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    元スレモパP「疲れ果てる前に」

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    101 = 1 :

    P「――あ、書けました」

    清良「ありがとうございます」

    清良「モバさん、本日はカウンセリングの方も希望しますか?」

    P「カウンセリング…ですか?」

    清良「はい♪」

    清良「カウンセリングは医師の診察とは別に、心理士にお話を聞かせていただきまして…」

    清良「今後の生活でのアドバイスなどをさせていただいてます」

    清良「川島メンタルクリニックはカウンセリングを重視したクリニックなんですよ」

    P「そうなんですか…」

    P「(要するに悩み相談のプロってところか…)」

    P「(そういう人と話をすれば、俺も今の現状をしっかり整理出来るかな…)」

    P「じゃあ…カウンセリングもお願いします」

    清良「かしこまりました♪」

    清良「では、少しの間お席の方でお待ちくださいね」

    P「はい」

    P「……」

    P「(診察に、カウンセリングか…)」

    P「(どんな風に行われていくんだろう…)」

    102 = 1 :

    一旦ここまで
    また書けたら

    この清良さんはアイドルじゃなくてクリニックで働いている設定です
    清良さんPの人、ごめんね
    あと医師と心理士もアイドルの中から書くつもりなので先に謝っておきます

    103 :

    俺も可愛い女の子に甘やかされてぇ
    でもそれは努力した成果なんだよな...

    104 :

    これからスカウト摩るから問題ないやろ

    105 :

    一体誰が院長なんだ……わからないわ

    106 :

    心理士は誰かな

    107 :

    心理士はブラフ的な意味でレナさんとか?
    統計データ使うならマキノあたりか

    108 :

    裏かいてありすとか

    109 :

    マジレスするとメンタルクリニックってめっちゃ混んでるから
    翌日とれるなんて滅多にないんだけどなww
    (自分は前に予約取ろうとしたら一月待ちされたことある)

    110 :

    「――お待たせしました、モバさん」ガチャ…

    「こちらの方までお越しください」

    P「あ、はい…」

    P「(…診察室では無さそうだな)」

    P「(カウセリングの方が先ってことか)」

    P「…失礼します」

    「どうぞお掛けになってください」

    P「はい、ありがとうございます」

    P「(…こう言うのも失礼かもしれないが)」

    P「(随分と中性的な女性だな…)」

    「では、自己紹介をしましょうか」

    「はじめまして」

    あい「心理士の東郷あいです」

    111 = 1 :

    P「モバです。よろしくお願いします」

    あい「こちらこそ」

    あい「では…お堅い挨拶はこれぐらいにしておこうか…」

    P「…えっ?」

    あい「モバさん」

    P「は、はい…」

    あい「私は心理士…カウンセラーとして常に患者の方とは対等な立場でいたいと思っている」

    あい「これから先は貴方に対して敬語で無くなることを許してほしい」

    あい「それと同時に…貴方も私に対して気を遣わないでほしい」

    あい「どんなことでも気軽に話せる友人のように思ってもらいたいんだ」

    あい「まずはこれらのことを了承していただきたい」

    P「……」

    112 = 1 :

    P「(気軽に話せる友人、か…)」

    P「(ただ心理士の女性って認識するよりも、その方が全部話しやすいかもしれないな…)」

    P「(俺自身も、今までアイドル達とは対等な関係でやってきたつもりだったし…)」

    P「…はい、わかりました」

    あい「ありがとう」

    P「けど、僕は東郷さんに対して敬語でも大丈夫ですか?」

    あい「あぁ、もちろんそれでも構わない」

    あい「フッ…貴方の真面目さが伝わってくるよ」

    あい「だが、いずれは下の名で呼び合える仲になりたいものだね…」

    P「あ、あはは…」

    P「(…流石は心理士といったところなのだろうか)」

    P「(違う意味でこころを奪われそうだぞ…)」

    113 = 1 :

    あい「さて…問診票には目を通させてもらったのだが…」

    あい「改めて、貴方の悩みを聞かせてほしい」

    P「あ…えっと…」

    P「最近、気持ちに余裕が無いというか…」

    P「それを理解してくれる人がいるのはわかってるんですけど…」

    あい「うん…」

    P「1人でいる時は、どうしても沈みがちになってしまって…」

    P「最近は調子の良い日もあるんですが…」

    P「駄目な時は、本当に駄目で仕事に行けないくらいになってしまって…」

    P「なんていうかストレスが酷くて…凄い不安定な状態になってるなって…」

    あい「…そうか」

    あい「それはとても、つらかったろう…」

    P「…はい」

    114 = 1 :

    あい「問診票によると、夜中もあまり眠れていないようだね?」

    P「そうですね…」

    P「あれこれ考えていたら、気づいたら朝になってしまっている感じで…」

    あい「ふんふん…」

    あい「眠れるときは大体何時間ぐらい眠れるだろうか?」

    P「大体3、4時間程度ですかね…」

    あい「食欲はどうだい?」

    P「食欲は、わりとある方です…」

    あい「うん…」

    あい「今、話してもらった症状はいつ頃から現れたのかな?」

    P「ここ数ヶ月の間になりますね…」

    P「それまでは仕事や人間関係でのストレスって感じたことは無かったんですが…」

    あい「なるほどな…」

    115 = 1 :

    あい「まずは、仕事に行けないことがあるというが…」

    あい「つらい時は仕事に行きたくない、行けないというのは普通のことさ」

    あい「そこでまず、自分を責めたりしないでほしい」

    P「あ…は、はい…」

    P「(…そっか)」

    P「(普通なら…よかった)」

    あい「次に、貴方のことを理解してくれている人が周りにいることを自覚をしている…」

    あい「人間関係のストレスはあるかもしれないが、貴方は孤独に沈んでいるわけではないのかな?」

    P「けど、時々自分が孤独だなと思い込むこともあります…」

    あい「その時々というのは時間帯によるものかい?」

    P「時間帯…そうですね…」

    P「夜…あと天気が良くない日とかも…」

    あい「ふむ…」

    116 = 1 :

    あい「これは私の憶測になるが…」

    あい「貴方は眠ってもいい状況になれば…」

    あい「実は何時間でも眠れてしまうのではないのかな?」

    P「え…」

    P「ど、どうなんでしょう…」

    あい「今は寝つきが悪く、朝から仕事の為に睡眠時間が3、4時間に削られてしまっている…」

    あい「そういう考えもあるんだ」

    P「……」

    P「…つまり、どういうことなんでしょうか?」

    あい「言ってしまえば、仕事や人間関係のストレス…」

    あい「それらを貴方はストレスと錯覚してしまっている状態にあるかもしれないんだ」

    P「錯覚…ですか…?」

    117 = 1 :

    あい「うん…」

    あい「これで貴方が眠れるときに何時間でも眠れてしまう…」

    あい「むしろ過眠状態になってしまうなら色々と辻褄が合うんだよ」

    あい「…私が思うに貴方は季節性感情障害にかかっていると思うんだ」

    P「季節性感情障害…」

    あい「今の時期だと、冬季うつと呼ばれるものだね」

    あい「1年の決まった時期に明確なストレスが無いのに気分が落ちたり精神的に不安定になってしまう病気さ」

    あい「貴方の場合は、気分が落ちてしまった状態からその原因を考えてしまってストレスと思い込んでいる…」

    あい「そんな状態だと考えられるのさ」

    P「……」

    118 = 1 :

    あい「今、私が言えることは朝目覚めたら、まずカーテンを開けてほしい」

    あい「日光を浴びることで、体内のバランスが整いはじめ…」

    あい「1日の気持ちが高まっていくんだよ」

    あい「仕事が休みの日は散歩をしてみると良い」

    あい「天気が悪い時は…そうだな…」

    あい「室内を明るくすることを心がけよう」

    あい「暗い部屋に閉じこもるよりもずっとマシさ」

    P「……」

    P「…その病気は治るんでしょうか?」

    あい「あぁ、もちろんさ」

    あい「季節性だからね、春になれば自然と良くなる」

    P「そうですか…」

    あい「だからと言って放置していい病気ではない」

    119 = 1 :

    あい「悪化すれば、通常のうつ同様に自殺のリスクも出てくる」

    P「…!」

    P「(この前の俺は、あの時…)」

    あい「……」

    あい「安心してくれ、Pくん」

    あい「君がこのクリニックに来院して…私と出会った時点で約束されているのさ…」

    あい「君の目指すゴールへの近道はね…」

    P「東郷さん…」

    P「(…一々かっこいいな、この人)」

    あい「さて、名残惜しいがそろそろ時間だ…」

    あい「最終的な判断は医師に任せるとしよう…」

    P「あ、はい…」

    120 = 1 :

    あい「最後に話したいことや聞きたいことはあるかな?」

    P「あ、えーと…」

    P「(探せば色々ありそうだが…)」

    P「(急に言われるとパッと言葉に出来ないな…)」

    P「ちょっと待ってくださいね…」

    あい「フッ…」

    あい「無理に今、伝えようとしなくても大丈夫さ」

    あい「また君が次回来院した時に伝えてほしい」

    あい「私はここで待っているよ…」

    P「あ、じゃあ…その時に何かあればまたお願いします…」

    あい「あぁ、また会おう…Pくん」

    P「それじゃあ失礼します…」

    あい「あぁ、診察までごゆっくり…」

    P「……」ガチャ…

    P「(…最後はもうナチュラルに下の名前で呼ばれてたな俺)」

    121 = 1 :

    P「(…さてと)」

    P「(次は診察になるのか…)」

    P「(東郷さんに病名や、それを改善するためのアドバイスを受けたけど…)」

    P「(東郷さん本人が言ってたように、最終的な判断は医師の人が下すんだよな…)」

    P「(季節性感情障害…)」

    P「(その病気が本当に俺にストレスという幻覚を見せているのだろうか…)」

    P「(これで医師の人の診察が東郷さんの考えるものと違ってしまったら…)」

    P「(俺はどちらを信用すれば良いのだろうか…)」

    「…モバさん、診察室までどうぞ」

    P「……」

    「…モバさーん?」

    P「あ、は、はいっ」

    P「(呼ばれてたのか…)」

    「モバさんですね?」

    「診察を行います。こちらまでどうぞ」

    P「はい…すいません…」

    122 = 1 :

    「では、そちらにお掛けになってください」

    P「あ、はい…」

    P「(東郷さんも大人の女性という感じだったが…)」

    P「(この人もまた違うベクトルで大人の魅力溢れる感じだな…)」

    「…こほん」

    「はじめまして!」

    瑞樹「私、川島メンタルクリニックで院長を務めてさせてもらってる川島瑞樹です!」

    P「!?」

    P「(い、院長先生だったのか…)」

    P「(こんなに若くて綺麗なのに…)」

    瑞樹「本日は当院に来院していただきありがとうございます!」

    瑞樹「まず診察の前に、当院の理念についてお話を聞いてもらえたら幸いです♪」

    P「は、はい…」

    P「(み、見た目よりもエネルギッシュな人だな…)」

    123 = 1 :

    瑞樹「私たちが何よりも大切にしていること…」

    瑞樹「それは…」

    瑞樹「つらいときに、すぐにわかるわ」

    瑞樹「…悩みを抱え、気持ちが落ち込む人たちは今も少なくありません」

    瑞樹「そのため多くのメンタルクリニックでは初診が受けられない」

    瑞樹「初診を受け付けるが1ヶ月待ちという状況…」

    瑞樹「でも、考えてもみて欲しいんです」

    瑞樹「貴方がもしも大怪我をした時に…」

    瑞樹「治療が1ヶ月待ちになってしまうと聞かされたらどう思います?」

    瑞樹「私なら、わからないわ」

    瑞樹「今、つらくて苦しいのにそんな待てるはずがないじゃないっ!」

    P「……」

    P「(確かにそうだよな…)」

    P「(翌日に予約が取れるって聞いた時はちょっと驚いたけど…)」

    P「(1ヶ月後って言われたら、俺はどうなってたんだろう…)」

    124 = 1 :

    瑞樹「私はそんな気持ちから…当日、翌日でも受診でき…」

    瑞樹「気持ちを少しでもラクにできるメンタルクリニックを目指して…」

    瑞樹「この、川島メンタルクリニックを開院しました!」

    瑞樹「そして祝日以外は年中無休!」

    瑞樹「突然強い不安に襲われたのに、どこも受け入れてくれない…」

    瑞樹「だけど安心して!」

    瑞樹「ドクターミズキはいつもここにいるわ!!」

    P「お、おぉ…!」

    P「(思わず面を食らってしまったが…)」

    P「(確かにこの院長先生なら、晶葉の言う通り評判が良いのもわかる気がするぞ…)」

    瑞樹「いつもより熱く語り過ぎちゃったわね…失礼しました」

    瑞樹「さぁ、診察を始めましょう!」

    P「あ、は、はい!」

    125 = 1 :

    一旦ここまで
    次回は川島さんによる診察から

    このクリニックは、あいさんも川島さんもいないけど実在する元ネタがあります
    つらいときはやっぱりすぐに助けてほしいよね

    126 :

    メンタルクリニックのマンガ思い出した

    127 :

    乙。
    気持ち分かるわー、俺は精神科のある病院行こうとしたら
    初診で待たされすぎてその段階で嫌になったことある。

    128 :

    瑞樹「今日は、気分の低下…」

    瑞樹「ストレスで精神的に不安定になってしまうことで、お悩みみたいですけど…」

    瑞樹「もう少し詳しくお話をお聞きしても大丈夫かしら?」

    P「はい…」

    P「その…ストレスというのは僕が勝手に思い込んでいるだけかもしれないんですが…」

    瑞樹「大丈夫ですよ、続けてください」

    P「ここ最近、生きがいだった仕事をしんどく感じるようになってしまって…」

    P「人付き合いも…ちょっと億劫になってるなって…」

    P「今の僕を理解してくれている人がいるのはわかっているんですが…」

    瑞樹「なるほど…」

    瑞樹「仕事や人間関係のことを考えていたら、いつしか精神的に負担がかかってしまったのね…」

    瑞樹「わかるわ…」

    瑞樹「…貴方が現在の状態になってから、何か大きなトラブルとかはありました?」

    P「トラブル…ですか…」

    129 = 1 :

    P「トラブルというか…ただの自己責任だと思うんですが…」

    P「仕事に行くのが憂鬱で無断欠勤したことがありました…」

    瑞樹「そう…他には何かあります?」

    P「…正直、一番ヤバいなって思ったのが」

    P「無意識に電車が通る直前の踏切に入ろうとして…」

    P「(あの時、茜がいなかったら俺は今頃…)」

    瑞樹「そこまで思い詰めていたのね…!危なかったわ…」

    瑞樹「改めて私のところに来てくれてよかった…!」

    P「い、いや…」

    P「そこまで親身に…」

    瑞樹「……」

    瑞樹「いいの、わかってるわ」

    P「え?」

    130 = 1 :

    瑞樹「私は、この若さゆえにまだベテランと呼ばれるにはほど遠いかもしれない…」

    瑞樹「大袈裟なこと言ってると思われても仕方ない…」

    P「そ、そんな…」

    瑞樹「だけど、受け持った患者さんは必ず笑顔にしてみせる!」

    P「…!」

    瑞樹「私も名医としてのプライドがあるもの!!」

    P「……」

    P「(最初に、エネルギッシュな人だなとは思ったけど…)」

    P「(それだけこの仕事に誇りを持って働いてるんだな…)」

    P「ふふっ、自分で名医なんて言っちゃっていいんですか?」

    瑞樹「…あら♪」

    P「…えっ?」

    131 = 1 :

    瑞樹「今、とても自然な笑顔を見せてくれたわね!」

    瑞樹「初診なのに信頼の気持ちが芽生えたみたいで嬉しいわぁ…なんて♪」

    P「え…?あ…」

    P「(今、笑えてたのか俺…)」

    P「えっと…」

    P「(どんな風に笑ってたのかな…俺…)」

    瑞樹「…無理に笑う必要は無いんですよ?」

    P「…先生」

    瑞樹「少しずつでいいんです」

    瑞樹「少しずつ…一緒に笑顔を増やしていきましょっ?」

    瑞樹「ね?」

    P「……」

    P「…はい!」

    132 = 1 :

    瑞樹「さてと…貴方から聞いたお話を総合的に判断しますと…」

    P「は、はい…」

    瑞樹「ここ最近というポイントから、冬季うつを患っている可能性が考えられます」

    P「…!」

    P「(東郷さんと同じ意見だ…)」

    瑞樹「そして、冬季うつが引き起こしてしまった精神の不安定さが原因で…」

    瑞樹「適応障害の状態になってしまったというのも疑われます」

    P「適応…障害…?」

    瑞樹「読んで字のごとく、生活に適応できなくなる病気ですね」

    瑞樹「今まで問題無かったのに、仕事をしていて不安になってしまう…」

    瑞樹「人間関係であれこれ考えてしまい集中できなくなってしまう…」

    瑞樹「主にこういった状態をあらわします」

    P「そう…なんですか…」

    P「(適応障害…名前は聞いたことはあったが…)」

    P「(自分が今そんな状態にあるなんて考えたことも無かったな…)」

    133 = 1 :

    瑞樹「冬季うつにしても、適応障害にしても…」

    瑞樹「貴方はかなり重い症状にあったみたいです」

    P「……」

    P「(自殺未遂の話をしたからか…)」

    瑞樹「とにかくまず必要なのは休息になります」

    瑞樹「そして、カウセリングやお薬での治療…」

    P「…先生」

    瑞樹「何かしら?」

    P「この場合の休息は、休職を意味するものになるのでしょうか…?」

    瑞樹「…今の職場環境が一番のストレスっていう場合は、診断書も書くわ」

    P「…!」

    P「(どうなんだろうか…?)」

    P「(確かに仕事はつらいが……職場にはアイドルたちがいて…)」

    瑞樹「……」

    134 = 1 :

    瑞樹「…そう言われても、また頭の中がいっぱいいっぱいになっちゃうわね」

    P「…え?」

    瑞樹「まずは気分を落ち着けて、不安感を和らげることからはじめましょう」

    瑞樹「休職を考えるのはそれからね」

    瑞樹「そして休める時にしっかり休んでストレスを軽減する…」

    P「……」

    P「(そうだな…)」

    P「(今の俺にとって一番よくないのは考えすぎてしまうことだもんな…)」

    瑞樹「…お薬をお出ししたいと思うんですが大丈夫でしょうか?」

    P「…はい」

    P「お願いします」

    瑞樹「わかりました」

    瑞樹「…マキノちゃん、わかるわね?」

    P「(マキノちゃん?)」

    マキノ「……」カタカタ…

    P「(あぁ、後ろでデータ入力してる看護師さんか…)」

    135 = 1 :

    マキノ「アルプラゾラム錠0.4mg…ロラゼパム錠0.5mg…ファモチジン錠10mg…」カタカタ…

    マキノ「バルプロ酸Na徐放B錠200mg…ゾルピデム酒石酸塩錠10mg…」カタカタ…

    マキノ「彼の話を分析した結果、必要なデータはこの5種類…」

    マキノ「あとは何日分かということになるけれど…」

    マキノ「まずは2週間分で様子見というところかしら?」

    瑞樹「流石ね、マキノちゃん!」

    マキノ「…いつだって患者様に合った結果を叩きだしてみせるわ」

    マキノ「私の理論は完璧よ…フフッ♪」

    P「……」

    P「(彼女も間違いなくかわいいんだけど…)」

    P「(…ハイスペック過ぎて逆に怪しく感じるのは俺だけか?)」

    136 = 1 :

    瑞樹「そういうわけで、モバさん」

    P「あ、は、はい」

    瑞樹「次回のご予約なんですが、また2週間後でも大丈夫だったかしら?」

    P「2週間後…ちょっと待ってくださいね…」

    P「…はい、夕方以降でしたら」

    瑞樹「よかった♪」

    瑞樹「でしたら、今日と同じ時間でお取りしましょう!」

    瑞樹「お帰りの際に、受付のスタッフまでお願いしますね」

    P「わかりました」

    瑞樹「では、今回のお薬の効果、副作用に関してなんですが――――」

    137 = 1 :

    瑞樹「―――というふうに、なりますね」

    瑞樹「あまりに副作用が気になる場合は一旦やめていただいても構いませんので…」

    P「わかりました、2週間それでやってみます」

    瑞樹「最後に何か聞いておきたいこととかはあるかしら?」

    P「えーと…」

    P「……」

    P「(流石にアイドルに興味はありませんか?ってのは失礼か…)」

    P「とりあえず…大丈夫です」

    瑞樹「そう?なら良いんですけど…」

    瑞樹「…それじゃあ、今日の診察はこれまでです!」

    瑞樹「2週間、ゆっくりと過ごしてね♪」

    マキノ「お大事にどうぞ」

    P「はい、ありがとうございました」

    P「(そして、初めての診察が終わり…)」

    138 = 1 :

    P「―――ふぅ」

    P「(やっぱり全部話せると、少しモヤモヤも晴れた気がしないでもないな…)」

    P「(全てをわかったうえで手助けをしてくれるわけだし…)」

    P「(何よりも俺との距離を近づけてくれるから、安心感もあるよな…)」

    P「(東郷さんの言うように、メンタルケアって仲の良い友人感覚の方が良いのかもな…)」

    P「(となると、俺が今までアイドルたちに弱音を吐いてきたのも間違いじゃないって思えるよな…)」

    P「(それだけの信頼関係はあったと思うし…)」

    P「(…うん)」

    P「(やっぱりちょっとだけ前向きになれたかもしれないな…)」

    P「(さてそんな俺は、クリニックで処方箋をもらって薬局に向かっているわけだが…)」

    P「(…あ、ここかな)」

    P「(ダンサブル薬局…)」

    「来たわね」

    P「え?」

    「自己紹介の必要も無いと思うけれど…」

    ヘレン「私が世界レベルの薬剤師…ヘレンよ」

    P「あ、これ処方箋です」

    ヘレン「はい、お預かりいたします」

    139 = 1 :

    一旦ここまで
    また書けたら

    当初はここらへんで終わる予定だったけど、もう少しだけだらだら書いてみます

    140 :

    ダンサブルですよ・・・こいつぁ・・・

    141 :

    よくわかるうつ病講座

    142 :

    というより、よく分かる適応障害?
    自分もこれで一回ネタ書いてみようかな

    143 :

    たまにモバPが仕事や人間関係に精神的に疲れてるssみるけど読んでてたまに涙出そうになる時がある
    茜に助けられ元気づけられてるシーンや 瑞樹さんの「…無理に笑う必要は無いんですよ?のセリフのとこで心にきたのかも

    144 :

    ――――――――――
    ――――――――
    ――――――

    P「……」

    P「(精神安定剤に睡眠導入剤、か)」

    P「(こうして受け取ってみると、実感してしまうな…)」

    P「(自分が病気だっていう事実を…)」

    P「(だけど、受け入れることが出来たというのが何よりも大きな一歩だとも思える)」

    P「(副作用の心配等もちろんあるが、焦らずにいこう…)」

    P「(しかし…)」

    P「…今日も冷えるな」

    P「(立春なんて言うが、日が落ちればまだまだ冬の寒さだ…)」

    P「(早く家に帰って暖をとろう…)」

    「…Pさん、ですよねぇ?」

    P「えっ?」

    145 = 1 :

    日菜子「あぁ、やっぱり~」

    日菜子「むふ…帰り道で偶然、なんてあるんですねぇ♪」

    P「おお、日菜子か」

    P「ホントに偶然だな、びっくりしたよ」

    P「学校の帰りか?」

    日菜子「はい~♪」

    日菜子「正確に言うと、部活の帰りです~」

    P「部活…」

    P「えーと…手芸部だったっけ?」

    日菜子「あら♪よく覚えていらっしゃって!」

    日菜子「むふふっ。やっぱりPさんは日菜子のことはなんでも知ってるんですねぇ」

    日菜子「こころまで見透かされちゃいそう…きゃっ♪」

    P「ははっ、日菜子と話すのは楽しいからな」

    P「やっぱり記憶に残るんだよ」

    P「(日菜子か…)」

    P「(面白い子だよな)」

    146 = 1 :

    P「(夢見がちなところが目立つけど…)」

    P「(だからこそ、誰よりも夢を追い続けて諦めない姿勢がみえる…)」

    P「(気づいたら、そんな彼女のペースについついハマってしまう)」

    P「(人を惹きつける…魅力溢れる女の子だ)」

    日菜子「……」

    日菜子「Pさん」

    P「ん?なんだ?」

    日菜子「なんだかPさん、楽しそう…」

    P「う、うん…」

    P「日菜子と話してると俺は楽しいが…」

    P「…急に真顔になってどうした?」

    日菜子「なんて言うんでしょうか…」

    日菜子「…おかしいな」

    日菜子「日菜子、上手く言葉に出来なくて…」

    P「(…日菜子が言いよどむなんて珍しいな)」

    147 = 1 :

    P「…大丈夫か?」

    日菜子「ご、ごめんなさい」

    日菜子「決して心配されるようなことでは無くて~…」

    日菜子「あの…」

    日菜子「…日菜子、今とっても嬉しいんですっ」

    P「嬉しい気持ちなのか?」

    日菜子「…はい」

    日菜子「そのぉ…」

    日菜子「こんなこと言うのって失礼だと思うんですが…」

    P「うん?」

    日菜子「Pさんが楽しそうにしている顔って、久しぶりに見た気がするんです」

    P「俺が…か?」

    日菜子「はい…」

    P「……」

    P「(確かに…)」

    P「(よく考えてみたら今日の俺、日菜子と会った時から自然に会話してたよな…)」

    148 = 1 :

    P「(ここ最近の俺は誰と話すにしても一歩引いた状態になっていた…)」

    P「(無意識もあったが意識的に人との関わりを避けたいって思うことが多かった…)」

    P「(少しでもストレスから逃げようとする為にだ…)」

    P「(でも、日菜子に会った時には一度もそうは思わなかった)」

    P「(むしろ日菜子に会えて嬉しいとまで感じた)」

    P「(先ほどのカウンセリングの効果がもう出ているとまでは考えないが…)」

    P「(今までのアイドル達との会話の中で…)」

    P「(俺の中で少しずつ何かが変わってきているのか…?)」

    日菜子「日菜子はいつもPさんのことを考えています」

    日菜子「現実でも妄想でも…頭の中はいつもPさんでいっぱいです」

    日菜子「そんな日菜子の最近の妄想はどうしても叶えたかった…」

    日菜子「それが…日菜子の目に映る…」

    日菜子「今のPさんの姿なんですよぉ」

    P「今の俺…?」

    149 = 1 :

    日菜子「楽しそうに…」

    日菜子「日菜子に笑顔を見せてくれて、お話も聞いてくれて…」

    日菜子「だけど、ここ最近のPさんはどこか笑顔がぎこちなくて…」

    日菜子「なんだか悲しそうでした…」

    P「……」

    瑞樹『…無理して笑う必要は無いんですよ?』

    P「(…そうか)」

    P「(…作り笑いで悲しい気持ちになるのは俺だけじゃなかったんだな)」

    日菜子「でも、今日のPさんは日菜子の妄想してた…」

    日菜子「いえ…」

    日菜子「日菜子の妄想以上に、今のPさんでいてくれましたぁ」

    P「妄想以上に…?」

    日菜子「はい」

    日菜子「だって…」

    日菜子「Pさんは本当に楽しそうに…」

    日菜子「それで、日菜子は…」

    P「日菜子…」

    150 = 1 :

    日菜子「日菜子はPさんが元気でいてくれたら…って思っていただけなのに」

    日菜子「だけど、いつもの日菜子でいないと余計を気を遣わせてしまうんじゃないか…」

    日菜子「でも、いつもの日菜子でいて拒絶されたらどうしようなんてことも思ったりで…」

    P「……」

    日菜子「ぐすっ…ホントに嬉しかったんですよぉ…」

    日菜子「日菜子と話すのが楽しいって…Pさんが言ってくれたことがぁ…」

    P「…うん」ナデナデ

    日菜子「ひぐっ…あ、あぅん…!」

    P「ありがとな、日菜子」

    P「やっぱり日菜子は本当に俺のことよく考えてくれてるよな」

    P「きっと、日菜子が妄想を願ったからこそ俺も少し元気が出てきたんだって思えるよ」

    日菜子「か、叶えたかったんです…」

    日菜子「…いえ!叶ってほしかったんですぅ…!!」

    P「(日菜子は泣いた。感情を露わにして)」

    P「(夢を追うからこそ、手にした時の喜びもまた大きい…)」

    P「(…日菜子、お前は必ず俺がトップアイドルにしてやるからな)」


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