元スレ既出ジャンル「白虎少女」
新ジャンル覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
1 :
男「暇だな」
男「天気もいいし……
バイト代も入ったし、どっか行こうかな」
男「……どっか」
男「……」
男「映画でも行くか」
2 = 1 :
男「映画館についた」
男「一人なのは俺くらいか」
男「だからどうということもないが」
男「何見ようかな」
男「……」
男「どれもピンとこない……」
男「……映画はやめにしよう……」
3 = 1 :
男「……」
男「結局ここに来てしまった」
男「VIP動物園……」
男「いつもながら誰もいねえ」
飼育員「あっ、男さん! 」
男「飼育員」
飼育員「今象の餌をやりにいってて……って
そんなこと聞いてないですよね! ごめんなさい」
男(騒がしいな)
4 = 1 :
男「確かに俺、休みのたびにここに来てるな」
男「中学のときから暇さえあれば来てるな」
男「そんなに近いわけじゃないんだがな」
男「……」
男「お」
男「おう。おはよう、シロ」
シロ「……」
5 :
ケモナーだが構わん続けろ
6 = 1 :
男「お前はいつも朝からシャキッとしてるな」
シロ「……」
男「まあホワイトタイガーだしな」
シロ「……」
男「つーかいまさらなんだが
なんでホワイトタイガーがこんな寂れた園にいるんだ?」
シロ「……」
男「ホワイトタイガーで確かアレだよな。レアだよな。
確か神の使い……だっけ、そんなアレなんだよな」
シロ「……」
8 = 1 :
男「まあ……そんなこと……どうでもいいか……ふああ……
こうやってベンチに座ってると眠くなってくるわ……」
シロ……」
男「あ……おれ、きのう……深夜シフ…トで……ねm……ぐう」
シロ……」
シロ「がお」
男「!! うおおお!」ドサッ
男「うぉおお……ビックリした
ビックリしてベンチから転げ落ちちゃったぜ……」
シロ「……」
9 = 1 :
男「急にトラみたいな声出すなよな……やれやれ」
シロ「……」
男「おっと、トラみたいっつーか、お前トラだったな。
いつのまにか、人間の友達みたいに思ってたよ」
シロ「……」
男「……シロが人間だったらいいのにな……」
男「……帰るか」
男「また来るぜ、じゃあな。シロ」
シロ「……」
10 :
白虎野の娘?
11 :
嗚呼マントルが饒舌に火を吹き上げて
12 :
ちょっと説明的なセリフがアレ
13 = 1 :
男「っと。出る前にトイレに行っておくか」
……
ジュンジュワー
……
男「ふう、すっきり」
「……」
てくてく
男「帰りに本屋にでも寄ろう」
「……」
てくてく
男「……」
「……」
てくてく
14 = 1 :
男「……」
「……」
てくてく
男「つーか誰ですか、あなた 」
「! 」ビク
男「俺になんか用ですか」
「……別に」
男「名前は?」
「……」
男「……」
16 = 1 :
男(なんだこの女……)
男(この寒いのに半袖Tシャツ一枚だし。見てるこっちが寒くなる)
男(だいたいその白い髪はなんだ。コスプレか?
アレンか?ギンコか?セフィロスか?)
男(とにかく普通じゃないな。関わらないのが得策だろう)
男「……えーっと、じゃあ、俺は帰るから」
「……そうか」
男「……じゃ、じゃあな!」
ダッ
男(なんだ、なんなんだこの……何ともいえない感じは……! )
17 = 1 :
〝……シロが人間だったらいいのにな……〟
男「まさか、いやいや、そんな、アニメや漫画じゃあるまいし」
男「……まさか……」
男「……」
飼育員「あっ、男さん! 」
男「! 飼育員」
飼育員「 ?どうしたんですか?そんなに慌てて 」
男「い、いや、その、逃げ出したりとかしてないか?猛獣……
そう、たとえば、その、ホワイトタイガーとか」
飼育員「は、はい? ホワイトタイガー?
やだなあ、男さん。
そんなのがこんな動物園にいるわけないじゃないですかあ」
18 :
白虎隊かと
19 = 1 :
男「! なに言ってんだ、シロがいるじゃねーか」
飼育員「シロ……?……うちにいる虎は
ハナコちゃんとリュウタくんだけですよ? 」
男「そ……そんなはず……」
男「だって、今だって、」
飼育員「お、男さん? 」
男「……」
ダッ
~シロの檻の前~
男「……いない……シロの看板も……
シロのいた形跡の全てが……無くなっている」
男「……そんな、どうなって……」
「ぐー」
男「!! 」
20 = 1 :
男「お前さっきの……って……寝てるのか」
「ぐう……」
男「おい、こんなとこで寝たら風邪引くぞ」
ユサユサ
「むうう……むにゃむにゃ」
男「おい、起きろよ」
「……」むくっ
「 ……帰ったんじゃなかったのか」
男「か、帰るよ。その、ちょっと忘れ物しただけで……」
「そうか」
21 = 1 :
男「……」
「……」
男「……隣に座ってもいいか」
「勝手にしろ」
男「……」
ストン
「……」
男「……寒くないのか」
「ない」
男「鳥肌立ってるぞ」
「……」
22 = 1 :
男「ほら、これ着ろよ」
「……いらん。寒くなど無い」
男「着ろって。見てるこっちが寒くなる」
パサ
「……」
男「……」
「……」
男「いやいや。羽織ってないで着ろよ」
「……わからない」
男「……着方が? 」
「ああ」
23 = 1 :
男「……ほれ、着せてやるから。腕通して」
「……」
男「ちゃんと腕通せって」
「……」
男「よし、これでおk。暖かいだろ? 」
「これはなんというのだ」
男「ユニクロのダウンだよ」
「ゆにくろのだうん?……そうか、あたたかいな」
男「それはよかった」
「……」
24 = 1 :
男「……」
「……」
男「……」
「……」
男「……あのさあ」
「ん」
男「……」
男「お前、もしかしてシロなのか?」
「!……」
「……」
「……」コク
25 :
白虎隊じゃないのか……
26 = 1 :
男「なんで人間になれたんだ」
シロ「わからない。ただ」
男「?」
シロ「お前が、私が人間だったらいいと言ったとき
あれがきっかけになっていたと思う」
男「そ……そうか。あの時か……」
シロ「……」
男「じゃあ、お前の存在がこの園から無かったことになってるのは」
シロ「私には何もわからない」
男「……」
男「……そうか」
27 = 1 :
男「それで、お前これからどうするつもりなんだ」
シロ「わからない」
男「……」
シロ「朝起きたら全て元に戻っているかもしれない。
だからとりあえず今日はここで眠ろうと思う」
男「ここで?いやいや、それはまずいだろう。というか
警備員かなんかに追い出されると思うぞ」
シロ「……」むう
男「なんだったらうちにくるか」
シロ「……は?」
男「どうせ一人暮らしだし。
どうやらこうなってしまった一因は俺にあるみたいだしな」
シロ「しかし」
男「いいっていいって」
28 = 1 :
~男の家~
男「さ。メシの用意が出来たぞ。いただきます」
シロ「……なんだ、これは」
男「何って、飯だよ飯。どうぞ、遠慮なく」
シロ「……なまにく」
男「生肉だよ。だってお前虎だろう」
シロ「……お前の食っているそれはなんだ」
男「チャーハンだけど」
シロ「ではそれと生肉を取り替えてやろう」ずいっ
男「は?あ、おいおい。生肉を手でつかむな」
シロ「遠慮せず食え」
男「俺が悪かったから素手で掴んだ肉を差し出すな
チャーハンもう一皿作るから」
29 :
支援
今から寝るつもりだったのにな
31 = 1 :
……
男「なあ、なんか服貸そうか」
シロ「? いいや、これで充分あたたかいが」
男「いやしかし。ずっと部屋の中でダウンを着ていられると
こちらも落ち着かない」
シロ「そういうものか」
男「お前も動きづらいだろ。とりあえず着替えたらどうだ」
シロ「では、これを貸してもらおうか」
男「いいのか、それで」
シロ「これがいい」
男「そうか。まあお前がそれでいいならそれでいいが」
32 = 1 :
シロ「……」
男「……」
シロ「……」
男「着替えないのか?」
シロ「……」むう
男「ああそうか。解らないんだったな。どれ、俺が……」
シロ「わ、わあああああ!! 何をする!! 」
男「なんだ急に」
シロ「なぜ脱がす!! 何をする! 」
男「な、何故って。脱がなきゃこれ着れないだろ」
シロ「そ……そうだが!!」
34 = 1 :
シロ「とっ……とにかく私はこのゆにくろのだうんでいい!
着替えるのはなしだ!! 」
男「? どうした、顔真っ赤だぞ」
シロ「……っ/// 」がぶり
男「か、噛むな!! 俺が悪かったから!!
脱がしませんから!それ着てていいですから! 」
シロ「……///わかればいいのだ」
男「ははは、腕からどくどく血が出てやがるぜ」
35 :
私怨
37 = 12 :
おわり?
38 = 1 :
……
男「なあ、すごく今更なんだが」
シロ「なんだ」
男「お前、女だったんだな」
シロウ「顔とか体つきで解れよ」
男「わかんねーよ」
シロ「……」むう
男「……? 」
シロ「……私が」
39 = 1 :
男「ん? 」
シロ「私が女だとわかっていたら……
と、ともだちにはなってくれなかった……か?」
男「え? 」
男「……」
シロ「……」
男「……」
シロ「なっ……何だそのニヤケ顔は 」
男「やー、すまん。
なんかすげー嬉しいんだ。
お前、俺の喋ってることちゃんとわかってたんだな、と」
シロ「! ……」
41 = 1 :
男「いや、ちゃんと聞いててくれている気はしてたんだ。
相槌や反応こそ無いけど。なんとなくだけど、な」
シロ「……」
男「……」
シロ「……嬉しいのは私もだ」
男「ん、」
シロ「私はずっと、聞いてることしか出来なかったのに、
それでもお前が来てくれることが
私に話しかけてくれることが嬉しかった」
シロ「今はちゃんと反応ができるし、相槌が打てる。
それは、すごく嬉しいな」
男「……シロ」
シロ「……」
男「……」
シロ「なあ」
42 = 1 :
男「ん、なんだ」
シロ「眠いのでそろそろ横になりたい」
男「あ、あぁ……ちょっと待てよ。毛布か何か出してやる」
シロ「……」ぐう
男「……って、寝てる」
男「……よだれ……ダウンが……」
男「まあいいけど……」
男「……」
男「もし明日起きてこいつが元に戻っていたら」
男「……」
男「いやいや寂しいとかじゃねーよ俺……
食われるだろ…………」
シロ「……」zzz
男「……まあ……いいか……明日はバイトだから俺も寝よう……」
43 = 1 :
~次の日~
男「……やあ、おはよう」
シロ「おはよう」
男「元に戻ってないな」
シロ「そのようだな」
男「今日俺バイトなんだけど、シロどうする?」
シロ「ばいと? 」
男「でかけるってこと。まあ昼までには帰ってくるけど」
シロ「そうか、そうだな。外の事は解らないし
とりあえずここにいさせてくれないか」
44 = 1 :
男「構わないが、ちょっとまてよ」
カキカキ
男「よし、出来た。このメモを読みなさい」
シロ「なんだこれは」
シロ「……だれが来ても家にいれないこと。
家の中のものにはさわらないこと。
お腹が減ったら家にあるものをてきとうにたべてもいい」
男「ほう。おまえ、文字が読めるんだな」
シロ「ふふん」
男(まあ虎が人間になってしかも日本語が喋れている時点で
かなりファンタジーなんだけど)
男「……っと、いけね、もう時間だ、俺もういくわ」
シロ「……」
男(まあすぐ帰ってくるしな
どうせ別に誰も来ないだろうし……大丈夫だろ)
45 = 1 :
シロ「……」
シロ「……折角人間になれたというのに」
シロ「特にやることがないな……」
ピンポーン
シロ「!! 」ビクッ
ピンポーンピンポーン
シロ「……な、なんなのだ、この音は」ドキドキ
~ドアの前~
妹「あれれー、お兄ちゃんいないのかな? 」
46 :
ふざけるんじゃねええええ
いいぞもっとやれ
47 = 1 :
妹「もー、せっかく手作りのハンバーグ持ってきたのに」
妹「とりあえず、せっかく来たんだから
お部屋を掃除してから帰ることにしよっかなー」
妹「合鍵合鍵ーっと」
ガチャ
シロ「!! 」
妹「!!! だ……」
妹「だ、誰……ですか、あなた」
シロ「……と、友だち、だ、ここの家の男の」
48 :
なかなか悪くない…
49 = 1 :
妹「お、お兄ちゃんのお友達……ですか。なるほど……
私は妹です、えと、初めまして」
シロ「いもうと……妹、はじめまして」
妹(お兄ちゃんに友達なんかいたんだ)
妹(てか、彼女とかかと思った、あせっちゃった)
妹(綺麗な白髪、染めてるのかなあ、
肌も真っ白だし、CGみたいな美人さんだなあ
……てかなんで家の中なのにダウン? )
妹「えとえと、それで、お兄ちゃんはどこに? 」
シロ「ばいとだ、でかけるということだと言っていた」
妹「そっか、バイトですか……」
シロ「……」
妹「……」
50 = 1 :
妹「じゃ、……じゃあ私はそろそろ」
シロ「昼には帰ると言っていたぞ。ここで待っていたらどうだ」
妹「へ? や、でも」
シロ「まあ座れ」ポンポン
妹「は、はぁ……じゃあお邪魔します」
シロ「……」
妹「……」
妹(びっくりするくらい気まずいなぁ……)
シロ(腹が減ったな……)
みんなの評価 : ○
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