私的良スレ書庫
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元スレサーシャ「第一の解答ですが、私は既に上条当麻と付き合っています」
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「おまけのゲコ太ケータイクリーナーここまでのお客様までとさせていただきまーす。申し訳ございませーん」
アイスクリーム屋の店員の営業スマイル全開のお詫びに御坂美琴は地獄に叩き落とされた。
まるで謀ったかのように御坂美琴の並ぶ前の客まででゲコ太ケータイクリーナーは品切れとなったのだった。
「終ったわ……私の人生。はは……」
30°ほど前のめりになる御坂美琴。
別にみんながみんなゲコ太ケータイクリーナー目当てではなく、単に地下街に生徒の多くがあふれたためにどの飲食店もキャパシティをオーバーしてしまったという話なのだが。
そんなことは御坂美琴には関係ない。
後輩の白井黒子達との誘いを断ってまで来たというのに。
いまさら列を抜ける気にもならず、仕方なくやけ食いをする決意をする。
程無くして、御坂美琴の客の前まで列が進んだ。
せめて実物をこの目で拝もうとそう思い、御坂美琴は目立たない程度に身を乗り出す。
アイスクリーム屋の店員の営業スマイル全開のお詫びに御坂美琴は地獄に叩き落とされた。
まるで謀ったかのように御坂美琴の並ぶ前の客まででゲコ太ケータイクリーナーは品切れとなったのだった。
「終ったわ……私の人生。はは……」
30°ほど前のめりになる御坂美琴。
別にみんながみんなゲコ太ケータイクリーナー目当てではなく、単に地下街に生徒の多くがあふれたためにどの飲食店もキャパシティをオーバーしてしまったという話なのだが。
そんなことは御坂美琴には関係ない。
後輩の白井黒子達との誘いを断ってまで来たというのに。
いまさら列を抜ける気にもならず、仕方なくやけ食いをする決意をする。
程無くして、御坂美琴の客の前まで列が進んだ。
せめて実物をこの目で拝もうとそう思い、御坂美琴は目立たない程度に身を乗り出す。
「あ、私このカエルいらなーい。ちょーきもいしー。チョコバニラ二つー」
そう言って前の客はチョコバニラを受け取るとテーブルに座ることなく地下街へ消えてゆく。
ゲコ太を馬鹿にされた怒りと喜びで、御坂美琴はわけのわからない感情に心躍った。
やけ食い用に何を食べるか忘れてしまったほどだ。
「次のお客様ー。ご注文をどうぞ」
「えっ! あっ、ゲコ太っ……じゃなかったチョコバニラを」
「申し訳ありません。チョコバニラは先ほどの――」
「すっストロベリーでいいですはい」
メニュー表の中からテキトーに選んで代金を支払う。
「では、こちらおまけのゲコ太ケータイクリーナー……です」
あまりにも嬉しそうな顔で受け取るので店員は若干引き気味だった。
そう言って前の客はチョコバニラを受け取るとテーブルに座ることなく地下街へ消えてゆく。
ゲコ太を馬鹿にされた怒りと喜びで、御坂美琴はわけのわからない感情に心躍った。
やけ食い用に何を食べるか忘れてしまったほどだ。
「次のお客様ー。ご注文をどうぞ」
「えっ! あっ、ゲコ太っ……じゃなかったチョコバニラを」
「申し訳ありません。チョコバニラは先ほどの――」
「すっストロベリーでいいですはい」
メニュー表の中からテキトーに選んで代金を支払う。
「では、こちらおまけのゲコ太ケータイクリーナー……です」
あまりにも嬉しそうな顔で受け取るので店員は若干引き気味だった。
御坂美琴は喜びの余りふらふらした足取りでテーブルに向かう。
あいにくテーブルはどこも誰かが確保していて座る席がない。
立ち食いでもまあ別にかまわないんだけどなどと考えていた時だ。
子供の泣き声が聞こえてきた。
「やーだぁーゲコ太ぁ。欲しぃ! ほーしーい!」
「わがまま言わないの。無いものは仕方ないでしょう」
おそらく高校生くらいの姉が、泣きじゃくる妹をあやしていた。
「……」
御坂美琴は右手でギュッとゲコ太を握りしめる。
「あのーよかったら、これ――」
あいにくテーブルはどこも誰かが確保していて座る席がない。
立ち食いでもまあ別にかまわないんだけどなどと考えていた時だ。
子供の泣き声が聞こえてきた。
「やーだぁーゲコ太ぁ。欲しぃ! ほーしーい!」
「わがまま言わないの。無いものは仕方ないでしょう」
おそらく高校生くらいの姉が、泣きじゃくる妹をあやしていた。
「……」
御坂美琴は右手でギュッとゲコ太を握りしめる。
「あのーよかったら、これ――」
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御坂美琴がゲコ太で地獄に突き落とされているころ、サーシャは茶色い包装紙を右手に持ち店から出てくるところだった。
「お待たせしました。上条当麻」
「いや、いや全然待ってないのですよははは」
上条当麻は緊張のあまりテンションがおかしい。
「指輪。ありがとうございます」
髪が少し揺れるくらい、サーシャは頭を下げた。
「んで、どうすんだこれ。さっそく付けさせてもらってもいいのか?」
「第一の解答ですが太陽光の下で行うのが決まりですので。第五の質問ですが貴方は何か地下に用事がありますか」
「オレは無いけど。サーシャは?」
「第二の解答ですがありません」
「じゃあ、地下街から出るか。んーとどっから出るのが近いだー。えーと」
地下街から出ると、少し目がくらんだ。
秋とはいえまだ夏の日差しのように感じられる。
思わず手をかざした上条当麻を見てサーシャは尋ねる。
「第六の質問ですが眩しいのですか」
「ん。ああ。サーシャは平気なんだな」
「第三の解答ですが鍛えてますから」
「……なるほど」
上条当麻としてはなるべく人通りの少ないところでゆっくり座って事をなしたい。
一応儀式に分類されるのだろうから、パッとつけてハイ終わりというわけにもいかないだろう。
地下から上がって少し歩くと人通りも薄くなり、空いているベンチも多くなってきた。
「あそこでいいかな」
「了解」
秋とはいえまだ夏の日差しのように感じられる。
思わず手をかざした上条当麻を見てサーシャは尋ねる。
「第六の質問ですが眩しいのですか」
「ん。ああ。サーシャは平気なんだな」
「第三の解答ですが鍛えてますから」
「……なるほど」
上条当麻としてはなるべく人通りの少ないところでゆっくり座って事をなしたい。
一応儀式に分類されるのだろうから、パッとつけてハイ終わりというわけにもいかないだろう。
地下から上がって少し歩くと人通りも薄くなり、空いているベンチも多くなってきた。
「あそこでいいかな」
「了解」
「お姉ちゃんありがとー」
「ありがとうございました」
二人から手を振られ笑顔で別れた御坂美琴は軽い溜息をついた。
自分でも馬鹿だなとは思う。
ただ、子供が泣くのはよくない。
あれはわがままとは違うのだ。店側のミスである。……たぶん。
だから、ほしい子供には手に入れる権利があるのだ。
御坂美琴はケータイのストラップを見て笑顔を作る。
ラヴリーミトンのゲコ太ストラップが笑顔で御坂美琴を見つめている。
まあいいか。私にはこれがあるんだから。
そう自分を納得させ、御坂美琴はアイスクリーム屋を後にする。
少し早いが、たまには門限を守ってみようかな。
御坂美琴は地下街から出るための階段へと向かった。
「ありがとうございました」
二人から手を振られ笑顔で別れた御坂美琴は軽い溜息をついた。
自分でも馬鹿だなとは思う。
ただ、子供が泣くのはよくない。
あれはわがままとは違うのだ。店側のミスである。……たぶん。
だから、ほしい子供には手に入れる権利があるのだ。
御坂美琴はケータイのストラップを見て笑顔を作る。
ラヴリーミトンのゲコ太ストラップが笑顔で御坂美琴を見つめている。
まあいいか。私にはこれがあるんだから。
そう自分を納得させ、御坂美琴はアイスクリーム屋を後にする。
少し早いが、たまには門限を守ってみようかな。
御坂美琴は地下街から出るための階段へと向かった。
「えーそれではですね。僭越ながら私こと上条当麻がリングを付けさせてもらうのですよ」
上条当麻の手より、幾分小さいサーシャの左手を右手で優しくもつ。
サーシャの手はロシアにいるからなのかひんやりしていて気持ちよかった。
左手で指輪を持ち、そっとサーシャの人差し指に通して行く。
「あ……」
不意に、上条当麻が声を上げ、手が止まる。
「ゴメンサーシャ。だめだ」
「第七の質問ですがダメとはどういうことでしょう」
サーシャは不安そうに顔をあげた。
「右手で指輪に触っちまった。えーと知ってるかもしれないけどおれの右手で触れたものは一切の異能の力が殺されちまうんだだから……」
「第四の解答ですが、それなら問題ありません。補足一。貴方に指につけてもらって初めて儀式的に意味が生まれます。補足二。今さら繋いだ手を離すつもりですか? 」
「あ……」
サーシャの左手はまだ上条当麻の右手とつながっている。
急に気恥ずかしくなって、かといって釘を刺された手前離すわけにもいかず。
「なるべく、指から遠いところを持つから……」
持ち方を変えもう一度、ゆっくりとサーシャの人差し指に指輪を通していく。
サーシャは不安そうに顔をあげた。
「右手で指輪に触っちまった。えーと知ってるかもしれないけどおれの右手で触れたものは一切の異能の力が殺されちまうんだだから……」
「第四の解答ですが、それなら問題ありません。補足一。貴方に指につけてもらって初めて儀式的に意味が生まれます。補足二。今さら繋いだ手を離すつもりですか? 」
「あ……」
サーシャの左手はまだ上条当麻の右手とつながっている。
急に気恥ずかしくなって、かといって釘を刺された手前離すわけにもいかず。
「なるべく、指から遠いところを持つから……」
持ち方を変えもう一度、ゆっくりとサーシャの人差し指に指輪を通していく。
「ええと。終わったということでよろしいのでしょうか?」
「肯定。無事儀式は完了した」
「ふぃ~」
上条当麻は体重をベンチにあずけ、溶けたアイスのようにぐにゃりとする。
「第八の質問ですが何をそんなにつかれているのですか」
「いやいやいや。男の子にしかわからない精神的葛藤があったんですよええ」
実際は勝手に上条当麻が盛り上がっただけなのだが。
地下街を出た御坂美琴はよからぬものを発見した。
カップルである。
しかも片方はよーく見知った相手だった。
片方は冗談みたいな身長、金髪、格好……なのにかわいいというよくわからない相手だった。
別段つけるつもりはなかった。たまたま偶然進行方向先のベンチに座られただけだ。
こちらが避けるのも癪だったし何やら真剣な様子だったので気付かないならそれもいいかなーなんて。
……
…………
……………………
「いいわけないでしょーーーがっ!!!!!!!!!」
「肯定。無事儀式は完了した」
「ふぃ~」
上条当麻は体重をベンチにあずけ、溶けたアイスのようにぐにゃりとする。
「第八の質問ですが何をそんなにつかれているのですか」
「いやいやいや。男の子にしかわからない精神的葛藤があったんですよええ」
実際は勝手に上条当麻が盛り上がっただけなのだが。
地下街を出た御坂美琴はよからぬものを発見した。
カップルである。
しかも片方はよーく見知った相手だった。
片方は冗談みたいな身長、金髪、格好……なのにかわいいというよくわからない相手だった。
別段つけるつもりはなかった。たまたま偶然進行方向先のベンチに座られただけだ。
こちらが避けるのも癪だったし何やら真剣な様子だったので気付かないならそれもいいかなーなんて。
……
…………
……………………
「いいわけないでしょーーーがっ!!!!!!!!!」
「ビリビリっ!」
精神力を使い果たし溶けたアイス状態の上条当麻は反応が遅れる。
「アンタはいっつも違う女連れてるわねっ!!」
飛んでくる電撃を打ち崩したのは上条当麻の右腕ではなく。サーシャだった。
どこから取り出したのかわからないノコギリを一瞬で御坂美琴の喉元に突き付ける。
「第一の質問ですが、貴方は上条当麻の敵か?」
「――っ! 舐めんじゃないわよっ!」
異変を感じサーシャがノコギリから手を離す。
御坂美琴の二撃目を受け稲妻をまとったノコギリが地面に落ちる。
カランと落下音がする頃には二人は距離をとりサーシャはバールを御坂美琴はコインを握っていた。
精神力を使い果たし溶けたアイス状態の上条当麻は反応が遅れる。
「アンタはいっつも違う女連れてるわねっ!!」
飛んでくる電撃を打ち崩したのは上条当麻の右腕ではなく。サーシャだった。
どこから取り出したのかわからないノコギリを一瞬で御坂美琴の喉元に突き付ける。
「第一の質問ですが、貴方は上条当麻の敵か?」
「――っ! 舐めんじゃないわよっ!」
異変を感じサーシャがノコギリから手を離す。
御坂美琴の二撃目を受け稲妻をまとったノコギリが地面に落ちる。
カランと落下音がする頃には二人は距離をとりサーシャはバールを御坂美琴はコインを握っていた。
これはビリビリの電気で指輪になんか起こって泣いちゃうパターン!
「第一の質問をもう一度。貴方は上条当麻の敵か?」
「アンタこそ、そこのバカのなんなのよ?」
「ハイッ! バンザーイ」
緊迫した空気を破ったのは上条当麻だった。
御坂美琴の両腕を右手で捕まえ左手でわしゃわしゃと頭をこねくり回す。
「ちょっ、バカやめ……」
「サーシャもストップな。あれだこいつのはスキンシップなんだよ。なっ御坂」
言いながらも上条当麻は御坂美琴の頭をこねくり回すのをやめない。
「ちがっ、やめな……やめなさいよぅ」
抵抗している割に頬を赤らめ、弛緩した表情を認めサーシャもバールを納める。
「アンタこそ、そこのバカのなんなのよ?」
「ハイッ! バンザーイ」
緊迫した空気を破ったのは上条当麻だった。
御坂美琴の両腕を右手で捕まえ左手でわしゃわしゃと頭をこねくり回す。
「ちょっ、バカやめ……」
「サーシャもストップな。あれだこいつのはスキンシップなんだよ。なっ御坂」
言いながらも上条当麻は御坂美琴の頭をこねくり回すのをやめない。
「ちがっ、やめな……やめなさいよぅ」
抵抗している割に頬を赤らめ、弛緩した表情を認めサーシャもバールを納める。
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