元スレ提督「……転校?」
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51 = 1 :
―――F-1―――
五十鈴「思ったよりも傷が浅くてよかったわね」
提督「うん、本当に。まだちょっと痛いけど」
利根「これから授業もあるのにの」
提督「げっ、そうだった」
五十鈴「まぁ、気にしないでもいいわよ。うちのクラス、馬鹿ばっかりだし」
利根「そうじゃのう」
五十鈴「あんたもよ」
利根「何おう!」
五十鈴「……そうだ、ねぇ、あんた」
提督「なんだ?」
52 = 1 :
五十鈴「……」スッ
提督「何、これ」
五十鈴「……仲直りの握手よ」
提督「え?」
五十鈴「い、電に、こうするのが礼儀だって」
電「仲直りの握手は重要なんですよ!」
提督「……はははっ」
五十鈴「な、何がおかしいのよ」
提督「いや、よろしく頼むよ、五十鈴」ギュッ
五十鈴「……こちらこそ。あんたがあんたの父親みたいにならないことを祈るわ」ギュッ
53 = 1 :
今日はここまで。
今週の土曜日も、一応更新する予定です。
それでは、また土曜日にお会いしましょうー
54 :
乙でした。
安価で選ばれたとはいえ、加賀さんが最低ランクにいることに違和感がww
55 :
おつです、利根さん出てて嬉しい
56 :
乙
保健の先生の龍田さんにいじめられたいです。
57 :
加賀さんはきっと五航戦の姉妹と一緒にAかBのクラスにいてそこで一悶着起こして罰としてFに行ったんじゃね
58 :
俺の金剛ちゃんは、文字通り帰国子女かな?
59 :
球磨の出番はいつクマー
60 :
今日更新か……
誰が新しく出てくるのかな
61 :
こんばんは。
まったり更新していきます。
62 = 61 :
キーンコーンカーンコーン
提督「ふぅ、やっと昼飯かぁ……長かったなぁ……」
電「あの、お疲れ様でした」
提督「うん、ありがとね。教科書見せてもらって」
電「いえいえ……」
利根「ところで提督は昼は弁当か?」
提督「俺?俺は食堂に行こうかなと……」
利根「うーむ、残念ながら今日、吾輩は妹の手作り弁当が待っているのだ」
電「私も今日はお弁当を作ってきたのです」
五十鈴「私もお弁当よ」
63 = 61 :
提督「え、マジか……」
加賀「私でよければご一緒しましょう」
提督「本当ですか?」
加賀「はい。私も食堂に用事がありますので」
提督「助かります!ありがとうございます!」
加賀「それでは行きましょう」
64 = 61 :
―――F・E・D食堂―――
提督「案外普通ですね。差別されてるって聞いてたので……」
加賀「あっちの食堂を見てみたらそんな事は言えなくなると思います」
提督「え、そんなに豪華なんですか」
加賀「はい。少なくとも私の口には合わなかったです」
提督「そうなんですか」
加賀「それよりも、食堂は食券制です。早めに行かないと人気メニューはすぐ売り切れますよ?」
提督「うわっ、い、行ってきますね!……加賀さんは何かいりますか?」
加賀「私はお弁当がありますから結構です」
65 = 61 :
提督「あ、はい。わかりました!」
提督「(……あれ?なんでお弁当があるのに……)」
―――数分後―――
提督「えーっと……空いてる席は……」
加賀「提督君。こちらへ」
提督「あ、加賀さんっ……?!」
加賀「どうかしましたか?」
提督「いや、あの、隣の方……」
加賀「……ああ」
66 = 61 :
赤城「ガツガツムシャムシャ……」
加賀「赤城さん。ちょっといいかしら」
赤城「むぐ?なんれすか、加賀さん」
加賀「食べるか話すかどっちかにして」
赤城「……ゴクン。で、なんですか?加賀さん」
加賀「彼が転校生の提督君よ。あの提督父様の息子さん」
赤城「そうなんですか!この人が……」
67 = 61 :
赤城「私、一航戦の赤城と申します。以後、よろしくお願いします」
提督「は、はい。よろしくお願いします……」
加賀「提督君、席に座ったらどうですか?」
提督「あ、じゃあ前、失礼します」
提督「えーっと、一航戦、って事は赤城さんも」
赤城「はい。加賀さんと同じで艦娘です」
提督「やっぱり」
68 = 61 :
加賀「ちなみに彼女はAクラスですよ」
提督「えっ!?じゃあエリートじゃないですか!」
赤城「ちょ、ちょっと加賀さん」
加賀「いいじゃない。本当の事なんだし」
赤城「そうなんですけど……」
提督「……あれ?じゃあなんでここにいるんですか?ここ、FとEとDの共同食堂ですよね?」
赤城「そ、それは……」
加賀「このお椀の山を見てわからないですか?」
69 = 61 :
提督「……まさか」
赤城「そのー。食べ過ぎて、あっちの食堂に出禁食らったといいますか……あはは」
提督「……」
加賀「Aクラスともなると、食事のマナーとかも色々言われるんです。彼女はそれ以前の問題ですけど」
赤城「加賀さん……酷い……加賀さんだって本当はかなりの大食いのくsムグッ」
加賀「……それ以上は言わないで」
赤城「むー!むー!」
加賀「はぁ……」
70 = 61 :
提督「か、加賀さんもこんなに食べるんですか……?」
加賀「……昔の話です。今は違います」
赤城「ぷはっ、でも昔は私といい勝負でしたよね」
加賀「……」ゴゴゴゴゴ
赤城「加賀さん怖いからその顔やめてください!!」
加賀「全く……」
提督「こ、この量といい勝負……」
加賀「提督君?」
提督「すみませんでした」
71 = 61 :
加賀「……私や赤城さんは特別燃費が悪いから、仕方ないんです」
提督「その、気になってたんですけど、燃費って……」
加賀「私達艦娘は自分に装備された兵器を使うと、それなりにエネルギーを消費します」
加賀「そのエネルギーは食事によって摂取できるんですけど」
加賀「私と赤城さんは正規空母という関係上、非常に多くのエネルギーを必要とするのです」
加賀「赤城さんはAクラスだから尚更、兵器を使うことが多いのでしょう」
提督「そ、それって」
加賀「たぶん、提督君が考えてる事とは違うと思いますよ」
72 = 61 :
加賀「実戦練習や特別訓練……AクラスはFクラスの訓練と比べたら遥かに量も多いし、質も高いですから」
提督「なるほど……というか、加賀さんAクラスについて、結構詳しいですね」
加賀「……たまたまですよ」
赤城「……加賀さん。もしかして」
加賀「話す必要もないから、話してないだけよ」
赤城「そう、ですか」
提督「?」
73 = 61 :
赤城「あ、ああ、気にしないでください」
赤城「それよりも、提督君は三日後の合同演習には参加するんですか?」
提督「合同演習?」
赤城「はい。今週は確か、FとDとAクラスの合同演習だったと思いますので」
提督「あの、そもそも合同演習がなんなのかもよくわからないんですけど……」
赤城「ああ、転校してきたばっかですもんね」
赤城「合同演習って言うのは一週間に一度、艦娘達と司令官でチームを組んで、実戦訓練をするんです」
74 = 61 :
提督「司令官?」
赤城「主に艦娘以外の人のことですね。軍には指揮能力も必要とされますから」
提督「ふむ……」
赤城「各クラスから司令官が3人ほど、艦娘が9人ほどの各4人1チームが立候補にて集められます」
赤城「そして他のクラスのチームと実戦訓練を行うのですが」
赤城「この合同演習にて優秀な成績を収めた場合、クラスのランクアップにも繋がります」
提督「自分より上のクラスに勝ったりしたら、自分がランク上のクラスに入れる、みたいな事ですか?」
赤城「はい。その通りです。最も、一度勝ったくらいではランクアップはしないと思いますが」
提督「うーん……俺は今回は見学に回ろうと思います」
75 = 61 :
加賀「そうですね。一度、合同演習がどんなものかを見てから参加した方がいいと思います」
赤城「なら、私のクラスを見に来てくれると嬉しいですね」
提督「赤城さん出るんですか?」
赤城「はい。選ばれたので……」
加賀「赤城さん。無理はしないようにね」
赤城「わかっています。最大の敵は慢心である、ですよね」
76 = 61 :
加賀「わかっているならいいわ」
赤城「あ、じゃあそろそろ実戦演習の準備をしなくちゃいけないので、私はこれで失礼しますね」
提督「ありがとうございました」
赤城「いえいえ」
加賀「……食べ過ぎてここも出禁にならないようにね」
赤城「うっ、気をつけます」
赤城「それじゃあまた、提督君に加賀さん!」スタスタ
77 = 61 :
提督「は、はい!」
加賀「また明日。赤城さん」
提督「加賀さん、赤城さんと仲いいんですね」
加賀「……そうですか?」
提督「ところでこのお椀の山は……」
加賀「……間宮さんが片付けてくれます。たぶん」
提督「間宮さん?」
加賀「ええ、食堂のおばちゃんです」
提督「大変だな間宮さん……」
78 = 61 :
―――放課後―――
提督「んー……」ノビーッ
利根「ふふっ、お疲れのようだな」
提督「まぁね……今まで普通の学生だったから、流石に慣れないよ」
利根「ちなみにこの後の予定は何かあるのか?」
提督「荷物の整理、かな。寮に今頃、実家からの荷物が届いてるはずだから」
利根「ふむ、そうか……」
利根「よし、吾輩が手伝ってやろう!」
79 = 61 :
提督「えっ?!い、いいよ別に!」
利根「むむむ、なんだその反応は……怪しい、怪しいぞ」
五十鈴「どうせエロ本でも持ってきたんじゃないの?察してあげなさいよ」
提督「持ってきてねぇよ!」
五十鈴「あら、なら手伝いをしてもいいんじゃないかしら」
提督「い、いや、それはそのー」
利根「……お主、まさか本当に」
提督「だーかーら!持ってきてないって!!」
80 = 61 :
電「あ、あのどうかしましたか?」
五十鈴「これからコイツの部屋に引越しの手伝いに行くの。電も来るでしょ?」
電「お手伝いならお任せくださいなのです!」
提督「いや、だからあの」
利根「では、提督の部屋にいざ出撃だー!」
五十鈴「おー!」
電「おー!なのです」
提督「待てええええええ!!」
81 = 61 :
―――提督の部屋―――
利根「ほう、意外と荷物は少なそうじゃな」
五十鈴「電、ベッドの下覗いてみて」
電「え?は、はい。わかりました」
提督「どうしてこうなった……」
電「何もないのですー」
五十鈴「うーん、となると参考書の間に……」
提督「やめい。本当にないから」
82 = 61 :
五十鈴「逆にそれはそれで心配なんだけど」
提督「余計なお世話だ」
五十鈴「……ああ、男が好きなの」
提督「違うよ!」
電「お、男同士、なんて……はわわわわ」
提督「電!落ち着け!俺は女の子が好きだから!」
五十鈴「うわー、今の発言、変態っぽいわー」
提督「お前な……」
83 = 61 :
利根「提督よ。何か動かす荷物などはないか?」
提督「え?ああ、じゃあそこのダンボールを本棚の方に寄せてくれ」
利根「了解した」
提督「一人で大丈夫か?」
利根「なに。問題ない」
五十鈴「……普通に全部参考書じゃない」
提督「当たり前だろうが。ってか、さっきからお前は何しに来たんだ」
電「あ、あの。何か手伝うこと、ありませんか?」
提督「じゃあ電は……利根が寄せたダンボールの中の本を、本棚へ入れてくれ」
84 = 61 :
電「わかりましたのです」
利根「吾輩も手伝うか?」
提督「あ、いや利根はこっちの荷物運ぶの手伝ってくれ。一人じゃ重くて」
利根「わかった。今そちらへ行く」
五十鈴「……一応、あたしも手伝ってあげる。何かある?」
提督「うーん、じゃあ電を手伝ってあげてよ。一人じゃ不安だし」
五十鈴「わかった」
85 = 61 :
提督「そんじゃ利根、行くぞー。せーのっ!」
利根「ほっ」
提督「うわ……凄い力だなやっぱ」
利根「ははは。一応、艦娘だからな」
提督「じゃあキッチンまで運んでくれるか?」
利根「ふむ、そうするとこれは食器か何かか。ゆっくり運ぶとしよう」
提督「助かるよ」
86 = 61 :
電「えーっと、この本はこの辺に……」
五十鈴「……ん、これって」
提督「利根、このへんでいい。ありがとな」
利根「気にするな。吾輩が手伝いたかったから手伝っているのだ」
五十鈴「ねぇあんた」
提督「どうした?」
五十鈴「なんかアルバムがあったんだけど……これ、あの本棚に入らないわよ」
提督「あ、そっか……ちょっと貸してもらえるか?」
五十鈴「……」
87 = 61 :
提督「五十鈴?」
五十鈴「えいっ」パカッ
提督「おい!何してんだよ!」
五十鈴「いいじゃない別に。減るもんじゃあるまいし……へー、これが小さい頃のあんたねぇ」
提督「ちょ、恥ずかしいからやめろよ!」バッ
五十鈴「へー、結構可愛いじゃない」ヒョイッ
利根「どうしたのだ?」
五十鈴「提督の幼い頃の写真だって」
88 = 61 :
電「か、可愛いのです!」
提督「お前らな……」
五十鈴「へぇ、あんたって妹がいたんだ」
提督「……妹?」
五十鈴「この茶髪の子って妹じゃないの?」
提督「ああ、違うよ。父さんの知り合いの子」
提督「まぁ確かに、妹みたいな感じだったけど……」
電「心なしか、私に似てるような……」
提督「確かに今思えば、電に結構似てたかもな……」
89 = 61 :
五十鈴「ふーん……あれ、こっから写真の雰囲気ががらっと変わるけど……」
利根「ここは……アメリカであるか?」
提督「うん、父さんに連れてこられたんだ」
五十鈴「あんたの父親、やっぱ色んなとこ回ってるのねー……っ!?」
利根「どうした五十鈴……なっ?!」
電「は、はわわ……」
提督「……どうかしたか?」
90 = 61 :
五十鈴「この写真……」
提督「……げっ」
利根「彼女というやつであるか?抱きつかれているが……」
提督「あーいや……」
五十鈴「何、あんた彼女いたの?!しかもアメリカに!」
提督「ち、違う!ただの女友達だ!やたらスキンシップは多かったが……」
五十鈴「ふーん、へー、そうなのー……」ジトメ
提督「なんだよその目……」
五十鈴「べっつにー」
91 = 61 :
提督「ってかそろそろ本当に手伝ってくれよ。まだ荷物あるんだから」
五十鈴「……ま、そうね。あんたに彼女がいようと、あたしには関係ないし」
電「はわわっ、す、すみません……」
利根「すまないな。つい……他人の昔の写真とは興味深いモノであるから」
提督「全く……」
五十鈴「……べーっだ」
92 = 61 :
―――数十分後―――
提督「利根、この荷物をそこに置いて。それで一応御終い」
利根「うむ、了解した」
五十鈴「結局、アルバム以外面白そうなもの見つからなかったわねー」
電「さ、サボるのはダメなのです!」
五十鈴「とか言ってあんたも一緒になって見てたじゃない」
電「あうう……」
93 = 61 :
提督「あとは俺がやっておくからさ。みんな、今日はありがとう」
利根「気にするでない」
五十鈴「……どういたしまして」
電「どういたしましてなのです」
提督「明日、お礼としてなんか奢るよ。あんまり高いモノのは買えないけど……」
利根「よいよい。吾輩はお主の手伝いがしたくて来たのだからな」
提督「そういうワケにもいかないさ」
94 = 61 :
五十鈴「受け取っておいたら?利根」
利根「……そうじゃの。ありがたく受け取っておこう」
提督「うん、そうしてくれ」
電「それじゃあ私達はこの辺で……」
利根「また遊びに来るからのー!」
五十鈴「た、たまになら遊びに来てあげてもいいわ。ふんっ」
提督「そんじゃーなー」
提督「……」
95 = 61 :
提督「よくよく考えりゃ、女の子を三人も家に連れ込んだのか俺?」
提督「いや、押し入られたのが正しいか……」
提督「あいつも俺の部屋に無理やり押し入ったりしてきたなぁ」
提督「……」パラッ
提督「懐かしいなぁ……この頃はよく一緒に遊んだっけ」
提督「今頃何してるかな、二人共」
96 = 61 :
提督「……っと、荷物整理、完全に終わらせないとな」タタタタ
ハラリ
提督「おっと、アルバムに挟んでた手紙が落ちちまった」
提督「挟み直して……これでよし」パタン
提督「そんじゃ、頑張りますかね」スタスタスタ
――――――――
Dear 提督
From KONGO
――――――――
97 = 61 :
―――夜 艦娘寮―――
???「もしもし~」
提督父「おお、久しぶりだな。元気にしてたか?」
???「元気だよぉ~。おじさんも元気?」
提督父「おう。俺も提督も元気だぞ」
???「そっかぁ。よかった~」
提督父「それでな。今日はお前に話しておくべき事があってな」
???「な~に~?」
98 = 61 :
提督父「そっちに提督が行ったから」
???「……へ?お、お兄ちゃんこっち来てるの!?」
提督父「ああ、今日編入させた」
???「あうう、いきなりすぎるよ~……確かに久しぶりに会いたいな、なんて思ったけどぉ~」
提督父「まぁ、昔みたいにとは言わないが、仲良くしてやってくれ」
???「今日来た転入生って、お兄ちゃんの事だったんだ~……」
99 = 61 :
提督父「要件はそれだけだ。そっちからは何かあるか?」
???「別に~。これといってないよ~」
提督父「そうか。それじゃあまた電話する」
???「うん、またね~」
提督父「―――おやすみ、文月」
100 = 61 :
―――翌日―――
提督「ふぁぁ……」
利根「眠そうだな。提督」
五十鈴「夜ふかしでもしたの?だらしない」
提督「いや、荷物整理してたらクリアしてなかったゲームが見つかってつい……」
電「夜ふかしはダメ、ですよ」
提督「うん、わかってる。わかってるんだけどさぁ……こう、中途半端なのは」
利根「なんとなくわかる気もするが、気をつけるのだぞ。授業を受けられない、なんて元も子もない」
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