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元スレ京太郎「死んでも生きる」良子「死んでも一緒」
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―――【東京:インターハイ会場前】
京太郎「……」
京太郎(清澄優勝、嬉しい。超嬉しい……なのに、なんだか妙な感覚がある)テクテクテク
京太郎「嫉妬、じゃない。なんだろうなぁ……やっぱ俺も、勝ちたかったんだよなぁ」
優希『来年は全員でくるじぇ!』ニッ
和『もちろん須賀君も一緒に』ニコッ
まこ『わしがしっかり連れて来るけぇ』ニヤリ
久『須賀君が、いてくれたから……』ポロポロ
咲『なに呆けてるの……行くよ。京ちゃん』フッ
京太郎「……みんながあんなこと言ってくれて、うれしかったけど」
京太郎(なのにある、この感情は……)
京太郎「はぁ……一緒に、行きたかったなぁ」
イッチの新スレ来てた!この良子さんも変態なんだろうか
期待してるけど忙しいなら無理はせんでね
期待してるけど忙しいなら無理はせんでね
―――【インターハイ会場:ロビー】
「……はぁ」
戒能良子が、深いため息をついた
インターハイ女子団体戦の決着がつき、それから一日
個人戦を残すのみとなったその会場、短き一日の休み
報道関係の仕事でやっては来たのだが
行きに見てしまった嫌な光景が目に焼き付いている
「……」
「どうしたの良子ちゃん」
「はやりさん……」
そちらを向けば、瑞原はやりがそこにいた
良子の先輩であり友人
だがその表情は晴れない。それはそれで仕方ないのだが……
「あれ?」
「ええ……」
「んー事故、かぁ……」
「ええ、事故です」
ニュースにもなっている不幸な事故
少年が一人、自動車に跳ねられるという不幸な事故
それを目の前で見た良子も、聞いたはやりも、他のプロも……晴れやかな表情とは言えない
「……ホームに帰ってスリープとしましょう」ハァ
「うん、そうしな」
インターハイ会場を出て少し歩く
帰宅、というより泊まっているホテルまでの道を
もちろんその道中、やはり通ることになるであろう場所は―――
(この事故現場、ですね……)
今朝の事故、その現場……
すでにその場には誰もいない
明日になればまた、報道などされるのだろう
(インターハイ優勝、清澄高校の男子生徒の事故、まぁ……やらないわけがないでしょうね)
そんな無粋なことを思いつつ、その歩道を渡ったところで、ぴたっと足を止める
渡ったところにある花壇、そこに腰掛けている少年が一人
「須賀、京太郎……」
「へ?」
「……」
「え、ま、マジで? み、見えてます?」
「……」
「あれ……戒能、良子さん?」
「……」
「あ~やっぱダメか……だよなぁ」
「……」
「やっぱ俺―――死んでるし」ハァ
別段、戒能良子にとって“死んだ者”というものはそれほど稀有なものでもない
街を歩いていて見かけることもある
幼い頃から“視える”からこそ、関わらないということもするのだが……
(しまった……)
「……どうすっかなぁ」ハァ
さすがに目の前で現場を“見た”上で“視た”のは初めて
その名を口に出してしまった
だがまだやりなおしは効く。この場は彼が“人ならざる者”になった現場
「俺、ここで死んだって知ってもらってるんだ……なんか、不思議な気分だなぁ」
少しは動揺するし興味も出る
それに聞いた話と少し違う
だからこそ、戒能良子は興味本位で、好奇心で―――関わる
「ノー、貴方は……死んでないはずです」
「……え?」
「須賀京太郎。ユーは、まだ死んでいない」
「……え?」
京太郎「……て、てか視えるっすね」
良子「ええ、死に際を見ていたから余計に、とかあるのかもしれませんが」
京太郎「……見られてたんですか」
良子「ええ、女の子を助けて、とは褒められるべきことでしょう」
京太郎「そりゃ、なによりで……」
良子「自分の身体、追いかけなかったんですか?」キョロキョロ
京太郎「ああいや、茫然としちゃって救急車行っちゃうし……」
良子「飛べないんですね」
京太郎「飛べるんですか?」
良子「ええ、飛んでたりします」
京太郎「ええ~……」
良子「思ったより、冷静ですね」
京太郎「いやその、驚きすぎて逆に」
良子「なるほど、にしてもフライできないんですか」
京太郎「はい」
良子「……それほど詳しいわけではありませんが、やはりまだ生きているから通常のゴーストと同じことができない、とかでは?」
京太郎「おお、ありそう! ならさっそく行ってみます!」
良子「体が運ばれた場所は、わかってますか?」
京太郎「……」
良子「……」
京太郎「……終わったぁ」ガクッ
良子「……」
京太郎「いいとこ無しな人生だった……」
良子「……はぁ、スタンダップ、須賀君」
京太郎「え?」
良子「せっかくです。多少は協力しましょう」
京太郎「……え、マジですか!?」
良子「ええ、乗りかかった船です、から」
京太郎「おお~」
良子「……とりあえず場所を移しましょう、ここでいつまでも“独り言”を言っていてもおかしなことになりそうです」
京太郎「ですね! ありがとうございます!」ニッ
良子「ところで……」
京太郎「はい?」
良子「聞きたかったんですけど……」
京太郎「どうぞ! 幽霊歴半日ですけど!」
良子「……三途の川ってみました?」
京太郎「ま、まだです」
良子「ふむ」
京太郎「……み、見たくないです、なるべく」
―――【ホテル】
良子「どうぞ」
京太郎「え、い、良いんですか?」
良子「とりあえず貴方が運ばれた病院もまだわかりませんし」
京太郎「し、しかし」
良子「ケータイもありませんし、離れるとどうなるかわかりませんよ?」
京太郎「う゛……そ、それじゃあお邪魔、しても?」
良子「どうぞと言っているじゃないですか、ほら、ハリハリ」
京太郎「お、おじゃまします」ペコリ
京太郎(うおぉ! あの戒能プロの部屋にお邪魔するとはぁっ!)
良子(乗りかかった船でなんとかしてあげようと思ったとはいえ、男の子を上げることになるとは)
京太郎「その、俺は……」
良子「ん、気にせずどうぞ……覗いたりしたら成仏させますが」
京太郎「ひぇっ、ぜ、絶対しません!」
良子「OK、よろしい」コクリ
良子(成仏のさせかたなんて知りませんけど)
京太郎(怒らせないようにしよ)
良子「とりあえず今日はソファで寝てもらって……いや、寝るんですか?」
京太郎「さ、さぁ……とりあえず眠気でも出たらソファで寝ます」
良子「ではそのように」
京太郎「……なんか死んだって実感ないなぁ」ハァ
良子「まだ生きてますからね、意識不明の重体としか聞いていません」
京太郎「身体見つかれば、入れますかね」
良子「さぁ……でも、やってみなければわかりません」
京太郎「……はい」コクリ
良子「ところで物を動かしたりはできるんですか?」
京太郎「え、ああいや……無理そうですよ。やったけど透けます」
良子「ほう……」
京太郎「なんだかなぁ」ハァ
良子「ともかく明日になってみなければなんとも」
京太郎「ですよねー」
良子「では、私はシャワーに行ってきます」テクテクテク
京太郎(……ちょっと興奮する)
シャー
京太郎(気になるけど命あってのよ……いや、死んでるんだけどねもう。いや、ギリ死んでないのか?)
京太郎「にしても、なんでこんなことになったかなぁ」ハァ
京太郎(まぁまさかの展開で助かりそうではあるんだけど)
京太郎「……心配かけてんだろうなぁ、みんなに」
シャー
京太郎「……いかん、幽霊になっても煩悩は消えん」ヤレヤレ
シャー
京太郎(ちょっとだけ……いやいや落ち着け! 恩をあだで返すわけにはいかん!)
京太郎「もしかして運命的な出会いで惚れ……ねぇな」
京太郎(それに、文字通り住む世界が違うって奴だよな)ケラケラ
京太郎「……はぁ、とりあえず、明日になってみないと、かぁ」
ここまでー
ちょっとしんみりモードでいく感じで
ラブコメっぽいの書きたいなとかは思うたけど全然無理そう
とりあえずじわじわと仲良くなってく感じで書きたいなー
そんじゃまたー
乙
面白そうー永水組じゃなく何故か末原さんと姉帯が絡んできたら盛り上がりそう
面白そうー永水組じゃなく何故か末原さんと姉帯が絡んできたら盛り上がりそう
始まったばかり
頑張るゾイ
ってもヒロイン一人で進むとそれほど長々とはやらないんだけど
ガチャッ
良子「ふぅ……ゴーストは、シャワーも浴びませんよね?」
京太郎「あ、はいっ……」フイッ
良子「? ……ああ」
良子(年頃の男の子ですし、気にもなりますか……私も少し薄着がすぎますね)
京太郎「え~ああ、その」
良子「さて、明日も早いし寝るとしますね」
京太郎「は、はい」
良子「そこのベッドで寝ますんで」
京太郎「ん、はい」コクリ
京太郎(うわぁ、地味に緊張する)
良子「あ、そういえば電気とテレビ」
京太郎「消しちゃっていいですよ。俺も少し……疲れましたし、寝てみようと思います」
良子「そうですか……それでは」パチンッ
京太郎「……おやすみなさい」
良子「ええ、おやすみなさい」
京太郎「それと、ありがとうございます」
良子「いいえ……」
良子(善意、ではないですからね……ただの好奇心、たちが悪い方です。まったく)ハァ
京太郎(死、か……はじめて意識したけど、重いなぁ)
―――翌朝【ホテル】
京太郎「ん……寝れた、のか」スッ
良子「起きたんですね、おはようございます」
京太郎「ああ、戒能さん……朝一のコーヒーですか」
良子「ええ、これを飲み終えたら行きましょう」
京太郎「……了解です」
京太郎(コーヒーも、もう飲めない、か)
良子(人間の三大欲求、ただの一つも満たされない身体、死してなお人間は苦しむということですか)
京太郎「母さんにも心配かけてんだろなぁ……みんなにも」ハァ
良子「ともかくどこに入院しているか突き止めて行ってみましょう、案外生きているだけで喜ばれてるかもしれませんよ?」
京太郎「……ありがとうございます。慰めてくれて」フッ
良子「そのつもりはありませんよ」ズズッ
ガチャッ バタン
京太郎「扉とかすり抜けられないかなぁ」
良子「できないんですね」
京太郎「開けたりもできないっすからね」ハァ
良子「ドアを開けられないということは、ドアノブに触れられないと?」
京太郎「ああいや、触れることはできるんですけど力を入れてもなにも起きないというか」
良子「なるほど、物理に干渉できないのに物理に干渉してしまう理由がわからなかったんですがそういう……」フム
良子(フライできない理由などと、同じでしょうか……?)
京太郎「ところで」
良子「ん?」
京太郎「俺の入院してる病院を探すってどうやって?」
良子「都合よく自分の身体がある方向なんかを察知できれば良かったんですが」
京太郎「すんません」メソラシ
良子「いえ、関わったのは私です。私が責任を持ちます……故に、良い方法が一つ」
京太郎「おお!」
良子「では行きましょう」
京太郎「うっす!」
―――【街中】
京太郎(っと、俺は普通に喋って大丈夫だけど、戒能さんは小声だしな、しっかり聞き逃さないようにしないと)
京太郎「にしても、スゴイですよね東京」
良子「そうですか?」
京太郎「ええ、デカいテレビとか」
良子「テレビ……って」
良子(バッドタイミングですね)
京太郎「あ」
『昨日、東京都墨田区で発生した事故についての―――』
京太郎「ん~もしかして戒能さん、今朝ニュース映してなかったのって」
良子「……まぁ、多少は」
京太郎「……優しいですよね」フッ
良子(気まずくなるのが嫌だっただけ、ですけどね……)
『女子麻雀団体戦優勝校である清澄高校の生徒、須賀京太郎くんは信号無視して走ってきた乗用車に挽かれそうになっていた少女を助けるため』
京太郎「まぁ、無事そうでなによりですけど」
良子「ええ、無事なようです。少なからずあなたの行為は無意味では無かったようです」
京太郎「そりゃなにより」
『優勝ムードから一転、悲劇的な事故が―――』
京太郎「迷惑、かけてばっかりだな」
良子「……」
京太郎「……はぁ」
良子「行きましょう、まだ生きています」
京太郎「よっし! 行きましょう!」
―――【ビル前】
京太郎(ここって、テレビ局だよな……戒能さんなにしに行ったんだろう)
良子「お待たせしました」
京太郎「お、まだ10分ぐらいしか経ってないですよ?」
良子「すぐ終わるようではありましたから」
京太郎「そうですか」コクリ
良子「貴方のボディがある病院がわかりました」
京太郎「え、もうですか、こんなあっさり」
良子「ええ、テレビの力と言う奴です」フフッ
京太郎「すぐ教えてもらえるもんですね」
良子「私、これでも新人賞を取ったプロですよ?」
京太郎「……テレビの人だ」
良子「テレビの人です」
―――【病院前】
京太郎「テレビ局行ったら逆に遠回りっていう」
良子「灯台下暗しですね、とりあえず入りますか?」
京太郎「ちょ、ちょっと待ってください……」スゥハァ
良子(自分の身体とご対面、そりゃ思うところありますか)
京太郎「……よし、行きましょう」コクリ
良子「良いんですか?」
京太郎「はい、ジーっとしててもドーにもならねぇ!」グッ
良子「……ん、男の子らしくて実にグッドです」フッ
京太郎「お願いします!」
良子「ええ、では、行きましょう……」
―――【病院内:廊下】
良子(さて、ナースステーションでしっかりと聞いてから来てみましたが……)
京太郎「……」ググッ
良子(良いん、でしょうか)スッ
京太郎「……」コクリ
良子「……」コンコン
京太郎「……」
良子「……」
京太郎「……あれ」
良子「いなさそう、ですね」グイッ
ガラガラ
ただ一人のみがいる病室
清潔感を感じる真っ白な部屋、開かれたカーテン
ベッドの上に、彼は“あった”
「……文字通り、ボディのみ」
「俺、か……」
包帯は巻いてあるがそれほど損傷が激しいようには見えない
良子と京太郎の二人はそっと近づいて眠っている少年を見る
金色の髪が風で揺れた
「……須賀、京太郎」
「俺、俺だ……」
そうして茫然としていると、誰かが入ってきた
振り返るよし早く声がする
「京ちゃん?」
「咲ッ!?」
振り返る京太郎と良子
その視線の先には“宮永咲”
須賀京太郎の友人、幼馴染、最も近しい人物
(だから、視えたと?)
「あ、気の、せい……」
「み、視えてない……いや、それでも今お前!」
「あの……あなたは?」
「……私は、戒能良子、名前ぐらいは聞いたこと、ありませんか?」
「戒能……ってプロの!?」
「ええ、宮永咲さん」
京太郎(やっぱり、視えないか……)
咲「その、どうして戒能プロが京ちゃんに……」
良子「ちょっとした知り合い、と言いますか」フッ
京太郎(現在進行形で、ね)
咲「い、意外なつながり……京ちゃんのくせに」クスッ
京太郎「くせにとはなんだ」
咲「意外だなぁ、周りの女の子に恵まれてないとか言ってたのに」ハハハ
京太郎「事実だっての」
良子(仲、良さそうですね……まさしくフレンド)
咲「まったく京ちゃん、こんな美人にも心配かけるなんて」
京太郎「……」
咲「バカだなぁ」ハハ…
京太郎「……なんだか、キレが悪いじゃないか咲。もっとけなす時は派手だろお前」
咲「……ッ」
京太郎「……」
咲「あ、じ、自動販売機、飲み物買ってきますね!」
良子「ああ、ありがとうございます」
咲「それじゃ!」ダッ
ガラガラ
京太郎「……」
良子「今までで一番、ショックを受けたって表情ですね」
京太郎「咲の奴が、あんな顔……咲にあんな顔、させて……俺はっ……」
良子「……」
良子「……戻れますか?」
京太郎「……」
良子「……」
京太郎「……ダメ、そうです。わかりません、やりかたも」
良子「なるほど……」
京太郎「なんでだよ」
良子「……まだその時じゃない、とかですかね」
京太郎「その時じゃないって」
良子「ともかく、できないものは仕方な」
京太郎「仕方なくないだろっ、こんなの!」
良子「……しかし、須賀君」
京太郎「っ……すみません」
良子「いいえ、貴方の気持ちは察するに余りある……」
京太郎「はぁ……ほんと、ごめんなさい。落ち着きました」
良子「いえ、私も無責任に身体があれば戻れるんじゃなんて言った側ですから」
京太郎「……」
良子「ボディの元にたどり着いたわけですし、それでは私は帰ります」
京太郎「……はい」フッ
良子「グッドラック」
京太郎「……ありがとう、ございましたっ」ニッ
良子「……」クルッ
テクテクテク
京太郎「感謝、してます……」
ピタッ
良子「……今度は、生身で」
京太郎「はい……会えたのが戒能さんみたいに優しい人で、よかった」
良子「……それはなにより」フッ
京太郎「それじゃ、また!」ニッ
良子「ええ、また……」
ガラガラ
良子「……」
咲「あ、戒能プロ」
良子「ああ、宮永さんすみません……お代はこちらで、少し急用ができて」
咲「いえ……これは、私なりのお礼、ですから」
良子「お礼?」
咲「京ちゃんの知り合いの方っていうのは知らなかったですけど、それでも京ちゃんのためにわざわざ来てくれた人、なんですから」フッ
良子「あなたは……須賀君のことが、好きなんですか?」
咲「……」
良子「……」
咲「……」
良子「……」
咲「……え?」
良子「え?」
咲「ちょ、冗談でもやめてくださいよ。起訴しますよ」
良子「えっ」
咲「そういうんじゃないんです……私と京ちゃんは」クスッ
良子「そ、そうなんですか?」
咲「はい、でも大切な人だから……」
良子「な、なんだか聞いてるこっちが恥ずかしくなりますね」カァッ
咲「あ、京ちゃんにバレたら絶対調子乗るから言わないでくださいね」ゴゴゴゴ
良子「も、もちろんです」コクリ
咲「京ちゃんと付き合うとか反吐が出ます。そんな風に見られたらサブイボが出ます」
良子(さ、さすがに誇張してますよね? ね?)
咲「……ともかく、ありがとうございました京ちゃんのために!」ニコッ
良子「……いえ、自分のため、ですから」
咲「……あ、なるほど」
良子「え?」
咲「あ、ふ~ん」
良子「???」
咲「京ちゃんったら隅におけないなぁ……こんな楽しそうなことを」クククッ ボソボソ
良子(ワッツ?)
咲「ともかく、これからも京ちゃんをお願いします!」クワッ
良子「お、おふこーす」
咲「っしゃ!」
ピリリリリ
咲「電話っ!? って部長から、ああ、戒能さんそれじゃあ! また来て上げてください!」
良子(病室で会った人と別人に見えます)
咲「それじゃまたぁ!」ダッ
「病院内は走らないでくださーい!」
咲「競歩でぇす!」ダダダダ
良子「……しかしまぁ、ユニークな友人がいますね須賀君」クスッ
良子(彼はまだ、病室……ですよね)
京太郎『それじゃ、また!』ニッ
良子「……はぁ」
ガラガラ
京太郎「咲が戻って……」
良子「須賀君」
京太郎「あれ、戒能さんなんで」
良子「……よろしく、されましたから」ボソッ
京太郎「へ?」
良子「なんでもありません、とりあえず……まだ元に戻る方法が見つからないなら、来ますか?」
京太郎「……そ、それって」
良子「ただ、見捨てられなかっただけです」スッ
京太郎「優しいなぁ、戒能さん」アハハ
良子「……い、いいからどうするんですか、来るんですか、ここにいるんですか」
京太郎「……ここにいるよりは霊感強いっぽい戒能さんと一緒のが良さそう、ですね」ハハハ
良子(い、一応手を差し出しはしましたが、取れないんですよね……まぁフリだけでもお互いの意思確認は)
京太郎「お言葉に甘えて、もう少し御厄介になります。戒能さん」スッ
パシッ
京太郎「え」
良子「ふぇ?」
京太郎「……」ニギニギ
良子「……」ニギニギ
京太郎「……」ニギニギ
京太郎(さ、触れる? 戒能さんに、なんで?)
良子「……」カァッ
京太郎「あ、すみません」
良子「い、いえ、先に手を差し出したのは私、ですからっ」フイッ
京太郎(しかしまぁ)スッスッ
京太郎「戒能さんしか、触れない?」
良子「な、なんでまた」
京太郎「……ホント、なんででしょう」
京太郎「なんだろうか……」
良子「それはまた、としてとりあえず出ましょう」スクッ
京太郎「あ、はい!」
テクテクテク
良子(らしくないことを、してしまった気がします……)
京太郎「戒能さん!」
良子「?」
京太郎「これから、よろしくお願いしますっ!」ニコッ
良子「……ええ、よろしくお願いします」フッ
第一話、完!
って感じの内容でここまで
次回からもーちょっとゆるい感じで進めてきたい
いつまでも真面目だと疲れちゃう
そんじゃまたー
乙
戒能さんには触れる……つまりエッチなことをするには困らないってことだね!
戒能さんには触れる……つまりエッチなことをするには困らないってことだね!
乙です
助けた女の子がもし辻垣内家の関係者とかだと友達()できそう
助けた女の子がもし辻垣内家の関係者とかだと友達()できそう
咲ちゃんは京太郎が誰かと恋人になった後じゃないと自分の気持ちに気づけないタイプだからねぇ…
おっし、あっちも進めなきゃだけどとりあえず今はこっち頑張ろー
戒能さんの保護観察中
―――【ホテル:部屋】
良子(それにしても、良い方法はあるでしょうか……元に戻るのは、時間の問題?)
京太郎「ううむ、やっぱ触れても動かしたり押したりはできないか、感触もないような感じだし」
良子(しかし、悪魔を召喚とかならともかく……幽霊、こういうのはその分野の専門家に聞くべき、でしょうか?)
京太郎「でも戒能さんの手はしっかりと感触と熱があった……ええい、このままではいつ戻れるかわからん!」
良子(ふむ、となればさっそく電話をしてみましょう)コクリ
京太郎「あ、その戒能さん」
良子「ん? どうしたんです?」
京太郎「その、もっかい握手しても、良いですか?」
良子(また、年頃の男性と握手……慣れない。まるで慣れない)
京太郎「だ、ダメならいいんです! そもそも俺みたいな男と握手なんて!」
良子「……どうぞ」スッ
京太郎「……え、良いんですか?」
良子「早くしてください」
京太郎「は、はい!」パァッ
良子(ようやく見つけた“人間味”に縋っている、というところですか……)
良子「……」スッ
京太郎「んっ」ギュッ
良子(なんか、恥ずかしいですね……これ)カァッ
京太郎「ちょっと引っ張ってみて良いですか?」
良子「あ、はい」コクリ
京太郎「ん」グイッ
良子「おっと」フラッ
京太郎「……お、おお!!」パァッ
良子「ち、力も作用されるんですね……」
京太郎「戒能さんだけにですよ!」エヘヘ
良子(かわいい笑顔しますね……とか少し思ってしまいました)
京太郎「よし、力が作用するってことはわかった!」
良子「変なことしないでくださいね」ジト
京太郎「し、しませんよっ!?」カァッ
良子「で、試したかったことはこれですか?」
京太郎「いえ、この状態で……よっ」
ピッ
京太郎「おお、テレビが点いた!」
良子(私を介してであれば、他のものに干渉できると?)
京太郎「凄い! 凄いっすよ!」パァッ
良子「あ、ええ……」コクリ
京太郎「あ、すんません俺一人ではしゃいじゃって」ハハッ
良子「いえ、正しい反応だと、思います」フッ
京太郎「これでちょっとは生活しやすく」
良子「でも私から離れられませんね」
京太郎「……そうでした」ハァ
良子「そんなに離れたいですか」ジト
京太郎「ウェィッ!? そ、そうじゃなくって!」
良子「……ジョークですよ」フッ
京太郎「……もぉ」ムゥ
良子「とりあえず、これで色々とできることは増えそうですが……とりあえずそっちの専門家に連絡を入れて見ます」
京太郎「“そっち”ですか?」
良子「はい、その手のことに詳しい……オカルトにはオカルトです」
京太郎(ってことで戒能さんは電話しに少し離れたけど……)
グッグッ
京太郎「やっぱ押せないよなぁ、戒能さんと触れ合ってなきゃかぁ」
京太郎(まったくもって、早く体に帰りたいなぁ)
京太郎「みんな、心配してるかなぁ……咲も心配だし」ハァ
ガチャッ
京太郎「あ」
良子「戻りました、さっそく明日……動きましょう」
京太郎「明日ですか?」
良子「イエス……とりあえず個人戦開始前に会う相手が数人」
京太郎「そういえば個人戦も始まるのか、咲と和、どうなってるかなぁ」
良子「……見に行きますか?」
京太郎「……いや、今は起きること優先としましょう」
良子「それは結構、では明日はとある人物に会いに行くと言うことで」
京太郎「はい!」
良子「ん、晩御飯も買ってこなくては」
京太郎「あの……」
良子「ん?」
京太郎「色々と、ありがとうございます……偶然、会っただけなのに」
良子「……」
京太郎「見ず知らずのガキに、ここまでしてもらって」
良子「……お礼はまだ結構です」
京太郎「?」
良子「……生身の時に言ってください」フッ
京太郎「……ホント、優しいなぁ」アハハ
良子「……行きますよ、須賀君」
京太郎「あ、はい!」
良子(中々、こういう素直で可愛い所があるから捨て置けないんですかね……)
―――【別のホテル:部屋】
咲「ただいま戻りましたーって……どことなく雰囲気暗い」
優希「咲ちゃんが普通すぎだじぇ」
咲「え~そうかな、まぁみんなも昨日よりはマシになったんじゃない」
和「……」
咲「落ち込まない落ち込まない、誰が悪かったってわけじゃないんだから」アハハ ポンポン
和「でもっ」グスッ
咲「……和ちゃんが京ちゃんのために泣くとは、喜ぶよ」
和「か、からかわないでくださいっ!」
まこ「咲、かなり堪えとるからあんま茶化すもんじゃなかい」ハァ
咲「は~い……で部長は?」
まこ「あれノイローゼになるぞマジで」
咲「部長~そんな落ち込まないで良いですから~」
久「良いわけ、ないわよっ……」グスッ
咲「誰のせいでもないじゃないですか」
久「でもっ、でもぉっ……」エグッグスッ
咲「はぁ~」ヤレヤレ
優希「あたしもちょっとキいてるから、あんまいじられると、こまるじぇ……」
咲「……それじゃ和ちゃん、明日もがんばろー!」
和「なんで、咲さんは……須賀君の友達じゃ」
咲「ん、友達だよ?」
和「ならなんで、須賀君は……起きないんですよっ!?」
咲「……ま、そのうちひょっこり起きるよ」
和「なんでそんなことっ」
咲「そんな時、情けない姿見せたらなんて言われるかわかんないし」ハッ
和「っ……」
咲「とりあえず勝つ。目の前の敵すべて潰す……振り返って友達のこと考えるのは、そのあとかな」アハハ
和「……そんなことしてたら、いつかみんな置いてって一人に」
咲「そん時は待つよ。むしろ置いてかないようにちょくちょく立ち止まる!」
咲「自慢じゃないけど私、極度の方向音痴なんだよ?」
和「……」
まこ(それはマジで自慢じゃないな)
咲「だから誰かと一緒じゃないと困っちゃうからさ……ってもそろそろ卒業するつもりだけど」
まこ「ほう、てかしようと思ってできるもんか?」
咲「頑張ります!」グッ
まこ「……そうか」フッ
咲「とりあえずは京ちゃんが起きた時に優勝トロフィーでほっぺたでも叩くのを目標にしようかな」
優希「優勝と京太郎が起きるって両方確信してるようだじぇ」
咲「起きるよ? それに優勝もするよ?」
和「……言い切りますね」
咲「もちろん、だって京ちゃんが応援してくれてんだもん……負ける気がしないってもんだよっ」グッ
まこ(恋人とか、じゃあない……親友か、ええもんじゃな)ハッ
久「……」
まこ「ほれ、ちょっとは元気だしんしゃい」
久「……」グスッ
まこ「たく……」
まこ(バカモンが、京太郎……みんな、待っとるけぇ)
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