私的良スレ書庫
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元スレモバP「火事から始まる同棲生活」
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フレデリカ「ところでプロデューサーって自炊してるのー?」
P「基本は冷凍食品だったよ。そうだな……たまには自分で作るか」
P(いつもはちひろが用意しておいてくれたり一緒に作ったりだし、今日くらいは俺が夕飯準備しておくか)
周子「何作れるん?」
P「カップ麺」
フレデリカ「お湯沸かせるんだ!すごいじゃーん!」
P「いや一人暮らしだったし多少は自炊出来るから、やめて褒めないで心が痛い」
周子「1人でお湯沸かすなんて危ないよーPさん」
P「マジかよ俺風呂入れないじゃん」
P「ところで2人は何してたんだ?」
周子「ふつーにお買い物。なんか良さげな服ないかなーって」
フレデリカ「プロデューサーも一緒にショッピングするー?」
P「いや、悪いけど遠慮しとくよ。買って帰らなきゃいけないものあるし」
フレデリカ「アタシ達が見繕ってあげよっか?」
周子「完璧なコーディネートをしよう。成果はこちらが保証する」
P「いや服とかじゃないから。んじゃ、支払いはここに置いとくわ」
フレデリカ「またねープロデューサー!」
カランカランッ
周子「どっちだと思う?フレちゃん反応的にあたりついてそうだけど」
フレデリカ「アタシ的には前者がナイスなんだけどねー。まぁどっちもなんじゃないかなー?」
周子「なるほどねー。んじゃ変な詮索はやめとこっか」
フレデリカ「むむむーん……頭を白紙に戻す!」
周子「あーせっかく考えた一発ギャグがーん」
フレデリカ「それじゃーまた一緒に考えよっか!コンビ組んで一攫千金狙おー!風はアタシ達に向かって吹いてる!」
周子「風が吹けば?」
フレデリカ「桶屋が木から落ちる!」
周子「世の中って理不尽だねー」
~夜~
ガチャ
ちひろ「ただいま戻りましたー」
P「ん、おかえり。夕飯作ってるぞー」
ちひろ「ありがとうございま……」
P「っと、ここで中火か……」
ちひろ「ってちょっとちょっと!1人で火を使うなんで危ないですよ!」
P「子供か俺は」
ちひろ「失礼しました。それ、火って言うんですよ」
P「バカにしすぎだろ……元一人暮らしをなめるな料理くらい俺だってアッチィ!」
ちひろ「あーほら……水で冷やして下さい」
ちひろ「それで、どうして急に夕飯を?」
P「いやほら、俺流石にちひろに甘え過ぎな気がしてさ」
ちひろ「気を使わなくても大丈夫ですって」
P「それでそっちに気を使わせ過ぎるのもさ」
ちひろ「私が貴方に気を使ってると思ってるんですか?」
P「酷い……とまぁ冗談は置いといてさ。住ませて貰ってるんだから夕飯くらい作ろうかなって」
ちひろ「私の楽しみを奪うつもりですね?」
P「料理好きなの?」
ちひろ「嫌いじゃありませんが……まぁ、今日くらいは素直に感謝してあげましょう」
P「素直じゃないなぁ」
ちひろ「素直な反応していいんですか?」
P「ごめんなさい」
ちひろ「とまぁそれは置いといて。夕飯、ありがとうございます」
P「家に帰ってくると食事が用意してあるってさ、俺すごく嬉しかったから。恩返しとして、ね」
ちひろ「それはまぁ、そうですね。自分で用意しなくていいのは楽だと思います」
P「だよなー、冷凍食品でも惣菜でもなく出来たての料理が並んでるんだ」
ちひろ「いや、私は以前から自炊していましたが」
P「それ程俺は感謝してるって事だよ」
ちひろ「でしたら、その必要はないですよ」
P「……え?」
ちひろ「私の帰りが遅くなる時はとてもありがたいですが、今日みたいな普通の時間に帰って来れる日は用意しておいて下さらなくて大丈夫ですから」
P(……自分で作った方が美味いし安上がりだからだろうか……)
P「……分かったよ。変な気を回して悪かったな」
P「……そろそろ寝るかな」
ちひろ「あれ、早くありませんか?明日お休みですよね?」
P「ちょっと見に行きたいものがあってな」
ちひろ「……新しいアパートですか?」
P「そのつもり。いつまでも甘えっぱなしってのも悪いし」
ちひろ「……そうですか。では、おやすみなさい」
P「おやすみなさい」
バタンッ
P(翌日起きて、さっさと着替える)
P(朝食は……めんどうだし抜いていいだろう)
P(一瞬まだ寝てるちひろの分を作っておこうかと思ったが、昨日のやり取りを思い出してやめた)
P(……それにしても)
P(朝食を食べないの、久し振りな気がする)
P(健康的な生活に慣れると、元の生活に戻すのに苦労しそうだ)
P「ここかこの駅周辺で、出来ればこのくらいの家賃のーー」
P(高い……何故都会はこんなに高いんだ)
P(とは言えまぁ、だからと行って新しいアパート探しを放棄する訳にもいかない)
P(とりあえず候補を何箇所か決め、後日見学に行く事にした)
P(そろそろ本腰入れて決めないといけないからな)
P(……久し振りに、前のアパートがどうなったのか見に言ってみるか)
P「……まぁ、まだ完成はしてないよな」
P(以前住んでたアパートは、まだコンクリートの下地しかなかった)
P(まだ二週間くらいしか経ってないし、当たり前か)
P(俺は、ここから事務所に行ってたんだよな)
P(毎朝起きて、事務所行って仕事して、帰ってシャワー浴びて寝て)
P(大して思い入れなんて無かった)
P(だから、今俺の目が潤んでいたとしてもそれは欠伸のせいだ)
P(ずっとその場にいると息苦しくなりそうで、俺はその場を後にした)
P(はやく新しいアパートみつけて、そっちに慣れよう)
ガチャ
P「ただいま戻りましたー」
P「……あれ?出掛けてるのか?」
P(部屋にちひろは居なかった)
P(あっちも休みだった筈だが、まぁ何も予定無いって事もないだろう)
P(冷蔵庫を開いたところで、昨日のやり取りを思い出す)
P(……まぁご飯くらいは多めに炊いておこうか)
P(そのくらいだったら迷惑にはならないだろう)
P「いただきます」
P(白米、納豆、電子レンジであっためたソーセージ)
P(……ま、まぁ俺1人が食べられればいいから、うん)
P(あいつがいるならそこそこマトモなもの作るから)
P(……1人で家で食べる夕飯って、こんなに虚無だっただろうか)
P(やけに時計の針の音と食器の鳴る音が大きく聞こえる)
P「テレビ、何かつけるか」
P(ここから二日はしばらく雨らしい。火事は起こりにくそうだな)
ポツ、ポツ
P「ってうわ!もう降ってきてんじゃん洗濯物洗濯物!」
P「……セーフ、部屋干しすればすぐ乾くレベル」
P(急いで洗濯物を取り込んだところで、俺は気付いた)
P(ちひろ、傘持って行ってただろうか)
P(家の傘は減ってないし、確かあまり天気予報見ないって言ってたような……)
P(折り畳み傘……持ってなさそうだな)
P(ま、まぁ流石にコンビニで買うか)
P(……)
ピッ、プルルルル、プルルルル、ピッ
P「……出ないな。まぁ大丈夫だろ」
P「シャワー浴びて寝るか」
ガチャガチャ、ギィーー
P「……ん、帰ってきたのか」
P「おかえりなさーい!」
P「……?」
P「おーい……っ!」
ちひろ「……ぁ……すみません、帰るの遅くなってしまって……」
P(びっちゃびちゃだ……駅出てから雨降られたな)
P「取り敢えずはやく風呂は入れ!ちょうど沸かしておいたから!」
P(ちひろが風呂に入ってる間に、インスタントのスープを作る)
P(生姜も摩り下ろしていれとくか)
P(風邪、引いてないといいんだけどな……)
ギィィー
ちひろ「すみません、ご迷惑おかけして……」
P「気にするな、お互い様だろ」
ちひろ「それで、ですね……」
P「なんだー?」
ちひろ「……バスタオル一枚なので、絶対に振り返らないで下さいね」
P「……神に誓って」
ちひろ「突然神は死んだとか言い出さないで下さいよ?」
P「元気そうだな。さっさと服着ろ」
ちひろ「すみません、駅出た後に降られちゃって。ふぅー……あったかい……」
P「確か駅からここまで地味に距離あるしコンビニ無いんだよな」
ちひろ「そうなんですよね……引っ越しも検討に入れましょう」
P「あ、冷蔵庫の生姜無くなったから明日買ってくる」
ちひろ「……生姜、塊が結構入ってますね……」
P「やさしさの塊だよ」
ちひろ「もう……気を使わなくていいって、昨日……ゴホッ!」
P「使ったのはおろし金くらいだから。今日はさっさと寝とけ、洗濯物やっとくから」
~翌日~
P「……ちひろ」
ちひろ「はい」
P「この体温計、何℃って表示されてる?」
ちひろ「……36℃後半強より少し高めですね……」
P「37.8℃だよ。寝ろ」
ちひろ「いえ……今日は仕事がありますから。このくらいなら……」
P「事務所で倒れたら大変だろ。それにこれ以上体調崩したら……!」
ちひろ「大丈夫ですって……事務仕事くらい」
P「俺が心配だから言ってるんだよ!分かったら連絡いれてさっさと寝ろ!」
P(……なんで俺はこんなにムキになってるんだろう)
ちひろ「……ふふっ、分かりました。お願いしますね?」
~事務所~
P「ってわけで、体調崩したらしいからちひろさんは今日は休みだ」
凛「一人暮らしで体調崩すって、色々と大変そうだよね。お大事にって連絡いれとこっか」
文香「療養中にオススメの本を……」
奈緒「文香、その大量の本どっから持ってきたんだ……?」
ありす「差し入れに、元気の出るパスタを」
唯「た、体調悪い時に甘いものってしんどいよね~!」
P「まぁだからと言ってレッスンが休みになるわけじゃないからな」
文香「……?!」
加蓮「……?!」
奏「はいはい、みんな行くわよ」
P「……」カタカタカタカタ
P(風邪 食事 手軽 検索)
P「……色々あるなぁ」
文香「……私は、このタマゴ粥が気になります……」
P「タマゴ粥なぁ、栄養も取れて良いかもな」
文香「……」
P「……なんでいるの?」
文香「ところで、プロデューサーさん……私としては、それより此方のレストランの方が……」
P「いや、別にみんなに作ってあげようとしてた訳じゃ」
文香「誰に。作ってあげるつもりだったのか……他のアイドル達と予想を立てるのも楽しいかもしれません……」
P「ちょっとこれから出費多そうだから、色々落ち着いたらな」
文香「ところで、プロデューサーさん……」
P「ん、なんだ?」
文香「折り畳み傘と言うものをご存知でしょうか?」
P「いや、それくらい知ってるけど。何かあったのか?」
文香「……いえ、少し……なんでもありません。失礼しました……」
フレデリカ「あーいたいた文香ちゃん!レッスンサボっちゃダメだよー?」
P「そうだおい、文香。お前レッスン」
フレデリカ「意地悪な文香ちゃんはカフェに連行しちゃおーう!」
P「いやだからレッスン行けって」
P「さて、卵と生姜買ってくか」
P(スーパーでカートを押しながら食品売り場を巡る)
P(ん、うどんも悪くないな。豆腐もいいかもしれない)
P(取り敢えず消化に良さそうなものを……)
P(そういえば)
P(人の為に食材を選ぶの、初めてかもしれない)
P(雨の中、買い物袋片手に歩く道はなんとなく楽しかった)
ガチャ
P「ただいまー」
P「……寝てるかな?」
ちひろ「……あ……」
P「お、起きてたか。体調は……うわっ!」
ちひろ「……おかえり、なさい……」ギュゥ
P(……な、なんで俺はいきなり抱きつかれてるんだ?!)
ちひろ「1日中1人で……そんなの、慣れてた筈なのに……ちょっと、しんどかったです……」
P「……ただいま、ちひろ。タマゴ粥作るから座って待ってろ」
P「……よーし、もうすぐ出来るぞ」
ちひろ「消えたいです」
P「安心しろ、代わりに火を消しとくから」
ちひろ「……あぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
P「思い出すな暴れるな足バタつかせるな!熱上がるだろ!」
ちひろ「いえ、全然気にしてませんから?熱も多少下がってはいますし?」
P「ぶり返すぞー」
ちひろ「いえ、そのですね……こう、熱のせいと言いますか……そう、プロデューサーさんのせいです!」
P「はいはいタマゴ粥出来たぞ。熱いから気をつけろよ」
ちひろ「ありがとうございます……勿体無いですね……」
P「何が?」
ちひろ「せっかく一緒にいるのに、一緒に料理出来ないなんて……」
P「……成る程な」
ちひろ「独り言ですから。気にしないで下さい」
P「一人暮らし長いと、誰かと一緒に料理するなんて超レアだもんな」
ちひろ「張り倒しますよ」
P「独り言だよ、気にするな。俺も……」
ちひろ「俺も……?」
P「あ、昨日鞄も濡れちゃってたけど中身大丈夫だったか?」
ちひろ「あ、はい。少し濡れちゃってますが、また同じものを……」
P「同じもの……?」
ちひろ「……バレてしまっては仕方ありませんね……」
P「俺まだ何も言ってない」
ちひろ「じゃん!物件情報です!」
P「……まさか、俺の為に……」
ちひろ「いえ、そろそろ契約して2年経つので私も事務所の近くに引っ越そうかと」
P「期待と喜びを返せ!!」
P(このままこのマンションに折半で同棲、なんて都合が良すぎるよな)
ちひろ「半分冗談です。あなた向きのアパートも探しておきましたから」
P「あ、ありがとな……うわ安っ?!この広さとこの立地条件で?!」
ちひろ「ふふんっ、出来る女は違うんです」
P「とは言え一人暮らしするには部屋多くて掃除大変そうだな……」
ちひろ「お掃除ロボット買ってみたらどうですか?」
P「割と前向きに検討するよ」
P「……なぁ、ちひろ。本当に色々ありがとな」
ちひろ「困った時はお互い様……と言うことに今はしておきましょう」
P「今は?」
ちひろ「今言って、熱のせいにされたらたまったものじゃありませんから」
P「……熱のせい、な……あ、風邪薬も一応買ってきたから飲んどけよ」
ちひろ「ですから……これからの私の発言は、全部熱のせいです」
P「そう言えば下がってきたんじゃなかったっけ?」
ちひろ「雰囲気って言葉知ってます?」
P「ごめん」
ちひろ「始めは、まぁ本当に見ていられなかったから、って思いが強かったです」
P「多分そうとう上の空だったんだろうな、俺」
ちひろ「貸しを作っておこうなんて思っていませんでしたよ?」
P「なんで今言ったのそれ」
ちひろ「でも、ずっと一人暮らししてたからかもしれませんけど……誰かと部屋で食卓を囲んだり、一緒に料理を作ったり、朝送ってもらったり、夜出迎えて貰ったり……そんな事が嬉しくて」
P「うん、俺もだ」
ちひろ「ふと思ったんです。このままなぁなぁにして、ずっと一緒に過ごす時間が続けば良いのに、と……」
P「うん、俺もだ」
ちひろ「でも、ここは貴方の家ではありませんから。今でもたまに、心の何処かで寂しいと感じた事もあるはずです」
P「……」
ちひろ「そんな貴方に自分は何も言わず、ただ居心地が良いだけの暮らしをする私が許せなくて……なのに、貴方がアパートを探しに行くと行った日、とても悲しくて……」
P「……」
ちひろ「貴方は、やっぱりきちんと自分の居場所を作るべきなんです。じゃないと、いつまで経っても前の家の事が胸の中に残るままで……そして、それはきっとこの家じゃありません」
P「……ありがとう、ちひろ」
ちひろ「恩返し、期待してます。出来る限り早めにお願いしますね」
P「あぁ」
ちひろ「と言うわけで、明日貴方にはアパート見学に行ってきてもらいます」
P「はやっ?!」
ちひろ「善は急げ、ですよ。午後は空いてますよね?」
P「了解。んじゃ、そっちは早く寝て体調治せよ」
P(それから、事はトントン拍子に進んだ)
P(ちひろが勧めてくれたアパートはかなりの新築で)
P(事務所まで電車と徒歩併せて30分とかなり近く、近くにスーパーもコンビニもある)
P(日当たり良し、部屋数は一人暮らしには多過ぎるくらいで、なんか契約すると家具まで付いてくるらしい)
P(……それでこのお値段?どっから見つけてきたんだろう)
P(曰く付きではないと思うが、だとすると尚更怖いので聞かない事にする。ちひろを信じろ)
P(契約をして、四日後にはもう住居可能になった)
P(そして……)
P「改めて、本当に色々ありがとな」
ちひろ「もっと感謝してくれていいんですよ?」
P「ビール飲む?」
ちひろ「せっかくの引越し祝いなんですし、もう少し豪勢にいきませんか?」
P「ビール美味しいだろ、発泡酒だけど。あとまだ明日だから」
ちひろ「それにしても……私の家で良かったんですか?」
P「最後……にはしたくないけど、まぁプチ同棲生活のラストは此処がいいかなって」
ちひろ「どうですか?新しい住居が決まった気持ちは」
P「まぁ、悪くないかな。なんと言うか……心の突っ掛かりが取れた気分です」
ちひろ「私はそうなった事がありませんから分かりませんけど……きっと、自分で思ってる以上に辛かったと思いますよ」
P「そんな悩みを解決してくれるのがビール!」
ちひろ「知ってますか?アルコールって燃えるんですよ」
P「えぐい角度のブラックジョークだな!」
P「……これから、行ってらっしゃいもお帰りなさいも聞けないんだな」
ちひろ「どうでしょう?貴方次第かもしれませんよ」
P「なにそのほん怖みたいなセリフ」
ちひろ「ところで、本当にあの家でいいんですよね?後悔してませんか?」
P「あぁ、条件はこれ以上ない程良かったよ。明日の夜には家具も届くらしい」
ちひろ「そう言えば……私からも、ひとつ」
P「なんだ?」
ちひろ「こちらこそ、ありがとうございました。これまでと、これからに」
P「なんかいいな、そういうの」
ちひろ「ささ、ビール無くなってますよ」
P「っと、ありがとう」
ーーチュン、チュン
P「……朝か」
ちひろ「おはようございます」
P「さて、朝ごはん食べたら新しい家向かうかな」
ちひろ「それじゃ、一緒に作りませんか?」
P「そうだな。それが良い」
P「さて、そろそろ出るか」
ちひろ「挨拶はどれにしますか?」
P「うーん、そうだな……」
ちひろ「あ、あと鍵返して貰います」
P「あ、そうだった。完全に忘れてたわ」
ちひろ「危なかったです……困りますよ」
P「よし、それじゃ……長い間、お邪魔しました」
ちひろ「二度と来ることはないと思いますよ!」
P「酷っ!」
P(こうして、俺とちひろの同棲生活は幕を下ろした)
P(……筈だったのだが)
P「……え、なんでだ?」
P(業者の人達が家具を俺の部屋に運んでくれている。それはおかしくないが……)
P(……なんで、引越し業者なんだ?)
P(そして……)
P(……なんで、ちひろの家の家具が俺のアパートに運び込まれているんだ?)
ちひろ「こんばんは、プロデューサーさん。朝ぶりですね」
P「こんばんは、いい天気だな」
ちひろ「月が綺麗ですね」
P「曇ってるけどな」
P「……なぁ、このアパートが家具付きだった理由って……」
ちひろ「私の家のから運んでくるからです」
P「やたら安いのは?」
ちひろ「私と折半だからです」
P「不動産屋の人はそんな事……」
ちひろ「契約書には必ずきちんと目を通しましょう。どんな小さな文字で書いてあるか、はたまた縦読みになっているか分かりませんよ」
P「こう、法律や決まり的には……」
ちひろ「私と貴方はそれぞれですが合意の元契約してますし、最悪……ほら、ね?」
P「怖……前の家は?」
ちひろ「もうすぐ引き払います。言いませんでしたっけ?私も引越しを考えている、と」
P「……マジか」
ちひろ「まぁまぁ、掃除ロボット購入代が浮いたと思えば」
P「そんなふうに考えちゃっていいのかよ」
ちひろ「契約、取り消しますか?……と、この状況で尋ねるのも卑怯ですから、貴方をきちんと納得させます」
ちひろ「……これからも、私と一緒に暮らしてくれませんか?」
P「こちらこそ、喜んで」
~事務所~
凛「へー、プロデューサー引っ越したんだ」
奈緒「それもかなり広いって噂だぞ」
P「噂って……誰だ流したの。俺言ってないのに……怖」
奏「秘密っていうのは、いつか解き明かされるものよ……」
文香「引越し……パーティ……プロデューサーさん、空いてる日はありますか?」
フレデリカ「いいねー、レッツホームパーティ!フレちゃんがアメリカで暮らしてた頃は毎日開いてたよー。アメリカ住んだ事無いけど!」
アナスタシア「スパスィーバ!アーニャ、パーティ大好きです!」
ありす「腕によりを掛けて、たくさん作らないといけませんね」
周子「あたし蕎麦おねがーい」
唯「唯はチョコフォンデュとかしたいなぁ~プロデューサーちゃん!」
P「まぁ空いてる日はあるし、パーティ出来るくらいの部屋数も……って、ダメだダメだ!アイドル家に呼ぶとかバカ過ぎるだろ!」
P(そもそもちひろと同棲してるの秘密だから)
ちひろ「……ふふっ、良いですね。私も参加希望出していいですか?」
P「えっ、あ、あの」
P(そんなこんなで再開された同棲生活は、まぁなかなか楽しくなりそうで)
P「そ、それじゃ、ちょっと出掛けてきます!」
ちひろ「行ってらっしゃい、プロデューサーさん!」
P「行ってきます!」
P(このやり取りを今まで以上に増やしていけると思うと、とても嬉しかった)
以上です
時間がかかって申し訳ありませんでした
お付き合い、ありがとうございました
オトナ同士だからこそのもどかしさってたまんねえな
しかもお互い、まだ好きとも付き合おうとも言ってないとか
しかもお互い、まだ好きとも付き合おうとも言ってないとか
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