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元スレ上条「俺達は!」上条・一方「「負けない!!」」
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『……すみません、我々も良く分かっていないんです』
神裂は申し訳なさそうに告げた。
前例が無い魔術なので効果を完全に理解している訳ではない、との事だった。
「いや、イイ」
気にすンな、と一方通行は返し、
「俺に手伝える事とかはあるか?」
一応、聞いておいた。
『……いえ。今回は「魔術師(我々)」の仕事です。
貴方はとりあえず、術が止まるまで自宅に待機しておいた方がよろしいかと』
そうか、とだけ言った。
当たり前だろうなと思う。
自分はあくまでも科学方面にしか詳しくない。
インデックスの時と違って、事件解決の手助けにはなれないだろう。
「……気をつけろよ」
『……お心づかい、痛み入ります』
最後に、二人はそれだけ言って通話を終えた。
神裂は申し訳なさそうに告げた。
前例が無い魔術なので効果を完全に理解している訳ではない、との事だった。
「いや、イイ」
気にすンな、と一方通行は返し、
「俺に手伝える事とかはあるか?」
一応、聞いておいた。
『……いえ。今回は「魔術師(我々)」の仕事です。
貴方はとりあえず、術が止まるまで自宅に待機しておいた方がよろしいかと』
そうか、とだけ言った。
当たり前だろうなと思う。
自分はあくまでも科学方面にしか詳しくない。
インデックスの時と違って、事件解決の手助けにはなれないだろう。
「……気をつけろよ」
『……お心づかい、痛み入ります』
最後に、二人はそれだけ言って通話を終えた。
「……ただいまァ」
その後、一方通行は寄り道せずにさっさと部屋に戻った。
今日はもう、これ以上外の空気を吸いたくなかったのだ。
靴を脱いで中に入れば、三毛猫が人のベッドでグースカ寝ていた。
……こっちの苦労も知らないでイイご身分だ、とだけ思う。
「……ふわァァああ」
何だか見ていると眠くなった。
寝よ、と一方通行はベッドに倒れ込む。
そのまま瞳を閉じて、猫とお昼寝に入ろうとして――――
(……待てよ)
ふと、彼は何かを思い出す。
ゆったりとした動作で、彼はケータイを引っ張り出して何やら操作する。
「……やっぱりそうだったか」
一方通行は起き上がって時間を確認すると、はァ、とため息を吐いた。
そんな訳で四巻編『御使堕し』です。
今回はシリアスはあんまなしな感じです。
というか、この先話の都合上シリアスなしの巻とか出てくる事もあります。
その時は平凡に生きる一方通行の姿に和める話を頑張って書きますので、どうぞよろしく。
それでは、またいつか。
今回はシリアスはあんまなしな感じです。
というか、この先話の都合上シリアスなしの巻とか出てくる事もあります。
その時は平凡に生きる一方通行の姿に和める話を頑張って書きますので、どうぞよろしく。
それでは、またいつか。
反射が妙な具合にかかって架空の人物「鈴科百合子」になっている……のか?
「鈴科百合子」が実在しているなら是非とも会ってるところが見たいww
「鈴科百合子」が実在しているなら是非とも会ってるところが見たいww
疑問なんだが
御使堕しを防ぐと外見だけが変わって、神裂とかは困ってたよな。
という事は一般の人は中身じゃなくて、外面でその人を判断してるはず。
なのになんで防げずに外面が入れ替わってる奴はなんの問題もないんだろうな?
あとミーシャの中身が堕ちてきて椅子取りゲームやってるのなら朝起きたら外面が変わるんじゃなくて、朝起きたら知らない体で知らない所にいるはずなのに問題起きてないのはなんでだろう?
誰か知ってたら教えて下さい
御使堕しを防ぐと外見だけが変わって、神裂とかは困ってたよな。
という事は一般の人は中身じゃなくて、外面でその人を判断してるはず。
なのになんで防げずに外面が入れ替わってる奴はなんの問題もないんだろうな?
あとミーシャの中身が堕ちてきて椅子取りゲームやってるのなら朝起きたら外面が変わるんじゃなくて、朝起きたら知らない体で知らない所にいるはずなのに問題起きてないのはなんでだろう?
誰か知ってたら教えて下さい
>>460
結局考察スレでもよく分からないって結論が出てる
結局考察スレでもよく分からないって結論が出てる
乙!
平和な一方さん楽しみにしてます!
一方さんのスフィンクスとのやりとりとか、舞夏とのご近所付合いとかめっちゃ和む
平和な一方さん楽しみにしてます!
一方さんのスフィンクスとのやりとりとか、舞夏とのご近所付合いとかめっちゃ和む
さて。お昼が少し過ぎて、午後と呼ばれる時間帯が始まり。
「…………暑いなぁ」
呟き、少女は唸りを上げた。
コンクリートの道路には日の光による熱が溜まり、本来の気温以上の暑さを演出している。
それでも少女は木陰に入ったりはせずに、ただただ一人で、ある公園の自販機の前に立っていた。
今日は少女にとって、それなりに重要な日だったのだ。
「…………遅いなぁ」
うがぁー、と少女はだれつつも手持ちのケータイを見る。
時計を見ればちょうど今、待ち合わせ時間になったところだった。
(………………早く来過ぎた、のかなぁ)
ちょっとだけ、反省しておく。
「……っていうか、何勝手に緊張しちゃってんのかね、あたし」
まだ来ない相手に、少女は色々と考えてみる。
相手からすれば、これはちょっとした暇つぶしなのだ。
それに対して、自分は真剣になりすぎたのかもしれない。
(……いやいや、それで手を抜いちゃダメでしょ)
今日の事は全て自分のためだ。
その自分が一番気合いを入れなくてどうする。
そうだそうだ、と少女は改める。
と、そこへ――――
「あ、一方通行さーんっ!!」
少女――佐天涙子は、待ち合わせ相手の少年が来るのを見つけた。
その少年―― 一方通行はこっちを見ると、ちょっぴり急ぎ足で来てくれた。
「よォ、待たせちまったか?」
「いえいえ、そんなには待ってないですよ」
申し訳なさげな少年の様子を嬉しく思いながら、佐天は明るい調子で返した。
「……そうか。じゃ、早速始めるとするか」
場所を変えるぞ、と一方通行は木陰にあるベンチまで歩き出す。
これ以上話していてはせっかくの時間が無駄になってしまうと言わんばかりの歩調で。
佐天も、若干ワクワクしながら彼の後から遅れて付いて行く。
「あ、一方通行さーんっ!!」
少女――佐天涙子は、待ち合わせ相手の少年が来るのを見つけた。
その少年―― 一方通行はこっちを見ると、ちょっぴり急ぎ足で来てくれた。
「よォ、待たせちまったか?」
「いえいえ、そんなには待ってないですよ」
申し訳なさげな少年の様子を嬉しく思いながら、佐天は明るい調子で返した。
「……そうか。じゃ、早速始めるとするか」
場所を変えるぞ、と一方通行は木陰にあるベンチまで歩き出す。
これ以上話していてはせっかくの時間が無駄になってしまうと言わんばかりの歩調で。
佐天も、若干ワクワクしながら彼の後から遅れて付いて行く。
教室への移動も終わり、第一位による特別授業がいよいよ始まった。
「さて、と。何からやるか……」
先生側―― 一方通行はほんの数秒だけ思考する。
生徒側――佐天涙子は、そんな先生をじっと見ていた。
(……ったく、どォして知ってるヤツに入れ替わっちまうかね)
様々な事を同時に考えながら、一方通行はチラリと生徒を見る。
どうでもいい話だが、現在一方通行からすると、佐天涙子はある人物に入れ替わって見える。
それも、知らない誰かとではなく、完璧な知り合いとだった。
その名は『黄泉川愛穂』。
一方通行の高校で体育教師をしている女性だ。
一方通行にとって、黄泉川はそれなりに付き合いのある知り合いだ。
彼女は、これまた彼の古い知り合いの芳川桔梗の友達で、何度か学校外で会った事もある。
普段は緑色のジャージを着ている黄泉川なのだが、
現在は佐天が中身のために、簡単には拝めないであろう恰好をしている。
ただ、あくまで中身は十代の少女なのだ。
はっきり言って二十代の黄泉川の身体には似合わない。
というか、色んな部分がほぼ丸出しに近くて、まるで痴女のようだ。
「さて、と。何からやるか……」
先生側―― 一方通行はほんの数秒だけ思考する。
生徒側――佐天涙子は、そんな先生をじっと見ていた。
(……ったく、どォして知ってるヤツに入れ替わっちまうかね)
様々な事を同時に考えながら、一方通行はチラリと生徒を見る。
どうでもいい話だが、現在一方通行からすると、佐天涙子はある人物に入れ替わって見える。
それも、知らない誰かとではなく、完璧な知り合いとだった。
その名は『黄泉川愛穂』。
一方通行の高校で体育教師をしている女性だ。
一方通行にとって、黄泉川はそれなりに付き合いのある知り合いだ。
彼女は、これまた彼の古い知り合いの芳川桔梗の友達で、何度か学校外で会った事もある。
普段は緑色のジャージを着ている黄泉川なのだが、
現在は佐天が中身のために、簡単には拝めないであろう恰好をしている。
ただ、あくまで中身は十代の少女なのだ。
はっきり言って二十代の黄泉川の身体には似合わない。
というか、色んな部分がほぼ丸出しに近くて、まるで痴女のようだ。
「……よし、ンじゃまずは基本から行くとするか」
さっさと頭を切り替えて、一方通行は佐天を見る。
直視してしまうと色々な部分が見えてしまうが、気にしないでおく。
「……基本、ですか?」
「おォ。何でもそォだがな、基本(当たり前)が押さえられなきゃ応用になンざ進めねェよ」
当然といった調子で、積み重ねずに一気に頂点に達した天才(少年)は答える。
「……超能力を成り立たせる上で一番大事にされてるのは
『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』、ってなァさンざン言われてるだろォからまァ良しとする」
『自分だけの現実』とは、簡単に言えば超能力の土台となる物だ。
魔術で例えるなら、ステイルのルーンのような物だろうか。
さっさと頭を切り替えて、一方通行は佐天を見る。
直視してしまうと色々な部分が見えてしまうが、気にしないでおく。
「……基本、ですか?」
「おォ。何でもそォだがな、基本(当たり前)が押さえられなきゃ応用になンざ進めねェよ」
当然といった調子で、積み重ねずに一気に頂点に達した天才(少年)は答える。
「……超能力を成り立たせる上で一番大事にされてるのは
『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』、ってなァさンざン言われてるだろォからまァ良しとする」
『自分だけの現実』とは、簡単に言えば超能力の土台となる物だ。
魔術で例えるなら、ステイルのルーンのような物だろうか。
どういう物か具体的に説明すれば長くなってしまうが、
単純に言ってしまうと、要するに『信じる事』である。
自分にはある条件が揃えば、普通ならありえない事が起こせる。
そう強く思う事で、初めて超能力者は能力を使えるようになる。
そしてそういった自信を作り上げるのが、学園都市で行われている能力開発だ。
薬物や暗示などでまともな現実から切り離す事で、普通の人間とは違う感覚を手に入れさせる。
それが能力開発の正体であり、柱である。
「今日はそれを強化する特訓をやる。
うまくいきゃあ、短い期間で異能力者(レベル2)ぐれェにはなれるかもな」
「ほ、ホントですか!?」
信じられない、といった目で見てくる彼女に、一方通行は簡単に頷く。
それほどまでに、『自分だけの現実』という物は能力に重要なのだ。
単純に言ってしまうと、要するに『信じる事』である。
自分にはある条件が揃えば、普通ならありえない事が起こせる。
そう強く思う事で、初めて超能力者は能力を使えるようになる。
そしてそういった自信を作り上げるのが、学園都市で行われている能力開発だ。
薬物や暗示などでまともな現実から切り離す事で、普通の人間とは違う感覚を手に入れさせる。
それが能力開発の正体であり、柱である。
「今日はそれを強化する特訓をやる。
うまくいきゃあ、短い期間で異能力者(レベル2)ぐれェにはなれるかもな」
「ほ、ホントですか!?」
信じられない、といった目で見てくる彼女に、一方通行は簡単に頷く。
それほどまでに、『自分だけの現実』という物は能力に重要なのだ。
「じゃ、始めるが……その前に質問するから答えろ。
オマエは、どォすれば『自分だけの現実』を強化出来ると思う?」
「…………………え、っと。やっぱり、投薬しまくったりとか、電極刺したりとか…………?」
突然の質問に困ったらしく、佐天の口調は随分としどろもどろだった。
そんな彼女の答えに、一方通行は軽く首を横に振る。
「間違っちゃいねェがな。オマエが今からする事はもっとシンプルだ」
「……というと?」
「イメージ力の強化だ」
一方通行はそう言うと、具体的に説明しだした。
「能力を強くするには、これだけの事が出来るっつーイメージをさらに強くしなきゃならねェ。
レベルってなァ、要するに思い込む力の度合いを表してるモンだと思えばイイ。
オマエ、自分が軽く指振っただけであそこの自販機からたくさン缶ジュースを引っ張り出せると思うか?」
そう言って、一方通行は先程の待ち合わせ場所の自販機を指差す。
「えっと、確かにあの自販機はちょっと強く蹴れば中身出しますけど……いくらなんでもここからじゃ無理ですよ」
佐天は、それが当たり前のように答えた。
オマエは、どォすれば『自分だけの現実』を強化出来ると思う?」
「…………………え、っと。やっぱり、投薬しまくったりとか、電極刺したりとか…………?」
突然の質問に困ったらしく、佐天の口調は随分としどろもどろだった。
そんな彼女の答えに、一方通行は軽く首を横に振る。
「間違っちゃいねェがな。オマエが今からする事はもっとシンプルだ」
「……というと?」
「イメージ力の強化だ」
一方通行はそう言うと、具体的に説明しだした。
「能力を強くするには、これだけの事が出来るっつーイメージをさらに強くしなきゃならねェ。
レベルってなァ、要するに思い込む力の度合いを表してるモンだと思えばイイ。
オマエ、自分が軽く指振っただけであそこの自販機からたくさン缶ジュースを引っ張り出せると思うか?」
そう言って、一方通行は先程の待ち合わせ場所の自販機を指差す。
「えっと、確かにあの自販機はちょっと強く蹴れば中身出しますけど……いくらなんでもここからじゃ無理ですよ」
佐天は、それが当たり前のように答えた。
「……ま、『外』の人間も含めて普通はそう言うよな」
一方通行はつまらなそうに呟くと、指を軽く振った。
瞬間。
辺りから――正確には自販機から――ゴン! ガン! と冷えた金属にお湯をかけて、凹んだ時のような音がした。
そして、
ガラガラガラ――!! と自販機から溢れるほどに缶ジュースが出てきた。
唖然とした様子で、佐天はその光景を見ていた。
「……あァー、しまったな。出し過ぎしちまった」
一方通行はそんな彼女を放っておいて自販機の元に向かう。
たっぷりと転がってしまった缶を、彼は全て手元に引き寄せ(これも少し指を振っただけで引っ張ってみせた)、
それらを適当に置いてから財布を取り出して一万円札を自販機に突っ込んだ。
そのままたくさんの缶を両手に何本も積み上げて(何故か缶はバランスを崩して落ちたりしない)、
ゆったりとした足取りで何事も無かったかのようにベンチに戻ってきた。
一方通行はつまらなそうに呟くと、指を軽く振った。
瞬間。
辺りから――正確には自販機から――ゴン! ガン! と冷えた金属にお湯をかけて、凹んだ時のような音がした。
そして、
ガラガラガラ――!! と自販機から溢れるほどに缶ジュースが出てきた。
唖然とした様子で、佐天はその光景を見ていた。
「……あァー、しまったな。出し過ぎしちまった」
一方通行はそんな彼女を放っておいて自販機の元に向かう。
たっぷりと転がってしまった缶を、彼は全て手元に引き寄せ(これも少し指を振っただけで引っ張ってみせた)、
それらを適当に置いてから財布を取り出して一万円札を自販機に突っ込んだ。
そのままたくさんの缶を両手に何本も積み上げて(何故か缶はバランスを崩して落ちたりしない)、
ゆったりとした足取りで何事も無かったかのようにベンチに戻ってきた。
「……俺は今、風の塊みたいなのをあれにぶつけた。
その結果、こォして軽く指を振っただけで缶ジュースを引っ張り出した」
言いながら、一方通行は缶を周りに積み直す。
佐天はただの一言も発せず、それを見ていた。
「オマエと同じ『風』を使った。なのにオマエには出来ねェ。どォしてか分かるか?」
「………………レベルが、違うからですか?」
そう言った佐天の顔には、ちょっとだけ自嘲の笑みが若干浮かんでいた。
「違う」
一方通行はきっぱりと、優しさを感じる声色で告げた。
「オマエには想像力が足りてねェンだ。
頭の中で、実際のイメージがまだ出来てねェンだよ」
一方通行が言いたい事は簡単だ。
能力を使う際、能力者は頭の中でどういった事が起きるかイメージをする。
こんな感じの強風が起きるとか、これだけの電圧の雷が起こせるだとか、
そういったイメージの強さが、言わばレベルの強さだ。
その結果、こォして軽く指を振っただけで缶ジュースを引っ張り出した」
言いながら、一方通行は缶を周りに積み直す。
佐天はただの一言も発せず、それを見ていた。
「オマエと同じ『風』を使った。なのにオマエには出来ねェ。どォしてか分かるか?」
「………………レベルが、違うからですか?」
そう言った佐天の顔には、ちょっとだけ自嘲の笑みが若干浮かんでいた。
「違う」
一方通行はきっぱりと、優しさを感じる声色で告げた。
「オマエには想像力が足りてねェンだ。
頭の中で、実際のイメージがまだ出来てねェンだよ」
一方通行が言いたい事は簡単だ。
能力を使う際、能力者は頭の中でどういった事が起きるかイメージをする。
こんな感じの強風が起きるとか、これだけの電圧の雷が起こせるだとか、
そういったイメージの強さが、言わばレベルの強さだ。
「こンな風が起こせる、の『こンな』の部分が今のオマエに足りてねェモノだ」
一方通行は缶を積み終えると、
「だから、今からそれをオマエに叩き込む」
振り向いて、互いに向き合う形になった。
「は、はぁ……。どうすれば良いんですか?」
「まずは普通に能力を使ってくれ」
言われて、佐天は手を前にかざして能力を使い始めた。
ほんの少しの風が、彼女の正面の一方通行に当たる。
「……よし、そのままの状態を保てよ。
次は俺がこれより少し強い風をオマエに当てるから、
オマエはその風を強くイメージしながら能力を使ってみろ」
一方通行はそう告げると、何かのメーターと風車が繋がっている機械を取り出した。
「それ、何ですか?」
「風速計だ。知り合いの研究者から借りてきた」
適当に答えて、一方通行は風速計をベンチに置く。
「今度は俺じゃなくてこっちの風車に風を当ててろ」
「は、はい」
言われた通りに、彼女は風車に手をかざす。
メーターを見れば、やはり風速はかなり弱かった。
一方通行は缶を積み終えると、
「だから、今からそれをオマエに叩き込む」
振り向いて、互いに向き合う形になった。
「は、はぁ……。どうすれば良いんですか?」
「まずは普通に能力を使ってくれ」
言われて、佐天は手を前にかざして能力を使い始めた。
ほんの少しの風が、彼女の正面の一方通行に当たる。
「……よし、そのままの状態を保てよ。
次は俺がこれより少し強い風をオマエに当てるから、
オマエはその風を強くイメージしながら能力を使ってみろ」
一方通行はそう告げると、何かのメーターと風車が繋がっている機械を取り出した。
「それ、何ですか?」
「風速計だ。知り合いの研究者から借りてきた」
適当に答えて、一方通行は風速計をベンチに置く。
「今度は俺じゃなくてこっちの風車に風を当ててろ」
「は、はい」
言われた通りに、彼女は風車に手をかざす。
メーターを見れば、やはり風速はかなり弱かった。
「……じゃ、いくぞ」
一方通行は風車に風が当たらないように演算を開始する。
それに従い、佐天だけに向かって軽い突風が吹き続ける。
「ん~~~~…………」
彼女は目を閉じて、何やら唸り始めた。
そうして、微風を出し続ける事二十分。
メーターの数値は、簡単には変わりはしなかった。
「……や、やっぱりそんなあっさりとは……」
メーターを見て、佐天は少しだけ気落ちしてしまったようだ。
「集中を切らすな。とにかく想像しろ」
一方通行もすぐに効果が出るとは思っていない。
それでも、続ければ必ず上手くいくはずだと信じている。
「俺は、必ず約束は守る」
だから安心して信じろ、と一方通行は告げる。
「……分かりました」
佐天は、諦めずにもう一度挑戦し始めた。
一方通行は風車に風が当たらないように演算を開始する。
それに従い、佐天だけに向かって軽い突風が吹き続ける。
「ん~~~~…………」
彼女は目を閉じて、何やら唸り始めた。
そうして、微風を出し続ける事二十分。
メーターの数値は、簡単には変わりはしなかった。
「……や、やっぱりそんなあっさりとは……」
メーターを見て、佐天は少しだけ気落ちしてしまったようだ。
「集中を切らすな。とにかく想像しろ」
一方通行もすぐに効果が出るとは思っていない。
それでも、続ければ必ず上手くいくはずだと信じている。
「俺は、必ず約束は守る」
だから安心して信じろ、と一方通行は告げる。
「……分かりました」
佐天は、諦めずにもう一度挑戦し始めた。
「……よし、一旦休憩だ」
十五本目の缶コーヒーを飲み終え、一方通行は告げた。
あれから、かれこれ一時間ほどは経っただろうか。
まだまだ、日は暮れない。
二人はベンチに座り込んだ。
周りには、大量の缶ジュースが未だに積み上がっている。
「……ふぅ。ど、どうでした? 少しは上がったりとか……」
妙にそわそわした様子で、佐天が聞いてくる。
あれから、メーターの数値でいちいち一喜一憂されても困るので、彼女には見えないようにしておいたのだ。
「ま、確かに上がりはしたが……。それでもほンの僅か、まだまだ能力者(レベル1)クラスだな」
そう言われて、佐天は少しだけ残念そうにした。
一方通行はため息を吐くと、
「ンな簡単にレベルが上がるなら、誰でも苦労しねェよ。
大事なのはな、努力から逃げ出さねェ事だ。
……オマエにはまだたっぷりと時間がある。今は少しずつでも、上がった事を喜ぼォじゃねェか」
やっぱ俺らしくねェな、と一方通行は思いながらも言った。
何となく、目の前の少女(外見は妙齢の女性だが)が悲しげな顔をしているのが嫌だったのだ。
「そう、ですよね。失礼しました。せっかく一方通行さんが教えてくれてるのに」
「そォ言って欲しくて俺はオマエを手伝ってる訳じゃねェよ。
っつーか、俺はただ単に暇すぎて困ってたからオマエを手伝ってンだ。気にすンなよ」
グビリ、と一方通行は少し急いだ様子で十六本目の缶コーヒーに手をつける。
途端、佐天はクスリと笑った。
「一方通行さんって……すごく良い人なんですね」
その言葉は、辺りでけたたましく鳴き声を上げていたセミに掻き消されて、消えた。
はい、少ないですが今回は以上です。
それでは皆様。またいつか。
それでは皆様。またいつか。
リアルタイムおつ
セーラー黄泉川か……
ちょっとトイレいってくる
セーラー黄泉川か……
ちょっとトイレいってくる
いい話なんだがサイズが小さいセーラー服を着た黄泉川先生だって事を思い浮かべると……
……ハァハァ、ウッ……フゥ
……ハァハァ、ウッ……フゥ
セーラー黄泉川がどうしても想像できない
俺のレベルが低いからか……
俺のレベルが低いからか……
>>484
集中を切らすな。とにかく想像しろ
集中を切らすな。とにかく想像しろ
乙ッッ
でも缶コーヒー十何本も飲んで一方さんの腹は大丈夫なのか・・・?
でも缶コーヒー十何本も飲んで一方さんの腹は大丈夫なのか・・・?
乙ッッ
でも缶コーヒー十何本も飲んで一方さんの腹は大丈夫なのか・・・?
でも缶コーヒー十何本も飲んで一方さんの腹は大丈夫なのか・・・?
ちょっとまって佐天さん(外側:黄泉川)はセーラー服なのか?
それともキャミでフリフリがついててカプリパンツみたいなの穿いててサンダルなのか?
…ふぅ
いいかどっちでも
それともキャミでフリフリがついててカプリパンツみたいなの穿いててサンダルなのか?
…ふぅ
いいかどっちでも
「…………たまには、な」
「ミサカはそれなりに来るからね! ってミサカはミサカは安心の言葉を伝えてみる!」
「ま、このミサカはもう来ないかも……はいはい、そんな睨まないでよ親御さん」
そんな三人に、黄泉川は安心したように息を吐いた。
そんな黄泉川を見て、芳川はクスリと笑い、
「……それじゃ、またいつか会えたら会いましょう」
「……おォ。無茶すンなよ」
「あなたに言われたくはないわね」
「そうだよ、ってミサカはミサカはヨシカワに賛同してみる」
「……無自覚で無茶するってのも重症だよねぇ」
「ンだよ、そりゃ」
彼らは、実に普段通りの調子で語らう。
それを見て、黄泉川は笑った。
ただ、楽しげに。慈しむように。
そして、
「――――じゃ、お別れじゃん」
「ミサカはそれなりに来るからね! ってミサカはミサカは安心の言葉を伝えてみる!」
「ま、このミサカはもう来ないかも……はいはい、そんな睨まないでよ親御さん」
そんな三人に、黄泉川は安心したように息を吐いた。
そんな黄泉川を見て、芳川はクスリと笑い、
「……それじゃ、またいつか会えたら会いましょう」
「……おォ。無茶すンなよ」
「あなたに言われたくはないわね」
「そうだよ、ってミサカはミサカはヨシカワに賛同してみる」
「……無自覚で無茶するってのも重症だよねぇ」
「ンだよ、そりゃ」
彼らは、実に普段通りの調子で語らう。
それを見て、黄泉川は笑った。
ただ、楽しげに。慈しむように。
そして、
「――――じゃ、お別れじゃん」
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