元スレ電「鎮守府に海賊さんが着任したのです……」
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51 = 48 :
電「……」
海賊「んー、どうした?もう眠くなっちまったかい?」
電「あの、良い機会なのでちょっとお聞きしたい事があるのです」
海賊「何だい改まって」
電「えっと、船長は、その……書類では男の人って書いてあったのですが……」
海賊「ああん?」
電「……けど、その……大きなお胸あるのはどうしてなのでしょう」
海賊「あー、そいつは多分、嫌がらせだろうねえ」
電「嫌がらせ……なのです?」
52 = 48 :
海賊「アタシは元々、海賊をしてたんだよ」
電「あ、やっぱりそうなのですか」
海賊「獲物は、海軍やら深海棲艦の輸送船が主だったねえ」
海賊「ま、普通の船で連中の相手を出来るはずはないんだけど……そこは護衛がいない隙を狙ったりしてね」
海賊「けど、ある時ドジっちまってさ、輸送船を護衛してる艦娘と直接戦闘することになっちまったんだ」
海賊「いやあ、あいつら強かったねえ、あっと言う間にこっちの船は沈められちまったよ」
海賊「で、アタシも捕まっちまってね、そうなったらもう腹をくくるしかない」
海賊「煮るなり焼くなり好きにしな!って啖呵切ったんだ」
電「そ、それで、どうなったのです!?」ドキドキ
海賊「そしたら……」
「おい、龍田、こいつ何か格好いいぞ」
「そうねえ、なんだか天龍ちゃんと雰囲気似てるわあ」
海賊「そしたら、何だか妙に話があっちまってね、その艦娘達と」
電「え?」
53 = 48 :
海賊「意気投合してそのまま宴会でもしようって話になってね?」
海賊「そうしたら、そいつら輸送船の中にあった上物のワインを引っ張り出してきてくれたんだ」
海賊「いやあ、あの時の酒も美味かったねえ」
電「そ、それでどうなったのですか?」
海賊「ああ、海軍に捕まったよ、アタシもそいつらも」
電「は、はわわ、大変なのです……」
海賊「で、その艦娘達は輸送品に手をつけた罪で独房行き」
海賊「アタシもそのまま死刑になるんじゃないかと思ってたんだけどさ」
海賊「どうも、提督の素養があるって話になっちまってね」
54 = 48 :
海賊「で、正義の為に提督の任につけとか、正義のために命を捨てろとか何とか言いだしたからさ」
海賊「何かムカついたから、そいつに頭突きいれちまったんだよ」
電「は、はわわわ……」
海賊「アタシは正義って言葉と女の音痴だけは許せないからね」
海賊「いやあ、大騒ぎになったねえ」
海賊「けど、連中、どうしても提督の素養がある人間を欲しかったんだろうね、最終的には不問になった」
海賊「で、その後色々と交渉して、最終的には幾つかの条件を引き出して提督の任務に就くことになったのさ」
電「条件なのです?」
海賊「一緒に酒盛りした仲間を独房に入れとくのは気がひけたからさ、まず連中の罪を不問にしてもらった」
海賊「あとは美味い酒が置いてある鎮守府に派遣するようにとか……まあ、色々さ」
電「そ、そうだったのですか……」
55 = 48 :
海賊「で、話は戻るけど……この書類を用意したのはアタシが頭突きかました相手なんだよ」
海賊「何か『まるで男みたいな女だ』とかなんとか言ってたから、多分意趣返しのつもりなんだろうねえ……」
電「船長はちゃんと女の人なのです」
海賊「アッハッハ!電は判ってるじゃないか!ほら、もっと飲みな!」ナデナデ
電「は、はいなのです」ゴクゴク
電(船長は不思議な人なのです)
電(海賊さんで、気分次第で人を殴ったりするのに)
電(一緒にお酒を飲んだだけの人を助けたり)
電(こうやって、電を撫でてくれたりするのです)
電(……本当は怖い人なのかもしれないのです)
電(けど……)
電(けど、電はそんな船長さんを嫌いにはなれないのです)
56 = 48 :
電「あ、そういえば忘れていたのです」
海賊「んー、なんだい電、おかわりほしいのかい」ヒック
電「えっと、いっぱい資源を貰ったのはいいのですが、これはどうやって手に入れた事にしましょう?」
海賊「どうやってー?そんな物は適当でいいんだよ」ヒック
電「けど、資源の入手経路は報告書に書かないといけないのです」
電「隣の鎮守府からもらったって書いておいたらいいでしょうか?」
海賊「あー、それは駄目だね、そんな事書いたら憲兵がすっ飛んできちまう……」ヒック
海賊「んー、そうだねえ、自然に増えた事にしときな、真面目に書くこたぁー、ないんだよ」ヒック
電「了解なのです!」カキカキ
海賊「そんな事よりもっと飲みな電、飲まないと大きくなれないよ、こんなにちっこいままじゃ嫌だろ?」グリグリ
電「はわわ、船長、重いのです……」
海賊「いやあ、やっぱり他人と飲む酒は楽しいねえ、電が飲んでるのはミルクだけど、アッハッハ!」
電「電も、何だか楽しいのです!」
57 = 48 :
~朝~
電「あれ……もう、朝なのです」ムニャムニャ
電「結局、明け方まで騒いでしまっていたのです……」
電「船長は……」
海賊「むにゃむにゃ、さけもってこーい……むにゃむにゃ」
電「もう暫く、寝かせておいてあげるのです」
ドンドン
電「あ、あれ、扉を誰か叩いてるのです」
ドンドン
電「は、はいなのです!どちらさまでしょう!」
「……憲兵隊の者です、速やかに開けてもらいたい」
電「憲兵隊さんですか?は、はい、少し待ってて下さいなのです」
58 = 48 :
海賊「あー……昨日はちょっと飲み過ぎちまったかねえ……」
電「あ、船長、おはようございますなのです」
海賊「んー、おはよう電……ちょっと水持って来てもらえるかい……」
電「はいなのです!」
海賊「いやあ、昨日は楽しかったねえ、酒は上手いし、お宝も沢山手に入ったし」
海賊「沢山……」
海賊「……」
海賊「あれ」
電「船長!お水なのです!」
海賊「ああ、ありがとうよ、電」ゴクゴク
電「どういたしましてなのです!」
海賊「ふー……ねえ、電」
電「はい?」
海賊「アタシの記憶が正しければ、確か昨日手に入れた資材は倉庫からはみ出すくらいあったよね?」
電「はいなのです!沢山沢山あったのです!」
海賊「そうだよねぇ」
電「はいなのです」
海賊「……けど、今倉庫の中にある資材ってかなり少なくなってないかい?」
59 = 48 :
電「ああ、それは今朝、憲兵さんが来たからなのです」
海賊「……憲兵が?何しに来たんだい?」
電「はいなのです、倉庫に入りきらなかった資材を回収にいらしてたのです」
海賊「……は?」
電「鎮守府が資材を手に入れる方法は幾つかあるのですが、基本的に倉庫の許容量以上の資材は備蓄してはいけない事になってるらしいのです」
電「でないと、保管状況が悪くなって弾が錆びたり燃料に変な物が入ったりしてしまうらしいのです」
海賊「……つまり、昨日手に入れた資材の大半は……」
電「はいなのです、今頃は海軍の倉庫に……」
海賊「あー、しまったあ……こいつぁ……しくじっちまったねえ……」ポリポリ
電「あ、あの、一応船長を起こそうとしたのですが……全然駄目で……」
60 = 48 :
海賊「……」
電「あの、あの、電は何か間違った事を……」
海賊「まあいっか」
電「船長?」
海賊「電は、昨日、楽しかったかい?」
電「……はいなのです、はじめての事ばかりで大変でしたけど、いっぱいいっぱい楽しくて、勉強になったのです」
海賊「アタシも楽しかったねぇ、久しぶりに笑わせてもらったし」
海賊「昨日の仕事の報酬は、それで十分さね」
電「船長……」
海賊「そんな不安そうな顔しなさんな!幸運が逃げちまうよ!」ワシャワシャ
電「は、はわわ、髪がくしゃくしゃになるのです!」
海賊「よーし、じゃあ気を取り直して、今日も仕事に取り掛かるとするかねえ!」
電「は、はいなのです!」
61 = 48 :
~数日後~
電「船長!イ級さんの解体終わったのです!」
海賊「はいよ、ご苦労さん……けど、あれだねえ」
電「はいなのです?」
海賊「もう少し、人出がほしいねえ」
電「人出なのです?」
海賊「ああ、人出が増えればやれることも増えるからね、もっと大きく儲けられるはずさ」
電「それなら……建造がいいと思うのです」
海賊「建造?」
62 = 48 :
~工廠~
海賊「なるほどねえ、ここで艦娘を作れるわけだ」
電「そうなのです」
海賊「こないだの資材がまだ残ってたはずだよね、それ使って何人か作れるかい?」
電「えっと……どんな艦娘を作りたいかにもよるのです」
海賊「どんな艦娘ねえ……そりゃあ強いのを……」
海賊「……いや、それより歌だね」
電「歌?」
海賊「そう、歌だ、歌える奴がいたら百人力さ」
63 :
加賀だな
64 :
女性提督(?)ならスリーサイズやその他の身体的特徴が聞きたいです
65 :
海賊の時間かも!
66 :
ドレなんとか姉さんかっけーす。
67 :
この歌は外せないでしょ
まあ元ネタは「宝島」らしいけどね
http://m.youtube.com/watch?v=89BlFxuyqYQ
68 :
乙です
だけどいっしょに酒盛りした天龍、龍田は罪を不問にするだけで引き抜かなかったんだな
69 :
電ちゃんはお姉さまと相性がいい
70 :
>>68
気が合うからって艦娘達が別提督のところにポンポン移籍していくようなNTR展開がお望みか?
71 :
キツめのバラエティウェルカムな那珂ちゃんならここで生き生きと暮らしそう
72 :
>>70
問題はそこじゃないと思うよ
73 :
ででん
74 = 70 :
いや、天龍田にも提督居るだろ
罪を軽くしてもらって感謝はしても大本営の命令でもないのに勝手に引き抜かれたら怒るだろ
海賊なら仲間は大事にするだろうし、既に天龍田にも鎮守府に仲間がいるならそっちを優先させるって
75 :
そこでホイホイ付いてくるような艦娘は、海賊提督もいらないと思う
76 :
まーどうしても欲しければ海賊らしくいただいていけばいいんだしへーきへーき
77 :
>>1は外野がうるさくて嫌になったのかな?
78 :
海賊「海の上ってのは色んな事が起こるからね」
海賊「けど、退屈な時や厳しい時でも歌える奴がいりゃあ、楽しくなるだろう?」
海賊「気分が乗ってくれば結果も付いてくる」
海賊「だから、歌は重要なのさ」
電「なるほどなのです!」
電「けど……残念ながら歌える艦娘を出すレシピを電は知らないのです……」
電「ですから、運次第になってしまうのです」
海賊「そりゃ残念だねえ」
海賊「ま、とりあえず作ってみるさね。会ってみない事には気が合うかどうかも判りゃしないからね」
電「投入する資源はどれくらいにしますか?」
海賊「投資する時はケチっても仕方ないからね、めいっぱい入れておきな」
電「了解なのです!」ポチポチ
79 :
乙
待ってた
80 :
米帝レシピで歌える奴って1人しか居ないな
81 = 78 :
電「前に居られた提督さんがドックを開放してらっしゃったようなのでこちらも使って……」ポチポチ
電「ドック3か所に必要な資材と高速建造材を投入したのです!」
電「船長!建造開始のレバーを!」
海賊「あいよ!」ガチャッ
バリッ
バリバリバリバリバリッ
プシューーーーーー
海賊「ゴホッゴホッ、凄い煙だねえ……」
電「けど、建造は成功したのです!」
海賊「よーし、じゃあ顔を拝見しようじゃないか」
82 = 78 :
「艦隊のアイドル!」
「那珂ちゃんだよ!」
電「船長!那珂さんなのです!歌える方なのです!」
海賊「ヒュー、そいつは幸先がいいね!」
電「那珂さんは川内型軽巡洋艦姉妹の三番艦さんなのです!」
那珂「よろしくね!きらっ☆」
電「煙が晴れてきたので他の二人もそろそろ見えるのです」
電「あ、あれは……!」
83 = 78 :
「艦隊のアイドル!」
「艦隊のアイドル!」
「那珂ちゃんだよ!」
「那珂ちゃんだよ!」
「よっろしくぅ!」
「よろしくぅ!」
海賊「……」
電「……」
那珂「わーい!那珂ちゃんが出たよ!やったね!」
電「え、えっと……」
海賊「……ああ、そういや川内姉妹って言ってたね、じゃあ三つ子なのかい?」
電「い、いや違うのです、ちょっと説明すると長くなるのですが……」
84 :
解体するよ!
85 = 78 :
海賊「つまり、時々同じ艦娘が建造される事がある……と」
電「そうなのです」
海賊「はあー、不思議な話もあるもんだねえ」
那珂1「3隻同時に那珂ちゃんが出るなんて、提督はよっぽど運がいいんだと思いまーす!」
那珂2「思いまーす!」
那珂3「まーす!」
海賊「まあ、確かに昔っから運は良かったからね」
海賊「建造する時に歌える奴を望んじまったからこうなったのかもねぇ」ポリポリ
電「船長、どうしましょう」
海賊「いいんじゃないかい?戦えて歌えるヤツが一気に三人も増えたんだからね」
海賊「同じ顔でもアタシは気にしないよ?」
電「しかし、先ほども説明しましたが形式が艦は同一の戦場で共に戦う事が出来ないのです」
海賊「ああ、何か面倒くさいルールがあるみたいだねえ」
海賊「けど、アタシの艦隊のルールはアタシが決める」
海賊「アンタ達だって艦娘として生まれたからにはちゃんと海で死にたいだろう?」
那珂1「おー!提督、話が判るねぇ!」
那珂2「判るねぇ!」
那珂3「ねぇ!」
86 = 78 :
電「了解なのです!」
電「では艦隊の構成に組み込んでおくのです!」
海賊「さて、残りの資材はどれくらいだい?」
電「えっと……あと一人くらいなら建造できそうなのです」
海賊「ふーん、じゃあ……そうだね、電はどんなヤツに来てほしい?」
電「ふえ?電が……なのですか?」
海賊「アタシの希望ばかり聞いてちゃ、不公平だろう?」
海賊「アンタはこの艦隊の旗艦なんだしさ、何か希望を挙げる権利はあるさ」ポンポン
電「せ、船長……」ジーン
海賊「ほらほら、早く言っちまいな?」
電「電は、えっと、暁型駆逐艦の姉妹が来てもらえると嬉しいのです!」
海賊「よーし、任せな!」ガチャッ
バリッ
バリバリバリッ
プシュー
87 = 78 :
「暁よ!」
「一人前のレディーとして……」
電「はわわわ!暁ちゃんなのです!船長流石なのです!」
海賊「あっはっは!アタシの運も捨てたもんじゃないね!」
那珂1「さっすが提督!」
那珂2「親分!」
那珂3「船長!」
「一人前の……レディーとして……」
海賊「よーし!中々の面子が集まった事だし、乾杯しようじゃないか!」
海賊「電!酒持ってこい!ミルクもね!」
電「はいなのです!」
「……」
88 = 78 :
「海賊が居るじゃない!?」
89 = 78 :
暁「え、あれって海賊よね、どう見ても海賊よね?」
暁「ど、どうして海賊が居るのかしら」
暁「ひょっとして、まさか、もしかして、いやあり得ないけど」
暁「あれが提督……とか?」
暁「そ、そんなわけないわよね?」
暁「そ、そうだ、電がいるし、聞いてみればいいわ」
電「船長!お酒持ってきたのです!」
暁「ねえ、電?」
電「はわわ、挨拶が遅れたのです、暁ちゃん、来てくれてありがとうなのです!」
暁「え、ええ、私も会えてうれしいわよ?」
電「今から乾杯なのです!暁ちゃんもミルクでいいですよね?」
暁「待って、その前に聞きたいたんだけど」
電「はいなのです」
暁「あの……えっと……あそこの髑髏の帽子かぶった人は……」
電「船長なのです」
暁「船長?ああ、そうなの、じゃあ提督とは違うのよね?そうなのよね?」
電「いや、提督なのです」
暁「くそが」
90 = 78 :
暁「し、しまった、ついレディーとして相応しくない言葉使いをしてしまったわ……」
暁「けど……あれが提督って……」
暁「一人前のレディー目指してる私が馴染めるのかしら……」
電「暁ちゃん!ミルクなのです!」
暁「う、うん」
海賊「よーし!じゃあ乾杯だ!」
那珂1「わーい!那珂ちゃんの大歓迎会ありがとねぇ!」
那珂2「嬉しいので那珂ちゃん、歌っちゃうよ~!」
海賊「いいねえ!ドンドン騒ぎな!」
那珂3「船長も飲んで飲んで!」
海賊「おっと、すまないねぇ!」
電「はわわわ、みなさん、凄いテンションなのです!」
暁「はぁ……」チビチビ
91 :
とりあえずお姉ちゃん達もコンプリートしないとな
92 :
一瞬高翌雄型の三番艦の姿が見えたような……?
93 = 78 :
~明け方~
那珂1「ぐぅ……」zzz
那珂2「すぴぃ……」zzz
那珂3「那珂さんだよぉ……」zzz
暁「ううん……うるさいよぉ……」zzz
海賊「……んあー」ムク
海賊「……ありゃ、妙な時間に目が覚めちまったねぇ」
海賊「仕方ない、飲みなおすか……」
海賊「……ん?」
電「……」
海賊「電?まだ起きて……」
電「……第103……により……秘書艦の……」
海賊「……電?」
電「ふえ?あ、あれ、船長?」
海賊「なんだい、寝ぼけてたのかい?」
電「寝ぼけて?」
電「えっと、電は昨日、いっぱい乾杯して……そうなのです、那珂さんが飲んでらしたお酒を少しだけ頂いて……」
海賊「アッハッハ、途中でひっくり返ってたのはそのせいかい」
海賊「で、どうだった?はじめての酒は?」
電「ううう、凄く辛かったのです」
海賊「ふふふ、まだアンタには早いのかもねえ」
94 :
海賊「けど、酒を飲むのはアタシ達にとっては必要な事だ」
海賊「すぐにとは言わないが、少しずつ慣れといた方がいいかもね」
電「が、頑張るのです!」
海賊「よーし、良い返事だ!」
海賊「思うんだけどね、電は多分、良い海賊になれると思うよ」
電「海賊さんに……ですか?」
海賊「ああ」
電「けど、私達は海軍なのです」
海賊「そうだね、今は」
電「今は……」
海賊「そうさ、未来の事は誰にも判らないからね」
海賊「私がまた元の海賊に戻るかもしれない」
海賊「電が海軍としてそれを打ちに来るかもしれない」
海賊「そういう可能性は、常に考えておいた方がいい」
海賊「でないと、何かあった時に後悔が残っちまうからねえ」
電「後悔……」
海賊「そうさ、後悔は毒だ」
海賊「少しずつ心を蝕んで、身体の動きを鈍くする」
海賊「最後に待ちうけるのは無様な死だけさ」
海賊「だから……」ナデナデ
電「あ……」
海賊「電は、後悔だけはしないようにするんだよ?」
電「む、難しいのです」
95 = 94 :
~朝~
那珂1「提督!那珂ちゃんの初仕事は何かな~?」
海賊「ああ、仕事の前にちょっと準備してもらう事があってね、それと船長って呼びな」
那珂2「親分!艤装の準備とかはもう出来るよ?」
海賊「その辺は電から説明を受けておくれ、それと船長って呼びな」
那珂3「了解ですぜ船長!」
海賊「アタシが言うのもなんだけど、アンタ順応性高いねえ」
暁「ねえねえ、電」
電「はいなのです」
暁「準備って何をすればいいの?」
電「えっと……その前に聞きたいのですが」
暁「ん?」
電「暁ちゃんや那珂さん達は、処女なのです?」
96 = 94 :
暁「……え?」
電「暁ちゃん?」
暁「ご、ごめん、私ちょっとぼーっとしてて聞き逃しちゃった、もう一回言ってくれるかしら」
電「暁ちゃんって、処女なのですか?」
暁「……」
電「……」
暁「な……」
電「暁ちゃん?」
暁「ななななな、何言ってるの電!?正気!?」
電「え、電何か変な事聞いたでしょうか……」
暁「変よ!絶対変!そんなの……そんなの……だって!」
暁「だって電も処女でしょ!?そんな当たり前の……」
電「あ、電はもう処女じゃないのです」
暁「……は?」
97 = 94 :
電「電はもう、船長の手ほどきを受けて処女を卒業したのです」
暁「て、提督の?」
電「ちょっと怖かったし、痛かったし、血で汚れてしまいましたけど」
電「電はちゃんと最後まで頑張ったのです!」
暁「……」
電「暁ちゃん?」
暁「あ……」
電「あ?」
暁「あの海賊なにやってるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
98 = 94 :
暁(し、信じられない!)
暁(やっぱり海賊なのねあの人!)
暁(電の処女を奪うだなんて!)
暁(け、けど電に悲壮感とかは無いし……同意の上でなのかしら)
暁(もしそうなら、私がとやかく言う問題じゃないんじゃない?)
暁(そ、そうよ、大人のレディーとして受け入れてあげないと)
電「あの、暁ちゃん?」
暁「は、はい!」
電「大丈夫なのです?」
暁「だ、大丈夫にきまってるじゃない!狼狽なんて全然してないわよ!」
電「そ、そうなのですか」
暁「あったりまえよ!」
電「ならいいのです……それで、暁ちゃんは処女なのでしょうか?」
暁「……」
99 = 94 :
暁「そ、そりゃあ……」
電「そりゃあ?」
暁「も、勿論、あれよ」
電「あれ、とは?」
暁「あれって言ったらアレよ!」
電「ご、ごめんなさいなのです、判らないのです……」
電「暁ちゃんの口から、はっきり聞きたいのです」
暁「う、うう……」
電「処女なのですか?どうなのですか?」
暁「うううう……」
電「どうなのですか!?」
暁「あ……ああ……」
電「暁ちゃん?」
暁「……処女」
電「処女なのですか?」
『姉の威厳』
暁「……じゃないわよ!当たり前じゃない!」
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