この話は軽度の知的障害の姉を持つ男とその純粋で優しい姉の物語です
男たちの高校生活の「純姉」、姉が施設に入った後の話「純姉あふたー」、姉弟の中学時代の話「純姉びふぉあー」があります。

まとめhttp://www25.atwiki.jp/jyunane/pages/1.html

荒らされたんで一応こっちに立ててみた

移転が良く分かってない、すまないが今日出された分残ってるんで貼ってく

13 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:52:07.77 ID:k/KH6DDT0
おまたせー
純姉あふたーです

男「今度さ、卒業式なんだ。」
姉「そつぎょーしき？」
男「うん、姉ちゃんも中学の時、出ただろ？」
姉「がっこう、おわっちゃうの？」
男「ああ、あと少し。少しだけ待っててな。そしたら…」
姉「おとうとくんといっしょにいられるの？」
男「卒業してすぐは無理だけど、必ず迎えにくるから」
姉「うんっ！あ、でも…」
男「どうした？」
姉「むりしないでね。」
男「大丈夫だよ。じゃあ俺、今日は帰るから。」
姉「ばいばーいっ！」
男「またな。」

15 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:52:29.98 ID:k/KH6DDT0
コンコン
姉「はぁーい」
先生「入ってもいいかしら？」
姉「せんせい？どーぞぉ」
ガチャ
先生「今日も弟くん来てたのね？」
姉「うんっ！もうすぐね、そつぎょーしきなんだって」
先生「へぇ、早いものね。」
姉「えへへ…それでね、おとうとくんがそつぎょーして、おしごとがおちついたら、またいっしょにいられるんだよ？」
先生「…そっか、よかったわね。」
姉「うんっ！」
先生「そうだ、ねえ。」
姉「なぁに？」
先生「卒業式、行きたくない？」

16 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:53:15.07 ID:k/KH6DDT0
ピンポーン
男「はーい」
ガチャ
女「おはようございます、男くん」
男「おぅ。今鞄持ってくるから、ちょっと待っててな。」
女「それより、ご飯食べたんですか？」
男「いや、めんどくさいから食ってない。」
女「だめですよー、ちゃんと食べなきゃ。ただでさえ、最近抜きがちなんですから。」
男「いや、一人だとめんどくさくてさ。」
女「…あ、そうですよね。」
男「あ、ごめん。気にしないで。」
女「い、いえ。それじゃあ、私ぱぱっと作っちゃいますね。」
男「え？悪いからいいよ。」
女「今更、気にしないでくださいよ。それじゃあ、お台所借りますね。」
男「あ、うん。ありがとう。」
また女に気を使わせてしまったみたいだ。
姉がいなくなってから、俺はしばらく自堕落な生活が続いた。
今まで、姉がいたからしっかりやってこれたんだと気付かされた。
男、一人の生活だと面倒で食事を作る気さえ起きないのだ。
思ってるよりも姉がそばにいないことのダメージもあったのだろう。
自分のシスコンぶりに驚かされたもんだ。
それを見かねたのだろう。女はずいぶん俺を心配し、助けてくれた。
それは嬉しくも気恥ずかしくもあったが、彼女のおかげで立ち直れたことも多い。
今日だって、卒業式の日まで俺の世話を焼きに来てくれるのだ。
彼女には感謝してもしきれないだろう。
俺は確かに今、幸せなのだろう。
これで…
男「姉ちゃんがいれば完璧なんだけどなぁ」
思わず、そう呟く。
やっぱり俺のシスコンは治らないみたいだ。

17 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:53:39.58 ID:k/KH6DDT0
女「ごはん、できましたよー」
男「ああ、今いくよ。」
でも、ここから始まるんだ。
卒業して、一生懸命働いて、それで…
男「姉ちゃんを迎えに行くんだ。」
俺は新に決意を固めたのだった。

卒業式はつつがなく進んでいく。
次々と生徒の名前が呼ばれていき、とうとう自分の番になった。
今ごろ、姉はなにやってるのだろう？
そういえば、俺の中学の卒業式にも姉は来られなかったんだけ。
姉ちゃんに見てほしかったな
大学に行かない俺には、これが最後の卒業式だった。
卒業証書を受け取り、階段に向かう。
一瞬、俺の目に信じられないものが映る。
あれは…
姉「おとうとくーんっ！」
姉が元気よく、俺にむかって手を振っている。
男「なんで…」
衝撃で立ち竦む。
思わず俺の目に涙が滲んだ。
姉ちゃんが来てくれた。
久しぶりに施設以外で見る姉は、いつもと少しだけ違ってみえた。

18 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:53:58.75 ID:k/KH6DDT0
男「じゃあ、先生が連れてきてくれたんですか？」
先生「ええ、外出許可取れたし。お姉さんもとても行きたがってたから。」
男「ありがとうございます。…それじゃあ、あれも先生が？」
先生「あれって？」
本当はわかっているのだろう。
先生は意地悪そうに笑った。
男「化粧と服ですよ。姉ちゃん、あんなの持ってなかったはずだし。」
先生「ああ、綺麗でしょ？私がコーディネートしたのよ？」
男「すいません、ご迷惑をかけて。おいくらでしたか？」
先生「そんなこと気にしなくていいの。私が好きでやったんだし。」
男「でも…」
先生「君は男だからわかんないかもしれないけど、彼女も年頃の女の子なんだよ？」
男「はぁ」
先生「あの子は君の卒業式に出ることを楽しみにしてたんだから。」
男「姉ちゃん…」
先生「ほら、わかったらこんな所で油売ってないでお姉さんの所に行ってあげなさい。」
男「はいっ、ありがとうございます！」
たたたっ
先生「…まったく、律儀なんだから。」

27 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:55:27.38 ID:k/KH6DDT0
姉「あ、おとうとくーんっ！」
姉が女と楽しそうに話している。
薄いブルーのワンピースにショールを羽織った姉はいつもより大人びて見えた。
化粧のせいで印象がかなり違って見える。
俺は少し胸が高鳴っているのを感じながら、姉に声をかけた。
男「姉ちゃん、来てくれたんだ？」
姉「うんっ！おとうとくん。そつぎょう、おめでとーっ！」
男「ありがとな。」
女「男さん、お姉さんを見て何も思いませんか？」
男「いえ？あ…」
もちろん女が言いたいことはわかっている。
でも妙に高鳴っている心臓のせいでうまく言葉に出来なかった。
女「…ないんですか？」
声のトーンが一段下がり、心なしか目が怖い気がする。
男「あ、うう…」
ちらりと姉を見るとなんだか恥ずかしそうにもじもじしていた。
俺のほうを見て、何かを期待しているようである。
俺は先生の言葉を思い出した。
・・・彼女も年頃の女の子なんだよ・・・
そうだよな、姉が外にでるのは久しぶりだ。
せっかくお洒落までして俺に会いに来てくれたのに、俺は何照れてんだよ。

42 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:56:53.26 ID:k/KH6DDT0
男「姉ちゃん、お洒落してきたんだね？」
こくっ
姉がやや恥ずかしそうにうなずく。
言うべき言葉は自然にでてきた。
男「よく似合ってるよ。」
姉「ほんと？わたしかわいい？」
男「ああ」
姉「わたしがきれいだとおとうとくんうれしい？」
男「もちろん、うれしいよ。」
姉「やったぁっ！」
姉が飛び上がるほど喜ぶ。
女「よかったですねっ！」
姉「うんっ！」
女も自分のことのように喜んでいた。
恥ずかしかったけど、言ってよかった。
俺は喜ぶ彼女達を見ながらそう思った。
女「そういえば、お姉さん男くんにお願いがあるみたいですよ？」
男「お願い？」

45 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:57:16.55 ID:k/KH6DDT0
姉「あのね、わたしね、はいめてなの。」
男「え、なにが？」
姉「はじめて、おとうとくんのがっこーにきたの。」
男「あ、そういえばそうだな。」
姉は進学しなかったので高校にくるのは初めてだった。
姉「だからね、おとうとくんのがっこうみてみたいの。」
男「え？」
女「最後に男くんと学校をまわってみたいんですって。」
姉「だめ？」
姉が不安そうに尋ねる。
もちろん断る理由はない。
男「もちろんいいよ。女はどうする？」
女「私は友達と約束してますから。またあとで伺います。」
男「あ、わかった。えっと、先生は…」
気付くと先生はいなくなっていた。
仕事で帰ったんだろうか？
もしかして気を使わせてしまったのかもしれない。
男「ま、いいか。いこうか、姉ちゃん。」
姉「うんっ！」
俺は姉の手をひくと校内へと向かった。

55 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:58:19.31 ID:k/KH6DDT0
男「ほら、ファンタでいいんだよな？」
姉「うんっ！」
一通り校内を見て回った俺達は、中庭のベンチで休憩していた。
男「どうだった？」
姉「たのしかったよ！」
男「学校なんかみて楽しいもんなのか？」
姉「たのしいよ！だっておとうとくんがきてたとこだもん。」
男「そっか。」
姉「おとうとくんとね、いっしょにまたがっこういきたかったから。」
姉が本当に楽しそうに微笑む。
俺の胸がぎゅっと締めつけられた。
男「姉ちゃん…」
姉「なぁに？」
男「今日は来てくれてありがとうな」
姉「えへへ、うれしかった？」
男「ああ、すごく。」
姉「おとうとくんがうれしいと、わたしもうれしいよー」
男「本当にありがとな。」
姉「だって、あんまりおねえちゃんらしいことできないから。そつぎょーしきにはきてあげたかったの。」
男「姉ちゃん…」
この姉はそんなこと気にしていたのか…
昔から俺のことばかり気にしていた姉ちゃん。
思わず姉の手を握りしめる。
男「ばかだな…どんな時だって姉ちゃんは、俺の大切な姉ちゃんだよ。」
姉「えへへ。あ、そうだっ！」
姉は自分のバッグからスケッチブックを取り出す。

59 名前：純姉 ◆RFPnMu8Qds [] 投稿日：2007/02/22(木) 23:58:35.29 ID:k/KH6DDT0
姉「かいてあげるね。おとうとくんのがっこうでおえかきしたかったの。」
スケッチブックに色鉛筆を走らす。
その横顔はいつもの俺の大好きな笑顔だった。
しばらく二人、無言で過ごす。
しかしそれは心地よい静寂だった。
静かに流れる大切な時間は、俺が絶対になくしたくないものだった。
男「姉ちゃん」
姉「んー？」
男「絶対に迎えに行くから、それまで待っててな。」
姉「うんっ！あ、できたよっ！」
誇らしげにスケッチブックを掲げる。
そこには桜の木の下、ベンチに座る俺と姉の姿が描かれていた。。
もちろん二人とも笑顔だ。
暖かな風が吹き、桜の花びらがひらひらと舞っている。
俺は心の中で誓った。
これからも絶対に姉ちゃんを守っていこう。
俺のただひとりの大切な姉ちゃんを。

後は作者バイト中なので降臨待ちです。

トリップテスト
ってかここってトリップ使えるの？

最近新ｼﾞｬﾝﾙｽﾚは俺の涙腺をことごとくぶっこわしていく >>1乙

使えるみたいね。
バイト先のPCから書き込んでます。
余裕ができ次第投下するから。
しばしお待ちを

>>13
使えるから安心しる

てすと

www

何度も思うんだが、これ小説を出版社に売り込んで販売してくれよ

もしくわケータイ小説のサイトに投稿してくれよ
十中八九の確率で人気がでて
本になると思うから


この話しの良さを本にして全国に伝えてくれよ

人気でるかな？
でも、そうなると誤字とか多いし、書き直さなきゃ。
ってか、いつも急いで投下してるからかなり荒い文章なんですよ。
語尾とか汚いし。

このパー速ってどこにあるの？
雑談2ではないよね

>>20
友達20人ぐらいに見せたけど、全員マジ泣きしやがった
語尾の汚さぐらい直せばいいじゃん

こ　れ　は　良　い　作　品　だ

新参なんだが、心が震えた。わがままだけどまとめをできるだけ早く見れるようにしてほしい。凄い気になる

スレタイ見て
「タダのバカなんだろ？」
と思った俺

開いて見たら泣いた
バカは俺だ
誰か殴ってくれマジで('A`)

悪い。普通に見れた

>>22
なるほど。サンクス。

とりあえず、ここで待てばいいの？

一応VIPも規制入ってスクリプト来なくなったけどな。
やっぱほとぼり冷めるまではこっちがいいんじゃないか？

それにしても保守する必要が無くなるとだいぶ書き込みが減るもんやね。

俺の涙腺はもろいのか？
Bとのからみで見事に泣いた。
ガチで・・・

これこそ泣ける2ちゃんねる

>>20は忙しいのかな…

>>33
ごめんね、今バタバタしてるんです。
なんとかまとめて投下できるようにするんでお待ちください。

wktk wktk

>>34
せかしてすまんｗｗ
保守いらないスレだから、投下はヒマできたときでいいんだぜ！

気長にwktkしときますよ～

まとめ見てきたんだけど、みーの出産系の話って新作だよね？

まだぁ？

まぁｗｗｋｔｋして待とうぜ

まだなのか？

wktkのしすぎで変な禁断症状がでてきた

GJ

ちょっと忙しくてあまり投下できません。
とりあえず一作投下。
純姉びふぉあーです。

男「母さん、りんご剥こうか？」
母「母さんが剥くわよ」
男「いいから、寝てなって。俺がやるから。」
母「わかった。指、切らないようにね。」
男「大丈夫だって。俺、結構うまくなったんだぜ？」
母「男はしっかりものだからね。」
とことこ
姉「おかーさん、みてみてー」
男「…急にくんなよ、あぶねーだろ？」
姉「あう…ごめんね、おとうとくん。」
母「あらあら、何を見てほしいのかしら？」
姉「うんっ！これ、おかーさんっ！」
母「私？よく描けてるわねー」
なでなで
姉「えへへ」
母「ありがとね。これ、もらっていいの？」
姉「あげるっ！だから、はやくげんきになってね？」
母「うん、お母さんがんばっちゃうわ。」
姉「うんっ！あと、これね、おとうとくんなの。」
母「これも上手ね」
姉「あのね、これ、あげるっ！」
男「…別にいらねーよ。」
姉「ふぇ…」
ぐしぐし
男「な、なんだよ？」
姉「ううん、なんでもないの…」
男「…わかったよ、ほら」
姉「ほえ？」
男「もらってやるよ。」
姉「…うんっ！」
母「よかったわね」
姉「わーいっ！」
タタタッ

母「ふふっ、走っていっちゃって。どこにいくのかしら？」
男「姉ちゃんの行動なんてわかるわけねーよ。」
母「そうかしら？私にはわかるわよ。例えば、あの子がどれだけ、あなたのことを好きかとかね。」
男「・・・」
母「お姉ちゃんのこと、嫌い？」
男「別にそんなんじゃねーけど…」
母「けど？」
男「…姉ちゃんのこと、学校で馬鹿にされるんだ。おまえの姉ちゃんはバカだって。」
母「それを聞いて、どう思った？」
男「なんだかわからないけど、むかついた。胸の中がざわざわして止まらなかった。」
母「ちゃんと怒れてるじゃない。」
男「え？」
母「あなたはお姉ちゃんが馬鹿にされて怒ってるの。それはお姉ちゃんを大切に思ってるってことよ。」
男「…そんなことねーよ。」
母「大丈夫よ、あなたが優しい子だってお母さんは知ってるから。」
なでなで
男「や、やめろよ。子供じゃあるまいし。」
母「ふふっ、まだまだ私のかわいい子供よ。」
ぎゅっ
男「…母さん」
母「お姉ちゃんのこと、守ってあげてね。」

…３日後、母は息を引き取った。
今でも俺は後悔する。
もっと母に、姉と仲良くするところを見せてやればよかった。
姉「おとうとくーん、みてみてー」
男「お、これ俺か？うまくかけてるな」
わしわし
姉「えへへ」
男「なぁ、これ俺がもらってもいいか？」
姉「いいよ、あげるっ！」
男「ありがとう…今度の日曜日、母さんの墓参り行こうか？」
姉「おかーさんとこ？いくっ！！」

…なぁ、母さん見てるか？
俺は今、姉さんととても仲がいいんだよ？
これからも絶対に守っていくから。
俺の大切な姉さんを。

なんとか定期的に書けるようにはします。
今、自分の劇団関係でバタバタしていて、忙しいのです。
役者が決まらない…orz

>>42
旭様、ありがとうございますっ！

乙！
あんたは俺の涙腺を刺激させすぎるｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

>>47
乙!!!!!
リアルの方大変みたいですけどガンガッテくださいｗｗｗｗ

乙!!!!