私的良スレ書庫
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元スレ渋谷凛「い……いやだ!」 武内P「…………。(だ、だから何が……)」
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凛「……はふぅ。ごちそうさま」
未央「お腹膨れた?」
凛「うん。十分だよ」
未央「良かった。腹が減っては戦はできぬ、って言うからね」
凛「……本当にありがとう。未央。正直言って、今の状況に絶望しかけていたけど……未央のおかげで、もう少し頑張れそうな気がしてきたよ」
未央「……そっか。それなら良かったよ」
凛「もちろん、この先に何があるのか分からないし……真実を知るのが怖いって気持ちも大きいけど……」
未央「…………」
凛「でも、ここで逃げたままじゃ何も変わらない……変えられないって、そう思うから」
未央「……しぶりん……」
凛「だから私……最後まで戦うよ。たとえこの先に、どんなに残酷な真実が待ち構えているとしても」
未央「うん。それでこそしぶりんだよ」
凛「未央」
未央「私も、全力で応援してる。だからもし何か困ったことがあったらすぐに言ってね。千葉から飛んで来るから!」ニコッ
凛「……うん。ありがとう!」ニコッ
未央「お腹膨れた?」
凛「うん。十分だよ」
未央「良かった。腹が減っては戦はできぬ、って言うからね」
凛「……本当にありがとう。未央。正直言って、今の状況に絶望しかけていたけど……未央のおかげで、もう少し頑張れそうな気がしてきたよ」
未央「……そっか。それなら良かったよ」
凛「もちろん、この先に何があるのか分からないし……真実を知るのが怖いって気持ちも大きいけど……」
未央「…………」
凛「でも、ここで逃げたままじゃ何も変わらない……変えられないって、そう思うから」
未央「……しぶりん……」
凛「だから私……最後まで戦うよ。たとえこの先に、どんなに残酷な真実が待ち構えているとしても」
未央「うん。それでこそしぶりんだよ」
凛「未央」
未央「私も、全力で応援してる。だからもし何か困ったことがあったらすぐに言ってね。千葉から飛んで来るから!」ニコッ
凛「……うん。ありがとう!」ニコッ
凛(私に激励の言葉を贈ってくれた未央は、通りがかったタクシーを捕まえてそのまま千葉へと帰って行った)
凛(卯月も未央も、『何かあったらすぐに連絡して』とは言ってくれていたけど……時刻はもう既に深夜一時を回っている)
凛(流石にこれ以上、彼女達に迷惑を掛けるわけにはいかない)
凛(後は自分との戦い……極限まで集中力を高め、ただただプロデューサーの部屋の動向のみに全神経を集中させるだけだ)
凛(とはいっても、午前零時過ぎに部屋の明かりが消えて以来、目標には何の動きもみられない)
凛(あの部屋の中で何が起こっているのか私は知らない。知らなくてもいいことなのかもしれない)
凛(でも私は……その先にあるものを『知りたい』って思ってしまったんだ)
凛(その気持ちは、嘘じゃない。だから……)
凛(私はもう逃げない。迷わない。惑わない)
凛(今はただ、自分の信じた道を進むだけ)
凛(……ああ、そういえば……)
凛(私がアイドルやるようになったきっかけって……プロデューサーが教えてくれたんだっけ)
凛(『少しでも、君が夢中になれる何かを探しているのなら、一度踏み込んでみませんか?』)
凛(『そこにはきっと、今までと別の世界が広がっています』)
凛(そうだ。私はその言葉を信じて……アイドルになったんだ)
凛(そのことは、本当に感謝してる)
凛(『私をアイドルにしてくれてありがとう』って……今でも毎日、そう思ってるよ)
凛(だからプロデューサー……目の前にある現実は、胸に抱いた理想とは違う形をしているのかもしれないけど……)
凛(あと数時間だけでいい。たったそれだけでいいから……今はまだ、夢の世界に浸らせていてほしいな)
凛(お願いだよ)
凛(私の大好きな……プロデューサー)
凛(卯月も未央も、『何かあったらすぐに連絡して』とは言ってくれていたけど……時刻はもう既に深夜一時を回っている)
凛(流石にこれ以上、彼女達に迷惑を掛けるわけにはいかない)
凛(後は自分との戦い……極限まで集中力を高め、ただただプロデューサーの部屋の動向のみに全神経を集中させるだけだ)
凛(とはいっても、午前零時過ぎに部屋の明かりが消えて以来、目標には何の動きもみられない)
凛(あの部屋の中で何が起こっているのか私は知らない。知らなくてもいいことなのかもしれない)
凛(でも私は……その先にあるものを『知りたい』って思ってしまったんだ)
凛(その気持ちは、嘘じゃない。だから……)
凛(私はもう逃げない。迷わない。惑わない)
凛(今はただ、自分の信じた道を進むだけ)
凛(……ああ、そういえば……)
凛(私がアイドルやるようになったきっかけって……プロデューサーが教えてくれたんだっけ)
凛(『少しでも、君が夢中になれる何かを探しているのなら、一度踏み込んでみませんか?』)
凛(『そこにはきっと、今までと別の世界が広がっています』)
凛(そうだ。私はその言葉を信じて……アイドルになったんだ)
凛(そのことは、本当に感謝してる)
凛(『私をアイドルにしてくれてありがとう』って……今でも毎日、そう思ってるよ)
凛(だからプロデューサー……目の前にある現実は、胸に抱いた理想とは違う形をしているのかもしれないけど……)
凛(あと数時間だけでいい。たったそれだけでいいから……今はまだ、夢の世界に浸らせていてほしいな)
凛(お願いだよ)
凛(私の大好きな……プロデューサー)
凛(……そんなこんなで、時刻は朝七時……)
凛(日本の夜明けです)
凛(まあ、我ながらよくここまできたもんだと思うよ)
凛(最初にここに着いてから、実に12時間以上もの間……不眠不休で、ただひたすらプロデューサーの部屋を見つめ続けることになるとはね……)
凛(でもここまできたら、もう何も怖いものはない)
凛(たとえどんなに残酷な現実であろうと、目を背けることなくしっかりと受け入れ――……)
ガチャッ バタン
武内P「――――」
謎の女性「――――」
凛「!」
凛(ふ……普通に出て来た!?)
凛(ぷ、ぷプロデューサーはいつものスーツ姿……あ、当たり前か。今から事務所行くんだろうし……)
凛(で、あ、あの謎の女Xは……)
凛(! 服、着替えてる……! じゃあやっぱりあの女、昨日は最初から泊まるつもりで……)
凛「!?」
凛(き、昨日買った大量の荷物……あの女の私物と思しき服や靴やバッグ……を、一つも持っていない!?)
凛(もちろん、プロデューサーも持っていない……ってことはまだ、あの部屋の中に……)
凛(な……なんでなんでなんで!?)
凛(だってあれはあの女の私物で……なんでそれをプロデューサーの部屋に置いたままにして出て行くの!?)
凛(そんなの、まるで、またあの女がプロデューサーの部屋に……)
凛(……いや、違う……?)
凛(もしかして……もしかして、もう既に……)
凛(あの部屋で、二人、一緒に、暮らし――……)
武内P「……渋谷……さん?」
凛「えっ」
凛(日本の夜明けです)
凛(まあ、我ながらよくここまできたもんだと思うよ)
凛(最初にここに着いてから、実に12時間以上もの間……不眠不休で、ただひたすらプロデューサーの部屋を見つめ続けることになるとはね……)
凛(でもここまできたら、もう何も怖いものはない)
凛(たとえどんなに残酷な現実であろうと、目を背けることなくしっかりと受け入れ――……)
ガチャッ バタン
武内P「――――」
謎の女性「――――」
凛「!」
凛(ふ……普通に出て来た!?)
凛(ぷ、ぷプロデューサーはいつものスーツ姿……あ、当たり前か。今から事務所行くんだろうし……)
凛(で、あ、あの謎の女Xは……)
凛(! 服、着替えてる……! じゃあやっぱりあの女、昨日は最初から泊まるつもりで……)
凛「!?」
凛(き、昨日買った大量の荷物……あの女の私物と思しき服や靴やバッグ……を、一つも持っていない!?)
凛(もちろん、プロデューサーも持っていない……ってことはまだ、あの部屋の中に……)
凛(な……なんでなんでなんで!?)
凛(だってあれはあの女の私物で……なんでそれをプロデューサーの部屋に置いたままにして出て行くの!?)
凛(そんなの、まるで、またあの女がプロデューサーの部屋に……)
凛(……いや、違う……?)
凛(もしかして……もしかして、もう既に……)
凛(あの部屋で、二人、一緒に、暮らし――……)
武内P「……渋谷……さん?」
凛「えっ」
別の世界の意味が...
アイドルをストーカーに置き換えて読めばいいのかな?
アイドルをストーカーに置き換えて読めばいいのかな?
武内P「な、なぜ……こんなところに……?」
凛「…………」
凛(し、しまった……! 動揺し過ぎて、隠れるの忘れてた……!)
凛(いやでも、ちょうどよかったじゃないか……どっちにしろ、逃げるつもりはなかったわけだし……)
謎の女性「……あれ? この子って確か……」
武内P「ああ。僕が担当しているアイドルの……渋谷凛さん」
凛「!」
謎の女性「あー。どうりで。なんか見たことあると思ったわ。でもなんかすごいカッコね。寒がりさんなの?」
凛「…………」
凛(プロデューサーが、丁寧口調じゃない)
凛(自分の事、『僕』って言った)
武内P「渋谷さん? あの……大丈夫ですか?」
凛「…………」
凛(そうか。そうだよね)
凛(私はプロデューサーの『プロデューサー』としての一面しか知らないけど……)
凛(プロデューサーだって、一人の人間なんだ)
凛(『プロデューサー』以外の面だって、当然たくさん持ってるに決まってる)
武内P「渋谷さん……?」
凛「…………」
凛(それで多分、この女の人は……プロデューサーの『プロデューサー』以外の面を……たくさん知ってる人なんだ)
凛(私なんかよりも、ずっとずっと、たくさん……)
凛(でも)
凛(……でも、そんなの……)
武内P「渋谷さん」
凛「い……いやだ!」
武内P「えっ」
凛「あっ」
凛「…………」
凛(し、しまった……! 動揺し過ぎて、隠れるの忘れてた……!)
凛(いやでも、ちょうどよかったじゃないか……どっちにしろ、逃げるつもりはなかったわけだし……)
謎の女性「……あれ? この子って確か……」
武内P「ああ。僕が担当しているアイドルの……渋谷凛さん」
凛「!」
謎の女性「あー。どうりで。なんか見たことあると思ったわ。でもなんかすごいカッコね。寒がりさんなの?」
凛「…………」
凛(プロデューサーが、丁寧口調じゃない)
凛(自分の事、『僕』って言った)
武内P「渋谷さん? あの……大丈夫ですか?」
凛「…………」
凛(そうか。そうだよね)
凛(私はプロデューサーの『プロデューサー』としての一面しか知らないけど……)
凛(プロデューサーだって、一人の人間なんだ)
凛(『プロデューサー』以外の面だって、当然たくさん持ってるに決まってる)
武内P「渋谷さん……?」
凛「…………」
凛(それで多分、この女の人は……プロデューサーの『プロデューサー』以外の面を……たくさん知ってる人なんだ)
凛(私なんかよりも、ずっとずっと、たくさん……)
凛(でも)
凛(……でも、そんなの……)
武内P「渋谷さん」
凛「い……いやだ!」
武内P「えっ」
凛「あっ」
凛「…………」
武内P「…………」
謎の女性「…………」
凛(な、何言ってるんだろう私……こんなところにいる時点で怪しさ全開なのに、会って第一声が『いやだ』って……)
武内P「……え、っと……」
凛(ああほら、プロデューサーも固まっちゃってるじゃん。早く何か言わないと……)
凛「……あ、あのねプロデューサー。違うの。違うんだよ」
武内P「は、はあ……」
凛「私が嫌だって言ったのはプロデューサーのことじゃないから。そこんとこ誤解しないでほしいかなって」
武内P「そ、そうですか。では一体何が嫌だと……いやそれ以前に、そもそもなぜここに……?」
凛「そ、それは……え、ええっとだね……」
謎の女性「……ねぇ、○○。なんかよく分かんないけど私の事も紹介しといてよ。リアルにアイドルと知り合える機会なんてそうそうないんだしさ」
凛「!」
武内P「え? ああ、いいけど……」
凛(ぷ、プロデューサーを下の名前で呼んだ……! もう間違い無い、やっぱりこの人……)
武内P「渋谷さん。色々話が飛んで申し訳ありません」
凛「!」
武内P「こっちにいるのが……」
凛「き……聞きたくない!」
武内P「えっ」
謎の女性「えっ」
凛「……っていうか、聞かなくても、分かるよ……」
武内P「! 本当ですか。まあ、たまにそういう方もおられますが……」
凛「……彼女、なんでしょ。プロデューサーの」
武内P「えっ」
謎の女性「…………」
凛「っていうか、この状況で分からないわけないじゃん。プロデューサー、私の事バカにしてんの?」
武内P「えっ。いや、そんなことは」
凛「そりゃあ私なんか、この人に比べたらまだ全然子どもかもしれないけどさ……これでも一応、色々考えて生きてるんだよ」
武内P「渋谷さん……」
謎の女性「ふぅん。なかなか鋭いのね。お嬢ちゃん」
凛「!」
武内P「えっ」
謎の女性「あなたの言うとおり……私は○○の彼女よ」
凛「! …………」
武内P「…………」
謎の女性「…………」
凛(な、何言ってるんだろう私……こんなところにいる時点で怪しさ全開なのに、会って第一声が『いやだ』って……)
武内P「……え、っと……」
凛(ああほら、プロデューサーも固まっちゃってるじゃん。早く何か言わないと……)
凛「……あ、あのねプロデューサー。違うの。違うんだよ」
武内P「は、はあ……」
凛「私が嫌だって言ったのはプロデューサーのことじゃないから。そこんとこ誤解しないでほしいかなって」
武内P「そ、そうですか。では一体何が嫌だと……いやそれ以前に、そもそもなぜここに……?」
凛「そ、それは……え、ええっとだね……」
謎の女性「……ねぇ、○○。なんかよく分かんないけど私の事も紹介しといてよ。リアルにアイドルと知り合える機会なんてそうそうないんだしさ」
凛「!」
武内P「え? ああ、いいけど……」
凛(ぷ、プロデューサーを下の名前で呼んだ……! もう間違い無い、やっぱりこの人……)
武内P「渋谷さん。色々話が飛んで申し訳ありません」
凛「!」
武内P「こっちにいるのが……」
凛「き……聞きたくない!」
武内P「えっ」
謎の女性「えっ」
凛「……っていうか、聞かなくても、分かるよ……」
武内P「! 本当ですか。まあ、たまにそういう方もおられますが……」
凛「……彼女、なんでしょ。プロデューサーの」
武内P「えっ」
謎の女性「…………」
凛「っていうか、この状況で分からないわけないじゃん。プロデューサー、私の事バカにしてんの?」
武内P「えっ。いや、そんなことは」
凛「そりゃあ私なんか、この人に比べたらまだ全然子どもかもしれないけどさ……これでも一応、色々考えて生きてるんだよ」
武内P「渋谷さん……」
謎の女性「ふぅん。なかなか鋭いのね。お嬢ちゃん」
凛「!」
武内P「えっ」
謎の女性「あなたの言うとおり……私は○○の彼女よ」
凛「! …………」
こき使う感じから姉ぽいけど妹の可能性もある
しかし彼女という線もやはり・・・
しかし彼女という線もやはり・・・
武内P「ちょっと……何を」
謎の女性「別にいいじゃない。隠すようなことでもないのだし」
凛「…………」
凛(ま、まあ分かってはいた、けど……)
凛(いざ、面と向かって、言われると……)
凛(結構、くる、かな……)
凛「…………?」
凛(あ、あれ? おかしいな……プロデューサーの、顔、にじんで、よく、見えな……)
武内P「!? し……渋谷さん!?」
謎の女性「ちょ、ちょっと! な、何も泣く事ないじゃない!?」
凛「な……ないてまぜんっ!」
謎の女性「いやめっちゃ泣いてるわよ! え、何これどうしようどうしたらいいの?」
凛「う、うぅ~……えぐっ」
武内P「し、渋谷さん……」
謎の女性「ちょ、ちょっと○○、あ、あんた何とかしなさいよ! あんたの担当アイドルでしょ?」
武内P「え、えっと。お、落ち着いて下さい渋谷さん」
凛「う、うう……ううぅ……」
武内P「ど、どこか痛みますか? 病院にでも……」
凛「…………」ブンブン
武内P「じゃ、じゃあとりあえず涙を……あっ。ハンカチ忘れた……姉さん持ってない?」
謎の女性「もう、しょうがないわね。はい」
武内P「ありがとう」
凛「…………?」
武内P「渋谷さん。とりあえずこれで涙を……」サッ
凛「…………」
武内P「? 渋谷さん?」
謎の女性「別にいいじゃない。隠すようなことでもないのだし」
凛「…………」
凛(ま、まあ分かってはいた、けど……)
凛(いざ、面と向かって、言われると……)
凛(結構、くる、かな……)
凛「…………?」
凛(あ、あれ? おかしいな……プロデューサーの、顔、にじんで、よく、見えな……)
武内P「!? し……渋谷さん!?」
謎の女性「ちょ、ちょっと! な、何も泣く事ないじゃない!?」
凛「な……ないてまぜんっ!」
謎の女性「いやめっちゃ泣いてるわよ! え、何これどうしようどうしたらいいの?」
凛「う、うぅ~……えぐっ」
武内P「し、渋谷さん……」
謎の女性「ちょ、ちょっと○○、あ、あんた何とかしなさいよ! あんたの担当アイドルでしょ?」
武内P「え、えっと。お、落ち着いて下さい渋谷さん」
凛「う、うう……ううぅ……」
武内P「ど、どこか痛みますか? 病院にでも……」
凛「…………」ブンブン
武内P「じゃ、じゃあとりあえず涙を……あっ。ハンカチ忘れた……姉さん持ってない?」
謎の女性「もう、しょうがないわね。はい」
武内P「ありがとう」
凛「…………?」
武内P「渋谷さん。とりあえずこれで涙を……」サッ
凛「…………」
武内P「? 渋谷さん?」
凛「えっと……プロデューサー」
武内P「は、はい」
凛「今……なんて」
武内P「え? とりあえずこれで涙を」
凛「その前」
武内P「? ハンカチ忘れ……」
凛「その後」
武内P「え? えっと……」
凛「……姉さん、って」
武内P「……ああ、はい」
凛「それって、つまり」
武内P「はい」
凛「……そういうこと……なの?」
武内P「そういうことです。……すみません、本当はさっき言おうとしていたのですが、姉が悪ふざけを……」
凛「…………」
武内姉「ご、ごめんね。ちょっとからかうだけのつもりだったんだけど……」
凛「…………」
武内姉「まさか泣いちゃうなんて思わなくて……いや、なんというか……」
凛「…………」
武内姉「本当にすみませんっしたぁ!」ガバッ
武内P「土下座!?」
武内姉「あんたもしなさい!」
武内P「!?」
武内姉「ほら早く! こんな可愛い女の子泣かせたんだから! 連帯責任!」
武内P「で、では……」
武内姉弟「本当に申し訳ありませんでした!」ガバッ
凛「…………」
武内P「は、はい」
凛「今……なんて」
武内P「え? とりあえずこれで涙を」
凛「その前」
武内P「? ハンカチ忘れ……」
凛「その後」
武内P「え? えっと……」
凛「……姉さん、って」
武内P「……ああ、はい」
凛「それって、つまり」
武内P「はい」
凛「……そういうこと……なの?」
武内P「そういうことです。……すみません、本当はさっき言おうとしていたのですが、姉が悪ふざけを……」
凛「…………」
武内姉「ご、ごめんね。ちょっとからかうだけのつもりだったんだけど……」
凛「…………」
武内姉「まさか泣いちゃうなんて思わなくて……いや、なんというか……」
凛「…………」
武内姉「本当にすみませんっしたぁ!」ガバッ
武内P「土下座!?」
武内姉「あんたもしなさい!」
武内P「!?」
武内姉「ほら早く! こんな可愛い女の子泣かせたんだから! 連帯責任!」
武内P「で、では……」
武内姉弟「本当に申し訳ありませんでした!」ガバッ
凛「…………」
凛「……いいよ。もう」
武内P「! 渋谷さん」
武内姉「お嬢ちゃん」
凛「……私の方こそ、勝手に勘違いして……ごめんなさい」ペコリ
武内P「い、いえ。そんな、渋谷さんが謝るようなことでは……」
武内姉「そうよ。お嬢ちゃんは何も悪くないわ。悪いのは全部この弟よ」
武内P「!?」
武内姉「何よその顔。あんたがお嬢ちゃんを心配させたのは紛れも無い事実でしょうが」
武内P「? じ、自分が渋谷さんを……? 何かよく分かりませんが、自分のせいで不快な思いをさせてしまったのならすみません。渋谷さん」ペコリ
凛「! わわ。いいって。プロデューサー。だから私が勝手に勘違いしただけだってば」
武内P「? そうなんですか?」
凛「そ、そうなの! ……まあ今になって考えたら、不動産屋に一緒に行ってたくらいで彼女だって決めつけるのも短絡的だったし……」
武内P「? 不動産屋……?」
武内姉「あんたもう忘れたの? 昨日一緒に行ってくれたじゃない」
武内P「ああ。姉さんの」
凛「え?」
武内姉「ああ、私、今は実家から通勤してるんだけど、ちょっと遠くてね。それで来年からは一人暮らししようと思って、家探してたの」
凛「あ、あー……」
武内姉「でも不動産屋とかって、女が一人で行くとなんかなめられて足元見られそうだなーって思って。それで見た目だけは異様にいかついこいつについて来てもらってたってわけ」
武内P「見た目だけはって……」
凛「……そ、そうだったんですか……」
凛(な、何それ……わ、私のこの12時間越しの苦労って、一体……)
凛(まあでも、良かった……うん。本当に……)
武内P「! 渋谷さん」
武内姉「お嬢ちゃん」
凛「……私の方こそ、勝手に勘違いして……ごめんなさい」ペコリ
武内P「い、いえ。そんな、渋谷さんが謝るようなことでは……」
武内姉「そうよ。お嬢ちゃんは何も悪くないわ。悪いのは全部この弟よ」
武内P「!?」
武内姉「何よその顔。あんたがお嬢ちゃんを心配させたのは紛れも無い事実でしょうが」
武内P「? じ、自分が渋谷さんを……? 何かよく分かりませんが、自分のせいで不快な思いをさせてしまったのならすみません。渋谷さん」ペコリ
凛「! わわ。いいって。プロデューサー。だから私が勝手に勘違いしただけだってば」
武内P「? そうなんですか?」
凛「そ、そうなの! ……まあ今になって考えたら、不動産屋に一緒に行ってたくらいで彼女だって決めつけるのも短絡的だったし……」
武内P「? 不動産屋……?」
武内姉「あんたもう忘れたの? 昨日一緒に行ってくれたじゃない」
武内P「ああ。姉さんの」
凛「え?」
武内姉「ああ、私、今は実家から通勤してるんだけど、ちょっと遠くてね。それで来年からは一人暮らししようと思って、家探してたの」
凛「あ、あー……」
武内姉「でも不動産屋とかって、女が一人で行くとなんかなめられて足元見られそうだなーって思って。それで見た目だけは異様にいかついこいつについて来てもらってたってわけ」
武内P「見た目だけはって……」
凛「……そ、そうだったんですか……」
凛(な、何それ……わ、私のこの12時間越しの苦労って、一体……)
凛(まあでも、良かった……うん。本当に……)
姉の前で彼女云々で泣いてしまった事によりこの後の方が苦労しそうな気が!
武内姉「しかし健気だねぇ。自分のプロデューサーの身を案じて、はるばるこんなところまで追いかけてくるなんて」
凛「! そ、それは、そのっ……」
武内P「! ……そういうことですか。それで渋谷さんはこんなところに……」
武内姉「って。ちょっとあんた、今頃気付いたの?」
武内P「ああ」
武内姉「ああって……そんなんだからあんたは……」
凛「い、いいんですいいんです。私が勝手にやったことなんで……」
武内P「……ん?」
凛「? どうしたの? プロデューサー」
武内P「渋谷さんは昨日……私と姉が不動産屋に行っていたのを見ていたんですよね?」
凛「え、あ、ああ……うん。いや、別に見ようとしてたわけじゃないよ? ただの偶然で……」
武内P「そしてそこで姉の姿を見て私の恋人と勘違いし、私の身を案じて後を追った……」
凛「あ、改めて言われるとなんか恥ずかしいけど……まあ、そういうことになるかな……」
武内P「でも私達が不動産屋を訪れていたのは昨日の昼過ぎ……」
凛「えっ。あ、あー……そ、そうだったかな? あはは……」
武内P「つまり不動産屋の時点から数えて……優に17時間以上、渋谷さんは私達の後をつけていたということに……?」
凛「…………え、そ、そんなになるかな? ま、まあ概ねそんな感じかもしれなくもないけど……あ、あはは……」
武内P「渋谷さん」
凛「! は、はい」
武内姉(あっ。これ説教モードだ)
凛「! そ、それは、そのっ……」
武内P「! ……そういうことですか。それで渋谷さんはこんなところに……」
武内姉「って。ちょっとあんた、今頃気付いたの?」
武内P「ああ」
武内姉「ああって……そんなんだからあんたは……」
凛「い、いいんですいいんです。私が勝手にやったことなんで……」
武内P「……ん?」
凛「? どうしたの? プロデューサー」
武内P「渋谷さんは昨日……私と姉が不動産屋に行っていたのを見ていたんですよね?」
凛「え、あ、ああ……うん。いや、別に見ようとしてたわけじゃないよ? ただの偶然で……」
武内P「そしてそこで姉の姿を見て私の恋人と勘違いし、私の身を案じて後を追った……」
凛「あ、改めて言われるとなんか恥ずかしいけど……まあ、そういうことになるかな……」
武内P「でも私達が不動産屋を訪れていたのは昨日の昼過ぎ……」
凛「えっ。あ、あー……そ、そうだったかな? あはは……」
武内P「つまり不動産屋の時点から数えて……優に17時間以上、渋谷さんは私達の後をつけていたということに……?」
凛「…………え、そ、そんなになるかな? ま、まあ概ねそんな感じかもしれなくもないけど……あ、あはは……」
武内P「渋谷さん」
凛「! は、はい」
武内姉(あっ。これ説教モードだ)
武内P「私の身を案じてくれた事は……素直に嬉しく思います。どうもありがとうございました」
凛「……プロデューサー……」
武内P「ですが、いくらなんでもこんな場所で夜を明かすなんて……今後はもう絶対にしないで下さい」
凛「うっ。ご、ごめんなさい……」
武内P「これはあなたがアイドルだから、私がプロデューサーだから言っているのではありません。一人の人間として……あなたの事が心配だから言っているんです」
凛「! ぷ、プロデューサー……」
武内P「どんなに有名なアイドルになっても……あなたはまだ、15歳の女の子なんですから」
凛「! う……うん。ありがと……」
武内姉(あーあ、ここで『一人の男として』って言えればねぇ……ま、そういうとこもこいつらしいけどさ)
武内P「それと、もう一つだけ」
凛「? な……何?」
武内P「これは純粋に疑問なのですが……」
凛「…………?」
武内P「なぜこの寒空の下、こんなにも長い時間……私の事を見守り続けていてくれたのですか?」
凛「えっ」
武内姉「?」
武内P「私の身を案じてくれていたのは有り難いのですが……これでも私は男ですし……女性一人相手にどうこうされる危険はまず無いと思うのですが……」
凛「…………え?」
武内P「いえ、ですからつまり……あえて渋谷さんに建物の外から見守って頂かなくとも、いざというときは自分一人で対処が可能かと……」
凛「…………」
武内P「? 違うのですか? 私の身を案じていたというのは……」
凛「…………」
武内P「私の恋人が、実は凶悪な強盗犯であり……不意にその本性を露にし、私に対し暴行を加え、金品を奪取して逃走する……そんな状況を想定されていたのでは……?」
凛「…………」
武内姉(だ、駄目だこいつ……早くなんとかしないと……)
凛「……プロデューサー……」
武内P「ですが、いくらなんでもこんな場所で夜を明かすなんて……今後はもう絶対にしないで下さい」
凛「うっ。ご、ごめんなさい……」
武内P「これはあなたがアイドルだから、私がプロデューサーだから言っているのではありません。一人の人間として……あなたの事が心配だから言っているんです」
凛「! ぷ、プロデューサー……」
武内P「どんなに有名なアイドルになっても……あなたはまだ、15歳の女の子なんですから」
凛「! う……うん。ありがと……」
武内姉(あーあ、ここで『一人の男として』って言えればねぇ……ま、そういうとこもこいつらしいけどさ)
武内P「それと、もう一つだけ」
凛「? な……何?」
武内P「これは純粋に疑問なのですが……」
凛「…………?」
武内P「なぜこの寒空の下、こんなにも長い時間……私の事を見守り続けていてくれたのですか?」
凛「えっ」
武内姉「?」
武内P「私の身を案じてくれていたのは有り難いのですが……これでも私は男ですし……女性一人相手にどうこうされる危険はまず無いと思うのですが……」
凛「…………え?」
武内P「いえ、ですからつまり……あえて渋谷さんに建物の外から見守って頂かなくとも、いざというときは自分一人で対処が可能かと……」
凛「…………」
武内P「? 違うのですか? 私の身を案じていたというのは……」
凛「…………」
武内P「私の恋人が、実は凶悪な強盗犯であり……不意にその本性を露にし、私に対し暴行を加え、金品を奪取して逃走する……そんな状況を想定されていたのでは……?」
凛「…………」
武内姉(だ、駄目だこいつ……早くなんとかしないと……)
相変わらず過去に何かあったのかと妄想したくなるな武Pの鈍感は
武内P「す、すみません……どうやら、ニュアンスに誤解があったようですね」
凛「いや、まあ……うん」
武内P「では、改めてお聞きしますが……」
凛「えっ」
武内P「渋谷さん。あなたはなぜ……この寒空の下、こんなにも長い時間……私の事を見守り続けていてくれたのですか?」
凛「! な、なんで、って……」
武内姉「…………。(こいつ、マジでこういうとこ自覚無いんだよな……我が弟ながらあまりにひどい……。同情するぜ、お嬢ちゃん)」
凛「な……なんでって、そ、それはあれだよ。その……」
武内P「?」
凛「……その……!」
――私の大好きな……プロデューサー。
凛「! …………」
武内P「? 渋谷さん?」
凛「……い……」
武内P「い?」
凛「い……いやだ!」
武内P「…………。(だ、だから何が……)」
了
凛「いや、まあ……うん」
武内P「では、改めてお聞きしますが……」
凛「えっ」
武内P「渋谷さん。あなたはなぜ……この寒空の下、こんなにも長い時間……私の事を見守り続けていてくれたのですか?」
凛「! な、なんで、って……」
武内姉「…………。(こいつ、マジでこういうとこ自覚無いんだよな……我が弟ながらあまりにひどい……。同情するぜ、お嬢ちゃん)」
凛「な……なんでって、そ、それはあれだよ。その……」
武内P「?」
凛「……その……!」
――私の大好きな……プロデューサー。
凛「! …………」
武内P「? 渋谷さん?」
凛「……い……」
武内P「い?」
凛「い……いやだ!」
武内P「…………。(だ、だから何が……)」
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最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
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