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元スレ承太郎「怪異だと?」
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乙
アララギ君もいるのか…
ひたぎさんをゲットするのはどっちだ
アララギ君もいるのか…
ひたぎさんをゲットするのはどっちだ
…うん、いっぺん読み返したけど承太郎に八九寺が見えてると断定できる描写はないかな?
神は見えたのに霊は見えないのか、それとも普通に見えてるのか
神は見えたのに霊は見えないのか、それとも普通に見えてるのか
スタンド使いがスタンド以外見えるとは一言も言及されていない。
唯一、確実に見えていたのは『幽霊』ただ一人+一匹。
蟹も見えているか、と言われたら怪しい感じ。
どこまで承太郎のブラッフ(ハッタリ)なのか。
とにかく乙です。
唯一、確実に見えていたのは『幽霊』ただ一人+一匹。
蟹も見えているか、と言われたら怪しい感じ。
どこまで承太郎のブラッフ(ハッタリ)なのか。
とにかく乙です。
>>1に良いクリスマスを。
あれ、ららら木さん、ヶ原さんとも羽川さんともフラグ立ててないんだよね?
徐倫の母親になるのはどっちだ!
徐倫の母親になるのはどっちだ!
>>211
アメリカの女性ですな
アメリカの女性ですな
新年あけましておめでとうございます……というには遅過ぎますね……。
年末年始と忙しく、まともに書きためもできなかったのですが、近頃ようやく余裕ができてきました。
あまりお待たせするのも心苦しいので、とりあえず数レス分投下させて頂きます。
年末年始と忙しく、まともに書きためもできなかったのですが、近頃ようやく余裕ができてきました。
あまりお待たせするのも心苦しいので、とりあえず数レス分投下させて頂きます。
承太郎「……そろそろ帰るか……」
阿良々木に出会ってから数十分。休憩というには長過ぎるような時間の間、俺はベンチに座っていた。
できることならもう少し座っていたいが、そろそろ昼飯時だ、帰らなければいけない。
……恐らく今頃、俺の家には、豪勢な昼食の用意がなされつつあるんだろうな……。
そう思いながら、公園を後にしようとした、その時──
阿良々木「こいつの家を探すのを手伝って下さい!」
ちょうど戻って来た阿良々木に土下座された。
承太郎「おい……てめえ何をしていやがる」
阿良々木「土下座だ」
承太郎「そんなことは見れば分かる……俺が訊きたいのは数十分も前に迷子を送りに行って、なんでまだ家についていないのか……ということだ」
阿良々木「……たどり着けないんだ」
承太郎「……なんだと?」
阿良々木「たどり着けないんだよ……おかしいんだ、いくら僕に土地勘が無いからって、こんなに迷うことは、普通、ないはずなのに──」
承太郎「……てめえが方向音痴なだけじゃあねーのか?」
阿良々木「いや……そんなことはないな、普通なら、地図を見ながらであれば、大抵の場所にはたどり着ける」
承太郎「…………」
……『普通』なら、そんなことはあり得ない、阿良々木がおかしいだけだ──と、切って捨てるのだろう。
だが……『普通』ではない、『異常』な事態だとしたら……もっというなら、怪しくて異なる事態だとすれば──。
承太郎「……どこだ?」
阿良々木「?」
承太郎「目的地だ……さっき言っていただろう……メモを見せろ、とか」
阿良々木「あ、ああ。えっと──」
阿良々木が住所を読み上げる。
……ふむ。この住宅地図では正確な場所までは分からないが、大体の場所が分かれば、あとは一つ一つ調べればいい。
承太郎「……行くぞ」
阿良々木「ああ……ほら、行くぞ八九寺」
八九寺「…………」
これだけです
投下してみれば、数レスどころか2レスでしたね……
これからも更新は続けていくので、今年もよろしくお願いします
投下してみれば、数レスどころか2レスでしたね……
これからも更新は続けていくので、今年もよろしくお願いします
>>221 確かに絵が無いので、口の重い承太郎の場合、地の文や、情景描写があると楽める。
生存報告
最近はなかなか時間がとれずあまり書きためができていません……ごめんなさい
見てくれてる人のためにももっと更新数を増やしたいと思っているのですが……
とりあえず今度の三連休に一度投下します
最近はなかなか時間がとれずあまり書きためができていません……ごめんなさい
見てくれてる人のためにももっと更新数を増やしたいと思っているのですが……
とりあえず今度の三連休に一度投下します
>>227了解
今回もあまり量はないです……ごめんなさい
とりあえず投下します
とりあえず投下します
承太郎「…………そういう訳だ、もうしばらく待っていてくれ…………ああ……じゃあな」
通話を切る。
今、俺は元いた公園の入り口付近にいる。阿良々木達は公園の中だ。
そろそろ昼も過ぎてしまうからな……母親にいらぬ心配をかけさせないよう電話をかけるため、先に入ってもらった……という訳だ。
……結果から言えば、阿良々木の言っていた通りだった。
俺達は、何度行っても、目的地に辿り着くことが、できなかった。
通話を切る。
今、俺は元いた公園の入り口付近にいる。阿良々木達は公園の中だ。
そろそろ昼も過ぎてしまうからな……母親にいらぬ心配をかけさせないよう電話をかけるため、先に入ってもらった……という訳だ。
……結果から言えば、阿良々木の言っていた通りだった。
俺達は、何度行っても、目的地に辿り着くことが、できなかった。
最初は、土地勘がないせいだと思った。
初めての土地だ、迷うのも仕方ないだろうからな……。
次に、地図が古いせいだと思った。
どうやら、最近になってこの辺りは区画整理をしたようで、新しい道路が入り混じり、あの公園の住宅地図と、全く違う様相を呈していたのだから。
しかしよく考えれば、道が増えたりしてはいるが、昔の道が完全になくなっているわけではない……構造的に迷うわけがないのだ……『普通』ならば。
二回目、三回目……と繰り返すうちに、違和感は大きくなっていき、明確なものとなっていた……。
だから俺は、結論づけた。この現象を──この『異常』な現象を──『怪異』の仕業だ……と。
初めての土地だ、迷うのも仕方ないだろうからな……。
次に、地図が古いせいだと思った。
どうやら、最近になってこの辺りは区画整理をしたようで、新しい道路が入り混じり、あの公園の住宅地図と、全く違う様相を呈していたのだから。
しかしよく考えれば、道が増えたりしてはいるが、昔の道が完全になくなっているわけではない……構造的に迷うわけがないのだ……『普通』ならば。
二回目、三回目……と繰り返すうちに、違和感は大きくなっていき、明確なものとなっていた……。
だから俺は、結論づけた。この現象を──この『異常』な現象を──『怪異』の仕業だ……と。
だとすると……あの迷子の八九寺とやらに怪異がとり憑いているのだろうか。
それとも……やつ自身が──怪異だったり……するのか?。
…………ん。
承太郎「あれは……羽川、か」
道の向こうから歩いてこちらに向かって来る、制服を着た三つ編みのクラスメイト、羽川翼を発見する。
ちょうどあちらも俺に気づいたようで、手を振りながらやや歩調をあげて、やって来た。
羽川「やっほー、空条くん。どうしたの?何やってるの?こんなところで」
承太郎「……まあ、ちょっとな……。そう言うお前は、何をしているんだ」
羽川「私は、暇潰しだよ。……ほら、空条くんは知ってるんだよね。私、家、居づらいからさ。
図書館も開いてないし、日曜日は散歩の日なのよ。
健康にもいいしね」
承太郎「……そうか」
それとも……やつ自身が──怪異だったり……するのか?。
…………ん。
承太郎「あれは……羽川、か」
道の向こうから歩いてこちらに向かって来る、制服を着た三つ編みのクラスメイト、羽川翼を発見する。
ちょうどあちらも俺に気づいたようで、手を振りながらやや歩調をあげて、やって来た。
羽川「やっほー、空条くん。どうしたの?何やってるの?こんなところで」
承太郎「……まあ、ちょっとな……。そう言うお前は、何をしているんだ」
羽川「私は、暇潰しだよ。……ほら、空条くんは知ってるんだよね。私、家、居づらいからさ。
図書館も開いてないし、日曜日は散歩の日なのよ。
健康にもいいしね」
承太郎「……そうか」
羽川翼。
異形の羽を、持つ少女。
学校では真面目で、品行方正な、非の打ちどころのないやつだが──家庭に不和を抱えている。
不和、そして歪み。
だから──猫に魅入られた。
そして、その問題が解決し、猫から解放されたところで、こいつの記憶が消えてなくなってしまったところで、不和も歪みもなくならねえ。
不和も歪みも残り続ける。
そういうことだ。
承太郎「……羽川、お前向こうの阿良々木が見えるか?」
羽川「え?あ、本当だ。阿良々木君だね……隣の女の子は、妹さんかな?」
………………。
承太郎「いや、迷子だそうだぜ。……俺達は、今あいつを送ろうとしているところだ……」
羽川「へえ~そうなんだ。……名前は?」
承太郎「……実際に、本人と話して、聞いてくりゃあいい。」
羽川「そうだね。じゃあ、ちょっとお話してこよっと。」
承太郎「ああ……そうしな」
そう言って、阿良々木達のもとへ向かう、羽川。
そう言えば……阿良々木と、羽川は知り合いだったか?
…………まあ、どうでもいいな。
今、一番の問題は……八九寺のことなのだから。
とりあえず、俺もあいつらの所へ向かうとするか──。
異形の羽を、持つ少女。
学校では真面目で、品行方正な、非の打ちどころのないやつだが──家庭に不和を抱えている。
不和、そして歪み。
だから──猫に魅入られた。
そして、その問題が解決し、猫から解放されたところで、こいつの記憶が消えてなくなってしまったところで、不和も歪みもなくならねえ。
不和も歪みも残り続ける。
そういうことだ。
承太郎「……羽川、お前向こうの阿良々木が見えるか?」
羽川「え?あ、本当だ。阿良々木君だね……隣の女の子は、妹さんかな?」
………………。
承太郎「いや、迷子だそうだぜ。……俺達は、今あいつを送ろうとしているところだ……」
羽川「へえ~そうなんだ。……名前は?」
承太郎「……実際に、本人と話して、聞いてくりゃあいい。」
羽川「そうだね。じゃあ、ちょっとお話してこよっと。」
承太郎「ああ……そうしな」
そう言って、阿良々木達のもとへ向かう、羽川。
そう言えば……阿良々木と、羽川は知り合いだったか?
…………まあ、どうでもいいな。
今、一番の問題は……八九寺のことなのだから。
とりあえず、俺もあいつらの所へ向かうとするか──。
ここまでです
近頃は少し余裕もできてきたので、できれば週一で投下したいですね……あまり期待はしないで欲しいですが……
他のSSを書いてる人たちは何であんなに書けるんでしょうね?不思議です
近頃は少し余裕もできてきたので、できれば週一で投下したいですね……あまり期待はしないで欲しいですが……
他のSSを書いてる人たちは何であんなに書けるんでしょうね?不思議です
文章の書き方がこなれてきたのか、承太郎も違和感なくスラっと読んでいけて面白かった
時間ある時に一気に書き溜めして、徐々に放出とかしてるんじゃないですかね?
遅くてもしっかり更新してくれるので、モチベーションが落ちない程度に頑張ってくれれば嬉しいかな
時間ある時に一気に書き溜めして、徐々に放出とかしてるんじゃないですかね?
遅くてもしっかり更新してくれるので、モチベーションが落ちない程度に頑張ってくれれば嬉しいかな
報告
余裕ができてきたとか言ってましたが試験のことを忘れてました……
申し訳ありませんが次回の更新はどんなに早くても三月に入ってからになります……ごめんなさい
余裕ができてきたとか言ってましたが試験のことを忘れてました……
申し訳ありませんが次回の更新はどんなに早くても三月に入ってからになります……ごめんなさい
羽川「可愛いねー、真宵ちゃん。やーん、本当、食べちゃいたいくらい。ほっぺたなんかぷにぷにじゃない。きゃー」
どうやら、羽川は八九寺のことを気に入ったようだな……。
しかし……こうして聞いているだけでもうっとおしい……やられている方はたまったもんじゃあねえな。
まあ……それはともかく。
承太郎「おい阿良々木……さっき俺に『こいつの家』を探すのを手伝えと言ったが……目的地は八九寺の家なのか?」
阿良々木「え?……ああ、いや……正確にはこいつの母親の家らしい」
承太郎「名字は?」
阿良々木「『綱手』……っていうそうだ」
承太郎「……そうか……お前、さっきのメモは持っているか?」
阿良々木「ああ、もちろん……ほら」
承太郎「羽川……一つ、頼みがあるんだが……」
羽川「ん?何かな?」
承太郎「阿良々木の持っている、このメモに書かれた住所の場所まで、案内してもらいたい」
どうやら、羽川は八九寺のことを気に入ったようだな……。
しかし……こうして聞いているだけでもうっとおしい……やられている方はたまったもんじゃあねえな。
まあ……それはともかく。
承太郎「おい阿良々木……さっき俺に『こいつの家』を探すのを手伝えと言ったが……目的地は八九寺の家なのか?」
阿良々木「え?……ああ、いや……正確にはこいつの母親の家らしい」
承太郎「名字は?」
阿良々木「『綱手』……っていうそうだ」
承太郎「……そうか……お前、さっきのメモは持っているか?」
阿良々木「ああ、もちろん……ほら」
承太郎「羽川……一つ、頼みがあるんだが……」
羽川「ん?何かな?」
承太郎「阿良々木の持っている、このメモに書かれた住所の場所まで、案内してもらいたい」
羽川「え?それって……」
承太郎「ああ、もちろん……八九寺の目的地だ」
阿良々木「お、おい……空条。忘れたのか?さっきまで、何度も挑戦したのに、辿り着けなかったじゃないか」
承太郎「いや……忘れてなんかいねえ」
阿良々木「だったらどうして──」
承太郎「心配するな……お前と八九寺は、ここにいればいい……。俺と羽川だけで向かう」
阿良々木「?…… 何でだよ」
承太郎「理由がしりたければ後で説明する……とにかく、今はここで待っていな。……行くぞ、羽川」
羽川「う、うん……」
阿良々木は、納得がいかないようだったが……とりあえず、公園を出て再度、目的地へ向かう。
住所はもう頭に入っている……だから、ただ単に、俺の予想が当たっているのかを確認するだけならば……一人でも十分だった。
だがまあ、ついでに羽川に聞きたいこともあったからな……。
承太郎「羽川……目的地は『綱手』という家なんだが……何か知っているか?」
羽川「えっと…………ねえ、本当に、綱手さんのお家で間違いないのかな?」
承太郎「ああ……阿良々木が、本人から聞いたと言っていた……まず間違いないだろう」
羽川「そっか……」
承太郎「それで……何か知っているのか」
羽川「うん……でも取りあえず、自分の目で見てみた方が……いいと思う」
承太郎「……そうか」
羽川は、それっきり、目的地に着くまで何かを考え込んでいた。
だがまあ、ついでに羽川に聞きたいこともあったからな……。
承太郎「羽川……目的地は『綱手』という家なんだが……何か知っているか?」
羽川「えっと…………ねえ、本当に、綱手さんのお家で間違いないのかな?」
承太郎「ああ……阿良々木が、本人から聞いたと言っていた……まず間違いないだろう」
羽川「そっか……」
承太郎「それで……何か知っているのか」
羽川「うん……でも取りあえず、自分の目で見てみた方が……いいと思う」
承太郎「……そうか」
羽川は、それっきり、目的地に着くまで何かを考え込んでいた。
歩いて十分ほど。
メモに書かれた住所の場所に、俺達は立っている。
阿良々木達と歩いた時は、何度繰り返しても辿り着けなかったにも関わらず、今度はあっさりと、到着できた。
……そして同時に、羽川が言いよどんでいた理由が分かった。
承太郎「…………いつこうなったのか、知っているのか?」
羽川「確か、十一年前だったと思う」
承太郎「……そうか」
目的地には、『綱手』と書かれた表札のかかった家は、無かった。
承太郎「つき合わせて悪かったな……もう散歩に戻ってくれて構わないぜ」
羽川「それはいいんだけど……空条くん……どうするつもり?」
承太郎「……取りあえず、やるべきことがあるんでな……俺はもう少しこのあたりにいることにする」
羽川「……分かったわ。それじゃあね、空条君。また明日」
メモに書かれた住所の場所に、俺達は立っている。
阿良々木達と歩いた時は、何度繰り返しても辿り着けなかったにも関わらず、今度はあっさりと、到着できた。
……そして同時に、羽川が言いよどんでいた理由が分かった。
承太郎「…………いつこうなったのか、知っているのか?」
羽川「確か、十一年前だったと思う」
承太郎「……そうか」
目的地には、『綱手』と書かれた表札のかかった家は、無かった。
承太郎「つき合わせて悪かったな……もう散歩に戻ってくれて構わないぜ」
羽川「それはいいんだけど……空条くん……どうするつもり?」
承太郎「……取りあえず、やるべきことがあるんでな……俺はもう少しこのあたりにいることにする」
羽川「……分かったわ。それじゃあね、空条君。また明日」
阿良々木「やっと帰ってきたな……あれ?羽川は、どうしたんだ?帰ったのか?」
承太郎「ああ……。八九寺は……?」
阿良々木「……そこのベンチで寝てるよ。歩いてばかりで疲れたんじゃないか?」
承太郎「…………」
最初にこの公園に来たときのことを考えると、とてもじゃあないが歩き疲れが原因には思えないが……。
恐らく追求したところで誰も得をしないだろうからな……そういうことにしておいてやろう。
阿良々木「と、ところで、やっぱり迷って帰ってきたんだろ?」
承太郎「いや、そんなことはなかった」
阿良々木「……え? ということは……まさか……」
承太郎「ああ……そのまさかだ……。俺達は、目的地まで、辿り着いてきた」
阿良々木「ほ、本当か!?だったら、これで八九寺も──」
承太郎「まあ待て……聞きたいことがある」
阿良々木「え?な、なんだよ突然……」
承太郎「阿良々木、てめえは八九寺と、色々話していたな……どんな話をしていた?」
阿良々木「どんなって……世間話とかだよ」
承太郎「……そうか、それなら、八九寺の年齢、そして母親の家に行ったことがあるのか……知っているか?」
阿良々木「何なんだよいきなり……。そうだな……小学五年生だから……十一歳くらいかな。一応、母親の家に行ったことはあるらしいぞ」
承太郎「…………そうか」
もはや決定的だな……。
阿良々木「なあ、どうしたんだよさっきから。何か言いたいことがあるのか?」
承太郎「ああ……そうだ。今から……この現象──この決して『目的地』まで辿り着けない、この現象について、俺が出した結論を話そう」
俺は、ようやく辿り着いた真実を──恐らく、阿良々木にとっては残酷なものになるだろう真実を──告げる。
承太郎「『八九寺 真宵』は……怪異──つまり、『幽霊』だ」
承太郎「ああ……。八九寺は……?」
阿良々木「……そこのベンチで寝てるよ。歩いてばかりで疲れたんじゃないか?」
承太郎「…………」
最初にこの公園に来たときのことを考えると、とてもじゃあないが歩き疲れが原因には思えないが……。
恐らく追求したところで誰も得をしないだろうからな……そういうことにしておいてやろう。
阿良々木「と、ところで、やっぱり迷って帰ってきたんだろ?」
承太郎「いや、そんなことはなかった」
阿良々木「……え? ということは……まさか……」
承太郎「ああ……そのまさかだ……。俺達は、目的地まで、辿り着いてきた」
阿良々木「ほ、本当か!?だったら、これで八九寺も──」
承太郎「まあ待て……聞きたいことがある」
阿良々木「え?な、なんだよ突然……」
承太郎「阿良々木、てめえは八九寺と、色々話していたな……どんな話をしていた?」
阿良々木「どんなって……世間話とかだよ」
承太郎「……そうか、それなら、八九寺の年齢、そして母親の家に行ったことがあるのか……知っているか?」
阿良々木「何なんだよいきなり……。そうだな……小学五年生だから……十一歳くらいかな。一応、母親の家に行ったことはあるらしいぞ」
承太郎「…………そうか」
もはや決定的だな……。
阿良々木「なあ、どうしたんだよさっきから。何か言いたいことがあるのか?」
承太郎「ああ……そうだ。今から……この現象──この決して『目的地』まで辿り着けない、この現象について、俺が出した結論を話そう」
俺は、ようやく辿り着いた真実を──恐らく、阿良々木にとっては残酷なものになるだろう真実を──告げる。
承太郎「『八九寺 真宵』は……怪異──つまり、『幽霊』だ」
阿良々木「…………………………え?」
空条の言葉に、僕は咄嗟に反応できず、馬鹿みたいに聞き返すことになる。
今──なんて、言った?
八九寺が──『幽霊』?
阿良々木「う、嘘……だろ?」
承太郎「いや……恐らく、間違っていないはずだ……」
阿良々木「何で……何でそういう結論になったんだよ」
承太郎「理由は勿論説明するが……まずは、嘘か本当かを、そいつに聞いてみたらどうだ」
阿良々木「え?」
言われて、空条が指差した方を見る。
そこには、いつの間にか、八九寺がいた。
小さな身体で、利発そうな女の子。
前髪が短く、眉を出したツインテイルをして、大きなリュックサックを背負った、八九寺がいた。
阿良々木「八九寺……本当……なのか?」
八九寺「……少し、話をきいてもらえますか?」
八九寺はそう言って、話し始めた。
十年ほど前、あるところで、一組の夫婦が、その関係に終焉を迎えたことを。
幼い一人娘は、父親の元に引き取られることになったことを。
その娘が、時が過ぎ、九歳から十一歳になったとき、自分の母親の顔を思い出せなくなって驚いたことを。
だから──その年の、五月、第二日曜日、母の日に、母親に会いにいくことにしたことを。
髪を自分で丁寧に結って、お気に入りのリュックサックに、母親が喜んでくれるだろう、そう信じたい、昔の思い出を、いっぱい詰めて。
道に迷わないよう、住所を書いたメモを、手に握りしめて、母親を訪れようとしたことを。
けれど。辿り着けなかったことを
信号は、確かに青だったのに、辿り着けなかったことを──
八九寺「──その一人娘というのが、わたしです」
と。
八九寺真宵は──告白した。
いや、懺悔だったのかもしれない。
その、とても申し訳なさそうな、今にも泣き崩れてしまいそうな表情を見ていると、そうとしか考えられないくらいだった。
承太郎「……どうやら、俺の推測は当たっていたようだな……俺達が何度繰り返しても、目的地に辿り着けなかったのは……こいつ自身の仕業だった……」
空条が話し出す。
承太郎「つまり……そいつと行動を共にするから……迷うと、そういうことだ。」
そうか……それに気づいていたから、あの時羽川と二人だけで行ったのか。
承太郎「だから──」
阿良々木「だから……だからなんだよ、空条」
僕は遮るように言った。
阿良々木「そういうことを教えてほしくて、僕は空条に手伝いを頼んだわけじゃないだろうが」
承太郎「…………」
阿良々木「僕が手伝ってもらいたかったのは──こいつを、八九寺を、お母さんのところに連れて行ってやることだったろうが!」
怒鳴った。
空条を相手に──怒鳴ってしまった。
承太郎「……そのための方法を話そうとしていたんだがな…………やれやれだ」
阿良々木「え?」
呆気にとられた僕を尻目に、行くぞ、と、公園から出て行く空条。
阿良々木「行くって、どこへ」
承太郎「綱手家までだ」
そう言っている間にも承太郎はどんどん先に行く。
……やっぱり早とちりして怒ってしまったから機嫌を損ねたのだろうか……。
と。
八九寺真宵は──告白した。
いや、懺悔だったのかもしれない。
その、とても申し訳なさそうな、今にも泣き崩れてしまいそうな表情を見ていると、そうとしか考えられないくらいだった。
承太郎「……どうやら、俺の推測は当たっていたようだな……俺達が何度繰り返しても、目的地に辿り着けなかったのは……こいつ自身の仕業だった……」
空条が話し出す。
承太郎「つまり……そいつと行動を共にするから……迷うと、そういうことだ。」
そうか……それに気づいていたから、あの時羽川と二人だけで行ったのか。
承太郎「だから──」
阿良々木「だから……だからなんだよ、空条」
僕は遮るように言った。
阿良々木「そういうことを教えてほしくて、僕は空条に手伝いを頼んだわけじゃないだろうが」
承太郎「…………」
阿良々木「僕が手伝ってもらいたかったのは──こいつを、八九寺を、お母さんのところに連れて行ってやることだったろうが!」
怒鳴った。
空条を相手に──怒鳴ってしまった。
承太郎「……そのための方法を話そうとしていたんだがな…………やれやれだ」
阿良々木「え?」
呆気にとられた僕を尻目に、行くぞ、と、公園から出て行く空条。
阿良々木「行くって、どこへ」
承太郎「綱手家までだ」
そう言っている間にも承太郎はどんどん先に行く。
……やっぱり早とちりして怒ってしまったから機嫌を損ねたのだろうか……。
二十分後。
僕達は、行き止まりにいた。
阿良々木「おい、お前が言った方法で行けるんじゃなかったのかよ……空条」
道中、空条にしてもらっていた説明によると、八九寺は『知識』が蓄積しないらしい。
だから、最近の区画整理で作られた新しい道ばかりを選択していけば──辿り着けるとのことだったんだが……。
承太郎「……もっと離れていろ……破片が当たらないようにな……」
阿良々木「破片……?」
何を言っているのかよく分からないが、取りあえず言う通りにした。
その直後。
承太郎「『星の白金』ッ!」
『オラアッ!』
八九寺「!?」
阿良々木「?…………!?」
空条が謎の言葉を発すると同時に、僕達の前にあった壁が砕け、道ができた。
その時、僕は得体の知れない、強い、『エネルギー』を感じた……。
理由は分からないが、空条の人生には、いくつもの障害が立ちふさがるんじゃないか──でも、どんなときでも、きっと空条は、今みたいに、道を切り開いていくんじゃないかと……そう感じた。
……本当に理由は分からないが。
僕達は、行き止まりにいた。
阿良々木「おい、お前が言った方法で行けるんじゃなかったのかよ……空条」
道中、空条にしてもらっていた説明によると、八九寺は『知識』が蓄積しないらしい。
だから、最近の区画整理で作られた新しい道ばかりを選択していけば──辿り着けるとのことだったんだが……。
承太郎「……もっと離れていろ……破片が当たらないようにな……」
阿良々木「破片……?」
何を言っているのかよく分からないが、取りあえず言う通りにした。
その直後。
承太郎「『星の白金』ッ!」
『オラアッ!』
八九寺「!?」
阿良々木「?…………!?」
空条が謎の言葉を発すると同時に、僕達の前にあった壁が砕け、道ができた。
その時、僕は得体の知れない、強い、『エネルギー』を感じた……。
理由は分からないが、空条の人生には、いくつもの障害が立ちふさがるんじゃないか──でも、どんなときでも、きっと空条は、今みたいに、道を切り開いていくんじゃないかと……そう感じた。
……本当に理由は分からないが。
承太郎「さて……着いたぜ」
阿良々木「……え?……でも」
せっかく、空条が道を切り開いたというのに、達成感は皆無だった。
阿良々木「空条──ここで間違いないのか?」
承太郎「ああ」
断言する空条。
八九寺の母親の家──綱手家。
すっかり綺麗な──更地になっていた。
承太郎「これが、俺が八九寺を怪異だと断定した理由だ……羽川の話では、十一年前にはこうなっていたらしいからな……」
そうか……。たしかに、十一年前から綱手家がなくなっているなら、八九寺の話に矛盾がでてくる。
十一歳の八九寺が、ここにあった家に来たことがあるはず無いのだ。
阿良々木「でも……こんなことってあるのかよ」
そんな、都合よくいかないってことなのか……?
──だけど、それでも、ここくらいは都合よく出来上がってくれてないと、全てが台無しじゃないか。
全部、意味なんてなくなっちゃうじゃないか──
「う、うあ」
隣から、八九寺の嗚咽が聞こえた。
驚くことに精一杯で、肝心の八九寺のことを、全く気遣えずにいたことに思い至り、僕はそちらを振り向く──
八九寺は、泣いていた。
ただし俯いてではなく──前を向いて。
更地の上──家があっただろう、その方向を見て。
「う、うあ、あ、あ──」
そして。
たっ、と、八九寺は、僕の脇を抜けて、駆けた。
「──ただいまっ、帰りましたっ」
阿良々木「……え?……でも」
せっかく、空条が道を切り開いたというのに、達成感は皆無だった。
阿良々木「空条──ここで間違いないのか?」
承太郎「ああ」
断言する空条。
八九寺の母親の家──綱手家。
すっかり綺麗な──更地になっていた。
承太郎「これが、俺が八九寺を怪異だと断定した理由だ……羽川の話では、十一年前にはこうなっていたらしいからな……」
そうか……。たしかに、十一年前から綱手家がなくなっているなら、八九寺の話に矛盾がでてくる。
十一歳の八九寺が、ここにあった家に来たことがあるはず無いのだ。
阿良々木「でも……こんなことってあるのかよ」
そんな、都合よくいかないってことなのか……?
──だけど、それでも、ここくらいは都合よく出来上がってくれてないと、全てが台無しじゃないか。
全部、意味なんてなくなっちゃうじゃないか──
「う、うあ」
隣から、八九寺の嗚咽が聞こえた。
驚くことに精一杯で、肝心の八九寺のことを、全く気遣えずにいたことに思い至り、僕はそちらを振り向く──
八九寺は、泣いていた。
ただし俯いてではなく──前を向いて。
更地の上──家があっただろう、その方向を見て。
「う、うあ、あ、あ──」
そして。
たっ、と、八九寺は、僕の脇を抜けて、駆けた。
「──ただいまっ、帰りましたっ」
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- 宗介「俺が提督だと?」 (132) - [46%] - 2014/10/21 14:00 ☆
- 武内P「LINEですか?」 (246) - [45%] - 2016/8/11 22:15 ☆
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