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元スレ竹井久「一雀士に一体『須賀京太郎』」
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また少し間をあけちゃいましたね
もうちょっとで終わる予定です。
投下しまーす
もうちょっとで終わる予定です。
投下しまーす
洋榎「皆様、ようこそのお運びで。厚く御礼申し上げます」
京太郎クローン×10 パチパチパチ
洋榎「えー、突然ですが。うちのおかんは非常に料理の上手いお人でして」
洋榎「そこらのレストランのものよりも数段ランクの高いようなものを、うちと妹の絹がちびの頃からずっと、毎日食卓に並べてくれとります」
洋榎「うちが小学生の時、偶々クラス会とやらでおかんがその腕前をよそ様に披露する機会があったんですが」
洋榎「その料理の余りの美味さに、周りの人らが次々とおかんのことを『聖』と呼び始めましたもんで」
洋榎「傍におったうちは幼いながらも、『おいおいうちのおかんは尼さんちゃうねんぞ』なんて思ったんをよく覚えとります」
京太郎クローン×20「アハハハハハハ!」ドッ
洋榎「さてそんなおかんですが、一つだけどうしても見逃せん欠点、というか『性質』を持っとりまして」
洋榎「それは、『摩訶不思議な創作料理を好んで作る』いうもんです」
洋榎「先にうちはおかんについて、美味い料理を毎日食卓に運んでくれとるお方や言いましたけど」
洋榎「実を言うと、稀にそうでない時もありまして」
洋榎「その場合っていうんが、この『摩訶不思議な創作料理』を作ってくる時なんですわ」
洋榎「詳細を申しますと、例えば『チョコソース焼きそば』やとか『コーンポタージュカレー』やとか、そんな感じです」
洋榎「特に『イナゴの佃煮入りストロベリーシェイク』は、今でもその味を忘れられんほど酷かったですわぁ」
京太郎クローン×20「うぇー」ザワザワ
洋榎「うちらが何度嫌や嫌や言うても聞こうとする気配すらありまへんし、もしもそれを食うのを拒もうものなら、その先一週間は拗ねて家事さえせえへんくなってまいます」
洋榎「まるでガキやな、とはガキの頃のうちの感想です」
洋榎「普段は完璧言うても言い過ぎや無い程の料理を拵えるあのおかんが、どないしたらあないゲテモノを作るに至るんか。その謎は恐らく迷宮入りですわな」
京太郎クローン×20「アハハ……」
洋榎「さて! 世の中は意外に狭いとは良く言われとることですけど、やはりどうにもある程度の広さはあるようでして。そういうゲテモノを好んで食す人もいるそうなんですわ」
洋榎「勿論人の好みに口出せる程うちも偉くはありまへんが、しかしそういう奇怪なもんを『通の食いもん』として食べて悦に浸る輩にはちょいと疑問を感じざるを得まへん」
洋榎「特に、良く知りもせんもんを人の評判だけ聞いて『通の食いもん』とするんは、こりゃーもう救いようの無い知ったかぶり!」
洋榎「ただそんな輩に限って、どうにも世辞の上手な傾向にありまして」
洋榎「んまー、大したことの無いもんも『美味い』と言って出されれば、本人も意味の分かってへんやろという美辞麗句並び立てて褒めちぎったりするんですわ」
洋榎「『あらこの魚の身は透き通ってて、まるで清い川の流れを見ているようですわ』やら『このたこ焼き、詰まっとる具がどれも煌いてて、まるで宝石箱やぁ』やら」
洋榎「挙句『いやあこの牛肉は途轍も無いなぁ! え? どこが? ってそりゃあ……この、血の滴る感じが……生臭さ……いや、猛々しさ! 猛々しいライオンを彷彿とさせ云々』」
洋榎「ってそこまで無理せんでもと此方が逆に心配してまうようなことを言う!」
洋榎「さてさてそんな輩に会った日にゃあ、あー、その鼻を明かしてやりたくなるんもしょうのないことで……」パチンッ!
京太郎クローン×20「!」
洋榎「えー……」
洋榎「あれ?」
洋榎「……」
洋榎「……」
洋榎「……あー」
京太郎クローン×20「?」
洋榎「すんません。演目の内容全部忘れたんで、別のやつやります」
京太郎クローン×20「!?」
洋榎「勿論人の好みに口出せる程うちも偉くはありまへんが、しかしそういう奇怪なもんを『通の食いもん』として食べて悦に浸る輩にはちょいと疑問を感じざるを得まへん」
洋榎「特に、良く知りもせんもんを人の評判だけ聞いて『通の食いもん』とするんは、こりゃーもう救いようの無い知ったかぶり!」
洋榎「ただそんな輩に限って、どうにも世辞の上手な傾向にありまして」
洋榎「んまー、大したことの無いもんも『美味い』と言って出されれば、本人も意味の分かってへんやろという美辞麗句並び立てて褒めちぎったりするんですわ」
洋榎「『あらこの魚の身は透き通ってて、まるで清い川の流れを見ているようですわ』やら『このたこ焼き、詰まっとる具がどれも煌いてて、まるで宝石箱やぁ』やら」
洋榎「挙句『いやあこの牛肉は途轍も無いなぁ! え? どこが? ってそりゃあ……この、血の滴る感じが……生臭さ……いや、猛々しさ! 猛々しいライオンを彷彿とさせ云々』」
洋榎「ってそこまで無理せんでもと此方が逆に心配してまうようなことを言う!」
洋榎「さてさてそんな輩に会った日にゃあ、あー、その鼻を明かしてやりたくなるんもしょうのないことで……」パチンッ!
京太郎クローン×20「!」
洋榎「えー……」
洋榎「あれ?」
洋榎「……」
洋榎「……」
洋榎「……あー」
京太郎クローン×20「?」
洋榎「すんません。演目の内容全部忘れたんで、別のやつやります」
京太郎クローン×20「!?」
洋榎「えー、流石にまたマクラから始めるんは面倒なんで、早速。『愛宕山』」
京太郎クローン×20「……!?」ザワザワ
洋榎「……えっと、なんやったかな……ああ、そうや」
洋榎「祇園町を出ますと、芸者、舞妓、御茶屋の女将さん、それに一八、重八の両名の太鼓持ちもお供をいたしまして」
洋榎「西へ西へ、鴨川を渡りまして、堀川も越えまして、二条のお城、こいつも尻目にころしまして、どんどんどんどん西へ出てまいりますと」
洋榎「野辺へかかって参ります。そこは春先のことで、空にはひばりがピーチクパーチクピーチクパーチクさえずっていようか陽炎が燃えていようかという」
洋榎「遠山にはパーっと霞の帯を引いたよう。麦が青々と伸びた中を菜種の花が彩っていようかというほん陽気、やかましゅうてやって参りますその道中の、よぉ気なことぉ!」
洋榎「……」
洋榎「あっ、こっから先もちょいと忘れたんで、唄のパートいきます」
京太郎クローン×20「!?!?」
洋榎「あたーご山坂♪ えーえぇぇ坂♪ 二十五丁目の茶屋のかかぁー♪ ばば旦那さん♪ ちと、休みなんんしぃぃー♪」
洋榎「あた……。あ」
洋榎「忘れた」
京太郎クローン×20「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」シュウウウウウウ
洋榎「うわっ!?」
洋榎「な、なんかよう分からんけど……」
洋榎「勝ったわ」ガッツポーズ
京太郎クローン×20「……!?」ザワザワ
洋榎「……えっと、なんやったかな……ああ、そうや」
洋榎「祇園町を出ますと、芸者、舞妓、御茶屋の女将さん、それに一八、重八の両名の太鼓持ちもお供をいたしまして」
洋榎「西へ西へ、鴨川を渡りまして、堀川も越えまして、二条のお城、こいつも尻目にころしまして、どんどんどんどん西へ出てまいりますと」
洋榎「野辺へかかって参ります。そこは春先のことで、空にはひばりがピーチクパーチクピーチクパーチクさえずっていようか陽炎が燃えていようかという」
洋榎「遠山にはパーっと霞の帯を引いたよう。麦が青々と伸びた中を菜種の花が彩っていようかというほん陽気、やかましゅうてやって参りますその道中の、よぉ気なことぉ!」
洋榎「……」
洋榎「あっ、こっから先もちょいと忘れたんで、唄のパートいきます」
京太郎クローン×20「!?!?」
洋榎「あたーご山坂♪ えーえぇぇ坂♪ 二十五丁目の茶屋のかかぁー♪ ばば旦那さん♪ ちと、休みなんんしぃぃー♪」
洋榎「あた……。あ」
洋榎「忘れた」
京太郎クローン×20「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」シュウウウウウウ
洋榎「うわっ!?」
洋榎「な、なんかよう分からんけど……」
洋榎「勝ったわ」ガッツポーズ
京太郎クローン「グルルルルルル」
霞「ああ……可哀想に。今の貴方はまるで、野生のケモノの様……」
霞「ギラギラとした眼差し、むき出した鋭い歯……とても、人間だとは思えない」
霞「でも、それは貴方の責任ではないわ」
霞「全ては貴方をそんな風に変えてしまった、竹井さんたちの所為なのよ」
霞「私は正直、貴方とは直接会ったこともないし、話したこともない」
霞「けれど、それは貴方を救わないことの理由にはならない」
霞「霧島神社の巫女として……貴方の邪を……」
霞「祓ってみせます!」ドタプーン
京太郎クローン「グゲ……!?」
霞「さあ、どうしたの? どこからでもかかってきなさい!」ドタプルン
京太郎クローン「ゲグ……」
霞「どんな攻撃を仕掛けてこようとも……私はそれを全て受け入れます! さあ!」ドタンプルルルン
京太郎クローン「グ」
霞「さあ!!」ドタタプルrrrrrrrrrン
京太郎クローン「ウッ」ブシュ
京太郎クローン「」ドサッ
霞「……あら?」
霞(は、鼻血を出して倒れてしまったわ……)
霞(とりあえず、介抱しておきましょうか)ソソクサ
京太郎クローン「ころ……すぅぅ! お前をぉぉををお!」
良子「殺す? 私をキルできると?」
京太郎クローン「お前、見たいなぁ! やつ、位! 俺でも殺せるだろぉぉぉ!?」
良子「フッ……ネガティブ」
良子「その考えは、君の身を滅ぼしますよ。余り私をなめない方がいい」
良子「はあああああぁぁぁ……」
良子「ハアッ!」カッ
京太郎クローン「!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!(適当)」
京太郎クローン「お!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!(GACKT)」
京太郎クローン「っグ……」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!」
京太郎クローン「がああっ!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!」
京太郎クローン「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」シュウウウウ
京太郎クローン「うぅ……」ドサッ
良子「ふう……。なんだか、神道にウェルインフォームドな人間として、使ってはならない手段を用いてしまった気はしますが、それはいいでしょう」
良子「兎に角、安心してください。君の中にあるイビルエネルギーは全て祓いました」
良子「イビルエネルギーは……」
バァーーーーーーーz_________ン 良子「祓いましたっ!」キリッ バァーーーーーーーz_________ン
良子「殺す? 私をキルできると?」
京太郎クローン「お前、見たいなぁ! やつ、位! 俺でも殺せるだろぉぉぉ!?」
良子「フッ……ネガティブ」
良子「その考えは、君の身を滅ぼしますよ。余り私をなめない方がいい」
良子「はあああああぁぁぁ……」
良子「ハアッ!」カッ
京太郎クローン「!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!(適当)」
京太郎クローン「お!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!(GACKT)」
京太郎クローン「っグ……」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!」
京太郎クローン「がああっ!?」
良子「オン ベイシラマンダヤ ゼンキシャ ソワカ!」
京太郎クローン「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」シュウウウウ
京太郎クローン「うぅ……」ドサッ
良子「ふう……。なんだか、神道にウェルインフォームドな人間として、使ってはならない手段を用いてしまった気はしますが、それはいいでしょう」
良子「兎に角、安心してください。君の中にあるイビルエネルギーは全て祓いました」
良子「イビルエネルギーは……」
バァーーーーーーーz_________ン 良子「祓いましたっ!」キリッ バァーーーーーーーz_________ン
京太郎クローン「ぐおおぉぉぉぉぉ!!!」ブンッ
理沙「冷静!」
京太郎クローン「うおぉぉぉぉ!!!」ブンッ
理沙「冷静!」
京太郎クローン「ぐぉぉぉぉ、お?」ピタッ
理沙「冷静!」
京太郎クローン「おおぉ?」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「お……」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「……」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「……れ」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「れ、い」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「れい、せ」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「れいせ」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「れいせい」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「冷静……」
京太郎クローン「冷静!」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「冷静!」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「冷静!」
理沙「冷静!」
京太郎クローン「冷静!」
理沙「……ん!」プンスコ
理沙「ゲット!」ニコッ
靖子(私は何をしているんだろうな……)
靖子(思い返せば、とても無駄な時間を過ごしてきた気がする)
靖子(中学生の時は高校に入れば何かが分かると思い、高校生の時は大学に入れば何かが見えてくるだろうと考え、大学生の時はプロになれば何かを掴めるだろうと信じ……)
靖子(でも結局、今に至るまで何一つとして成果は無し)
靖子(“まくりの女王”だなんて呼び称されるようになって、こうしてトッププロの一人に数えられるようになっても……)
靖子(なんにも掴めちゃいないじゃないかっっ!!)バンッ!
靖子(おかしいだろ、こんなん……)
靖子(こう見えて、人よりもずっと多くの努力はしてきたつもりだ。あと一歩踏み込んでいれば死んでいたというような修羅場だって、幾つも越えてきた)
靖子(それでも。それほどの積み重ねをしても、得られたのは僅かばかりの麻雀のスキルのみ)
靖子(ああ……どうしてなんだ。一体、何が私に足りていないと言うんだ?)
靖子(これ以上私に何をしろと言うんだ?)
靖子(私では決してその極みに到達できないということなのか)
靖子(なあ、だれか教えてくれよ……)
靖子(一体、どこにあると言うんだ……)
靖子(究極のカツ丼は……)
京太郎クローン「……」
京太郎クローン「……あの、すみません」
靖子「……ん? 何だ……。悪いんだけど生憎、私は今忙しい」
靖子「用なら後にしてくれ――」
スッ
靖子「えっ?」
京太郎クローン「カツ丼、いかがっすか?」
靖子「カツ、丼……?」チラッ
カツ丼「キラキラキラキラキラキラキラキラキラ」キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
靖子「なっ……!?」
靖子(何だ、この輝きは。こんなの見たことが無い)
靖子(艶かしく煌く白銀の米の上で圧倒的な存在感を放っている、サクサク衣のジューシーなカツ。そして、その全体をまるで聖母の様に包み込んでいるのは、トロトロの玉子……)
靖子(これまで幾多のカツ丼を食べてきたからこそ、分かる。見るだけで“解る”)
靖子(これは究極のカツ丼だ……)
靖子「……どうやって」
京太郎クローン「?」
靖子「お前は一体どうやってこれを作ったんだ?」
靖子「ありえないんだよ……。私さえも未だ踏み込んだことのない領域に、どうして生まれて間もない筈のお前が到達できたというんだ?」
京太郎クローン「……」
靖子「そして、何故……?」
靖子「何故、私がカツ丼を求めていると分かった?」
京太郎クローン「……。えっと、何か難しい事は良く分からないっすけど……」
京太郎クローン「俺の細胞が叫んだ気がするんすよ。この人にカツ丼を作ってやれって……」
靖子「細胞、がか?」
京太郎クローン「はい。こう、ガーッときて全身沸き立つような……。そんな感覚でした」
靖子「へえ。そうなのか……。つまりはあれだな? 『俺の第六感が貴女の想いを聞き取ったー』とかいう」
京太郎クローン「? いや普通に細胞っすけど」
靖子「ん? 比喩じゃないのか。え? さい、ぼう……?」
靖子「細胞? 細胞組織?」
京太郎クローン「はい。ガーッとくるかんじで」
靖子「ああ、うん。え? 比喩じゃないのか?」
京太郎クローン「は? え、ええ。お姉さんが苦しんでいる姿を見た瞬間、俺の細胞が何かを伝えたそうにプルプルと振動を始めて……」
京太郎クローン「気付いた時にはもう、カツ丼を作り終えていたんです」
靖子「はあ……」
靖子「そう、か――」
靖子「まあいいんだそんなことは」
靖子「うん」
京太郎「……? お姉さん?」
京太郎クローン「俺の細胞が叫んだ気がするんすよ。この人にカツ丼を作ってやれって……」
靖子「細胞、がか?」
京太郎クローン「はい。こう、ガーッときて全身沸き立つような……。そんな感覚でした」
靖子「へえ。そうなのか……。つまりはあれだな? 『俺の第六感が貴女の想いを聞き取ったー』とかいう」
京太郎クローン「? いや普通に細胞っすけど」
靖子「ん? 比喩じゃないのか。え? さい、ぼう……?」
靖子「細胞? 細胞組織?」
京太郎クローン「はい。ガーッとくるかんじで」
靖子「ああ、うん。え? 比喩じゃないのか?」
京太郎クローン「は? え、ええ。お姉さんが苦しんでいる姿を見た瞬間、俺の細胞が何かを伝えたそうにプルプルと振動を始めて……」
京太郎クローン「気付いた時にはもう、カツ丼を作り終えていたんです」
靖子「はあ……」
靖子「そう、か――」
靖子「まあいいんだそんなことは」
靖子「うん」
京太郎「……? お姉さん?」
靖子「いや、成る程な。よく分かったよ」
靖子「『想い』だったんだな。全ての決め手は」
京太郎クローン「え?」
靖子「お前の中にある『想い』が、このカツ丼を作り、そして私に届けてくれた」
靖子「そういうことだ」
靖子「――ありがとな。気付かせてくれて」
京太郎クローン「え? いや」
靖子「謙遜はするなよ。お前は間違いなく、私を救ってくれたんだからな」
靖子「よし。こんなに美味そうなカツ丼があるってのに、それを冷ましちまうのは勿体無い。早速、頂くとしようかな」
京太郎クローン「……あっ。は、はい。どうぞ!」
靖子「『想い』だったんだな。全ての決め手は」
京太郎クローン「え?」
靖子「お前の中にある『想い』が、このカツ丼を作り、そして私に届けてくれた」
靖子「そういうことだ」
靖子「――ありがとな。気付かせてくれて」
京太郎クローン「え? いや」
靖子「謙遜はするなよ。お前は間違いなく、私を救ってくれたんだからな」
靖子「よし。こんなに美味そうなカツ丼があるってのに、それを冷ましちまうのは勿体無い。早速、頂くとしようかな」
京太郎クローン「……あっ。は、はい。どうぞ!」
京太郎クローン「アアアアアァ!」ブンッ
健夜「……」ガシッ
京太郎クローン「……あ?」
健夜「やっと捕まえたよ、京くん」ニコッ
健夜「再会のハグといきたい所だけど、そうも言っていられないみたいだね」
健夜「だからちょっとの間だけ、眠ってて……」ゴッ
京太郎クローン「あ……」ドサッ
健夜「……」
健夜(ただで、ゲット……)
健夜(ただでゲットしちゃった)
健夜(タダでゲットしちゃったあぁぁぁぁぁぁ!)
健夜(竹井さんが私達プロ勢に事前に教えてくれていた『京くんクローン』の値段は確か8600万円……)
健夜(勿論、それだけのお金を払えないわけじゃない。私は腐ってもグランドマスター。人並みはずれた稼ぎは出来てるつもりだから、むしろかなりの余裕をもって払える金額ではあるよ)
健夜(でも、それはやっぱり安い買い物ではないわけで。幾ら日本女子麻雀界のトップを走っていた私でも、
別荘やらスーパーカーやらを日用品感覚で買っちゃうようなどこぞの大富豪やスーパーギャンブラー見たいにはいかない)
健夜(それでも、もし本物の京くんを……買える、んだったら、その数倍のお金を出してもいいんだけどね。いやどっちかって言うと、それくらいのお金は払わなきゃこっちの気がすまないよ)
健夜(でも、この子は本物じゃない。京くんの形をしてても、やっぱりクローンはクローン……偽者なんだよ)
健夜(だからタダで手に入るに越したことは無いよね、うん)
健夜(あ、そうだ。他の皆は……)チラッ
(牌)
はやり「もう百回、こっち向けや♪ 殺意の狭間愛のfuture♪ だーかーら、こっち向けや♪ 四角い宇宙はーいを乗せーて♪」キャピッ
京太郎クローン×20「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! L・O・V・E!! は、や、りーん!!」ワアアアアア
京太郎クローン「……あ?」ドサッ
咏「何が起きたか、全くわかんなかったろ?」
咏「そりゃそうだ。私にもわかんねー」
咏「何が起こったのか、全てがわかんねー」
咏「わからなさ過ぎる……どうなってんだ?」
咏「それが、私の能力だからねぃ」
健夜(うん。大丈夫そうだね)
健夜(それにしてもこのクローン、本当に京くんの細胞から作られてるのか怪しかったけど……)
健夜(……うん。こうして“きちんと”見ると、よく分かるね。遺伝子情報も細胞組織の形状も、全てが京くんのそれと一致してる)
健夜(間違いなく、正真正銘、この子は京くんのクローン……)
健夜(だから、この子については全く文句のつけようも無いんだけど……)
健夜(でも……)
健夜(やっぱり、本物の京くんに会いたい、かな……)
健夜(どこに居るの、京くん……)
健夜(京くん……)チラッ
京太郎クローン スヤスヤ
健夜「……」ウズ
健夜「あ、あははは……」
健夜「……」
健夜「だめだやっぱ可愛いぃぃぃぃぃ!!!」ナデナデナデナデ
健夜(……うん。こうして“きちんと”見ると、よく分かるね。遺伝子情報も細胞組織の形状も、全てが京くんのそれと一致してる)
健夜(間違いなく、正真正銘、この子は京くんのクローン……)
健夜(だから、この子については全く文句のつけようも無いんだけど……)
健夜(でも……)
健夜(やっぱり、本物の京くんに会いたい、かな……)
健夜(どこに居るの、京くん……)
健夜(京くん……)チラッ
京太郎クローン スヤスヤ
健夜「……」ウズ
健夜「あ、あははは……」
健夜「……」
健夜「だめだやっぱ可愛いぃぃぃぃぃ!!!」ナデナデナデナデ
ワーワー
ギャーギャー
久「……なんじゃこりゃ」
久「ねえ、のど――」
書置き『咲さんと食事に行ってきます。後のことは部長と染谷先輩に任せましたよ。 原村より』
久「……」
久「なんか、もうどうでもいいわ」
一方、その頃……
<清澄高校麻雀部 部室>
優希「なぁー、京太郎ー。どうして今日は皆来てないんだじぇ?」
京太郎「いや、だからよく分からんって言ってるだろ。部長達から『今日は休む』っていうメールが来たのはついさっきのことだし」
京太郎「俺もそのメールを見るまで、部長達が休むことなんて知らなかったんだからな」
優希「んー。まあ、私も全く同じだけどな……」
優希「なーんか、ハブられた気分だじぇー。もしかして皆、どっかに遊びに行ってたりするのかー?」
優希「……海水浴に行ってたり」
京太郎「ありえんありえん。俺を、ってんならともかく、皆がお前をハブってどっかに行ったりするわけねえって」
京太郎「ま、皆の都合が悪い日が、偶々今日に重なったってだけの話だろ……さて」
京太郎「そろそろ俺も行くわ。もうすぐ昼だしな」
優希「……え? お、お前まで裏切るのか京太郎!」
<清澄高校麻雀部 部室>
優希「なぁー、京太郎ー。どうして今日は皆来てないんだじぇ?」
京太郎「いや、だからよく分からんって言ってるだろ。部長達から『今日は休む』っていうメールが来たのはついさっきのことだし」
京太郎「俺もそのメールを見るまで、部長達が休むことなんて知らなかったんだからな」
優希「んー。まあ、私も全く同じだけどな……」
優希「なーんか、ハブられた気分だじぇー。もしかして皆、どっかに遊びに行ってたりするのかー?」
優希「……海水浴に行ってたり」
京太郎「ありえんありえん。俺を、ってんならともかく、皆がお前をハブってどっかに行ったりするわけねえって」
京太郎「ま、皆の都合が悪い日が、偶々今日に重なったってだけの話だろ……さて」
京太郎「そろそろ俺も行くわ。もうすぐ昼だしな」
優希「……え? お、お前まで裏切るのか京太郎!」
京太郎「裏切る、ってなんだよ。違う違う。このあと二時半から、ハギヨシさんと遊ぶ予定なんだよ。駅前の公園で待ち合わせ」
京太郎「まだ一時だけど、どうせ部活もまともにできない状況な分けだしな。ちょっと早めに出とこうかなって」
優希「ぶー。結局裏切ってることには変わりないじぇ」
優希「ずるいじぇずるいじぇえ! 私だって用事が欲しいんだじょ!」
京太郎「あー、うるせえなあ……」
京太郎「あっ、じゃあさ。お前も一緒に来るってのはどうだ?」
優希「……え?」
京太郎「俺とハギヨシさんと、一緒に遊ぼうぜってことだよ。人数が多い方が楽しいだろうしな」
優希「い……いいのか? 迷惑じゃないか?」
京太郎「おうっ。俺は構わねえし、ハギヨシさんだって喜ぶだろ、絶対」
優希「そ、そうか……!」パアアア
優希「なら、早速出発進行だじぇ! ○○駅まで、全速りょーーく!!」ダダダダッ
京太郎「お、おい! 優希って……ああもう」
京太郎「待てってば! 俺を置いて行くんじゃねー!!」ダダッ
優希「えへへー! ノロノロしてるそっちが悪いんだじぇー!」
京太郎「んだとー!? よーーし! 覚悟してろよ! 数秒後、お前は地獄を見ることになる!! 元ハンドボール部の実力みせてやるぜぇ!!」ダダダダダッ
優希「うぉっ、早い!? 捕まってやるもんかぁ!」ダダダダッ
アハハハハ……
実に、平和だった。
カンッ
京太郎「まだ一時だけど、どうせ部活もまともにできない状況な分けだしな。ちょっと早めに出とこうかなって」
優希「ぶー。結局裏切ってることには変わりないじぇ」
優希「ずるいじぇずるいじぇえ! 私だって用事が欲しいんだじょ!」
京太郎「あー、うるせえなあ……」
京太郎「あっ、じゃあさ。お前も一緒に来るってのはどうだ?」
優希「……え?」
京太郎「俺とハギヨシさんと、一緒に遊ぼうぜってことだよ。人数が多い方が楽しいだろうしな」
優希「い……いいのか? 迷惑じゃないか?」
京太郎「おうっ。俺は構わねえし、ハギヨシさんだって喜ぶだろ、絶対」
優希「そ、そうか……!」パアアア
優希「なら、早速出発進行だじぇ! ○○駅まで、全速りょーーく!!」ダダダダッ
京太郎「お、おい! 優希って……ああもう」
京太郎「待てってば! 俺を置いて行くんじゃねー!!」ダダッ
優希「えへへー! ノロノロしてるそっちが悪いんだじぇー!」
京太郎「んだとー!? よーーし! 覚悟してろよ! 数秒後、お前は地獄を見ることになる!! 元ハンドボール部の実力みせてやるぜぇ!!」ダダダダダッ
優希「うぉっ、早い!? 捕まってやるもんかぁ!」ダダダダッ
アハハハハ……
実に、平和だった。
カンッ
>>216 修正
健夜(あ、そうだ。他の皆は……)チラッ
はやり「もう百回、こっち向けや♪ 殺意の狭間愛のfuture♪ だーかーら、こっち向けや♪ 四角い宇宙はーい(牌)を乗せーて♪」キャピッ
京太郎クローン×20「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! L・O・V・E!! は、や、りーん!!」ワアアアアア
京太郎クローン「……あ?」ドサッ
咏「何が起きたか、全くわかんなかったろ?」
咏「そりゃそうだ。私にもわかんねー」
咏「何が起こったのか、全てがわかんねー」
咏「わからなさ過ぎる……どうなってんだ?」
咏「それが、私の能力だからねぃ」
健夜(うん。大丈夫そうだね)
健夜(あ、そうだ。他の皆は……)チラッ
はやり「もう百回、こっち向けや♪ 殺意の狭間愛のfuture♪ だーかーら、こっち向けや♪ 四角い宇宙はーい(牌)を乗せーて♪」キャピッ
京太郎クローン×20「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! L・O・V・E!! は、や、りーん!!」ワアアアアア
京太郎クローン「……あ?」ドサッ
咏「何が起きたか、全くわかんなかったろ?」
咏「そりゃそうだ。私にもわかんねー」
咏「何が起こったのか、全てがわかんねー」
咏「わからなさ過ぎる……どうなってんだ?」
咏「それが、私の能力だからねぃ」
健夜(うん。大丈夫そうだね)
これで終わりです
思った以上のゴミに仕上がりましたけど、楽しかったです
ありがとうございました
早速依頼出してきます!
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>>207
洋榎「えー、流石にまたマクラから始めるんは面倒なんで、早速。『愛宕山』」
京太郎クローン×20「……!?」ザワザワ
洋榎「……えっと、なんやったかな……ああ、そうや」
洋榎「祇園町を出ますと、芸者、舞妓、御茶屋の女将さん、それに一八、茂八の両名の太鼓持ちもお供をいたしまして」
洋榎「西へ西へ、鴨川を渡りまして、堀川も越えまして、二条のお城、こいつも尻目にころしまして、どんどんどんどん西へ出てまいりますと」
洋榎「野辺へかかって参ります。そこは春先のことで、空にはひばりがピーチクパーチクピーチクパーチクさえずっていようか陽炎が燃えていようかという」
洋榎「遠山にはパーっと霞の帯を引いたよう。麦が青々と伸びた中を菜種の花が彩っていようかというほん陽気、やかましゅうてやって参りますその道中の、よぉ気なことぉ!」
洋榎「……」
洋榎「あっ、こっから先もちょいと忘れたんで、唄のパートいきます」
京太郎クローン×20「!?!?」
洋榎「あたーご山坂♪ えーえぇぇ坂♪ 二十五丁目の茶屋のかかぁー♪ ばば旦那さん♪ ちと、休みなんんしぃぃー♪」
洋榎「あた……。あ」
洋榎「忘れた」
京太郎クローン×20「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」シュウウウウウウ
洋榎「うわっ!?」
洋榎「な、なんかよう分からんけど……」
洋榎「勝ったわ」ガッツポーズ
洋榎「えー、流石にまたマクラから始めるんは面倒なんで、早速。『愛宕山』」
京太郎クローン×20「……!?」ザワザワ
洋榎「……えっと、なんやったかな……ああ、そうや」
洋榎「祇園町を出ますと、芸者、舞妓、御茶屋の女将さん、それに一八、茂八の両名の太鼓持ちもお供をいたしまして」
洋榎「西へ西へ、鴨川を渡りまして、堀川も越えまして、二条のお城、こいつも尻目にころしまして、どんどんどんどん西へ出てまいりますと」
洋榎「野辺へかかって参ります。そこは春先のことで、空にはひばりがピーチクパーチクピーチクパーチクさえずっていようか陽炎が燃えていようかという」
洋榎「遠山にはパーっと霞の帯を引いたよう。麦が青々と伸びた中を菜種の花が彩っていようかというほん陽気、やかましゅうてやって参りますその道中の、よぉ気なことぉ!」
洋榎「……」
洋榎「あっ、こっから先もちょいと忘れたんで、唄のパートいきます」
京太郎クローン×20「!?!?」
洋榎「あたーご山坂♪ えーえぇぇ坂♪ 二十五丁目の茶屋のかかぁー♪ ばば旦那さん♪ ちと、休みなんんしぃぃー♪」
洋榎「あた……。あ」
洋榎「忘れた」
京太郎クローン×20「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」シュウウウウウウ
洋榎「うわっ!?」
洋榎「な、なんかよう分からんけど……」
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面白かったで!
もっと京太郎手に入れてからの描写書いてもエエんやで
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