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    元スレマミ「もう何も怖く……」ほむら「勇気とは怖さを知ること!」

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    151 = 77 :



    ゴゴ ゴゴ ゴ

    ほむら「……」

    「――」

    ほむら「……さて、戦いの思想その②……恐怖を支配すること……か」

    ほむら「私の一番怖いことって何? 魔女? 痛み? イレギュラー?」

    ほむら「……」チラッ


    まどか「……」オドオド

    さやか「……」ビクビク

    マミ「……」ソワソワ

    152 = 77 :



    ほむら「違う……。大切な人を救えない方がもっと怖い!」

    ほむら「ツェペリさんが助言をくれなかったら巴さんが死んでいた。もし死んでしまっていたら、私が二人を守らなければならなかった」

    ほむら「私がやるんだ……! 私は強くならなければならない……!」

    ほむら「成長しなければ……。こんな様では私は栄光も未来も掴めない」

    「――!」バッ

    ほむら「来るっ!」バッ

    ほむら(素早いけど……避けられない速さではない!)

    ほむら(あまり賢くなくて、小回りが苦手なタイプと見た。なら、地形を活かして飛び回って翻弄する!)

    153 = 77 :


    ―――

    まどか「うぅ……ほむらちゃん大丈夫かなぁ……」

    マミ「暁美さんなら……大丈夫よ……」

    マミ(腰を抜かしてやっと声が出るようになった腑抜けな私なんかよりも、ずっと……!)

    さやか「転校生……不器用そうに見えてものすごい器用だ! あんなに動いてワインをこぼしてない!」

    ツェペリ「器用? 器用さとは違うなぁ……。地面の上ならまだしも、あんだけ飛び回ってこぼさないなんてありえんわい」

    まどか「え?」

    ツェペリ「ほむらは既に北風の意味を理解しておる」

    ツェペリ「北風とは、ワインのことじゃ――」

    154 = 77 :




    ほむら「――ワインはバイキングを作った厳しい北風……」

    ほむら「これは! ツェペリさんの課した試練! 『理解』した!」

    「――!」

    サッ

    ほむら「『くっつく波紋』と『はじく波紋』!」

    ほむら「『ワイン』を持った左手に『くっつく波紋』を!」

    ほむら「逆に魔女を攻撃するための右手に『はじく波紋』を!」

    ほむら「この正反対のふたつの波紋を! 同時に体内でコントロールする事を今『覚えた』ッ!」

    「――ッ!」グワッ

    ほむら「早速この新技術で決める! 時よ止まれッ!」


    カチッ

    155 = 77 :


    ほむら「私だけの時間だよ」

    パシィッ

    ほむら「……足に『くっつく波紋』を流す。魔女に張り付いた」

    ピッタァァ

    ほむら「時が動きはじめるまでに『はじける波紋』を同時に練って、ぶつける!」

    ほむら「呼吸に関わる筋肉を強化ッ! 呼吸の強化、イコール波紋のパワーアップッ!」

    ほむら「コォォォ――……」

    ほむら「左手と足に流すくっつく波紋! 右手に流すはじく波紋!」

    ほむら「震えますハート! 燃え尽きちゃうほどのヒート! 刻みますは……血液ビート!」

    ほむら「時は動き出す! 喰らえッ! 魔法強化波紋疾走(マジカル☆オーバードライブ)ッ!」

    156 = 77 :



    マミ「――ハッ!」

    「――ッ!?」

    ボシュ――ッ

    まどか「この光……! ああ、魔女が溶けていく……!?」

    さやか「波紋が通ったんだ……何が起こったのかよくわからないけど……」

    マミ「時を止めて……魔女に攻撃した……何故か魔女の体に、天井に張り付く蜘蛛やトカゲみたいに張り付いているけど……それも、波紋……!」

    ツェペリ「ベネ(良し)。ワインが北風を作ったぞ」


    157 = 77 :

    ――
    ――――


    ほむら「……終わりました」スタッ

    まどか「ほむらちゃん!」タッ

    ギュッ

    ほむら「か、鹿目さんっ!?」

    まどか「よかった……無事でよかったぁ……」ギュー

    ほむら「あ、あの……その……は、離して……///」

    まどか「あっ、ご、ごめん……つい」

    さやか「ごちそうさまだよちくしょう」

    158 = 77 :



    マミ「暁美さん……ほんとうにごめんなさい。私が不甲斐ないばっかりに……」

    ほむら「いいんですよ。巴さんは少し張り切りすぎただけですよ」

    マミ「……ダメな先輩でごめんなさい」

    ほむら「巴さん……」

    ツェペリ「ワインはこぼしていないな。合格だ。よく気付いたな」

    ほむら「ツェペリさん」

    ツェペリ「さて、ほむらよ。水の入ったぺっとぼとるとやらを寄越すのじゃ」

    ほむら「あ、はい。お水まだ残ってますよ」スッ

    ツェペリ「うむ」

    キュッ

    159 = 77 :


    ツェペリ「……ほむら。おまえには少なくとも、これからわしがやることができるようにならなくてはならん」

    ほむら「へ?」

    ツェペリ「コォォォォ…」

    グルルルン

    さやか「!?」

    まどか「蓋を開けたペットボトルを逆さまにしたのに……」

    マミ「中の水が流れ落ちない!」

    ほむら「くっつく波紋ですね。それなら私にも……」

    ツェペリ「ほむら、ホレ! そのまま水を維持してみよ」ヒョイッ

    ほむら「は、はいっ」ブブブ

    160 = 77 :



    バシァ


    ほむら「あ……」ビチョビチョ

    さやか「あーあ……」

    ツェペリ「そうなると思って染みになるワインでなく水を使用した」

    さやか「わぁ紳士」

    ほむら「ま、待ってください! 私、ワインで同じようなことできましたよね!?」

    ツェペリ「違いを言ってやろう! おまえとわしは実際の波紋の強さそのものに大きな差はない! しかし、おまえはいつも手の平や拳から波紋を一気に放出しておる」

    ツェペリ「手足等の末端から波紋が出ると教えたが――わしは今、この指の先……一点からだけ波紋を放出した。一点集中!」

    ツェペリ「一点集中で水面に波紋の振動膜ができ、水は強力に固定されて落ちない! 手の平や拳だと波紋が分散する」

    161 = 77 :


    まどか「拳からの波紋が弱いなら……今のパンチで倒せたのは?」

    ツェペリ「波紋カッターでつけた波紋傷が悪化したということもあるが、魔法か何かで無理矢理強化したんじゃろう。いい応用だと思う」

    ほむら(お見通しだ……)

    ツェペリ「おまえはワイングラスのボウル部分でなく、脚(ステム)の部分をつまんでいた。則ちグラスに触れていたのは指先! だから自然と指先からの一点集中の波紋によりワインの固定ができたのだ!」

    ほむら「指先の方が強い……ホースの口は小さい方が勢いよく遠くまで飛ぶ原理ですねッ!」

    ツェペリ「その通り! 一点集中ゆえに指先! 波紋は指先だけの方が強い!」

    マミ「なら最初からそれを教えていればよかったものを……」

    ツェペリ「わしが最初からそれを教えなかったのは、波紋は拡散してしまうものの拳や手の平はビギナー向けではあるから」

    ツェペリ「そして慣れない内に無理に指だけを使わせると突き指、骨折の危険性があるからだ」

    さやか「なるほど……ちゃんと気を使っているんだ……」

    ツェペリ「ほむらよ。指先からの波紋を習得すれば、理屈の上では指の細い女子供の方が波紋を強力に扱える!」

    ツェペリ「これからは指先からの一点集中を心がけよ!」

    ほむら「……はい!」

    162 = 77 :


    ツェペリ「……さて、一件落着、と。ほむらも新しい波紋のステップに立てたことだし」

    ほむら「…………」

    マミ「……どうしたの? 暁美さん」

    ほむら「……着替えたいです」ビチョビチョ

    まどか「お菓子な結界にいたからクリームとかついちゃってるね……」

    さやか「魔女の涎もついてるね……加えてオジサンによる水の追い打ち」

    マミ「私の家に寄りましょう……シャワーを貸してあげるから」

    ほむら「す、すみません……」

    ツェペリ「悪いことしたのぉ……」

    さやか「魔法少女って……時として汚い仕事なんだね」

    マミ「…………なりたい?」

    まどか「……うーん」

    さやか「……どうしよう」

    ほむら「…………」

    163 = 77 :




    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    さやか「ノックしてもしもぉ~し」

    さやか「可愛い女の子と思った? 残念! さやかちゃんでした!」

    上条「……さやか」

    さやか「元気? 調子はどう?」

    上条「さやかは僕を苛めて楽しいのかい……」

    さやか「え……」


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    164 = 77 :


    さやか「……………………」

    さやか(――と、まぁ色々あってね……)


    さやか「…………どうしても叶えたい願いがあったから……。契約、しちゃった」

    まどか「…………」

    ほむら「そんな……どうして……」

    まどか「ほむらちゃん。あの……さやかちゃんは……わたしを魔女から助けてくれたの。だから……だから攻めないであげて……」

    さやか「パソコンみたいな……むしろパソコンそのものだったよ」

    ほむら「…………」

    ほむら「美樹さん…………」

    さやか「……わかってるよ転校生。みなまで言わないで」

    165 = 77 :



    さやか「あたしは修行の類を一切積んでいないのに魔女をたった一人で倒せたからって、あたしはあんたより強いだなんて思ってないよ!」ドヤァ…

    ほむら「……別にそういうこと言ってるんじゃないんですけど」

    まどか「さやかちゃん……その言い方はちょっとウザいよ」

    さやか「えー」

    ほむら「まあ……なってしまったものは仕方ないです。ただ、せめて一人で魔女を相手するとか、無茶はしないで……」

    さやか「無茶も何も、余裕しゃくしゃくでさっきの魔女フルボッコだったよ。一人で相手したのは不可抗力なとこもあったし」

    さやか「しっかしなんだね。こりゃもう転校生超えかな? あたしってばホント天才。才能あるぅ~」

    ほむら「……」ムッ

    166 = 77 :


    ほむら「……い、今のはカチンときました。私が本気出せば美樹さんに負けませんもん」

    さやか「んー、どうかなぁ?」ニヤニヤ

    ほむら「波紋は普通の人がもろにくらえば電気のような衝撃が走って昏睡状態にさせられるんです」

    さやか「そ、それは……波紋のアレじゃん?」

    ほむら「波紋がなくても時を止めて爆弾を間近で起爆させます」

    さやか「こ、怖えぇよ……」

    まどか「あ、あはは……」

    さやか「…………ねぇ、転校生」

    ほむら「……?」

    167 = 77 :



    さやか「あのさ……。……その、ごめん」

    ほむら「えっ」

    さやか「転校生はさ……危険だからとか言って、心配してくれてたのに……相談もなしに契約しちゃって。どうしても、叶えたい願いがあったんだ」

    ほむら「上条くん……ですね」

    さやか「えっ……す、すごいな。転校生……お見通しじゃん……」

    まどか「あれ? ほむらちゃん上条くんのこと知ってたっけ?」

    ほむら「あ」

    さやか「転校生……あたし、また恭介のバイオリンが聴きたいんだよ……わかってくれる?」

    まどか「さやかちゃん……」

    168 = 77 :



    ほむら「いえ……美樹さんの気持ち、わからないでもないですから……それに、鹿目さんを助けてくれましたもの」

    さやか「……ありがと。あたし、頑張るからね!」

    ほむら「……はいっ」

    まどか「ティヒヒ、それじゃほむらちゃんはさやかちゃんの先輩だねっ」

    さやか「そうなるね……うーん。そうか、そうなるか……。ツェペリのオジサン的存在になるのかな……?」

    ほむら「先輩……」

    さやか「うん! よし、転校生改めほむら先輩! マミさんと二人がかりであたしに戦い方を御教授お願いするよ!」

    ほむら「ええっ!?」

    169 = 77 :


    さやか「だからペコペコしてないでドンと構えていいんだよ?」

    ほむら「ド、ドンっと言われても……」

    ほむら(まさか美樹さんに教える立場になるなんて……どうしよう)

    まどか「先輩風を吹かせるんだよ! ほむらちゃん!」

    ほむら「え、えーっと……え、えっへんです!」

    さやか「…………」

    まどか「…………」

    ほむら「……今のは無しで///」

    まどか(かわいい)

    さやか(あざとい)

    170 = 77 :



    マミ「……あれ? もしかしてもう終わっちゃった?」

    まどか「あ、マミさん」

    マミ「み、美樹さん……! この格好は……!」

    さやか「え、えへへ……なっちゃいました」

    マミ「そう……」

    マミ「…………覚悟はできているのよね?」

    さやか「はい。だから、あたしに戦い方を教えてください! マミ先輩。ほむら先輩」

    マミ「せ、先輩……何か、余所余所しくなったわね」

    ほむら「……普通に呼んでください」

    さやか「はぁい。マミさん。ほむら」

    まどか「ティヒヒッ」

    171 = 77 :


    マミ「そうね……美樹さんの魔法少女就任祝いにお茶会でもやりましょうか!」

    さやか「ぅわーいっ」

    ほむら「…………」

    ほむら(美樹さんの魔法少女化はやはり避けられなかった。予測はできていたし、止めることもできたはずだ)

    ほむら(とは言え、美樹さんの上条くんへの思い……わからないでもない。修行で忙しいとか、色々言い訳あれど、結局は私自身の甘さがそれをさせてしまったんだ)

    ほむら(私は何て弱いんだろう。いっつもそう。先生にプリントか何かを提出するだけなのに職員室に入れなくて10分くらいうろうろするような……そんな弱さ)

    ほむら(魔法少女にさせてしまった以上……恋を成就させるとまではいかないにしても、絶望させないまで!)

    ほむら(でも……どうすればいいのかな? 恋愛なんてよくわかんないし……難しいよ……)

    ほむら(今度ツェペリさんに相談してみよう。大人の意見を聞いてみよっと)

    172 = 77 :



    マミ「さー、明日からビシバシ特訓するわよ!」

    さやか「はい!」

    マミ(私はお菓子の魔女で情けないところを見せた……。もう、あんなへまはしない!)

    さやか「……ところで、もしかしておもいっきしハードなやつですか?」

    マミ「いつ魔女が現れるかわからないもの」

    さやか「オー! ノーッ! あたしの嫌いな言葉は一番が『努力』で二番目が『ガンバル』なのにーッ!」

    マミ「嘘よね?」

    さやか「まあそうですけど。でも甘口でお願いします」

    マミ「ダメよ」

    さやか「しょぼーん」

    マミ(暁美さんは戦い方が特殊で元々それなりに強かったから指導内容に戸惑ったけど……美樹さんの武器は剣。近距離型の子の指導は『既にしたこと』がある。経験があるわ!)

    173 = 77 :



    マミ「さあ! 来たるべく強い魔女に立ち向かうため! ビシバシいくわよ!」

    さやか「ふえぇぇ!」

    まどか「さやかちゃん頑張って~」

    ほむら(来たるべく魔女……か。色々あってワルプルギスのことを言うタイミングも逃してたなぁ……いつ言おう)

    ほむら(美樹さんが魔法少女になって間もないのにワルプルギスの話を聞いたら落ち込ませるかも……日を置こう)






    「ふぅーん……あれがキュゥべえの言ってたイレギュラーって奴か……でもどっちがだ?」

    「青か? 紫か? 紫の方はもう見るからに弱そうだから……青い方かな」

    「ん、あいつは……。やっぱまだ生きてたか。……フリッツうめぇ」

    174 = 77 :

    今日はこの辺で。お疲れさまでした。

    176 :

    乙、ツェペリさんが(一応)イタリア人なのすっかり忘れてたわ
    ウィルって名前だからわからないよなぁ……


    パソコン型繋がりでベイビィフェイスは来なかったか

    177 :

    乙乙乙乙乙乙乙乙
    乙乙乙乙乙乙乙乙
    乙乙乙乙ゥウ!!
    乙ゥ!!(ドギャアン!!

    179 :

    杏子ちゃんキタ!乙ゥ!

    ディ・モールト良いッ!

    180 :

    おつー!
    ツェペリのおっさんが死なないことを祈る

    181 :

    なんかさやかを助ける為に単身挑んで影の魔女辺りに真っ二つにされそうだなぁ

    183 :

    そういえば杏子さん鎖使いでしたっけねぇ……wwwwwwww

    184 :

    >>183
    アカンツェペリさんがトラウマ抱えてまう

    185 :



    数日後

    ――魔女の結界


    ほむら(関節を外して、腕の長さを伸ばす! その激痛は波紋で和らげる!)ゴキャッ

    ほむら「ズームパンチ!」バキィッ

    「――ッ!」

    ドギャァーン

    ほむら(よし! ここで爆弾でトドメッ!)

    さやか「うおおおおおおお!」

    ほむら「!?」


    186 = 185 :



    さやか「マミさん直伝! ス……スワク……すく? ス何とかーレェッ!!」バッ

    ほむら「あっ!」

    ボガァーン

    ほむら「あぁ~……」

    さやか「ギニャァ――ッ!」

    マミ「うーん、倒せなかったようね……魔女が逃げちゃった」

    187 = 185 :


    ほむら「あの……大丈夫ですか?」

    さやか「ほ、ほむらァーッ! 爆弾使うときは合図の一つや二つしてよ!」

    ほむら「ご、ごめんなさい……まさか突っ込んでくるとは思わなくて……」

    マミ「暁美さん。爆発は近距離型の美樹さんを巻き込む事があるわ。気をつけてね」

    マミ「美樹さんも美樹さんで、無鉄砲に突っ込み過ぎ。だから巻き込まれたのよ?」

    ほむら「すみません……」シュン

    さやか「ごめんなさい……」シュン

    まどか「まぁまぁまぁ……」

    188 = 185 :


    ツェペリ「だがまぁ、波紋の扱いも大分上達してきたもんだ」

    ほむら「ありがとうございます。……あの、ツェペリさん。一つ質問が」

    ツェペリ「何かね」

    ほむら「外した関節ってどうやって戻せばよいのでしょうか」ダラーン

    ツェペリ「…………」

    まどか「」

    マミ「」

    さやか「治してあげるから二度とその技を使うなよほむら。いいか。絶対に使っちゃだめだからね」

    ほむら「はい……」プラプラ

    189 = 185 :


    さやか「ザ・キュア~」パァ…

    まどか「cure――回復、治癒……合ってる。ど、どうしようさやかちゃんが英語を使ってる……」

    さやか「あんたの中のあたしってどんだけなんだよ」

    マミ「さ、さて……と。ツェペリさん。体験ツアー参加者な鹿目さんの護衛、ありがとう」

    まどか「お師匠さんとしてほむらちゃんを見てなきゃいけないのにごめんなさい……」

    ツェペリ「いやいや、気にすることはない」

    マミ「あ、のんきに話してる場合じゃなかったわ。魔女を追わなくちゃ! ツェペリさん。引き続き護衛お願い!」タッ

    ほむら「追いましょう!」タッ

    ツェペリ「よし、行こう。足下に気をつけるのだよ」

    まどか「はいっ」

    190 = 185 :


    さやか「あ、待って……」

    使い魔「――!」

    さやか「ハッ!」

    さやか「ぉおっと!」ガシッ

    さやか「使い魔め! このこの! みんなー! 使い魔が出たぞォ――ッ!」バシバシ

    使い魔「――」フラフラ

    さやか「……ありゃ?」

    さやか「しまった。みんなとはぐれた」

    さやか「も~……みんなせっかちなんだからなぁ~……しかたない。ここはあたしが」

    使い魔「――」

    さやか「逃がさないぞコラァー!」

    191 = 185 :



    「ほっといていいだろ」


    さやか「!?」

    使い魔「――」フラフラ

    ザッ…

    さやか「だ……誰だあんたは……!」

    「あたしの名は佐倉杏子」

    杏子「ただのしがない魔法少女さ」

    さやか「なんだ……! あんたは……! 魔法少女だな!」

    杏子「今言っただろ」

    192 = 185 :


    さやか「…………」ジッ

    杏子「何じろじろ見てんだよ」

    さやか「なんてことをしてくれたんだ!」

    杏子「うん?」

    さやか「あんたが邪魔するから逃がしちまったッ!」

    杏子「あぁ、使い魔ね。使い魔なんてほっときゃいいだろ」

    さやか「よくない! 使い魔は一般人を襲って魔女になる!」

    杏子「あー、もう……わかったよ。暑苦しい奴だ。悪かったよ。これでいいよな? で、そんなことよりも、あたしはあんたに用があるんだ」

    さやか「……杏子っつったか。あたしは美樹さやか。用があるなら早くしてよ」

    杏子「あんたが噂のイレギュラーか?」

    193 = 185 :


    さやか「イレギュラーってどういう意味?」

    杏子「……普通じゃないってことだ」

    さやか(普通じゃない? 確かにあたしは初心者でありながら魔女を単独で倒せた……なるほど)

    さやか「えへへ、見る目あるじゃぁ~~ん」

    杏子(うぜぇ……)

    杏子「それで、あんたは……普通の魔法少女にはない特別な能力を持っているそうだな?」

    杏子「ひとつ……それをあたしに見せてくれるとうれしいのだが……」

    さやか(うん……? 治癒魔法のこと? そんなに珍しいのかな)

    さやか「まあ、いいけど……」

    杏子「よし、それじゃあ……手合わせ願おうか」

    さやか「へ? なんで?」

    194 = 185 :



    杏子「互いの力を見るには、決闘が一番シンプルでいい」

    さやか「いいだろう! この妖刀が早えーとこ三百四十人の血をすすりてえって、慟哭しているぜ!」クイクイ

    杏子「プッ」

    さやか「なっ! 何がおかしい! このドサンピン!」

    杏子「ハッタリはよせってこった」ケラケラ

    さやか「にゃにお~~んっ!?」

    杏子「そーゆーのは経験で分かる」

    さやか「無駄に恥かいた! ええい! かかってこい!」

    さやか(怪我させたら治してやるからいいとして……魔法少女同士で戦うなんて初めてだな……)チャキ

    杏子「ところでドサンピンってどういう意味だ?」

    さやか「……わかんない」


    195 = 185 :





    「――」

    マミ「ようやく追いついた……!」

    ほむら「頑張って倒しましょう!」

    マミ「えぇ、準備はいい!? 二人とも!」

    ほむら「はい!」

    マミ「……あれ?」

    マミ「美樹さんは……?」

    ほむら「あれ? そういえば……」

    まどか「マミさん! ほむらちゃん! 大変!」

    マミ「!?」

    196 = 185 :




    ほむら「ど、どうしたの?!」

    ツェペリ「さやかがはぐれた」

    マミ「何……ですって……?」

    まどか「追ってる途中で気付いた! どうしよう!」

    ツェペリ「さやかは魔法少女としてまだ日が浅い! 魔女を単独で倒せたとは言え一人になったところを使い魔に囲まれたりしたら……」

    マミ「……暁美さん!」

    ほむら「はい!」

    197 = 185 :



    まどか「ど、どうするの?」

    ほむら「ツェペリさん! 魔女をお願いします!」タッ

    ツェペリ「わかった!」

    マミ「鹿目さんは暁美さんについてって!」

    まどか「は、はいっ!」

    ほむら「鹿目さん、どの辺りではぐれたって気付いた?」

    まどか「え、えっとね――」


    タッタッタ…

    198 = 185 :



    マミ「……使い魔程度なら、暁美さんと鹿目さんが美樹さんと合流すれば……どちらか一人で十分。鹿目さんの護衛する余裕はある。最悪暁美さんの時を止める能力が何とかしてくれる……」

    マミ「でも、魔女を相手するとなると……鹿目さんの護衛をする余裕はない。だから、二人……」

    ツェペリ「共闘するほど、わしを信用できるか?」

    マミ「こればっかりは仕方ないもの」

    ツェペリ「足手まといにならないよう注意させてもらうよ」

    マミ「……そうね。そうしてくれると助かるわ」

    199 = 185 :






    さやか「うりゃ!」

    杏子「踏み込みが甘い!」サッ

    さやか「ぐぬぬ……」

    杏子(なにか変だぞ……こいつ……剣のにぎり方やかまえの姿勢はド素人だ。だが……)

    杏子「オラァッ!」ブンッ

    さやか「何のッ!」サッ

    杏子(この身のこなし……)

    さやか「ふふふ……やるじゃないか」

    杏子「…………あたしも、あんたをすこし見くびっていたよ」

    杏子「なあ、さやかといったか……さやかは誰か師事しているな?」

    杏子(あたしと同じタイプだ。戦い方が似ている)

    200 = 185 :



    さやか「え? 支持? ここで政治の話? あたし選挙権ないよ」

    杏子「……誰かを師匠としているはずだ」

    さやか「あ、あ~、まあ、そうだけど……何で?」

    杏子「誰だッ! その師はッ!」

    さやか「お、おいおい……どうしたのさ」

    杏子「何であたしとやり方が似ているんだッ!」

    さやか「え? 似てた? 剣と槍だよ? 似るわけないじゃん」

    さやか「あ、槍とやり方で、かけてた? うーん。60点」

    杏子「うぜぇ……」

    さやか「冗談はさておき……仮に似てるなら……あたしら、気が合うかも!」

    杏子「ほざけ」


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