子「それは、おかしいですわねぇ…」

    御坂「……?」

    黒子「…本当に、初春の意思で、初春が佐天さんを殺そうとしているなら…」

    黒子「……既に、初春は佐天さんの頭を撃ち抜いていても良いのでは?」

    346 = 217 :


    御坂「……」

    黒子「なんせ、躊躇う意味がわかりませんからね」

    黒子「自分が本当に殺したいと思うなら…」

    黒子「さっさと引き金なんか引いてしまえば良いのに」

    御坂「……死に損ないが、言いますね」

    黒子「いえいえ……生き勝っただけの話ですわ」

    御坂「…建物が崩壊して、生きていらっしゃるとは驚きです」

    黒子「……ふふっ。お褒めいただき光栄ですわ……サンタさん」

    御坂「…いえいえ…。…しかし、どうして生きていらっしゃるので?」

    黒子「…どうして?」

    黒子「そんなもの、あなた方が教えてくださったではありませんか」

    御坂「……!?」

    黒子「…なら、聞きますが」

    黒子「…妹達は……あの倉庫にいた、妹達は…」

    黒子「…一体、どこから来ていらしたんですか?」

    347 = 217 :


    御坂「…それは…」

    黒子「…私達が入っていった別ルートでは…」

    黒子「あの数の妹達が短時間で地下に一斉に来るのは不可能」

    黒子「…なら、一体どこから?」

    御坂「…っ、…まさか」

    黒子「私がこうして生きているのは…」

    黒子「…妹達の通ってきた『道』を、通ってきただけですわ」

    御坂「…!」

    黒子「…どうせ、隠れているだろうことはわかっていましたからね」

    黒子「…それに、人質を救出しにきた私達を襲撃するのであれば……」

    黒子「…人質が居る場所から近ければ近い方が良い」

    黒子「…なら、後は一体どこから出てきたのか」

    御坂「……」

    黒子「…建物の崩壊が始まった直後、妹達は、不自然な行動に出始めました」

    黒子「…おそらく、自分達がこの崩壊から巻き込まれない場所に、避難しようと考えたんでしょう」

    348 = 217 :


    黒子「…しかし、私達が来たときにはそんな場所は見当たらなかった」

    黒子「…ですから……その妹達の行動が、彼女達の通ってきたもう一つの別ルートの存在を意味した」

    御坂「……」

    黒子「…私は、妹達に言いました」

    黒子「『もう、テレポートするだけの体力も残っていない』と」

    御坂「…!」

    黒子「律儀に信じていただけて、こちらとしてもやり易かったですね」

    御坂「……あれだけやって……まだ、妹達が出てきたもう一つのルートまで先にテレポートできたと?」

    黒子「…ええ。…まぁ、実際ギリギリでしたけどね」

    御坂「……っ」

    黒子「先回りして、その道を塞ぐ作業もなかなか骨が折れましたが…」

    黒子「…驚いたのは、そのルートが、地下5階の下……つまり、地下6階に存在したということ」

    御坂「……」

    黒子「しかも…」

    黒子「そこを通っていけば、辿り着く先が……あなたがいる、この路地の近くであった」

    349 = 217 :


    御坂「……」

    黒子「よくもまぁ…あんな手の凝った独自のルートを、作り出したものですね」

    御坂「……」

    黒子「……それで」

    黒子「そのあなたの言う『死に損ない』が、こうしてわざわざ来てあげているのです」

    黒子「…そろそろ、あなたの野望も…終わりにしてはいかがですか?」

    御坂「―――寝言を」


    ガシャ ガシャリ ガシャ

    御坂「…あなたの能力も、そろそろ限界でしょう?」

    黒子「……妹達の集団……ですか」

    御坂「…仕方ありません」

    御坂「…あなたから、排除しましょう」

    黒子「……」

    佐天「…白井さん!」

    350 = 217 :


    御坂「……よく、ここまで来てくれました」

    黒子「……」

    御坂「またあなたとお話ができて…感謝しています」

    黒子「……」

    御坂「……それでは……さようなら」

    佐天「……白井さ……!!」


    バババババババッ!!!!!


    御坂「……」

    御坂「…残念、でしたね」

    御坂「惜しい人を、亡くしました」

    佐天「…っ、白井…さん……」

    初春「………っ」

    御坂「…あなた方に悲しんでいる暇はありませんよ?」

    佐天「…っ」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 黒髪娘 + - とある科学の超電磁砲 + - とある魔術の禁書目録 + - パンツ + - ヤンデレールガン + - 一方通行 + - 上嬢 + - 上条 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について