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元スレ新ジャンル「近づくと小さくなる男」
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※当方、物理、数学、哲学に正直全然明るくありません
ストーリーの上で突っ込みどころは多かろうと思いますがどうかご容赦願います
女「二十センチより近づくと」
男「小さくなる」シュルシュル
女「十センチで」
男「半分」
女「面白いよね」
男「まあな」
<数ヶ月前>
担任「今日からお前たちの仲間になる――」
男「男といいます。よろしくお願いします」
担任「そういうことだ、皆仲良くしてやるんだぞ」
担任「ところで男君はな、ちょっと厄介な……病気というか体質を持っている」
「……」シーン
担任「ああ、そんなに深刻になるんじゃない。そんなたいしたもんじゃないんだ。ただちょっと――」
男「……先生」
担任「ああ、そうか、すまんな……。まあ、大したもんじゃないんで、お前達も気にせず付き合うように。」
担任「席はそうだな。女のとなりがあいてるな、あそこ座れ」
男「はい」
担任「じゃあ俺はこれで。皆仲良くなー」
女「よろしく、男君」
男「よろしくお願いします」
女「やだなあ、敬語はやめてよ。同級生でしょ!」
男「それじゃあ、お言葉に甘えて」
女「それも敬語っぽい~w」
女「ところでさ」
男「何?」
女「さっきのって何なの? 病気がどうのこうのって奴」
男「ああ、あれ……。そうだな、どう説明したものか……」
男友「よう男! 俺は男友っていうんだ。よろしくな!
まだ知り合いでもないのにその名前おかしいだろっていう突っ込みはなしだぞ?」
男「いきなりなんだ、何の話だ」
女友「こら男友、いきなり話しかけない。びっくりしてるよ。話の途中で口を挟むのもよくない」
男「えーとそちらは……」
女友「ああ、私は女友。名前の通り女の友達だよ。どうかよろしく」
男「こっちもよく分からんが、まあ二人とも、よろしく」
女「それよりさっきのさっきの!」
男「あ。えーと……」
女友「何の話?」
男友「いやいやそんなことよりよ!」スッ
男「え、何?」
男友「何って握手だよ、握手! 肌と肌のふれあいで絆が生まれるんだぜ!」
女友「そこはかとなく気持ち悪いね」
男友「いいから早く手、出せよ!」
男「……」
男友「どうした? そっちがこないならこちから行くぜ!」ズズイ!
男「あっ……」シュルシュル
「え?」
男「……」ムクムク
「い、今、縮んだ……?」
男「……」
担任「――えー、男君が特殊な体質をしていることは話したな」
男「……」
担任「男君は、なんというか、人が近づくとな」
「……」
担任「小さくなるという変な症状を患っているんだ」
女友「……」
担任「だが、通常生活を送るには何の問題もない」
男友「……」
担任「どうかみんな仲良くしてやって欲しい。俺からは以上だ」ガラガラ ――バタン
女「……」
女「……面白い」
男「……」
男(……何となく周りに壁を感じる……)
「……」ヒソヒソ
男(まあ、仕方ないか……。こんな変な奴、他にはいないからな)
男(前の学校でもそうだった……これは仕方のないことだ……。そのうち皆も慣れてくれる……)
男(また誰も話かけてこない平穏な生活が――)
女「ねえねえさっきのどうやったの!?」
男「ふえ?」
女「凄いよ!」
男「いや……え?」
女「それ!」スッ
男「うわ!?」シュルシュル
女「ほい!」スッ
男「うお!?」ムクムク
女「面白い面白い!」キャッキャッ
女友「やめなさい」グイ
女「なによー」
女友「男君困ってるよ。ごめんね男君」
男「いや、えっと……」
男友「女ばっかりずりーぞ、俺にもやらせろ!」グイ
男「わっ!」シュルシュル ムクムク
女&男友「あはははは!」
女友「やめなさい!」ゴゴン!
女&男友「ごめんなさい」ヒリヒリ
男「い、いや別にいいっていうか……」
女友「私からもごめんなさい」
男「いやあんたは悪くないだろ。それより……」
女「何?」
男「その、俺が気味悪くないのか?」
女「全然。むしろ面白いよ!」
男友「ぜひとも友達になって欲しいんだが!」
男「それは構わないけど……いいのか?」
女友「いいんだよ、彼らは物好きなんだ。私もいいかな」
男「えと……その、よろしく」
「よろしく!」「よろしく」「よろしくな!」
<現在>
男「よーし、昼飯だ」
女「一緒に食べよ!」
男友「俺も混ぜろ!」
女友「私もいいかな?」
男「うん、勉強の後のメシは最高だな!」
女「そうだね。あ」ポロッ
女「いけない、箸落としちゃった!」スッ
男「うわ!」シュルシュル
男友&女友「あ」
女「ごめん男君……」
男「いや……いいんだ、気にしないでくれ……」
男友「仕方ないぜ、まさか弁当に男が落ちるなんて誰が想像できようか」
女友「同感」
女「あ、男君が読書してる!」
男「……」ペラ……
女「おーとこ君!」
男「うわ!」シュルシュル
女「あ! やっちゃった!」
男「うわー!」ヒュルルル……
女「男君が本に落ちる!」
男「むぎゅっ」ムギュッ
女「男君が本に挟まれた!」
女友「ちゃんと介抱なさいよ」
女「おーとこ君!」
男「あ、そこでストップ」
女「え?」
男「それ以上近づくと収縮が始まって、その……」
女「?」
男「……スカートの中が……」
女「あ、そうか」
男「昔それやって、えらく女子から嫌われたよ……」
男「――ムッ」ピキーン
女「どうしたの?」
男「女ちょっと近づいてくれないか。そうだな、十七センチくらい」
女「いいけど……」スッ
男「よし!」シュルシュル
女「……」
男「トリャ!、トリャ!」
女「?」
男「――モウイイゾー」
女「……」スッ
男「よっと!」ムクムク
女「何してたの?」
男「杉花粉を撃退してた!」
女「す、すごいね!」
女「男君て人に踏まれたりとかないの?」
男「あるぜ。昔だけどな」
女「え!? 何で無事なの?」
男「俺は際限なく小さくなるからな。靴と地面の隙間に入り込んで無事なんだ」
女「……それって怖くない?」
男「死ぬほど。初めて踏まれたときは世界が終わったかと思った。いきなり真っ暗になるもんだからな」
女「どんな感じ……?」
男「……無理やりトランクにつめられてどんどん海に沈んでいくような……」
女「えっ……」
男「……ちょっときな臭い」
女「ごごごめん!」
<夜>
店員「いらっしゃいませー」
男「肉まん一つ」
店員「はいどうぞ。105円になります」
男「二百円で」スッ
店員「お釣りの95円です」
男「あ、ちょっと待った」
店員「え?」
男「お釣りはそこにおいてください」
店員「え、あ、はい」スッ
男「どうも」スッ スタスタ
店員「ありがとうございましたー」
店員(何だったんだろう? 厨二病?)
男(手渡し不能は厄介だよな……)
女「おーとこ君!」バッ
男「うわ!」シュルシュル
女「あれ、男君がいなくなっちゃった!」
女友「すごく小さくなってるんだよ。少し待ってみて」
男「……」ムクムク
女「男君! 大丈夫だった?」
男「あ、ああ」
女「どうしたの?」
男「い、いや別に」
男(言えない……女の服の中にいたなんて……)
女友「……変態」ボソ
男「!」ビクッ
女「男君てさ」
男「なんだよ」
女「小さくなるとき服も縮むよね」
男「それがどうかしたか?」
女「おかしいよ! 本当なら大きくなるときスッパになっちゃうはずじゃん!」
男「なんで必死なんだよ。いいか、これはNAS●が特別に作った制服なんだ。だからいつも身体にフィットしてるんだ」
女「ホント!? それホント!? すっごいね!」
男「はは、嘘だよ。本当はお袋の手作りさ」
女「なーんだ、手作りか」
女「手作り!?」
DQN「なー女、俺と付き合えよ」
女「困るよ……」
DQN「いいからよー」
男「……」
男「……やめろよ」
DQN「あぁ? 何だお前? 喧嘩売ってんの? 俺ちょー強いんだぜ?」
男「……」
DQN「……いいぜ、昼休み体育館裏来いよ」クル スタスタ
女「男君、ごめん……」
男「いいから。大丈夫」
<昼休み>
DQN「よー、逃げずによく来たなメーン」
男「女に構うの、もう止めろよ」
DQN「そいつぁ、無理だ」
男「何でだよ」
DQN「それはな……」
DQN「あいつがマイスウィートゥエンジェルだからだ!」
男「は!?」
DQN「あいつの顔見ろよ。ありゃAAAランクにもう一個Aつけてもいいくらいだぜ。胸も結構あるしよ!」
男「はあ……」
DQN「おまけに俺みたいな強面の奴でも見た目で判断しないしな! もっとも、最近は避けられているが……何故だ……?」
男(しつこいからだろうな……)
DQN「ああ、女……何故お前は俺に振り向いてくれないんだ……」
男「意外と……純情なんだな……」
DQN「という訳で邪魔する奴には容赦しないぜ!」ブン!
男「うわ!」シュルシュル
DQN「……」
男「……」
DQN「あれ?」
男「当たんないよ」
DQN「んな訳ねーだろ、俺のパンチだぞ!? も一発!」ブン!
男「……」シュルシュル
DQN「それ! それ!」ブン! ブン!
男「……」シュルシュル
DQN「……何故だ?」
男「いや、俺の体質知らないのかよ、数ヶ月前にお前も見ただろ?」
DQN「知らん!その頃は停学食らってたからな!」
男「あ、そう……」
DQN「うーむ。解せん。俺の拳を避けきるとは……」
男(ああ……足りない人なのか……可哀想に……)
DQN「とにかくお前!」
男「何だよ」
DQN「気に入った!」
男「は?」
DQN「どんなトリックを使ったかは知らんが、俺の拳を避けきったことは事実だ。褒め称えよう!」
男「はあ」
DQN「名誉だぞお前。俺のパンチ、プロを山ほど沈めてきたんだからな」
男「マジかよ……」
DQN「えらくマジだ。先の退学の理由はそれであった」
男「そ、そスか……」
DQN「お前を俺の弟子と認める。感謝しろよ。わははははははは!」
男(変な奴と知り合いになっちまった……)
女「ふと思ったんだけどさー」
男「んー?」
女「男君が誰か人の上に落ちたらどうなるの」
男「俺の落下で宇宙がヤバイ」
女「もう、ふざけないでよ!」
男「そうだな、そういう経験はないが……」
女「ないけど?」
男「もしそうなったとしたら、スタンドが襲ってくるんだろうな」
女「……何それ?」
徐倫「あの緑色の赤ん坊に落下を始めたら変なスタンドが襲ってきたぞッ!!」
アナスイ「ジョリーンッ!!」
女「男君て人ごみはどうするの」
男「俺が人ごみのなかに入ったら小さくなったり元に戻ったりで目立つこと請け合いだな
それだけならともかく踏まれたらと思うとやってられん」
女「だから車登校なんだね」
男「昔無茶して満員電車に乗ったことがある」
女「え!? どうなったの!?」
男「汗臭いオヤジの服に落ちて死ぬかと思った……」
女「そ、そう……」
男友「さあ、やってきましたテニス部女子更衣室前! 実況は私、男友が! 解説は、」
男「男でお送りします」
男友「さて、いままで何の説明もありませんでしたが、女と女友は女子テニス部に所属しております。
今回その部室兼更衣室前にいるのであります」
男「その通りです」
男友「では、何故我々がここにいるのかといいますと……」
男「ずばり、下着狙いでございます!」
男友「話が急でついて来れないお客様、ご安心ください。青春とは若さとは! 往々にしてそのようなものでございます。
慣れてくださいでございます」
男「どうぞよろしく」
男友「さて、どうやって鍵のかけられた更衣室に入るのかといいますと、話は簡単!
実は今日解説を務めておりますこの男めは、小さくなれるのでございます!
大きさは米粒から小人サイズまで、まさに自由自在! 侵入など訳もないということです! 素晴らしい!」
男「その通り」
男友「では早速実演してもらいましょう!」
男「よし来た! ……といいたいところだが」
男友「?」
男「入るのは鍵穴から簡単に出来る。それこそ窓の枠からでも構わん」
男友「そうですね」
男「だが、下着はどうする? 鍵穴からも窓の枠からも通らんぞ」
男友「あ」
男「それにだ。俺の帰りはどうするんだ? 人がいないと小さくなれないんだぜ?」
男友「そこはそれ、下着さえ手に入れば男なぞどうでもいいといいますか」
男「殴るぞ。――そして何より問題なのが……」
男友「何でございましょ?」
男「部活するのに下着まで脱ぐわけないだろう」
男友「あ」
男「……」
男友「……」
男「……トランプでもして時間潰すか」
男友「……そうだな」
女「おまちどー」
女友「待たせたね、帰ろうか」
男「おーう」
男友「ラジャー」
女友「ああ、ところで……」
男&男友「?」
女友「エロスはほどほどに」
男&男友「……!」
女「ねね、ゲーセンよってこうよ、時間あるし」
女友「日も長くなったしね。少しだけなら付き合うよ」
男「俺はかまわないぜ」
男友「俺もー」
男「そこそこ混んでるな」
女「あれやろうよ、あれ!」
男友「UFOキャッチャーか」
女友「いいよ。私の腕前見せてあげよう」
男「……で、結局誰も取れずじまいか」
女友「……面目ない」
女「女友ちゃん、気を落とさないで!」
男友「でも、このまま引き下がるのは後味悪いな」
女「そうだね、何とか取れないかな?」
女友「うーむ……」
女&女友&男友「……!」ピーン!
男「?」
男「出してくれ……」
店員「お客様、UFOキャッチャーの中に入られては困ります!」
女&女友&男友「ごめんなさい……」
店員(しかし、どうやって入ったんだ……?)
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