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    元スレ普通ジャンル「普通の女」

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    51 = 1 :

    三日後

    (食堂でぼっち飯うめえな)

    (……ん、あれは女さん)

    (ぼっちで食ってるとこ見られたくないな)

    (気配を消そう……)

    「あの、男くん?」

    「エアッはい!」

    「やっぱり!会えてよかったー」

    「え、ええ?」

    (これなんてエロゲ)

    「ごめんなさい」

    (えー!?)

    52 :

    ふむ

    53 = 21 :

    食堂のぼっち飯は目立つ

    54 = 1 :

    「実はこの前のノート間違って持って帰っちゃって……」

    ペラッ

    「あー」

    「だいじょぶ、気付かなかったから」

    「そういう問題じゃないじゃないですか!」

    「ほんとごめんなさい!」

    「いやー、ほんと、全然」

    (いや、マジでそんな)

    「はー。よかったー……」

    「男くん勉強してそうだから困ってるかなって」

    「いやー、家では全然してない」

    55 :

    二人ともいいキャラしてんな

    56 = 19 :

    端っこに居ればなんとか

    57 = 1 :

    「隣いいですか?」

    「だいじょぶっす」

    (俺死ぬわ)

    「もしかしてお昼一人で食べる派?」

    (死んだ)

    「いやー……うん、最近は結構……」

    「あー、わかりますよ」

    (え?)

    「いつも友達と食べるのも疲れるよねー」

    「あ、タメ語混じりでごめんなさい」

    「いや俺もなんでっ同級生だしそこは別に」

    (友達いない訳じゃないんだ)

    58 = 1 :

    「あー俺そろそろ講義だから……」

    「ほい。お疲れ様ー」

    「お疲れっすー」

    (……とんでもなく消耗した)

    (まともに講義を受けられるだろうか)

    (相変わらずテンパってるなー)

    (でもいい人だなー。ほんとに)

    (私も人に優しくしよう……なるべく)

    59 = 33 :

    (友達いない訳じゃないんだ)

    素直すぎだろ

    60 :

    なんかリアル

    61 = 1 :

    四日後

    「こんちはー」

    「どもっす」

    「……えー!」

    「えー……?」

    「これペプシコモドオオトカゲ味じゃないですか!」

    「ああ、うん……いつもの不味いシリーズの」

    (しまった。店頭に並んでたからいつもの癖でつい……)

    「これ美味しいんですかね。飲みました?」

    「めっちゃ不味かった」

    「えー!何で買ったんですか!」

    「ははは……」

    (何でだろうか……)

    62 = 1 :

    「一口飲んでみていい?」

    「えっいいの?」

    「ん?」

    「いやっ。飲んでいいよ」

    (……間接キスに耐性ないのかー!)

    (そのまんまだなこの人は……)

    ゴクッ

    「……ありがとう」

    「どう?」

    「ちょっとムリかな……」

    「だよね、こりゃムリだ。後で捨てちゃおっかな」

    「あはは」

    (家宝にしたい)

    63 = 52 :

    ふむふむまほるむ

    64 :

    いいじゃん

    65 = 60 :

    >>62
    俺もこのパターンあって同じこと考えたわwwww

    66 = 11 :

    男を見下しまくりワロタ…

    67 = 1 :

    キーンコーンカーンコーン

    講師「うーい、終わりー」

    「あー、もう試験再来週かあ」

    「だるいなあ」

    「ほんとねー」

    「じゃ、お疲れ様ー」

    「お疲れっす」

    (なんか俺、結構自然に喋れてね)

    (始まったのか?俺の大学生活始まったのか?)

    68 :

    普通じゃないな

    69 = 1 :

    男のアパート

    「……ペットボトル」

    「持って帰って来てしまった」

    「……」

    「……」

    「……」

    70 = 16 :

    やめーや

    71 = 1 :

    帰路

    「てな感じで、最近結構話すんだわ」

    女友「ほ~。男くんってオタクっぽい人でしょ?」

    「うんー」

    女友「どうなの?」

    「普通だよ」

    女友「あー、普通かー」

    「ちょっとテンパってるけど普通っちゃ普通」

    「でもめっちゃいい人で、ノート貸してくれるしー」

    女友「便利みたいな?」

    「ちょ、いや、そんなんじゃないから!」

    女友「はは。いい奴なんだ」

    「そうだよー」

    72 = 11 :

    ペッ…ペットボトル…(迫真)

    73 = 1 :

    男のアパート

    「……いや」

    ガシャコン

    「ゴミはゴミ箱へ……」

    74 = 16 :

    ゴミ箱「間接キスうまー」

    75 = 1 :

    一週間後

    「男くんは試験勉強とかする~?」

    「いや、試験前は別に」

    「ノート見返したりもしないの?」

    「講義聞いてるからそれで十分かな」

    (うちではネトゲで忙しいし……)

    「えー。そっかあ」

    (……嫌味に聞こえなかったかな)

    「ノート見返さないのかあ……」

    (……もしかしてノート貸して欲しいのか?)

    「勉強しないとなあ。めんどくさー」

    「ノート貸そうか?」

    76 = 11 :

    きぃぃ!あざとい女!

    77 = 1 :

    「え!」

    「いやいや、勉強は自分で頑張るよ!」

    「使わないからいいよ」

    「大丈夫だよー。ありがとね」

    「そか」

    (違うのか?よかったのか……?)

    キーンコーンカーンコーン

    講師「うーい」

    「はじまるね」

    「ん」

    78 = 16 :

    便利くん!

    79 = 1 :

    キーンコーンカーンコーン

    講師「来週はテストだかんな。勉強してこいや」

    「ふー」

    「おつかれ」

    「なんか疲れるわこの講義」

    (俺が隣にいるせい……じゃないよな)

    (そうなら席移るよな……)

    「疲れない?」

    「俺はこの講義、好きだよ」

    「えー、変わってるなあ」

    「そうかな」

    (講義が好き、か……)

    「ま、講義前に喋ってるのは楽しいけどね」

    「あ……」

    80 = 1 :

    「じゃ、お疲れ様ー。試験がんばろうねー」

    「……お疲れ様。また」

    (楽しい、か)

    (……)

    (来週試験で……この講義が終わって)

    (その後も女さんに会えるのだろうか?)

    (……いや、これ以上何を望むんだ……)

    81 = 1 :

    女のアパート

    (あ、またアドレス聞きそびれたな)

    (うーん)

    (でも連絡することも別にないし……)

    (連絡……)

    (あれ、試験終わったら男くんと会えなくなる?)

    (んー、それは参ったなあ)

    (んー?)

    (参った?参るのかな、私?)

    82 = 64 :

    メアドくらい聞いとけ
    ってあの頃の自分にもいいたい
    試験前にコピーする時しか話さない子だったけど

    83 = 1 :

    一週間後

    「おはよー……」

    「おはよ。お昼だけど」

    「一夜漬け?」

    「そうなんす……」

    「そっか」

    「……」

    「……」

    「男くん、やっぱり勉強してこなかった?」

    「うん。まあなんとかなるかなって」

    「うわー。女の敵だ……」

    「えー……」

    84 = 1 :

    「そろそろかな」

    「あと1分」

    「あー、もうちょっとノート見とこうかな」

    「うん」

    「……」

    「やー。やめた」

    「大丈夫なの?」

    「まーなんとかなるかなーって」

    「……今の俺の真似?」

    「オウム返し!」

    「もしかして、ポケモン好き?」

    「え!うん、実はねー」

    キーンコーンカーンコーン

    85 = 1 :

    「あ……よし、がんばろう!」

    「……うん。がんばろ」

    …………

    キーンコーンカーンコーン

    「燃え尽きたわー……」

    「お疲れ様」

    「ほんとねー」

    「どうだった?」

    「問2がなー全然自信ない」

    「ああ、あそこは柿本人麻呂うんぬんかんぬん」

    「なんだ、合ってるかも……」

    「そっか、良かった」

    86 = 9 :

    そうなんすやめーやwwwwww

    87 :

    見てて痛々しい
    だがそこがいい

    88 = 1 :

    「……」

    「……」

    「えっと」

    「男くんごめん、私友達待たせてるから、行くね」

    「あ……うん」

    「また見かけたら声かけてね!」

    「うん、またね」

    タッタッタ

    (行ってしまった……)

    89 = 55 :

    ああ

    90 = 1 :

    (それから何度か彼女を見かけることはあったが)

    (俺から彼女に声をかけることは一度もなかった)

    (彼女から声をかけてくることも何度かあったが)

    (大した会話にならず、顔を合わせるのが少し気まずく思えた)

    (卒業式でも、ただ一人俺に声をかけてくれたが)

    (それ以来彼女と会うことはなかった)

    91 = 52 :

    なんと

    92 = 16 :

    はい

    93 = 33 :

    ですよねー…

    94 :

    リアルすぎぃ

    95 :

    普通だな・・・

    96 = 21 :

    SSくらい夢見たかったは

    97 :

    あーあ

    98 = 64 :

    そうなるよな

    99 = 1 :

    男のアパート

    「この部屋とも今日でお別れか」

    「えっと、この資料はこっちで……」

    「これは……ん?」

    「懐かしいな……あの時のか」

    彼女に貸したあの日のノート

    「はは、何だか虚しいな、おい……」

    敷き詰められた素っ気ない文字

    ペラッ

    その間隙を見つけて描かれた

    「!」

    水色のモンスター

    「……こちらこそ」

    伸びた吹き出しに丸い文字
    『ありがとね!』

    おわり

    100 = 52 :

    切ないな、おつ


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