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元スレ京太郎「俺が三年生?」咲「私だって幼馴染だもん……一応」
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京太郎「でもまぁ……こんなやりとりもあんまできなくなるんだよな」
京太郎「……」
照「……京ちゃん」
京太郎「どした?」
照「屈んで?」
京太郎「あぁ、うん……で、なに――」
照「――ん」チュッ
京太郎「え……」
照「今は、ほっぺだけ」
京太郎「ちょっ、照ちゃん!?」
照「でも次に会うときは……ね?」
京太郎「いやいや、話が見えないんだけどっ」
照「じゃあ、またね」パタン
京太郎「……」
カピ「キュッ、キュッ」
京太郎「どういうことだったんだろうか」
カピ「キュッ?」
京太郎「何言ってんだってか? ……そうだよな」
京太郎「答えはわかりきってるよな……」
京太郎(でも、翌日の出発の際には照ちゃんは姿を見せなかった)
京太郎(落胆する内心に蓋をしつつ、俺はちゃんと別れを告げられないまま東京へ向かった)
京太郎(そして新居であるマンションの一室に荷物を開け、整理が終わる頃には数日が経っていた)
京太郎「ふわぁ……もうこんな時間か」
京太郎「ちょっと寝すぎたか」
京太郎「学校もまだだし、暇なんだよな」
京太郎「そういや、近くに女子校があるんだっけ」
京太郎「……暇だし、ランニングがてら見に行ってみようかな」
ピンポーン
京太郎「あれ、ドアチャイム? 誰だろう」
ピンポーン
京太郎「はいはーい、今行きますよー」ガチャ
照「おはよう、京ちゃん」
京太郎「え……照ちゃん?」
照「遅くなってごめん。私も新しい部屋の準備があったから」
京太郎「ちょっと待て! ……一体どういうことなんだよ?」
照「私も東京の高校に通うから。白糸台高校」
照「ちなみに、制服着てきた。似合うかな?」
京太郎「あ、ああ……って俺聞いてないぞ!」
照「聞かれなかったから」
京太郎「そりゃ聞かなかったけどよ……てっきり風越あたりに入学したものだと思ってた」
照「それより、覚えてる?」
京太郎「……次会ったらってやつ?」
照「うん」
京太郎「……照ちゃん」
京太郎「顔、上げて」
照「んっ――」
京太郎「――ん」
京太郎「……」
照「……好き」
京太郎「ああ、知ってる」
照「それは驚き」
京太郎「照ちゃん……好きだ」
照「うん、知ってる」
京太郎「はは、そりゃ驚きだ」
照「京ちゃん」
京太郎「ん?」
照「これからもずっと、一緒に――」
京太郎「嫌だって言われても離さねーよ」ギュッ
照「――うん」
ifルートってことは本筋ではわた……可愛い咲ちゃんがヒロインなんですねわかります
てなわけで京太郎が怪我をしていないというもしもでした
その延長で宮永一家の問題もどうにかなってるということで
二時間ぐらいで書いた思いつきですが
つまり、順当にいってたら二人は付き合ってたよねって話です
それじゃ、失礼します
その延長で宮永一家の問題もどうにかなってるということで
二時間ぐらいで書いた思いつきですが
つまり、順当にいってたら二人は付き合ってたよねって話です
それじゃ、失礼します
あくまで怪我をしなかったらというif
本編のヒロインがわた…照である可能性は大いにある
本編のヒロインがわた…照である可能性は大いにある
魅力的なヒロインを書く>>1が悪いよ
本編で出ずっぱりのファーストと番外編でしかほとんど出番のないセカンド
こう書くとどっちが優遇されてるかは一目瞭然……になりませんかね?
それじゃ、もうちょっとしたらやります
こう書くとどっちが優遇されてるかは一目瞭然……になりませんかね?
それじゃ、もうちょっとしたらやります
・二年、夏、スリーピングビューティ
小蒔「ただいま戻りました」
霞「あら、小蒔ちゃん。おかえりなさい」
巴「今はっちゃんと春がお菓子買いに行ってますけど、注文あります?」
小蒔「お饅頭で!」
巴「じゃあ、メーり送っときますね」ピロリン
霞「今日も一位だったのね。すごいじゃない」
小蒔「京太郎様のことを考えていると、力が湧いてくる気がするんです」
霞「ふふ、恋する乙女なのね」
小蒔「そ、そんな……」テレテレ
巴「顔、真っ赤ですよ」
小蒔「もう、巴ちゃんまで!」タタッ
霞「あら、どこに行くの?」
小蒔「お散歩に行ってきます。京太郎様に会える気がするんです」
巴「あ、姫様」
霞「多分大丈夫よ。小蒔ちゃんの気がするはほとんど確定事項だし」
巴「それもそうですね」
小蒔「えへへ……また一位になれました」
小蒔「また、褒めてもらえるでしょうか? また……」
『――小蒔』
小蒔「名前で、呼んでもらえるでしょうか?」トクン
小蒔「京太郎様……」
京太郎『……そうだな。で、どうしたらいいんだ?』
小蒔「あれ、この声……」
小蒔「わぁ、きっと神様に願いが通じたんですね!」
小蒔「京太郎さ――」
久『なによそれ……じゃあ、キスマークもう一個つけてもいい?』
小蒔「――どうして、あんな体制で……」
小蒔「なんで、あんなに距離が近いんですか……?」
小蒔「それに――」
京太郎『いや、いいよ。ただの虫刺されだし』
小蒔「キスマーク……虫刺されじゃ、なかったんですね」
小蒔「……そうです、よね」
小蒔「京太郎様みたいな素敵な人に、恋人がいないはずがないですよね」
小蒔「竹井さんとはいつも一緒にいますし……」
小蒔「全部、私の……」
小蒔「……やだ。やだよぅ」ポロポロ
小蒔「こんなの、見たくない」
小蒔「京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様京太郎様……!」
小蒔「また、名前で――」フラッ
小蒔「――呼ん、で……」ドサッ
京太郎「明日には長野か……なんか終わってみればあっという間だったな」
久「でも色々濃かったのよね」
まこ「牌に愛された子、ですね」
久「神代さんにチャンピオンね……たしかに他とは違った感じだったけど」
久「他にも強敵はたくさんいたし、その二人だけが特別とは思ってないわよ」
京太郎「ま、俺も色々濃い連中と知り合えたし、楽しかったかな」
まこ「そういえばちょくちょくフラフラしてましたね」
久「どうせ女の子引っ掛けてたんでしょ」
京太郎「言い方!」
まこ「否定はしないんですか」
霞「ちょっと、いいかしら」
京太郎「あれ、石戸?」
久「あら、久しぶり」
まこ「どうも」
霞「挨拶は後回しで、あなたに来てもらいたいの」
京太郎「俺?」
霞「おねがい、小蒔ちゃんが……」
京太郎「そうか……久ちゃん」
久「ふぅ……私にできることは?」
霞「申し出は嬉しいけど、あなたがいたら恐らく逆効果なの」
久「じゃあ仕方ないわね……」
久「ほら、とっとといってきなさい!」バシッ
京太郎「ああ、ありがとな」
霞「ついてきて」グイッ
京太郎「わかったって」
久「……」
まこ「大丈夫ですか?」
久「もう慣れっこよ……でも」
まこ「でも?」
久「もうちょっと、褒めてくれてもいいのにね……」
京太郎「久ちゃん!」
久「なによ!」
京太郎「9位、おめでとう!」
久「……やれやれね」
まこ「ふふ、しっかり言っていきましたね」
久「あーあ、怒れなくなっちゃった」
小蒔「――」
霞「廊下で倒れてたのだけど、目を覚まさないの」
京太郎「体に異常は?」
霞「一応診てもらったけど、異常はなし。精神的な問題だって」
京太郎「精神的……俺がどうにかできるのか?」
霞「わからないわ……でも」
小蒔「……京太郎、様」
霞「こんな幸せそうな顔であなたの名前を呼ぶの」
京太郎「……」
霞「知っての通り、小蒔ちゃんは神をその身に降ろすことができるわ」
霞「そしてその際には眠りに落ちてしまう」
霞「私たちが見たところ、今はその状態に近いと思うの」
京太郎「でも、神様は顔を出してないみたいだな」
霞「ええ……このままだと、なにか良くないものが入り込んでしまうかもしれない」
京太郎「だから、俺に呼びかけろってか」
霞「お願いします、どうか、小蒔ちゃんを……」
京太郎「わかったよ……でも、久ちゃんが逆効果ってのは――」
小蒔「――っ!」ゴッ
京太郎「うおわっ」
霞「……こういうことなの」
京太郎「マジか……俺の知らないところで恨みでも買ってたのか?」
巴「大丈夫ですか!?」
霞「心配ないわ」
巴「そうですか……」
京太郎「よう、ほかの連中は?」
巴「神代家に連絡を取ってます。最悪の場合に備えないといけませんし……」
京太郎「なら、もう大丈夫だな」
京太郎「おい、眠り姫さんよ……そろそろ目をさま――」スッ
「触れてはなりません」
霞「小蒔ちゃん?」
巴「姫様?」
京太郎「いや、これは……」
小蒔「この子は自ら眠りにつきました。つらい現実よりも、夢の方がいいと」
小蒔「それもこの子の願い……ならば、妨げることは許しません」
巴「そんな……」
霞「小蒔ちゃん!」
京太郎(逃げていれば辛いことに直面しなくて済む、か)
京太郎(俺ははっきり言って偉そうなことを言える立場じゃない)
京太郎(この前だって逃げ出してきたばっかだからな)
京太郎(でも――)
京太郎「俺は、この子に責任がある」
京太郎「今までなんとなくで済ませてたけど、多分それが原因だ」
京太郎「だから、神様の言うことだろうがはいそうですかって聞き入れるわけにはいかないな」
小蒔「それで、あなたはどうしようというのですか?」
京太郎「俺と麻雀勝負だ。勝ったら話す機会をくれ」
小蒔「……いいでしょう」
霞「お待ちください」
巴「私たちも加えていただけないでしょうか?」
京太郎「無理はするなよ」
霞「このまま見てろというほうが無理なの……あなたにもお願いするわ」
巴「お願いします……」
京太郎「……わかった。こういうことになったけど、構わないか?」
小蒔「多少増えようと同じこと……まとめてきなさい」
キスして眼が覚める王道展開かと思ってたら
麻雀とは予想外だった
麻雀とは予想外だった
京太郎「じゃあ、いくぞ」
霞「よろしくお願いします」
巴「お願いします」
小蒔「よろしい、かかってきなさい」
京太郎(まずは向こうの親番)
京太郎(神様っていうぐらいだから、多分相当なものだろうな)
京太郎(ここは様子見で――)
小蒔「ツモ」
京太郎「――っ」
霞「ウソ……」
巴「そ、そんな……」
小蒔「天和、16000オール」
京太郎「マジかよ……」
小蒔「ふふ、これでもまだ勝てると?」
京太郎「……次だ」
京太郎(完璧誤算だ……!)
京太郎(そもそも土俵が違うんだ)
京太郎(どうする、次同じことをやられたら終わりだ)
京太郎(どう、したらいい……)
京太郎(のんきに寝てんじゃねぇよ……小蒔)
『京太郎、様』
京太郎(なんだ、今の)
京太郎(細い糸みたいのが目の前に……)
京太郎(これは……?)
小蒔「……」
小蒔(今、微かに力を……)
小蒔(……まさか、この男が)
小蒔「ツモ、6100オール」
小蒔(やはり、力が弱まって……いえ、吸われている)
小蒔(思うように牌を引くことができなくなってきた)
小蒔(今はまだ小さい……けど)
京太郎「……」ズズッ
小蒔(このままでは、場の支配を奪われかねない……!)
京太郎(……今の局、三巡目で一向聴)
京太郎(ただの偶然か?)
京太郎(いや、この糸だ)
京太郎(他のやつには見えてないっぽいけど、ここからなにかが流れ込んでくる)
京太郎(たとえば、運気とか)
京太郎(……つまり、流れが来てるってことか)
京太郎(なら――)
京太郎「石戸」
霞「……なにかしら」
京太郎「狩宿」
巴「……はい」
京太郎「出しおしみするな。できることがあったら全部出せ」
京太郎「そうしたら――俺が勝たせる」
霞「……巴ちゃん」ゾゾッ
巴「はい、私も……!」
京太郎(流れにチームを乗せる……そんなの、いつもやってたことだよな……!)
小蒔(局数は残り少ない)
小蒔(点数は最高時の半分程度)
小蒔(このようなことは本来ありえない)
小蒔(本来、ならば)
京太郎「はぁ、はぁ……」
小蒔(取られた力の総量は四割ほど)
小蒔(それだけならまだ押し勝てる)
小蒔(けれど、この場にいるのは……)
霞「くっ……」
巴「霞さん、しっかり……」
小蒔(あの娘が凶神を降ろし、もう一人が力の流れを調整している)
小蒔(力が十全なら跳ね除けられるというのに……!)
京太郎「早く、引けよ……」
小蒔「……あなたは恐ろしくないのですか?」
京太郎「……なにがだよ」
小蒔「人の身に神の力を宿すということは、尋常ではない負担がかかる」
小蒔「途方もない器の持ち主、あるいは普段からそのための研鑽を積んでいるもの」
小蒔「そのどちらでもないものがその力を使えば……」
京太郎「そうか……やっぱりそっちの力が俺に来てるのか」
京太郎「なら、ますます引き下がれなくなった」
京太郎「だって――」
『京太郎、様』
京太郎「あの時、声が聞こえたんだ」
京太郎「気のせいかと思ったけど、やっぱ違った」
京太郎「それは、お姫様が夢じゃない現実を求めてるってことじゃないかってね」
小蒔「……そうですか」
京太郎「にしてもあんた、優しいな」
小蒔「それはどう言う意味ですか?」
京太郎「お姫様を守るために俺たちの前に立ちふさがって、今度は俺の心配までしてる」
小蒔「おしゃべりはここまでです」トン
京太郎「悪い、それロンだ」
小蒔「……終わり、ですね」
京太郎「ああ、純正九連宝燈……俺、死ぬんじゃねぇかな?」
小蒔「これで点数はなくなった……私の負けです」
京太郎「そんで俺らの勝ちってか」
小蒔「約束通り、この子と話す機会を与えましょう」
京太郎「ああ」
小蒔「ですが、あまり時間はありません。より確実を期すならば、それだけの揺さぶりをかけなければ」
京太郎「アドバイスまでどうも。本当に大事なんだな」
小蒔「……後は任せます」スッ
小蒔「――」
京太郎「ふぅ、おーい、姫さーん」ペチペチ
小蒔「うーん……」
京太郎「いまいち効果が薄いな……もっと揺さぶりかけなきゃダメか」
京太郎「おい、二人も手伝って――」
霞「う、あ……かはぁ」ゾゾゾゾ
巴「ダメ、もう抑えきれない……!」
京太郎「マジかよ……大丈夫って雰囲気じゃないよな」
巴「須賀さん、姫様を……」
霞「小蒔ちゃんを……あぁっ!」ゴッ
京太郎「うわっ」
小蒔「――っ」ビクンッ
京太郎「いつつ……一体何が」
小蒔「……」ゾゾゾッ
京太郎「おはよう……って雰囲気でもなさそうだな」
霞「ごめん、なさい……」
京太郎「状況がよくわからないのに謝られてもな」
巴「姫さまの体が乗っ取られちゃったんです……」
小蒔「……」ゴッ
京太郎「なんだっ、電気がいきなり」
霞「こうならないように私たちが控えていたはずなのに……」
京太郎「もしかして、最悪のパターンってやつ?」
巴「はい……東京だけで済めば御の字です」
京太郎「下限ラインでそれ!? ちょっと待て、インフレに理解が追いつかない!」
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