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元スレ新ジャンル「近づくと小さくなる男」
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<数日が経ったある日>
女「おはよう女友ちゃん!」
女友「おはよう女」
女「えへへー」ニヘラ
女友「あなた、男君のこと考えているね?」
女「何で!? 何で分かったの!?」
女友「さあね」
女「……男君て羨ましいなあ。あんな面白い体質、なかなかないよ」
女友「本当にそう思ってる?」
女「え? どういうこと?」
女友「じゃあ聞くけどあなた」
女友「男君に触れたことある?」
女「……え?」
女友「ゼノンのパラドックスって知ってるかな?」
女「……名前だけなら」
女友「ギリシア神話の英雄アキレス。彼は足が速いことで有名なんだけど彼は亀と競走することになった」
女「そんなのアキレスさんが勝つに決まってるじゃん」
女友「そうだね。だからハンデとして、亀はよりゴールに近い場所からスタートすることになった」
女「それでもアキレスさんが勝つんじゃない? 足、速いんでしょ?」
女友「そう思う?」
女「もちろん」
女友「ところが、話はそう簡単じゃない」
女「というと?」
女友「スタートの合図が下される。まずアキレスは亀との距離を半分詰めた」
女「流石速いね」
女友「ところが亀はその間に僅かだけど前に進んでいる」
女「?」
女友「アキレスはまたその距離の半分を走った。そのときにも亀は僅かに前に進む」
女「あれ?」
女友「また半分詰める、亀は進む、詰める、進む、詰める、進む、詰める、進む……」
女「あれれ?」
女友「さて、アキレスはいつ亀に追いつけるでしょう?」
女「……おかしいよ、その話」
女友「そうだね。本当ならアキレスはすぐに亀に追いついて追い越すはずだね。だからパラドックスなんだ」
女「その話が男君と関係あるの?」
女友「……」
女友「彼は最初の大きさで約二十センチより近づくと収縮を始める。十センチでは半分、五センチでは四分の一の大きさになる」
女「……!」
女友「気付いた?」
女「……うん」
女友「男君に触れられる人間はいないんだ」
女「それって……」
女友「男君には、重要な、物理的な意味でのふれあいが皆無なんだよ」
女「……」
女友「男君は、ゼノンの呪いに、かかってる」
女「……」
<放課後>
男「女」
女「ん、何?」
男「……その、部活の後時間もらえないか?」
女「……」
女「うん、いいよ。教室で待っていてくれるかな」
男「そ、そうか、サンキューな」
女「つまんないことだったら許さないからねw」
男「大丈夫。それは保証する」
女「じゃあ、後でね!」
<一時間後.廊下>
女友「男君、ちょっといいかな」
男「なんだ? 部活はいいのか?」
女友「それはおいといて欲しい。今は君の体質について聞きたい」
男「……」
女友「いいかな?」
男「…………ああ」
女友「君はいつからその体質になってしまったんだい?」
男「……小学校の……たしか一年のときだ」
女友「そう……。そのときに何かあった?」
男「……さあな。記憶にないね」
女友「……」
男「話はそれだけか? 女を待たなきゃならんからな。そろそろ行くぜ」
女友「男君」
男「……なんだ?」
女友「私は君を助けられない。君が自分で『助かる』んだ。いいね?」
男「……」
男「……」クル ……スタスタ
<更に一時間後.教室>
男「……」
女「男君」ガラガラ バタン
男「ああ……」
女「どうしたの? 怖い顔してるよ?」
男「……なんでもない」
女「そう?」
男「……いや、なんでもなくはないな。これからお前に告白しようとしてるんだから」
女「……」
男「女」
女「……うん」
男「その、……俺はお前が好きだ」
女「……うん」
男「初めて会ったとき、俺の体質を不気味に思わないでちゃんと向き合ってくれたよな。……俺は嬉しかった。
ずっと避けられてばかりだったから」
女「私はただ面白いと思っただけだよ……?」
男「それでも嬉しかった。あれがきっかけで女友、男友とも仲良くなれた。毎日がすごく、すごく楽しかった」
男「大袈裟かも知れないけど、俺にはお前が神か救世主、いや天使に思えた」
女「ほんと、大袈裟だね」
男「はは。――女」
女「うん」
男「――俺と、付き合って下さい」
女「……」
男「……」
女「……敬語はいらないよ」
男「そう、だったかな」
女「……いいよ」
男「え?」
女「付き合ったげる」
男「いいのか……?」
女「男君、聞いて」
男「……」
女「私、最初は男君を好奇の目で見てました」
男「……」
女「私、面白いことが大好きだからね」
男「……」
女「でもだんだんあなたに、本当の意味で惹かれていきました。何でだと思う?」
男「……わからないな」
女「あなたがその体質に負けないで強く生きているから」
女「あなたはあなたが思っているよりずっと強いよ」
男「……そう、かな」
女「そうだよ。だから――」
女「――どうかよろしくお願いします」
男「……敬語はいらない、だろ?」
女「あはは、そうだね」
女「これで私たち彼氏彼女の関係だね」
男「そうなるな」
女「その、いきなりで悪いんだけど……」
男「なんだ?」
女「私を、抱き締めてもらえないかな……?」
男「え……?」
女「駄目、かな?」
男「駄目って言うか……俺は……」
女「知ってるよ。人に触れられないんでしょ」
男「……そうだ。だから……」
女「でも!」
男「っ……!?」
女「ごめん。でも、今くらい神様が願いを叶えてくれるはずだよ。でしょ?」
男「…………そう、かもな」
男「……駄目、だったな」ムクムク
女「……」
男「……女?」
女友『男君はゼノンの呪いに――』
女「……ん、なんでもない」
男「……帰るか」
女「……そうだね」
ガラガラ……バタン
男友「駄目、だったか……」コソ
女友「そうだね」コソコソ
男友「ついに男が人に触れることが出来るかと思ったんだがな」
女友「そう上手くはいかないようだね」
<数週間後の休日>
女「でーとだよ!」
男「……朝から元気がいいな」
女「そういう男君は元気ないね。折角の初デートなのに」
男「俺は低血圧気味なんだよ……」
女「でもそんなの関係ねえ! ほら、いくよ!」
男「……おー」
女友「……やあおはよう」
男友「お前も低血圧か」
女友「はは、困ったね……折角彼らの尾行に来たのに」
男友「人聞きが悪い。ちょっと特殊なダブルデートだ。まあ、気楽にいこうぜ」
女友「……ダブルデート? それこそ人聞きが悪い」
女「男君が人ごみが駄目なので、比較的すいてる動物園に来てみました!」
男「……獣臭がするな」
女「細けぇこたぁいいんだよ! ほら、いくよ!」
男「……了解」
女友「低血圧に獣臭は正直こたえる……」
男友「座り込むんじゃねえよ、ほら、行っちまうぞ」
女友「……ああ」
女「男君見てみて! 象さんだよ!」
男「おー」
女「でっかいねえ」
男「そうだな」
女「……もう。ちょっとは感動とかしないの?」
男「あいにく、大きいものは見慣れてるでな」
女「あ、そっか」
男友「こ、こら水かけんじゃねえ! あっちいけ!」
女友「はは、嫌われたね」
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/ ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\
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/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
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女「次はキリンさんだよ!」
男「おおう……」
女「今度は何か感じるんだ?」
男「いやあ、大きいものは見慣れてても、こんなに細長いものはめったに見られないし」
女「あ、なーる……」
男「餌やってみようぜ」
男友「てめえ、俺の指まで噛むんじゃねえ!」
女友「本気で怒るなんて大人げないねえ」
女「ライオンさん! ライオンさん!」
男「っ……」ブルル!
女「……どうしたの?」
男「……いや、昔な、小さくなったときに猫に襲われたことがあって、それでトラウマに……」
女「そっか、じゃ、ここはパスね!」
男友「そこの猫科! 俺をそんなに見つめるんじゃねえ!」
女友「完璧に餌だと思ってるね」
女「おサルさーん!」
男「ここは一段と臭いがきついな……」
女「あ! 赤ちゃんザルがいるよ! かわいいねえ!」
男「お、本当だ」
女「ちっちゃくなった男君も可愛いけどね」
男「……照れるな」
男友「てめ、こら! 餌をこっちに投げんじゃねえ!」
女友「ここまで来ると一周して逆に好かれてるんじゃないかとさえ思えるね」
女「レッサーパンダだよ男君!」
男「ああ、可愛いな」
女「はうぅ~、お持ち帰りしたいなあ……」
男「はは、俺が小さくなればこの隙間から入れるな」
女「期待してるよ男君!」
男「いやいや、某小説じゃあるまいし」
男友「アヒ鴨は最高」
女友「宣伝かい?」
イルカ「きゅ~!」バッシャ!
女「すごーい!」
男「いいジャンプだ!」
「お次はツイストジャンプです」
イルカ「きゅきゅ~!」クルクルー バッシャアン!
女「すごいすごーい!」
男「ははは!」
男友「……びしょ濡れだ」
女友「最前列がいいなんていうから」
男友「なんで隣に座ってたお前は無事なんだよ!」
女友「さあね、日頃の行いじゃないかな?」
女「おなか、すいたね」
男「そろそろ食事にするか」
女「美味しいね!」
男「それには同感だが、なんでお前はおでんなんだ」
女「いいでしょ別に!」
男「まあいいけど」
女友「君はなんでこんなときに限って超大盛りに挑戦するかな」
男友「知るか! 男はいつも直球勝負なんだよ!」
男「モグモグ」
女(……あ、カップルだ)
女(仲よさそうだな、手なんか繋いじゃって……)
女(手、か……)
女(……)
男「どうした、女」
女「……ううん、何でもない」
女友「いつまでトイレに篭ってるんだい?」
男友「ま、待ってくれ」
女友「やれやれ、食べた直後に食あたりなんてせわしない人だね」
男「ここは俺が支払うよ」パカッ
女「そんな、悪いよ。割り勘にしよ?」
男「そうか、じゃあお言葉に甘えて」
男友「ここは俺が支払うぞ!」バリバリ!
女友「やめてくれ」
女「次は何処に行こうか!?」
男「そうだなあ……」
・
・
・
女「今日は楽しかったね」
男「そうだな、低血圧を忘れるくらいにはな」
女「それってすっごく楽しかったってことじゃんw」
男「ま、そういうことだ」
男友「お、いい雰囲気」
女友「こっちはすこぶる微妙だったっていうのにね」
女「ん。ここまででいいよ」
男「そうか」
女「うん、じゃあね」
男「ああ」
女「……」
男「……」
女「……なんで帰らないのw?」
男「そっちこそw」
男友「うわぁ……」
女友「いや、いい雰囲気じゃないか。なぜ引くんだい?」
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