元スレ佐天「上条さん、か……クリスマスはどうするんだろう」
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302 = 217 :
――――――
・23日夜、ペットショップ前路地・
ガシャリ
初春「……う…うぅ…!」
御坂妹「そんなに怯えないでください、初春様」
初春「…な……なに…を」
御坂妹「心配しないで下さい」
御坂妹「私は…私たちはあなたの味方です」
初春「……え……?」
御坂妹「今日は、あなたと少しお話をしたいと思っただけです」
初春「…なっ……なにを……?」
御坂妹「いえ、そんな大したことじゃありません」
御坂妹「あなたの友達の、…佐天涙子様のことです」
初春「……佐天……さん?」
御坂妹「ええ」
303 = 217 :
御坂妹「私、あの方に少し恨みがございまして…」
初春「……うらみ……?」
御坂妹「はい」
御坂妹「…私の、大切なものが…彼女に奪われてしまったのですよ」
初春「…大切な……もの?」
御坂妹「とても、大切なものです」
初春「……………?」
御坂妹「彼女に、『彼』を、奪われてしまったんですよ」
初春「……!(彼って…)」
御坂妹「あなたも、ご存知でしょう?」
初春「…!」
御坂妹「…上条、当麻様です」
初春「…………」
御坂妹「ですからね、初春様」
御坂妹「少しばかり、私に協力してはいただけないでしょうか?」
304 = 217 :
初春「………」
御坂妹「あなたが私に協力してくれると言うのなら、あなたの身の安全は…」
初春「……嫌…です」
御坂妹「……」
初春「…それ…だけは」
初春「…絶対に、嫌…です」
御坂妹「…どうしてでしょう?」
初春「…わたし……は」
初春「…佐天さんと…約束……して、ますから…」
御坂妹「……」
初春「…もう…」
初春「…二度と……うらぎら…ない……って…」
御坂妹「……」
305 = 217 :
初春「……私は……いちど…」
初春「……佐天さん…を……裏切って…しまって…」
初春「…たく…さん……彼女を……傷付け……ました」
御坂妹「……」
初春「…だ、だから…」
初春「……私は……二度と……親友を……裏切ったり…しない……!」
御坂妹「……」
御坂妹「…そうですか」
初春「………」
御坂妹「…仕方ありませんね」
ガシャリ
初春「―――――っ!?」
バババババババッ!!!!!
初春「――――――!!!」
306 = 217 :
……シュー…
御坂妹「…恐いでしょう?」
御坂妹「何千もの銃弾が、あなたの周りを駆け回る様は」
初春「―――――」ガクガク
御坂妹「…言葉も、出ませんか」
御坂妹「仕方ありませんよね」
初春「―――――」ガクガク
御坂妹「…ねぇ、初春様」
初春「―――…?」
御坂妹「…どうして」
御坂妹「どうして、こんな目に遭うんでしょうね?」
初春「………」
御坂妹「…考えたことは、ありませんか?」
初春「………」
307 = 217 :
御坂妹「あなたは、何もしていない」
御坂妹「あなたは、何も関係ない」
御坂妹「ただ、ただ…」
御坂妹「佐天様と、友達であるというだけで」
御坂妹「…あなたは、こんな目に遭っている」
初春「………!」
御坂妹「そう考えたことは……ありませんか?」
初春「……そ……それ…は…」
御坂妹「…だって、おかしいでしょう?」
御坂妹「…あなたは、ただ『巻き込まれた』だけなんですよ?」
初春「……構い…ません…」
御坂妹「……」
308 = 217 :
初春「……わたし…は、そんなこと……覚悟の……上で…」
初春「……佐天…さんの……傍に……いるんです…」
初春「……あなたの……言うこと……なんか……!」
御坂妹「……はぁ」
ガシャリ
バババババ!!!!!
初春「ひっ――――――!!!」
御坂妹「……」
初春「……うっ……うぅ…」
御坂妹「どうしましょう」
御坂妹「次は、当ててしまいそうです」
初春「―――――!!」
御坂妹「あなたが協力しないのが悪いんですよ、初春様」
309 = 217 :
御坂妹「だから私達は、あなたを次の瞬間に殺してしまう」
初春「―――――い、嫌――――」
御坂妹「……ね?」
初春「――――!?」
御坂妹「…こんなことに、なるでしょう?」
初春「―――…」
御坂妹「…いいですか、初春様」
初春「へ………?」
御坂妹「…あなたの友達の佐天様は、あなたのことをこう思っています」
御坂妹「『初春は可哀想だ』と」
初春「………!」
御坂妹「『私のせいで巻き込んでしまってごめんなさい』」
御坂妹「『でも』」
御坂妹「『私の幸せは初春のおかげで成り立ってるから、感謝してる』」
初春「………っ」
310 = 217 :
御坂妹「良かったじゃないですか」
御坂妹「あなたのお友達の佐天様は、あなたのおかげで幸せだそうですよ?」
初春「………」
御坂妹「あなたが…」
御坂妹「あなたが…………『不幸でいてくれるから』」
初春「……!」
御坂妹「そのおかげで、私は、幸せになれる」
初春「………」
御坂妹「良いものですね、友情って」
御坂妹「とても美しく……そして……」
御坂妹「とても、不公平」
初春「………っ」
御坂妹「良いんじゃないですか?」
初春「え……?」
311 :
なんかもう飽きた
御坂妹や打ち止めの口調があからさまに違いすぎるし
無駄に引っ張りすぎ
完全に落とし所を逃したな
312 = 289 :
飽きたなら黙って立ち去れ
313 = 217 :
御坂妹「あなたに、覚悟があるというなら…」
御坂妹「もう何も話すことも、考えることもない」
御坂妹「ただ…」
御坂妹「『佐天さんのために』殺されるだけ」
初春「…………っ!」
御坂妹「私は、構いませんよ?」
御坂妹「ただ、私はわからない」
御坂妹「こんなに友達思いで、こんなに頑張っている」
御坂妹「…そんな、あなたが」
御坂妹「たった一人の女の幸せの為に、その人生を棒に振ってしまいそうになっている」
初春「……!!」
御坂妹「…まぁ」
御坂妹「あなたがこの先ずっと、そうやって生きていくというなら、私は構いません」
初春「……っ」
御坂妹「――それでは、お話はこれで終わりにしましょうか」
314 = 217 :
初春「………」
御坂妹「あなたは、今から死にます」
初春「………」
御坂妹「それは、あなたの友達の佐天さんの、幸せのため」
初春「………」
御坂妹「そのためだけに、あなたは今から、数千の銃弾を体に受け…」
御坂妹「…その体に数千もの穴を空けて、絶命します」
初春「………」
御坂妹「私としては、とても残念です」
初春「………」
御坂妹「あなたの力になりたいと、願っていましたからね」
初春「……」
御坂妹「でも、仕方ありません」
御坂妹「あなたに、そんなにも死ぬ覚悟があるというのなら、仕方ありません」
初春「………」
315 = 217 :
御坂妹「……では」
御坂妹「―――参ります」
ガシャリ
初春「………い……や……」
御坂妹「……何でしょう?」
初春「……嫌……だ…」
御坂妹「……何がですか?」
初春「……死ぬ、のは……嫌だ……」
御坂妹「…しかし、それはあなたが決めたことなのでは?」
初春「……嫌…だ…死ぬ…の…嫌…」
御坂妹「困りましたね。…それでは、あなたのお友達の佐天様が幸せになれませんよ?」
御坂妹「あなたが……こうして不幸に巻き込まれ続けない限り」
初春「………嫌……だ……そんなの……」
316 = 217 :
初春「……なんで……わた…しが……佐天さんの……ために……」
御坂妹「……佐天様は、あなたが死んでくれたら、幸せだそうですよ?」
初春「……なん……ですって…?」
御坂妹「あなたがこうして悪い事件に巻き込まれている間…」
御坂妹「あなたのお友達の佐天様は、暢気にクリスマスの予定を考えてるみたいですね」
初春「……………」
御坂妹「…どうします?」
初春「………」
御坂妹「…このまま死にますか?」
初春「……い……嫌…」
御坂妹「それとも」
御坂妹「私と協力して……佐天さんに仕返しをしますか?」
初春「………仕返し…?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「私なら……今のあなたを救うことができます」
317 = 217 :
御坂妹「…あなたのその胸にずっと溜め込んでいた…」
御坂妹「―――怒りを、恨みを、憎しみを」
御坂妹「綺麗さっぱり、吐き出させてあげられます」
初春「………本当…ですか……?」
御坂妹「ええ」
御坂妹「―――『約束』します」
初春「……ふふっ……ふふっ……」
初春「…仕返し……佐天さんに……ふふふ」
初春「……やったぁ……やっと……」
初春「……やっと……仕返しが、できる……」
御坂妹「……ふふっ」
初春「……もう、我慢……しくて……いいんですよね……?」
御坂妹「…ええ。そんなもの…必要はありません」
御坂妹「あとは、私に任せてください」
御坂妹「…あなたにとって、最高の舞台を用意しますから―――」
318 = 217 :
―――
・路地・
佐天「―――――!!?」
御坂妹「…以上が、私と初春様が話した内容であり…」
御坂妹「私達が交わした『約束』です」
佐天「……う、嘘だ……」
佐天「そんな……そんなことが……」
御坂妹「…嘘?」
御坂妹「私は初春様に嘘など一言も言った覚えはありませんが?」
佐天「…っ」
御坂妹「事実でしょう」
319 = 217 :
御坂妹「1ヶ月前にしろ、今にしろ…」
御坂妹「…あなたのせいで、初春様に迷惑がかかっていることは」
佐天「……そ、れは……っ」
御坂妹「…まぁ」
御坂妹「そんなに疑うのであれば」
御坂妹「本人に聞いてみてはいかがですか?」
佐天「…っ」
初春「……」
佐天「…初……春…」
初春「……」
初春の目にはもう、光がなかった
―――――――
320 = 217 :
―――
・路地前・
一方「……おそらく、この辺か」
美琴「……ここに、佐天さんが…?」
一方「さぁな…」
一方「ただ、方角からして、ここしか考えられねーな」
打止「…早く行こう!」
美琴「…そうだね」
一方「…わかってらァ」
「…あら、追い付いてしまいましたね」
一方「……!」
美琴「……!」
打止「……あなたは」
「……『後で行く』と言いましたでしょう…」
321 = 217 :
黒子「……ねぇ、お姉さま」
美琴「黒子……っ!!」
黒子「ふふっ、そんな驚かれなくてもいいじゃないですか」
美琴「……だって…」
黒子「…心配しなくていいと、言ったでしょう?」
一方「…はっ、ンなボロボロな様で何言ってやがンだテメェは」
黒子「……うるさい人ですわねぇ。人がせっかくお姉さまとの再会を喜んでいると言うのに」
打止「無事で良かった!ってミサカはミサカはとびきりの笑顔で言ってみたり」
黒子「……ふふっ、ありがとうございます」
美琴「…黒子、それより早く佐天さんを…!」
黒子「ええ……時間がありませんわ」
黒子「…さっさと、行きましょう」
…王手をかけに
322 = 217 :
――――
佐天「…初春…?」
初春「すみません、佐天さん」
佐天「…え…?」
初春「…あなたの声を聞くと、イライラします」
佐天「………!?」
初春「考えてみたら、簡単なことだったんですよ」
初春「…私がどうして、いつも不利な役割ばかりになってしまうのか」
佐天「……っ」
初春「あなたです」
初春「あなたですよ、佐天さん」
初春「私の人生を、滅茶苦茶にしようとしているのは」
佐天「…っ、ち、違……」
初春「…何が、違うんですか?」
324 = 217 :
佐天「……そ、それは…」
初春「ほら、言えない」
初春「人を馬鹿にするのもいい加減にしてください」
佐天「……っ、初春、違うの…」
佐天「わ…私は……初春が不幸に…なるから…幸せなんて……思ってない…!」
初春「でも」
初春「現に、そうなっている」
佐天「…………っ!」
初春「もう、疲れました」
佐天「…」
初春「嫌なんですよ、もう」
初春「あなたに関わるのは」
佐天「…う…い…はる…」
初春「だから…」
初春「さようなら、佐天さん」
325 = 217 :
佐天「……っ」
何も
何も、言い返せない
結局は、何も考えていない
何も、わかっていない
初春が、どうしてそんな目に遭ってしまうのか
…私の
私の、せいだ
私のせいなのに……
私のせいで、初春を傷つけているのに…
初春を……そんな目に遭わせたくない…なんて
…都合が、良すぎた
ただの、私の勝手な思い込みで
そのせいで、初春を追い詰める
326 = 217 :
佐天「…うっ……うぅっ…」
初春「…何、泣いてるんですか?」
佐天「…ひぐっ……うっ…うぅ……」
初春「泣きたいのはこっちですよ」
初春「…そうでしょう?佐天さん」
佐天「…うっ…うぅ…」
一人の親友も守ることが出来ない
守るどころか…
自分で、追い詰めて、傷付けて…
佐天「……うぅ…っ……」
初春「……」
佐天「……はぁ……はぁ…」
そんな私に…出来ることは…
327 :
全力支援
328 = 217 :
初春「……」
佐天「……はぁ…はぁ…」
初春「……」
佐天「………はぁ…」
初春「…やっと、泣き止みましたか」
佐天「……」
初春「…私は」
初春「あなたとの、このくだらない関係を…」
初春「…今、断ち切ります」
佐天「……」
初春「…なかなか」
初春「楽しかったですよ。あなたと過ごした日々」
佐天「……」
初春「それ以上に、不愉快な気持ちがたくさんありましたがね」
佐天「……」
329 = 217 :
ガシャ
初春「……お別れです」
佐天「……」
初春「…最後に…何か言い残すことは?」
佐天「……」
初春「…何も、ありませんか?」
佐天「……」
初春「…わかりました」
初春「…では…」
佐天「……が……と…」
初春「……?」
佐天「ありがとう、初春」
初春「……は?」
佐天「…ありがとう、初春」
初春「…何を…言ってるんですか?」
330 = 217 :
佐天「…ありがとう」
初春「……だから、何を……!」
佐天「…手袋」
初春「……え?」
佐天「…手袋、付けててくれて、ありがとう」
初春「…………!」
佐天「私ね、初春」
佐天「…もう、初春に…何もかける言葉がないの」
初春「………?」
佐天「……でも、嬉しいの」
初春「……え?」
佐天「…その手袋、付けて…」
佐天「…その引き金を引いてもらえることが」
初春「……っ」
331 = 217 :
佐天「…私にとって、もう、それだけで十分なの」
初春「……これは………寒いから……付けてるだけで……!」
佐天「……うん、ありがとう」
初春「……っ」
佐天「…もう、私は十分に幸せになったよ」
初春「……」
佐天「…だから、初春にも、分けてあげたい」
初春「…っ、勝手な…ことを…!」
佐天「…だからさ」
佐天「…その引き金を引いて、初春が幸せになれるんだったら…」
佐天「…私は、喜んでそれを受け入れようと思う」
初春「……っ!」
佐天「…だって私は」
佐天「…初春の、親友だから」
初春「……っ!」
332 = 217 :
佐天「…親友の幸せを願わないやつが、親友なんて……言えないでしょう?」
初春「………っ」
佐天「…親友を信頼できないやつが、親友なんて…言えないでしょう?」
初春「……め……て」
佐天「…だから、初春」
初春「……や……め…て…」
佐天「……私を―――」
初春「…やめて!!」
佐天「…!」
初春「…やめて、ください」
初春「…これ以上、あなたと、話していたら…」
初春「…頭が……痛い…」
佐天「……」
初春「…何が……何が、信頼、ですか…」
333 = 217 :
黒子『―…私たちは、あなたを信頼しています…―』
初春「……そんな……安っぽい……言葉……っ!」
黒子『―…ですから、あなたも…―』
初春「……そんな……そんな……」
黒子『―…私達を…―』
初春「………こと……ば……」
「――――初春様」
初春「…!」
御坂妹「…どうかなさいましたか?」
初春「……あ……」
御坂妹「…何か、躊躇うことでもあるのですか?」
初春「…………い、いえ」
御坂妹「…そうでしょう?」
御坂妹「あなたの目の前には今…絶好のチャンスがあります」
初春「……はい」
334 = 217 :
御坂妹「……なら……やることは、わかっていらっしゃいますよね?」
初春「………はい」
佐天「…っ、初春…!」
御坂妹「―――おっと」
佐天「…!」
御坂妹「…あなたには…もう何も言える権利はないはずですが?」
佐天「………っ!」
御坂妹「あなたは、勝負に負けた」
御坂妹「あなたが提案した、賭けにね」
佐天「……っ」
御坂妹「…ですから」
御坂妹「…潔く、負けた罰を……受けとるべきでは?」
佐天「………」
御坂妹「……ふふっ……それでいい」
佐天「……」
336 = 217 :
御坂妹「では、初春様」
御坂妹「…お願いします」
初春「…はい」
佐天「……!」
「―――やめなさい初春」
初春「え――――?」
佐天「――――!」
御坂妹「………!」
「…もう、やめなさい。初春」
初春「……あ…ああ…」
佐天「……あなたは……」
御坂妹「………白井……黒子……!」
337 = 217 :
黒子「……ふぅ」
黒子「……なんとか、間に合ったみたいですね」
佐天「……白井……さん」
黒子「…佐天さん」
佐天「……無事……だったん…ですね」
黒子「ふふっ……私が、簡単にやられるわけないでしょう?」
佐天「…ふふっ…そう、ですね………良かった……」
黒子「……佐天さん」
佐天「……?」
黒子「…本当に、すみません」
佐天「……え?」
黒子「…少し………少し、来るのが…遅れました」
佐天「……そ、そんな…」
黒子「……あなたを、そんなに傷付ける前に…」
黒子「……もっと早くに、来るべきでした」
338 = 217 :
黒子「……本当に、すみません」
佐天「……良いんです…!わ、私のことは…!私は、私は…白井さんを…巻き込んで…」
黒子「……ええ、そうですね」
佐天「……え?」
黒子「…巻き込まれましたよ、あなたに」
佐天「……っ、じゃあ……私を……恨んで…」
黒子「ふふっ…」
佐天「……?」
黒子「何を言っていらっしゃるんですか?」
佐天「…え…?…だ、だって……私の…せいで…」
黒子「ええ、あなたの『おかげ』で」
黒子「私は、随分と楽しませていただいていますよ?」
佐天「…え……?」
黒子「…佐天さん。……あなたは、何か勘違いをしていらっしゃいませんか?」
佐天「……?」
339 = 217 :
黒子「…あなたは、私の大切な友達です」
黒子「…そんなあなたが、そんな姿になるまで、頑張っていらっしゃる」
佐天「……!」
黒子「…これを……この私が、放っておくとお思いですか?」
佐天「……で、でも…」
黒子「だ・か・ら、勘違いしちゃダメですって」
佐天「……え?」
黒子「…正確には、あなたが、巻き込んだのではない」
佐天「……?」
黒子「…私が、自ら巻き込まれていっただけの話ですよ」
黒子「…馬鹿みたいに、首を突っ込んでいるだけの話ですわ」
佐天「……!」
黒子「だから、あなたが気に病むことは、何もない」
佐天「……でも……」
黒子「…ふふっ、納得いきませんか?」
341 = 217 :
黒子「…なら」
佐天「……?」
黒子「…これが片付いたら……パフェでも奢っていただきましょう」
佐天「……!」
黒子「それで…ちゃらですわ」
黒子「いいですね?佐天さん」
佐天「……は…はい!」
黒子「……ふふっ、よろしい」
初春「……白井…さん…?」
黒子「……あら、初春」
黒子「どうしたのですか?そんな物騒な物を持って」
初春「……こ…これ…は…」
黒子「…まったく…似合っていませんわよ?」
初春「……え……?」
342 = 217 :
黒子「あなたには、そんなもの、似合いません」
黒子「…違いますか?初春」
初春「……わ……わたしは……」
黒子「…そんなものを佐天さんに向けて、何をしていらっしゃるのですか?」
初春「…っ、私は…これで…」
黒子「…それで撃てば、何か変わるのですか?」
初春「……!」
黒子「…いいでしょう」
黒子「それで、何かがあなたにとって良い方向に行くと言うのなら…」
黒子「…試しに、引き金を引いてみてはどうですか?」
初春「………っ」
佐天「……」
黒子「巻き込まれるのが、嫌なんでしょう?」
黒子「佐天さんの友達だからという理由だけで、嫌な事態に巻き込まれるのが」
初春「………」
343 = 217 :
黒子「…確かに、嫌ですよね」
初春「………」
黒子「…でも、だからこそ……あなた方は、友達なんですよ」
初春「……!」
黒子「…辛いことを、分けあえ……楽しいことを、分かち合い…」
黒子「…その繋がりがあるからこそ……二人の世界がある」
黒子「…私は、友達とはそういう物だと思いますね」
初春「……っ!」
佐天「…白井さん……」
黒子「…ねぇ、初春」
黒子「…それで、いかがいたしますか?」
初春「……わ、私は……」
黒子「…その上で、まだ佐天さんを…」
佐天「…!白井さん!危ない!!」
黒子「――――!」
344 :
シェーンよりも早く支援
345 = 217 :
バシュン!!!
黒子「―――っと、危ないですわね」
御坂妹「……」
黒子「…ああ、そういえば……居らっしゃったんですね、あなたも」
御坂妹「……久しぶりの再会なのに、随分な挨拶ですね……白井様」
黒子「あなたこそ……なかなかのご挨拶ですわね」
御坂妹「邪魔しないでいただけますか?」
御坂妹「初春様は今、自分の意思でそこに立っていらっしゃるんです」
御坂妹「ですから、あなたに邪魔をする権利などない」
黒子「…ふふっ……何を言っていらっしゃるのですか?」
御坂妹「……私は、事実を……」
黒子「それは、おかしいですわねぇ…」
御坂妹「……?」
黒子「…本当に、初春の意思で、初春が佐天さんを殺そうとしているなら…」
黒子「……既に、初春は佐天さんの頭を撃ち抜いていても良いのでは?」
346 = 217 :
御坂妹「……」
黒子「なんせ、躊躇う意味がわかりませんからね」
黒子「自分が本当に殺したいと思うなら…」
黒子「さっさと引き金なんか引いてしまえば良いのに」
御坂妹「……死に損ないが、言いますね」
黒子「いえいえ……生き勝っただけの話ですわ」
御坂妹「…建物が崩壊して、生きていらっしゃるとは驚きです」
黒子「……ふふっ。お褒めいただき光栄ですわ……サンタさん」
御坂妹「…いえいえ…。…しかし、どうして生きていらっしゃるので?」
黒子「…どうして?」
黒子「そんなもの、あなた方が教えてくださったではありませんか」
御坂妹「……!?」
黒子「…なら、聞きますが」
黒子「…妹達は……あの倉庫にいた、妹達は…」
黒子「…一体、どこから来ていらしたんですか?」
347 = 217 :
御坂妹「…それは…」
黒子「…私達が入っていった別ルートでは…」
黒子「あの数の妹達が短時間で地下に一斉に来るのは不可能」
黒子「…なら、一体どこから?」
御坂妹「…っ、…まさか」
黒子「私がこうして生きているのは…」
黒子「…妹達の通ってきた『道』を、通ってきただけですわ」
御坂妹「…!」
黒子「…どうせ、隠れているだろうことはわかっていましたからね」
黒子「…それに、人質を救出しにきた私達を襲撃するのであれば……」
黒子「…人質が居る場所から近ければ近い方が良い」
黒子「…なら、後は一体どこから出てきたのか」
御坂妹「……」
黒子「…建物の崩壊が始まった直後、妹達は、不自然な行動に出始めました」
黒子「…おそらく、自分達がこの崩壊から巻き込まれない場所に、避難しようと考えたんでしょう」
348 = 217 :
黒子「…しかし、私達が来たときにはそんな場所は見当たらなかった」
黒子「…ですから……その妹達の行動が、彼女達の通ってきたもう一つの別ルートの存在を意味した」
御坂妹「……」
黒子「…私は、妹達に言いました」
黒子「『もう、テレポートするだけの体力も残っていない』と」
御坂妹「…!」
黒子「律儀に信じていただけて、こちらとしてもやり易かったですね」
御坂妹「……あれだけやって……まだ、妹達が出てきたもう一つのルートまで先にテレポートできたと?」
黒子「…ええ。…まぁ、実際ギリギリでしたけどね」
御坂妹「……っ」
黒子「先回りして、その道を塞ぐ作業もなかなか骨が折れましたが…」
黒子「…驚いたのは、そのルートが、地下5階の下……つまり、地下6階に存在したということ」
御坂妹「……」
黒子「しかも…」
黒子「そこを通っていけば、辿り着く先が……あなたがいる、この路地の近くであった」
349 = 217 :
御坂妹「……」
黒子「よくもまぁ…あんな手の凝った独自のルートを、作り出したものですね」
御坂妹「……」
黒子「……それで」
黒子「そのあなたの言う『死に損ない』が、こうしてわざわざ来てあげているのです」
黒子「…そろそろ、あなたの野望も…終わりにしてはいかがですか?」
御坂妹「―――寝言を」
ガシャ ガシャリ ガシャ
御坂妹「…あなたの能力も、そろそろ限界でしょう?」
黒子「……妹達の集団……ですか」
御坂妹「…仕方ありません」
御坂妹「…あなたから、排除しましょう」
黒子「……」
佐天「…白井さん!」
350 = 217 :
御坂妹「……よく、ここまで来てくれました」
黒子「……」
御坂妹「またあなたとお話ができて…感謝しています」
黒子「……」
御坂妹「……それでは……さようなら」
佐天「……白井さ……!!」
バババババババッ!!!!!
御坂妹「……」
御坂妹「…残念、でしたね」
御坂妹「惜しい人を、亡くしました」
佐天「…っ、白井…さん……」
初春「………っ」
御坂妹「…あなた方に悲しんでいる暇はありませんよ?」
佐天「…っ」
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- 妹「お兄ちゃんは何も言わないけどわかってるんだよ?」 (112) - [47%] - 2013/1/30 12:45 ★
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