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    元スレモバP「アイドル三者面談だ!」菜々「え゛っ」

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    151 = 1 :

    ―――――――――


    ほたる「……」

    ほたる「……」

    ほたる「……はー」

    P「何だ、どうしたほたる、何か悩み事か……今日面談なんだしそこで話しても」

    ほたる「いえ、どちらかといえば面談そのものが不安で……」

    P「えっ……いやまぁアレだよ?無理ならもちろん……うん、強制ではないんだからさ?
    ほら、親御さんがアイドルという仕事に不安がある場合とか解消するアレだし」

    ほたる「……母が『是非行きたい』と言っていたので」

    P「……じゃあいいんじゃないか?何が不安なんだ?」

    ほたる「うーん……母を見てもらえればすぐわかるかと」

    P「えっ」

    ちひろ「(やっぱり、複雑な家庭環境なのかしら)」




    白菊ほたる(13)

    /nox/remoteimages/4c/02/c47fecc20c3e45b258106ad2f5a7.jpeg

    152 = 1 :

    ―――

    ピンポーン

    ちひろ「あ、ほたるちゃんのお母さんですね」

    P「おっ、来ましたか」

    ほたる「……」

    ガチャン

    ちひろ「あけましたのでどうぞー」


    ガチャ

    白菊母「こんにちは~」

    P「……えっ?」

    ちひろ「こんにちは。どうぞお座りください」

    ほたる「お母さん、久しぶり」

    白菊母「ほたるちゃん~!久しぶり―!」

    ギューッ


    P「……えっと」


    P「若くね?」


    ほたる「……」ギクッ

    ちひろ「……」

    153 = 1 :

    白菊母「あ、貴方が噂のプロデューサーさんですかぁ~?はじめましてぇ~」ぽやー

    P「あ、はじめまして……」

    P「ちひろさん、このぽやーっとした人が……」

    ちひろ「はい、正真正銘、ほたるちゃんのお母さんですよ」

    白菊母「ひどいですよぉ~、今自己紹介したじゃないですか~」ぷんぷん

    P「(この感じ……)」



    ――――― まったく別のテレビ局の楽屋



    菜々「はーっくしょぇい!!」ブシッ

    「菜々ちゃん風邪ぇ?」

    菜々「いえ、そういうわけじゃないんですけど……なんででしょう?」

    「へぷちっ」

    菜々「あれ?」

    「……んー?花粉症かな?」

    菜々「ああ、なるほど」


    佐藤心(26)

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    154 = 1 :

    P「いやあでもやっぱり、アイドルの親御さんって皆こんなに若く見えるもんなんですね」

    白菊母「お上手ですねぇ~。私なんてもう28歳ですよ~?」

    P「え?」

    ほたる「……」

    ちひろ「……あっ」

    P「……え?」

    白菊母「どうかされましたぁ?」

    P「(ほたるって13歳だったよな……?今何か28歳って聞こえたんだけど?
    いやいや気のせいだよな?28歳なのは早苗さんで、この人は38歳だよな?)」

    ほたる「……あの、あまり深く考えない方が」

    P「だっ……だよな!!」

    白菊母「この度はぁ~、面談という風に聞いてますがー……ほたるちゃんが何か?」

    P「いえいえいえ!ほたるさんは非常によくやってくれています!
    彼女にはこれからも、アイドルとしてさらに活躍していってほしいです!」

    白菊母「それならよかったです~。最近はほたるちゃんのおかげでごはんも食べられますし~」

    P「えっ」

    ほたる「…………えっと」

    白菊母「プロデューサーさんはすごくいい人だと、ほたるちゃんからも聞いておりますし~」

    P「……(考えるな!!考えたら負けだ!!!)」

    155 = 1 :

    白菊母「勤めていた工場が先日倒産してしまって~どうしようかと困っていたんですよぉ~」ぽやぽや


    P「…………………」

    ちひろ「ちょ、ちょっとお茶菓子もってきますね!!!」

    白菊母「あ、どうぞお気になさらず~」

    ちひろ「いえッ!!」シュバ!

    ほたる「……あ、あの」

    P「何?」グスッ

    ほたる「(既にちょっと泣いてる……!!)」

    P「……もうお母さん女子寮に住まわせてもいいんじゃないか?」

    ほたる「あ、流石にそれは……」

    白菊母「そうですよぉ~。そんなことしたらその寮が潰れちゃいますよぉ?」

    P「ウグッ……」ポロポロ

    白菊母「どうしたんですかぁ~?お腹痛いんですかぁ~?」

    P「心が……心が痛くて……」シクシク

    ほたる「(こうなるのが予想できちゃったんだよね……)」

    156 = 1 :

    ほたる「Pさん……あの、あんまり気にしない方がいいですよ、
    うちはこういう感じがむしろ普通なので……」

    P「グッ……」グスッ

    ほたる「(悪化した!!)」

    白菊母「……?だいじょうぶ~?よしよし」

    ナデナデ

    P「うう……お母さん……」シクシク

    白菊母「はいお母さんですよ~」ぽやぽや

    P「うっぐ……ヒッグ……ほたるさんは必ずトップアイドルにしてみぜまず……」グスッ

    白菊母「わぁ~。楽しみにしてますねぇ~」

    ほたる「えっと、えっと……」オロオロ


    ―――


    P「落ち着きました」

    白菊母「がんばったねぇ~」

    ナデナデ

    P「……(落ち着く)」

    ほたる「あの……Pさん?」

    P「はっ、すまんちょっと別世界に行ってた)」

    ほたる「(お父さん……うん、それはそれで……)」ぽやぽや

    P「(あ、ほたるも母に似てるんだ)」

    白菊母「ほたるちゃん……昔から頑張り屋さんなんですけどぉ、よくいろんな事故にあっちゃうので、結構心配してたんですよ~」

    P「今の所は大きな事故もないですね」

    ほたる「そうでしたっけ?」

    P「え?でもほたる自体もピンピンしてるし……特に事故とかなかったんじゃないか?」

    ほたる「(それはPさんが庇ってくれてただけでは……?まぁいっか)」

    157 :

    白菊一族は今までよく潰えなかったな。

    158 = 1 :

    クゥー

    P「……?」

    白菊母「あ……」カァ

    ほたる「お母さん?」

    白菊母「ごめんねぇ~。今日は朝から何も食べてなくて」

    ほたる「え?そんな、お金ならちゃんと……」

    白菊母「ごめんね、今朝買い物に行ったらお財布なくしちゃって……」

    P「よーし今からごはん食べに行きましょうか!!」ポロポロ

    ほたる「(また泣いてる!!)」

    白菊母「いやでもぉ」

    P「僕がおごりますから!!ていうか頼むから奢らせてください!!!」

    白菊母「そこまで言うならお言葉に甘えますねぇ~」ぽやー

    P「行くぞほたる!!」

    ほたる「えっ、はい」

    白菊母「わぁ~。3人でお食事なんてパパがいたとき以来だねぇ~」

    P「フグッ……ヒッグ……」ポロポロ

    ほたる「Pさんしっかりしてください……!大丈夫ですか!?」

    P「大丈夫……」ボロボロ

    白菊母「いたいのいたいの、とんでけ~」

    ナデナデ

    159 = 1 :

    ―――――――― あやめの実家


    浜口祖父「いやあ、遠路はるばるお越しいただき、誠に感謝します」

    P「いえいえ。こちらこそ、貴重な機会をありがとうございます」

    あやめ「おじい様!あやめ、修行の旅から戻りました!」ニンッ

    浜口祖父「おお、お前の活躍はいつもテレビで見ておるよ」

    P「それにしても、この家も時代劇のセットみたいですよね……」

    浜口祖父「はは。確かに回転扉などもありますぞ?私が趣味で作らせたんです」

    P「なるほど!そりゃああやめが時代劇にハマるわけだ……」

    あやめ「うちには刀剣の類もあるのですよ!」

    P「マジか」

    浜口祖父「ええ、ただし本物ですので、取扱いには気をつけてくだされ」

    P「本物!?」

    浜口祖父「今では重要文化財のようなもんですかな。昔から我が家に伝わってきた家宝なのです」

    P「ほー……そんなものが」

    あやめ「手裏剣やクナイもあります!」

    P「本物の忍者の家みたいだな」

    浜口祖父「ふぉっふぉ」





    浜口あやめ(15)

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    160 = 1 :

    P「それにしても、しっかり作り込まれてますね~。
    本当にセットに使いたいくらいです」ホレボレ

    浜口祖父「ふぉっふぉ。こんな家でよければいつでも使っていただいて構いませんよ」

    あやめ「私が生まれる前ですが、本当に時代劇のセットとして使われた事もあるそうです!」

    P「なんと」

    浜口祖父「昔のことですがな。……ん?」ピクッ

    あやめ「P殿、こっちへ!」

    P「今度はなんだ?」

    あやめ「こちらには巻物が……」

    ヒュンッ!!

    浜口祖父「―――!」

    ヒュッ!

    キィンッ!!

    P「あれ?今何か音しました?」

    浜口祖父「立てつけがわるくなっておるのですかな。そろそろまた点検せねば」

    あやめ「そういえば、この前も押し入れが開きにくかったことが……」

    P「うーむ、そういう事があるのか……点検は大事だな」

    浜口祖父「………」

    161 = 1 :

    浜口祖父「あやめは元気でいい子なのですが、仕事の方は大丈夫でしょうか?」

    P「ええもちろん。持ち前の元気に加えて手先も器用ですので、なんでもこなせていますよ!」

    あやめ「ニンニン」

    浜口祖父「それはよかった。手先は昔から良い方だったしのう?」

    あやめ「ええ!今でもおじい様に教えていただいたことは忘れていませんよ!」

    P「へえ、例えばどんな事を?」

    あやめ「火薬の調合などです!」

    P「えっ?」

    浜口祖父「ほっほ。あやめがどうしてもやりたいというので、教えたまでです」

    P「あ、ああ……まぁ、危険な事ほど指導が必要ですしね!」

    あやめ「足音を消して歩いたり、クナイを上手く命中させるのは大変でした」

    P「まるで本物の忍者みたいですね」

    浜口祖父「ほっほ。時代劇の真似をしてついつい慣れてしまいましてな」

    あやめ「おかげで様々な事が覚えられました!」

    P「そりゃよかった」

    浜口祖父「……」

    ヒュッ!

       ドスッ

    グワァッ


    P「ん?今ぐわぁって……」

    浜口祖父「ん?庭の鴨が鳴いたんですかな?」

    P「鴨も飼ってるんですか」

    浜口祖父「鴨の他に文鳥、犬も飼っておりますよ」

    P「へぇ……(動物園みたいだな)」

    162 = 1 :

    ―――――――

    P「今日はお時間ありがとうございました!」

    浜口祖父「いえこちらこそ、大したもてなしもできず」

    P「いえいえ。それではまた!」

    あやめ「おじい様、またお会いしましょう!」

    浜口祖父「ああ、あやめも元気での」

    スタスタスタ……


    浜口祖父「……」

    ギィ バタム

    スッ……

    ドスッ!!!

    「ぐわあっ!!」

    浜口祖父「客人を狙うとは不届きな奴め……わしが成敗してくれよう」

    ガタンッ

    敵A「ククク……奴は我々の手によって殺されるのさ」

    敵B「貴様がいくら邪魔立てしようと……これは変えられぬ」

    浜口祖父「賊めが……ここから生きて出られると思わぬことだ」チャキッ



    ―――――


    敵C「(ククク……あのジジィも追ってはこれまい)」

    敵C「(ここからこの毒入り吹き矢で……)」


    芳乃「ほー、そこの黒いお方、なにをしているのでー?」


    敵C「あっひゅ!?」ビクッ

    芳乃「……?」ニコニコ

    敵C「あ、あ~おじょうちゃん。ぼ、僕はちょっとここで昼寝をね~」

    芳乃「ほほー、このような辺鄙な所で昼寝とはー、変わった趣味をお持ちでー」

    敵C「(どうする……?このガキを殺すか?いや、余計な殺生より……)」

    敵C「お嬢ちゃん、ちょっとあっち行っててくれないかな?ちょっと僕忙しくて」

    芳乃「背後から吹き矢で人を狙うのがお仕事でしてー?」

    敵C「(……こいつ!)」

    チャキッ!

    芳乃「その小刀で私に勝てるとお思いでしてー?」

    敵C「えっ?」

    芳乃「三下風情が刃向うなど片腹痛いのでしてー」スゥ……

    敵C「えっ……えっ?」


    ギャアアアアアア


    依田芳乃(16)

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    163 = 1 :

    ―――――


    P「どうした芳乃、着物が汚れてるぞ」

    芳乃「廃棄物を片付けていたのでしてー」

    あやめ「芳乃殿はしっかりしていますね」

    ちひろ「(今日ってゴミの日でしたっけ……?)」

    164 :

    乙乙
    まとめると、15で出産(結婚ではない)・勤め先が倒産か

    165 :

    父親が居ないも追加で

    166 :

    クラシカルキューティマイエンジェルほたるの母親がマジでそれっぽい

    167 :

    養わくちゃ(使命感)

    168 :

    これは三船さんを初めとした大人組をだな

    169 :

    よしのんは神

    170 :

    ごめんな、俺が勢いで孕ませたばっかりに

    171 :

    みく「むーん……」

    パタ、パタ

    P「む……?みくどうした、そんな不機嫌な尻尾の振り方して」

    みく「今日は三者面談だと聞いてるにゃあ。全くPチャンも面倒くさい企画をぽんぽん思いつくにゃあ……」ジト

    P「えっ?今回のは大分マシな奴だと思うんだけど……?」

    みく「思いつきでアイドルの属性変えたりむせび泣いてみるような人が言う台詞じゃないにゃ……」ジトー

    P「うっ……それらの件については悪かったと思ってるよ」

    みく「ほんと?ほんとにゃあ?目黒区の野良猫全部に誓える?」

    P「なんでそのチョイス?」

    ピンポーン

    ちひろ「あ、みくちゃんのお母さんですね」

    パタパタ

    ガチャン

    ちひろ「開けましたので、どうぞー」


    前川みく(15歳)

    /nox/remoteimages/7f/af/4068842a205fedc0ca9ebafbbecd.jpeg 前川さん(15歳)
    /nox/remoteimages/65/e3/8095ec3ae7387850a7f0bc90ef86.jpeg

    172 = 1 :

    ガッチャー!

    前川母「みくーーー!!!来たでーーー!!」

    みく「……見たらわかるにゃあ」

    前川母「わー!ほんまに事務所では猫キャラやねんなー!うりうり~」

    ぐりぐりぐり

    みく「ちょっ……辞めるにゃあ!ていうかこれはキャラ作りの一環であってね……お母さん聞いてる!?」

    前川母「聞いてる聞いてるー。んーもふもふー」

    モフモフ

    みく「もー!」プンスカ

    P「仲良しだなぁ」

    ちひろ「仲良しですねぇ」

    173 = 1 :

    前川母「あ、そういえば今日は面談って聞いてたんですけど……みくが何かしはったんですか?」

    P「いえいえ、ただアイドルの普段の様子などを見てもらって、ご両親の不安を解消しようと企画したまでです」

    前川母「そーでしたか!そんなら不安なんてありませんわ!
    みくはいつも元気そうですし、こっちの事務所に入ってからはアイドルも楽しそうですし!」

    P「こっちの事務所……ああ!」

    みく「過去は振り返らないにゃあ」

    前川母「ほんまに?前の事務所辞める時泣きながら私に電話してきたのに?」

    みく「あ゛ーも゛う゛!!!そういう事を言わないで欲しいから来てほしくなかったにゃあ!」プンパーッ!

    P「まぁまぁみく落ち着けって」

    みく「むー……わかったにゃあ。お母さんもあんまり余計な事言わないでね?」

    前川母「え……せっかくアルバム持ってきてみくの小さい時の想いで語ろう思たのに……」シュン

    みく「それは間違いなく必要ないにゃあ!」

    P「彼女の今後の方針のためにも是非お聞かせ願いたいですね」

    みく「こうなるのはもはやわかってたにゃあああ!!!」

    ちひろ「今日のみくちゃんも元気いっぱいですね~」

    前川母「このコ、学校ではそないな事ないんですけどね~」

    ちひろ「えっ?」

    P「あっ、そういえば……」

    みく「……………細かい事は気にしないでほしいにゃ!?」

    174 = 1 :

    P「(しかし、みくのお母さんというのに猫っぽさがないな……)」

    みりあ「……」

    仁奈「……」


    P「あっ、みりあに仁奈……」

    P「(そうか、面談中だから入りづらいのか)おーい……」

    前川母「そっちの子もアイドル?かわええなぁ~!こっちおいでー!」

    みりあ「……!」

    仁奈「……!」ピクッ

    トコトコトコ……

    みく「あー……これはうちの母親にゃあ。めんどい奴だけど悪い奴じゃないにゃあ」

    前川母「こらみくにゃん。お母さんの事を『奴』とかよんだらアカンで」ゴツ

    みく「いたいにゃ」

    みりあ「あ、あの……赤城みりあです!」

    仁奈「い、市原仁奈でごぜーます」

    前川母「おー二人とも可愛えなぁ~……お菓子あげよ、ほら、」

    ゴソッ

    P「大量に出てきた!?」

    みく「常に飴ちゃんとかお菓子の類を持ちあるいているにゃあ……」

    みりあ「わーい!ありがとー!」

    仁奈「ありがとーごぜーます!」

    前川母「ええんやで~、それよりもアイドル、がんばってなー!」

    みりあ「はい!」

    仁奈「はーい!」

    前川母「元気いっぱいやな~」

    ナデナデ



    P「(………はっ!飼育員!?)」

    みく「今度は何を閃いたにゃあ?」

    175 = 1 :

    ――――――

    前川母「ほな今日は帰りますわ!プロデューサーさん、みくの事よろしく頼みますね~」

    P「はい、お任せください」

    みく「もう来ないで欲しいにゃあ」

    ガチャ バタン


    みく「はー……どっと疲れたにゃあ。なんであんな母親なのか……」

    「みく、母親の事をそう悪く言うもんじゃないよ」

    みく「杏チャン」

    「あの人はみくの事をしっかり想ってくれている……立派な母親だよ。
    感謝すべきであっても、『あんな』なんて言うもんじゃないよ」キリッ

    みく「………杏チャン」

    「なに?」

    みく「その右頬の大量の飴と、小脇に抱えた数種類の飴がなかったらすごいいい話になってたと思うにゃあ」

    「グッ……!?」ババッ!

    P「(買収されたか……)」

    ちひろ「(買収されたんですね……)」


    双葉杏(17)

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    176 :

    前川母いいな

    177 :

    うちの娘が猫の真似事するようになったのは、発情期なのを誤魔化すためかな?

    178 = 1 :

    ―――――――――


    P「……」

    ちひろ「……」

    双葉父「いんやぁ~~www芸能事務所って初めて見たけどテラスゴスですねwwww
    これツイッターにアップしていいすか?www」スマホスッス

    双葉母「ほんと~すごいすごい~私ツイッターに上げないんでインスタグラムにうpしていいですか?ww」

    双葉父「同じやないかーいwwww」

    両親「wwwwwwww」

    「……」ニコニコ

    P「お前の両親こんなんだっけ」

    「こんなんだよ。素敵でしょ」

    P「ああそうだね」

    ちひろ「……」

    179 = 1 :

    P「ところでお仕事は何を?」

    双葉父「アフィブロガーです」キリリッ

    双葉母「生主です。ツイキャスもやってます」キリリッ


    P「……」

    ちひろ「……………」

    「………」ニコニコ

    双葉父「娘がアイドルになったので事務所を訪ねた結果……っと、あ、今日の事ブログにしちゃいますねww」

    双葉母「今からここで生放送してもいっすか?wwww」

    P「すみませんそういうのは」

    双葉父「せっかくなんで業界の裏知識とか教えてくださいよ~」

    双葉母「ツイキャスでしか話しませんから、ね?ね?」

    P「お断りします」

    双葉父「えーケチですねー」

    「プロデューサーケチだから」

    双葉母「まぁひどい。ちゃんとお給料貰ってるの?」

    双葉父「仕事はさぼってもいいけどお給料はちゃんと貰うんだぞ」

    双葉母「私たちの生活がかかってるんだから!」

    「もちろん」ドヤァ

    P「もちろんじゃない」

    180 = 1 :

    ――――――――

    P「……やっと帰ったか」

    「んー、最近忙しくて両親と会えてなかったからうれしーな」

    P「なんかご機嫌だな……」

    「やっぱそう見える?」ニコ

    P「こんなことを言うのも何なんだが……あの両親が好きなのか?」

    「もちろん。今の二人は大好きだよ」

    P「……今の?」

    「そ」

    P「……ま、色々あったのか」

    「聞く?」

    P「……いいのか?」

    「あんまりぺらぺら喋るなら言わないけど」

    P「……あんまりプライベートに踏み込むのは憚られるんだが」

    「気にしないでいいってば、昔ね―――――――」

    181 = 1 :

    ――――――――数年前

    prrrrr

    双葉父「……ん?個人用の携帯か」

    ピッ

    双葉父「もしもし、私だ。……どうかしたか?」


    『大変なの!杏が熱を出したの!』

    双葉父「熱……?そんなの病院に連れて行けばいいだろ」

    『貴方それでも父親?こんなに苦しんでるっていうのに……!』

    双葉父「誰のために働いていると思ってるんだ、切るぞ」

    『ちょっと待ってよ……ねぇ!』


    ピッ


    部下「奥さんですか?」

    双葉父「ああ、せっかくの仕事中に水を差してしまったかな」

    部下「いえ。しかし部長は真面目ですよね、なんか大変そうなのに顔色一つ変えず」

    双葉父「馬鹿いえ、私が早退でもしてみろ、いくら損失が出ると」

    部下「はは、確かに」

    カタカタカタカタ……

    双葉父「……(杏、大丈夫だろうか)」

    双葉父「(いやいや、今は仕事に集中、集中だ)」

    182 = 1 :

    ――――――――

    双葉父「……今、何と?」

    双葉母「離婚だ、って言ったの。今の貴方にはもうついていけない」

    双葉父「何を……?私が君たちのためにどれだけ働いていると!」

    双葉母「お金が何……?最近副業とか言って、家でもパソコンいじってるじゃない!
    貴方にとって家族って何?ステータス?」

    双葉父「あれはアフィリエイトブログといって、立派な副収入として……」

    双葉母「わかりました!そんなにお金が欲しいなら、お金と結婚してれば!?行くわよ、杏」

    「……うん」

    双葉父「ま、待ってくれ……!」

    タッタッタッタ……


    バタン……



    双葉父「……何が、何が間違っていたんだ?」

    183 = 1 :

    双葉母「じゃあね杏、おばあちゃんの所でおとなしくしてるのよ」

    双葉母「貴方の将来のために、お母さん頑張って働くから」

    「……お母さん」

    双葉母「何?」

    「お母さん、そんなに働かなくてもいいよ、杏が働くから……」

    双葉母「馬鹿な事いわないの。貴方も立派な大学に行ってもらうんだから!
    そのためにたくさん勉強するのよ、じゃあ!」

    タッタッタッタ……


    「あ……」

    「(その頃から、お母さんとはあまりよくしゃべっていない)」

    「(朝早く出かけ、夜遅く帰る母に、私が出来る事と言えば、夜食を作る事くらいだった)」



    ―――


    双葉母「久しぶりのお出かけだね!」

    「うん!」

    双葉母「やっぱり東京は駄目よね。こっちの方が空気が綺麗で素敵……」

    ザック ザック

    双葉母「あ、あんな風に農業を始めるのもいいかも!
    幸いこのへんなら土地があまってるかもしれないし……親戚の皆に相談してみようかしら」

    「農業って楽しそうだよね。なんか、健康的で」

    双葉母「わかる?私もそう思うの。ねぇ、あそこで耕してる人なんてすごく楽しそう――――」

    双葉母「え?」



    双葉父「よっ、久しぶりィ!」

    184 = 170 :

    これはないわ

    185 = 1 :

    「お父さん……?」トテテ

    双葉父「よー杏!元気してたか!?」

    双葉母「貴方……な、なんでこんなところに?ていうか仕事は?」

    双葉父「やめちったw」

    双葉母「…………は?」

    双葉父「いやー人間って不思議なモンだよなぁ。守るモンが無くなった瞬間全てどうでもよくなってさぁ。
    あの2週間後くらいに辞表出して辞めてきたんだよ。んでこっちで農業とアフィブロガーで食っていこうってさ」

    双葉母「……な、何考えてるの?」

    双葉父「いやーもうめんどくせー事考えるのはやめた!俺は好きに生きるよ!」

    双葉母「そ、そうなの……いくわよ、杏ちゃん」

    「………」フルフル

    双葉母「……杏ちゃん?」

    「杏、お父さんと一緒がいい」

    双葉母「………は!?」

    双葉父「お、一緒に暮らすか!いやーお前成長してないよな!成長期止まった?」

    「うっさい」

    双葉父「言うなお前ーww」

    双葉母「ねぇ杏ちゃん!それどういうこと!?」

    「お母さん……お父さんと仲直りして」

    双葉母「えっ」

    「杏は、今のお父さんが好き。前の頑張ってたお父さんも好きだったけど……
    今の方がずっといいよ。お母さんも見習ってほしいくらい」

    双葉母「そんな……見習うって、そんな男の、何を!」

    「……」

    双葉父「どーせ仕事ばっかで杏にかまってやれてねーんだろ」

    双葉母「なっ……!?」

    双葉父「わかる、わかるぞー。俺がそうだったもん。昔はホントに杏と遊びたくてしょーがなかったんだけどさ、
    仕事仕事ってずっと仕事の事ばっか考えてたわー。でも良く考えろ。大切なもんって何だ?」

    双葉母「……でも、お金がなくちゃ」

    双葉父「知らんがなそんなん。ビンボーでも学校いけるし飯だって食わせられるだろ?
    がんばりゃいいんだよがんばりゃ」

    双葉母「…………」

    「………お母さん」

    双葉母「母さん、今の仕事やめる。もっと自由で気ままなバイトとか探してみるよ」

    「……!」

    双葉父「そしたらまた―――」

    双葉母「ええ、三人一緒に暮らしましょう?そっちの方が家賃安くつきそう」


    「………うん!!」

    186 = 1 :

    ―――――――――――


    「それからはもう自堕落極めてたよ」

    「仕事はテキトーだし、主な収入源はお父さんのアフィブログっていう不安定極まりないワケわかんないもんだったし」

    「掃除とか洗濯サボっておばあちゃんに怒られるのもしょっちゅうだった」

    「でもね……」

    P「……」

    「すごい楽しかったよ。なんていうかさ、人生が輝いて見えたんだよ」

    「お金がたくさんあって、一人で小型ゲームやってた時より」

    「お金なんてほとんどないけど、家族でパーティゲームやってる時は、もうこの上なく楽しかった」

    「だから、杏は今のひっどい家族が大好きなんだ」

    P「……杏らしいっちゃ、杏らしいな」

    「でしょー」

    「お仕事漬けなんてね、ロクな事ないよ」

    P「それでもお前に仕事を持っていくぞ!」

    「ひっどーい!杏の今の話を聞いてウルっとこなかったの!?」

    P「きたにはきたが、それとこれとは別な」

    「プロデューサーの鬼!仕事人間!!」

    P「なんとでも言うがいい!」

    187 = 1 :

    ――――――――

    P「ふー、これで三者面談もいったん終わりかぁ」

    ちひろ「すごい数捌きましたねー?」

    P「ははは、このくらいなんのそのですよ、それより……」

    ちひろ「それより?」

    P「なんというか、アイドルといっても、やっぱり人の子なんだなー……って」

    ちひろ「当たり前じゃないですか」クス

    P「いやー性格とか全然違ったりして、見た目も違って、すごい全然違う人間なんだなって」

    ちひろ「当たり前じゃないですか。子どもは親の背中を見て育つだけで……、
    親とは全く違う人生を歩んでるんですよ」

    P「たまには親孝行しないとですねぇ」

    ちひろ「ふふ、Pさんのご両親ってどんな人なんですか?」

    P「どんなって、フツーですよフツー。サラリーマンと専業主婦。堅実に生きる見本みたいな」

    ちひろ「よくプロデューサーなんて目指して許されましたね」

    P「そこはもう、うち放任でしたから。ちひろさんはどうだったんですか?」

    ちひろ「うちは少し厳しかったですね……何せ両親二人とも銀行員で」

    P「あっ(察し)」

    ちひろ「どうしたんですか?」

    P「いえ、とあるドラマの主人公が頭をよぎりました」

    ちひろ「はい……?」

    P「(ちひろさんから金を借りパクしようもんなら……100倍返しってことか?)」

    ちひろ「なんか失礼なこと考えてませんっ!?」



    おしまい。

    188 = 1 :

    本編は以上です。以下、おまけがあります。

    190 = 1 :

    ■おまけ① こうなることがわかりきってた


    P「それで……今後の方針なども決まり、安定して活動が続けられそうです」

    財前母「あら素晴らしい手腕ですね……やはりあなたに任せて正解のようです」

    P「いえいえ」

    ちひろ「…………」

    財前母「時子もうまくやれているのね。アイドルには向いていないと思ったのだけど……、私の思い違いだったみたいね」

    財前父「フゴッ(そうだな)」



    ビシィィィッ!!!!



    財前母「誰が勝手に喋っていいと言ったの!?この豚がッ!!!」

    ビシッ!!!ビシッ!!!

    財前父「フゴォ!!!(ありがとうございます!!)」


    時子「いつも通りねー」ホノボノ

    P「(やっぱいつも通りなのか……)」




    財前時子(21)

    191 = 1 :

    ■おまけ② 気になるのはわかるんだけど


    P「……というわけで、プロモーション計画も順調、アイドルとして上々の滑り出しだと思います」

    佐藤母「なるほど……ありがとうございます、ところで」

    P「ところで?」

    佐藤母「結婚の方は大丈夫なんでしょうか」

    P「はい?」

    「………」

    佐藤母「いやだってもう心ちゃんも26歳じゃないですか……?
    可愛い子ですし、いい子なんですけど……アイドルやってたらファンを気にして結婚できなくて、そのままズルズル……」

    P「あっはっは。心配しすぎですよ。そりゃあ今は事務所的に恋愛とかはナシにしてるだけで、
    そのうち機会があればこちらが嫌でも結婚してしまう事になるんですから、婚期とかは」

    佐藤母「本当ですか!?」

    P「え、ええ……」

    佐藤母「いいんですね!?その言葉本当に信じていいんですよね!?」

    「かあさ……いやママ☆、必死すぎてキモいからそろそろやめよ?」

    佐藤母「心ちゃん!ママはね!?貴方の為を思って言ってるの!!!」

    「わかってるよ☆そんなママもダイスキダヨー(棒読み)」

    佐藤母「貴方それで本当に結婚できなかったらどうするつもり!?ねぇ!!」

    P「ま、まぁまぁお母さん落ち着いて……これだけ可愛くてファンがいるんです、結婚なんてできて当然なんですよ?
    今はね?こっちの意向で無理矢理そういうの禁じてるだけで……」

    佐藤母「じゃあ責任とってくれるんですか?」

    P「はい?」

    佐藤母「心ちゃんがアイドル活動のせいで結婚できなかったら、プロデューサーさんが結婚相手になってくださるんですか!?」

    P「はいいい!?」

    「その意見賛成」

    P「ちょっと待て、心まで何を言う!?」

    「はぁとって呼んで☆」

    P「今大切なのそこじゃないよね!?」



    ちひろ「(親御さんなんて呼べば、こんな風に外堀埋められるのわかりきってたはずなんだけどな……)」





    この後めっちゃ多数のアイドルとその親に外堀ガンガン埋められた。


    めでたし!!!!

    192 = 1 :

    以上です!案自体はたくさんあったものの、書きづらかったりするのが多くて難航しました……
    長丁場おつきあいいただきありがとうございました。

    193 = 1 :

    おっと。時子さまの画像貼り忘れですね。
    張っときます


    財前時子(21)

    /nox/remoteimages/8d/1e/2f2c409f3c498867a98abfee5620.jpeg

    195 :

    乙。また気が向いたら書いてほしいな。

    196 :

    乙 楽しかったよ

    >>164
    愛されかた見る限り望まれぬ出産ではなさそうなのが唯一の救いか

    197 = 164 :

    おっつおっつ

    198 :

    ほたるの母子家庭とか工場倒産はまあ有りかなと(それもアカンのだろうが)見れたが、
    15出産は変にリアルな悲劇が頭よぎってドン引いた
    が、

    >>196のおかげで復活できた

    だよな、愛されてるもんな

    199 :

    いい面談だった、掛け値なしに

    200 :

    杏の両親ヤベエと思ったら一番意外とホロリとする話でワロタ


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