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元スレ令嬢「私を立派なお不良にして下さいませ!」不良「お、お不良……」
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― 墓地 ―
不良「着いたが、ここは……」
令嬢「墓地です」
不良「…………」
令嬢「どうしました? ずいぶん顔色が悪いですけど」
不良「あ、いや……こういう場所苦手でよ」
令嬢「まあ、不良さんも霊は苦手ですのね」
不良「うるせえよ!」
令嬢「案内します。こちらへどうぞ」
不良「着いたが、ここは……」
令嬢「墓地です」
不良「…………」
令嬢「どうしました? ずいぶん顔色が悪いですけど」
不良「あ、いや……こういう場所苦手でよ」
令嬢「まあ、不良さんも霊は苦手ですのね」
不良「うるせえよ!」
令嬢「案内します。こちらへどうぞ」
ある墓石の前に立つ。
不良「これは……!」
令嬢「このお墓には、私のお友達が眠っています」
不良「お前の……友達!?」
令嬢「私が学校帰りにたまたま出会った……お友達でした」
不良少女『へえ、あんたみたいなお嬢様ってマジでいるんだな』
不良少女『パフェでも食いにいかない?』
令嬢「たまに会うぐらいの間柄でしたけど、彼女と過ごす日々は本当に楽しくて……。
そう、不良さん、あなたと過ごしてる時のように……」
不良「もしかして、前に話したマブってのは……」
令嬢「はい、ここで眠る彼女です」
不良「これは……!」
令嬢「このお墓には、私のお友達が眠っています」
不良「お前の……友達!?」
令嬢「私が学校帰りにたまたま出会った……お友達でした」
不良少女『へえ、あんたみたいなお嬢様ってマジでいるんだな』
不良少女『パフェでも食いにいかない?』
令嬢「たまに会うぐらいの間柄でしたけど、彼女と過ごす日々は本当に楽しくて……。
そう、不良さん、あなたと過ごしてる時のように……」
不良「もしかして、前に話したマブってのは……」
令嬢「はい、ここで眠る彼女です」
令嬢「ですがある時、彼女は……死にました」
不良「死因は?」
令嬢「自殺と聞いてます。ビルから飛び降りたとか……」
令嬢「彼女は家出少女だったようで、体からはおクスリの反応も出たそうです。
結局、自暴自棄になった末の自殺と片付けられてしまったと聞きました」
令嬢「だけど私には信じられません! 彼女が自殺だなんて!」
不良「だから真相を知りたくて、不良のレッスンを受けたいって親父に頼んだのか」
令嬢「そうです。不良界にお詳しい人を探してくれと頼みました」
不良「死因は?」
令嬢「自殺と聞いてます。ビルから飛び降りたとか……」
令嬢「彼女は家出少女だったようで、体からはおクスリの反応も出たそうです。
結局、自暴自棄になった末の自殺と片付けられてしまったと聞きました」
令嬢「だけど私には信じられません! 彼女が自殺だなんて!」
不良「だから真相を知りたくて、不良のレッスンを受けたいって親父に頼んだのか」
令嬢「そうです。不良界にお詳しい人を探してくれと頼みました」
不良「わざわざ、親父をクッションに挟んだのはどうしてだ?」
令嬢「私が勝手に動けば、お父様はすぐ嗅ぎつけ、私を止めるでしょう
ですが、私から『不良のレッスンを受けたい』といえば……」
不良「親公認のお遊びってことで、親父に止められることはなくなるってわけか」
令嬢「それに、この件に関してお父様の力を借りたくないという思いもありました」
令嬢「あなたをご紹介頂いたのはお父様のおかげですが、そこから先は自分の力でやりたかったのです」
不良「なるほどな……」
令嬢「ウソをついて申し訳ございませんでした」
不良「いや、かまわねえさ」
令嬢「私が勝手に動けば、お父様はすぐ嗅ぎつけ、私を止めるでしょう
ですが、私から『不良のレッスンを受けたい』といえば……」
不良「親公認のお遊びってことで、親父に止められることはなくなるってわけか」
令嬢「それに、この件に関してお父様の力を借りたくないという思いもありました」
令嬢「あなたをご紹介頂いたのはお父様のおかげですが、そこから先は自分の力でやりたかったのです」
不良「なるほどな……」
令嬢「ウソをついて申し訳ございませんでした」
不良「いや、かまわねえさ」
不良「んじゃあ、最終レッスンといくか」
令嬢「え?」
不良「実は俺には、お前のダチを死なせた奴に心当たりがある」
令嬢「え! それはいったい……」
不良「今から……DQNの元に乗り込む。ついてくるか?」
令嬢「はいっ、行きます!」
不良「よし……野郎のアジトまで飛ばすぞ!」
令嬢を乗せ、バイクを走らせる。
令嬢「え?」
不良「実は俺には、お前のダチを死なせた奴に心当たりがある」
令嬢「え! それはいったい……」
不良「今から……DQNの元に乗り込む。ついてくるか?」
令嬢「はいっ、行きます!」
不良「よし……野郎のアジトまで飛ばすぞ!」
令嬢を乗せ、バイクを走らせる。
ブオンブオン…
不良「あそこが……DQNのアジトだ」
令嬢「まるでカフェのような看板がありますね」
不良「ああ、潰れてほったらかしになってるカフェを溜まり場にしてやがるのさ」
茶髪「……ん?」
不良「おい、DQNいるか?」
茶髪「なんだてめえ」
パンッ!
茶髪「ぶっ!?」
不良「DQNいるか?」
茶髪「てめ……いきなり……」ボタボタ…
不良「あそこが……DQNのアジトだ」
令嬢「まるでカフェのような看板がありますね」
不良「ああ、潰れてほったらかしになってるカフェを溜まり場にしてやがるのさ」
茶髪「……ん?」
不良「おい、DQNいるか?」
茶髪「なんだてめえ」
パンッ!
茶髪「ぶっ!?」
不良「DQNいるか?」
茶髪「てめ……いきなり……」ボタボタ…
ドズッ!
茶髪「ぎゃふっ!」
不良「DQNいるか?」
茶髪「ひっ、今……中に……」
令嬢「なぜお殴りに? 相手は何もしてないですわよ!」
不良「おいおい、不良ってのは相手が何もしなくても殴るもんだぜ」
令嬢「…………!」
令嬢(これが最終レッスンだというの……?)
茶髪「ぎゃふっ!」
不良「DQNいるか?」
茶髪「ひっ、今……中に……」
令嬢「なぜお殴りに? 相手は何もしてないですわよ!」
不良「おいおい、不良ってのは相手が何もしなくても殴るもんだぜ」
令嬢「…………!」
令嬢(これが最終レッスンだというの……?)
― カフェ ―
ヒャハハハ… アハハハ…
ドアが開く。
カランカラン…
DQN「ん?」
不良「よう、DQN」
DQN「不良……! なんでてめえがここに……!」
不良「最近ずいぶん景気いいらしいな。やべえもん売りまくってるとか……。
だから……喧嘩売りにきたぜ」
DQN「ハァ? すっかり大人しくなったてめえに何が出来るってんだよ」
不良「…………」ギロ…
DQN「…………」ギロ…
令嬢(これがお不良同士のガンのつけ合い……! 迫力が違いますわ……!)
ヒャハハハ… アハハハ…
ドアが開く。
カランカラン…
DQN「ん?」
不良「よう、DQN」
DQN「不良……! なんでてめえがここに……!」
不良「最近ずいぶん景気いいらしいな。やべえもん売りまくってるとか……。
だから……喧嘩売りにきたぜ」
DQN「ハァ? すっかり大人しくなったてめえに何が出来るってんだよ」
不良「…………」ギロ…
DQN「…………」ギロ…
令嬢(これがお不良同士のガンのつけ合い……! 迫力が違いますわ……!)
手下A「てめえ!」
手下B「俺らナメてんじゃねえぞ!」
バキッ! ドガッ!
手下A「ぎゃっ!」
手下B「ぐはっ!」
手下達をあっさり返り討ちにする。
ザワザワ… ツエエ…
不良「ザコは引っ込んでろ。俺が用あんのはDQNだけだ」
令嬢(す、すごい……)
手下B「俺らナメてんじゃねえぞ!」
バキッ! ドガッ!
手下A「ぎゃっ!」
手下B「ぐはっ!」
手下達をあっさり返り討ちにする。
ザワザワ… ツエエ…
不良「ザコは引っ込んでろ。俺が用あんのはDQNだけだ」
令嬢(す、すごい……)
不良「てめえ……クスリ売るわ、女さらうわ、やりたい放題らしいじゃねえか」
DQN「まあな。何しろヤりたい盛りなもんでよ。なにかと支払いも金がかかるしよ」
不良「俺はてめえみたいなのが調子こいてるのが我慢ならねえんだ……ブッ潰す」
DQN「やってみな。いっとくが、俺はてめえがいねえ間、かなり修羅場くぐってんぜ?」
不良「おもしれえっ!」
ブオンッ!
不良のパンチをかわすと――
DQN「だりゃっ!」
ガキッ!
蹴りが炸裂。
不良「ペッ、ずいぶん足癖が悪くなってんじゃねーか」
DQN「キックをかじったんだよ」
DQN「まあな。何しろヤりたい盛りなもんでよ。なにかと支払いも金がかかるしよ」
不良「俺はてめえみたいなのが調子こいてるのが我慢ならねえんだ……ブッ潰す」
DQN「やってみな。いっとくが、俺はてめえがいねえ間、かなり修羅場くぐってんぜ?」
不良「おもしれえっ!」
ブオンッ!
不良のパンチをかわすと――
DQN「だりゃっ!」
ガキッ!
蹴りが炸裂。
不良「ペッ、ずいぶん足癖が悪くなってんじゃねーか」
DQN「キックをかじったんだよ」
DQN「そらっ、そらっ、そらぁっ!」
ガッ! バキィッ!
不良「ぐっ……!」
「ヒャハハ、いいぞーっ!」 「さすがDQNさん!」 「ブッ殺せ!」
DQN「てめえから乗り込んで来たんだ! 生きて帰れると思うんじゃねーぞ!」
DQN「そっちの女も俺らでたっぷり楽しんでやるぜ!」ブオンッ
ハイキックを放とうとする。
ズガァッ!
DQN「ぐ……!?」
不良は拳で迎撃していた。
不良「んな何度も蹴りばっかやってたら、さすがに読めんだよ。
背伸びしてジム通いなんかするから、低かったIQがさらに低くなってんじゃねーのか」
DQN「てめえ……!」
ガッ! バキィッ!
不良「ぐっ……!」
「ヒャハハ、いいぞーっ!」 「さすがDQNさん!」 「ブッ殺せ!」
DQN「てめえから乗り込んで来たんだ! 生きて帰れると思うんじゃねーぞ!」
DQN「そっちの女も俺らでたっぷり楽しんでやるぜ!」ブオンッ
ハイキックを放とうとする。
ズガァッ!
DQN「ぐ……!?」
不良は拳で迎撃していた。
不良「んな何度も蹴りばっかやってたら、さすがに読めんだよ。
背伸びしてジム通いなんかするから、低かったIQがさらに低くなってんじゃねーのか」
DQN「てめえ……!」
DQN「このおっ!」
ブンッ パリィンッ!
グラスを投げつける。
DQN「死にやがれッ!」ヒュッ
さらにナイフを抜き、攻撃する。
不良「おっと!」
令嬢「刃物なんて反則ですわ!」
不良「反則じゃねえさ。これが不良の喧嘩だ。使えるもんは何でも使うんだよ」
令嬢「…………!」
不良「もちろん、俺もなァ!」ガシッ
DQN「な……!?」
テーブルを持ち上げると、それを思い切りDQNに叩きつけた。
ドガァンッ!
DQN「うごあっ!」
ブンッ パリィンッ!
グラスを投げつける。
DQN「死にやがれッ!」ヒュッ
さらにナイフを抜き、攻撃する。
不良「おっと!」
令嬢「刃物なんて反則ですわ!」
不良「反則じゃねえさ。これが不良の喧嘩だ。使えるもんは何でも使うんだよ」
令嬢「…………!」
不良「もちろん、俺もなァ!」ガシッ
DQN「な……!?」
テーブルを持ち上げると、それを思い切りDQNに叩きつけた。
ドガァンッ!
DQN「うごあっ!」
倒れたDQNに、さらに殺さんばかりの滅多打ち。
ドガッ! ガッ! バキッ! ドガッ! ゴッ! … …
令嬢「ひっ……!」
不良「立てよコラァッ!」
DQN「も、もうやめ……」
「DQNさんが!」 「ひええっ!」 「マジかよ!」
手下達も尻ごみしてしまう。
不良「さーて、聞きたいことあるんだが」
DQN「な、なんだよぉ……」
不良「令嬢! お前のダチのツラが分かるようなもん持ってねーか」
令嬢「は……はい」
ドガッ! ガッ! バキッ! ドガッ! ゴッ! … …
令嬢「ひっ……!」
不良「立てよコラァッ!」
DQN「も、もうやめ……」
「DQNさんが!」 「ひええっ!」 「マジかよ!」
手下達も尻ごみしてしまう。
不良「さーて、聞きたいことあるんだが」
DQN「な、なんだよぉ……」
不良「令嬢! お前のダチのツラが分かるようなもん持ってねーか」
令嬢「は……はい」
令嬢「この女性をご存じかしら?」
“不良少女”の画像を見せる。
DQN「へ……誰……?」
令嬢「!」
不良「シラ切ってもすぐ分かんだぞ! クズ野郎!」
DQN「し、知らねえよぉ……本当だぁ……」
不良「どうする?」
令嬢「私はこの人は……何も知らないと思います」
不良「そうか……じゃあ、行こう」
ザッザッ…
DQN「う、うぐっ……」
“不良少女”の画像を見せる。
DQN「へ……誰……?」
令嬢「!」
不良「シラ切ってもすぐ分かんだぞ! クズ野郎!」
DQN「し、知らねえよぉ……本当だぁ……」
不良「どうする?」
令嬢「私はこの人は……何も知らないと思います」
不良「そうか……じゃあ、行こう」
ザッザッ…
DQN「う、うぐっ……」
不良「お前はあいつを最有力容疑者だと思ってただろ? だが、ハズレだったな」
令嬢「そうですね……」
不良「最後のレッスンとして、マジモンの喧嘩を見せてやった。どうだった?」
令嬢「やはり不良さんはお強かったですわ。そして……怖かったです」
不良「だろうな。それでいいんだ」
令嬢「これで……なんだか吹っ切れました。やはり、友達の死に裏なんかなかったと分かって……」
不良「じゃあ最後に、俺からあんたの友達を死なせた張本人を教えてやろう」
令嬢「……え? それはどういう……さっきの方は違うと分かって……」
不良「俺はDQNが犯人だとは一言もいってねえよ。
ただ……あいつとはケリつけたかっただけだ。あいつがのさばったのは俺の責任でもあるしな」
令嬢「じゃあ、いったい誰が……」
不良「お前のダチを死なせたのは……この俺だ」
令嬢「そうですね……」
不良「最後のレッスンとして、マジモンの喧嘩を見せてやった。どうだった?」
令嬢「やはり不良さんはお強かったですわ。そして……怖かったです」
不良「だろうな。それでいいんだ」
令嬢「これで……なんだか吹っ切れました。やはり、友達の死に裏なんかなかったと分かって……」
不良「じゃあ最後に、俺からあんたの友達を死なせた張本人を教えてやろう」
令嬢「……え? それはどういう……さっきの方は違うと分かって……」
不良「俺はDQNが犯人だとは一言もいってねえよ。
ただ……あいつとはケリつけたかっただけだ。あいつがのさばったのは俺の責任でもあるしな」
令嬢「じゃあ、いったい誰が……」
不良「お前のダチを死なせたのは……この俺だ」
令嬢「ど、どういう意味ですの?」
不良「お前のダチだった女……俺は知ってた」
不良「あの墓地に着いた時、顔色が悪かったのも、あいつのことを思い出したからだ」
令嬢「え……」
不良少女『よっ、バイク乗せてよ』
不良『またかよ。まあいいけどよ……』
ブオオオオンッ!
不良少女『きゃっほー!』
不良「お前のダチだった女……俺は知ってた」
不良「あの墓地に着いた時、顔色が悪かったのも、あいつのことを思い出したからだ」
令嬢「え……」
不良少女『よっ、バイク乗せてよ』
不良『またかよ。まあいいけどよ……』
ブオオオオンッ!
不良少女『きゃっほー!』
不良「俺とあいつはきちんと付き合ってたわけじゃねえが……よく会ってた。
お前とカチ合わなかったのは、多分あいつはお前とは昼、俺とは夜会ってたからだろう」
不良「男女の仲というよりはダチに近かったかな……。俺にとってもあいつはマブダチだった」
令嬢「…………」
不良「だが、ある日――あいつは俺に“とても信じられねえこと”をいった。
俺はそれを聞いて、あいつを罵りまくった。二度と会わねえとまでいった。
後にも先にもあの時だけだ。あんだけ人にボロクソいったのは……」
不良「それからまもなく、あいつは死んだ。ビルから飛び降りたって……」
不良「俺は……今でもあいつが死んだのは俺のせいだと思ってる」
不良「ホントは墓地でいうべきだったが……ひと暴れしてからじゃないと言う勇気がなかった。
なんつう弱い男だよ」
不良「いつだったかお前、『なんで不良は自分を強く見せようとするのか』っていったが、
んなもん弱いからそれを隠すために決まってる」
不良「本当に強い奴は不良なんかやらねーよ……」
令嬢「…………」
お前とカチ合わなかったのは、多分あいつはお前とは昼、俺とは夜会ってたからだろう」
不良「男女の仲というよりはダチに近かったかな……。俺にとってもあいつはマブダチだった」
令嬢「…………」
不良「だが、ある日――あいつは俺に“とても信じられねえこと”をいった。
俺はそれを聞いて、あいつを罵りまくった。二度と会わねえとまでいった。
後にも先にもあの時だけだ。あんだけ人にボロクソいったのは……」
不良「それからまもなく、あいつは死んだ。ビルから飛び降りたって……」
不良「俺は……今でもあいつが死んだのは俺のせいだと思ってる」
不良「ホントは墓地でいうべきだったが……ひと暴れしてからじゃないと言う勇気がなかった。
なんつう弱い男だよ」
不良「いつだったかお前、『なんで不良は自分を強く見せようとするのか』っていったが、
んなもん弱いからそれを隠すために決まってる」
不良「本当に強い奴は不良なんかやらねーよ……」
令嬢「…………」
不良「これが……真相だ」
令嬢「…………」
不良「どうする? 敵討ちでもするか? 抵抗はしねえ」
令嬢「いえ、そんなつもりはありません……」
不良「そうか。ならレッスンは終わりだ。少しの間だったが、お前と過ごすのは楽しかったよ」
不良「駅まで送ってやる。そしたら……お別れだ」
令嬢「はい……」
この日、二人はほとんど会話をしないまま別れた。
令嬢「…………」
不良「どうする? 敵討ちでもするか? 抵抗はしねえ」
令嬢「いえ、そんなつもりはありません……」
不良「そうか。ならレッスンは終わりだ。少しの間だったが、お前と過ごすのは楽しかったよ」
不良「駅まで送ってやる。そしたら……お別れだ」
令嬢「はい……」
この日、二人はほとんど会話をしないまま別れた。
― 令嬢の邸宅 ―
令嬢「帰りましたわ」
執事「お帰りなさいませ、お嬢様」
大富豪「おお、どうだった? 今日の不良君のレッスンは……」
令嬢「今日で最後ということになりました」
大富豪「! ……そうか、なら満足したことだろう。
ワガママを聞いてやったが、これからは我が家の令嬢として相応しい道を歩むのだぞ」
令嬢「はい……お父様」
令嬢「帰りましたわ」
執事「お帰りなさいませ、お嬢様」
大富豪「おお、どうだった? 今日の不良君のレッスンは……」
令嬢「今日で最後ということになりました」
大富豪「! ……そうか、なら満足したことだろう。
ワガママを聞いてやったが、これからは我が家の令嬢として相応しい道を歩むのだぞ」
令嬢「はい……お父様」
ベッドに入るが眠れない。
令嬢「…………」
令嬢(不良さんはああいったけど、やっぱりあの方が自殺をなさるなんて考えにくい……)
令嬢(別の理由があるのでは……)
令嬢(今までに出会った人達、私が知ってること、全て考えてみよう……)
令嬢「…………」
布団の中で考え込む。
令嬢「――あっ!」
令嬢(彼女が死んだのは、まさか――)
…………
……
令嬢「…………」
令嬢(不良さんはああいったけど、やっぱりあの方が自殺をなさるなんて考えにくい……)
令嬢(別の理由があるのでは……)
令嬢(今までに出会った人達、私が知ってること、全て考えてみよう……)
令嬢「…………」
布団の中で考え込む。
令嬢「――あっ!」
令嬢(彼女が死んだのは、まさか――)
…………
……
次の日――
― 墓地 ―
一人たたずむ令嬢。
令嬢「…………」
不良「…………!」
令嬢「どうも」
不良「なんでお前がここに……」
令嬢「ここにいれば来てくれると、なんとなく予感しておりました」
不良「金持ちなだけじゃなく、超能力もあるのかよ」
令嬢「超能力ついでに……私の考えをあなたに聞いて頂きたいの」
不良「なんだよ」
令嬢「やはり、私のお友達は……自殺ではありません!」
不良「…………!」
令嬢「あなたもそう思うのでしょう? 自分が罵ったぐらいで死を選ぶような方ではないと」
不良「そりゃな……」
― 墓地 ―
一人たたずむ令嬢。
令嬢「…………」
不良「…………!」
令嬢「どうも」
不良「なんでお前がここに……」
令嬢「ここにいれば来てくれると、なんとなく予感しておりました」
不良「金持ちなだけじゃなく、超能力もあるのかよ」
令嬢「超能力ついでに……私の考えをあなたに聞いて頂きたいの」
不良「なんだよ」
令嬢「やはり、私のお友達は……自殺ではありません!」
不良「…………!」
令嬢「あなたもそう思うのでしょう? 自分が罵ったぐらいで死を選ぶような方ではないと」
不良「そりゃな……」
不良「だがよ、それじゃあいつはなんで死んだんだ!? 説明がつかねえよ!」
令嬢「彼女はあなたに罵られる時、こうおっしゃったんじゃありません?」
令嬢は自分の予想を話した。
不良「なんで分かったんだよ……マジで超能力者かよ」
令嬢「もし、それが真実だったとしたら、全てに説明がつきます」
令嬢「彼女がどうして死んだのかも、DQNさんがなぜあれほど勢力を伸ばしたのかも、
あなたが今不良界から離れてるのも……」
不良「ウソだ! 俺は信じねえ!」
令嬢「彼女はあなたに罵られる時、こうおっしゃったんじゃありません?」
令嬢は自分の予想を話した。
不良「なんで分かったんだよ……マジで超能力者かよ」
令嬢「もし、それが真実だったとしたら、全てに説明がつきます」
令嬢「彼女がどうして死んだのかも、DQNさんがなぜあれほど勢力を伸ばしたのかも、
あなたが今不良界から離れてるのも……」
不良「ウソだ! 俺は信じねえ!」
令嬢「しかし、目を向けなければならない時ですわ! 私たちには確かめる義務があります!
彼女のおマブダチとして!」
不良「くっ……!」
令嬢「不良さん、私はあなたを信じております。どうかご一緒に……」
不良「……分かった。あんたに従うよ、令嬢」
不良「だが、あいつの死から時間が経ち過ぎてる。どうすりゃいいんだ?」
令嬢「一つ、方法がございます」
不良「方法?」
令嬢「私ならではの方法です」
彼女のおマブダチとして!」
不良「くっ……!」
令嬢「不良さん、私はあなたを信じております。どうかご一緒に……」
不良「……分かった。あんたに従うよ、令嬢」
不良「だが、あいつの死から時間が経ち過ぎてる。どうすりゃいいんだ?」
令嬢「一つ、方法がございます」
不良「方法?」
令嬢「私ならではの方法です」
夜中、人気のない道をパトロールする警官。
警官「…………」
警官(さっきのメールによると、DQNが不良に叩きのめされたらしいな)
警官(不良の奴め……また暴れるつもりか? きっちり足を洗わせないと……)
警官「……ん」
「おまわりさん……」
警官「はい、どうしました? ――ッ!?」
不良少女「ちょっと道を尋ねたいんですけど……」
警官「お前は……!」
警官「…………」
警官(さっきのメールによると、DQNが不良に叩きのめされたらしいな)
警官(不良の奴め……また暴れるつもりか? きっちり足を洗わせないと……)
警官「……ん」
「おまわりさん……」
警官「はい、どうしました? ――ッ!?」
不良少女「ちょっと道を尋ねたいんですけど……」
警官「お前は……!」
警官「なんでお前が……?」
不良少女「私をご存じ?」
警官「お前は……死んだはず!」
不良少女「何をおっしゃってるの? 私はこうして生きております。だから道を……」
警官「迷ってんじゃねえ! とっととあの世に行けェ!」
不良少女「私は死んでません」
警官「死んだんだァ!」
不良少女「なぜそこまで言い切れるのですか」
警官「俺がやったからに決まってんだろ! 注射して、ビルから……」
不良少女「やはり……そういうことでしたのね」
警官「あ……?」
不良少女「私をご存じ?」
警官「お前は……死んだはず!」
不良少女「何をおっしゃってるの? 私はこうして生きております。だから道を……」
警官「迷ってんじゃねえ! とっととあの世に行けェ!」
不良少女「私は死んでません」
警官「死んだんだァ!」
不良少女「なぜそこまで言い切れるのですか」
警官「俺がやったからに決まってんだろ! 注射して、ビルから……」
不良少女「やはり……そういうことでしたのね」
警官「あ……?」
ベリベリッ
令嬢「作戦、大成功ですわ」
警官「は!?」
令嬢「これは特殊メイクです。私、一流メイクアップアーティストの知り合いがおりますので」
警官「お前は……不良と一緒にいた……」
不良「あんたかよ……」
警官「!」
不良「あんただったのか! あいつを殺したのはッ!」
警官「不良……!」
令嬢「作戦、大成功ですわ」
警官「は!?」
令嬢「これは特殊メイクです。私、一流メイクアップアーティストの知り合いがおりますので」
警官「お前は……不良と一緒にいた……」
不良「あんたかよ……」
警官「!」
不良「あんただったのか! あいつを殺したのはッ!」
警官「不良……!」
令嬢「あなたはおそらく、町を守る警察官をする傍ら、そのポジションを利用して
町のお不良達を手なずけていたのでしょう。彼らに便宜を図る代わり、お金をもらう」
令嬢「特にあのDQNさんは、あなたにとっては稼ぎ頭だったはず」
警官「くっ……!」
令嬢「ですが、不良さんは弱い者イジメを嫌う方。DQNさんの商売の邪魔になる。
ですから、更生を促し、不良界から手を引かせたのです」
令嬢「不良さんが大人しくなったおかげで、DQNさんは勢力を伸ばし、あなたの懐も潤った……」
令嬢「ところが、そんなあなたの正体に気づいた人がいました。
不良さんと私のおマブダチ……不良少女さんです」
令嬢「彼女は不良さんがあなたを尊敬してることを知ってました。
だから、『あの警官には裏がある』と忠告しました。
ですが結果、不良さんを怒らせる結果となってしまった……」
令嬢「ですから彼女はあなたに直接訴えた。『もう悪い事はやめてくれ』と。
この瞬間……彼女の運命は決まってしまったのです」
警官「…………ッ!」
町のお不良達を手なずけていたのでしょう。彼らに便宜を図る代わり、お金をもらう」
令嬢「特にあのDQNさんは、あなたにとっては稼ぎ頭だったはず」
警官「くっ……!」
令嬢「ですが、不良さんは弱い者イジメを嫌う方。DQNさんの商売の邪魔になる。
ですから、更生を促し、不良界から手を引かせたのです」
令嬢「不良さんが大人しくなったおかげで、DQNさんは勢力を伸ばし、あなたの懐も潤った……」
令嬢「ところが、そんなあなたの正体に気づいた人がいました。
不良さんと私のおマブダチ……不良少女さんです」
令嬢「彼女は不良さんがあなたを尊敬してることを知ってました。
だから、『あの警官には裏がある』と忠告しました。
ですが結果、不良さんを怒らせる結果となってしまった……」
令嬢「ですから彼女はあなたに直接訴えた。『もう悪い事はやめてくれ』と。
この瞬間……彼女の運命は決まってしまったのです」
警官「…………ッ!」
不良「なんでだ!? 俺は……俺はあんたを信じてたのに!」
警官「うるせえ! 親や教師からの信頼を裏切ってるクズにいわれたくねえよ」
警官「警察ってのは楽じゃねえんだ。市民のために働き、時には体だって張る。
だからDQNみたいなの使って副業しねえと割りに合わねえんだよ!」
警官「それをあのバカ女が……余計なこと嗅ぎつけやがって」
警官「ま、評判の悪い家出娘だったおかげで、大した捜査されずに済んだがな……。
不良の末路なんてのはあんなもんだ」
不良「てめえええええっ!!!」
不良渾身のパンチ。しかし、かわされる。
警官「公務執行妨害だぞ……このクズがッ!」ガシッ
地面に投げ飛ばされる。
不良「ぐはっ……!」
警官「うるせえ! 親や教師からの信頼を裏切ってるクズにいわれたくねえよ」
警官「警察ってのは楽じゃねえんだ。市民のために働き、時には体だって張る。
だからDQNみたいなの使って副業しねえと割りに合わねえんだよ!」
警官「それをあのバカ女が……余計なこと嗅ぎつけやがって」
警官「ま、評判の悪い家出娘だったおかげで、大した捜査されずに済んだがな……。
不良の末路なんてのはあんなもんだ」
不良「てめえええええっ!!!」
不良渾身のパンチ。しかし、かわされる。
警官「公務執行妨害だぞ……このクズがッ!」ガシッ
地面に投げ飛ばされる。
不良「ぐはっ……!」
警官「ナメるなよ。俺は悪徳警官だが、武道はきっちり習ってんだ」
警官「このまま絞め殺してやる。非行少年絞め殺したって今時の世論は俺の味方だろうよ!
『よく社会のゴミを始末した』って褒め称えるだろうぜ!」
不良「が……あ……」
不良(ちくしょう……こんな奴に……あいつは……)
不良(だが……俺はあいつを信じず……死に追いやって……)
不良「うおおおおおっ!」ググッ
警官「粘るねえ。だが、この体勢はひっくり返せねえよ!」
不良(やべえ……意識が……)
警官「このまま絞め殺してやる。非行少年絞め殺したって今時の世論は俺の味方だろうよ!
『よく社会のゴミを始末した』って褒め称えるだろうぜ!」
不良「が……あ……」
不良(ちくしょう……こんな奴に……あいつは……)
不良(だが……俺はあいつを信じず……死に追いやって……)
不良「うおおおおおっ!」ググッ
警官「粘るねえ。だが、この体勢はひっくり返せねえよ!」
不良(やべえ……意識が……)
こんなSSですら正義が最後に勝つみたいな流れにする風潮どうにかしてほしいわ
悪徳が勝ってもいいはずだが?
悪徳が勝ってもいいはずだが?
令嬢(どうにか……しないと!)
警官「早くかかってこいよ、お嬢ちゃん。こいつ死んじゃうぞ?」
令嬢「!」
不良「来る……な……!」
警官「もうオチる寸前だな、さっさと楽になっちまえよ」
令嬢(私が加勢しても役に立たない! もっと他の方法……驚かせるとか――)ハッ
不良『なぜって……えーと、相手をビビらせる効果がある!』
令嬢(今こそレッスンの成果を出す時!)
警官「早くかかってこいよ、お嬢ちゃん。こいつ死んじゃうぞ?」
令嬢「!」
不良「来る……な……!」
警官「もうオチる寸前だな、さっさと楽になっちまえよ」
令嬢(私が加勢しても役に立たない! もっと他の方法……驚かせるとか――)ハッ
不良『なぜって……えーと、相手をビビらせる効果がある!』
令嬢(今こそレッスンの成果を出す時!)
な?
アホですわ
これがこの話の限界
王道じゃなくて陳腐
アホですわ
これがこの話の限界
王道じゃなくて陳腐
令嬢「おまわりさん!」
警官「ん?」
令嬢「なんだコラァですわ!」ギロッ
警官「……は?」
令嬢「…………」ジロー…
警官「おいおい、それでガンつけてるつもりか? お嬢ちゃん! 笑わせるぜ!
アッハッハッハッハァ!」
不良「……笑ってんじゃねえよ」
警官「!」
不良「おかげで力が緩んだ……ぐおおおおおおっ!」グイッ
警官「ちっ、こいつ――!」
警官「ん?」
令嬢「なんだコラァですわ!」ギロッ
警官「……は?」
令嬢「…………」ジロー…
警官「おいおい、それでガンつけてるつもりか? お嬢ちゃん! 笑わせるぜ!
アッハッハッハッハァ!」
不良「……笑ってんじゃねえよ」
警官「!」
不良「おかげで力が緩んだ……ぐおおおおおおっ!」グイッ
警官「ちっ、こいつ――!」
ガツッ!
警官「ぶあっ……!」
頭突きに怯んだところへ――
不良「このクズ野郎がァ!」
ガゴォッ!
右ストレートが顎に決まった。
警官「が、はぁ……っ!」
ドザァッ…
警官「ぶあっ……!」
頭突きに怯んだところへ――
不良「このクズ野郎がァ!」
ガゴォッ!
右ストレートが顎に決まった。
警官「が、はぁ……っ!」
ドザァッ…
キンキンキンキンとかしてた方がマシだぞ
1レスで話進むから
1レスで話進むから
不良「気絶したぐれえで終わらせねえぞ、ゴラァ!」ガシッ
令嬢「おやめ下さいっ!」
不良「なんでかばう!」
令嬢「これ以上やっては殺してしまいます!」
不良「殺していいじゃねえか! お前にはダチを想う気持ちはねえのか!」
令嬢「もちろんあります!」
不良「ならいいじゃねえか。仇討ちだ!」
令嬢「あの人はそんなこと――」
不良「死人の意見を勝手に代弁すんじゃねえよ! 俺はやるったらやる!」
令嬢「おやめ下さいっ!」
不良「なんでかばう!」
令嬢「これ以上やっては殺してしまいます!」
不良「殺していいじゃねえか! お前にはダチを想う気持ちはねえのか!」
令嬢「もちろんあります!」
不良「ならいいじゃねえか。仇討ちだ!」
令嬢「あの人はそんなこと――」
不良「死人の意見を勝手に代弁すんじゃねえよ! 俺はやるったらやる!」
令嬢「でしたら、自分の言葉で申し上げます!」
不良「!」
令嬢「私だって……仇を討ちたい。この方に何度もビンタしたい気分ですわ。
ですが、私はあなたに人殺しをして欲しくない……!」
不良「…………!」
令嬢「お願いします……。どうか……」ガシッ
涙ながらに懸命にしがみつく。
不良「ちっ! 分かったよ……」バッ
不良「!」
令嬢「私だって……仇を討ちたい。この方に何度もビンタしたい気分ですわ。
ですが、私はあなたに人殺しをして欲しくない……!」
不良「…………!」
令嬢「お願いします……。どうか……」ガシッ
涙ながらに懸命にしがみつく。
不良「ちっ! 分かったよ……」バッ
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