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    元スレ提督「左遷(なが)されて」港湾棲姫「港町」

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    301 = 2 :



    レ級「アブナイアブナイ、咄嗟ニシッポダシチャッタ……アッ」サーッ


    レ級「……」キョロキョロ


    ザワザワ ザワザワ


    銀行員「し、し、し……」ガタガタ








    銀行員「深海棲艦だーっ!!!」









    キャーッ!! 深海棲艦だーっ!!! 憲兵隊をよべ!! 鎮守府に応援を呼ぶんだ!!



    レ級「……っ!」




    302 = 2 :





    駐在「深海棲艦っ!!!!」ジャキッ!


    レ級「アッ」


    駐在「貴様っ!!貴様ら深海棲艦が!!貴様らさえ居なければ!!私の家族は……!!!」ギラリ


    レ級(駐在……サン……?)


    駐在「妻と息子の仇だ!!殺す……絶対に殺す!!深海棲艦め!!死ねぇ!!!!」ドンッ!!


    レ級「ウッ!?」ドスッ


    レ級(オレノ装甲ニ傷ヲツケタ!?)



    303 = 2 :




    レ級(深海棲艦ノ装甲ハ、艦娘以外ダト、ツヨイ意思ヲ込メタ攻撃シカトオラナイ)


    レ級(意思ヲノセニクイ弾丸ニ、コレダケノ呪詛ヲノセルナンテ……)ポタッ


    レ級(駐在サンノ憤怒ハ、ドレダケツヨイノ……?)


    駐在「殺す!!絶対に殺す!!」ギロリ



    レ級「ヒッ」ビクッ




    304 = 2 :





    おばあちゃん「まちなさい駐在さん!!」バッ!


    駐在「っ!!駄菓子屋の……どいてくれ!!」


    おばあちゃん「駄目よ!!深海棲艦かどうかは知らないけど、この子は私達を助けてくれたわ!!それを無視は出来ない!!」


    駐在「そいつは深海棲艦だろうが!!いいからどくんだ!!!」


    おばあちゃん「絶対にどかないわ!!」






    305 = 2 :




    レ級「ア、アブナイヨ!!オバアチャン!!ウタレチャウヨッ!!ドイテ!!」



    おばあちゃん(ほらっ)ボソッ


    おばあちゃん(今のうちに逃げちゃいなさい)ボソボソ


    おばあちゃん(レ級ちゃん)ボソボソ


    レ級「!?」


    おばあちゃん(はやく!!話は後!!逃げて!!)

    306 = 2 :




    レ級(……)


    レ級「ハッ!!」ダッ!!


    ガチャーン!!



    駐在「窓から逃げた!?クソッ!!待て!!!」



    レ級(バレタ)


    レ級(バレチャッタ……)













    レ級(オバアチャンニ、オレガ深海棲艦ダッテ事ガ!!!!)ガタガタ










    307 = 2 :



    ~港町鎮守府~



    先任の艦娘A「先任!提督さん!」 


    先任の艦娘A「町に深海棲艦がっ!!」



    先任「なにっ!?」ガタンッ!


    提督「!!」ガタンッ!


    提督(まさか……ヲ級達の正体がっ!?)

    308 = 2 :




    先任「……詳細は?」チラリ


    先任の艦娘A「ハッ!町で発生した銀行強盗の立て籠もり先に突如として出現した深海棲艦は、仮面ライダーのお面を被って強盗を蹴散らし、逃亡しました!」



    先任「……」


    先任「……」


    先任「は?」キョトン



    提督(絶対にレ級だぁーーーーー!?!?!?)ダラダラダラ







    309 = 2 :



    先任「すなまい、私の耳がおかしくなったらしい、もう一度報告してくれ」


    先任の艦娘A「はい!銀行強盗を通りすがりの仮面ライダーな深海棲艦がぶっ倒して人質を救出後逃げだしました!!」


    先任「……」


    提督「……」


    先任の艦娘A「……」


    先任「それ本当に深海棲艦?」



    先任の艦娘A「えっ?」


    先任「陸軍の新兵器とかじゃないか?強化人間みたいな……」



    先任の艦娘A「ど、どうなんでしょうか……?」






    310 = 2 :





    先任「とりあえず、艦娘を三人一組にして街と近海を警戒させとこう」


    先任「なんとも判断につきかねる」


    先任の艦娘A「はいっ!!」



    バタン



    先任「さて、何か申し開きはあるかね提督?」


    提督「アイエエ……」ダラダラダラ




    311 = 2 :





    先任「とにかく、正体不明ならまだやりようはある。なんとかこちらは誤魔化しておくから、君は娘さんのところにいって『無事』を確認してきなさい、いいね?」


    提督「アッハイ」ソソクサ



    バタン


    先任「はぁー……なんて報告しようか……」



    先任「いっそ『その時不思議な事がおきました』って報告でもするか?」ギシッ


    先任「出来るわけないよなぁ……」ハァ…





    312 = 2 :


    ~レ級の部屋~



    提督「レ級、すこしいいか?」トントン


    提督「……いないのか?」


    ドア<…………


    提督「……入るぞ?」


    ガチャ



    レ級「……」ヒザカカエ


    提督「やっぱりいたか、返事くらいしなさい」


    レ級「……ゴメンナサイ」




    313 = 2 :





    提督「……隣、座るぞ、ヨイショ」


    提督「……」


    レ級「……」


    提督「何か、あったのか?」


    提督「お父さんに話してみろ」ナデナデ


    レ級「……ウン」




    314 = 2 :


    ~レ級説明中~




    提督「そうか、銀行強盗から駄菓子屋のおばあちゃん達を助けたけど、深海棲艦だってばれちゃったのか」


    レ級「ウン……」


    レ級「多分、暫クシタラ、町中ニ、オレ達ガ深海棲艦ダッテヒロマル……ソウナッタラ、オ父サンヤ、他ノ皆ニモ迷惑ガカカル……」


    レ級「ゴメンナサイ、オ父サン……」


    提督「レ級」スッ


    レ級「……ッ!」ビクッ







    315 = 2 :





    提督「よく、がんばったな」ギュッ


    レ級「ァ……」


    提督「正体がバレて嫌われるのが怖かったろう?でも、レ級はそれでも一歩を踏み出せた」


    提督「お陰で、殺される筈だったおばあちゃん達の命が助かったんだ。恐怖を乗り越えて人の為に立つっていうのは、とてもとても尊い行いなんだ」


    提督「もし、それが原因で町を出ていかなくちゃいけなくなったとしても、私はそれを怒ったりしない。むしろ胸を張って出ていこうじゃないか」


    提督「私の娘は、人として正しい行いをしたんだってな、私はお前の勇気と優しさを心から誇りに思うよ、レ級」


    レ級「……」





    316 = 2 :





    レ級「オ父サン……」ギュッ


    レ級「怖カッタ……怖カッタヨ」ポロポロ


    提督「うん」


    レ級「オレ達ガ深海棲艦ダッテバレタラ、多分皆カラキラワレル……」


    レ級「アタリマエ……ソンナノ、アタリマエナノニ……」


    レ級「怖カッタ……」


    提督「うん、うん」ナデナデ






    317 = 2 :




    レ級「駐在サンニ、撃タレタ時ハ、本当ニクルシカッタ……」


    レ級「駐在サンノ怒リト、カナシミガ伝ワッテキテ……」


    レ級「カナシクテ、苦シテクテ……」


    レ級「怖カッタ……」


    レ級「町ノ皆カラ、コンナ風ニ殺意ヲムケラレタラ……ソウオモッタラ……」ギュッ


    レ級「怖イ……怖イヨ……オ父サン……」ポロポロ





    318 = 2 :




    レ級「ナンデ……オレ達ハ……深海棲艦ナンカニ生マレチャッタンダ……最初カラ、普通ノ人トシテ、オ父サンノ子供ニ生マレタカッタ……!」ポロポロ


    レ級「ナンデ……!!」ポロポロ


    提督「うん、うん」ギュッ


    提督「泣け、レ級。お父さんはここにいるから、涙が止まるまで、泣くんだ」ナデナデ


    提督「泣いて、自分の中のモヤモヤした気持ちを、全部洗い流すんだ」ナデナデ


    提督「先のことは、それから考えればいい」


    レ級「……ッ!!」


    レ級「ヒッグ……オ父サン!!グスッ……オ父サン!!ウアアアア……」






    レ級「アアアアアアアアアアアア!!!!!!」ポロポロ




    提督「……」ナデナデ




    319 = 2 :

    ***


    ~部屋の外~


    扶桑「レ級が泣きそうな顔して帰ってきたから心配してたけど」


    山城「これなら、大丈夫そうですね、姉様」


    扶桑「ええ、そうね、山城」ニコッ


    山城「でもレ級って、本当にまっすぐでいい子ですね姉様」


    扶桑「そうね……レ級にはそのまままっすぐに育ってほしいわね……優しくて勇気のある……本当の意味で強い子に」


    山城「大丈夫ですよ、姉様」


    山城「あの提督の側で育ったら、歪むなんてあり得ませんよ、曙や満潮でも素直にしちゃうような極太の筋金入りのお人好しですからね」クスッ


    扶桑「そうね……」フフ



    扶桑「さて、頑張ったレ級の為に、美味しい御飯をつくりましょうか」


    山城「はい、姉様」




    ***

    320 = 2 :



    提督「落ち着いたか?レ級」


    レ級「……ウン」ゴシゴシ


    提督「よし、じゃあこれからの話をしようか」


    レ級「……」


    提督「まず第一に、今現在銀行強盗を撃退した者の正体は発覚していない。これは正式な報告として鎮守府にあがってきたものだから現段階では事実だ」


    提督「また、現場にいた人全員に事情聴取を行ったが、『誰一人として』謎の仮面ライダーの正体を知っていたものはいなかった」


    レ級「エ……」




    321 = 2 :



    提督「つまり、少なくとも今のところは、レ級の正体に気づいてたおばあちゃんは、だれにもその事を話しちゃいないんだ」


    提督「おばあちゃんは深海棲艦らしきものをかばったという事で一番念入りに取り調べを受けた」


    提督「でも正体については知らぬ存ぜぬの一点張りで、『助けられたからかばった』としか言っていない」


    提督「……あのおばあちゃんは、本当に出来た人だよ」


    レ級「オバアチャン……」


    提督「取り調べについては、念のための事情聴取でしかないから、おばあちゃんを含めた全員が今日中に開放されることになっている」


    提督「明日には、普通に駄菓子屋に戻っているだろう」


    レ級「……」








    322 = 2 :




    提督「さて、レ級」


    提督「近々行われれる大規模作戦の結果次第では、私達が横須賀に帰る事も可能になるだろう」


    提督「もし調子が振るわなかったとしても、丁字達の手腕なら、あと数ヶ月もすれば根回しを完了させてこの町をでていくことになる可能性が高い」



    提督「つまり、この町に居るのも、もうあまり長くないということだ、仮に関係が拗れたとしても、どうにでもなる」



    提督「だから……レ級の、思うようにやりなさい」


    提督「なにも無かったように、駄菓子屋にもよらず、そのまま町をさってもよいし、駄菓子屋にいっておばあちゃんに真意を問うてもいい」


    提督「なんなら、私が付いて行ったり、代わりに挨拶にいっていもいい」


    提督「私は、レ級の選択を尊重しよう。どのような選択でも、私が後の責任を持つから、自分の思ったように行動するんだ」



    レ級「オ父サン……」


    提督「どうする?いや、どうしたい?レ級」


    323 = 2 :



    レ級「……」


    レ級「……ウン、決メタヨ、オ父サン」


    レ級「オレ、明日オバアチャンニ挨拶シテクル」


    レ級「怖イケド、アッテ、キチント、オ話シテクル」


    レ級「ソレガ、一番正シイト思ウカラ」


    提督「……そうか、ついて行かなくて大丈夫か?」


    レ級「ウン、一人デ、イッテクル」コクリ



    324 = 2 :





    レ級「ア、デモ、ヒトツオネガイシテイイ?」


    提督「いいぞ」


    レ級「ギュッテ……」


    レ級「ギュッテ、抱キシメテホシイ」


    レ級「ソレダケデ、オレ、何デモ出来ルト思ウカラ」


    提督「……」


    提督「ああ、わかった」ギュッ


    レ級「ン……」ギュッ






    325 = 2 :




    提督「……どうだ?」


    レ級「ニシシ……アリガト、オ父サン」


    レ級「元気デタヨ、コレナラ、大丈夫」ニカッ


    提督「……そうか」ニコッ



    提督「さてと、明日の方針もきまったんだ、まずは腹ごしらえをしようじゃないか」


    提督「腹がへっては戦はできんからな」


    レ級「ウン!」







    326 = 2 :



    提督(さて、どうなるかな)


    提督(恐らく、これがレ級にとって大きな分岐点になるだろう)


    提督(自分を押し殺し、レ級ではなくただの一人の少女として人の中に埋もれていくか、深海棲艦としての自己を否定せず、レ級として人の中を生きていくのか……)


    提督(まあ、実はそこまで大きな心配はしていない)


    提督(なにせレ級は、私の娘の中で誰よりも未熟だが、誰よりも優しく、誰よりも純粋で……)


    提督(そして、誰よりも強くなれる娘だからな)





    327 = 2 :


    ~翌日、町の駄菓子屋の前~


    レ級「……」


    駐在『深海棲艦め!!!』


    レ級(……怖イ)ブルッ


    レ級(デモ、怖ガルダケジャ、前ニススメナイカラ…)



    レ級「……ヨシ」



    328 = 2 :



    ~店内~


    おばあちゃん「あら、いらっしゃ……」


    レ級「シ、失礼シマス……」


    おばあちゃん「レ級ちゃん!」ガタン


    レ級「ヒッ……!?」ビクッ


    おばあちゃん「……」


    レ級「エット……オバアチャン?」ビクビク








    329 = 2 :




    おばあちゃん「……」ギュッ


    レ級「ア……」


    レ級(アッタカイ……)


    おばあちゃん「……」


    おばあちゃん「ありがとうね……レ級ちゃん」ポロポロ


    おばあちゃん「私達の為に……銀行強盗と戦ってくれて……」ポロポロ


    おばあちゃん「何も出来なくて……ごめんなさいね……助けてくれて……ありがとうね……」


    おばあちゃん「レ級ちゃん……怖がられて、悲しかったよね……憎しみを向けられて、苦しかったよね……」


    おばあちゃん「ありがとうね……ごめんなさいね……」ギュッ





    330 = 2 :



    レ級(アア……)


    レ級(オレノヤッタコトハ……)



    レ級(マチガイジャ、ナカッタンダ……)ギュッ


    レ級「ウン……クルシカッタ……怖カッタ……カナシカッタ……」


    レ級「デモ、オバアチャン達ガ無事ダッタカラ……」


    レ級「オレハ、満足ダヨ……ニシシ」ポロポロ


    おばあちゃん「……」ギュッ


    おばあちゃん「私は、レ級ちゃんがどんな存在だったとしても……」


    おばあちゃん「レ級ちゃんの事を信じているから」


    おばあちゃん「いつでも、私は、レ級ちゃんの味方だからね?」


    レ級「ウン……アリガト、オバアチャン……」




    331 = 2 :




    ~システムメッセージ~


    『条件を満たしました、レ級は『正義の心』を取得しました』


    『『正義の心』はまだ不完全です。発動はできません』








    332 = 2 :

    ●1月中旬



    ***


    ~???~


    港湾?『アア、昨日モ、今日モ、毎日毎日、戦(イクサ)ノ日々』


    港湾?『ツカレタ……モウ、イヤダ……』


    港湾?『スベテヲステテ北ヘ、北方ヘイコウ』



    ???『マチナサイ、港湾水鬼』


    港湾水鬼『……ナンダ、戦艦棲姫』


    戦艦棲姫『貴方、ニゲルノ?』


    戦艦棲姫『折角、水鬼ニマデ、ナッタノニ』


    戦艦棲姫『依代ノ港湾基地ヲステタラ、マタ棲姫ニ逆モドリヨ?』



    333 :

    たまたま迷い込んだらあなただったのか、前スレ好きだったよ、いい展開期待してる

    334 = 2 :



    港湾水鬼『ソレデイイ、戦ナンテ、馬鹿ラシイ』


    港湾水鬼『殺シアイハ、ヤリタイ奴ガ、ヤレバイイ』


    港湾水鬼『勝手ニ、ヤレ』トス トス



    シーンッ



    戦艦棲姫『ネエ……港湾水鬼』


    戦艦棲姫『私、貴方ノソウイウ所、ダイキライ』


    戦艦棲姫『本当ハ、誰ヨリツヨクナレルノニ』


    戦艦棲姫『反吐ガデル程、アマイ奴』


    戦艦棲姫『……私ハ、イツカ、水鬼ニナル』


    戦艦棲姫『ソシテ……人間ドモヲ殺シ尽クシタラ、次ハオマエヲ殺シテヤルカラ』


    戦艦棲姫『首アラッテ、マッテナサイ』ギリィッ!




    335 = 2 :




    港湾水鬼『……ソロソロ、港湾基地ノ、影響圏外カナ』


    港湾水鬼『……』


    港湾水?『……』


    港湾??『……』


    港湾?姫『……』


    港湾棲姫『……』



    港湾棲姫『コレデ、私ハ、根無シ草』


    港湾棲姫『棲家ヲステ、家族モナシ、仲間ハイナイ』


    港湾棲姫『……』






    336 = 2 :



    港湾棲姫『……寂シイ』ポロポロ


    港湾棲姫『……クルシイ』ポロポロ


    港湾棲姫『……タスケテ』ポロポロ


    ……オイ!


    港湾棲姫『……ほっぽ、レ級、ヲ級』


    ……コウワン!


    港湾棲姫『……タスケテ」


    ……シッカリシロ!




    港湾棲姫「……オ父サン!」





    ***

    337 = 2 :



    提督「おい!港湾!どうした!」


    港湾「……アレ?」ポロポロ


    港湾「オ父サン?」ポロポロ


    提督「大丈夫か!?私は此処に居るぞ!随分うなされていたが、どうしたんだ?」


    港湾「……」


    港湾「……夢ヲ」


    港湾「……昔ノ、ツライ夢ヲミタノ」


    港湾「暗クテ、苦シクテ、ツライ夢ヲ」


    港湾「独リボッチデ、彷徨ウ夢ヲ」ポロポロ


    提督「……」

    338 = 2 :




    提督「……港湾」ダキシメ


    港湾「オ父サン?」


    提督「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ


    提督「安心、しなさい」


    提督「『私達』は此処に居るぞ」


    港湾「……ウン」


    港湾「アリガトウ、オ父サン」ギュッ




    提督(港湾は、四人の中で一番戦闘経験が多い)


    提督(何か……感じているのかもしれん)


    提督(一応、手はうっておくか)






    339 = 2 :



    ●数日後


    ~ヲ級の部屋~

    コンコン 


    ヲ級「ドウゾ」


    ガチャン


    提督「ヲ級」


    ヲ級「ヲ?ドウシタノヲ父サン?」


    提督「話がある、私の部屋にきなさい」


    ヲ級「ヲ……?」


    340 = 2 :


    ~提督の部屋~


    提督「ヲ級、実は次の大規模作戦が近いんだ」


    提督「私も、主戦力の一角として出撃することになるだろう」


    ヲ級「ヲ……」


    提督「もしも、万が一にも、私に何かあったら……そして、再びお前達が戦わねばならなくなったら……」


    提督「コレを、うまく使って、切り抜けなさい」スッ


    ヲ級「コレハ……」


    [震電]

    [墳進砲]

    [三連装機銃]


    ヲ級「艦娘ノ……武装アイテムカード……?」


    *この世界の艦娘は装備の力を宿したカードを装備して戦います。


    341 = 2 :




    提督「ヲ級の腕と、それくらいの装備があれば、逃げる間くらいはなんとかなるだろう」


    提督「私がこっそり融通できるのは、それくらいだ」


    ヲ級「……」


    ヲ級「オ父サン」ガバッ


    提督「おっと」


    提督「どうした?」


    ヲ級「……縁起デモナイ事、言ワナイデ」ギュッ


    ヲ級「私ハ、マタ、『只ノヲ級』ニ戻ルノハ、イヤ」


    ヲ級「マタ他人ニナッテ、オ父サンヲ、『提督サン』ナンテ、ヨブ事ニナッタラ……」


    ヲ級「タエラレナイ……」ギュッ


    提督「ヲ級……」




    342 = 2 :




    ヲ級「私ハ、『北方(きたかた)』ノ名前ヲステル気ハナイカラ」


    ヲ級「絶対ニ、戻ッテクルト……」


    ヲ級「約束、シテヨ……」


    ヲ級「オ父サン……」


    提督「……」


    提督「ああ、分かったよ、ヲ級」


    提督「絶対に、戻ってくるからな」ギュッ



    ヲ級「ウン……」ギュッ






    343 = 2 :

    ●数日後


    ~出撃前夜~

    ほっぽ「オ父サン」


    提督「どうした?」


    ほっぽ「一言ダケ、イワセテ」


    提督「……」









    ほっぽ「『留守ハ、マカセテ』」







    提督「……ああ、頼んだ」ナデナデ


    ほっぽ「ン……ジャア、オヤスミ……」


    提督「ああ、お休みほっぽ」



    バタン

    344 = 2 :




    扶桑「凄い激励をもらってしまいましたね、提督」


    山城「これは頑張らないとね、母親として、艦隊の旗艦として」クスクス


    提督「……そうだな」


    提督「扶桑、山城」


    扶桑「はい」


    山城「ええ」


    提督「例え地獄の底まででも、ついてきてくれるか」


    扶桑「何をいまさら」


    山城「姉さまが愛想を尽かすまでは、ついていくっていったでしょう?」


    提督「ならばついてきてくれ」



    提督「地獄を踏み潰して帰ってくるぞ!!」








    345 = 2 :



    ~翌日、自宅前~



    提督「では、いってくる」


    提督「私達の留守中は、何かあれば先任さんか、山向こうの陸軍基地に居るあきつ丸に頼りなさい」


    ほっぽ「ウン……」コクリ


    ヲ級「ヲ……」ギュ


    レ級「オ父サン……」


    港湾「……御武運ヲ」


    提督「うむ、では、『行ってきます』」ビシィ


    扶桑・山城「『行ってきます』」





    四人『イッテラッシャイ』ビシィ

    346 = 2 :



    ~回天ノ時~


    タ級「ヒ……ヤメ……」


    ???「グルルル」


    ???「グラァァァ!!」



    バリッ! ボリッ! ギチャァ!!


    ???「……フフ、カンジル、トリコンデキタ、深海棲艦達ノチカラヲ」


    ???「コレナラ、イケルワ、モシモ、アノ忌々シイ北方提督ヤ、何故カ超強化サレタ、『アノ女』トブツカッテモ、マケナイ強サヲエタ」



    ???「時ハ満チタ、今コソ回天ノ時」


    ???「天ヲ回シ、時勢ヲヒックリ返ス」


    ???「『回天作戦』開始セヨ!!総員出撃!!!」



    「「「「「オオオオオオオオ!!!!!」」」」」






    347 = 2 :

    これにて、中編の投稿を終えさせていただきます。


    1時間程の大休止の後に、後篇の投稿を開始させて頂きます

    348 :

    一旦乙!
    まさか続編が読めるとは思わなかった

    349 = 2 :


    お待たせ致しました、後編、開始致します。


    最後まで楽しんで頂ければ幸いでございます。





    なお、当スレ、合いの手大歓迎でございます。

    350 = 2 :


    ~丁字別荘~


    ヲ級の帽子「はぁ~……こうやって日干しされてっと、心地良いッテもんでい……」


    『ザザーッ!!……ニツキ……ザザーッ!!……シロ……』


    ヲ級の帽子「あ?なんだ?深海棲艦の無線通信……?」


    『ザザーッ!!……目標……ザザーッ!!……』


    ヲ級の帽子「……ちょっくら、傍受してみっか」


    『ザザーッ!!……ザザーッ!!……』


    ヲ級の帽子「……おいおい」


    『目標、北緯●×度、東経△◯□度ノ港町、全艦隊、隠密ヲ解除シ、攻撃ヲ開始セヨ』


    『クリカエス、港町ヘノ攻撃ヲ開始セヨ』


    ヲ級の帽子「やべぇぞ、こいつは……!」





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