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元スレ京太郎「修羅場ラヴァーズ」憧「気が付いたら、目が合って」
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カチン、と歯がぶつかる様な感覚がして。
ネリーにキスをされた、と気が付いたのは唇の痛みを感じてから。
「――」
みんなの、智葉の前で、ネリーとキスをしている。
少しずつ状況を把握するにつれて、体温が上昇していく。
頰に熱を感じて、心臓が痛いくらいに暴れて――それでも、ネリーを拒む気にはなれず。
「……」
ゆっくりと、京太郎はネリーの細く華奢な腰に腕を回した。
ネリーにキスをされた、と気が付いたのは唇の痛みを感じてから。
「――」
みんなの、智葉の前で、ネリーとキスをしている。
少しずつ状況を把握するにつれて、体温が上昇していく。
頰に熱を感じて、心臓が痛いくらいに暴れて――それでも、ネリーを拒む気にはなれず。
「……」
ゆっくりと、京太郎はネリーの細く華奢な腰に腕を回した。
ただ唇を重ね合うだけの、色気もないキス。
一瞬のような、永遠のような――とにかく京太郎にとって酷く曖昧な時間が経過してから、ネリーが唇を離した。
「だから」
周りの部員が何かを言っているが、耳に入らない。
ネリーは京太郎だけを。
京太郎はネリーだけを。
お互いに、お互いだけを見ていた。
「キョウタローのぜんぶ――ネリーに、ちょうだい?」
一瞬のような、永遠のような――とにかく京太郎にとって酷く曖昧な時間が経過してから、ネリーが唇を離した。
「だから」
周りの部員が何かを言っているが、耳に入らない。
ネリーは京太郎だけを。
京太郎はネリーだけを。
お互いに、お互いだけを見ていた。
「キョウタローのぜんぶ――ネリーに、ちょうだい?」
両思いでも最後のコンマで奪われると言う事件が有珠山で起きたから最後まで気が抜けない
ネリー・ヴィルサラーゼと須賀京太郎。
二人はきっと、お互い以外のものは見えていない。
「……敗けた、な」
智葉の口から零れ出た言葉。
それは、ハオと明華も同様に感じたもの。
だが――。
二人はきっと、お互い以外のものは見えていない。
「……敗けた、な」
智葉の口から零れ出た言葉。
それは、ハオと明華も同様に感じたもの。
だが――。
「――ッ!!」
広い和室に、一人。
虚空に向けて、智葉は袈裟懸けに刀を振り下ろした。
「……ふぅ」
額から流れ出た汗が頬を伝い、畳に染み込む。
花の女子高生とは程遠い姿であることは自覚しているが、智葉にとってはコレが日課だ。
――だから、振られたのかもな。
思わず、自嘲の笑みが浮かんだ。
広い和室に、一人。
虚空に向けて、智葉は袈裟懸けに刀を振り下ろした。
「……ふぅ」
額から流れ出た汗が頬を伝い、畳に染み込む。
花の女子高生とは程遠い姿であることは自覚しているが、智葉にとってはコレが日課だ。
――だから、振られたのかもな。
思わず、自嘲の笑みが浮かんだ。
あの場では、少なくとも智葉は恋愛において己が敗北したことを認めた。
おめでとう、と彼らを祝福する言葉をかけた。
「……」
判定直下
1~50 それで、いいじゃないか
51~00 本当、に?
おめでとう、と彼らを祝福する言葉をかけた。
「……」
判定直下
1~50 それで、いいじゃないか
51~00 本当、に?
――本当、に?
心のどこかから、そんな声が聞こえた気がした。
「……くっ」
見苦しい、と智葉は首を振った。
正々堂々、自分は真っ正面からネリーに敗けたのだ。
未練があるなら、諦め切れないなら――それは、己が未熟だからだ。
「……」
智葉は、再び刀を構え、上段から振り下ろす。
己の中の迷いを、未練を断ち切るように。
それが何の慰めにもならないことを、理解していながら。
心のどこかから、そんな声が聞こえた気がした。
「……くっ」
見苦しい、と智葉は首を振った。
正々堂々、自分は真っ正面からネリーに敗けたのだ。
未練があるなら、諦め切れないなら――それは、己が未熟だからだ。
「……」
智葉は、再び刀を構え、上段から振り下ろす。
己の中の迷いを、未練を断ち切るように。
それが何の慰めにもならないことを、理解していながら。
「――」
ふと、京太郎は夜中に目を覚ました。
虫のしらせのような、何かが起こりそうな胸騒ぎ。
「……ん」
しかし。
そんな胸騒ぎも、すぐ隣にある幸せそうな寝顔を見ると吹き飛んでしまった。
ネリー・ヴィルサラーゼという彼女。
そして今は、彼女の暮らす部屋にお泊りしている状況。
幸せでない筈がないのだ。
「……へへ」
頬を緩めながら――ぺたり、と京太郎はネリーの首に人差し指を添えた。
寝汗のせいか、ちょっとだけ指が張り付くような感覚がした。
「……」
ベッドで眠る彼女は、目を覚ます気配がない。
ただ少しだけ、くすぐったそうに身動ぎをした。
ふと、京太郎は夜中に目を覚ました。
虫のしらせのような、何かが起こりそうな胸騒ぎ。
「……ん」
しかし。
そんな胸騒ぎも、すぐ隣にある幸せそうな寝顔を見ると吹き飛んでしまった。
ネリー・ヴィルサラーゼという彼女。
そして今は、彼女の暮らす部屋にお泊りしている状況。
幸せでない筈がないのだ。
「……へへ」
頬を緩めながら――ぺたり、と京太郎はネリーの首に人差し指を添えた。
寝汗のせいか、ちょっとだけ指が張り付くような感覚がした。
「……」
ベッドで眠る彼女は、目を覚ます気配がない。
ただ少しだけ、くすぐったそうに身動ぎをした。
智葉が部室の戸を開けた時、室内にいる部員は未だに京太郎一人だけだった。
その京太郎ですら、机に突っ伏すようにして眠っている。
智葉は一つ苦笑を浮かべ、静かに京太郎に歩み寄る。
「……やれやれ」
夜遅くまでネット麻雀でもしていたのか。
それとも遊んでいたのか。
どちらにせよ、いつまでも寝かしつけておくわけにはいかない。
判定直下
1~50 おはよう
51~00 ……これ、は?
その京太郎ですら、机に突っ伏すようにして眠っている。
智葉は一つ苦笑を浮かべ、静かに京太郎に歩み寄る。
「……やれやれ」
夜遅くまでネット麻雀でもしていたのか。
それとも遊んでいたのか。
どちらにせよ、いつまでも寝かしつけておくわけにはいかない。
判定直下
1~50 おはよう
51~00 ……これ、は?
そっと揺り動かすように手を伸ばすと、京太郎が微かに身動ぎをした。
智葉は反射的に手を引っ込めると同時に、彼のワイシャツの胸ポケットから何かが椅子の下に落ちたのを見つけた。
「……これ、は?」
白く細長い指が摘み上げたそれは、女性の髪留め。
それが、何故彼の胸ポケットから――などという疑問は、すぐに解決した。
「ふぁー……」
ちょうど、その髪留めの持ち主が暢気に欠伸をしながら部室にやって来たからだ。
智葉は反射的に手を引っ込めると同時に、彼のワイシャツの胸ポケットから何かが椅子の下に落ちたのを見つけた。
「……これ、は?」
白く細長い指が摘み上げたそれは、女性の髪留め。
それが、何故彼の胸ポケットから――などという疑問は、すぐに解決した。
「ふぁー……」
ちょうど、その髪留めの持ち主が暢気に欠伸をしながら部室にやって来たからだ。
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