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元スレカツオ「姉さん……それはタラちゃんじゃないよ」
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姉さんの服や顔に飛び散った赤い液体と、ワカメの服を着た物を染めるその色が、
誰かの血の色なのだと気づくにはしばらく時間がかかった。
誰か、なんて信じたくはないし信じられるようなことではないけれど、
そこに転がっている赤い塊はワカメで、流れている血は彼女の物なのだ。
服から出ている部分は原形を留めない程にぐちゃぐちゃと何かに切り刻まれたかのような
状態なのに、真っ赤に染まった服をそれでも着こなしているのはどこかシュールな光景だった。
突然のことで麻痺した恐怖心が僕に悲鳴を上げさせようとしている。
それを口に手を押し込み堪えた。
くしくもそれは昨日姉さんに噛まれた方の手で、傷口に僅かに走る痛みが僕の思考をなんとかつなぎ止めていた。
誰かの血の色なのだと気づくにはしばらく時間がかかった。
誰か、なんて信じたくはないし信じられるようなことではないけれど、
そこに転がっている赤い塊はワカメで、流れている血は彼女の物なのだ。
服から出ている部分は原形を留めない程にぐちゃぐちゃと何かに切り刻まれたかのような
状態なのに、真っ赤に染まった服をそれでも着こなしているのはどこかシュールな光景だった。
突然のことで麻痺した恐怖心が僕に悲鳴を上げさせようとしている。
それを口に手を押し込み堪えた。
くしくもそれは昨日姉さんに噛まれた方の手で、傷口に僅かに走る痛みが僕の思考をなんとかつなぎ止めていた。
>>100
やっぱりキッズって嘘いっても自分が勝ったと思ってるんだな
やっぱりキッズって嘘いっても自分が勝ったと思ってるんだな
サザエ「ちょうどいいところに帰って来てくれたと思ったのに、勘違いだったみたいね」
何がちょうどいいのかはわからないけど、姉さんの手に握られた包丁をみるかぎり
僕にとってはちょうど良くないことに違いない。
おまけに反対側の手にはあのタラちゃんの縫いぐるみが抱かれていた。
サザエ「ごめんね、タラちゃんもう少し我慢してね」
姉さんはまた縫いぐるみに話し掛け、本当の我が子にするように笑いかけた。
不思議なのは昨日綿を抜かれてぺしゃんこになっていたはずのそれが、いまは妙に膨らんで見えたことだ。
何がちょうどいいのかはわからないけど、姉さんの手に握られた包丁をみるかぎり
僕にとってはちょうど良くないことに違いない。
おまけに反対側の手にはあのタラちゃんの縫いぐるみが抱かれていた。
サザエ「ごめんね、タラちゃんもう少し我慢してね」
姉さんはまた縫いぐるみに話し掛け、本当の我が子にするように笑いかけた。
不思議なのは昨日綿を抜かれてぺしゃんこになっていたはずのそれが、いまは妙に膨らんで見えたことだ。
サザエ「昨日のタラちゃんはタラちゃんじゃなかったのよ」
サザエ「だって母さんもそう言ってたしね」
サザエ「だって中身があんなに軽くてふわふわしていたもの」
サザエ「もう一度ママの体に戻そうと思っていたけど」
サザエ「もっと簡単に出来るって気がついたのよ」
サザエ「タラちゃんの体を取り返せばいいんじゃない」
サザエ「だって母さんもそう言ってたしね」
サザエ「だって中身があんなに軽くてふわふわしていたもの」
サザエ「もう一度ママの体に戻そうと思っていたけど」
サザエ「もっと簡単に出来るって気がついたのよ」
サザエ「タラちゃんの体を取り返せばいいんじゃない」
姉さんのぶつぶつと呟く声が耳に届く。
言っている内容はめちゃくちゃなのだが、今の姉さんに見つかることは非常に危険だということは分かった。
無惨なワカメの姿を見ても、可哀相だとか酷いだとかの感情が浮かぶのではなく、ただ恐怖だけが僕を捕らえている。
サザエ「きっとワカメがタラちゃんをこんな目に合わせたのよ、体を奪って綿と詰め換えていたのよ」
だからワカメから取り返したのだろう。
ワカメの体から肉を削り取り、縫いぐるみに詰めていたようだ。
縫いぐるみから滴る血も全部ワカメのものだったのだ。
サザエ「でもワカメからばっかりじゃ可哀相よね、カツオだって悪いんだもの」
僕の名前があの声で呼ばれたとき、思わず体が強張った。
どこかで音を立ててしまっていないか、速まった心拍と同じリズムで手の傷がドクドクと脈打った。
言っている内容はめちゃくちゃなのだが、今の姉さんに見つかることは非常に危険だということは分かった。
無惨なワカメの姿を見ても、可哀相だとか酷いだとかの感情が浮かぶのではなく、ただ恐怖だけが僕を捕らえている。
サザエ「きっとワカメがタラちゃんをこんな目に合わせたのよ、体を奪って綿と詰め換えていたのよ」
だからワカメから取り返したのだろう。
ワカメの体から肉を削り取り、縫いぐるみに詰めていたようだ。
縫いぐるみから滴る血も全部ワカメのものだったのだ。
サザエ「でもワカメからばっかりじゃ可哀相よね、カツオだって悪いんだもの」
僕の名前があの声で呼ばれたとき、思わず体が強張った。
どこかで音を立ててしまっていないか、速まった心拍と同じリズムで手の傷がドクドクと脈打った。
サザエ「タラちゃんが酷い目に合わされているってのに黙って見てるだけなんて」
サザエ「ワカメはこれで許して上げる、体が軽くなりすぎちゃったでしょう」
サザエ「台所にお肉を用意しておいたから足りない部分に足すといいわよ」
姉さんは動かないワカメを揺さぶりながらそんなことを言っていた。
ワカメはきっともう死んでいるはずだ、あの状態ならば生きている方が悲惨なようなのだ。
口の端を微かに歪めて笑う姉さんだけが楽しそうにみえる。
姉さんは虚ろな視線をフラフラと漂わせて、ある一点で止めた。
サザエ「あら」
サザエ「ワカメはこれで許して上げる、体が軽くなりすぎちゃったでしょう」
サザエ「台所にお肉を用意しておいたから足りない部分に足すといいわよ」
姉さんは動かないワカメを揺さぶりながらそんなことを言っていた。
ワカメはきっともう死んでいるはずだ、あの状態ならば生きている方が悲惨なようなのだ。
口の端を微かに歪めて笑う姉さんだけが楽しそうにみえる。
姉さんは虚ろな視線をフラフラと漂わせて、ある一点で止めた。
サザエ「あら」
サザエ「やっぱりカツオ、帰って来ていたのね」
僕は一瞬見つかったのかと思った。
だけどそれは単なるはやとちりで、姉さんが見つめていたのは僕の机の上だった。
サザエ「さっきは中身が散らばっていたのに……きれいにしまわれてる」
いつ見たのだろう、僕が一度目に帰宅してから次に戻ってくるまでの間に違いないだろうが、
その時にはワカメはどうしていたのだろうか、すでに姉さんに肉を削がれた後だったのだろうか。
それを考えると胸が裂けそうな思いで苦しかったが、妹の悲惨な最期を哀れむ余裕など今の僕にはないのだ。
僕は一瞬見つかったのかと思った。
だけどそれは単なるはやとちりで、姉さんが見つめていたのは僕の机の上だった。
サザエ「さっきは中身が散らばっていたのに……きれいにしまわれてる」
いつ見たのだろう、僕が一度目に帰宅してから次に戻ってくるまでの間に違いないだろうが、
その時にはワカメはどうしていたのだろうか、すでに姉さんに肉を削がれた後だったのだろうか。
それを考えると胸が裂けそうな思いで苦しかったが、妹の悲惨な最期を哀れむ余裕など今の僕にはないのだ。
サザエ「まだ家のどこかにいるのかしら、ちょっと探してくるからここにいてねタラちゃん」
べしゃりと音を立ててワカメだったものの上に、肉の詰まった縫いぐるみが置かれた。
もしも姉さんに見つかってしまえばあれらの仲間入りだ。
それは絶対に避けなければいけない。
ワカメを切った時に刃毀れしたのであろう包丁は、傾き掛けた太陽の光で凸凹とした刃先を浮かび上がらせている。
それを手にした姉さんがくるりと後ろを振り向きこの部屋からでていくそぶりをした瞬間、僕は安堵のため息を漏らした。
それが、いけなかった。
べしゃりと音を立ててワカメだったものの上に、肉の詰まった縫いぐるみが置かれた。
もしも姉さんに見つかってしまえばあれらの仲間入りだ。
それは絶対に避けなければいけない。
ワカメを切った時に刃毀れしたのであろう包丁は、傾き掛けた太陽の光で凸凹とした刃先を浮かび上がらせている。
それを手にした姉さんがくるりと後ろを振り向きこの部屋からでていくそぶりをした瞬間、僕は安堵のため息を漏らした。
それが、いけなかった。
息と共に体の力が抜け、床の一点に体重が集中してしまう。
ミシリ、となる床の音は静か過ぎるこの部屋に響き渡るには十分過ぎる程だった。
ぴたりと動きを止めた姉さん。
僕は押し入れから飛び出して姉さんに体当たりでもしてみようかと考える。
だけどそれを実行するにはこの体の震えを止めなければ、立ち上がることも出来ないだろう。
僕は襖の穴から外を覗くのを止めた、振り返った姉さんの顔を見たくなかったからだ。
ミシリ、となる床の音は静か過ぎるこの部屋に響き渡るには十分過ぎる程だった。
ぴたりと動きを止めた姉さん。
僕は押し入れから飛び出して姉さんに体当たりでもしてみようかと考える。
だけどそれを実行するにはこの体の震えを止めなければ、立ち上がることも出来ないだろう。
僕は襖の穴から外を覗くのを止めた、振り返った姉さんの顔を見たくなかったからだ。
再放送なのか
読ませる文章力だわ
レスバ目障りだぞ
読ませる文章力だわ
レスバ目障りだぞ
これが走馬灯というものなのか、様々な光景が頭に浮かんで消える。
こんなときだからなのか、みんなの笑顔や楽しかった思い出ばかりが出てくる。
そういえば母さんは町内の婦人会で今日は遅いって言っていたな、とか
中嶋たちは僕が行かなくても野球をしているんだろうな、とか
今の僕には遠い世界の話のような言葉が浮かび、目の前の暗闇が裂けた。
サザエ「タラちゃん、今できるからね」
その声の聞こえた後、赤黒く染まった刃先が僕を
おわる
こんなときだからなのか、みんなの笑顔や楽しかった思い出ばかりが出てくる。
そういえば母さんは町内の婦人会で今日は遅いって言っていたな、とか
中嶋たちは僕が行かなくても野球をしているんだろうな、とか
今の僕には遠い世界の話のような言葉が浮かび、目の前の暗闇が裂けた。
サザエ「タラちゃん、今できるからね」
その声の聞こえた後、赤黒く染まった刃先が僕を
おわる
>>118
この画像待ってた
この画像待ってた
お付き合いありがとうございました。皆さん夜更かしでよかったです。
ホラー書くの初めてなので怖かったです。
クシャナ殿下の母様のくだりは映画に出すべきでした。
縫いぐるみばらすと意外に大量の綿が出て驚きますよね。
おやすみなさい。またいつか。
ホラー書くの初めてなので怖かったです。
クシャナ殿下の母様のくだりは映画に出すべきでした。
縫いぐるみばらすと意外に大量の綿が出て驚きますよね。
おやすみなさい。またいつか。
>>132
13年前らしいぞ
13年前らしいぞ
>>128
この絵意味分からない
この絵意味分からない
みんなの評価 :
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