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元スレキョン「ハルヒに暇を出された」
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理由を求めて俺は走った。
しかし理由は得られていない。
ならば、その先にある結果を見据えて、俺たちは動かなくてはならない。
「…長門、ハルヒはどこだ?」
「分からない。私たち自身が特異空間にいると判明した以上、
さっき話した通りもう感知能力は信用できない」
閉鎖空間。
そう、いやにカラフルな、色づいたこの世界。
秋色に色づいた木々。早まった橙の夕焼け。
笑う人々。いない神人。
どこもかしこも、あの灰色の空間とは似ても似つかないというのに。
しかし理由は得られていない。
ならば、その先にある結果を見据えて、俺たちは動かなくてはならない。
「…長門、ハルヒはどこだ?」
「分からない。私たち自身が特異空間にいると判明した以上、
さっき話した通りもう感知能力は信用できない」
閉鎖空間。
そう、いやにカラフルな、色づいたこの世界。
秋色に色づいた木々。早まった橙の夕焼け。
笑う人々。いない神人。
どこもかしこも、あの灰色の空間とは似ても似つかないというのに。
もうSOS団の中に、あいつが消すべき人間は二人しかいない。
ならば、俺は…。
俺はふと時間を見る。
時計の針が、とうの昔に昼休みが終わっていることを告げる。
話に集中する余り、意識の遠くでとらえるにとどまったらしいチャイムの音。
唐突。扉が開く音。
早鐘。俺は入り口の方に顔を向ける。
団長?神?何者なのか。
涼宮ハルヒがそこに立っていた。
ならば、俺は…。
俺はふと時間を見る。
時計の針が、とうの昔に昼休みが終わっていることを告げる。
話に集中する余り、意識の遠くでとらえるにとどまったらしいチャイムの音。
唐突。扉が開く音。
早鐘。俺は入り口の方に顔を向ける。
団長?神?何者なのか。
涼宮ハルヒがそこに立っていた。
昨日以来のその顔。
やや、うつむきながらの入室。
「よう、ハルヒ」
「…なんでここにいるの?授業は?」
普段なら「お前には言われたくない!」と返すところだが、
今日は違う。
…俺の決意は固まっていた。
本当にハルヒが二人を消したなら。そして本当にそのトリガー、いや合図が、
SOS団からの追放ならば。
…やられる前にやってやる。
やや、うつむきながらの入室。
「よう、ハルヒ」
「…なんでここにいるの?授業は?」
普段なら「お前には言われたくない!」と返すところだが、
今日は違う。
…俺の決意は固まっていた。
本当にハルヒが二人を消したなら。そして本当にそのトリガー、いや合図が、
SOS団からの追放ならば。
…やられる前にやってやる。
「ハルヒ、そのままでいい。俺の話を良く聞け」
「…あんた…何様のつもり?」
いつもなら軽くいなせるはずのその言葉。
しかし今目の前にいるこの女は、考えられないほどの威圧感を放っていた。
だが俺もひるまない。
あいつが俺の顔を見ていなかろうが、こっちはお前の顔を見据えて言ってやる。
「何様だろうと関係ない。もうこれまでだ」
いつもより凄みを効かせたつもりの言葉。
しかしハルヒはこちらを向かない。
俺は構わず、続きを言った。
「いいか、俺と長門は今この瞬間、SOS団をやめる」
「…あんた…何様のつもり?」
いつもなら軽くいなせるはずのその言葉。
しかし今目の前にいるこの女は、考えられないほどの威圧感を放っていた。
だが俺もひるまない。
あいつが俺の顔を見ていなかろうが、こっちはお前の顔を見据えて言ってやる。
「何様だろうと関係ない。もうこれまでだ」
いつもより凄みを効かせたつもりの言葉。
しかしハルヒはこちらを向かない。
俺は構わず、続きを言った。
「いいか、俺と長門は今この瞬間、SOS団をやめる」
ここ二日で初めて、ハルヒが俺の顔を見る。
何の意味もないのかもしれない。
ハルヒが本気で俺たちを消そうと考えたら、こんなことは何の抵抗にもならないだろう。
だがやられっぱなしでいられるか。
最後に、自分でケジメをつけてやる。
ここまで覚悟を決めておいて、ハルヒ本人を力ずくで黙らせるという行為に出ない俺は、
…なんなんだろうな。
正義感をあふれる若者か。あるいはただの臆病者か。
まあ、どっちでもいいさ。
言いたいことをすべて言い、長門を連れて部室から出て行こうとしたその時…
「…待ちなさいっっ!!」
俺が聞いたことのある中でも一、二を争う大声で、ハルヒが吼えた。
何の意味もないのかもしれない。
ハルヒが本気で俺たちを消そうと考えたら、こんなことは何の抵抗にもならないだろう。
だがやられっぱなしでいられるか。
最後に、自分でケジメをつけてやる。
ここまで覚悟を決めておいて、ハルヒ本人を力ずくで黙らせるという行為に出ない俺は、
…なんなんだろうな。
正義感をあふれる若者か。あるいはただの臆病者か。
まあ、どっちでもいいさ。
言いたいことをすべて言い、長門を連れて部室から出て行こうとしたその時…
「…待ちなさいっっ!!」
俺が聞いたことのある中でも一、二を争う大声で、ハルヒが吼えた。
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こんなに次レスが待ち遠しいのは初めてだ!
>>1がんばれ!
>>1がんばれ!
俺は立ち止まる。いや立ち止まらざるを得なかったといえるだろう。
本校舎まで届いたんじゃないかというけたたましい声を聞き、
ケジメをつけたことで少し落ち着いていた心臓がまた、早鐘を打ち始める。
振り返る。長門も俺に続く。
ハルヒはさっきと同じように俺を見ていた。
「あんたたちが勝手に辞めるなんて許さないわ。団長は私なんだから」
「だからなんだ!どうせ俺たちもクビにするつもりだったんだろうが!」
今度は俺が声を張り上げる。
「…あら、やっぱり気づいてたんだ?」
本校舎まで届いたんじゃないかというけたたましい声を聞き、
ケジメをつけたことで少し落ち着いていた心臓がまた、早鐘を打ち始める。
振り返る。長門も俺に続く。
ハルヒはさっきと同じように俺を見ていた。
「あんたたちが勝手に辞めるなんて許さないわ。団長は私なんだから」
「だからなんだ!どうせ俺たちもクビにするつもりだったんだろうが!」
今度は俺が声を張り上げる。
「…あら、やっぱり気づいてたんだ?」
やはり俺は怖れているのか?
こいつを怖いと認識しているのか?
…いや、こいつはさっきの大きな声以外は、あくまで普段通りの
口調だった。
ではなぜ?
…決まってる。
消えるのが恐ろしいからだ。
長門がそういう恐怖を感じているのかはわからないが、
少なくとも俺は…消えたくない。
もっと生きていたい。
そしてもっと…。
こいつを怖いと認識しているのか?
…いや、こいつはさっきの大きな声以外は、あくまで普段通りの
口調だった。
ではなぜ?
…決まってる。
消えるのが恐ろしいからだ。
長門がそういう恐怖を感じているのかはわからないが、
少なくとも俺は…消えたくない。
もっと生きていたい。
そしてもっと…。
扉から今にも出て行きそうな俺たちに背を向け、
ハルヒは窓の方を見る。
「勝手にやめるのは許さない…。でも大丈夫よ」
ハルヒは、再びこちらを向いた。
「私が直々にクビを切ってあげるわ。
二人とも、部室の外に出なさい」
直接手を下しての追放。
それは執念なのか?あるいは恨み…でもあるのだろうか?
言われたとおり、表に出る俺と長門。
ドアのところまで出てきたハルヒが、最後の宣告をする。
「有希、キョン、あんたたち…明日から来なくていいから」
ドアノブが引かれる。
見慣れた扉が、大きな音をたてて閉まる。
まるで、もう集まることのない団員の名残を、惜しむかのように。
ハルヒは窓の方を見る。
「勝手にやめるのは許さない…。でも大丈夫よ」
ハルヒは、再びこちらを向いた。
「私が直々にクビを切ってあげるわ。
二人とも、部室の外に出なさい」
直接手を下しての追放。
それは執念なのか?あるいは恨み…でもあるのだろうか?
言われたとおり、表に出る俺と長門。
ドアのところまで出てきたハルヒが、最後の宣告をする。
「有希、キョン、あんたたち…明日から来なくていいから」
ドアノブが引かれる。
見慣れた扉が、大きな音をたてて閉まる。
まるで、もう集まることのない団員の名残を、惜しむかのように。
廊下を歩く。
長門と一緒に。
こいつはさっきからずっと沈黙を守っている。
一旦長門の教室に寄り、長門の荷物を回収する。
そして次は俺の教室だ。
すでに時間は放課後。
教室の入り口で、帰り際の谷口と国木田に会う。
長門と一緒に。
こいつはさっきからずっと沈黙を守っている。
一旦長門の教室に寄り、長門の荷物を回収する。
そして次は俺の教室だ。
すでに時間は放課後。
教室の入り口で、帰り際の谷口と国木田に会う。
「な!お前…長門と一緒に校内を歩くとはいい度胸だな」
実に谷口らしい発言だ。
続いて、国木田も口を開く。
「どうしたの二人とも?部活じゃないの?」
さすがは国木田、まともな質問だ。
それだけに俺たちにとってはありがたくないんだが。
「ああ、実はな…。ハルヒに暇を出された」
「何ぃ?何かあったのか?」
谷口が詰め寄る。
「…何も。ただの休みだよ。ここんとこしばらく休みがなかったからな」
実際は暇を出されたわけではない。
だがクビになったなんて言えば、さらなる質問攻めを受けることになるだろう。
ましてや、「たった今、神に抗ってきたところだ」なんて、言えるはずもない。
実に谷口らしい発言だ。
続いて、国木田も口を開く。
「どうしたの二人とも?部活じゃないの?」
さすがは国木田、まともな質問だ。
それだけに俺たちにとってはありがたくないんだが。
「ああ、実はな…。ハルヒに暇を出された」
「何ぃ?何かあったのか?」
谷口が詰め寄る。
「…何も。ただの休みだよ。ここんとこしばらく休みがなかったからな」
実際は暇を出されたわけではない。
だがクビになったなんて言えば、さらなる質問攻めを受けることになるだろう。
ましてや、「たった今、神に抗ってきたところだ」なんて、言えるはずもない。
学校を出る。
神に致命的なクーデタを起こしたばかりの俺たちは、
ゆく当てもなく、ただ坂道を下りる。
おとといや昨日と違い、まだ夕方にはなっていない。
ぶらぶら歩いて、気がつけば目の前にはいつしかの公園。
長門が俺を呼び出した、あの公園だ。
適当にベンチを見つけ、長門と一緒に座る。
「長門…図書館でも行くか?」
長門は首を振る。
最後に望むのは、本を読むことではないらしい。
あっという間の時間。あたりにおり始める夜の帳。
結局、想い出を探しても、浮かぶのはSOS団のことばかり。
その皮肉さが、不思議と俺を冷静にさせる。
「死」と「消失」はどう違うのだろうか。
古泉や朝比奈さんは、消えてもその存在はまわりに記憶さていた。
ならば…。
長すぎる走馬灯のごとき省みが、
ゆっくりと、その時が近づいていることを知らせているような気がした。
神に致命的なクーデタを起こしたばかりの俺たちは、
ゆく当てもなく、ただ坂道を下りる。
おとといや昨日と違い、まだ夕方にはなっていない。
ぶらぶら歩いて、気がつけば目の前にはいつしかの公園。
長門が俺を呼び出した、あの公園だ。
適当にベンチを見つけ、長門と一緒に座る。
「長門…図書館でも行くか?」
長門は首を振る。
最後に望むのは、本を読むことではないらしい。
あっという間の時間。あたりにおり始める夜の帳。
結局、想い出を探しても、浮かぶのはSOS団のことばかり。
その皮肉さが、不思議と俺を冷静にさせる。
「死」と「消失」はどう違うのだろうか。
古泉や朝比奈さんは、消えてもその存在はまわりに記憶さていた。
ならば…。
長すぎる走馬灯のごとき省みが、
ゆっくりと、その時が近づいていることを知らせているような気がした。
唐突に、長門の姿が足元から消え始めた。
「長門!」
「大丈夫、痛みはない」
そういうことじゃなくてだな…。
と思いつつ、不思議と落ち着いている俺がいるのは確かだ。
長門は情報操作などを試みようともしていないようだ。多分わかっているんだろう。
神の力には抗えないということを。
古泉も、朝比奈さんも、その消える瞬間を看取ることは出来なかった。
ならば、せめて長門だけは…。
「私はあなたたちに会えてよかった。あなたに会えてよかった。
…さようなら」
明瞭で、短いその言葉。
そうして、ベンチに腰掛けるのは、俺だけとなった。
「長門!」
「大丈夫、痛みはない」
そういうことじゃなくてだな…。
と思いつつ、不思議と落ち着いている俺がいるのは確かだ。
長門は情報操作などを試みようともしていないようだ。多分わかっているんだろう。
神の力には抗えないということを。
古泉も、朝比奈さんも、その消える瞬間を看取ることは出来なかった。
ならば、せめて長門だけは…。
「私はあなたたちに会えてよかった。あなたに会えてよかった。
…さようなら」
明瞭で、短いその言葉。
そうして、ベンチに腰掛けるのは、俺だけとなった。
>>247
sageのままになっておるよ
sageのままになっておるよ
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