元スレ令嬢「私を立派なお不良にして下さいませ!」不良「お、お不良……」
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1 :
ブロロロ… キキッ
不良(なんだ……このデカイ車は……)
大富豪「初めまして。君が不良君だね」
不良「なんだあんた」
大富豪「これは失礼、私は大富豪。大金持ちだ。君を見込んで頼みがあってね」
不良「頼み?」
大富豪「私の娘の“不良のコーチ”になって欲しいのだ」
不良「はぁ?」
2 :
面白そう
3 :
げっつられたけん
4 = 1 :
不良「ふざけんな、誰がやるかよ」
大富豪「むろん、報酬は弾もう」
不良「金ちらつかせりゃ何でもやると思ったら大間違いだぞ、おっさん」
ボディガード「貴様、旦那様に失礼な口を……」ガシッ
不良「さわるんじゃねえよ!」
ドゴォッ!
腹部に強打。
ボディガード「…………」
不良「おいおい、ビクともしねえのかよ! おもしれえ!」
5 = 1 :
大富豪「待ちたまえ。私は争いに来たわけではない」
不良「ああ?」
大富豪「私も金持ちの道楽でこんなことを頼むわけではない」
大富豪「娘はどういうわけか不良というものに興味を持ってしまい、
一度レッスンを受けたいといって聞かんのだ」
不良「レッスン……」
大富豪「そこで近隣の不良を私なりに調査し、今時珍しい硬派で、群れずに一匹狼、
金にもなびかない君ならば、娘を任せられると思ったのだ」
大富豪「頼む、話だけでも聞いてくれえっ!」バッ
不良「……分かったよ。そこまでいわれたら……」
大富豪「おおっ!」
6 = 1 :
車に乗り込む。
ブロロロロロ…
不良「俺はどうすりゃいいんだ? 酒や煙草、喧嘩なんかを教えりゃいいのか?」
大富豪「いや、酒や煙草は娘の健康を損なうから困る。喧嘩も、娘が怪我などしたら大変だ」
大富豪「それとむろん、万引きなどの犯罪なども教えないでもらいたい」
不良「…………」
不良「酒も煙草もやらない、喧嘩も犯罪もしない不良って、もはやただの“良”な気がすんだけど」
大富豪「まあ、雰囲気だけを教えてやってくれればいいのだよ。雰囲気を」
不良「……分かったよ。とりあえずやってみる」
大富豪「ありがとう、むろん礼はする」
7 = 1 :
やがて、ある公園に到着する。
大富豪「娘はあちらにいる。さっそくレッスンしてあげてくれたまえ」
不良「ああ、分かったよ」
不良を見届けて――
大富豪「上手くいったな。ところで、さっきのパンチはどうだった?」
ボディガード「……効きましたよ。あの若さであんなパンチを打てるなんて……
なんなら将来スカウトしたい気分です」
大富豪「ご苦労だった。彼ならばきっと娘を満足させてくれるだろう」
8 = 1 :
不良(この女が……!)
令嬢「あなたが私に不良のレッスンをして下さるコーチ? 初めまして」
不良「は、初めまして……」
不良(おいおい、こいつは予想以上にお嬢様だぞ……ドレス着てるし)
令嬢「私を立派なお不良にして下さいませ!」
不良「お、お不良……」
9 :
いいぞ
10 = 1 :
不良「最初に聞いておきたいんだが、なんで不良になりたいんだ?」
令嬢「私、近頃ヤンキー漫画というものを読みまして……それで不良ってカッコイイって思いましたの!」
不良(やっぱりこういう類かよ……)
不良「あのなあ、不良なんてもんは全然かっこいいもんじゃなく――」
令嬢「あなたは不良なのですよね? やっぱり本物はかっこいいですわ!」
不良「え、そうかな」
令嬢「あなたから不良のレッスンを受けられるなんて本当に嬉しいです。
ぜひよろしくお願いします!」
不良「あー、うん。こちらこそよろしく」
11 = 1 :
不良「んじゃあ、まずガンの付け方でも」
令嬢「ガンとは? ピストルかしら?」
不良「えーと、相手を睨むことだ」
令嬢「なぜ睨むのです?」
不良「なぜって……えーと、相手をビビらせる効果がある!」
令嬢「まあ、素敵! ではお手本を!」
不良「なんだコラァ!」ギロッ
令嬢「すごい迫力ですわ!」パチパチ
不良「恥ずいから拍手とかやめて。んじゃ、お前がやってみろ」
令嬢「分かりました!」
12 = 1 :
令嬢「なんだコラァですわ!」ギロッ
不良「…………」
令嬢「いかがでした?」
不良「うん、まあ、悪くはないんじゃないかな」
令嬢「まあ、嬉しい! これで私もお不良に一歩近づけましたのね!」
不良「だけど“ですわ”はいらねえかな」
令嬢「そこは譲れませんわ!」
不良「なんでだよ……」
13 :
>>11
センスあるよ
14 = 1 :
不良「次はこれだ。ヤンキー座り」スッ
令嬢「あっ、よくコンビニエンスストアでその座り方をしている殿方達がおりますわね」
不良「コンビニを略さずいう奴初めて見たよ。んじゃ、やってみろ」
令嬢「こうですか?」スッ
不良「そうそう」
令嬢「この体勢、なかなか楽ですわね」
不良「そうか?」
令嬢「はい、学校でもやってみようかしら」
不良「絶対やめとけ!」
15 :
おもしろいな
16 :
モーニングスターや斧の人かな
17 = 1 :
不良「ったく、今時こんな箱入り娘がマジでいるとはな」
不良「お前、ちゃんとマブダチとかいるのか?」
令嬢「マブ?」
不良「親友だよ。その分じゃ、周りだって恐れ多くて寄ってこないだろ」
令嬢「失礼な。もちろんおりましたわ! 大変素晴らしいおマブが!」
不良「おマブ……!」
令嬢「それに私の知り合いには、一流の女優やファッションデザイナー、メイクアップアーティスト、
といった方々が大勢……」
不良「分かった分かった、悪かったよ!」
19 = 1 :
― 町 ―
不良「とりあえず、町を散歩するか」
令嬢「不良ならではの歩き方というのはございますの?」
不良「ん~、こんな感じかな」
肩をいからせながら歩く。
令嬢「なぜこんな歩き方を?」
不良「なんでっていわれても……うーん、自分を強く見せるためかな」
令嬢「強く見せる? なぜ、わざわざそんなことを? 不良さんは強くないのかしら?」
不良「…………!」
不良「強いに決まってんだろ! ナメんな!」
令嬢「ご、ごめんなさい!」
20 = 1 :
警官「お、不良じゃないか!」
不良「……うっす」
警官「ずいぶん可愛い子を連れてるな。ひょっとして彼女か?」
不良「そんなんじゃないっすよ」
令嬢「私、この方に不良のレッスンを受けておりますの!」
警官「ふ、不良のレッスン?」
不良「余計なこというな!」
警官「まあ、なんでもいいが……もう暴れたりするなよ。
ワルどものいる世界からは足洗って、大人しくしてるんだぞ」
不良「うっす」
21 = 1 :
令嬢「先ほどのおまわりさんは?」
不良「俺の恩人さ。俺がもっと荒れてた頃、色々気にかけてくれた人でさ。
あの人がいなかったら……俺はとんでもねえワルになってたかもしれねえ」
令嬢「まあ素敵! お不良とおまわりさんの友情ですわね!」
不良「友情なんていいもんじゃねえけどさ」
令嬢「ヤンキー漫画でもよくありますものね。お不良に理解のあるおまわりさん」
不良「まあな。だけどしょせん不良と警官……仲良くなれるもんじゃねえよ」
令嬢「立場の違う者同士、いつか対立する時が来てしまうものですものね。
光と闇、二つの正義がぶつかり合う……なんて美しいの!」
不良「光と闇て……大げさすぎんだよ」
22 = 1 :
不良「今日はこんなところかな」
令嬢「ありがとうございました」
令嬢「ではこれから、週に何度かレッスンをして頂くということで……」
不良「ああ」
令嬢「ではごめんあそばせ」フワッ
上品に挨拶をして帰る。
不良「……マジで妙なことになっちまったなぁ」
23 = 1 :
数日後――
不良「今日はどうしたもんか……」
令嬢「色々とお不良の文化について教えて頂きたいですわ」
不良「不良に文化もクソもないと思うが……」
不良「とりあえず、ゲーセンでも行くか」
令嬢「ゲーセン? 三味線の一種かしら?」
不良「ゲームができる場所だよ! 今時ゲーセンを溜まり場にしてる不良も少ねえけどな」
令嬢「楽しみです!」
24 :
今は老人が溜まってたりするな
25 = 1 :
― ゲームセンター ―
不良「クレーンゲームでもやるか」
令嬢「クレーンゲーム?」
不良「このアームで景品を取るんだよ」
令嬢「まあ、面白そう!」
不良「まず、俺が手本見せてやんよ」
ウイーン…
ボトッ
不良「くそっ、ダメだったか! アーム弱すぎんだろ!」
26 :
待ってたいつも楽しみにしてる
27 = 1 :
令嬢「じゃあ次は私が」
ウイーン… ボトッ
令嬢「あら、もう一回」
ウイーン… ボトッ ウイーン… ボトッ ウイーン… ボトッ
不良「もういい加減諦めろって……」
令嬢「嫌ですわ! 次こそ!」
ウイーン…
令嬢「取れましたわ!」
不良「す、すげえ。財力にモノいわせたごり押し……!」
28 = 1 :
― 牛丼屋 ―
令嬢「ここはお不良御用達のお店ですの?」
不良「いや、そんなことねえけど……俺がよく来るからな」
店員「へい、牛丼並二つお待ち!」
不良「普段いいもん食ってるお嬢様の口に合うかは分からねえが……」
令嬢「いただきます」パクッ
不良「どう?」
令嬢「ええ、とってもおいしいです!」
不良「そうか、よかった」
29 :
ドン!…ァ゛ア゛ア゛ん!
不良「~~ッ いってーな、何してくれとんじゃ!!」
裏番「チッ、不良くんか」メガネクィ
不良「あ…」
裏番「ん?後ろの君は令嬢さんだね、こんなゴミと何してるの?」
令嬢「今、お不良のお勉強をしてましてよ」ニコッ
裏番(はぁー、こいつは許嫁だけど本当にバカだな)
裏番「頑張ってね、僕の未来の花嫁さん」
裏番『不良くん、命拾いしたね』小声
不良『てめえぇ…』小声
ヒュン チッ 裏番の拳が鼻をかすめる…ボタボタ…
不良(くそ!見えねぇ)
裏番「あー、令嬢さん、クレーゲームは確率機だから確率に当たるか天井までお金を入れないと取れないんだよ」
令嬢「そうでしたの?なるほど」
裏番「じゃ、僕は行くね」
30 :
おもろいのぉ
31 = 1 :
令嬢「ただ上質なお米やお肉を使えば、もっとおいしくなると思いますわ」
不良「まあ、そりゃそうだな」
令嬢「そうだ! 今度シェフに作ってもらおうかしら!」
不良「シェフ……!?」
令嬢「はい、私の家には世界的に有名なシェフが勤めてますので」
不良(一流シェフが作った牛丼……食いてぇ~!)
32 = 1 :
牛丼屋を出て――
不良「さて、少しは不良らしいことしねえとな」
令嬢「お不良らしいこと……ワクワクしますわ!」
不良「これから……俺はカツアゲをする」
令嬢「カツアゲ? お料理かしら?」
不良「ちげえよ! ちょっとうまそうだけど……
一言でいうと、弱そうな奴を脅して、金を取るって行為さ」
令嬢「そんな! いけませんわ!」
不良「安心しろ。フリだけでマジで取るわけじゃねえから。ちょっとしたドッキリだ」
33 = 1 :
不良「ターゲットは……あれでいいか」
不良「おい!」
眼鏡「は、はいっ!?」
不良「兄ちゃん、金貸してくんねえ?」
眼鏡「お金……持ってません……」
不良「ならジャンプしてみな」
眼鏡「は、はい……」ピョンッ チャリンッ
不良「持ってんじゃねえか! ……とまぁ、こういう具合だな。怖がらせて悪かった」
眼鏡「へ……?」
令嬢「ありがとうございました。これ少ないですけどお礼ですわ」
眼鏡「え、お金もらえるんですか!?」
不良(カツアゲのアゲは“あげる”のアゲだった……?)
34 = 1 :
警官「おお、不良」
不良「ちっす」
令嬢「こんにちは」
警官「デートはかまわんが、カツアゲなんてしてないだろうな?」
不良「! もちろんっすよ」
警官「まあ、お前は昔から、弱い者をいじめるタイプのワルではなかった。
とにかく、今のまま大人しくしておくんだぞ。親御さんを悲しませるな」
不良「悲しむような親じゃねえけど……そのつもりっす」
警官と別れて――
令嬢「不良さんがカツアゲをしないような方だと聞いて安心しましたわ」
不良「ちっ……あの人も余計なことを……」
令嬢「でもたしかに、さっきのカツアゲ、やり慣れてる感じではなかったですわね」
不良「いちいち見破るなよな!」
35 = 1 :
不良「ちょいとバイクで町を一周してみるか」
令嬢「私、バイクというものは初めて乗りますわ!」
不良「これ被って、しっかりつかまってろよ」
令嬢「はいっ!」
ブオンブオンブオン…
不良「飛ばしやしねえから安心しな。事故ったら大変だし」
令嬢「安全運転でお願いします!」
ブオオオオオオオオッ
令嬢「これがバイクですのね! ものすごいスピード感ですわ! もっと飛ばしてもいいですわよ!」
不良「いや……危ないから」
36 = 1 :
不良「今日はどうだった?」
令嬢「とても楽しめましたわ。クレーンゲームに牛丼、カツアゲにバイク……
私もどんどんやってみたいと思います」
不良「いや、カツアゲはやるなよ」
令嬢「うふふっ、冗談です」
不良「冗談までいえるようになったかよ。
んじゃ次のレッスンの時は……もっと大勢不良がいるような場所に行ってみるか」
令嬢「はいっ、ぜひ!」
不良「!」
不良(ちょっとビビるかと思ったら、ずいぶん食い付いてきたな……)
37 = 1 :
……
令嬢「今日はお不良の方が集まる場所に連れていってくれると伺いましたが」
不良「ああ、クラブへ行く」
令嬢「クラブ?」
不良「ダベったり、酒飲んだり、踊ったりする場所だ」
令嬢「まあ、楽しそう! いわば不良界の社交場ですわね!」
不良「社交場……まあ、そんなようなもんだ」
令嬢「だけど私、まだ未成年なのですけど……」
不良「俺もだが、近くんとこは誰でも入れる。安心しな。あと酒も飲まなくていい。
親父さんにもいわれてるしな」
令嬢「それを聞いて安心しました!」
38 = 29 :
>>29の続き
不良(今のおれじゃ勝てねぇ)
令嬢「鼻血が」
不良「なんでもねぇよ、さわんじゃねー」
令嬢「ですが…」
不良「今日は解散だ、また連絡する」
令嬢「ふー、やはり、貴方でもあの方には勝てませんか…」
令嬢「私は自由になりたいのです、あの方は乱暴で野蛮…そして頭もキレます」
令嬢「そして父上もあの方の財力には逆らえません」
令嬢「私は能天気を演じて来ましたが全てはあの方を欺くため、あの方を打ちのめす人を探していたのです」
不良「おれがあいつに勝てるはずねーだろ」
不良「あいつがどんなバケモンか知らねーからいえるんだ!!」
令嬢「知っております、私の前で私の精鋭ボディガード5人を5分で倒してみせました」
令嬢「おそらく何でもありのストリートファイトでは日本最強、世界でも5本の指に入る強者」
不良「勝てるわけねーだろ、もし俺が勝ったところでお前を諦めるのかよ…」
39 = 1 :
― クラブ ―
ワイワイ… ウェーイ… ハハハハ…
大勢の若者で賑わっている。
不良「おー、いるいる」
令嬢「まあ……お盛んですわね」
金髪「おー、不良じゃん!」
チャラ男「久しぶり! そっちの子は? 彼女? マジ可愛いんだけど!」
不良「彼女じゃねえよ。ツレだよ」
令嬢「可愛いだなんてありがとうございます」フワッ…
上品に挨拶をする。戸惑う二人組。
不良「とりあえず、俺らはあっちで座ってジュースでも飲んでようぜ」
令嬢「はい」
40 = 1 :
ワイワイ… キャハハハ…
令嬢「いいですわね、活気があって」
不良「そうかぁ? うるせえだけだろ。不良のレッスンなんてしなきゃ、
二度とこんなとこ来なかったかもしれねえ」
令嬢「ということは昔は来てたんですか?」
不良「ん、まあな……」
令嬢「では、ダンスはできます?」
不良「できなくはねえけど……」
令嬢「ならば踊りましょう!」
不良「は?」
令嬢「シャル・ウィー・ダンス?」
不良「お、おう」
41 = 15 :
みてりゅ
42 = 1 :
令嬢にリードされ、踊る不良。
令嬢「…………」
不良(これ完全に社交ダンスじゃねえか! なんつう場違いな……)
令嬢「…………」タンッタンッ
不良(だけど、令嬢のリードが巧みなせいで……)
令嬢「さあ、フィニッシュですわ!」シュバッ
不良「おう!」シュバッ
不良(踊り切っちまった!)
ヒューッ! ピーピーッ!
パチパチパチパチパチ…
43 = 1 :
令嬢「今日は楽しかったです!」
不良「俺も……まあ、楽しかった」
令嬢「できればこのクラブにまた来たいのですけど、よろしいかしら?」
不良「ああ、いいぜ」
令嬢「ありがとうございます!」
…………
……
44 = 24 :
仲良くなってきたな
45 = 1 :
― クラブ ―
令嬢「…………」
不良「優雅に紅茶なんて飲んで……」
チャラ男「お、またその子連れてきたのか」
不良「社会勉強ってやつだよ」
チャラ男「ま、女の子連れるなら、せいぜい“DQN”に気をつけろよ」
不良「DQN? 何度かやり合ったっけな。あいつがどうかしたのか?」
チャラ男「お前が大人しくなってから、入れ替わったように暴れ回ってる。
カツアゲかっぱらいは当たり前。もっとヤベェ商売もしてるって噂だ。
下手したら人も殺してるんじゃねえか」
不良「ふん、関係ねえよ」
令嬢「…………!」ピクッ
46 = 1 :
令嬢「あ、あの……」
不良「ん?」
令嬢「今さっき話してたDQNさんという方……どういう御方ですの?」
不良「お前が気にかけるような奴じゃねえよ」
令嬢「…………」シュン…
不良「まあ、あれだ……ヤンキー漫画なら間違いなく“悪役”ってタイプだ」
不良「いずれ暴力団か半グレにでもなるんだろうよ。あんなのに近づくとろくなことにならねえ」
令嬢「ろくなこと……そうですよね」
不良「どうした?」
令嬢「い、いえっ! さあ、踊りましょう!」
47 = 1 :
その後も令嬢の強い要望で、二人はクラブに通い続けた。
― クラブ ―
不良(令嬢、このところはいつもこのクラブに来るが……何やってんだか)
そこへ、松葉杖をついた男がやってきた。
包帯「お~、不良!」
不良「お前……どうしたんだ、そのケガ?」
包帯「DQNにやられたんだよ……」
不良「またあいつか……なんでまた?」
包帯「あの野郎、俺の女に手ェ出しやがって……話つけにいったらこのザマだ。
他にも危ねえクスリ売られて、今も病院でマボロシ見てる、なんて奴もいる」
不良「…………」
48 = 1 :
不良「あの野郎、相当調子こいてるみてえだな」
包帯「ああ……荒稼ぎしてやがる。だが、不思議とサツにパクられねえんだ。
ありゃますます勢力拡大すんぜ」
不良「…………」
包帯「ところで、お前のツレのお嬢様、ありゃなんなんだ?」
不良「へ?」
包帯「俺に根掘り葉掘り、DQNのこと聞いてきてさ。
一応関わるのはやめとけよって忠告しといたけど……」
不良「令嬢が……?」
包帯「ああ、あのお嬢様、アウトローマニアだったりすんのかね?」
不良「ありがとよ。早く怪我治せよ」
49 = 1 :
クラブを出て――
不良「令嬢」
令嬢「はい?」
不良「お前……本当の狙いはなんだ?」
令嬢「ほ、本当の狙い?」
不良「ヤンキー漫画を読んで不良に憧れた……あんなのウソだろ?
俺に不良のコーチなんて頼んだのは、こういう場所に連れてきてもらって、
なんらかの情報を得たかったからじゃねえのか?」
令嬢「……おっしゃる通りです」
不良「やっぱりか……」
令嬢「全てお話しします。ある場所に連れてって下さる?」
不良「ああ、いいぜ」
バイクを転がす。
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