私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
元スレ竹井久「一雀士に一体『須賀京太郎』」
SS+ スレッド一覧へ / SS+ とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★
レスフィルター : (試験中)
膨張するってことは全身の痛覚神経が満遍なくちぎれるってことだから
タンスの角に小指をぶつける痛みが全身に広がる感じじゃないかな
タンスの角に小指をぶつける痛みが全身に広がる感じじゃないかな
良子「どうやらかなりマズイ事態になっているようですね」
健夜「……そうかな? 私はそうは思わないけど」
良子「ワット? どういう意味ですか、小鍛治プロ」
咏「何か考えでもあるんですかねぃ?」
健夜「うん……。さっきの映像の内容から考えるに、これからあの京くんは“増える”」
健夜「ねえ。それって凄い……チャンスだって思わないかな?」
良子「……チャンス? ああ、なるほど……」
はやり「あー、そうかも☆ うんうん。確かにチャンスだね☆」
理沙「時は訪れた!」
咏「わっかんねー! 全てがわかんねー!」ウズウズ
良子「そのフェイスを見る限りだと、全然分かっていないようには見えませんが……」
咏「あはは、気のせいだって、気のせい」
靖子「……」
久「あー……もう、嘘でしょ!」
和「ど、どうしましょう!?」アタフタ
久「こうなったらもう止める術はない……」
和「そ、そんな……」
和「そ、そもそも部長があのスイッチをここに持ってきてさえいなければ、こんな事態にはならなかったのではないですか!?」
和「あんなもの、発表中に使う予定も無かったんですから!」
久「その辺りには色々と事情があるのよ……」
久「とにかく、今は来場者の皆さんを一刻も早く避難させないと」
和「え? ひ、避難ですか?」
久「ええ。須賀君クローンは休眠状態から無理やり覚醒させられると、理性を失ったケモノと化してしまうのよ」
久「一度目にしたものを追い続け……捕食しようとする、半端ない凶暴性を有したケモノ……」
久「それが今、“何十体にも増えた状態で”檻から抜け出そうとしている」
和「は、はあっ!? なんですかそれ、一大事じゃないですか!」
久「だから避難させなきゃって言ってるの! 私だって内心すっごい焦ってるんだからそんなに大声出さないでよ!」
久「み、皆様! 一刻も早く左右の非常口、または後ろの出口から避難してください! 予期せぬトラブルがこちら側で発生しました!」
ザワザワザワ!
霞「やはりね……」
洋榎「後は、霞の読みが当たっていることを祈るばかりやな」
久「一度目にしたものを追い続け……捕食しようとする、半端ない凶暴性を有したケモノ……」
久「それが今、“何十体にも増えた状態で”檻から抜け出そうとしている」
和「は、はあっ!? なんですかそれ、一大事じゃないですか!」
久「だから避難させなきゃって言ってるの! 私だって内心すっごい焦ってるんだからそんなに大声出さないでよ!」
久「み、皆様! 一刻も早く左右の非常口、または後ろの出口から避難してください! 予期せぬトラブルがこちら側で発生しました!」
ザワザワザワ!
霞「やはりね……」
洋榎「後は、霞の読みが当たっていることを祈るばかりやな」
桃子「先輩、にげるっすよ!」ガシッ
ゆみ「なっ!? も、モモ!? おい、どこに連れていくつもりだ!?」
桃子「説明してる時間はないんっすよぉ!」ダダッ
ゆみ「う、うわぁ!? モモ――」
蒲原「……ん? ユミちんはどこいったんだー」ワハハ
佳織「さ、さあ……。さっきまではここに居たと思うんだけど……」
佳織「睦月さんは? 加治木先輩がどこ行ったか分かる?」
睦月「うむ。加治木先輩なら、つい13秒前に桃子が連れ去っていったけど」
蒲原「そうなのかー」ワハハ
蒲原「これがうわさの逃避行ってやつだな。ドラマで見たぞ」ワハハ
佳織「ち、違う気がする。何がやましくて逃避行なんてするの……」
久「今、須賀君クローンは非常に危険な状態にあります!」
ザワ
久「休眠状態から無理やり覚醒状態へと移行させられた須賀君クローンは、目に映るもの全てを破壊しようとする化け物になってしまうのです」
久「このまま膨張が進み破裂、更に分裂してしまえば、その須賀君クローンが何十体にも増えることになります」
久「そうなれば、皆様の命も危ういかもしれません!」
ナ、ナンダッテー!!
久「繰り返します! 左右の非常口、及び後ろの出口から一刻も早い避難を――」
京太郎クローン「ア、アアアアアアァァァァァァァ!!!」ブクブクブクブク
久「え? 嘘でしょ!? もう破裂段階!? ちょっと早すぎ――」
パァンッ!
ビチャビチャ……
キャアアアアアア!!
ウワアアア!?
ヒィィィ
ザワ
久「休眠状態から無理やり覚醒状態へと移行させられた須賀君クローンは、目に映るもの全てを破壊しようとする化け物になってしまうのです」
久「このまま膨張が進み破裂、更に分裂してしまえば、その須賀君クローンが何十体にも増えることになります」
久「そうなれば、皆様の命も危ういかもしれません!」
ナ、ナンダッテー!!
久「繰り返します! 左右の非常口、及び後ろの出口から一刻も早い避難を――」
京太郎クローン「ア、アアアアアアァァァァァァァ!!!」ブクブクブクブク
久「え? 嘘でしょ!? もう破裂段階!? ちょっと早すぎ――」
パァンッ!
ビチャビチャ……
キャアアアアアア!!
ウワアアア!?
ヒィィィ
久「そんな……!」
和「うっ……」
洋榎「う、うおぉ……。見てて気持ちええもんやないなあ、やっぱ」オェ
霞「え、ええ。私も、生でああいうのを見るのは少し」ウッ
洋榎「映像と生とじゃあ、全然ちゃうもんなんやなあ……」
洋榎「んでも、そうやってリアルを感じるからこそ分かるっちゅうもんもあるな」
洋榎「あの破裂、人の形したもんにやらせていいことやない。あないモルモっちゃんみたいに扱われて……なんや、滅茶苦茶可哀想やわ。須賀はブチ切れてもええ……」
霞「そう、ね。幾らクローンだからといっても、やっていいことと悪いことがあると思うわ」
霞「だからこそ、私達が救い出してあげなければならないのよ」
洋榎「せやな! 姫松パワーをばっちしどっぷりぽっきりと見せつけたるわ!」
霞「ぽっきり、はどうなのかしらね……」
久「み、皆様! クローンのことは気にせずに早く避難を!」
ヒィィィ
アアアアア
イヤァァァ
久「落ち着いて下さい、皆様! 一刻も早く避難をお願いします!」
ワーワー
久「み、皆様! 本気で非常時なんです! 早くひな――」
ギャーギャー
久「っく! 何やってんのよこの人たちは……」
和「全然効果ナシですね……」
久(何!? 何なの!? こっちが必死に呼びかけてるって言うのに、さっきから殆どの人が立とうともしてないじゃない!)
久(このワーワーギャーギャーっていう叫び声はどこから上がってるのよ!?)
久(あーもう! 成程ねぇ! 自分の実力に自身アリって訳!?)
久(これがどんだけ危険な状況なのかまるで分かってない癖にぃ!)
久(――ってダメ、ダメよ、久。元はといえば、悪いのは全て私なんだから。あんなスイッチを持ってこなくても良い様に私が須賀君クローンを安定させておけば、こんなことにはならなかったんだから)
久(あくまで私は司会進行として、成すべきことを成すだけよ)
久「譲り合っての避難をお願いします! (現在大部分を占めている)ご着席の方々も、どうか避難を――」
ズズ……
ズズズズズズズズ!
良子「他人による雀力のプロヴィジョンを受けてもいないのに、再生のスピードが映像の方の京太郎君クローンとは段違いに速くなっていますね」
健夜「うん……。それに、ごく僅かな肉片からも『本体』が作られようとしてる」
健夜「増える個体数もかなり多くなってきそうだね……」
咏「久々に死線潜り抜けることになるんかなー? 知らんけど」ウズウズ
理沙「バトル!」プンスコ
ズズズズズズズ……ズズ……ズズズ
久(数十の肉片が既に、それぞれ須賀君を形成しかけている……)
久(完全再生まであと3秒、といったところかしら)
和「部長! どうするんですかっ! ぶちょう!」
久(もう駄目、ね……)
カッ
ここまでです
ありがとうございました!
>>150
スイッチを押した際、自爆(破裂)命令と同時に脳と神経との繋がりを遮断する電気信号も発せられるようになっていますので、須賀君クローンは膨張している時も破裂する時も、全く痛みを感じていません。
竹井さんは女神ですね。
ありがとうございました!
>>150
スイッチを押した際、自爆(破裂)命令と同時に脳と神経との繋がりを遮断する電気信号も発せられるようになっていますので、須賀君クローンは膨張している時も破裂する時も、全く痛みを感じていません。
竹井さんは女神ですね。
話の収集がつかなくて逃げたか
まぁいきあたりばったりで正直面白くもなかったし当然か
まぁいきあたりばったりで正直面白くもなかったし当然か
何がしたかったのか、咲でやる必要あったのか
ともかく今後の展開に期待してましたが糞スレで残念でした
ともかく今後の展開に期待してましたが糞スレで残念でした
いやいや今日はここまでってことでしょ、まだまだ続く...よね?
元々頭おかしいんじゃないかと疑ってはいたが……この久が女神とか真性だったか
なんか気づいたら大分間が空いてましたね。申し訳ない。
これで終わりじゃないです
投下しままーす
これで終わりじゃないです
投下しままーす
>>159から
京太郎クローン×60「……」シュウウウ
ザワザワ
久「やはり、多い……」
久(軽く見積もって30体……。いえ、40は行っているわ。多分)
和(ぴったし60体ですか……。予想以上の数です……)
洋榎「うぉっ!? 吃驚仰天やな。ステージ埋め尽くすくらい増えおったで……?」
霞「何人かはステージの縁にしがみついているわね……。こういってはなんだけど、ちょっとみっともない感じだわ」
洋榎「向こうさんも必死なんや……察したれ」
京太郎クローン×60「……」シュウウウ
ザワザワ
久「やはり、多い……」
久(軽く見積もって30体……。いえ、40は行っているわ。多分)
和(ぴったし60体ですか……。予想以上の数です……)
洋榎「うぉっ!? 吃驚仰天やな。ステージ埋め尽くすくらい増えおったで……?」
霞「何人かはステージの縁にしがみついているわね……。こういってはなんだけど、ちょっとみっともない感じだわ」
洋榎「向こうさんも必死なんや……察したれ」
衣「……うみゅ。……む?」パッチリ
衣(起きてみたら、キョータローが舞台の上に累々としている……)
衣(こ、これは一体? 衣の寝ている間に何が……)
透華「あら、衣。起きたんですの?」
衣「う、うむ。何やら辺りが喧騒としてきたと思ってな」
衣「それにしても、これは一体? 流石の衣にも、この状相を理解できる気は毫程もしない……」
一「あ、そっか。衣は説明とか何にも聞いてなかったもんね」
純「んじゃあ簡単に説明するとだな……。あそこに沢山居る須賀……は分かるよな?」
衣「うんっ! ハギヨシがよく、莞爾とした面持ちをしながらキョータローの話をしてくれるからな」
純「……そうか、うん」
衣「純?」
純「いや、何でもない。それで、あの須賀達は本物の須賀じゃなくてそのクローン……つまり人造人間らしいんだわ」
衣「人造人間っ!? すごいっ! 浪漫に溢れる響きだっ!」
純「お、おう。んでまあ、始めはあの須賀も一人だけだったんだけどな。そっから……いろいろあって。今に至るって訳だ」
衣「……? その色々が肝要ではないのか?」
透華「ええ。まあ……色々としか言えない感じですわね……」
智紀「……複雑な事情があるから」コクリ
衣「……? 変な皆だ」ウーン
一「あはは……」
純(……それにしても)チラッ
京太郎クローン×60 ゴゴゴゴゴゴ
純(この光景、ハギヨシがみたらきっと歓喜するんだろーなあ……)
__________________
________________
___________
時は少し戻り、発表当日の3日前
<龍門渕家 屋敷>
ハギヨシ「――休暇、ですか?」
透華「その通りですわ! 明々後日の日曜日に、私達が発表を聞きにある場所へと赴くのは知っていますわよね?」
ハギヨシ「はい。勿論存じております。しかし、何故それが私の休暇へと繋がるのでしょうか……」
一「実はさ。ってのが、男子禁制みたいなんだよね」
透華「だから、ハギヨシに付いて来てもらっては困るんですの」
ハギヨシ「男子、禁制……ですか。初耳ですね」
一(まあ、嘘だしね)
ハギヨシ「成る程。確かにそれでは、私がずっと付き添う訳にはいきませんね」
ハギヨシ「……かと言って、私にやれることが一つも無いことは無いかと思われます」
ハギヨシ「お出かけの最中透華お嬢様達に危険が及ばぬよう、せめて送迎だけでも……」
透華「ダメですわ! 明々後日、ハギヨシは休暇を取る……。これは決定事項ですのよ」
透華「それに、わたくし達も雀士の端くれ。身に降りかかる危険くらい、自力でどうにかできますわ」
ハギヨシ「しかし……」
透華「聞こえませんでしたの? これは、決・定・事・項ですわ。貴方を主の命令に従わないような不忠義者に育てた覚えはありませんけれど……?」
一(育てた……?)
ハギヨシ「……。了解しました。お言葉に甘えて、明々後日は休養をとらせて頂きます」
透華「それでいいですわ! 久々の休暇でしょうから……しっかり体を休めて下さいまし」
透華「勿論、屋敷での家事や雑務も禁止ですわよ? 明後日はぜぇーったいに、働いてはいけません! いいですわね?」
ハギヨシ「……はっ。ご好意に感謝いたします」
一(こんな脅すような真似しなくたって、最初から休んで欲しいって言えばきちんと伝わると思うんだけどなあ……)
ハギヨシ「……かと言って、私にやれることが一つも無いことは無いかと思われます」
ハギヨシ「お出かけの最中透華お嬢様達に危険が及ばぬよう、せめて送迎だけでも……」
透華「ダメですわ! 明々後日、ハギヨシは休暇を取る……。これは決定事項ですのよ」
透華「それに、わたくし達も雀士の端くれ。身に降りかかる危険くらい、自力でどうにかできますわ」
ハギヨシ「しかし……」
透華「聞こえませんでしたの? これは、決・定・事・項ですわ。貴方を主の命令に従わないような不忠義者に育てた覚えはありませんけれど……?」
一(育てた……?)
ハギヨシ「……。了解しました。お言葉に甘えて、明々後日は休養をとらせて頂きます」
透華「それでいいですわ! 久々の休暇でしょうから……しっかり体を休めて下さいまし」
透華「勿論、屋敷での家事や雑務も禁止ですわよ? 明後日はぜぇーったいに、働いてはいけません! いいですわね?」
ハギヨシ「……はっ。ご好意に感謝いたします」
一(こんな脅すような真似しなくたって、最初から休んで欲しいって言えばきちんと伝わると思うんだけどなあ……)
<廊下>
ハギヨシ(……さて。透華お嬢様に休暇を言い渡された訳ですが……)テクテク
ハギヨシ(正直な所、何をしていいのか全く分かりませんね)
ハギヨシ(屋敷での仕事に従事するのが私の『日常』でしたから……)
ハギヨシ(勿論、仕事合間のティータイムや夜の『お楽しみタイム』等、くつろぎの時間は私にもありますが)
ハギヨシ(丸一日がぽっかりと空く、というのを経験したことは一度もありませんからね……)
ハギヨシ(……そうだ、あの方を誘って食事にでも――)
ハギヨシ(いえ、いけません。あの方にもきっと用事がある筈。あの方のことですから、私なんかの誘いを断るのにも心を痛めてしまうでしょう)
ハギヨシ(そんな手間を取らせてしまうのは、龍門渕家の執事として余りに礼を欠いています)
ハギヨシ(……かと言って、他に思いつく事もありませんが。取り合えず今日明日のところは仕事に専念して、その合間にでも予定を――)
純「あれ、ハギヨシ? どうしたんだよ、思いつめた様な顔して」
ハギヨシ「……? ああ、井上さんですか」
純「ハギヨシがそんな顔してんの、初めて見たかも知れねえな。なにかあったのか?」
ハギヨシ「ええ……実はですね」
ハギヨシ(……さて。透華お嬢様に休暇を言い渡された訳ですが……)テクテク
ハギヨシ(正直な所、何をしていいのか全く分かりませんね)
ハギヨシ(屋敷での仕事に従事するのが私の『日常』でしたから……)
ハギヨシ(勿論、仕事合間のティータイムや夜の『お楽しみタイム』等、くつろぎの時間は私にもありますが)
ハギヨシ(丸一日がぽっかりと空く、というのを経験したことは一度もありませんからね……)
ハギヨシ(……そうだ、あの方を誘って食事にでも――)
ハギヨシ(いえ、いけません。あの方にもきっと用事がある筈。あの方のことですから、私なんかの誘いを断るのにも心を痛めてしまうでしょう)
ハギヨシ(そんな手間を取らせてしまうのは、龍門渕家の執事として余りに礼を欠いています)
ハギヨシ(……かと言って、他に思いつく事もありませんが。取り合えず今日明日のところは仕事に専念して、その合間にでも予定を――)
純「あれ、ハギヨシ? どうしたんだよ、思いつめた様な顔して」
ハギヨシ「……? ああ、井上さんですか」
純「ハギヨシがそんな顔してんの、初めて見たかも知れねえな。なにかあったのか?」
ハギヨシ「ええ……実はですね」
~説明後~
純「はー、透華が休暇を、ねえ」
純(あの発表に男子部員が来ちゃいけないってな決まりなんてあったっけか? んー、まあそういうことならあるんだろうな。実際オレもよく知らねえし)
ハギヨシ「はい。しかし、その休暇をどう過ごせばいいのかが悩みどころでして」
純「あー。確かにヨッシーが休みとってる所なんて、オレは一度も見たことねえな」
ハギヨシ「ええ。実を言いますと、私はこの龍門渕家で働かせて頂くようになった日から一度も、休日というのを経験したことがないんです」
純「はあー? 一度も……って、そりゃマジかよ。んじゃあこの十数年ずっと、ここで働き詰めだったって訳か?」
ハギヨシ「それが執事としての当然の務めですから。それに働き詰め、という訳ではありません。一応、くつろぐ時間は十二分にとっているつもりですよ」
純「そ、そうっすか……」
純(一日十何時間の労働に対しての十数分のティータイムが、果たして“十二分”なくつろぎの時間と言えるのかどうか……)
純(今が中世だったらそういうこともありえるんだろうけどなあ。スケジュールだけ見れば最早、奴隷のそれだろ)
純「あー……でも、そうだなあ……。そんなハギヨシにピッタシな休みの使い方、か……」
純「あっ」ピコン
純「ああ! そうだよ、アイツがいるじゃねーか」
ハギヨシ「はい? アイツ……とは?」
純「はー、透華が休暇を、ねえ」
純(あの発表に男子部員が来ちゃいけないってな決まりなんてあったっけか? んー、まあそういうことならあるんだろうな。実際オレもよく知らねえし)
ハギヨシ「はい。しかし、その休暇をどう過ごせばいいのかが悩みどころでして」
純「あー。確かにヨッシーが休みとってる所なんて、オレは一度も見たことねえな」
ハギヨシ「ええ。実を言いますと、私はこの龍門渕家で働かせて頂くようになった日から一度も、休日というのを経験したことがないんです」
純「はあー? 一度も……って、そりゃマジかよ。んじゃあこの十数年ずっと、ここで働き詰めだったって訳か?」
ハギヨシ「それが執事としての当然の務めですから。それに働き詰め、という訳ではありません。一応、くつろぐ時間は十二分にとっているつもりですよ」
純「そ、そうっすか……」
純(一日十何時間の労働に対しての十数分のティータイムが、果たして“十二分”なくつろぎの時間と言えるのかどうか……)
純(今が中世だったらそういうこともありえるんだろうけどなあ。スケジュールだけ見れば最早、奴隷のそれだろ)
純「あー……でも、そうだなあ……。そんなハギヨシにピッタシな休みの使い方、か……」
純「あっ」ピコン
純「ああ! そうだよ、アイツがいるじゃねーか」
ハギヨシ「はい? アイツ……とは?」
純「清澄の雑用だよ。須賀京次郎……っていったっけか」
ハギヨシ「ああ。『須賀京太郎』くんですね」
純「そうそう、そいつ。その須賀を誘ってどっかに遊びに行きゃいいんじゃないっすかね?」
純「確かハギヨシ、アイツとかなり仲が良かっただろ?」
ハギヨシ「ええ。とても良くしてもらっております」
ハギヨシ「……実を言いますと、京太郎くんを誘って食事に行くというのは私も一度考えたのです。……しかし」
純「しかし、何だよ」
ハギヨシ「……迷惑になるかと思いまして」
純「はあっ? いやいや、迷惑になんて絶対なんねーって。何を遠慮することがあるんだよ」
ハギヨシ「もし、京太郎くんに既に用事があった場合、私の誘いを断らせてしまうことになります」
ハギヨシ「京太郎くんはきっとそれに心を痛めてしまうことだろうと考えると、どうにも気が進まなくてですね……」
純「え、ええ……?」
純(何かどこぞの乙女みてーな考え方だな……)
ハギヨシ「ああ。『須賀京太郎』くんですね」
純「そうそう、そいつ。その須賀を誘ってどっかに遊びに行きゃいいんじゃないっすかね?」
純「確かハギヨシ、アイツとかなり仲が良かっただろ?」
ハギヨシ「ええ。とても良くしてもらっております」
ハギヨシ「……実を言いますと、京太郎くんを誘って食事に行くというのは私も一度考えたのです。……しかし」
純「しかし、何だよ」
ハギヨシ「……迷惑になるかと思いまして」
純「はあっ? いやいや、迷惑になんて絶対なんねーって。何を遠慮することがあるんだよ」
ハギヨシ「もし、京太郎くんに既に用事があった場合、私の誘いを断らせてしまうことになります」
ハギヨシ「京太郎くんはきっとそれに心を痛めてしまうことだろうと考えると、どうにも気が進まなくてですね……」
純「え、ええ……?」
純(何かどこぞの乙女みてーな考え方だな……)
純「あー、まあ、多分大丈夫だろ。アイツ、いつも結構暇そうにしてるし」
ハギヨシ「そう、でしょうか?」
純「おう」
純(全然知らんけどな)
ハギヨシ「ならば……。いえ、でもやはり……」
純「あああぁぁ。じれってえなあもう」
純「そんなに断られるのが怖いってんなら、オレの方から連絡を取ってやるよ」
ハギヨシ「なっ!? いえ、これは私の問題です。井上さんにその様なことをさせる訳には……」
純「あー? いつもいつもお節介にオレたちのことを手伝ったりしてる癖に、いざ自分のこととなれば関わんなってか? 水臭いだろ、そんなん」
純「というか、もう遅い。既に須賀にメールは送ってある」
ハギヨシ「!?」
ハギヨシ(は、早い……。この私が全く知覚できなかった……)
ハギヨシ「そう、でしょうか?」
純「おう」
純(全然知らんけどな)
ハギヨシ「ならば……。いえ、でもやはり……」
純「あああぁぁ。じれってえなあもう」
純「そんなに断られるのが怖いってんなら、オレの方から連絡を取ってやるよ」
ハギヨシ「なっ!? いえ、これは私の問題です。井上さんにその様なことをさせる訳には……」
純「あー? いつもいつもお節介にオレたちのことを手伝ったりしてる癖に、いざ自分のこととなれば関わんなってか? 水臭いだろ、そんなん」
純「というか、もう遅い。既に須賀にメールは送ってある」
ハギヨシ「!?」
ハギヨシ(は、早い……。この私が全く知覚できなかった……)
ピロリン
ハギ純「!」
純「お、随分早い返信だな。どれどら……」
ハギヨシ「……」ドキドキ
純「おっ……」
ハギヨシ「……?」
純「喜んでオッケーでーす、だってよ」
ハギヨシ「!」パァ
ハギヨシ「そ、そうですか! それはよかった……」
純「ほら、言っただろ? そんなに心配するこたねえんだよ」
ハギヨシ「はい。その通りでしたね。少し、京太郎くんに対して臆病になりすぎて居たかも知れません」
純「で……、時間と待ち合わせ場所はどこにするかって聞いてるぜ」
純「『部活の朝練があるから午前は無理だけど、午後からならいつでも』……って書いてあんな。どうする?」
ハギヨシ「ええと、それならば――」
ハギ純「!」
純「お、随分早い返信だな。どれどら……」
ハギヨシ「……」ドキドキ
純「おっ……」
ハギヨシ「……?」
純「喜んでオッケーでーす、だってよ」
ハギヨシ「!」パァ
ハギヨシ「そ、そうですか! それはよかった……」
純「ほら、言っただろ? そんなに心配するこたねえんだよ」
ハギヨシ「はい。その通りでしたね。少し、京太郎くんに対して臆病になりすぎて居たかも知れません」
純「で……、時間と待ち合わせ場所はどこにするかって聞いてるぜ」
純「『部活の朝練があるから午前は無理だけど、午後からならいつでも』……って書いてあんな。どうする?」
ハギヨシ「ええと、それならば――」
純(あー、良いことした後は気持ちが良いな、やっぱ)テクテク
純(にしても、須賀からオッケーのメールが返って来た時のハギヨシの顔……)
純(正に喜色満面って感じだったな)ハハッ
純(普段もニコニコしながら楽しそうに仕事をしてはいるけど……)
純(あんな、普通の男子高校生みたいにはしゃぐハギヨシを見るのは初めてだわ)
純(レアシーン、なんてもんじゃねえだろうなあ、あれ。正直、写真に収めときゃよかったって後悔してる――)
純「って、あ!」
純(そうだ、やべえやべえ。さっき届いた“アレ”、どこに設置すればいいのかってハギヨシに聞かなきゃいけねーんだった)
純(あんまりにも思いつめた顔してたもんだからそっちの方に気が行って、そのことすっかり忘れてたわ)
純(にしても、須賀からオッケーのメールが返って来た時のハギヨシの顔……)
純(正に喜色満面って感じだったな)ハハッ
純(普段もニコニコしながら楽しそうに仕事をしてはいるけど……)
純(あんな、普通の男子高校生みたいにはしゃぐハギヨシを見るのは初めてだわ)
純(レアシーン、なんてもんじゃねえだろうなあ、あれ。正直、写真に収めときゃよかったって後悔してる――)
純「って、あ!」
純(そうだ、やべえやべえ。さっき届いた“アレ”、どこに設置すればいいのかってハギヨシに聞かなきゃいけねーんだった)
純(あんまりにも思いつめた顔してたもんだからそっちの方に気が行って、そのことすっかり忘れてたわ)
純(今は……休憩時間か。だったら、使用人用の休憩室か自室かのどっちかに居るってことになるが)
純(でもまあ、多分自室の方だろうな。後は自分の携帯で須賀と連絡を取り合うーっつってたし)
純(貴重な休憩時間&メールタイムをちっと削らせてもらうことになっちまうけど……。ま、取り次いでやった訳だし許してくれるだろ)
<ハギヨシの部屋>
コンコンコン
純「すみませーん。ハギヨシさーん? ちっと聞きたいことがあるんすけどー」
シーン
純「……あら? 居ないのかね」
純(何時もなら直ぐに返事してくれんだけどな)
純(……一応、もう一回)
コンコンコン
純「おーい、ハギヨシー? 居ないんっすかー?」
シーン
純「……っぱり駄目か」
純(休憩室の方に居るのかね? 案外直ぐにメールでのやりとりは終わったのかもな)
純(……それともまさか、須賀とのメールに夢中でノックに気付いて無いとかか?)
純(って、ハハハ。ないない。そりゃちょっと考えられねえわ。まさかあのハギヨシがそんな公私混同するだなんて)
純(……)
純(でも、気になるな……)
純(でもまあ、多分自室の方だろうな。後は自分の携帯で須賀と連絡を取り合うーっつってたし)
純(貴重な休憩時間&メールタイムをちっと削らせてもらうことになっちまうけど……。ま、取り次いでやった訳だし許してくれるだろ)
<ハギヨシの部屋>
コンコンコン
純「すみませーん。ハギヨシさーん? ちっと聞きたいことがあるんすけどー」
シーン
純「……あら? 居ないのかね」
純(何時もなら直ぐに返事してくれんだけどな)
純(……一応、もう一回)
コンコンコン
純「おーい、ハギヨシー? 居ないんっすかー?」
シーン
純「……っぱり駄目か」
純(休憩室の方に居るのかね? 案外直ぐにメールでのやりとりは終わったのかもな)
純(……それともまさか、須賀とのメールに夢中でノックに気付いて無いとかか?)
純(って、ハハハ。ないない。そりゃちょっと考えられねえわ。まさかあのハギヨシがそんな公私混同するだなんて)
純(……)
純(でも、気になるな……)
純(もし本当にメールに夢中になってんなら、そこをひっそりと写真に撮って、後でからかいの材料にしたりもできる訳だし)
純(居なかったら居なかったでかまわねえ。その場合休憩室に居るってことになるから、そっちの方行って普通に質問すりゃ済む話だ)
純(うん何の問題もねぇな。よし、覗こう)
純(んじゃま、失礼しまーす)
ガチャ
純(って、お?)
ハギヨシ「……」
純(おいおい、マジで居るじゃ――)
純「えっ?」
純(居なかったら居なかったでかまわねえ。その場合休憩室に居るってことになるから、そっちの方行って普通に質問すりゃ済む話だ)
純(うん何の問題もねぇな。よし、覗こう)
純(んじゃま、失礼しまーす)
ガチャ
純(って、お?)
ハギヨシ「……」
純(おいおい、マジで居るじゃ――)
純「えっ?」
ハギヨシの部屋のドアをこっそりと開けた純。
ドアノブに手をかけ、そっと回し、押し出す……。その一連の行動を終えるまで純の中にあったのは、
きっとハギヨシはこの部屋には居ないだろうと言う予想と、「ハギヨシのお茶目な部分を見れるかもしれない」というごくわずかばかりの期待だった。
しかし、その次の瞬間に純の目に映ったのは、それらの予想も、期待も、全て裏切るものであった。
ハギヨシは確かに部屋に居た。それも、部屋のど真ん中に。誰にでもきちんと、その存在を確認できるようにと言わんばかりに、ドアを開けた瞬間目に入る位置に、ハギヨシは居たのだ。
それだけなら良かった。純の予想と期待の内、期待の方が真実に近かったというだけのことなのだから。
ただ、問題だったのは、彼の“状態”……いや、この部屋“全体”だった。
壁、床、天井……そして、カーテン。その全てに満遍なく、あるものが貼り付けられていた。
誰かの写真だ。ある一人の人物が収められた写真。
無限にあるのではと錯覚させられる程に夥しく、大量の写真がそこに存在していた。しかし、同じ写真は一つとしてなかった。その人物が写っているというのは全てに共通してはいるものの、正面から、横から、後ろから、遠くから、近くから等、その人物をどの角度・距離から撮っているかは一定していない。
当然写真によって、写されているその人物の表情も違う。笑った顔や、泣き顔、拗ねた様な顔まで、様々な表情が網羅されていた。
まるで、その人物の人生というものが、この小さな部屋で延々と再生させられているかのようだった。
一つ一つの写真が写す場面は全く違うはずなのに、こうして全体を眺めると、それら全てが連関して、一つの映像を紡ぎ出しているかのように見えた。
そしてその人物は、綺麗な金色の髪を持っていた。写真からも見て取れる、きめ細やかな金髪。またその所為か、部屋全体がキラキラと輝いているようにも見える。
……ハギヨシと関わりのある、金髪の人物。それは、ごく限られている。
そう、純はそれらの写真の被写体が誰であるのかを知っていた。
「龍門渕透華」
――ではなく、「天江衣」
――でも全然なく。
「須賀京太郎」だ。
ドアノブに手をかけ、そっと回し、押し出す……。その一連の行動を終えるまで純の中にあったのは、
きっとハギヨシはこの部屋には居ないだろうと言う予想と、「ハギヨシのお茶目な部分を見れるかもしれない」というごくわずかばかりの期待だった。
しかし、その次の瞬間に純の目に映ったのは、それらの予想も、期待も、全て裏切るものであった。
ハギヨシは確かに部屋に居た。それも、部屋のど真ん中に。誰にでもきちんと、その存在を確認できるようにと言わんばかりに、ドアを開けた瞬間目に入る位置に、ハギヨシは居たのだ。
それだけなら良かった。純の予想と期待の内、期待の方が真実に近かったというだけのことなのだから。
ただ、問題だったのは、彼の“状態”……いや、この部屋“全体”だった。
壁、床、天井……そして、カーテン。その全てに満遍なく、あるものが貼り付けられていた。
誰かの写真だ。ある一人の人物が収められた写真。
無限にあるのではと錯覚させられる程に夥しく、大量の写真がそこに存在していた。しかし、同じ写真は一つとしてなかった。その人物が写っているというのは全てに共通してはいるものの、正面から、横から、後ろから、遠くから、近くから等、その人物をどの角度・距離から撮っているかは一定していない。
当然写真によって、写されているその人物の表情も違う。笑った顔や、泣き顔、拗ねた様な顔まで、様々な表情が網羅されていた。
まるで、その人物の人生というものが、この小さな部屋で延々と再生させられているかのようだった。
一つ一つの写真が写す場面は全く違うはずなのに、こうして全体を眺めると、それら全てが連関して、一つの映像を紡ぎ出しているかのように見えた。
そしてその人物は、綺麗な金色の髪を持っていた。写真からも見て取れる、きめ細やかな金髪。またその所為か、部屋全体がキラキラと輝いているようにも見える。
……ハギヨシと関わりのある、金髪の人物。それは、ごく限られている。
そう、純はそれらの写真の被写体が誰であるのかを知っていた。
「龍門渕透華」
――ではなく、「天江衣」
――でも全然なく。
「須賀京太郎」だ。
これら全ては、須賀京太郎をおさめたものだった。
純にとっての須賀京太郎とは、そこまで親しくない他校の雑用係であるが、それでも(成り行きとは言え)メアドを交換した相手ではあるのだ。顔くらい、当然覚えている。
大量の京太郎の写真が蠢くこの光景を見て、純は説明の出来ない悪寒が体中を駆け巡るのを感じた。まるで心臓の中に直接氷でもブチ込まれたかのようだ、と純はその悪寒を比喩った。
だがこの異様な部屋の中で尚、飛びぬけて違う“匂い”を放っているものがあった。
それが、ハギヨシ自身だ。
体の正面を純のいる扉の方に向け、大きく上に上げられた右手には携帯を、胸の辺りに置かれた左手には京太郎の写真の内の一枚かと思われるものを、それぞれ握りしめながら、部屋の真ん中で涙を流している。
ただ、その涙が悲しみによるものでないことは直ぐに分かった。純が先ほど見た、ハギヨシのはしゃぐような笑顔……。それとは比べ物にならないほどの笑顔を、文字通り満面の笑みというものを、今のハギヨシが浮かべているからだ。
悲劇を経験した人間が、あのような顔をするわけが無い。あれは、真に純粋な喜びを手にした者の表情だ。
涙に濡れるその瞳はまるで何も映していないかのように、しかし星々の煌きの様な希望を宿しながら、ただ天井の方へと向けられていた。それ故か、ハギヨシが純の侵入に気付いた様子は無かった。
今のハギヨシを一言で表すなら、狂気の塊。決して常人の理解が及ぶことの無い領域に立つ、一人の狂人。
龍門渕のパーフェクト執事と呼ばれ、誰からにも尊敬され、信頼されるこのハギヨシという男の、知ってはならない一面を見た純の取った行動は――
純(見なかったことにしよ)バタン
逃げ、であった。
__________________
________________
___________
純(うん。絶対喜ぶわ。命かけても良い)ウンウン
透華「……純? どうしたんですの? そんなに意味ありげに頷いて……」
純「ん? いや……なんでもねえよ」
純にとっての須賀京太郎とは、そこまで親しくない他校の雑用係であるが、それでも(成り行きとは言え)メアドを交換した相手ではあるのだ。顔くらい、当然覚えている。
大量の京太郎の写真が蠢くこの光景を見て、純は説明の出来ない悪寒が体中を駆け巡るのを感じた。まるで心臓の中に直接氷でもブチ込まれたかのようだ、と純はその悪寒を比喩った。
だがこの異様な部屋の中で尚、飛びぬけて違う“匂い”を放っているものがあった。
それが、ハギヨシ自身だ。
体の正面を純のいる扉の方に向け、大きく上に上げられた右手には携帯を、胸の辺りに置かれた左手には京太郎の写真の内の一枚かと思われるものを、それぞれ握りしめながら、部屋の真ん中で涙を流している。
ただ、その涙が悲しみによるものでないことは直ぐに分かった。純が先ほど見た、ハギヨシのはしゃぐような笑顔……。それとは比べ物にならないほどの笑顔を、文字通り満面の笑みというものを、今のハギヨシが浮かべているからだ。
悲劇を経験した人間が、あのような顔をするわけが無い。あれは、真に純粋な喜びを手にした者の表情だ。
涙に濡れるその瞳はまるで何も映していないかのように、しかし星々の煌きの様な希望を宿しながら、ただ天井の方へと向けられていた。それ故か、ハギヨシが純の侵入に気付いた様子は無かった。
今のハギヨシを一言で表すなら、狂気の塊。決して常人の理解が及ぶことの無い領域に立つ、一人の狂人。
龍門渕のパーフェクト執事と呼ばれ、誰からにも尊敬され、信頼されるこのハギヨシという男の、知ってはならない一面を見た純の取った行動は――
純(見なかったことにしよ)バタン
逃げ、であった。
__________________
________________
___________
純(うん。絶対喜ぶわ。命かけても良い)ウンウン
透華「……純? どうしたんですの? そんなに意味ありげに頷いて……」
純「ん? いや……なんでもねえよ」
健夜「きょ、京くんがひい、ふう、みい……ろくじゅうぅ!? しゅ、しゅごいぃ!」
良子「イッツアパラダイス……。天上界はここにあったのですね」ジュルリ
咏「うーん、中々に壮観壮観……。ノヨリさんはどうです? 血沸き肉踊る感じ、しますかねぃ?」
理沙「……!?」Σ
理沙「あ……」
理沙「……」
理沙「愛してる!」プッスー
咏「!?」
はやり「うーん……うずうずしちゃいますねっ☆ あれだけの数の京太郎くんに私の歌を披露できたら……どんなにハッピーになれることか!」
健夜「うん。きっと、ものすごいハッピーになれるよ……。きっとね」
靖子「……」
京太郎クローン×60「……っぐ」ピクッ
京太郎クローン×60「ぐ……ググググ」
京太郎クローン×60「グォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
ウワアアアア
ヒィィィイイイイ
ギョエエエエ!?
久「あーもううっさいわねえ!? 一々叫び声あげるくらいならとっとと帰りなさいよぉ!!」
シーン……
久「畜生ォォ!!!!!」
久「こ、こうなればぁ……」
久「の、和!」
和「は、はい?」
久「もしかしたら、貴女のおっ○いなら須賀君クローンたちをどうにかできるかも知れない!」
和「え、ええっ!?」
久「貴女のおっ○いを須賀君クローンたちに押し付けて、動きを止めるのよ!」
久「その間に私は、彼らを捕らえる為の用意をするわ!」
和「ええええっ!?」ガビーン
久「お願い! 和! やってちょうだい!」
和「嫌ですよ、そんな……。私がそうしたからと言って、須賀君たちがおとなしくなるなんて保証はどこにも無いわけですし……」
和「それに、私はデジタル雀士なんです。オカルトに対抗する力は持っていますが、物理的な暴力には敵いません」
和「もし万が一にでも襲われてしまえば……一巻の終わりなんです」
和「正直、この先どうなろうと私には余り関係ありませんしね。絶対に嫌です」
久「和……」
久「ねえ、和?」
和「?」
久「私はこのステージの上で色々と喋ることしかできないわ」
久「でも貴女には、貴女にしかできない、貴女になら出来ることがある筈よ」
久「誰も貴女に強要はしないわ。自分で考え、自分で決めなさい」
久「自分が今、何をすべきなのか……」
和「ぶ、部長……」
和「……」
和「……!」キッ
和「帰って寝ます。今日はしんどいですから……」テクテク
久「……」
久「オラァ!!」ドゴォ!
和「くぴゃあっ!?」ドカッ
久「その間に私は、彼らを捕らえる為の用意をするわ!」
和「ええええっ!?」ガビーン
久「お願い! 和! やってちょうだい!」
和「嫌ですよ、そんな……。私がそうしたからと言って、須賀君たちがおとなしくなるなんて保証はどこにも無いわけですし……」
和「それに、私はデジタル雀士なんです。オカルトに対抗する力は持っていますが、物理的な暴力には敵いません」
和「もし万が一にでも襲われてしまえば……一巻の終わりなんです」
和「正直、この先どうなろうと私には余り関係ありませんしね。絶対に嫌です」
久「和……」
久「ねえ、和?」
和「?」
久「私はこのステージの上で色々と喋ることしかできないわ」
久「でも貴女には、貴女にしかできない、貴女になら出来ることがある筈よ」
久「誰も貴女に強要はしないわ。自分で考え、自分で決めなさい」
久「自分が今、何をすべきなのか……」
和「ぶ、部長……」
和「……」
和「……!」キッ
和「帰って寝ます。今日はしんどいですから……」テクテク
久「……」
久「オラァ!!」ドゴォ!
和「くぴゃあっ!?」ドカッ
和「う、うう……。ぶ、部長!? 何か全然痛くなかったですけど……。まあそれは置いておくとして」
和「い、一体何をする――」
久「和ァ……」グイッ
和「ぐうっ……」
久「……誰も貴女に強要はしないわ。自分で考え、自分で決めなさい」
和「そ、そんな……。勝手な!」
久「お願いよ、和! もうこれしか道は無いの!」
和「だから、嫌だと言っているでしょう!?」
和「それに……」チラッ
和「私がそんなことをしないまでも、他の皆さんがそれぞれ上手く対応してくれているみたいですよ?」
久「え?」バッ
和「い、一体何をする――」
久「和ァ……」グイッ
和「ぐうっ……」
久「……誰も貴女に強要はしないわ。自分で考え、自分で決めなさい」
和「そ、そんな……。勝手な!」
久「お願いよ、和! もうこれしか道は無いの!」
和「だから、嫌だと言っているでしょう!?」
和「それに……」チラッ
和「私がそんなことをしないまでも、他の皆さんがそれぞれ上手く対応してくれているみたいですよ?」
久「え?」バッ
なんか一時期なろうとかでゼロ魔のアンチSS投稿しまくってたのと同じニオイがするな…
投稿者がかのハレルヤ先生(安比奈)だって明らかになるならそれはそれでネタになるな。
投稿された内容が面白いかどうかはともかく。
投稿された内容が面白いかどうかはともかく。
あ、いや、がろうでん先生だったかな?
まあ、笑いの種くらいにはなるか。どっちにしろ。
まあ、笑いの種くらいにはなるか。どっちにしろ。
類似してるかもしれないスレッド
- 照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」 (645) - [35%] - 2018/9/3 0:45 ★
- 久「須賀君をメスにするわ」京太郎「は?」 (267) - [28%] - 2015/7/12 22:30 ★
- 穂乃果「最近、その…あれが来ないの」 (282) - [25%] - 2014/11/29 16:00 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について