元スレ京太郎「どうも、貴女のKYOです☆」咲「ドンペリもう一本♪」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
注意
1、これは咲-saki-を原作とした二次創作SSです
2、須賀京太郎が主人公です、そして大学生ホストです
3、主に客としてくる女性キャラたちがキャラ崩壊してるかもしれません
4、こことは別に安価スレもやっている為、基本不定期更新です
それでもよろしければ……ゆっくり見ていってね!
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. ∧ .‘, .i i . { 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
r < i i.}从lム ; \ ,ノ / \ 「最高級のサービスを貴女に……!」
.', .\ _ .j i | ∧ ∧,イ
', < .∧ .i Ⅵム .-===- ...イ //
. ヽ ` ─ .´ヽ ∨ ヽl\ //イ
. > ‘ , |.≧` .ー . ´.≦|
> ´ /  ̄ ̄ ̄ ̄)三三└x
> ´ _ __ ≦i.iミ&三三三ニ≧ - _ 、
(_ < ∧ ィマY三三三三i.i三三三三三三三三三三.iニ',
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2 = 1 :
世の中には奇妙な巡りあわせとか、不思議な縁とか、自分が思う以上に存在すると思う
登校中うっかり道の角でトーストを咥えた女の子とぶつかり、その子が自分と同じクラスで隣の席だったり
憎き家族の仇として戦い追いかけてきた相手が、なんと自分の実の父親という事実が明らかになったり
……たまたま知り合いに誘われた合コンに参加したら、幼馴染と出くわしてしまったり(出来る事なら忘れたい)
まるで運命に導かれた様に、起こってしまう架空のような必然を……俺は味わうこととなった
『ーーーーすまん!』
「父さん……」
俺は須賀京太郎、長野生まれ東京在住の一般大学生である
諸事情(周りからしたら非常に呆れる様な事情かもしれないが)で必死に東京にあるそこそこ受験が難関である大学を受け、滑り込みで合格できた俺
今までの進路からいきなり方向転換したから当時は大変だったが、今は楽しく学生ライフを満喫している
そんな東京での大学生活にも慣れた頃、電話ごしに父に謝罪された
今まで両親に何不自由なく裕福な暮らしをさせてもらっていた……だからこれからもずっと我が家は割と金持ちなんだと言う認識を勝手に持っていた
……だが現実は甘くなかった……
俺の父親が今までいた会社が不況の波を受けて経営難になり、結果として職を失ったのだ
大学や一人暮らしのための支援を両親に受けていた俺は、途端に支えをなくした
『……仕事は見つける!せめて京太郎の学費くらいは満足に支払えないのは余りにも情けない!』
『けどあなたはもう若くないわ……私が働きます、今なら主婦の働き手が結構あるわよ』
『そう言ったって母さんだって……』
後ろから母の声も聞こえた、生まれてからずっと共にいてくれた専業主婦である
年齢的に再就職が難航しそうな父、専業主婦から突然仕事を始める母
どちらも上手くいくか不安が残るし、家や車のローンだってまだあるんじゃなかったか……?
「(……カピー)」
実家に住むペットのカピーの為にも金は必要だ
やっぱりというかそれなりにお金がかかる子、しかしともに長く過ごした家族なんだ……!
……それら込みで生活費も含めると貯金削ったとしていつまで持つだろう?
まぁいずれにせよ、今の生活水準を維持できなくなるのは確か……なら!
「ーーーー働くよ俺!」
『……えっ!?』
今まで世話になってばかりで親孝行出来なかった……けど、今回はそのチャンスだ!
自身の生活費(家賃含める)と学費とカピーの世話にかかる金は必須として、二人の為にも稼いでやる!
3 = 1 :
「……大丈夫ですか、須賀君?」
「----えっ、まぁその、色々な!ハハッ!」
……そう決意して大学生活の合間に仕事を探す俺だったが、どうにも上手くいかない
バイト経験も満足にないし、学生だからな……大きく稼げるバイトが限られてしまう
あっちこっち面接や見学に行ったが、収穫ゼロ……骨折り損のくたびれ儲けってやつだ
そして今疲れている俺の所にやってきて心配してくれているのが、俺がこの大学に進学するきっかけとなっている人物
俺が高校時代憧れていた女の子、原村和だ
彼女は最初長野の大学か東京の大学のどっちを受けるか悩んでたらしいのだが、東京を選択……そして俺はその追っかけとして唐突に進路変更したのだ
……呆れていいぜ、女の子の追っかけとかダサいって罵られても仕方ない
けどよ、東京に進学するって言った時の和の表情に一抹の不安の陰りが見えたりしたら?……俺には放っておけなかったんだ
今まで転校を繰り返していたから慣れてると言ってはいたが、三年以上も同じ場所にいてからだとまた違うと思うんだ
最初はただ皆呆れてたけど、俺が勉強頑張ってるのを見てだんだん応援してくれた
そうした努力の結果、俺と和は以前と変わらず同校同級生ってわけだな(こんなの、満足するしかねぇ!)
「無理はしないでください、身体を壊したりしたら元も子もないんですから……ね?」
「ん、善処するよ」
俺を心配してくれる和、やっぱり天使だ……!
けど悪いな、今は身体をゆっくり休ませてる余裕がないんだよ
何とかして稼げる方法をみつけないと、まずここに居られなくなってしまうかもしれないんだからな
「……えっと……」
「お?どうした?」
「あっ、いえ……やっぱりなんでもありません」
意味ありげに口ごもり、取り繕う和……なんでもないってことはないだろう
「実は悩みとかあーーーー」
「そ、それでは失礼します!」
憶測にすぎないが、何かしら悩み相談でもあるんじゃないかと踏んだ俺は和に聞こうとした
しかし途端に足早にその場を逃げるように去ってしまった
……もしかして俺が疲れてる様子だったから気を使われた?
いかんいかん!和に距離置かれるとかこれじゃ何のためにこの大学に来たんだよって話だ、早々に解決しなくては!
自宅に帰ってから自分の問題点諸々整理する
……何度か面接を受けて分かっていることだが、どうも俺の地毛の金髪も印象的にマイナスみたいな様子だ
「(金髪がマイナスにならなそうな仕事……)」
居酒屋みたいな夜遅くまでやるバイトは給料もそこそこあり、金髪も厨房とかならそこまで気にされないかもしれないが……疲れが学校で出ると和が心配してさっきみたいになっちまう
あとはパチンコやパチスロの店員とかも考慮に入れるが、その手のことは詳しくないし、あまりいい印象がない
……などとあれこれ考えているうちにどんどん時間が過ぎる、外が暗くなってきた
「(……気分転換に町でもいってみようかな?俺東京に来たけど行ってない場所まだまだあるし)」
行き詰りかけて耐えられなくなり空気を変えようと、外に足を運ぶ
ぼんやりとしながら街中を練り歩き、だんだんと雰囲気が明るくなってくる
……新宿区……
名は体を表すというが歴史的にまだ出来て日が浅く、個性の富んだ地域が点在する東京の特別区の一つ
中でも歌舞伎町は東洋一の歓楽街だの欲望の迷宮都市だのと評されてるほど、非常に……色々と個性的だった
ーーーーそしてそこで俺の運命が大きく左右される出来事が起こる
「君、ホストとか興味ない?」
「……えっ」
4 = 1 :
流れであれよあれよと連れてこられた場所はホストクラブ……名はセブンというらしい
ホストって言うと水商売の一種で煽ってぼったくる、軟派でチャラい人が多い、女の敵
……とか思われるのが一般的だろう、実際上記のような一面が存在しないわけではない
けども、今いるここは“当たり”だと俺は認識した
思わぬスカウトに最初は困惑したし、怖くもあったのも事実だ
しかし冷静になってみると新しく出来たばかりのホストクラブらしく、俺みたいな未経験者で若いって人達も多い
その状況でもしっかり店が回っていて客もそこそこ入っている、雰囲気も悪くない
「どうだい、良い場所だろ?……ところで君若く見えるけど、学生さん?」
「はい、大学生で18です」
「おー、イイねイイね!ウチプレイヤーも内勤も結構学生さん働いてるからさ、きっと気が合う人もいると思うよ!」
「へぇ……(内勤はまぁなんとなく分かるけど、プレイヤー……?)」
スカウトさんからの専門用語で分かりづらい時もあったが、おそらく流れ的にプレイヤーとはホストのことなんだと思う
実際今の状態が通常営業なら、学生が結構働いているというのは間違いないだろう
「あ、店長!支配人(オーナー)!新人候補ーーーー」
「声がでかい、姫やプレイヤーの邪魔になるだろ」
「うっ、す、申し訳ございません……」
「まぁまぁ、そう目くじら立てないのよ店長。それで、その子は……」
店の片隅に立っていた俺とスカウトさんの前に現れたのは、このホストクラブの店長と支配人さんらしい
店長は強面で不愛想な印象を受ける中年の男性、支配人は優しげな雰囲気の美人だ(やったぜ。)
俺はスカウトさんの失敗を見ていたから抑えめであいさつをする
「初めまして、先ほどこちらの方にスカウトを受けさせていただきました……須賀京太郎です」
「……ふむ」
「良い挨拶ね、キミ……じゃあ早速で悪いんだけど、事務所で少しお話ししましょ?」
「はい、かしこまりました」
職業訓練(ありがとう、ハギヨシさん)でさんざん礼儀作法はやってきた、最低限のマナー……とくにレディの前で失礼があっちゃいかんでしょ
俺はそのまま店長と支配人に連れられて、ほいほいと事務所に吸い込まれた
そこで二人と面接を行ったのだが……
「……お前はいつから来れる?」
「----と、言いますと?」
「ふふふ、そのままの意味よ……貴方は合格、私たちのお墨付きでね」
まさか大した時間会話してないのに、こんなにあっさり認めてもらえるとは思わなかった……ほんと驚いた……
しかし流石に条件とか何も聞かずに始めると決めるわけにもいかないので、契約書など情報の提示を求めた
向こうは快く提示してくれた
ホストは基本歩合給と言う、一ヵ月の売り上げに応じてその何パーセントかを賃金として貰えるという完全実力主義な制度
だからみんなお客からの指名を貰ってお酒をどんどん飲んでもらおうとするわけだ
まぁ、万が一丸一日指名されなかったとしても最低限の日給は出してもらえるらしいが……そっちは大したもんじゃない
……しかし頑張れば頑張るだけ稼ぐことができるというのなら、やる価値はあるのかもしれない
ほかにも契約書等に怪しいところはなかったと思うし、あとは自分次第ってことだろうか
「(俺がここで稼げれば、家族も和との大学生活も守られる……よし!!)」
意を決した俺は資料をテーブルに置き、改めて姿勢を正し二人の経営者を前に深々と礼をする
「いつでも大丈夫です、よろしくお願いいたします!」
「……なら本番は明日からだな」
「じゃあ今日は勉強のためにもみんなの仕事、見て言ってちょうだい……明日からよろしくね、京くん!」
「はい!精進いたします!」
こうして俺は大学生とホスト……二つの顔持つようになったのだ
明日からいそがしくなるぞ!!
5 = 1 :
ーーーー翌日
「ね、ねぇこーこちゃん……やっぱり止めたほうが……」
「今更何言ってるのさ、すこやん!それに初回割に加えて麻雀プロ割なんて言う素敵なサービスで、なんと一人800円で食べ飲み放題!こりゃ行くしかないじゃん!!」
「た、確かに安いけど……(うまい話には何とやらだし……ホストみたいな感じの人、苦手なのにぃ)」
「でしょ!?ほらほら善は急げだよ!」
「ま、待ってよこーこちゃん!(あぁもう大丈夫かなぁ……)」
ーーーー21世紀
世界の麻雀競技人口は数億人を越え、プロの麻雀プレイヤーは人々の注目を集めていた……
これは麻雀に青春を捧げてきた少女達の新たなる軌跡
彼女達はホストである彼を起点として、再び交わるのだ
プロローグ『京太郎、ホストになるってよ』 カンッ
8 :
大学生だから京太郎は18歳~22歳くらいか
だからすこやんはもう、3(ry
9 :
あんただったのか
10 :
スレ立て乙
と言うかバイオの人だったんかいww
11 :
期待するぅぅ!
12 :
貴方だったのか
期待しかない
13 :
乙です
とりあえず、この設定だと和とか大学生は店にはやって来ないか、水商売やらに手を染めそう…
14 :
スレ投下時の弁護士になった和とかはここから先の未来なんだろうなあ
15 :
おお、乙です。
巡回するスレがまた増えましたよ
16 :
おお、立ってた
ちょー楽しみだよー
19 :
続きを待ちまする
21 :
スレ立てたんですね、乙です。
こっちは非安価で行くんですかね?
22 :
皆さん反応感謝でございますorz
>>21
非安価ですよ~
23 :
プロローグ永い
菫「吐きそう」
照「吐いたらお嫁に行けない」
淡「やーい吐け吐け」
誠子「コラ淡あまりはしゃぐ」
尭深「今日は全国制覇で弘世菫様の奢り」
艦
俺のスレミューズ編
エルフェンリート編
極々のブリブリ編
h20編
生徒会の一存編
ef編
最終章BLEACH須賀ブラ編
24 :
スレ立て乙
のんびりでもいいんで続いて欲しい
25 :
乙
ただ、見辛いから改行入れたがいいと思う
26 :
改行今のままでいいぞ
27 :
台詞と地の文がくっついてるわけじゃないしな
28 = 23 :
ネリー「ねぇねぇキョータロー褒めて褒めて」
京太郎「15巻は神」
淡「私だって諸星古海ちゃん残してるし」
衣「実は衣の高校全国に往ってました」
霞「アラアラ今年も全国団体戦永水女子二位ねぇワタシノ性かしら」
神代小蒔ちゃんは多分全国個人戦6位
白糸台は強い
30 = 1 :
ホストとして仕事することが決まった翌日
大学で講義を受けている最中、俺は仕事が決まらない重圧からは解放された
けど今度は仕事が上手くいくか不安に感じ出していた……
一応向こうのお墨付きは貰ってるし、昔からトーク力には自信がある
けどそれが本番に生かせるかどうか……そもそも来店した女性に指名をしてもらわないと、それも無意味だ
「……」
……隣から視線を感じる、席が隣のマイエンジェル和からのだと期待してチラリと見るが和は授業に集中している
ーーーーでは一体誰からの視線なのか?
それは奥にいる和の旧友たる奈良出身の女の子、新子憧からだった
彼女は俺らと同じ大学を受験して見事に合格、奈良から東京で一人暮らし中だそうだ
和とは互いに受験会場で遭遇して驚いたそうなので、まず間違いなく偶然のことだが二人にとっては喜ばしいことだったらしい
……ここまで聞けば非常に微笑ましいが、俺からすると厄介だ
今回もそうだが、何かと俺を警戒するような視線を向けることが多い
最初に会った時も……
『和と同じ高校だった、須賀京太郎です!まっ、仲良くしようぜ!』
といった感じにフレンドリーに少し距離を縮めただけだったんだが……(手すら差し出してない)
『……よ、よろしくっ』
とぎこちない返事とともにさりげなく距離を離した
後から和に聞く限り男性に免疫がなく、結構苦手なんだそうだ
無論それだけなら良かった……問題は和関連や講義で遭遇することが多くなり、少し慣れてきた最近の状態……
『アンタ、和に何かしたりしてないでしょうね?』
『視線が明らかに変態のそれ!』
『ほんとデリカシーゼロ!そんなんで和に近づくなっての!』
和から俺に近づくときは特に問題ないんだが、俺から和に近づこうとする時に何かとツッコミが入り妨害される
……いやね、俺だって男だから下心がないわけじゃないぜ?
けどそこまで露骨に警戒されたり罵倒されたりするとダメージ受けるし、和と自由に交流出来ない!出来にくい!
ってことで見た目的には和に負けず劣らず美少女だと思うが、俺からするとお邪魔キャラになりつつあるのだ
「はい、それでは講義はここまで」
どうやらもう講義は終了らしい
講師の人から終了が告げられると、皆一斉に帰りの準備を始めていく
俺も同様に帰宅の準備を始める、不安はあるがもう決まったことだし始めて早々遅刻とかありえん
「あの、須賀君ちょっといいですか?」
とそれは天使の一声でピタリと中止、彼女の方へ視線を向ける
「どうした和?」
「……相談があるんです」
どうやら昨日の続きらしい
31 = 1 :
大学近くにある喫茶店アルプス、洒落た店構えで学生にも人気がある場所だ
俺たちはそこにいる、だが実は二人きりなんて甘いお話ではない
「ご注文は何にいたしますか?」
「ホットコーヒーをお願いします」
「んじゃ私も同じので」
「……アイスココアを」
俺の注文を聞いた今回の同席者は途端に噴き出した
「この流れでアイスココア……ぷふぅッ!」
「あ、憧……笑うところじゃないですよ」
人の注文を笑うとはいい度胸だ……まぁ、確かに空気読めてなかったかもしれんけど
その同席者の正体は先ほど話題に出た新子憧だ
理由はわからんが、いつもと変わり映えないメンツである
「冷たくてまったり甘いものが飲みたい気分だったんだよ……それより和、俺とこいつにどんな相談なんだ?」
「え、えっと……ウチの大学に元は麻雀のサークルがあったことはご存知ですよね?」
「ん、ああまぁな」
実は俺たちが来た大学にあった麻雀サークルは、俺らが入学する前に解散してしまっておりもう存在していない
この麻雀が流行ってるご時勢で解散するってことはよっぽどの理由があったんだろうが、俺達には知りえない話だ
それでその関連での相談ってことは……
「けど私も和も麻雀がやりたいって気持ちが強いからさ、ここは新たにサークルを立ち上げちゃおうって話になったわけ」
「あっ、そっちはもう知ってるというか最初から関わってるんだな」
「途中から誘われたレベルのアンタとあたしじゃ、和との縁の年季が違うのよ年季がね!」
「こほん……それでそのメンバーの一人として、須賀君に来てほしいなと」
「oh……」
……なんてことだ、なんてことだ……(大事なことなので2回)
大学に入ってからは和とのこと以外特に決めてなかった俺は、サークルかバイトかとちょいと悩んでいた
まぁつい最近知った実家の事情から、学生でもやり方次第では稼げるホストになることを選んだわけだが……!
ホストなんかやってたらサークル参加してる余裕なんてないじゃん!(ないじゃん!)
もし父さんの失業がなければ、今頃美少女二人と麻雀サークルで青春を謳歌する虹色大学ライフだったってことじゃないか!
ちくしょう、運命様はバカだぁ……
「……悪い、実は家庭の事情で働かなくちゃいけなくなって」
「えっ……」
「ちょっ、このタイミングで!?」
「もう働き先も決まってて、たぶんサークルに参加出来るほど余裕ある仕事でもないからさ……すんげぇ嬉しいお誘いだったんだけど、さ……」
うっわぁ!ヤバイくらい後ろ髪引かれる!和が明らかに予想してなかったのかショック受けてるし、憧が焦ってるし!
でも俺が稼がなきゃ、大学生活はもとより家族のことも不安なんだ!ゴメン!
「……そう、でしたか……もしかして昨日の疲れた様子は……?」
「ああ、仕事探しであっちこっち回ってたから……あの後決まったわけだけども」
「間、悪すぎ……」
ですよね、俺もそう思うよ本当に
それからはしばらく揃ってだんまりであり、テーブルに静寂が訪れる
……ふと俺は時間が気になって店の備え付けの時計を見ると、そろそろ帰らないといけない時間だった
「そろそろいかないと……じゃあ、また」
「あっ……」
俺はお代だけ置いて去ろうと立ち上がった、その時突然腕を掴まれる
掴んだのは恐らく和だろう、非常に弱弱しく手が震えている
「……ごめん」
それだけ言って、手を軽く払ってアルプスを出た
何だろう……まるで勇気をだして告白してくれた女の子をフったような気分だった
だが逆に言えばそれほどまでに、あの誘いは俺にとって魅力的だったってことだな
32 = 1 :
所変わって新宿・歌舞伎町、ホストクラブ『セブン』
家に帰ってから非常にアンニュイな気分だったが、シャワーを浴びて何とか切り替えてここまでやってきた
「来たわね、待っていたわよ」
「支配人、今日からよろしくお願いいたします!」
「ええ、よろしく。さぁ、改めて事務所へ来て」
店に来て早々支配人と会えた、彼女から誘われて事務所に入ると相変わらず強面で仏頂面な店長もいた
「……よし、時間より早く来たな。それじゃ最初にこいつらを渡す」
店長から差し出されたのは鉄砲(チャカ)……ではなく、黒い地味目なスーツとロッカーのキー等々の今後必要になってくるもの
やはりスーツ着てなきゃホストじゃない、はっきりわかんだね
……実はスーツを持ってなかった旨と金銭事情を伝えると稼げるようになったら返してもらう、とこうして貸し出してくれたんだけどな!(店長が優しくてよかった)
「名刺はあるな?」
「はい、作ってきました!」
「よろしい……それじゃ、お前の先輩方にあいさつに行くぞ」
社交辞令として、名刺を渡したり交換したりはかなり重要らしいので用意はしてきた
後はいよいよ先輩方へのあいさつ、失敗して嫌われないようにしなきゃな!
これから色々と忙しくなる、頑張るぞ!
「フフフ……頑張ってね、KYO♪」
「……KYO?」
「……とりあえずの、お前の源氏名だ。不服か?」
「いえいえ!不服なんてそのような事はまるでございません!……なるほど、源氏名ですか」
ホストは基本的に本名を名乗らず、源氏名がつけられてそれで名乗ることが原則だ
そして俺は仮にだがKYOとなったわけだ……思ったより、悪い気分ではないかな?(美人に最初にそう呼ばれたからって可能性がゼロではないけども)
34 = 1 :
私は現在苦境に立たされています……
『いらっしゃいませ、姫!最高級の夜を貴女に!』
「きゃっほー!これよこれこれ!この感じだよすこやん!」
「え、えっと……」
三十路に入ってから人生初のホストクラブに来てしまいました……麻雀プロの小鍛治健夜です
友達でアナウンサーの福与恒子ちゃん、通称こーこちゃんに連れられています
……正直どうしたらいいのか分かりません、まるで借りてこられた猫のような状態
悲しいけど、これが私の現実……
「どちらのテーブルになさいますか?」
「それじゃあそこが良いかな♪行くよ、すこやん!」
「ま、待ってよぉ!」
腕を引っ張られてテーブルにつかされる私、抵抗むなしくあっさりと
第一もう店の中に入ってしまったし、ここで引き返すのは気が引けるし……うぅっ
「それでは最初に指名する者をお選びください、こちら男本になります」
男本?と気になって覗くと、男性の顔がずらり……
そっか、メニューで料理を注文するのと同じ気軽さで気になった男性を指名するってことなんだね
……いやぁ、でも私にそんな度胸はないかなぁ
「すこやん、先選んでいいよ!」
「ウェイッ!?べ、別にいいよ私は……こーこちゃんが選べば」
「ええ~、そう?じゃあ……ん、この人がいいな!あとすこやんにつく人はオススメで!」
「かしこまりました、では少々お待ちください」
結局私は自分で選ぶ勇気がないためこーこちゃんに投げてしまった、そして私の相手をしてくれるらしい人はお店のおすすめの人なんだそう
お店のオススメの人ならきっと大丈夫……なのかな?
一人でグルグルと頭で考えていたら、私たちの担当のホストの人たちがやってきた
「初めまして、俺は霧兎だ!キリッ☆」
「おっ、男本の紹介通り良いノリ!キリッ☆」
こーこちゃんの相手は黒髪黒スーツで、中世的な容姿の男性(かなり若く見えるけど、学生さんかな?)
……一方私の相手の人は……
「へーい!どうもTAKAです!フーッ!!」
凄くテンションが高い、茶髪で赤いスーツの男性
パッと見私と同年代くらいに見えるけど……こういうノリ、私苦手なんだよなぁ……グスッ
35 = 1 :
「ままっ、そう緊張しないでさ!何か注文してよ、姫は今日食べ飲み放題なんだしさ☆」
「は、はい……じゃあーーーー」
姫っていうのはきっとお客さんのことなんだろうけど、これがホストクラブの普通かぁ……どんな人にも言ってるんだろうって思うと、大変そうだなぁ
と、ともかく注文しなきゃ損ってのは確かだし、何か頼もうと思った私は……
「じゃあこの日本酒と……焼き鳥で」
「……オッケー!!日本酒と焼き鳥ィ!!」
今、若干間があったよね……変な注文だったかなぁ?
すると先に日本酒のボトルとロックが運ばれてきた、やっぱり焼き鳥は時間かかるよね
お酒を注ぐと、TAKAさんだったかな?が下から両手を添えてグラスを差し出してきた
「貴女に乾杯☆」
「か、乾杯?」
互いにグラスを軽く当てチンッと鳴らすと、私は少し向こうは結構大きく口に含みお酒を飲む
……うん、やっぱり飲み放題だしこれくらいかなとは思う味だった
「それでそれで、姫は麻雀プロ割も加えて入ったでしょ?ってことはそっち関連なの?」
「ま、まぁそうですね……」
もしかしてこの人、麻雀知らない人?
……だったら既に話が合わない感じあるなぁ……
「へぇ!すごいねー、マジ尊敬!!あれでしょ、石をこう集めてツモ!ロン!みたいなさ!」
「あ、あはは……」
私がまともに出来る話題って麻雀くらいなのに、それも出来ないってことは……
「じゃあさじゃあさーーーー」
「へ、へぇ……」
「でさ、こんなことがーーーー」
「……」
「あ、あれ?姫……?」
のれない……全然乗っかれない!
せっかく向こうが頑張って話してくれてるのに……いや、苦手なノリではあったんだけど
努力してる人は割と嫌いではないんだよ、けど麻雀の話題が最初のアレだけで終わっちゃった時点で私何もできないよ!
「……」
「え、えっとぉ……」
だ、誰か……この空気をどうにかしてぇ……ッ!
37 = 1 :
「TAKAの馬鹿が、麻雀知ってるってのは嘘だったか」
「んー、功を焦っちゃったみたいねぇ……」
挨拶を終えて、いよいよ開店となったセブン
お客様たる姫達が、スタンバイしてたかのようにやってくる
途端に忙しなく皆動き回る、既に指名を貰っているホストはお相手に奔走
一方まだ指名のないホストは、内勤のやる雑事を手伝っている
俺はと言うと出来上がった酒や料理や運んでいたのだったが、店長と支配人の会話が耳に入る
二人の視線の先には以前別の店でホストをやっていた経験のあるTAKAさんが、姫の相手に苦戦しているのが目に映る
「TAKAさん、どうしたんですか?」
「ん、KYOか……実は前々から告知してて今日から導入した、麻雀プロ割ってのがあってな」
「そのおかげか、有名プロが来てくださったんだけど……TAKA君、自分が知ってるからやらせてくれって言うからお相手してもらったんだけど」
「あの様子だ、知らなかったらしい……後で説教だな」
「けど指名は向こうなんですよね?」
「彼女のお連れさんが店のオススメって言われてしまってね……」
なるほど、功を焦ったってそういう……まぁ、みんな指名いただきたいって必死だから分からなくはないけど(俺だって指名ほしい)
けど流石に嘘はよくない、万が一嘘をつくにしてもその上で姫に楽しんでいただくのが俺たちホストだと思う
……しかし有名プロって誰だ?と思って覗き込んで俺は思わず驚愕した
「ってあの方、小鍛治プロじゃないっすか……!」
「「!」」
小鍛治健夜、現在においても日本最強の麻雀プロの名を欲しいままにする……通称グランドマスターだ!
そんな絶対強者がホストクラブに来るって、ある意味すごい現場に俺は居合わせているのかもしれない!
「KYO」
「えっ、は、はい?」
「お前、麻雀知ってるのか?」
「ええ、高校三年間麻雀部でした」
俺の答えを聞いて、考え込む店長
対して俺にガッツポーズをして微笑みかけてくる支配人(ああ^~たまらねぇぜ)
そして考えがまとまったのか、店長が俺の前まで来て肩をポンとたたく
思わず固まるがかけられた言葉は意外なものだった
「お前、初日だが……姫の相手出来る自信あるか?」
「……へ?」
39 :
イケメン+優しい+麻雀で引かれない
アカン京ちゃんがロックオンされちゃう…
40 :
すこやん相手に麻雀知らない人間じゃあな……
41 :
迷えるすこやんに愛の手を
42 :
逆に麻雀詳しいとグランドマスターは恐れ多くて近寄れない気もするけどねww
京太郎くらいなら「すげー」程度ですむだろうけど
43 :
ちょうどいい塩梅かもしれんな……
自分に憧れる無垢な男子大学生、最高じゃん
44 :
良いね!
これですこやんが常連になったらKYO大金星やな
45 :
乙です
すこやん捕まえたら友釣りではやりん・のよりんも太線の客になりそう
46 :
乙です
下がったところを上げるとか確定じゃないですかー
47 :
乙~
すこやんは時間をかけて着実にのめり込んでいきそう
50 = 1 :
正直このお店に来たことを後悔しかけていた時、今度はすごい強面の人がこちらのテーブルまでやってきた
つい身構えちゃったけど、途端に彼は頭を下げた
「申し訳ございません姫、私どもの手違いで貴女に相応しくないプレイヤーを寄越してしまいました」
「えっ……」
「て、店長これは……!」
いきなりの謝罪に戸惑っていると、私の担当の人が焦りだした
けど店長と呼ばれた人が彼のほうを見たとき、その表情は真っ青になった
私からは影になって見えないけど、怒ってるのかもしれない
「わ、私の方こそ!えっと、こういう場所来たことないし……友人に連れてきてもらっただけの風情で、ご迷惑かけてません!?」
「いえ、そのような事は全くございません。今回の件は姫からオススメの注文をいただきましたのに、対応ができなかった私共に非がございます」
少しでも穏便に済ませてもらおうと私が必死に苦手なフォローしようとすると、店長さんはより深く頭を下げて謝罪をする
そして顔を上げた時、多少柔らかくなった表情でこう提案してきたんだ
「……本来ならば一度指名いただくと他のプレイヤーに変更することは無理な決まりなのですが、今回は私たちの裁量でオススメを選抜させていただいたため例外的に改めて選抜したプレイヤーに変更をさせていただきたく思います」
「プレイヤー変更……」
「はい、先ほどのご様子からして今までは全くお楽しみいただけていなかったでしょう?」
「そ、それは……」
私の担当だった人には悪いけど、店長さんの言うとおりだった
話にも乗れない、お酒も進まない、これじゃ全然楽しくなんてない
「ですので、今回は間違いなく貴女に相応しい者を連れてまいりました」
「相応、しい……」
「後悔はさせませんよ?」
……この人の目、嘘偽りない真剣な目だ
信じて、良いのかな?
「……お願いします」
「ありがとうございます、姫の慈悲に感謝を。……行くぞ」
「はっ、はひ……」
店長さんは私の元担当の人を連れてテーブルを去っていく、そして途中すれ違った誰かの肩に軽くポンと手を置く
もしかしてあの人が私に相応しいっていう、新しい担当の人?
そう思って黙っていたら、やはりその人が近付いてきた
「……わっ……」
近づいてきて分かった、180cm以上はある長身に金髪……その特徴とは非常にギャップがある優しげな表情と、洗練され堂々とした歩き方
……どこの王子様かな?などと呆けて座っていると、彼は私の目の前まで来て身体を屈ませた
「……初めまして、今日入ったばかりの新人のKYOって言います」
そう言って彼は私に微笑みかけた
……脳が震えた(確信)
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