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元スレ勇者「 最終的に頼りになるのは自分の力だ」2
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勇者「うお!?」ドギュン!!
バトラー「避けた?ほお…ウワサ通りの腕じゃのお主は」
勇者「ば、バケモノめ!お、王様をどこに…っ」
バトラー「だからそれはワシなのだよおオオオオ!!!!」
【 ヘルバトラーのとっしん!! 】
勇者「ずあ!!」 ギュイン!!
バトラー「(ぬ!?速い!!こやつ…ピオリムでも使ってるのか!?)」
ド ウ ン !!!
バトラー「ぐ!?(それになんだ…っこのパワーはっっ!!ウワサで聞いたのと少し違うのおっ!!)」
勇者「こ、このバケモノめ!!ちくしょおお!!よくも大臣を!!
よくも今まで国民を騙してきたな!!」
バトラー「(……こやつ…ホンモノだ。素手で鍛えに鍛えとる。)」
バトラー「(じゃが魔力の方は……ふむ、ダメだなこれは)」
勇者「何が目的だ!!」
バトラー「…魔王様の復活」にたあ
勇者「!?」
バトラー「聞こえなかったかの?魔王様の復活じゃ。
ま お う さ ま の 復活」
勇者「魔王…だと?」
バトラー「そうじゃ。かつてこの世を支配していた偉大なる魔族の王。
その方を復活させるためにわしは何百年も、この国を都合のいいように
作り替えてきたんじゃがな。」
勇者「!?」
バトラー「ぐふはははははは!!この顔のモノ達に見覚えはあるかの!?」
【 ヘルバトラーの顔が次々と人間の老人や若者、老婆の姿に変わっていく 】
勇者「その顔は…」
ヘルバトラー「どこかで見た顔かな!?歴史の教科書にも乗ってあるじゃろう?
歴代の北の王様…ぜーーーーーーんぶわしが変装してたがな!!!」
勇者「ばかな…こんな……ことが!!ウソだぁっっ!!」
ヘルバトラー「勇者部隊の計画も、わしが発案者だ!!
すべては魔王様復活のために!!」
勇者「なに!?」
ヘルバトラー「がははははははは!!」
勇者「おい!!勇者部隊と魔王復活に何が関係あるんだっっっ!!!」
ヘルバトラー「ははははは!普通に教えては面白くないだろう!!
わしに勝ったらおしえてやるわ!!」
勇者「くっ…」ゾクッ
ヘルバトラー「ふふふふ……しかし惜しい、惜しいの…勇者よ」
勇者「何がだ!?」
バトラー「おぬしの体質じゃよ。猛毒も効かぬ超パワーじゃ。
さっき出したジュース、あれは死のサソリの猛毒入りじゃ。」
勇者「は!?」
バトラー「無駄にすごい体質じゃな。毒が全然効いとらん」
勇者「………!?(ま、まさか…東の国で飲んだアレも…)」
バトラー「そんな体質よりもお主に、魔力がたくさんあれば
生かして連れてってやりたかったが…そのような無駄な性質持ちでは」
バトラー「やはりこのまま死ぬしかないの」 ドウン!!
【 バトラーは急接近してきた!! 】
ドン!!
ヘルバトラー「っっしゃああ!!!」
勇者「うお!?」 ズザアアアアッッッ!!!
【 勇者は吹っ飛んだ!! 】
【 吹っ飛んだ先には、崖下に通じる魔方陣があった! 】
勇者「!」
【 勇者は魔方陣に吸い込まれた! 】
ヘルバトラー「ぎゃははははははははは!!!
もう随分と血をみてないんじゃ!!
今から貴様に地獄を見せてやるぞお!素手勇者ぁああ!!!
ヘルバトラー「魔王様復活の記念死になれええええ!!!」
【 ヘルバトラーは魔方陣によって崖下に移動した!! 】
【 南の地方 崖下 】
勇者「うわあああ!!!なんなんだよオイ!!
王様が昔からバケモノ!?魔王復活!!?」
勇者「くそ!理解できない!!
こんな状況!!いったいどうすれば…!!」
勇者「…っ。そういえばアイツ、さっき待ち合わせがどうとかって言ってたな」
勇者「…!やっぱり、あのほこらに何かあるのか!?」
ギュオン!
勇者「!」
【 ヘルバトラーが、魔方陣からあらわれた! 】
ヘルバトラー「まずは氷漬けになるがいい!!」 ゴオッッッ!!
勇者「うおあ!?」 ギュイン!!
【 ヘルバトラーのかがやく息!! 】
勇者「うわああ!!つめた!?」
ヘルバトラー「がははははは!!
城の兵士どもがいつもしてたお主の事はウワサ以上…!!
いや、わしの想像以上だ!!」
ヘルバトラー「貴様のようなやつは何百年振りに見たぞ…っがははは」
勇者「くっ」!!
ヘルバトラー「なかなかの反射神経だったぞ!!
ただすばしっこいだけでは今のは避けれん!!」
勇者「ぐっ!!本当に……!本当に…っ!!」
ヘルバトラー「あ?」
勇者「最後に聞く…!!アンタは…魔物なのか!?王様!!」
王様「そうじゃよ、勇者」にこっ
勇者「!?」
【 それは昔から知ってる「北の王様」の笑顔と、やさしい口調 】
王様「だから安心して死んでもいいぞ?」
勇者「く、くそがああああっっっ!!」ブオン!!
ズバン!!
王様「ぬお!?」
【 ヘルバトラー/王様の腕がパックリと切り裂かれた! 】
ヘルバトラー「真空波だと!?」
勇者「うあああああ!!!」ぶんっ! ぶんっっ!!
【 降り注ぐ、雨粒を切り裂きながら勇者の真空波はヘルバトラーめがけて飛んでいった! 】
ヘルバトラー「ばかめ!!雨粒が切れて軌道が読めるわい!!」
ドドドドドド!!
【 ヘルバトラーはまたしても急接近してきた! 】
ヘルバトラー「しゃあああっっっ!!」 ボッッ!!!
勇者「うだらあああああ!!!」 ボッッッッッ!!!
バキッッッッ!!!
【 両者の拳は、互いの頬にヒットした!! 】
ヘルバトラー「ぐあ!?」 ずしゃあああっっ!!
勇者「うげええ!?」 ずしゃああああっっっ!!
ヘルバトラー「げほっ!!げぼっがはははははは!!
いいぞ!!やはりわしには政治なんぞより戦いの方がむいとる!!」
ヘルバトラー「げは!げはげはははは!!
覚悟しろニンゲン共!!魔王様はもうすぐこの地に復活する!!
その記念に貴様らの地肉をひきさいてたべつくしてやるぞい!!」
勇者「そ、そんなこと…させるかあああああ!!!」
ヘルバトラー「(はやい!?)」
勇者「魔王だと!?昔から聞いていたあの魔王だと!?」
ヘルバトラー「はははは!そうじゃよ!!
学校の授業でも教材になってるであろう!?」
ヘルバトラー「かつて、伝説の勇者達によって封印されし魔王サマが
再び蘇るのじゃ!!」
勇者「っ!」
ヘルバトラー「そのためにわしは、ニンゲンに化けてきた!
復活のための準備をすすめるためにな!!」
ヘルバトラー「いいきなもんよ!!わしの出す指示にホイホイ従っての!!」
勇者「僕らを騙してたのか!!」
ヘルバトラー「当たり前よ!!復活の準備のためとはいえ、貴様らに対し威圧的にとれなかったのは苦痛じゃった!!」
勇者「きさまあああ!!!」
ヘルバトラー「だが全ては魔王さまのため!!」
勇者「くそったれーーー!!言え!!お前がやってきた事は魔王の復活の何に繋がるんだ!!!」
ヘルバトラー「だからわしに勝てたら教えてやるぞ!!ぎゃはははははは!!!
今夜は機嫌がいい!!なんでもしゃべってお前の驚く表情が見てみたいわ!!
そして存分にいたぶってやるぞい!!」
勇者「ふざけんなちくしょお!!」 ボボボボボボン!!
【 勇者のばくれつけん!! 】
ヘルバトラー「ぬお!?」 ドガ!!バキっっっ!!ドドドドッドン!!!
べきっ
【 ヘルバトラーの体の中で何かが折れた 】
ヘルバトラー「…がはあ!!?
貴様…!これはピオリムではないな!!この速度!!魔法の効果の限界を超えている!!」
勇者「僕に勝ったら教えてやる!!」 シュボッッッッ!!
【 勇者のせいけんづき!! 】
ヘルバトラー「!!」
ド ウ ン !!!!
勇者「っ!!」
ヘルバトラー「がっ…!!?」
【 勇者の正拳突きは突き刺さるように、ヘルバトラーのお腹に刺さった!! 】
ヘルバトラー「ごはああ!?」 ゴボオっ!!
ビチャビチャ!
勇者「くっ!」
勇者「さあ!勝負はついたぞ!!お前が今まで何をしてきたか喋ってもらうぞ!!」
ヘルバトラー「ぐっっ…!ふっふっふっふ!!まさか…げほっ!こんなにもあっけなく終わるとは…がっははは!!」
勇者「…っ」
ヘルバトラー「だが終わるのはわしの方ではない!!」 ガシ!!
勇者「!?」
【 勇者は突き刺した腕と頭をヘルバトラーにつかまれた!! 】
勇者「しまっ…!!」
【 勇者は振りほどこうとしたが、ほどけない!! 】
ヘルバトラー「消しずみになれええええ!!」 かぱっ
勇者「!」
【 ヘルバトラーは大きく口を開いた! 】
【 ヘルバトラーの「しゃくねつの炎」!! 】
勇者「!……っ!!!だああああああ!!!!」
【 しかし勇者も反撃に出た!!
ヘルバトラーの不意をついた攻撃に、今まで培ってきたサバイバル精神が
勇者にひらめきをおこす!! 】
勇者「うおおおお!!」
【 勇者のハイキック!!! 】
ド ゴ ン ッッッ!!!
ヘルバトラー「がはっっ!!!」 ボオオオッッッッッ
【 顎を思いっきり蹴られ、口が宙を向く! 】
【 しゃくねつの炎は、真上に吹かれた!! 】
勇者「おおおおお!」
【 勇者はひるんだヘルバトラーから離れた! 】
勇者「うりやあああああああああああああああっっっっっっっ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
【 勇者の怒濤の…6連、15連、37連…67連!! 98!! 】
勇者「うわあああああああああ!!!」
【 99…100連撃!! 】
【 勇者は「百裂拳(ひゃくれつけん)」を体得した! 】
【 勇者の精神状態は今までの非現実的な状況と、死と隣り合わせの戦いで
さらに上昇していた! 】
ヘルバトラー「ごっっはああ!?」
勇者「はあ…っはあ…っはあ…っ!」
ヘルバトラー「……が、はっはあっ!み、みごと……!!」
勇者「っ!」
ヘルバトラー「し、しかし…だ!」
ドギュオン!!
【 ヘルバトラーは最後の力を振り絞って
勇者に急接近した!! 】
勇者「うっ!?」
ガ ブ リッ ッッッ!!!
勇者「がっ…!?ぎゃっ!?」 ビ
バトラー「がぼぼがぼ…っっ!わしだけ一方的なのは…いかんな!!」
勇者「うがああああ!!」 ドウンドウン!!
ゴシャっっッ!!! ぐしゃ!!!
ヘルバトラー「…っ」
【 ヘルバトラーは勇者の方に噛み付いた!! 】
【 もう片方の腕で、勇者は殴りつけたが離れようとしない!! 】
ずっ
バトラー「ん?」
ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッ!!!
ヘルバトラー「GYAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!!!」
ヘルバトラー「あああっっ!?がっ!!!AAAHHHHH!!!」 ジュウウウウウウ!!!」
勇者「がっ…くう!!」 ヨロヨロ
【 ヘルバトラーの顎下が、みるみる溶けて蒸発していく!
ヘルバトラーの肉がどんどんはがれ落ちていく… 】
ヘルバトラー「あぼぼぼぼ!!!がぼっ!!」
ヘルバトラー「な、んだ!? がぼがぼっっっ!! GYAAAAAAAAAHHHHHHH!!!!!!!」
勇者「…ぼ、僕の体質は!げほっ!お前みたいな邪悪なヤツにもきくのか…!!」
ヘルバトラー「なにいい!?体質じゃと!?こんなものまででがぼがぼっ!!」
勇者「…はあっはあ…っ僕は…ある森で遭難してから聖水ばっかのんだり、聖水をお風呂代わりにしてきたんだ。
今でも聖水を飲んでる。
…僕の体に聖水がしみ込んでいるんだ。」
ヘルバトラー「ばか…な!!貴様!!なんてやつだ!!ふふふふあははははうはうあはうあ!!がぼがぼっ!!」
【 ヘルバトラーの顎が溶けていった!! 】
勇者「はあ…っはあ…っ 今度こそ僕の勝ちだ!!」
ヘルバトラー「がははっははあ…がぼがぼ」
勇者「さあ言え!!お前は魔王復活のために何をしてきた!!!」
ヘルバトラー「ふ、ふふふふ!!!
か、簡単な…ことじゃ!!」
ヘルバトラー「あのほこらに…!!強い魔力をもった勇者をさそいこむためじゃ!!」
勇者「なに?!どういう…っっ」
ヘルバトラー「ふっっふふふ!!がぼがぼっっ!!あれは…!!あの日…!!忌々しい4人の勇者によって!!!
魔王城もろとも魔王様が封印されて……がぼっっ!!」
【 ヘルバトラーの顔がどんどん溶けていく!! 】
勇者「…!」
ヘルバトラー「魔王さまの所へ…!!復活の魔力のため…強い魔力を持った勇者をさそいこむためだけに!!
勇者達を魔物討伐という建前で…旅させた!
だが…がぼっ!ここのほこらをウワサされないように…少人数のパーティを…各地にな!!」
勇者「なに…」
ヘルバトラー「そして……がぼっ!何百年も立った今…!!各国で行方不明の勇者がウワサが出回った時…!!
わしはそれをダシにして勇者部隊の案件をつくった!!!」
勇者「じゃあ…行方不明者はあのほこらに…!?
勇者部隊も…各地をさぐってここを見つけるようにしむけたのか!?
前から変な場所だとばれないように!!」
ヘルバトラー「がぼがぼっがはははははは!!そうだ!!その通りだ!!ばはははははは!!!
正義感など…その気になって各地を旅してたお前らはお笑いだったぞ!!!
そして、もう復活の…がぼっ!時は近い!!」
勇者「…!?」
ヘルバトラー「がはははは!!!
所詮、貴様は…!!
貴様なんぞ魔王様の足下にも及ばぬわ!!!」
【 ヘルバトラーの体がどんどん崩れていく 】
勇者「あっ!」
ヘルバトラー「いよいよ…!まおう サマ の ふ かつだ…!!
がはははは…!!」
勇者「……!!!
ヘルバトラー「がーっっはっはっはっは!!わしの計画は全てうまく行った!!
自然と罠にはまり!!ウワサにならない程度の人数をおびきよせ!!そして…いざウワサが出たら!!!
捜索部隊をだして!!各地を旅させ!!
全てうまく行き!!部隊の勇者どもは全員魔王サマのエサとなったわ!!」
勇者「ば、ばかな…!」
ヘルバトラー「ぐあははははははは!!
その表情…いいぞ!真実を知ったものが出す、その困惑とした表情!!
わしの正体を知って今までぶっ殺してきた、ニンゲンと同じ顔をしちょる!! がぼぼっ!!
ヘルバトラー「それになあ…!!最近魔物がつよくなってるのは…!!!
魔王様の魔力がここまで影響してきた事だ!!がははははは!!!」
勇者「…っ!!」
ヘルバトラー「がははははは!!!
あのほこらに……いきたくばいくがいい!!勇者!!
だが、あえて答えは言わんぞ!!せいぜい考えるがいい!!!
純血と汚れの意味をなああああ!!!…がぼぼぼ!!!!!」
ヘルバトラー「まおうサマっ!!!バンザーーーーーーーーーーイ!!!!」
ぼしゅうううううううううううううう!!
【 ヘルバトラーは消滅した 】
勇者「…っ!」
【 雨はまだ降り続いた。 】
【 勇者の考えがまとまらないように、雨の流れも止まる事は無かった 】
【 2日後 】
【 勇者の家 】
父「今日も仕事、頑張れよ。」
母「はいお弁当」
勇者「ありがとう」
勇者「じゃ、行って来る」
父「…なんだか元気が無いな。」
母「ええ、なんだか…なんていったらわからないけど…」
父「それに聞いたか?王様が病気になったと…」
母「ええ、聞いたわ。だいぶお年寄りだったしだいじょうぶかしら…」
勇者「………」
勇者「(魔王には足下にも及ばないか…)」
勇者「(確かにそうだ…僕は素手ばっかで鍛えて、魔法なんかメラとホイミだけだ…
いや、いざというときのメガンテの指輪と腕輪があったな)」
勇者「(…それに僕は今、とても恐ろしい考えをしている)」
勇者「(魔王を…倒しにいく!)」
勇者「(できるのか?僕に??)」
勇者「(でも…なんでだろう。ホントは仲間もいた方が良いのに…
弓使いや魔法使いもいれば心強いだろう…)」
勇者「(けど1人で戦いたいと思った。何故かはわからない。)」
勇者「(僕が今まで一人旅をしてきたから?
魔王を1人で倒して名誉を手に入れたいから?)」
勇者「(…違うな)」
勇者「(僕は勇者だから…倒しにいくんだ。)」
勇者「(こんなことになるとは……前までは誰かに任せようと思ってたのに…)」
勇者「(その誰かがいないときのために…頼りになるのは自分の力…か)」
勇者「(みんなごめんなさい…父さん、母さん、弓使い、魔法使い、僧侶…)」
勇者「(僕は死ぬかもしれない…)」
勇者「(でも復活していないなら…チャンスがある!!)」
勇者「(復活していないのに…、勇者達が戻って来れない理由…
一昨日…王様は「アイツ」と話していたと確か言っていた気がする…
ほかにも仲間がいて、そいつがみんなをつかまえてるかもしれない…!!)」
勇者「(復活のために魔力が必要なら、生かされてる場合だって考えられる!
そうと信じたい!!)」
勇者「(そうなら…やれるかもしれない…!)」
勇者「なんでこんなに自身満々なんだろうな…やっぱり鍛えたから?」
勇者「(……僕には体質もある。あの王様を溶かしたんだ。毒もきかなかった)」
勇者「(…頼りになってる。信じよう、僕自身を。勇者に選ばれた事を!!)」
勇者「(そして…僕が思うに最近の魔物の活性化は
魔王復活に関係あるんじゃないかと思う…)」
勇者「(そんな時にみんながいないと街がめちゃくちゃになっちゃうしな…)」
勇者「(いざとなったら…メガンテでケリをつけよう)」
勇者「(信じよう…勇者の自分を…!)」
【 勇者は南のほこらへと目指した! 】
【 草原 】
メタルスライム「きゅる!?」
勇者「あっ」
メタルスライム「きゅるー!!」 だかだかだか!!
【 メタルスライムは逃げ出… 】
ドキュインっっっっっっ!!!
メタルスライム「!!」
勇者「封印!!!」
メタルスライムの鎧 … メタルスライムのように固く、そしてその弾力のある素材で出来た鎧。
呪文をほとんど無効化してしまう程の材質である。
勇者「…メタルスライムってたしか色々な人が口にしてたな。
倒したら、莫大な力が手に入るとかなんとか。」
【 回想 】
突撃「モンスターを倒したら、経験値が入る理由て知ってるか?」
勇者「考えた事も無いや。」
突撃「いいか?これはけっこう重要なんだ。」
勇者「ふーん」
突撃「まあ話はながくなるが、この世は精霊の加護で守られているんだ。」
勇者「精霊の加護?」
突撃「ああ、例えで言うと空気みたいな欠かせない存在らしい。」
勇者「ふーん」
突撃「で、だ。その精霊の加護がなんらかの理由で汚れてしまい
邪悪な塊となったのが魔物って言われてるらしいぜ。」
勇者「初めて聞いたよ、そんな話。」
突撃「まあな、別に聞かなくてもたいしたとくにもなんねーし」
勇者「(さっき重要って言ったじゃん…)で、続きはあるの?」
突撃「ああ、それで邪悪になった精霊の加護だが
モンスターが強いのは汚れが強いせいなんだ。」
勇者「なるほど」
突撃「精霊の加護が汚れて、魔物を倒した事によって浄化される。
その恩恵をちょっぴり受けるらしいぜ?」
勇者「それで魔物倒すとレベルアップ?みたいな?」
突撃「そんな感じだな。強い魔物程、加護が汚れてるから倒すとその分恩恵を受けるのさ。」
突撃「で、だ。メタルスライムって知ってるか?」
勇者「うん、なんかすごい経験値が入るとか何とか?よくわからないけど。
すごい邪悪なの?」
突撃「俺の先祖が代々いってるんだけどよ。
メタルスライムは、加護の汚れだけでなく死んだスライムの怨念とか残った汚れが
集まって生まれたらしいぜ。」
勇者「…そうなの?」
突撃「ああ、スライムって昔から雑魚モンスターで知れ渡ってるし、
汚れたものに更に汚れたものがとんでもなく高密度に集まったから
身を守るために、あんなクソ固い守りになったんだろう。っていう考えさ。
たぶんモンスターによって強くなったりならなかったりするんだろう。」
勇者「なるほど、それでメタルスライム倒すと恩恵をすごい受けるの?」
突撃「ああ、溜まりに溜まった汚れを浄化する事になるからな。
たくさんもらえるんだろう。」
勇者「なるほどね。みんながねらうわけだ」
突撃「けどよ…あまりにも汚れて、もう精霊の加護どころじゃないものには、まったく恩恵をうけないだったよ。」
勇者「へー、そうなのか。」
突撃「ああ、魔人とか悪魔とかそういった邪悪そのものを倒してもやつらを倒しても何も得ない…って、これも先祖が~」
勇者「ふむふむ」
勇者「このメタルスライムの鎧…今の所、悪い所はなさそうだ。
どのみち、良い鎧を買いにいく時間もないんだ。」
勇者「よし、行こう」
勇者「汚れに汚りきった精霊の加護でも、汚れだけを封印したら…
恩恵をすごい受けそうだな」
【 しかし なにも起こらない 】
勇者「…そう信じよう。メタルスライムの精霊の加護よ僕に力を与えてください」
【 なにもおこらなかったが、勇者は信じて前へ進んだ 】
【 ほこら 】
勇者「あっそうだった…このほこらの罠をとかなきゃ行けないってことだったよな…」
勇者「汚れなき純血…けがれなき……けがれなき??」
勇者「純血とかなんだ??汚れなき純血だから、汚れてない何かだよな」
勇者「処女?」
勇者「…僕は何をいってるんだ」
勇者「サキュバスのせいでおかしくなったな…きっと、うん、そうだ。」
勇者「あの王はなにか言ってなかったかな??」
勇者「純血と汚れの意味を知れ…汚れ?」
【 ふと、後ろのライトセーバに手が伸びた 】
勇者「…汚れなき、純血」
勇者「汚れてないもの??」
勇者「……っ!あ!!そういえば!!」
勇者「王にこの剣を一度も使ってないと言ったら…怒られるどころか褒められた。」
勇者「今思えば、アイツは魔物だったから…一度も使ってないものによろこぶなんて……」
勇者「!!」
勇者「あの時…喜んでいたようにみえたのは……僕が鍵をもっていたからか!?」
【 勇者の体が震えた 】
がしっ
【 勇者はライトセーバーを引き抜いた!!! 】
カッッッッ!!
【 一度も使わず、定期的に磨き上げ、1滴も魔物の血によって
汚れなき純血を守ってきたこの剣!! 】
勇者「…っ!」
【 勇者は台座に、「汚れなき純血のライトセーバー」を置いた!! 】
勇者「っっ!!!」
ぐにゃりっ
【 辺りの空間がねじれた!! 】
勇者「これは!?」
カッッッ!!!
勇者「うわ!まぶしい!!」
【 辺りはまばゆい光に包まれた!! 】
【 勇者は大規模な移動魔方陣によって飛ばされた!! 】
【 ??? 】
勇者「……ここは?」
勇者「…なにかの建物?薄暗いや」
【 勇者は天井が暗くなる程高い通路の中心にいた。
後ろには壁。
足下には、鍵として使ったライトセーバーが落ちている 】
勇者「…お城?それっぽい…内装だな。」
【 薄暗い通路だったが、通路の装飾や外見は
どこか高貴な雰囲気を漂わせるデザインだった。 】
勇者「天井…どこまであるんだか……」
【 天井は暗く、目を細めても見えない… 】
勇者「…奥に、すすむしかないな」
【 勇者は進んだ 】
【 しかし、行けども行けども…長く天井の高い通路は続いた 】
勇者「…この先に魔王がいるとしたらどこまであるけばいいんだ」
【 数時間後 】
【 勇者は自分が北の国から、南のほこらまであるいた距離と同じ程の距離を
ずっと進んでいた 】
勇者「むっっ!?」
石像「……」
勇者「石像?モンスターの石像か」
石像「……」
【 通路脇にある石像は魔物の外見をしている 】
勇者「ん?なんか奥にも…」
【 更に奥へ進むと、通路脇に規則正しく魔物の石像が飾られていた。 】
【 悪魔や、魔獣といったさまざまな魔物の石像が通路脇から互いを睨むようにたたずんでいる 】
勇者「…いよいよなのか?」
勇者「本当に…魔王がいるのか
こんな…こんな場所があるなんて……」
勇者「……」
【 扉 】
勇者「………」
勇者「……ふう」
勇者「……神よ、精霊の加護よ、僕に皆を救い、魔王を倒せるチャンスを
そして僕の生命力であるメガンテが効きますように。」
勇者「……おまえが、復活するのならそれを阻止してやる。
僕は…勇者だっ」
【 勇者は扉を開けた 】
【 大ホール 謁見の間 】
勇者「こ、これは…!?」
【 それは、みたことのある部屋だった。
見た事があるどころか、以前に何度もそこにいったことがある場所だった。 】
勇者「ここは…北の国の謁見の間!?どういうことだ!!?」
「どうやら、たどり着いたようですね。新しい勇者が」
勇者「!!」
側近「はじめまして、私は側近と申します」
勇者「側近!?(女…!ローブを被ってる…。ニンゲンと見た目が変わらないぞ。)」
側近「さようです。」
勇者「おい!お前が北の王と会ってるヤツだな!!
ヤツから聞いたぞ!!
魔王を復活させるだと!?」
側近「…っ!」
側近「おやおや、まさかそれを知ってここにくるとは予想外ですね。」
側近「あなたはどんな純血を差し出したのですか?」
勇者「背中に差してるこの白い剣だ」
側近「そうですか」
勇者「…この剣のように、使ってないものをあの台座において
迷い込んだ勇者達の魔力を魔王に与えているのか」
側近「そこまで知っていましたか。」
勇者「…やつを倒して聞き出したからな。」
側近「あなたがヘルバトラーを?」
勇者「ヘルバトラー?北の王様の事か。ああ、そうだよ。」
側近「…彼と連絡が取れなくなったのはそのせいですか。
まさか…彼がやられるとは…っ」
側近「彼を倒すという事はアナタは相当の魔力が……っない??」
勇者「ああ、そうさ。僕は魔力がほとんど無い。
僕は…素手で戦ったからな!」
側近「!!そうですか…あなたが素手勇者ですか」
勇者「僕を知っているのか!?」
側近「ええ、知っていますよ。ヘルバトラーからおもしろい話があると聞かされましたからね。
素手で旅するバカがいる…と。」
勇者「……」
側近「しかし、本当に素手で倒すとは…信じられませんね。
彼から素手勇者が帰って来たという話を聞いてまさかとおもったのですが…
素手などとは…」
勇者「素手でやれるかどうかは今試してみるか?」
側近「…ほう?」
勇者「聞きたい事も山ほどあるが……迷い込んだ勇者達はどうしたんだ!!
側近「ほぼ全員いますよ。」
勇者「……生きてるのか?」
側近「ええ、もちろん。魔王様を復活させる大事な食事ですから」
勇者「じゃあ、解放させてもらうぞ!!
魔王を復活させる前に!!!」
側近「……っふくく」
勇者「何がおかしい!!!」
側近「魔王様を復活させないため…ですか。ふふふふ…くははははは!!」
勇者「なんだよ!!」
側近「魔王様、素手勇者はこのように言っていますが??」
勇者「…は?」
「ふ~ん、残念だったね。私、もう復活してるの。」
【 側近の後ろ…謁見の間の奥、高くそびえる王座に誰かが座っていた。 】
「はははははは!おまえが素手勇者か!
気持ち悪い程ムキムキだな!」
側近「魔王様、あなたの復活の記念死となる相手が参りました。」
魔王「うむ、ご苦労だった側近。」
側近「して、魔王城の復活は?」
魔王「もうすぐだ。こいつと話しながら時間をつぶす。」
側近「こころえました」
勇者「おまえが…魔王?!どうみても…ニンゲン……」
魔王「違うな。我々の姿にお前らが似てるだけだ。」
【 それは自分と同じぐらいの年の女の子だった。 】
【 真っ白な肌に、真っ白でストレートな髪の毛
真っ白なドレスに、真っ白な装飾品… 】
【 だが… 】
勇者「うっ…」
魔王「ねえ、私の顔が珍しい?ふふふふふふふふふ」
勇者「(こいつの目…っ)」
【 目だけは…黒かった。
どんな闇よりも…どんな黒よりも……そこに底が見えない程の穴がポッカリあいてるような目だった。 】
勇者「…復活していたとは」
勇者「(こうなったらメガンテを…)」
魔王「ねえ、あなたは何しにここにきたの?」
勇者「…お前を倒すためだ」
魔王「どうして?」
勇者「魔王はかつて世界を滅ぼそうとした。
そのお前が復活したらまた世界はめちゃくちゃになるだろう。」
魔王「そうだね、世界中を恐怖と絶望に染め上げて
私の思い通りにするよ。」
勇者「だからお前を倒す」
魔王「ふふふふふふ、素手できたアンタが?」
勇者「そうだ」
魔王「ここまで素手で来た事はたいしたことだけど
さすがに限界というのものがあるよ?」
勇者「やってみなくちゃわからないだろ!
ぼくは今までずっとそう思ってここまできたんだ。
お前達のヘルバトラーってやつも素手で倒したぞ!」
魔王「…確かにヘルバトラーは強いヤツだった。
そして彼を素手で倒すお前もかなり強いと思うな。」
魔王「でも…」
【 魔王の顔が邪悪な笑みを帯びた 】
魔王「私には勝てない。この私の魔力にはな」
【 魔王の口調がおもくなった 】
勇者「!」
魔王「蘇れ!!我が僕達よ!!そして我が城よ!!!」
【 魔王は両手を天に向けた!! 】
勇者「させるか!!!!」 ドキュン!!!!
【 勇者のせいけんづき!! 】
側近「!?」
魔王「!」
ガン!!
勇者「っ」
魔王「ちっ…すばしっこいのはほめてやる!!」
魔王「だが邪魔はさせんぞ!!この日のために何百年もついやしたのだ!!
側近もヘルバトラーもだ!!」
魔王「ふっとべ!!!」
【 魔王の体から衝撃波が繰り出された!! 】
勇者「ぐお!?」
【 勇者はホールの入り口あたりまで吹っ飛んだ 】
魔王「ショータイムだ!!
そして、このホールにも明かりをつけろ!!側近!!」
側近「御意」 パチンっ!!
【 側近は指を鳴らした! 】
ぱあああああっっ
【 あっという間に、ホール全体に明かりが着く 】
勇者「…っっ!?!?!」
勇者「な、なんだアレは!?」
魔王「ふふふ…我が魔力として生活してきた勇者の石像よ。」
【 魔王の背後の壁は、階段のように段差になっておりホールをかこむように設置されている。
その段のところには… 】
勇者「あ、あれは!!見た事のある人達だ!!」
魔王「そう、今までここに迷い込んだ歴代の勇者達だ」
魔王「ああしてコレクションにして飾ってあるのだ。」
魔王「これから起こる世界の終わりを、見届けるようにな!」
勇者「き、貴様…!!」
勇者「(なんてことだ…!これは……もう夢とかそんなことを考えてる場合じゃない!!
これは現実だ!本当に魔王は存在している!!)」
ゴゴゴゴゴゴゴッッ
【 ホール全体に振動が響き、何かがせりあがるような音がする 】
勇者「くっ…」
魔王「魔王場復活に少し時間がかかるようだな……
よし昔話をしてやろう。
素手勇者よ。さきほど聞きたい事がやまほどあるといっていたな」
勇者「!」
魔王「ふっふっふっふ…何百年も前…私は伝説の勇者達の封印魔法「ジョマホン」によって
魔王城、配下の魔物達とともに封印された。」
勇者「……っ」
魔王「だが封印から逃れたものがいる。
側近とヘルバトラーだ。」
勇者「!(そうか…だからヤツはニンゲンに化けて暮らしていたのか!)」
魔王「ヘルバトラーのことは既に知っているだろう?
側近は封印魔法の範囲よりも、少し出ていたから
中途半端に封印された。」
側近「ええ、今思い返せばあれは幸運でした」
魔王「側近はなんとか、ほんの少しだけここから地上に出れるようになった。
そしてヘルバトラーと再会し、例の計画を立てた。」
勇者「それが…あのほこらの罠…!?」
魔王「そうだ。魔力もほとんど失い、私自身、この城などを復活させる魔力のために
他者の魔力が必要だった。」
魔王「この複雑で強力な封印をほどこされた場所に連れてくるために…
側近が外で入り口を仕掛け……成功した。」
勇者「……ばかなっ」
魔王「ありえない!とでもいうか??現に成功したんだよ!!
目には目をだ!複雑な呪文には同じように複雑な解除魔法を組み込めば良い!!
ヘルバトラーと側近の計画…勇者部隊などといった政策そのものが解除魔法の条件だ!!」
勇者「(政治をして…勇者が自然と旅に出て……最終的に勇者部隊をだして……
魔法の成功率を…!!)」
魔王「そして私は貴様達の魔力を吸収し続けた!!
本来勇者達の魔力など反吐が出るが、復活のため…貴様らに絶望を見せるために何百年も耐えた!!」
勇者「…」
魔王「ふっふふふふふふ!!あははははは!!
捕まえた勇者達の魔力を吸い付くしたら、死なないように薬を飲ませた!
何度も体力を回復させ!!その度に魔力を吸い付くした!!」
魔王「その時の顔が忘れられんよ!!自分たちの聖なる力が邪悪に染まっていくのをな!!
死のうと思っても死ねないように、薬にも魔法をかけたからな!!」
魔王「そうして、もう魔力が回復できなかったモノ達が今彫刻となっている。」
勇者「貴様…!」
魔王「それに勇者達の魔力が私になじむのも時間がかかったが…私自身の魔力が増えていけば
なじますのにも時間はかからない…」
魔王「そして復活したんだよ、私が、魔王が!
これまで複雑だった解除魔法で封印をとく最後の解除条件!!
「魔王の魔力が元以上に戻る」ことによってね!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッッ
勇者「うわあ!?なんだ!!」
側近「ついに…ついに魔王様が復活した!!」
魔王「ふはははははははは!!!あーーーーははははははははは!!!」
【 北の国 】
ドッッッッッゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
「うわーーーーーー!!」
きゃあああああああ!!
なんだなんだ!!
城が崩れたぞ!!!
あ、あれは!!!!
どうなってるんだ!!
【 教会 】
弓使い「なんだ!?いったいどうした!!!」
魔法使い「た、大変よ!!」
弓使い「何がおこった!今の大きな音と揺れは!!」
魔法使い「私にもよくわからないわ!!
北の城が急に崩れて…!!そこから真っ黒な城があらわれたのよ!!!」
弓使い「なんだって!?」
僧侶「な、なんなの…!?この変な感じ…
いやっ…いやあ!邪悪な魔力があたりに…」
戦士「ま、待ってください!!外に…」
弓使い「な、なんだ…!!!これは!!こいつらは!!!!」
スライムナイトの大群「 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオおオオオっっっっっっっ!!!!!! 」
【 なんと!
城周辺の草原の地面から、スライムナイトが次々とあらわれた!!! 】
弓使い「っっっ!!!みんな!!あいつらを倒すぞ!!
ヤバいぞ!!こっちに走って来るぞ!!!」
戦士「は、はい!!!」
女魔法使い「僧侶さんは教会に隠れて!!」
僧侶「で、でも!」
弓使い「はやくしろ!!間に合わなくなっても知らんぞ!!!
スライムナイトの群れが街に入るぞ!!!」
僧侶「っ!う、うん!!」
弓使い「うおおおおおおお!!!!」
【 弓使い達は外でうごめいているスライムナイトたちにむかっていった 】
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンン!!!!
【 魔王城はふっかつした! 】
【 勇者はホールの窓から、外の光景をみて驚いていた!! 】
勇者「な、なんてことだ!!!信じられない!!こんな!!こんな!!うおおおおおお!!!!」
魔王「あはははっははははははは!!!驚いたでしょ!!!
魔王城はね!!! 北の国の城の真下に封印されていたのよ!!!!!」
魔王「あの時…!!封印されたのは魔王だけだと勘違いしていたのよ!!伝説の勇者達は!!
私を封印する事に意識が向いてて、城まで地下に封印されてるのをしらなかったのよ!!
バトラーからきけば、城は崩れながら土煙をだし気がついたら瓦礫の山だったってニンゲン共はいってたわ!!」
魔王「封印で痛んでた魔王城は私の魔力で修復強化!!
再び、世に私の城が大地にそびえ立つのよ!」
魔王「それに…気づいてたかしら?バトラーはしもべでありながらも、私の上に自分の城を建てた。
そして自分が座る王座の位置は床に設置しただけ。」
魔王「そんな無礼を今、こうして魔王場を復活させ!!
元の城を全て壊すことを彼は望んでいたのよ。」
魔王「私の玉座は高い方にある……バトラーは本当によくつくしてくれたわ。」
勇者「…っ!」
魔王「側近!!お前に、初陣を任せる!!これまでバトラーと主に尽くしてくれた事への感謝だ!!
この国をアイツの好きな血と殺戮でそめあげろ!!!」
側近「りょ…かい!! しました!!われらが…王ヨ!!」
メキメキメキ…!!!
勇者「は!?」
【 側近の体がみるみる巨大化し、鱗が全身を覆い尽くした
つばさが生えたトカゲのような魔物…ドラゴンに変身した! 】
魔王「ふん!」
ドゴオオオン!!
勇者「!」
【 魔王は壁に大きな穴をあけた!! 】
魔王「ドラゴン!行け!!
私はこの勇者と戦う!!」
ドラゴン「御意!ゴオオオオオオオ!!!!」 ビュワッッッ!!
ゴオッ
勇者「うお!?」
魔王「隙あり!!」 ドキュン!!
【 魔王の攻撃! 】
勇者「うお!」 がしいっ
魔王「む!ふふふふ!よく防いだね!!」
勇者「(…思ったより力が無いのか!? )」
魔王「でも私には勝てないよ!!」 ドカ!!
勇者「うわ!!」
魔王「そらそらそらそらー!!!」 ギュオオオオオ!!!
【 魔王のバギクロス!! 】
勇者「うわああああ!!!くそ!!!」 ドキュン!!!
魔王「(はやい…!こいつ魔力が無いくせに…!!)」
魔王「(…っそうか、この微かな魔力。あのリングの力か!)」
勇者「おらああああああああああっっっっっ!!」 ボッッッッッッ!!
バキッッッッ!!!
魔王「!」
【 魔王は吹っ飛んだ!! 】
勇者「どうだ!」
魔王「ふっっふははっはは!!おもしろい!!だがきかんぞ!!」
勇者「!」
【 魔王は自分の魔力に酔いしれるように力を出している
その影響のせいか口調…精神が安定していないようだ 】
魔王「くらええええ!!!ベギラゴン!!」
勇者「うおおおああああ!?」
魔王「ははははははは!!」
勇者「…!くそっっ!!!」ドキュン!!
【 勇者は荒れ狂う炎の中から脱出した! 】
勇者「!」
【 魔王は死神の剣をくりだした! 】
魔王「消えろ!!!」
ズ バ ン ッッッッッ!!!!!
勇者「う!」
ガギイイイイイイイン!!
【 勇者の鎧が死神の剣を弾いた!! 】
魔王「なんだと!?」
勇者「はあ…っはあ…っメタルスライムの鎧…!!こんなに頑丈なのか!!」
魔王「…っほお、そんなモノまで用意してあるとはな。魔力もきかんか。」
魔王「なら力づくだ!!」
【 魔王のバイキルト!! 】
勇者「!」
魔王「ずあ!!」
【 魔王のせいけんづき!!! 】
ドウン!!!!
勇者「ぐは!!!!」 どばっっ!
【 勇者は吹っ飛んだ!! 】
ピキッッッ
【 メタルスライムの鎧にひびが入った 】
勇者「!(今のでもうメタルスライムの耐久力が減った!?まずい!!)」
勇者「(あのバイキルトでここままでパワーが増した…っ!)」
魔王「ふふふ…」
勇者「なんて魔力だ…っ」
うううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっ!!!
勇者「な、なんだ!!!」
魔王「…ああ、私と一緒に封印された部下達だ。
もっとも魔力が少ない分石化までされてたが…封印もとけたようだ。」
勇者「!」
魔王「今からやつらは北の国のニンゲン共を喰らい尽くすだろう
なにしろ何百年も何も食べていないのだからな」
魔王「素手勇者!!今からとってもおもしろいショーがはじまるぞ!!
あははははははははは!!!」
勇者「くっっそおおおお!!!」
魔王「ははは!部下達がこの部屋にくるまでに私を止められるかな!?
とめたとしても何百匹も相手をする体力が残ってたらの話だ!!」
勇者「とめてやるさ…」
魔王「なに?」
勇者「とめてやる!!僕は…勇者だ!!!」 ドキュン!!!!!
魔王「!?ど、どこだ!???」
勇者「魔力が高いだけで…どうしたああ!!!」
【 勇者の不意打ち!! 】
ドガっっっっっ!!!
勇者「ん!?」
魔王「おしい…おしいな……パワーならお前の方が上かもな。
だが…」
ぼわわ~っ
【 魔王の周りに不思議な衣がある 】
勇者「バリア!?」
魔王「そうだ。物理攻撃や魔法攻撃も防ぐぞ。あははははははは!!」
勇者「くっっそおおおおおお!!!」 ドキュン!!
魔王「!」
勇者「ばくれつけん!!!」
【 勇者の怒濤の100連撃!! とはいかず、魔王も攻撃をかわした!! 】
魔王「バカめ!!バリアがあって無敵と言っても、だまって攻撃を受ける分けないだろう!!勇者め!!」
勇者「くっっ…ぼくの力が足りない……!!」
【 勇者は本当の意味での絶望を味わった 】
【 魔法も今の自分には使えない。
肉体の力も手加減は一切していない。1発1発力を込めてはなった。
だがバリアのせいできかない… 】
勇者「(こんな時に…弓使い達がいても……いた分だけ
街を守る人は少なくなってしまう…!)」
勇者「(1人できたのは結果的に正解だったのか??わからない!!)」
勇者「(もしもの時とはいえ……やっぱり皆に相談した方が良かったのかな??)」
勇者「(僕は負けそうだ……このまま勝つ方法が思い浮かばない!)」
魔王「ははははは!!消えろおおおお!!」
【 魔王の攻撃!! 】
勇者「…っ!」
【 勇者は…メガンテを使う事にした! 】
【 だが只使うのではなかった!
指輪でメガンテを使えるようになり…、腕輪でメガンテを防ぐ!! 】
【 もしかしたらという考えが勇者の頭の中でひらめいた!! 】
勇者「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
【 勇者はグローブを脱ぎ捨てた!! 】
魔王「!!!?
おまえ!!その指輪はまさか!!」
勇者「 メ ガ ン テ ! ! ! ! ! ! 」
ドッッッッゴオオオオン!!!!
魔王「ぐあああああああああああ!?」
【 メガンテのパワーが宿った拳が、魔王を直撃した!! 】
勇者「ぐっ…はあ…はあ…はあ…っ!!
い、いきてる?僕は…っ!!」
【 指輪を装備した右腕は黄金の色で輝いている。
輝いているのは、肩につけたメガンテの腕輪までの間。 】
【 勇者の直感は的中した! 】
勇者「メガンテの腕輪をつけてメガンテを使っても…死なない……!」
勇者「うっ」 ふらっ
【 突如、めまいが襲った 】
勇者「(そうか…、命を捨てた一撃を無理矢理使ったようなものだから
体に影響が出たのか…!!)」
【 右腕も若干震える… 】
魔王「ぐは…げほっ!ごほっっ!!貴様!!メガンテだと!?
ぐぞおお!!こんな!!!メガンテのパワーがこんなにも…!!!」
勇者「生命の…力……僕が…鍛えてきた……力!!」
魔王「い、今までに何人かがメガンテをつかってきたが…
さほど威力は無かった…
こいつ!まさか…素手で鍛えて……危険な旅をして生き残ってきたぶんの生命力があるのか!?」
勇者「…どうやらそういうことらしいね。」
魔王「ふざけるな!!!わたしの魔力がそんなチンケなワザにやられるか!!!」
【 魔王のせいけんづき!!
魔王の魔力によって、その拳の威力は重たく…!そしてはやかった!! 】
ゴシャアアア!!!
勇者「ぎゃ!?」 ドカン!!
【 勇者は壁に向かって思いっきり吹っ飛んだ!! 】
勇者「うがああああ!!」 ぐるん!
【 勇者は体を回して、壁に足を着いた!! 】
ぐぐぐぐぐ…
魔王「しねええええええ!!!!」
【 魔王は構えた!! 】
勇者「だあああああああああああああっっっっっ!!!」
【 勇者は足の力と吹き飛ばされたときの反動を逆手に取った! 】
ダ ン !!!!
【 勇者が壁を蹴った!! 】
勇者「うおおおおおお!!!」
【 勇者は片足をまっすぐのばし、魔王めがけて力を込める!! 】
魔王「ばかが!!撃ち落としてやるわ!!」
魔王「マヒャド!!」
ドドドドドドドドドドドドン!!!
【 氷の塊が無数に飛んで来る!! 】
勇者「(ぼ、ぼくのメラとそっくりだっ!!)」
勇者「うがああああ!!!」
【 勇者は体勢をかえた!! 勇者は両足をばたつかせ、氷の球をはじいた!! 】
ガン! ガンガン!! どがっっ!!!
魔王「なにい!?」
勇者「だあああああああああああああああ!!!!」
魔王「なっ!!」
ドガっっ バシバシ!!! ドウン!!
魔王「がはっっ!!」 どしゃあっっ!!
勇者「うが!」ずさあああ…!!
【 勇者の連続蹴りで魔王は吹っ飛んだ!! 】
【 勇者はうまく着地をきめて、そのまま魔王に突っ込んだ!!! 】
勇者「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
メガンテ!!!!!」
【 勇者の右腕が光り輝いた!! 】
魔王「う!」
ド ウ ン !!!!!!
魔王「がっっっ!?」
【 魔王がさらに吹っ飛ぶ!!
バリアの力が弱まってきた!! 】
勇者「げほっっっ!」
【 無茶な方法で使ったメガンテの反動で勇者は吐血した! 】
魔王「こ、この…っっっ!!!なめるなああああ!!!!」
【 魔王のたいあたり!! 】
勇者「!!」
ドガン!!
勇者「うわあああ!!!」
魔王「はあ…っはあ…っ
(そんな…もうバリアの魔力が切れてきている!?
防御に魔力を使いすぎたというの!?)」
【 勇者は知らなかったが、魔王の魔力は
強力なメガンテを防ぐためにどんどん消費していったのだった 】
勇者「はあ…はあ…っん?」
ピキッッ ピキピキピキ!!!
勇者「まさか…っっ」
メタルスライム「GYAAAHHHHHHHHHHH!!!!!!」
勇者「もう…限界なのか!」
【 封じ込めたメタルスライムの耐久度が限界を超えた!
封印されていたメタルスライムは消滅した… 】
魔王「なに!?まさかその鎧…封印の鎧!?
それで魔法がきかなかった訳ね…!!」
勇者「はっ…知ってたのか、この鎧の事」
魔王「ええ、知っているわ。
それをつかって私を封印しようとしたバカがいたけど…
封印するがたりなかったのよ。
あなたのもそうかもね。ふふふふふふ」
勇者「ちっ(やっぱり…メガンテできめるしかないか……)」
勇者「(右腕の感覚が…変だ。はやくしないと…!!)」
魔王「うおおおおおおおおおおお!!!」
【 魔王は死神の剣で再び襲いかかってきた!! 】
勇者「うりやああああああああ!!!!」
【 勇者はとっさにライトセーバーを抜いた!! 】
魔王「ふん!!!」
勇者「おらああああ!!!」
【 互いの剣がぶつかりあう!! 】
バ キ ン !!!
【 ライトセーバーがおれてしまった!! 】
勇者「おれたあ!?」
魔王「ははははははは!!!」
勇者「おらああ!!!」ギュオン!!!
魔王「ちっっ!!!」 サっ
勇者「おそい!!!!!!」 キュイイイイイイン!!!!
魔王「なっ!!」
【 勇者はすばやく後ろにまわりこんだ!!! 】
魔王「あっ…!」
勇者「メガンテ!!!!!!」 ッッッッッッボ!!!!!
【 勇者の燃える拳がヒットした!!!
勇者は「メガインパクト」を体得していた!! 】
勇者「ぐっっ…うおおおおおおおおお!!!!」
魔王「がっはああ!!」
【 勇者は追撃をやめなかった!! 】
ドゴオオオオ!!!! ドゴオオオオ!!!
魔王「げほあ!?」
【 魔王は吐血した!! 魔王の体に傷がついた!! 魔王のバリアがとけた!! 】
魔王「が…き、貴様ああああ!!!よくも!!私ををををを!!!!」
勇者「!」
魔王「その腕輪がじゃまだアアア!!!」
ガシ!!!
【 魔王はメガンテの指輪に手を伸ばした!! 】
勇者「!」
魔王「砕けろ!!!!」
ピキっ!
勇者「メガンテ!!!!!!」
【 勇者はメガンテを唱えた!!
なぜなら既に魔王を殴る隙もなかったからだ!!
いちかばちかの賭けで勇者はこのメガンテにかけた!!
自らも巻き込んだ爆発のメガンテをイメージして!! 】
魔王「!」
勇者「うっっ!!!!」
ドグオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!
【 北の国 】
ドラゴン「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
【 ドラゴンは我を失ったかのように暴れ続けていた! 】
「ひるむなー!!うちおとせーーー!!」
「うおおおお!!」
「うわああああ!!!」
「みんなにげろおおおおお!!!」
「うわああああ!!!魔物だああああ!!!」
「いやあああああああああ!!!」
ドラゴン「ぐおおおおおおおおおおおお!!!!」
【 ドラゴンのしゃくねつの炎!! 】
ぎゃああああ!!!
うわああああああああ!!!!
だれかああああああ!!!
【 抵抗も出来ないまま、街の人は死んでいった… 】
【 教会の中 】
スライムナイト「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
戦士「えええええい!!!!」
ズバン!!!
ナイト「」
戦士「はあ…はあ……!!あと何体いるんですの!?
街には大きな怪物がでたというのに…!!」
ナイトB「GAHHHHHHHHHHH!!!!!」
戦士「う!…えええええいい!!!」
ズバン!! ズバン!!!!
【 僧侶の部屋 】
ドンドン!! ドンドン!!!
僧侶「ひっ…ま、魔物がここまで…!!」
僧侶「だ、だれか助けて…!!勇者!!勇者!!どこにいったの!?」
バゴン!!!
スライムナイトC「うおおおおおおおおおおお!!!」
僧侶「い、いやああああああ!!!!」
バシュ!!!!!
ナイトC「が!?」
ドサっっ
僧侶「あ、ああ…ああっっ」がくがく
弓使い「おい!しっかりしろ!!!」
僧侶「ああ…ああああ…」がくがく
弓使い「僧侶さん!!!まだ君は死んじゃいない!!!」
僧侶「はっ!」
弓使い「はあ…はあ……、教会の中はもう安全だ。
外の方はあらかた片付いたが……今度は街のほうが騒がしいとのことだ……」
僧侶「……あ、おじいちゃんは!?おじいちゃんは無事なの!?」
弓使い「ああ、今は礼拝室でケガをしてる人と一緒にいる」
僧侶「よかった…」
弓使い「それで…君もきてくれ、ケガをした人がいる」
僧侶「う、うん」
弓使い「いくぞ!!」
僧侶「…っあ、あの」
弓使い「?」
僧侶「ありがとう、助けてくれて」
弓使い「ああ」
【 弓使い達はスライムナイトの大群をなんとかやっつけたが
被害はかなり多かった。
教会はほとんどけが人であふれている 】
魔法使い「無事だったのね!あなた!」
弓使い「ああ、四方八方からナイトがきたからな……うぐっっ」
戦士「…あなた背中を切られてますわ!!」
弓使い「心配ない…このくらい。」ふらふら
僧侶「だ、ダメよ!!大人しくして!」ぐいっ
弓使い「うっ!」
魔法使い「……」
僧侶「…ちょっと触っただけでこうなってるんだから
ベホマかけるから、ゆっくり横になって」
弓使い「…すまん」
魔法使い「私たちは、他のひとたちと一緒に街にいくわ!!」
戦士「ええ!!」
突撃「おい!お前ら!!大変だ!!」
女魔法使い「なに!?」
突撃「街に突然出てきた城から、ドラゴンが出てきやがった!!
街の人はひなんしてるが、やべえぞ!!
もう勇者が何人かやられちまった!!」
戦士「ドラゴンですって!?」
女魔法使い「(そんな…なんでそんなやつがこの街に!!)」
女魔法使い「くっ!ねえ、あなた!
本国から援軍を呼んでくるよう行ってきて!!
特に回復やサポートが出来る人を!!」
魔法使いA「は、はい」ドヒュン!!
【 魔法使いAは援軍を呼びに魔法の国にルーラで飛んだ! 】
突撃「援軍はありがてえ!!!
オレたちもいくぞ!!!」
戦士「ええ!」
弓使い「くっ…」
僧侶「もし…いくならケガが治ってからにして…」
弓使い「ああ」
【 ホール 】
【 大爆発によって、煙が充満した部屋… 】
魔王「げほ!げほ!!っがは!!バカな!!そんなバカな!!」
魔王「私の魔力が!!なぜ!!こんなにもたやすく奪われるんだ!!」
魔王「なぜだ!!なぜだあああ!!」
【 魔王はその純白の体を、血や傷で汚していた。 】
勇者「……お前、は…自分の力で……戦っていないから…だ!!」
魔王「勇者!!貴様…!!!」
魔王「!?」
勇者「ぜえ…ぜえ……ぜえ……っ」
魔王「お、おまえ!なぜそんな体になってまでたっていられる!!」
勇者「まだ…死ぬわけにはいかない……!!」ふらふら
【 勇者の体のほとんどが、大きな傷と火傷、
そして、指輪をはめていた右腕は黒こげになって、紙のようにペラペラとしていた! 】
【 砕ける瞬間にメガンテの腕輪の効果が、少し残っていたのだ! 】
勇者「ぜえ…ぜえ…!」
魔王「この死に損ないめええええ!!!」
バ ン !!!!
勇者「!」
魔王「…!!!はははははは!!どうやら間に合わなかったようだな!!」
魔物達「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
勇者「くっっ!」
魔王「目覚めた部下達が、この部屋にたどり着いた!!
さあいけ!!お前達!!外の世界でニンゲン共を食いつぶせ!!」
魔物「うおおおおお!!!」
勇者「くそっっ!」
【 戦闘にいた魔物が外に出ようとした瞬間だった!! 】
ズバっっっっっ!!!!
魔物「ぎゃああす!!!」
魔王「な!?」
歴代勇者A「この状況…好機と見れるか。」
勇者「あっ…」
歴代勇者A「どうやら…石化がとけたらしいな。」
魔王「な、なぜおまえが!!そこにいる!!
石にしたはずだ!!!」
歴代勇者A「わからん…だが解けたという事は
魔王!お前の魔力が弱っている証拠だ!!」
魔王「!」
歴代勇者A「…っ!
…みんなが、貴様の呪いから解放されていく。」
魔王「な!?」
勇者「こ、これは…!」
【 ホールの中に響き渡る、人間達の声 】
【 魔王の魔力によって石にされた勇者達が蘇った!! 】
魔王「そんな…バカな!!!!そこまで魔力が減っているというのか!?」
勇者「は、ははは…」
歴代勇者A「だが…油断は出来ん!
さっき魔物を切れたのは隙をつけたからだ。」
魔王「……っそうか。そうかそうか!!
貴様ら!!魔力が無い状態で石にしたから、蘇っても魔力が復活してないな!!ははははは!!!」
勇者「くそっ…」
歴代勇者「なぜこのような状況になったかわからんが…
魔物達を食い止めないと!!」
うう…
せきかがとけたのか…オレたち
なんだあの魔物の軍勢は!!
ま、魔王が血まみれだ!!
なに!魔王より強いやつがいるのか!?
勇者「み、みんな!!!聞いてくれ!!!」
全員「!!」
勇者「今!ここにいるみんなにお願いがある!!
魔王城は地上に蘇った!!
そして、封印されてたモンスター達が一斉に外に出様としている!!
もうドラゴンが街を襲ってるんだ!!!
たのむ!!魔物達をやっつけてくれ!!」
魔王「余計な事を!!!」 ゴオっ!!
勇者「うがあああああああ!!!!!封印!!!」
【 封印の鎧が輝く!! 】
魔王「な!?まだ使えるのか!?そんなボロボロになってまで!!」
勇者「お前に…!効くわから無いけど…!!」
ギュウウウウウウウン!!
【 魔王の鎧の吸収効果で魔王は動けない!! 】
魔王「ぐっ…うごけ…!!」
勇者「みんな!!今、魔王の動きをふうじた!!
はやく!!!」
全員「よ、よし!!わかった!!うおおおおおおおお!!!」
【 歴代勇者達は、石化から解かれて復活し
魔王の魔物達と各自戦った!! 】
「うおおおおおおおお!!!」
「やらせるかあああああ!!!!」
「ええええいい!!!」
「しゃああああ!!」
魔王「この……勇者どもが!!!」 ゴウ!!
勇者「くっ!」
ピキピキ…
勇者「あっ!」
魔王「はあああああああ!!!」
バッッキイイインン!!!
【 なんと!封印の鎧は魔王の魔力を吸いきれず、粉々に砕けた!! 】
勇者「くそっっ!!」
魔王「そんなモノに私を閉じ込められると思ったのか!!勇者め!!」
魔王「マヒャド!!!」
【 しかしMPがたりなかった!! 】
魔王「!?」
勇者「っっっ!!」 ダッッ!!
【 勇者は急接近した
すでにほしふる腕輪もメガンテで砕け散ったが
勇者は知らずにいる 】
魔王「!」
勇者「だああああああ!!!」 ボッッッッッ!!!
バキ!!!
魔王「ぎゃ!?」
【 魔王の頬に拳が入る!! 】
魔王「が…!あああ!!貴様!!!」
勇者「だああああ!!!」ぶん!!!
魔王「くそが!!」 さっ
ドウン!!!
勇者「がっ…!」
魔王「私のバイキルトはまだ効果は続いている!!
勝負あった…」
勇者「だああああああああああああ!!!」
魔王「!!」
【 勇者の頭突き!! 】
ば き !!
魔王「ぎゃああ!!!」
【 もう魔王の顔は血や、殴られた痣で美しい姿の形も無い 】
【 鼻血をだし、みすぼらしくなっていた 】
魔王「が…っく、そめ!!あああああ!!」
勇者「おあああああああああ!!!」
【 両者は殴り合いをした!!! 】
ドラゴン「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオおオオオ!!!!!!」
魔法使い「うっっ!強い!!なんでこんなやつがここに!!!」
戦士「あの黒い城も…!!一体何が!!!」
ドラゴン「gOOOOOOOHHHHHHH!!!!!」
【 側近であるドラゴンは正気を失ったかのように
暴れ続けた!! 主である魔王の魔力が減った事にも気づいていない!!
何百年も血肉をくらわなかった反動が今あらわれていた! 】
魔法使い「まずい!!
街も半壊してるし、まだ逃げ遅れた人も…」
「せいやああああああああああ!!!!」
「はあああああああああああああ!!!!」
「その首もらったあああああああああああ!!!!」
ズババババババッッッッッ!!!!
ドラゴン「ぎゃあああああああああ!!!」
魔法使い「あ、あなたたちは!?」
竜狩勇者「あんたらを助けにきた!!」
絶望勇者「私たちも加勢しますよ!!」
破壊勇者「今、とんでもない事があの城でもおこってる!!
はやくこのドラゴンをぶったおすぞ!!」
「「おおおおおお!!!」」
魔法使い「だ、だれか知らないけどありがとう!!」
戦士「え、ええ!!もう一度あのドラゴンに挑みましょう!!」
「「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」」
ばき!!! どか!!!! どか!!! ばん!!!
がっ!!! ドウン!!! べき!!!!
魔王「ぜえ…っ!!ぜえ…っ!!ぜえ……っ」
勇者「う…っく……はあ…はあ!」
【 勇者と魔王は最後の力を振り絞りながら、殴り合っていた!! 】
【 お互いへいしきり、がむしゃらにとっくみあっていた!! 】
【 周りで歴代勇者と魔物達が戦っていても!
お互いには目の前の敵しか見えていなかった!! 】
魔王「い、いい加減に……死ねよ!!」
【 魔王のパンチ!! 】
勇者「がっっ!?」
魔王「はあ…はあ…」
勇者「…~~~~~っっっっだあ!!!」
【 勇者のパンチ!! 】
魔王「ぎゃあ!?」
【 魔王は怯んだ!! 】
勇者「あああああ!!!!」
めしり!!
ぎゅううううううう!!!
魔王「あああ!!がっ、うぐうあああ!!」
【 勇者は魔王の髪の毛をむしるように、つかむと
おもいっきり顔を床に叩き付けた!! 】
ドがン!!!
魔王「ぎゃあああああ!!!」
勇者「ぜえ…ぜえ……!!」 よろよろっっ
【 勇者の体は限界を超えていた。
メガンテを無茶につかった反動で、体の内部はボロボロ
メガンテを外に暗い、なおかつ魔王の鉄拳もくらい
火傷に肉がえぐれてたり、全身黒く血だらけだった 】
【 魔王もおなじだった。
すでに対峙したときの美しい少女ではない。
服はボロボロ、白い外見も血で塗れ、
ベトベトになった髪の毛は、無惨なじょうたいだった。 】
魔王「わ…わたし……は、魔王!だ!!」 ぐぐぐ…
魔王「貴様なんかに!!!魔力も何もない貴様なんかにいいいいいい!!!!」
ズ ボ ッッッッ
勇者「!」
ド ス !!!!
歴代勇者達「お、おい!あいつ!魔王と戦ってるヤツ!!」
歴代勇者達「はあ…はあ……あれは…そんな!」
歴代勇者達「おい!魔物達はまだ残ってて…あっ」
ぽたぽた…
魔王「ぜえ…っぜえ…っぜえ…は、はははは!!」
勇者「う…くっ…ヒュー…ヒュー 」
【 魔王の腕が、勇者のお腹を貫いていた 】
魔王「は、ははは!!勝った!!勝った!!!」
勇者「……ふーっ、ふーっ!!!」ギロ
魔王「!?」
勇者「…っっっあああああああ!!!!だあああああああああああああ!!!!!!!!!」
【 勇者のげんこつ!!! 】
【 勇者の体の生命エネルギーがつきた!! 】
魔王「がっっっ!?」
ずっ
ずぼあっ
【 魔王の腕が勇者の体から抜けた 】
魔王「あっが…!?まだ、戦える…だと!?」
勇者「……」ギロ
魔王「き、貴様…なんだというのだ!!!!
私は魔王だぞ!!!!魔族の王!!!魔王だ!!!!
私の魔力は全て…全ての存在を上回ってるんだ!!!!
お前の…お前1人のちっぽけな生命力な…ど!?」
ドクンっっ!
魔王「が!!な、なんだ!?体が…!!」
【 魔王の体から、青白い光が漏れていく!! 】
魔王「な!そんな!!まさか!!このエネルギーは!!あああああ!!!!」
【 魔王の体から、奪い取ってきた歴代勇者の魔力が吹き出た!! 】
魔王「ばかなあああ!!!なぜだ!!!なぜ!!!
魔力はなじんだはずだ!!!なじんだからこそ封印はとけたのに!!!
なんで!?どうして!?」
【 魔力の影響で変わっていた口調も、元の少女にもどりつつあった 】
魔王「まさか…いや!そんな!!私の中の…
奪い取った魔力に…!コイツの生命エネルギーが影響したとでも言うの!?
わ、わたしの魔力を…上回った……の?」 ふらふら
勇者「…おまえの、負けだ」
魔王「!?」
勇者「他人の魔力を吸って…それにすがった時点で……
お前の負けだ 」
魔王「ふざけるな!!!私が…私が負けるなど!!!」
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