元スレ大男「ガハハ、抱きしめてやるぜぇ!!!」妻「ダメ……壊れちゃう」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 :
151 = 1 :
――ギィンッ!
黒剣士「ぬっ……!」
警備隊長「一対一なら勝てると踏んだのだろうが、甘く見たな」
黒剣士(やはり……強い!)
キィン! ギィン! シュバァッ!
ハイレベルな斬り合いをする両者。
大男「おおりゃあっ!!!」
副隊長「ガアッ!!!」
ガツンッ!
ミシミシ…
斧と金棒がパワフルにぶつかり合う。
152 :
熱い展開だ
支援
154 = 1 :
町民たちは互いが互いを守るように戦い、どうにか奮戦していた。
木こり「このぉっ!」ザシッ!
チンピラ「だりゃあっ!」ドカッ!
隊員D「そこだッ!」ブオンッ
子分「うわわっ! こっち来たっす!」
グササササッ
隊員D「あ、が……」ドサッ
顔じゅうに針が刺さり、崩れ落ちる。
子分「た、助かったっす!」
妻「町の人たちに……死人は出さない」
155 = 1 :
妻「お爺さん、お願い」シュバババッ
グサササッ
老人「むむむ……若い頃のパワーがよみがえって……!」
老人「ふぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」ブオオンッ
ドゴォンッ!
隊員E「ぐぎゃあっ!」
アッパーカットで敵をふっ飛ばす。
町民A「強っ!」
町民B「奥さんの針ドーピングは効果テキメンだな!」
156 :
スレタイだけで抜ける
157 = 1 :
大男「どぉりゃあっ!」
副隊長「ガアッ!!!」
ガァンッ!
斧と金棒が押し合う。が――
副隊長「ガオアアアアアアアッ!」グググ…
大男「ぐうう……ッ!」ズズズ…
パワー負けする大男。
黒剣士(あの巨漢、理性がまるでない分、己のパワーをフルに発揮できるようだな)キィンッ!
警備隊長(ククク、奴は知能はないが、≪劇団≫の切り札……負けるはずがないッ!)シュバッ
158 = 1 :
副隊長「ガアッ! ガアッ! ガアアアッ!」
ドガッ! ガッ! ガツンッ!
大男「こなくそぉ……!」
大男(なんつう馬鹿力だ……俺がパワーで押されるなんて……!)
副隊長「ガオオオッ!」ブオンッ
大男「ちいっ!」ババッ
妻「……あなた」
大男「!!!」
159 = 1 :
妻「……ファイト」ボソッ
大男「…………ッ!」
大男「うおおおおおおおおおお!!!」
副隊長「ガァ!?」
大男「うぅぅぅをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ドガァンッ!
斧が金棒を跳ね返す。
副隊長「ガアア……ッ!?」ヨロッ…
161 = 1 :
大男「悪いな……俺にだって、100%以上の全力を出す方法はあるんだぜぇ!!!」
副隊長「ガ……ッ!」
巨大な斧が、副隊長の頭を――
ザクゥッ!
副隊長「ガァッ!?」
副隊長「ガ……ガ……ガァァ……」ズゥン…
大男(ずっといいように利用されてたんだろうが……せめて安らかに眠れよ)
警備隊長「……バカなッ!? くそっ……役立たずがッ!」
黒剣士(昔からそうだった……)
黒剣士(彼女の声援を受けると、とてつもない怪力を発揮していたな)
162 :
愛は勝つ!
163 = 1 :
ザシュッ!
警備隊長「うぐっ……!」ヨロッ…
黒剣士「劇のシナリオが……だいぶ破綻してきたようだな」
警備隊長「…………ッ!」
黒剣士(たしかに手強いが、剣筋は見切った……一気に仕留める)ジリ…
警備隊長「ク、ククク……」
黒剣士「?」
警備隊長「認めよう……お前は私よりも強い。このまま続けても勝てんだろう……」
警備隊長「だから――」ニタァ…
ダッ!
突然、あさっての方向に駆け出す。
164 = 1 :
警備隊長「一人ぐらい道連れにしてやる!」ビュオオッ
看板娘「――え」
黒剣士「やめろッ!」ダッ
警備隊長(……やはりスキを見せたッ!)ビュオッ
ザシィッ!
足に一太刀が入る。
黒剣士「ぐう……ッ!」
看板娘「黒剣士さんッ!」
ザワッ…
165 = 40 :
まさかの逃亡 ワラス
166 = 1 :
警備隊長「さっき、町民どもが駆けつけてきた時、お前だけは心配そうな顔をしていた……」
警備隊長「“できれば彼らを巻き込みたくなかった”って感じのツラをな」
警備隊長「あれでピンときたんだ」
警備隊長「冷酷冷静を装ってるが、本質は“弱者を見捨てられない”タイプの男だと」
黒剣士(私としたことが……なんという不覚!)
黒剣士「だが……足の傷ぐらいで私に勝ったと思うな……!」チャキッ
警備隊長「その通り。これでもまだ、私とお前の実力差は埋まってないだろう。だから――」
警備隊長「逃げる」
黒剣士「は……?」
167 = 1 :
警備隊長「逃げて逃げて逃げて……お前たちの手の届かないところまで逃げて」
警備隊長「徹底的に弱者を狙い、殺し、奪い、焼き尽くし……」
警備隊長「今日の屈辱をバネに、なるべく大勢の人間を不幸にできるような生き方をしてみせよう」
警備隊長「こういう第二幕も悪くない」
黒剣士「まだ……部下も残っているんだぞ! それなのに逃げるのか!」
警備隊長「町民相手に劣勢のようだし、奴(副隊長)を失った今、逆転も望めん」
警備隊長「誠に残念だが、≪劇団≫は今日で解散だ」
警備隊長「では」バッ
なんのためらいもなく、逃げ去ってしまった。
168 = 1 :
ワァァァァ… キンッ! ギィンッ! ウォォォォォ…
黒剣士「…………!」
大男「隊長ッ! 大丈夫ですか!?」
黒剣士「二人でヤツを……追えッ! 絶対に逃がすなッ!」
黒剣士「ヤツを倒せるのはもはや……お前たちしかいないッ!」
大男「分かりました!」
妻「分かりました」
ドドドッ… タタタッ…
黒剣士「すまん……頼むぞ……」
黒剣士(私は……残る賊どもを始末せねば!)チャキッ
169 = 1 :
……
……
町外れ――
タタタッ…
警備隊長(追ってきているのは……あの夫婦か)
警備隊長(私も傷を負ってるし、このまま逃げ切るのは難しい、か)
なんとか追いすがる夫婦。
妻「そこよ」シュババババッ
グササササッ
警備隊長「ちっ……」
行く手を遮るように、針が地面に刺さる。
170 :
そして本当は黒剣士は賊の仲間定期
171 = 1 :
警備隊長「…………」
大男「追いついたぜぇ!」
妻「あなたは逃がさない」
警備隊長「酒場の喧嘩で、お前たちの実力・戦術は把握している」
警備隊長「どちらもあの黒い剣士に比べれば……数段劣る。私の相手ではない」
警備隊長「二人まとめて始末してやる」チャキッ
172 :
あげ
173 = 1 :
一方、町民たちは――
ザンッ! ギャァァァ… ドサッ…
黒剣士「ふぅ……これで全員か」
木こり「ひえええ……残ってた奴ら、ほとんど一人で倒しちゃったよ」
看板娘「あの足で……あそこまで動けるなんて……」
子分「やったっす! やったっす!」
チンピラ「だがよ……まだあのニセ警備隊長が残ってるぜ」
チンピラ「あんたと互角にやり合ってた奴に、デコボコ夫婦で勝てるのかよ?」
黒剣士「…………」
174 = 1 :
黒剣士「もし、あの二人が一人ずつ挑んだとしたら、難しいだろう」
黒剣士「二人とも長所短所がハッキリしすぎているからな。私としてもやりやすい相手だ」
チンピラ「ダメじゃねえか!」
子分「それじゃ今頃、返り討ちにされてるんじゃ……」
黒剣士「だが――」
黒剣士「もし、あの二人が連携を組んだら――」
黒剣士「仮に私がもう一人いて、二対二だとしても……やりたくないな」
チンピラ&子分「……え!?」
175 :
やっと追い付いた
176 = 40 :
はよ 助けに行けよ
177 = 80 :
マンガで読みたい
178 = 1 :
……
大男「いくぜぇ!」
ドゴォンッ!
地面を殴りつけ、土と石をまき散らす。
警備隊長(下らん! こんなもの喰らうと――)
土に紛れ――
グササササッ!
警備隊長「ぐああああっ……!?」
警備隊長(は、針……!?)
179 = 1 :
警備隊長「おのれぇ!」
警備隊長(先にでかいのから仕留め――)ダッ
ヒュンッ
針が飛ぶ。
警備隊長「うおっ!」サッ
大男「だりゃっ!」
ブオンッ!
警備隊長「くうっ!」ガキンッ
斧と針の流れるようなコンビネーション。
警備隊長(なんだこいつら……まるでお互いどう動くか分かってるかのような……ッ!)
警備隊長(動きがさっきより生き生きしてる……ッ!)
180 = 80 :
みてるぞ
181 = 1 :
警備隊長「――くそぉっ!」バッ
警備隊長(落ち着け……距離を置いて深呼吸だ……。連携させなければ、勝てる相手だ……)スゥゥゥ…
妻「あなた」
大男「おう」ガシッ
大男は妻を掴むと――
警備隊長(よし、呼吸が整って――)コォォォ…
ブオンッ!
投げた。
警備隊長「は!?」
182 = 1 :
ドゴォッ!
警備隊長「ぐがっ……!」
投げられた妻をまともに喰らい、よろめく。
警備隊長「自分の妻を投げるとか……イカれ、てんのか……!?」
妻「あら私にとって、自分の夫に投げられるのはこの上ない幸福よ」
しかも――
警備隊長「体の……動きが……!」ミシ…
妻「ぶつかった瞬間、針をたっぷり刺しておいたわ。刺し放題だったから」
大男「ガハハハッ! さっすが、俺の嫁!」
警備隊長「あ……ああああ……!」ギシギシ…
183 = 162 :
最強夫婦だな
184 = 40 :
何という攻撃方法wwwwwwwwwwwww
ビー・バップ・ハイスクールを思い出した
185 = 1 :
大男「お前のくそったれ演劇も、とうとうフィナーレの時が来たようだぜ」
警備隊長「ひ、ひいい……」
妻「最後の台詞は……あなたの悲鳴ね」
警備隊長「や、やめ……」
大男「うおりゃぁぁぁっ!!!」ブオンッ
警備隊長「やめてくれええええええっ……!!!」
ズガンッ!!!
怒りの斧が、盗賊団≪劇団≫首領の頭を粉砕した。
186 = 1 :
大男「……終わったな」
妻「……うん」
大男「不謹慎だがよ、久々にお前と一緒に戦えて楽しかったぜ」
妻「私もよ」
…………
……
187 = 80 :
エンディングか?
188 = 1 :
祭りは無事開催された。
町長「私が至らなかったばかりに、この町を危機に陥れてしまって、本当に申し訳なかった」
町長「町を救ってくれた黒剣士殿、そして戦いに参加したという住民たちには、いくら感謝してもし足りない」
町長「犠牲になった本物の警備隊については、丁重に弔わせてもらった」
町長「さて……こんな事件があったからこそ、今年の祭りは今までで一番の物にしたいと思う!」
町長「さあ、町をあげて、大いに盛り上がろうではないか!」
町長「祭りを楽しんでくれ!」
ワアァァァァァァ……!
189 = 40 :
乙
おもろかったわ
190 = 65 :
まだ終わってないだろ
191 = 1 :
町中至るところに店が並ぶ。
ワイワイ… ガヤガヤ…
商人「さあ、いらっしゃい、いらっしゃーい! どれも安いよー!」
町民たちが賑やかに談笑する。
老人「ワシのアッパーで敵が三人も吹っ飛んだんじゃ!」ブンッ ブンッ
孫娘「おじいちゃん、かっこいい!」
町民A「誇張じゃないのが恐ろしい……」
町民B「ああ……」
192 = 1 :
大男「ガッハッハ、酒がうめえや!」グビグビ
妻「ホント」チビ…
黒剣士「私はミルクを……」
チンピラ「へへへ、黒剣士さん! たまには酒飲んだらどうだ? 別に飲めねえわけじゃないんだろ?」
子分「そうっすよ~、もう盗賊はやっつけたんすから!」
黒剣士「うむ……たまには飲んでみるのもいいか」
看板娘「すぐお持ちします!」
193 = 1 :
……
黒剣士「ウ~イ……私だってぇ、ホントはもっと日の当たる仕事してえよ……」
黒剣士「国のため働いてるのに死神呼ばわりって……ひどすぎると思わんか!? 思うだろ!?」
チンピラ「うんうん……思います思います……。大変ですねえ……」ハァ…
子分「めっちゃ絡み酒っすねえ、この人……」
大男「そういや、隊長は飲むとこうなるんだった……」
妻「すっかり忘れてたわ」
黒剣士「おい、大男ッ!」
大男「え、なんすか」
黒剣士「お前ら……いっちょ夫婦らしいとこ見せてみろ! これは隊長命令だァ!」ヒック
妻「もう隊長じゃないでしょうに」
黒剣士「うるへえええええ! なんかやれ! ほれ、早く早く!」
194 :
やっとおいついた
195 = 172 :
タイトル回収か
196 = 1 :
大男「じゃあ……二人でダンスすっかぁ!」
妻「そうね」
大男「俺がリードするぜぇ!」ガシッ
妻「お願い」
お立ち台で、曲に合わせてダンスを披露する二人。
ヒューヒュー… ピーピー…
黒剣士「よっ、いいぞぉ~! さっすが、部隊のエースだった二人だァ!」
チンピラ「あんたら、最高だぜ!」
子分「おぉ~、息ピッタリっす!」
ワアァァァァァ……!
197 = 40 :
>>194
wwwwwwwwww
何分ぐらいで追いついた????????
198 = 1 :
数日間の滞在の後、黒剣士は――
大男「隊長、久しぶりに会えて嬉しかったっす!」
妻「お気をつけて」
黒剣士「お前たちも元気でな。次来れるのはいつになるか分からんが……」
黒剣士「次来た時は……そうだな、子供の顔ぐらい見せてくれ」
大男「ガハハハッ、そうします! さっそく作ります!」
妻「もう、あなたったら……」
199 = 1 :
― 家 ―
大男「隊長も旅立って……一段落ついたって感じだな」
妻「そうね」
大男「んじゃあよ……お前のこと、抱きしめてもいいか?」
妻「……いいよ」
大男「本当か!?」
妻「うん」
大男「じゃあ、そっとな。壊れないように……」ギュッ
妻「…………」
200 = 1 :
妻「……んふ」
大男「?」
妻「んふふふふふふ、もっと……もっと強く!」
大男「どうした?」
妻「骨をメキメキいわせるくらいに……! いっそ折れちゃってもいい……私を粉砕して……!」
妻「あなたの強さと大きさを……私の全身に感じさせてっ!」
妻「なにしてんの! もっと……もっと私を強く抱きしめてってばぁ!」
大男「…………!」
大男(壊れちゃうって……こういう意味だったのかァ!)
…………
……
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