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    元スレ岡部「安価で比屋定真帆と親しくなる」

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    1 :

    岡部「先日我がラボに訪れたロリっ子……の外見をした助手の先輩研究員、比屋定真帆」

    岡部「奴は甘言を弄すことで我がラボの主要戦力である助手をアメリカの『機関』に連れ帰ろうとしている」

    岡部「せっかくクリスティーナは機関のエェイジェントゥから改心し、この鳳凰院凶真の左腕として献身していると言うのに」

    岡部「このまま甘んじて助手を連れていかれるわけにはいかん! なんとかして阻止せねば」

    岡部「そこで俺は考えた……奴と近しい存在になり、その精神を篭絡すれば、目的達成と共に我がラボの戦力増強につながるのではないか……と! 完璧な作戦だろう、ダルよ!」

    ダル「なるほど、わからん」

    岡部「マイフェイバリットライトアームよ、そうなればさっそくスレを立てるのだ!」

    ダル「盛大なフリから結局は安価て……まあ面白そうだから僕は構わんけどさ」

    岡部「それではオペレーション・ロキを始めよう。まずは>>5だ……フフフ」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1497072430

    2 :

    食事に誘う(助手も交えて)

    3 :

    遠い
    ksk

    5 :

    お菓子をあげる

    6 = 1 :

    岡部「ふむん……『お菓子をあげる』とな」

    ダル「完全に子供に対する接し方ですねわかります」

    岡部「フン……だがスイーツ(笑)には効果的だろう。掴みとしては上々だ」

    岡部「それでは俺はブツを手に入れてくるとするか」

    ダル「いってら~」



    ~~~



    岡部「よくよく考えると、ロリっ子の好きな菓子なぞ知らんぞ俺は」(テクテク

    岡部「適当に選ぶという手もあるが……ここは、より好みに合致したものを選んだ方が作戦遂行には効果的だろう」

    岡部「しかし本人に好みを聞いてはバレバレだしな。助手にでも聞くとするか」


    プルルルルル


    紅莉栖『はろー』

    岡部「俺だ。来るべき作戦遂行に向けて、お前の知識を提供してもらいたい」

    紅莉栖『切っていい?』

    岡部「ウェイウェイウェイ! すぐさま切ろうとするな!」

    紅莉栖『何も言わず切らなかっただけ感謝してほしいぐらいよ。……で、何? 何か相談事でもあるの?』

    7 = 1 :

    岡部「うむ……実は、ロリっ子の好きなスイーツ(笑)を教えてもらいたいのだが」

    紅莉栖『ふぇっ? ロリっ子て……真帆先輩の事? どうしてあんたがそんなこと』

    岡部「き、機密事項だ」

    紅莉栖『……なによ、こそこそして。なにか疚しいことでもあるのか?』

    岡部「疚しいことなどなにもない! つべこべ言わず教えるのだ助手よ」

    紅莉栖『助手じゃない。あんたが何を考えてようと、私にとってはどうでもいいけど。真帆先輩にあんたが変なことしないかが心配なのよ』

    岡部「人を変質者のように言うな。俺はロリコンではない」

    紅莉栖『……あっそ。ならいいけど。で、見返りは?』

    岡部「見返りって……その程度の事に報酬を要求するつもりか!?」

    紅莉栖『嫌なら切るけど』

    岡部「ぐっ、卑劣なセレセブめが! ……わかった、プリン一つで手を打たないか」

    紅莉栖『二つね』

    岡部「ぬぐぐぐぐ……!!  ええい、よかろう! 牧瀬プリンを二個だな!」

    紅莉栖『牧瀬プリン言うな! よろしい、なら教えましょう。先輩の好きなお菓子は――』

    8 = 1 :

    岡部(……聞き出せたのはいいが)

    岡部(好きなお菓子が酢昆布というのは色々どうなのだ)

    岡部「まあいい」

    岡部「その辺の駄菓子屋でも探すか。……むむっ!? これは……」



    ~~~



    岡部「鳳凰院凶真、ただいま帰還した……」

    まゆり「あ、オカリンだー♪ トゥットゥルー♪」

    ダル「おっ、オカリン、どうだったん?」

    岡部「フッ……ブツは手に入れた。後は奴が現れるのを待つだけだ」

    まゆり「???」



    ガチャッ



    「はぁ……」

    まゆり「あっ、真帆さんこんにちは~。トゥットゥルー♪」

    「こんにちは。……申し訳ないのだけれど、少しソファで休ませてもらってもいいかしら」

    ダル「真帆たん元気ないね。なんかあったん?」

    「ここのところ研究が行き詰っていてね。昨日は徹夜だったから……ふあぁ」

    岡部(むっ……これは好機!)

    岡部「フゥーハッハッハ! 靴ちぐはぐロリっ子よ! どうやら疲れているようだな!」

    「あー……あんまし大きな声出さないで……頭に響く」

    岡部「そんな貴様に俺からこれを授けようではないくぁ!」

    9 = 1 :

    バッ



    「……!!! それは……」

    ダル「……酢昆布?」

    まゆり「わぁ~! これ、近所のすごくいいお店のやつだよね!」

    ダル「オカリン……血迷ったん?」(ヒソヒソ

    岡部「仕方ないだろう! 助手に聞いたら酢昆布が好物だと教えられたのだ」(ヒソヒソ

    ダル「真帆たんの反応は……」

    「…………」

    ダル「ほら! なんかポカーンとして固まってるお!」(ヒソヒソ

    岡部「クッ……助手め、まさかガセ情報か!」(ヒソヒソ

    まゆり「オカリーン、これ食べてもいい?」

    岡部「す、少し待て。ろ、ロリっ子よ。お気に召さなんだか?」

    「…………」

    岡部「お、おい、ロリっ子? まさか怒って」

    「……はっ!? 私は何を」

    ダル「……まさか意識飛んでたん?」

    「す、酢昆布、酢昆布ね。まぁそんなに好きでもないけど、わざわざ買ってきてもらったんだし……」(チラチラ

    岡部「これは……」

    ダル「……うん」

    「食べなきゃ失礼だものね。うん、せっ・か・く・だ・か・ら、頂くとするわ」(ウズウズ

    岡部(どうやら当たりのようだな)

    10 = 1 :

    「~~♪」(モグモグ

    まゆり「わ~、この酢昆布、おいしいねぇ~」

    ダル「おお、これは確かに結構イけるお」

    岡部「その姿、まるでリスのようだな、ロリっ子よ」

    岡部(そうしていれば小動物(真の意味で)のようで少しは愛らしいではないか)

    「なっ……ひ、人を小動物みたいに言わないでくれないかしら!?」

    岡部「菓子を満面の笑みで頬張っておいて何を言うのだぁ? やはり子供だな」

    「しょうがないでしょ……久々に食べたんだし」

    まゆり「んむ? 真帆さん、酢昆布好きなの?」

    「いや、別に好きっていう訳じゃ……」

    ダル「んー……酢昆布がこんなにおいしいモノだとは、このリハクの目をもってしても見抜けなかったお」

    「ちょっと、橋田さん? 多分あなたは今まで良い酢昆布を食べたことが無かったんでしょうけど、酢昆布だって結構種類がたくさんあって、奥が深いものなのよ。
    駄菓子の酢昆布だと、好き嫌いが分かれるところだろうけど、この酢昆布みたいにちゃんとしたところのものを食べればきっと誰でも……」

    まゆり「…………」

    ダル「…………」

    岡部「…………」

    「……はっ!? いや別にこれはその、あ、あうぅ」

    岡部(こいつも助手と同じ自爆癖持ちか……)

    11 = 1 :

    岡部「酢昆布好きだということぐらい、別に気にせずともいいだろう」

    「……うぅ、でも……」

    岡部「む?」

    「酢昆布が好きだって言ったら、やっぱり同僚とかには笑われるのよね。女の子らしくないって。やっぱりケーキとかクッキーが好きな方が普通なのかしら」(ハァ

    ダル「そもそもアメリカの人って、酢昆布のこと知ってるん?」

    「あぁ、ネット通販でよく買ってるのよ。それで食べてもらったりするんだけど」

    ダル「把握」

    まゆり「まゆしぃは良いと思うけどな~、酢昆布」(モグモグ

    岡部「お前は食べ物なら大抵好きだろう。……それにしてもロリっ子よ、お前はそういうところは気にしない奴だと思っていたぞ」

    「わ、私だってそれなりには気にしてるわよ。……でも、それより研究の方が大切だし。身だしなみに気を使うよりも、少しでも研究を先に進めたい気持ちの方が勝るのよ」

    岡部(……強い意志と好奇心を秘めた、まっすぐな瞳。こういうところは、あいつによく似ているな)

    岡部「フッ、いいのではないか? 周りに迎合せず自分を貫く。そういうところは好きだぞ、ロリっ子」

    「……!? す、好きって……」

    岡部「この袋以外にもいくつか買ってある。研究で疲れているのだろう。これでも食べてゆっくり休むといい」

    「……あ、ありが、と……//」

    岡部「気にするな。お前もすでにラボメンのひとりなのだからな。フゥーハッハッハッハ!」

    「……うん」

    まゆり「おいしいねぇ、ダル君」(モグモグ

    ダル「なんかこの酢昆布甘くね」(モグモグ

    12 = 1 :

    岡部「ダルよ、作戦の第一段階は上手くいったな」

    ダル「上手くいったつーか……もういいんじゃね?」

    岡部「む、なぜだ。所詮物で釣った程度にしかすぎんだろう。まだまだ目標には届いていない」

    ダル「……まぁ、僕としては面白いし、オカリンがそれでいいならいいけどさ」

    岡部「さて、第二段階へと移ろう! 次は>>15だ!」

    14 :

    観光案内

    15 :

    >>14

    16 :

    ええやん

    17 :

    デートですね、分かります!

    18 = 1 :

    岡部「観光案内と来たか」

    ダル「デートですねわかります」

    岡部「そんな浮ついたものと一緒にするな! これは崇高なる作戦の一部にすぎんのだからな」

    ダル「おまいは一体何と戦っているんだ」

    岡部「しかし秋葉原で観光と言ってもな……あのロリっ子の趣味とは合わんのではないか」

    ダル「ま、テキトーに巡ればいいっしょ。そういう訳で僕は寝るんで」

    岡部「あっこら、ダル! ……薄情な奴め。ふむん……どうすべきか」

    19 = 1 :

    岡部(結局何も決まらないまま翌日になってしまった)

    岡部「まあ仕方あるまい。行きつけの場所にでも連れていくか」

    岡部「とりあえずロリっ子に電話するか」



    プルルルル



    『はい、何かしら』

    岡部「俺だが。今日は暇か?」

    『え? 特に用事は入っていないけれど……』

    岡部「ククク……喜べ。この俺が貴様を秋葉原の深淵へと誘ってやろう」

    『……切るわよ』

    岡部「……まだこちらに来て間もないから、よければアキバを案内してやろうと思ったのだ」

    『え、えと、それって……』

    岡部「……む、どうしたのだ?」

    『な、なんでもない。それで、どこに行けばいいかしら?』

    岡部「昼過ぎにブラウン管工房の前で構わんか?」

    『わかったわ。それじゃ……』

    岡部「うむ」ピッ

    20 = 1 :

    岡部「……遅い! もう二十分近くも遅れているではないか!」

    萌郁「…………」カチカチカチカチ

    岡部「…………」ブゥーン

    萌郁「…………」カチカチカチカチ

    岡部「……メールなら見ないぞ」ブゥーン

    萌郁「……」(ショボーン

    萌郁「誰、待ってる…の……?」

    岡部「ロリっ子だ」

    萌郁「……110番?」

    岡部「違あああああああうっ!! ラボメンナンバー008、比屋定真帆のことだ!」

    萌郁「……わかっ、た」

    岡部「一時過ぎ待ち合わせだとメールで送ったはずなのに、もう一時半近くになっても来ないのだ」

    萌郁「比屋定さんに、確認は、したの……?」

    岡部「何度か電話は入れたのだが、反応がないのだ」

    萌郁「……そう」

    岡部「まったく……この暑い中なぜ三十分近くも座っていなければならんのだ……」



    タッタッタッタ



    岡部「む? この足音は……」

    「ごめんなさいっ!! 遅れてしまって……」

    岡部「ロリっ子よ、遅いではない……か……?」


    21 = 1 :

    岡部(誰だコイツ)

    岡部(つまり……誰だコイツ)

    岡部「……あの」

    「はぁ、はぁ……。走りにくいわね、この靴……」

    岡部「……比屋定さんの、妹さん、か……?」

    「……はぁ!? どこをどう見ればどうなるのよ!」

    岡部(……どうやら目の前のこの女の子は比屋定真帆で間違いないらしい)

    岡部(髪はサラサラでカチューシャを付けていて、服装はイマドキの女子大生が着ていそうなワンピースに、ちゃんとしたヒール)

    岡部(薄目だが化粧をしていて、こう見ると普通に年頃の女性に見えないこともない……)

    岡部(こ、これがあの靴ちぐはぐロリっ子だというのか!?)

    岡部「……な、なぜそのような格好をしているのだ?」

    「え? いやべ、別に、外出するから少しは普通の服装をした方が良いかなって、思っただけで……」

    岡部「……普段外に出る時はそんな恰好はしていないではないか」

    「こ、細かいことはいいのよっ! この服だって、『アマデウス』に強引に勧められて買ったけど、箪笥の肥やしになってたから、ちょうどよかったの!」

    岡部「そ、そうか……」

    「それで、美容室に行っていたら遅れてしまって……携帯も、ホテルに置き忘れてしまったから、連絡もできなかったの。ごめんなさい」

    岡部「いや、俺は別に構わんが……」

    「……というか、あなたは普段の服装なのね」

    岡部「……町の案内に気合を入れる必要もなかろう? デートでもあるまいし」

    「……あっ、そう。そうよね」

    岡部「……指圧師よ、なぜロリっ子は不機嫌そうになっているのだ」(ヒソヒソ

    萌郁「……女泣かせ」

    岡部「何の話だ。……まったく、行くぞ、ロリっ子」

    「わ、わかったわ」

    岡部「いいか指圧師よ、このことはくれぐれも内密にするのだぞ!」



    テクテクテク



    萌郁「……」パシャッ

    萌郁「……」カチカチカチカチ

    萌郁「……送信」ブゥーン

    22 = 1 :

    岡部「さて……まずはあそこだな」(テクテク

    「…………」(ソワソワ

    岡部「…………」(テクテク

    「…………」(モジモジ

    岡部「……なぁ」

    「ひゃいっ!? な、何かしら?」

    岡部「どうしてそんなふうに三歩下がって付いてくるのだ?」

    「あ、アマデウスに聞いたら、男の人と出歩くときはこれが基本だって……」

    岡部「いつの時代だっ! ……ロリっ子よ、人工知能とはいっても所詮あの天才HENTAI少女の思考ルーティンを搭載したものだ。あいつはこういうことに関して色々思考が偏っているから、参考にしてはろくな事はないぞ」

    「そ、そうなの。……ところで」

    岡部「む?」

    「その『ロリっ子』って呼び方……どうにかならない?」

    岡部「嫌なのか?」

    「嫌に決まってるでしょ! 私はれっきとした成人女性よっ! それに……」(チラッ

    岡部「……?」

    「……な、なんでもない! とにかくちゃんと呼んでほしいわ」

    岡部「ふむ」

    岡部(ロリっ子の嫌がることをするのは、作戦遂行にはよろしくないな)

    岡部「わかった。では、比屋定、と呼べばいいか?」

    「……できればその、そっちじゃなくて」

    岡部「む? ……真帆、と呼べばいいのか?」

    「あぅ」(ポー

    岡部「いいのか悪いのかどっちなのだ……」

    「そ、それでいいわ。そう呼んで」

    岡部「わかった。では目的地へ行くぞ、真帆よ」

    「……え、ええ//」


    23 = 1 :

    岡部「ようやく着いたか……こうも暑いと、歩く時間も長く感じるな」

    「……岡部さん? ここって……」

    岡部「うむ、メイクイーン+ニャンニャン*2だ! ちょうど昼時だし、店内は涼しいし、ちょうどよかろう」

    「……はぁ、まあいいわ」



    ~~~



    「「「いらっしゃいませ、ご主人様♪」」」

    「ひゃっ……ここが、メイド喫茶……」

    フェイリス「ニャニャッ! キョーマ、そのカワイイ女の子は誰なのかニャ!?」

    「か、カワイイ!?//」

    岡部「そういえばフェイリスは初対面か。ラボメンナンバー009、比屋定真帆だっ! 助手の先輩でもある」

    フェイリス「クーニャンの先輩? とてもそうは見えないニャ……」

    「……カワイイってそういう意味ね。ええ分かってたわよ、薄々と。……これでも、私はれっきとした成人女性よ」

    フェイリス「ハニャー……こんな人が実在するのニャ……。ああでも、さっきのカワイイって言うのは、別に子どもに言うのと同じ意味で言ったわけではないニャ?」

    「え、えっ!?」

    フェイリス「キョーマもそう思うニャ?」

    岡部「な、何がだ」

    フェイリス「真帆ニャン、カワイイニャ~?」

    岡部「む、む、まあ……似合っているのではないか?」

    「……そ、そうかしら//」

    フェイリス「ニャフフ~。それでは、ご主人様、お嬢様、テーブルにご案内いたしますニャ」(ニヨニヨ

    24 = 1 :

    岡部「コーヒーとオムライスで」

    「えっと、それじゃ私も同じものを」

    フェイリス「かしこまりましたニャ」

    「……へぇ」(キョロキョロ

    岡部「何か気になるのか?」

    「メイド喫茶って初めてなのだけれど、意外とお店としてもしっかりしてるのね」

    岡部「フェイリスの手腕が大きいだろうな。値段も手ごろで、味も良い。初見には入りづらいが、優良店の類だと思うぞ」

    「あのフェイリスさん、って言うのも、ラボメンなの?」

    岡部「ああ、あいつはラボメンナンバー007、フェイリス・ニャンニャンだ」

    「……ラボメンって濃い人しかいないのね」

    岡部「まぁ、この鳳凰院凶真に選ばれし仲間たちだからな。フゥーハッハッハ!」

    フェイリス「お待たせしましたニャ~」

    まゆり「オムライスとコーヒーになりますニャ~♪」

    岡部「む……まゆりではないか」

    まゆり「えっへへ~。オカリン、今日は真帆さんを楽しませてあげてニャ」(コトン

    岡部「うむ、ご苦労。……む?」

    『リア充爆発せよ』

    岡部「……こ、これは」

    フェイリス「書いたのはフェイリスニャン♪」

    岡部「し、心臓に悪いからやめてくれ……」

    「……りあじゅう、ってどういう意味なの?」

    フェイリス「ニャフフ、それはニャ~……」

    まゆり「今の二人みたいなカップルさんのことだニャ♪」

    「え、え、えと、別にカップルってわけじゃ……//」(プシュー

    岡部「ええい、誰もかれも同じような勘違いをしおって……」(パクパク

    25 = 1 :

    岡部「ふぅ、とりあえず腹ごしらえは出来たな」

    「次はどこに行くのかしら?」

    岡部「次は……」

    岡部(……ここは)

    「……岡部さん? どうしたの、立ち止まって」

    岡部(ラジ館……もうあの出来事から時間が経ったが、未だに中に入る勇気はない)

    岡部(……そもそも、立ち入り禁止ではあるのだが)

    岡部(なかったことにしてはならない記憶だが……未だに、夢に見る)

    「ねぇ、岡部さん?」

    岡部(……本当に、あいつを助けられてよかった)

    岡部(もしも救えていなければ、俺は今でも……)

    「岡部さんったら!」

    岡部「……むっ」

    「突然どうしたの? ……顔色、悪いわよ?」

    岡部「いや……なんでもない」

    「……体調が悪いなら、無理しなくても」

    岡部「大丈夫だ。心配をかけて悪かった。……次の目的地に向かおうではないか」

    26 = 1 :

    岡部「混沌なる遊戯の集いし魔境……ここが次の場所だ」

    「あら、ゲームセンターね」

    岡部「む? ゲームセンターにはよく来るのか?」

    「時々、気晴らしにね。……レーシングゲームは、っと」

    岡部「レーシングゲームが好きなのか? ……ハッ!? まさかその外見のせいで車に乗れないから、代わりにレーシングゲームで我慢を……!」

    「そんなわけないでしょう……。ちゃんと免許だって持ってるわよ。岡部さんも、一緒にやる?」

    岡部「フッ……湾岸の魔術師と呼ばれたこの俺に勝負を挑むとは、無謀なりロリっ子!」

    「ロリっ子はやめてよね……ならその実力、見せてもらいましょうか」



    ~~~



    岡部「つ、強すぎる……って! レコード大幅更新じゃないか!」

    「湾岸の魔術師って……なんか名前負けね」

    岡部「いや、流石にプロ級の相手には勝てないだろ……。しかしここまでぼろ負けだと、悔しいという気持ちすら湧いてこないな」

    「再戦してみる?」(フフン

    岡部「遠慮しておく。……む、あっちはクレーンゲームか」

    「……あっ! このぬいぐるみ、可愛いわね」

    岡部(……「もなー」のぬいぐるみじゃないか。助手が喜びそうだな)

    岡部「……欲しいのか?」

    「ほ、欲しくないわけではないけれど……でもこういうのって、あんまり取れないようにできてるし……」

    岡部「フッ、この鳳凰院凶真にかかれば、ゲーセンの卑劣な陰謀など物の数ではない! 見ているがいい!」(チャリーン

    「そう簡単にいくわけ……って、えっ、嘘っ」

    岡部「フゥーハハハ! 朝飯前といったところか」

    「驚いた……。岡部さん、クレーンゲーム上手いのね」

    岡部「高校の時練習したからな。……ほれ」

    「ひゃっ……」

    岡部「これはお前にやる。ママが恋しい夜には抱いて眠るがいい」

    「そんなことしないわよっ!! ……でも、ありがと」(ギュー

    27 = 1 :

    岡部「最後はここだ」

    「ここって……神社?」

    岡部「この秋葉原を古来より見守ってきた聖域……柳林神社だ」

    「……つまり歴史のある神社なのね」

    ルカ子「……あっ、凶真さん!」

    岡部「うむ、ルカ子よ。今日も五月雨の素振りは欠かしていないか?」

    ルカ子「はい、今日はもう二十回素振りしました」

    岡部「弟子が熱心で俺は嬉しいぞ、フゥーハハハ! その調子で励むがいい」

    ルカ子「はいっ! ……えっと、そちらの方が比屋定さんですか?」

    「あら? あなたとは初対面だったと思うのだけれど、私の事を知っているのかしら?」

    ルカ子「え、ええ、少し前にメールが送られてきましたから」

    岡部「メール? どんなのだ?」

    ルカ子「ええと……これです」


    『 9/12 13:32 
     from 桐生さん  
     sub スクープ!!( ̄ー ̄)ニヤリ

     岡部君と比屋定さんが今からデートするみたい!( *´艸`)
     みんなのところにもいくかもしれないから暖かく出迎えてあげてね♪(#^.^#)』

    28 = 1 :

    岡部「……指圧師め! 内密だと言ったのに! しかもご丁寧に添付画像まで付けおって!」

    「ちょ、ちょっと待って! みんな、ってことは……」

    ルカ子「ラボメンには全員送られているみたい、ですね……」

    「あうぅ……今度どんな顔をしてラボに行けばいいのよ……」

    岡部「別に疚しいことなどないのだから、気にせずラボに行けばよかろう」

    「そ、それはそうだけれど……」

    ルカ子「あ、あの、比屋定さんっ」

    「な、何かしら?」

    ルカ子「頑張ってくださいね! 応援しています!」

    「」キュン

    岡部「何の話だ……」

    「あなたもすごくいい子ね……。まゆりさんといい、あなたの周りにはどうしてこういう女の子が良く集まるのかしら」

    岡部「……ククク、真帆よ。お前は一つ思い違いをしているぞ」

    「……え、なに、何よ?」

    岡部「ルカ子は女の子ではない……男だ」

    「……あなた、そういうデリカシーのない発言はどうかと思うわよ? こんな可憐な子が、男の子のはず……」

    ルカ子「えっと……岡部さんの言う通りです」

    「……えっ?」

    ルカ子「ボク……男です」

    「…………」(ズゥーン

    岡部「……なぜ落ち込んでいる?」

    「……男の子……この人が男の子……じゃあ私って……」

    ルカ子「だ、大丈夫です! 比屋定さんは、すごく可愛らしいですよ!」

    「慰めすら惨めに感じるわ……うぅ」

    岡部「まあ、ルカ子以上に女性らしい女性などそう存在するものではない。そう落ち込まずともよかろう」

    「……あなたの周りって、ほんっとうに濃い人しか集まらないのね」

    29 = 1 :

    岡部「ふぅ……ようやくラボの前に戻ってきたか」

    「えっと……今日はありがとう。楽しかったわ」

    岡部「フッ……気にするな。だが、この街の深淵はあの程度ではとても紹介しきれんがな」

    「え、えっと……じゃあ、あの」

    岡部「む?」

    「また案内をお願いしても……いいかしら」

    岡部「まあ、それぐらいなら構わん。暇なときならな」

    「じゃ、じゃあまた今度、お願いするわね。私は、ホテルに戻るわ」

    岡部「うむ、気を付けて帰れよ」



    コツ、コツ、コツ、コツ



    萌郁「……楽し、かった?」

    岡部「ぬわっ!? 突然後ろから出てくるな! 心臓に悪い!」

    萌郁「……ラボ、早く行った方が、いいかも」

    岡部「な、なぜだ」

    萌郁「牧瀬さんが……」

    岡部「じょ、助手が……?」

    萌郁「……ひみつ」

    岡部「ぬぁー!! 気になるところだけ言うのはやめろ! もういい、俺はラボに戻る!」

    30 = 1 :

    バタン



    岡部「ラボの長が帰ったぞー!」

    紅莉栖「…………」

    岡部「む? 助手しかいないのか。まあいい、歩き回って喉が渇いた。知的飲料で喉を潤すとするか」

    紅莉栖「……楽しかった?」

    岡部「ゴクゴクゴク……ぷはっ、やはりドクペは最高だな! ……って、何がだ」

    紅莉栖「先輩とのデ・エ・トは、楽しかった?」(ニコォ

    岡部「……あの、助手よ。その笑顔に、今ものすごく寒気を感じたのだが……」

    紅莉栖「やあねぇ岡部、私の笑顔のどこが怖いって言うのよ」(ニコニコ

    岡部「いや、……その手に持った電極はなんだ?」

    紅莉栖「え? いやぁ、まさか岡部に先輩に手を出す甲斐性があるとは思わなくて……油断してたから?」(ニコニコニコ

    岡部「か、回答になっていないぞ」

    紅莉栖「真帆先輩を毒牙にかけるなんて……そんな不埒な脳内機能はカットしないとねぇ?」(ニコニコニコニコ

    岡部「う、うわああああああ!! 結局海馬電極かっ!! せ、戦略的撤退!」

    紅莉栖「待て、岡部えぇぇぇ!!!」

    31 = 1 :

    岡部「ひ、酷い目にあった……。指圧師も、先に教えてくれればいいものを……!」

    ダル「はぁ、オカリン爆発しねぇかな」

    岡部「どうしてだっ! 暑い中ロリっ子を案内するために歩き回った挙句、助手に危うくロボトミーされるところだったのだぞ!」

    ダル「鈍感系主人公、乙!」

    岡部「ぐぬぬぬぬ……なぜ俺がこんなに散々に言われねばならんのだ」

    岡部「まぁいい。オペレーション・ロキは順調だ。比屋定真帆は、そろそろこの俺のカリスマ性にひざまずき、『あなたの元で働かせてください凶真様っ!』と乞い願うことだろう」

    ダル「あるあ……ねーよ。どこのエロゲだお。……つーか、もう十分どころか行き過ぎてる気がするわけだが。オカリンは本気で個別ルートまで突入するつもりなん?」

    岡部「だから何の話だ。俺は真帆にアキバを案内してやっただけだろう」

    ダル「はぁ、僕はもうどうなっても知らんお」

    岡部「ふっ、これよりオペレーション・ロキは最終段階に入る! 最後の一手は……>>34だ!」

    33 :

    ラボメンみんなで宴会

    34 = 14 :

    35 :

    岡部「みんなで宴会……か」

    ダル「なんか三つとも当たり障りないっつーか……普通だね」

    岡部「下手に無理難題を科せられるよりは余程いい……」

    岡部「では、真帆を祝うための宴会を開くとするか」

    ダル「つっても理由付けが必要っしょ。どういう建前で宴会を開くつもりなん?」

    岡部「む……そうだな。新しいラボメンの加入祝いとかでいいんじゃないのか?」

    ダル「まあそんなもんかね」

    岡部「それではオペレーション・ロキの最終段階に入る! この作戦が果たされた暁には、このラボに有能なる人材が新たに加わっていることだろう。フゥーハハハ!」

    36 = 35 :

    岡部「というわけで第666回円卓会議だ! 皆の衆、よく集まってくれた」

    ダル「急に開催数増えすぎな件について」

    まゆり「今日は何についてお話しするの、オカリン?」

    岡部「フッ……今日の議題はすなわち、新たなるラボメンの加入を祝う宴<スムブル>についてだ!」

    萌郁「……わー」(パチパチ

    ルカ子「新しいラボメンって……比屋定さんの事ですか?」

    岡部「無論だ!」

    ダル「つってもまだ正式なラボメンじゃなくね? オカリンが一方的にラボメンにしただけだお」

    岡部「ふっ、今日の宴が終わった暁には……必ず奴の口から、自分からラボメンになる旨を言わせてやるさ」

    フェイリス「キョーマ、本気だニャ……! 真帆ニャンをこの血の盟約により結ばれた魔女の夜宴<サバト>に招き入れるつもりニャ!」

    岡部「俺はいつでも本気だ。貴様にも協力してもらうぞ、フェイリスよ」

    フェイリス「ニャフフ……フェイリスの秘奥義を開放する時が来たみたいだニャ」

    岡部「それではオペレーション開始だ! 皆の者、準備に移るように」

    ラボメンたち「「「「「オーキードーキー!」」」」」

    37 = 35 :

    岡部「ふぅ……それでは俺も買い出しにでも行くとするか」

    岡部「…………」

    紅莉栖「…………」(ムッスー

    岡部「……で、貴様はさっきからなぜそんな不機嫌面で黙り込んでいるのだ、助手よ」

    紅莉栖「別に不機嫌じゃない。いいんじゃないの? 先輩も喜ぶと思うわよ」

    岡部「言葉と表情が全く釣り合っていないわけだが」

    紅莉栖「……それで、どういう風の吹きまわしよ」

    岡部「何の話だ?」

    紅莉栖「急に先輩にべたべたし始めて。何か下心があるんでしょ?」

    岡部「下心などあるものか。俺は常に崇高な目的のために行動しているにすぎん」

    紅莉栖「……先輩をラボメンに引き込んで、あわよくば未来ガジェットのクオリティを上げようだとか」

    岡部「ぐぬっ……そ、そんなつもりは微塵もないぞ」

    紅莉栖「図星かよ」

    紅莉栖「…………」

    紅莉栖「……岡部、あんたって、さ」

    岡部「む、なんだ?」

    紅莉栖「本当は……先輩の事」

    岡部「真帆のことを?」

    紅莉栖「……ッ! なんでもない! 私もみんなの手伝いしてくる!」(ダッ

    岡部「あっ、おいっ! ……なんだというのだ、まったく」

    岡部「まあいい。とりあえず、真帆に足止めのメールを送っておくとするか」(カチカチ



    『 9/13 10:23
     to  ロリッ子
     sub 伝令だ

     未来ガジェットの誤作動によりラボがエラいことになった。
     復旧が確認されたらメールを送る。それまではラボに来ないように。』
     

    岡部「送信……っと」

    38 = 35 :

    岡部「と、いうわけで買い出しを手伝っているわけだが」



    スコンブスコンブスコンブスコンブスコンブスコンブ



    岡部「……いくらなんでもこんなに酢昆布は要らんだろ!」

    まゆり「えぇ~? まゆしぃ、好きなバナナとかからあげならいくらでも食べられるよ?」

    岡部「普通の人は、いくら大好物でもずっと食べ続ければ飽きるのだ。いいから棚に戻してこい」

    まゆり「はぁーい」(トボトボ

    岡部「……で、これはなんだ、助手よ」

    紅莉栖「ん? ゴーヤチャンプルの具材よ。先輩の故郷の料理だから、ちょうどいいかと思って」

    岡部「……なぜゴーヤチャンプルの具材にマンゴーとドラゴンフルーツが入っているのだ?」

    紅莉栖「南国の果物だし、たぶん合うでしょ。ゴーヤの苦みと果物の甘みが打ち消し合っていい感じになりそうだし」

    岡部「……なぜ研究については論理を突き詰めるくせに、料理は『多分こうなる』という推論ばかりなんだ! いいからお前も棚に戻してこい!」

    紅莉栖「なによ、多少味が悪くたって、栄養価の高いものがいっぱい入ってるんだから体にはいいでしょ」

    岡部「いくら栄養価があろうと貴様の料理が体にいいわけないだろうが! 以前にお前のアップルパイを食った時には危うく死にかけたのだぞ!」

    紅莉栖「はぁ!? あんたにアップルパイ作った覚えなんてないわよ! 妄想乙!」

    岡部「ほかの世界線ではあったのだ! 少しは自分の料理の腕前を自覚しろ、このメシマズ天才HENTAI処女が!」

    紅莉栖「はいはい童貞童貞! 自分が料理作らないのに人の料理ばっかり批判してさ!」

    岡部「貴様の料理実験なら他の時にやれというのだ! 真帆が腹でも壊したらどうする!」

    岡部(助手の殺人料理で腹でも壊されたら作戦遂行は絶望的だぞ……!)

    紅莉栖「ッ……! また先輩のこと……? なによ、このばか岡部……」

    岡部「……どうしたというのだ。最近のお前は少しおかしいぞ」

    紅莉栖「誰のせいだと……ッ!」

    ルカ子「お、お二人とも、スーパーの中ですので、それくらいに……」



    クスクス
    アラヤダ サイキンノワカイコハ
    フヒヒリアジュウバクハツシロ ビシィ



    岡部「……はぁ」

    紅莉栖「……ふん」

    39 = 35 :

    岡部(もともと助手を引き止めるためのオペレーションだったというのに、当の助手が不機嫌になっているのでは意味がない気がしてきたぞ……)

    岡部(まあここまで来て辞めるわけにもいかんしな。とりあえず後のことはオペレーションを完遂してから考えよう)

    フェイリス「キョーマ、なにを考え込んでいるのニャ?」

    岡部「む? ……フッ、世界を混沌に陥れるための発明についてな」

    萌郁「……暇なら、手伝って」

    岡部「ぬぐっ……ズバリと言うようになりおって、指圧師め」

    フェイリス「それじゃキョーマはこの飾りをあっちに頼むニャ」

    岡部「うむ。……それにしても、随分と大掛かりになったな。殺風景なラボの中がまるで別空間だ」

    萌郁「……椎名さんが、考えた」

    ルカ子「流石ですね、まゆりちゃん……」

    まゆり「そんなー、大したことないよぉ」(テレテレ

    紅莉栖「一時間かそこらでこの飾りつけを考えたのはほんとにすごいわ……。というか、普段からこんな感じでいいんじゃないの?」

    岡部「何を言うかっ! ラボは多少殺伐としていてこそマッドな雰囲気が醸し出されるというもの! こんなふわふわした空間など普段の我がラボには相応しくないわっ!」

    紅莉栖「……あっそ」

    岡部「……む」

    ダル「オカリンェ……牧瀬氏となに修羅場ってるん?」(ヒソヒソ

    岡部「知らん! 昨日からなぜか知らんが助手が不機嫌なのだ」(ヒソヒソ

    40 = 35 :

    ガチャ



    由季「こんにちはー」

    ダル「ゆ、ゆ、由季たん! よく来てくれたお!」(ドンッ

    岡部「ぬわっ! お、おのれダルめ……俺を突き飛ばすとは。……というか、いつの間に阿万音由季を呼んでいたのだ?」

    由季「アハハ、ごめんなさい。ダル君のメールにちらっと宴会の話が出てきて、私も行きたいなーって、我儘言っちゃって」

    まゆり「いやいや、大歓迎だよぉ~♪ ゆっくりしていってね、由季さん」

    由季「ありがと、まゆりちゃん。……急な参加ですけど、大丈夫ですか? 岡部さん」

    岡部「む……まぁ、構わん。人数が多い方が盛り上がるだろうしな」

    ダル「まあオカリンがダメって言ったら逆にオカリンを追い出すわけだが~」

    岡部「ぬぁに!? 裏切ったかダル!」

    まゆり「その場合はまゆしぃも参戦するのです♪」

    岡部「くぅっ!! ……俺だ。どうやら『機関』がラボ内の切り崩し工作を始めたらしい。フッ、大丈夫だ。上手くやって見せるさ。エル・プサイ……『ブゥーン』……む?」(カチャ


    『 9/13 14:25
     from  ロリッ子
     sub re:伝令だ

     了解したわ』
     
     
    岡部「……いかにもあのロリっ子らしいそっけないメールだ」

    まゆり「真帆さんを待たせちゃったら悪いし、早く仕上げちゃお~」

    フェイリス「オーキードーキーニャ!」

    41 = 35 :

    岡部「さて、メールを送って時間も経ったから、そろそろ来るはずだが」

    萌郁「……どきどき」

    由季「息を潜める必要はあるのかな~……」

    まゆり「特に意味はないんじゃないかな~♪」

    フェイリス「ニャフフ……こういうサプライズパーティーは大好物ニャ」

    紅莉栖「シッ! 足音が聞こえる!」


    コツ、コツ、コツ、コツ


    岡部「いいかお前たち! 俺の合図に合わせるのだぞ」(ヒソヒソ

    ラボメンたち「「「「「「「「オーキードーキー」」」」」」」(ヒソヒソ


    ガチャ


    「こんばんはー……」

    岡部「今だっ!」


    パパパパーン!!


    「ひゃわあっ!!?」

    岡部「フゥーハハハ! よく来たなロリっ子よ! この混沌たる宴<スムブル>に!」

    「何、なに!?」

    紅莉栖「くぉら岡部! こんな時くらいちゃんと言え!」

    「く、紅莉栖?」

    まゆり・フェイリス「「おめでとー、真帆さん(ニャン)♪」」

    ルカ子「あの、お料理を作ってきたので、どうぞ召しあがってください」

    萌郁「……おめでとう」(パーン

    由季「えっと、よくわからないけど、おめでとうございます」

    「まゆりさんにフェイリスさん、漆原さんに……えっ、と? あなたは……」

    ダル「僕のか、か……友人の由季たんだお。真帆たんおめでとー」

    岡部「ええいお前らやかましいぞ! ロリっ子が混乱するだろうが! とりあえず席へ戻れぃ!」

    42 = 35 :

    「それで、この集まりは……?」

    岡部「フッ、先ほど言っただろう! 今宵は血の盟約により結ばれたラボメンたちの、混沌なる宴<スムブル>だと」

    まゆり「あのね~、オカリンが真帆さんのラボメン加入祝いで、宴会を開こうって言ったのです♪」

    岡部「こ、こらっ! まゆりっ!」

    「えっ……? 岡部さんが……?」

    岡部「べ、別に貴様のためではない! 俺はただラボメンの親睦を深めようとだな!」

    ダル「うわー男のツンデレとかないわーマジないわー」

    由季「ふふっ……岡部さんって、やっぱり優しいんですね」

    「ええと……ありがとう、岡部さん……」

    岡部「……フン、礼を言われるほどの事ではない」

    紅莉栖「先輩、今日はぜひ研究の疲れを癒していってくださいね」

    「紅莉栖も……ありがとう」

    岡部「さて、立ち話はこれくらいにして、ルカ子の手料理を堪能しようではないかっ!」

    43 = 35 :

    「このお料理、とても美味しいわね……」

    ルカ子「あの、褒めて頂けて光栄ですっ」

    「でも漆原さんって……」

    萌郁「……だが、男だ」

    「……私も、お料理練習しようかなぁ」

    紅莉栖「あ、真帆先輩、私もご一緒しますよ」

    岡部「じ、実験大好きっ子二人で料理の練習だと……? 貴様らっ、このラボを腐海にするつもりか!」

    「……どーいう意味かしら!?」(ムカッ

    紅莉栖「先輩、こいつの発言にいちいち腹を立ててたら体力が持ちませんよ。……そうしたら岡部ぇ? それじゃ私のホテルで料理するから、あんたが私たちの料理の試食してね?」(ニコォ

    岡部「こ、[ピーーー]気かっ!?」

    ダル「うわぁ……おにゃのこの手料理イベントなのに、全く嬉しくない……」

    フェイリス「キョーマ……骨は拾うニャ」

    真帆・紅莉栖「「あなたたちも大概酷いわねっ!!」」

    由季「……プッ、あはははは!」

    まゆり「由季さん、どうしたの?」

    44 = 35 :

    由季「ふふっ……いや、普段ダル君に聞いてる以上に楽しいところだなって思って」

    まゆり「えへへ、そうでしょ? ラボはとってもとーっても素敵な所なのです♪」

    由季「私もこんなメンバーの一員になれたら、楽しいだろうなぁ……」

    岡部「……ふむ」

    ダル「オカリン? どしたん?」

    岡部「よかろう。本来であればラボメンに『阿万音』の性は一人で十分だが……この世界線ならば、それもまた一つの選択なのだろう」

    紅莉栖「日本語でおK」

    「えっと……紅莉栖?」

    紅莉栖「……ハッ!//」

    岡部「阿万音由季! お前はこのラボの一員として、身命を賭す覚悟はあるか?」

    由季「えっと……?」

    フェイリス「ラボ加入祝い、二人分に増やさないとニャ~?」

    ダル「オカリン、言い方回りくどすぎ。……由季たん、つまりオカリンは、由季たんをラボメンの一人にしたいみたいだお」

    由季「な、なるほど……えっと、それなら、よろしくお願いします」(ペコリ

    岡部「フゥーハハハ! お前は今日からラボメンナンバー010だ! 初の二桁代のラボメンだぞ、光栄に思うがいい!」

    「……え?」(ズキッ

    ルカ子「お、お祝いのケーキ、もう一つ作った方が良いですか?」

    由季「いえいえ、そこまでしていただかなくても……」

    45 = 35 :

    「えと、何を言っているのよ――『オカリンさん』」



    岡部「む? ……今なんと」

    「阿万音由季さんはラボメンナンバー011、でしょ? ラボメンナンバー010は……」(ズキッ

    岡部「おい、……真帆?」

    紅莉栖「先輩?」

    「ラボメンナンバー010は――」

    「……『椎名かがり』……うっ、ぐぅ……」

    まゆり「えっ? まゆしぃ?」

    岡部「おい真帆、どうした!? 頭が痛いのか!?」

    「……うっ……あ、わ、私は、何を……?」

    由季「あの、大丈夫ですか? 私が、何か……?」

    「……いいえ。私、何か変なことを言ってしまったみたいね。……少し、夜風に当たってくるわ。私の事は気にしないで、パーティーは続けて頂戴」

    紅莉栖「あっ、先輩……」



    コツ、コツ、コツ、コツ……



    フェイリス「……真帆ニャン、大丈夫かニャ」

    岡部「……少し見てくる」

    岡部(あの症状は……まさか)

    46 = 35 :

    「…………」

    「……うっ……」(ズキッ

    岡部「……真帆」

    「……オカリン、さん? 私は大丈夫だって、言ったのに」

    岡部「その呼び名」

    「呼び名……って」

    岡部「いつからお前は、俺の事を『オカリンさん』と呼ぶようになった?」

    「それ、は……」

    「この屋上で……!」(ズキッ



    ――私の事は真帆と呼んで。あなたの事は、オカリンさんって呼ぶから。



    「うっ、頭が……いた、い……!」

    岡部「……真帆ッ! 大丈夫か!?」

    「何なの……経験したことのないはずの、この記憶は……?」

    岡部「……やはり、リーディング・シュタイナーか」

    「リーディング……?」

    岡部「荒唐無稽な話だが……聞いてくれるか」

    47 = 35 :

    岡部「――と、いうわけだ」

    「……世界線を越えての記憶の保持。とても信じられないわね」

    岡部「……そうだろうな。しかし……」

    「と、本来なら言っていたでしょうけど。私には、確かに経験したことのない記憶がある。一概に切り捨てることはできないわ」

    岡部「リーディング・シュタイナーは誰しもが潜在的に持つものだ。……だが、真帆のそれは、かなり強い形で発現しているように見える」

    岡部「阿万音由季がラボメンナンバー011だった世界線……そして、俺の知らない『ラボメンナンバー010』」

    「……だけれど、この屋上での記憶と、『ラボメンナンバー010』の記憶には……私の中で、大きな断絶を感じるわ」

    岡部「断絶?」

    「えぇ。二つとも別の世界線での出来事だけれど、その二つもまた、異なる世界線における記憶のような……そんな違和感が」

    岡部「ふむ……俺が経験した、α世界線1,2,3のようなものか……」

    「同じ世界線内での世界線変動率の違いが生み出した記憶の齟齬、かしら……。ッ……!」(ズキッ

    「う、あ、うう……!」

    岡部「また、発動したのか……!?」

    「う、くぅ……」

    「……オカリンさん?」

    岡部「……真帆?」

    「オカリンさんっ! ラジ館屋上から抜け出せたのね! よかった……」(ギュッ

    岡部「お、おい、真帆?」

    「本当に良かった……。無茶しすぎなのよ、あなたは……ぐすっ」

    岡部「…………」

    岡部(これは……世界線移動か……?)

    48 = 35 :

    岡部「落ち着け。よく周りを見渡してみろ」

    「……あれ? ここは……?」

    岡部「ラボの屋上だ。お前はどんな状況からここに来たんだ?」

    「私は……タイムリープしてきたオカリンさんが、鈴羽さんとまゆりさんを送り出そうと、ラジ館へ行って……様子を見ようと屋上に上がったら、ラジ館の方に軍用機や軍人たちが一斉に向かって行って……」

    岡部「タイムリープ……α世界線か? いやしかし、軍用機に軍人……?」

    「それよりもっ! オカリンさん、こんなところで悠長にしている暇はないわ! もう第三次世界大戦は始まってしまった! 早く避難しないと、もう秋葉原は、安全な街ではない……!」

    岡部「……第三次世界大戦……まさか、β世界線か!?」

    「オカリンさん、ほら、早く! すぐに支度をして、ここを出なきゃ!」

    岡部「落ち着け、真帆っ! ここはβ世界線ではない。第三次世界大戦は起きないんだ!」

    「……え? どういうこと?」

    岡部「周りを見てみろ。ヘリが飛んでいなければ銃声もしない。いつも通りのアキバの街だ。お前が見た景色は俺にはわからないが、少なくとも戦争が起こる雰囲気じゃないのはわかるだろう」

    「そんな……それじゃ、ここはどこなの? どんな世界線なの?」

    岡部「ここは、『シュタインズ・ゲート』。ディストピアも、第三次世界大戦も起こらない、未知の世界線だ」

    49 = 35 :

    「シュタインズ・ゲート……」

    岡部「そうだ。お前にとっては初耳かもしれないが……」

    「あった……本当にあった……」(ポロッ

    岡部「お、おい、真帆?」

    「オカリンさんは辿り着けたのね……紅莉栖も、まゆりさんも救って、この世界線に……」(ポロポロ

    「よかった……よかったよぉ……」(ポロポロ

    岡部「…………」



    ~~~



    「……コホン。ごめんなさい、取り乱して」

    岡部「いや……構わん」

    「……冷静になって、自分の記憶を探ってみると、なんだかすごく混乱するわね。この世界線の記憶に、β世界線のいくつかの世界の記憶が入り乱れて、よくわからなくなる」

    岡部「……別の世界線の記憶を追いかけてもいいことはない。出来ればすぐに忘れたほうがいいくらいだ」

    「……そう」

    岡部「ああ」

    「でも、私はこの記憶を、忘れたくないわ」

    岡部「どうしてだ? 紅莉栖が死んでいて、第三次世界大戦が起こる、β世界線の記憶なんて、どう考えてもいいものでは……」

    「『この世界線での私』が……初めて会った時からオカリンさんに惹かれていたのも、この記憶があったからだと思うから」

    岡部「え、惹かれ……?」

    「β世界線では、絶対に言うつもりは無かった。すべてを紅莉栖の為に捧げようとしていたあなたの『執念』を鈍らせるようなことは、したくなかったから」

    岡部「何の、話を……」

    「だけれど、ここなら……未来のまだわからないこの世界なら、私があなたに想いを伝えても、いいのよね」(ギュッ

    「オカリンさん、私はあなたの事――」

    50 = 35 :

    『あああああああああああっ!!!』



    岡部「」(ビクッ

    紅莉栖「おおおおおかあああべぇぇぇええ!! あ、あんた、体調不良に付け込んで、先輩を毒牙にかけようなんて……!」

    岡部「ちょっ、待てクリスティーナ! 誤解だ! 俺は別にそんなつもりは……」

    「」ギューッ

    岡部「っておい、真帆っ! なぜそこでさらにくっつく!」

    紅莉栖「ちょっと、先輩!? そいつは橋田と同レベルのHENTAIなんですから、そんなにくっついちゃだめです! ばっちいです!」

    岡部「ダルと同レベルにされるのは非常に遺憾なのだが!?」

    「……はぁ。紅莉栖も、素直になればいいのに」

    紅莉栖「な、何の話ですか?」

    「素直に、『オカリンさんにくっつかれるのが嫌』って言いなさいよ」

    紅莉栖「ふぇ!?」

    「『アマデウス』ですらオカリンさんに惹かれてるんだから、その素体であるあなたがオカリンさんの事を好きにならないはずが――」

    紅莉栖「わーーーー!!// 何の話ですか何の話ですか!! 大事なことなので三回言いました!!//」

    「人生すら賭して助けようとされるなんて、オカリンさんにそんなに愛されてるのは妬けちゃうけど」

    岡部「あ、愛ぃ!? こ、このロリっ子めが、何の話をしているのだ!?」

    「……二人とも、少しは素直になるという考えはないのかしら。特に紅莉栖、あなたが素直にならないようなら、オカリンさんは私がもらってもいいのよね?」

    紅莉栖「も、貰っ!?//」

    岡部「お、おい! 真帆! お前、さっきから少しどころではなく変だぞ! お前はそんな、人をからかうような性格じゃないだろ!」


    「からかっているつもりは無いわよ。だって私は、ただオカリンさんの事が好きなだけだもの」


    岡部「んなぁっ」

    紅莉栖「ふぇっ!?」


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