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元スレカニ「柿欲しさに母さんを殺した猿を倒したけど、物語はまだ終わっていなかった」

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柿欲しさにカニの母親の命を奪った猿は、カニの子と仲間たちによって成敗された。
ウス「終わったでごわすな……」
蜂「カニ、コイツの死体はどうするんだ?
お前にはそのハサミでバラバラに切り刻むくらいの権利はあるぜ」
カニ「……いや。彼はぼくが責任を持って丁重に葬るよ。復讐はもう終わっている。
ここから先は、もう恨みが入り込む余地はない」
栗「カニ! やっぱおめェいい男だぜ、クゥ~ッ!」
牛糞「……カニらしい答えだ」
ウス「終わったでごわすな……」
蜂「カニ、コイツの死体はどうするんだ?
お前にはそのハサミでバラバラに切り刻むくらいの権利はあるぜ」
カニ「……いや。彼はぼくが責任を持って丁重に葬るよ。復讐はもう終わっている。
ここから先は、もう恨みが入り込む余地はない」
栗「カニ! やっぱおめェいい男だぜ、クゥ~ッ!」
牛糞「……カニらしい答えだ」
カニは猿が住んでいた家の横に墓を建てた。
カニ「安らかに眠ってくれ……」
カニ「みんな、ありがとう。おかげで母さんの仇が取れたよ」
蜂「甘すぎるぜ、お前は。俺だったら全身針で刺して川に捨てるくらいはするぜ」
ウス「……いや、おいどんたちが協力したのは、復讐鬼のカニどんではなく、
母想いのカニどんに、でごわす。これでよかったんでごわす」
蜂「ふん、どいつもこいつも……」
栗「クゥ~ッ! まったくカニってやつはホント最ッ高ォだぜ!
まったく体が熱いったらねぇや!」
牛糞(さっきまでお前、囲炉裏に入ってたからな)
カニ「安らかに眠ってくれ……」
カニ「みんな、ありがとう。おかげで母さんの仇が取れたよ」
蜂「甘すぎるぜ、お前は。俺だったら全身針で刺して川に捨てるくらいはするぜ」
ウス「……いや、おいどんたちが協力したのは、復讐鬼のカニどんではなく、
母想いのカニどんに、でごわす。これでよかったんでごわす」
蜂「ふん、どいつもこいつも……」
栗「クゥ~ッ! まったくカニってやつはホント最ッ高ォだぜ!
まったく体が熱いったらねぇや!」
牛糞(さっきまでお前、囲炉裏に入ってたからな)
カニ「じゃあ皆さん、さようなら」
ウス「またなにかあったら、呼ぶでごわすよ」
蜂「ふん、せっかく俺たちが出向いてお袋の仇を討ってやったんだ。
せいぜい長生きするんだな。俺たちの労力を無駄にすんなよ」
栗「あばよッ! 俺たちゃもう切っても切れない親友(マブダチ)だぜ!
おっかさんと育てた柿の木、大事にしろよなッ!」
牛糞「またな」
カニ「うん……」
カニは争いの火種となった柿の木を見て、少し涙した。
ウス「またなにかあったら、呼ぶでごわすよ」
蜂「ふん、せっかく俺たちが出向いてお袋の仇を討ってやったんだ。
せいぜい長生きするんだな。俺たちの労力を無駄にすんなよ」
栗「あばよッ! 俺たちゃもう切っても切れない親友(マブダチ)だぜ!
おっかさんと育てた柿の木、大事にしろよなッ!」
牛糞「またな」
カニ「うん……」
カニは争いの火種となった柿の木を見て、少し涙した。
復讐から三日後──
山奥にある猿だけが暮らす村。
猿A「大変だ、大変だ!」
猿B「どうしたんだ?」
猿A「山向こうにある村に住んでる猿が、殺されたんだってよ!」
猿B「な、なんだと!?」
猿A「こんなこと、許せんよな!」
猿B「あたぼうよ! 大将に復讐してもらおう!」
猿A「おう!」
山奥にある猿だけが暮らす村。
猿A「大変だ、大変だ!」
猿B「どうしたんだ?」
猿A「山向こうにある村に住んでる猿が、殺されたんだってよ!」
猿B「な、なんだと!?」
猿A「こんなこと、許せんよな!」
猿B「あたぼうよ! 大将に復讐してもらおう!」
猿A「おう!」
サル「どうした、みんな血相変えて」
猿A「山向こうの村の猿が殺された! この村の出身者だ!」
猿B「同族を殺されて、黙ってはいられない! 大将、どうか仇討ちを!」
猿C「このまま殺されたままじゃ、腹の虫がおさまりません!」
サル「うむ……(元々アイツは悪辣な性格で、この村にいた時も評判が悪かった)」
サル(今回の件も、アイツの自業自得な可能性が高いが……。
同族を殺されたコイツらの怒りは収まりそうもない)
サル(仇討ちをするか否か、あの人に相談してみるか……)
猿A「山向こうの村の猿が殺された! この村の出身者だ!」
猿B「同族を殺されて、黙ってはいられない! 大将、どうか仇討ちを!」
猿C「このまま殺されたままじゃ、腹の虫がおさまりません!」
サル「うむ……(元々アイツは悪辣な性格で、この村にいた時も評判が悪かった)」
サル(今回の件も、アイツの自業自得な可能性が高いが……。
同族を殺されたコイツらの怒りは収まりそうもない)
サル(仇討ちをするか否か、あの人に相談してみるか……)
サルは都にある大きな屋敷に向かった。
桃太郎「──なるほど。だいたい話は分かった」
サル「はい……。桃太郎さんとの手柄があって、今では俺が大将ですが……
仇を討たないことには、どうにも収まりそうもなくて」
サル「……すいません。桃太郎さんも鬼の残存勢力の調査で忙しいというのに、
こんなしょうもない身内の相談なんか……」
桃太郎「とにかくその猿がいた村に、行ってみよう」
サル「えっ!? い、いや、桃太郎さんに迷惑かけるわけには」
桃太郎「猿が殺された、というのは事実なんだろう?
相手がかなりの武力を持った悪党集団という可能性もある」
サル「だったら、なおさら──」
桃太郎「三年前、お前たちはきび団子一つであの恐ろしい鬼ヶ島に行ってくれた。
それに比べれば、どうということはないさ」
サル「も、桃太郎さん……!」
ザッ
桃太郎「──なるほど。だいたい話は分かった」
サル「はい……。桃太郎さんとの手柄があって、今では俺が大将ですが……
仇を討たないことには、どうにも収まりそうもなくて」
サル「……すいません。桃太郎さんも鬼の残存勢力の調査で忙しいというのに、
こんなしょうもない身内の相談なんか……」
桃太郎「とにかくその猿がいた村に、行ってみよう」
サル「えっ!? い、いや、桃太郎さんに迷惑かけるわけには」
桃太郎「猿が殺された、というのは事実なんだろう?
相手がかなりの武力を持った悪党集団という可能性もある」
サル「だったら、なおさら──」
桃太郎「三年前、お前たちはきび団子一つであの恐ろしい鬼ヶ島に行ってくれた。
それに比べれば、どうということはないさ」
サル「も、桃太郎さん……!」
ザッ
イヌ「──話は聞かせてもらったワン」
キジ「水臭いじゃないか。ウォータースメル!」
サル「……な、なんでお前ら」
イヌ「ボクの情報網をナメたらいかんワン! この辺一帯の野犬は皆ボクの手下ワン!
まして猿の大将が単独で都に入ったなんて、すぐ耳に入るワン」
キジ「そしてミーもイヌに呼ばれてコールされて、はせ参じたというわけさ」
サル「くっ……! ありがとう……! でもキジ、なんか喋り方変じゃないか?」
キジ「つい最近まで、この羽根で南蛮まで旅行というトラベルをしててね。
そこでイングリッシュという言語を学んだのさ」
サル(いんぐりっしゅ……? きっと南蛮で変なもん拾い食いしたんだな)
桃太郎「ふふ、久々に鬼退治組が揃ったな。さっそく向かうとしよう」
キジ「水臭いじゃないか。ウォータースメル!」
サル「……な、なんでお前ら」
イヌ「ボクの情報網をナメたらいかんワン! この辺一帯の野犬は皆ボクの手下ワン!
まして猿の大将が単独で都に入ったなんて、すぐ耳に入るワン」
キジ「そしてミーもイヌに呼ばれてコールされて、はせ参じたというわけさ」
サル「くっ……! ありがとう……! でもキジ、なんか喋り方変じゃないか?」
キジ「つい最近まで、この羽根で南蛮まで旅行というトラベルをしててね。
そこでイングリッシュという言語を学んだのさ」
サル(いんぐりっしゅ……? きっと南蛮で変なもん拾い食いしたんだな)
桃太郎「ふふ、久々に鬼退治組が揃ったな。さっそく向かうとしよう」
桃太郎といえば、希代の英雄である。
彼がお供三匹を連れて、山向こうの村に向かうという情報は、すぐに広まった。
むろん、カニも家でその知らせを聞いていた。
カニ(おそらくぼくの件だ……。猿は同族の死に対して非常に敏感だ。
大将であるサルさんに伝わり、彼が桃太郎さんに伝える。
よくよく考えれば、これは当然の流れだ)
バタバタバタッ!
ウス「カニどん!」
蜂「カニ!」
栗「カニィッ!」
牛糞「カニ」
復讐を手伝った四人が押しかけてきた。
カニ「……みんな」
彼がお供三匹を連れて、山向こうの村に向かうという情報は、すぐに広まった。
むろん、カニも家でその知らせを聞いていた。
カニ(おそらくぼくの件だ……。猿は同族の死に対して非常に敏感だ。
大将であるサルさんに伝わり、彼が桃太郎さんに伝える。
よくよく考えれば、これは当然の流れだ)
バタバタバタッ!
ウス「カニどん!」
蜂「カニ!」
栗「カニィッ!」
牛糞「カニ」
復讐を手伝った四人が押しかけてきた。
カニ「……みんな」
蜂「桃太郎がこの村に来るそうだな。やっぱあの件か?」
カニ「間違いないだろう」
ウス「くっ、うかつでごわしたな。まさか桃太郎さんが出てくるとは……」
蜂「いわんこっちゃない、墓なんか建てるからだ。
きっちり証拠隠滅してりゃ、行方不明でカタがついてただろうぜ」
栗「蜂ィ! 今更ンなこといってもしょうがねェだろうがよッ!
こうなりゃ、どうにかして逃げるか、戦うか……」
牛糞「どちらも無理だな」
栗「なんでだよッ!」
牛糞「かつてあの鬼ヶ島を制圧した一行に、戦闘に勝つのは不可能だ。
といって、彼らの情報網から逃げ切るのもまた至難」
カニ「間違いないだろう」
ウス「くっ、うかつでごわしたな。まさか桃太郎さんが出てくるとは……」
蜂「いわんこっちゃない、墓なんか建てるからだ。
きっちり証拠隠滅してりゃ、行方不明でカタがついてただろうぜ」
栗「蜂ィ! 今更ンなこといってもしょうがねェだろうがよッ!
こうなりゃ、どうにかして逃げるか、戦うか……」
牛糞「どちらも無理だな」
栗「なんでだよッ!」
牛糞「かつてあの鬼ヶ島を制圧した一行に、戦闘に勝つのは不可能だ。
といって、彼らの情報網から逃げ切るのもまた至難」
栗「戦おうぜ! 逃げるくらいなら、戦ってくたばった方がマシだッ!」
ウス「おいどんも賛成でごわす! 桃太郎さんに斬られて薪にされても
悔いはないでごわす!」
蜂「いや、逃げた方が賢いだろ。牛糞も至難、っていってるしな。
不可能ではないってことだろ?」
牛糞「ああ。この村を捨てて、逃げた方が我々の生存確率は高まるだろう」
カニ「……いや戦うことも逃げることもないよ」
栗「えっ! ンな方法あるのかよ!?」
カニ「いい方法があるんだ。ちょっと準備するから、君たちはここで待っててくれ」
蜂「ふん。大口叩いておいて、失望させるなよ」
ウス「おいどんも賛成でごわす! 桃太郎さんに斬られて薪にされても
悔いはないでごわす!」
蜂「いや、逃げた方が賢いだろ。牛糞も至難、っていってるしな。
不可能ではないってことだろ?」
牛糞「ああ。この村を捨てて、逃げた方が我々の生存確率は高まるだろう」
カニ「……いや戦うことも逃げることもないよ」
栗「えっ! ンな方法あるのかよ!?」
カニ「いい方法があるんだ。ちょっと準備するから、君たちはここで待っててくれ」
蜂「ふん。大口叩いておいて、失望させるなよ」
まもなく、桃太郎一行がカニたちが住む村に到着した。
桃太郎「ここか、山向こうの村は……」
サル「あそこが殺された猿の家とのことです」
イヌ「ん? だれかいるワン」
猿の家には、カニが一匹だけ立っていた。
キジ「カニのチャイルドが、こんなプレイスで何をしてるんだい?」
カニ「桃太郎さん、サルさん、イヌさん、キジさん。あなた方の用件は分かっています。
ここの猿を殺した犯人探しと仇討ちに来たのでしょう」
キジ「おおっ! ミーのクエスチョンがスルーされた! HAHAHA!」
桃太郎「君は殺人……じゃない殺猿事件について、何か知ってるのか?」
カニ「知っているもなにも、ぼくが猿を殺した犯人です」
桃太郎「ここか、山向こうの村は……」
サル「あそこが殺された猿の家とのことです」
イヌ「ん? だれかいるワン」
猿の家には、カニが一匹だけ立っていた。
キジ「カニのチャイルドが、こんなプレイスで何をしてるんだい?」
カニ「桃太郎さん、サルさん、イヌさん、キジさん。あなた方の用件は分かっています。
ここの猿を殺した犯人探しと仇討ちに来たのでしょう」
キジ「おおっ! ミーのクエスチョンがスルーされた! HAHAHA!」
桃太郎「君は殺人……じゃない殺猿事件について、何か知ってるのか?」
カニ「知っているもなにも、ぼくが猿を殺した犯人です」
イヌ「証拠はあるのかワン?」
カニ「家のそばに墓があるでしょう。あれにぼくのハサミの跡がいっぱいあります」
サル「しかし、カニに猿を倒せるとは思えんがな……」
カニ「罠にハメました。よく焼いた石を投げて、針で刺し、つまずかせたところに
屋根の上から岩を落として殺しました。
埋まった死体を調べれば、証明できると思います」
キジ「なかなかクレバーな殺し方だねェ」
桃太郎「……分かった。とにかく我々にも事情があるんだ。
君には我々と一緒に来てもらうことになるが、いいか?」
カニ「はい」
(よし……これで他の四人に害は及ばない)
「ちょっと待ったァッ!」
カニ「家のそばに墓があるでしょう。あれにぼくのハサミの跡がいっぱいあります」
サル「しかし、カニに猿を倒せるとは思えんがな……」
カニ「罠にハメました。よく焼いた石を投げて、針で刺し、つまずかせたところに
屋根の上から岩を落として殺しました。
埋まった死体を調べれば、証明できると思います」
キジ「なかなかクレバーな殺し方だねェ」
桃太郎「……分かった。とにかく我々にも事情があるんだ。
君には我々と一緒に来てもらうことになるが、いいか?」
カニ「はい」
(よし……これで他の四人に害は及ばない)
「ちょっと待ったァッ!」
カニ「な、なんで……」
栗「カニィッ! てめェ、俺たちは親友(ダチ)じゃなかったのかよォッ!」
ウス「やっぱり、こういうことだったでごわすか……」
蜂「いったはずだ。俺たちの労力を無駄にすることは許さん、と」
牛糞「我々は共犯だ」
四人は桃太郎たちに突っ込んでいく。
ドドドドッ
イヌ「な、なんだワン!?」
桃太郎「イヌ、サル、キジ。相手してやれ」
イヌ「分かったワン」
サル「了解です」
キジ「イエッサー!」
カニ「まっ……待って下さい! 彼らはなんの関係も──」
栗「カニィッ! てめェ、俺たちは親友(ダチ)じゃなかったのかよォッ!」
ウス「やっぱり、こういうことだったでごわすか……」
蜂「いったはずだ。俺たちの労力を無駄にすることは許さん、と」
牛糞「我々は共犯だ」
四人は桃太郎たちに突っ込んでいく。
ドドドドッ
イヌ「な、なんだワン!?」
桃太郎「イヌ、サル、キジ。相手してやれ」
イヌ「分かったワン」
サル「了解です」
キジ「イエッサー!」
カニ「まっ……待って下さい! 彼らはなんの関係も──」
ウス「行くでごわす!」ドガッ
サル「いい体当たりだったぞ。だが、長年の戦いで鍛えた俺には到底及ばん」
サルは軽々とウスを投げ飛ばした。
ウス「うわぁ~っ!」ドシン!
蜂「あのウスがあっさりと……!(速さでかき乱してやる!)」
キジ「飛行スピードでミーに勝つなんて、インポッシブルさ!」バシッ
キジの羽で蜂は叩き落とされた。
蜂「ぐぁっ……!」
サル「いい体当たりだったぞ。だが、長年の戦いで鍛えた俺には到底及ばん」
サルは軽々とウスを投げ飛ばした。
ウス「うわぁ~っ!」ドシン!
蜂「あのウスがあっさりと……!(速さでかき乱してやる!)」
キジ「飛行スピードでミーに勝つなんて、インポッシブルさ!」バシッ
キジの羽で蜂は叩き落とされた。
蜂「ぐぁっ……!」
栗「ウスッ! 蜂ッ! ちくしょオオオオッ!」
イヌ「勇敢な突撃だワン。でもわざわざ突っ込んできてくれて助かるワン」パクッ
イヌの歯で栗は噛まれた。
栗「ぐわあぁッ!」
牛糞(やはりこうなるか……。ならば勝てずとも、奴らの口に入って糞の味を
思い知らせてから死んでやる)ダッ
キジ「あいにく、ミーにスカトロジーな趣味はなくてねェ」ビュオッ
羽で風を起こし、牛糞を吹き飛ばす。
イヌ「こうしてやるワン!」ザザザッ
砂をかけて、牛糞を埋める。
サル「終わりだ」ドンッ
埋めた個所に大きめの石を置き、牛糞を完全に封印した。
牛糞「~~~~!」
イヌ「勇敢な突撃だワン。でもわざわざ突っ込んできてくれて助かるワン」パクッ
イヌの歯で栗は噛まれた。
栗「ぐわあぁッ!」
牛糞(やはりこうなるか……。ならば勝てずとも、奴らの口に入って糞の味を
思い知らせてから死んでやる)ダッ
キジ「あいにく、ミーにスカトロジーな趣味はなくてねェ」ビュオッ
羽で風を起こし、牛糞を吹き飛ばす。
イヌ「こうしてやるワン!」ザザザッ
砂をかけて、牛糞を埋める。
サル「終わりだ」ドンッ
埋めた個所に大きめの石を置き、牛糞を完全に封印した。
牛糞「~~~~!」
カニ「あ、あ、あ……。みんなァ~!」
桃太郎「安心しろ。四人とも死んではいないよ」
サル「ウスと蜂は気絶してるだけだ」
イヌ「栗も甘噛みにしといたから、生きてるワン(危うく食うところだったけど)」
キジ「牛糞君も大地にドレインされる前に、掘り起こしてやればライフは助かるよ」
カニ(よ、よかった……!)
桃太郎「さてカニ君。今回の殺猿事件について、知ってることを
全て偽りなく話してもらおうか」
桃太郎「嘘を感じた場合はたとえ善意でついた嘘であろうと──斬る」
桃太郎は抜刀し、切っ先をカニに突きつけた。
カニ「分かりました……。全てお話しします……!」
桃太郎「安心しろ。四人とも死んではいないよ」
サル「ウスと蜂は気絶してるだけだ」
イヌ「栗も甘噛みにしといたから、生きてるワン(危うく食うところだったけど)」
キジ「牛糞君も大地にドレインされる前に、掘り起こしてやればライフは助かるよ」
カニ(よ、よかった……!)
桃太郎「さてカニ君。今回の殺猿事件について、知ってることを
全て偽りなく話してもらおうか」
桃太郎「嘘を感じた場合はたとえ善意でついた嘘であろうと──斬る」
桃太郎は抜刀し、切っ先をカニに突きつけた。
カニ「分かりました……。全てお話しします……!」
カニは全てを話した。
サル「くっ……! あの猿のツラ汚しめ! 悪いのはこっちじゃないか!
しかも墓まで建ててもらって、むしろ謝りたいくらいだ」
桃太郎「どうする? サル」
サル「なんとか村の連中を説得するしかありません。
ここでこのカニを討てば、それこそ桃太郎さんの名誉にまで傷がつく」
カニ「あの……ぼくをその村に連れて行ってくれませんか」
サル「!」
カニ「サルさんに大将として説得して頂いても、納得しない人は大勢出るはず。
おそらく無視してぼくを狙いに来る者も出るでしょう。ならばいっそ──」
桃太郎「仮に私刑となっても、私は止めないが、いいのか?」
カニ「覚悟の上です」
サル「くっ……! あの猿のツラ汚しめ! 悪いのはこっちじゃないか!
しかも墓まで建ててもらって、むしろ謝りたいくらいだ」
桃太郎「どうする? サル」
サル「なんとか村の連中を説得するしかありません。
ここでこのカニを討てば、それこそ桃太郎さんの名誉にまで傷がつく」
カニ「あの……ぼくをその村に連れて行ってくれませんか」
サル「!」
カニ「サルさんに大将として説得して頂いても、納得しない人は大勢出るはず。
おそらく無視してぼくを狙いに来る者も出るでしょう。ならばいっそ──」
桃太郎「仮に私刑となっても、私は止めないが、いいのか?」
カニ「覚悟の上です」
やられた四人が目を覚ました。
栗「あだだ……ッ!」
ウス「痛かったでごわす……」
蜂(ここまで力の差があったとは……)
牛糞「……不覚だった」
カニ「みんな、ぼくはこれから復讐の単独犯として、サルさんの山村に行く」
四人「!」
カニ「たとえぼくが殺されることになっても、ぼくはこの件は今日で幕引きにしたい。
もし友としてぼくの最期を見届けてくれるなら、ついてきてくれるかい?」
牛糞「(カニが殺されても復讐は無し、ということか……)分かった。俺は行こう」
ウス「おいどんも行くでごわす!」
栗「見届けさせてもらうぜ……親友(ダチ)としてな……ッ!」
蜂「行ってやるよ。殻とハサミは拾ってやる」
カニ「みんな、ありがとう」
栗「あだだ……ッ!」
ウス「痛かったでごわす……」
蜂(ここまで力の差があったとは……)
牛糞「……不覚だった」
カニ「みんな、ぼくはこれから復讐の単独犯として、サルさんの山村に行く」
四人「!」
カニ「たとえぼくが殺されることになっても、ぼくはこの件は今日で幕引きにしたい。
もし友としてぼくの最期を見届けてくれるなら、ついてきてくれるかい?」
牛糞「(カニが殺されても復讐は無し、ということか……)分かった。俺は行こう」
ウス「おいどんも行くでごわす!」
栗「見届けさせてもらうぜ……親友(ダチ)としてな……ッ!」
蜂「行ってやるよ。殻とハサミは拾ってやる」
カニ「みんな、ありがとう」
桃太郎とカニたちは猿の村に到着した。
猿A「おお、大将! お帰りなさいませ!
……おお、桃太郎さんたちまで! ようこそいらっしゃいました!」
猿B「──と、妙な連中もいるようですが、彼らはいったい?」
サル「このカニが……今回山向こうの村の猿を殺した犯人だ」
猿A「なっ……!?」
猿B「え!?」
猿C「ど、どういうことです!? なぜ連れてきたんです!」
サル「今すぐ村の猿を全員集めてくれ」
カニ「……」
猿A「おお、大将! お帰りなさいませ!
……おお、桃太郎さんたちまで! ようこそいらっしゃいました!」
猿B「──と、妙な連中もいるようですが、彼らはいったい?」
サル「このカニが……今回山向こうの村の猿を殺した犯人だ」
猿A「なっ……!?」
猿B「え!?」
猿C「ど、どういうことです!? なぜ連れてきたんです!」
サル「今すぐ村の猿を全員集めてくれ」
カニ「……」
キジ「モンキーたち、殺気立ってるねェ……」
イヌ「当然だワン。同族を殺した犯人が、堂々と村に乗り込んできたわけだし」
サル「カニ君。お手数だが、我々にした話をもう一度してくれ」
カニ「……分かりました」
~
カニは全てを話した。
ただしカニの意志で、実行犯である四人の名は伏せられ、全ての罪をカニが背負った。
四人もまたカニの強い意志を汲み、事前にやむなく了承していた。
カニ「──以上、です」
サル「俺はこの話を聞き、殺されたアイツにも非があったと判断し、
カニをその場で討つことはしなかった」
サル「この村で皆と話したいといったのも、他ならぬカニの意志だ。
これを踏まえて、みんなで彼をどうするか決めてくれ」
イヌ「当然だワン。同族を殺した犯人が、堂々と村に乗り込んできたわけだし」
サル「カニ君。お手数だが、我々にした話をもう一度してくれ」
カニ「……分かりました」
~
カニは全てを話した。
ただしカニの意志で、実行犯である四人の名は伏せられ、全ての罪をカニが背負った。
四人もまたカニの強い意志を汲み、事前にやむなく了承していた。
カニ「──以上、です」
サル「俺はこの話を聞き、殺されたアイツにも非があったと判断し、
カニをその場で討つことはしなかった」
サル「この村で皆と話したいといったのも、他ならぬカニの意志だ。
これを踏まえて、みんなで彼をどうするか決めてくれ」
「ふざけんなッ!」
猿A「ひどいですぜ大将、なんで殺してくれなかったんですか!」
猿B「母親を殺した猿を、そいつは殺した。なら、俺たちにも復讐の権利があるッ!」
猿C「そうだそうだ! 血祭りに上げろッ!」
怒号が村中に響き渡る。
サル(くっ……やはりとても抑えられるものではない)
桃太郎「……」
栗「くっ……!」
ウス「や、やはり……ダメでごわすか」
蜂(こうなることは分かってたんだ! カニ、お前は愚直すぎるんだよ……!)
牛糞「ここまでか……」
カニ(母さん、やるべきことはやりました。息子に悔いはありません。
すぐ会うことになってしまいますが、どうかお許しを)
猿A「ひどいですぜ大将、なんで殺してくれなかったんですか!」
猿B「母親を殺した猿を、そいつは殺した。なら、俺たちにも復讐の権利があるッ!」
猿C「そうだそうだ! 血祭りに上げろッ!」
怒号が村中に響き渡る。
サル(くっ……やはりとても抑えられるものではない)
桃太郎「……」
栗「くっ……!」
ウス「や、やはり……ダメでごわすか」
蜂(こうなることは分かってたんだ! カニ、お前は愚直すぎるんだよ……!)
牛糞「ここまでか……」
カニ(母さん、やるべきことはやりました。息子に悔いはありません。
すぐ会うことになってしまいますが、どうかお許しを)
カニ「分かりました。ぼくが彼を殺したように、あなた方にも復讐する権利はあります」
カニは猿Aの前にやってきた。
カニ「どうぞ、カニ鍋にして下さい。
しがないサワガニですが、悪い味ではないはずです」
猿A「な……!」
カニ「どうぞ」
猿A「(このカニ……なんて目をしてやがる)い、いや俺は」
カニ「では、そちらの方。どうぞ」
猿B「え!? え……と」
カニ「では、そちらの方」
猿C「うわっ! 俺もちょっと……」
カニは猿Aの前にやってきた。
カニ「どうぞ、カニ鍋にして下さい。
しがないサワガニですが、悪い味ではないはずです」
猿A「な……!」
カニ「どうぞ」
猿A「(このカニ……なんて目をしてやがる)い、いや俺は」
カニ「では、そちらの方。どうぞ」
猿B「え!? え……と」
カニ「では、そちらの方」
猿C「うわっ! 俺もちょっと……」
カニはほぼ全員の前を回ったが、猿たちは誰も手出しができなかった。
桃太郎(カニ君の愚直すぎる行動が、逆に猿たちの穴をみごとに突いたようだな)
桃太郎(殺された猿は同族とはいえ、この村を出ていた他人も同然……。
猿たちは集団心理で盛り上がってたとはいえ実のところ、
ひとりひとりの行動意欲はそこまで高くなかった)
桃太郎(なおかつ、殺された猿に明らかな非があったという話を聞かされた直後、
この大勢の前で死刑執行者として振る舞うというのは、なかなか難しい。
みんな『大将、もしくは他の誰かがやる』と思っていただろうからな)
桃太郎(……カニ君の勝利、か)
ジャキッ!
桃太郎が刀を抜き、天に掲げる。
桃太郎「猿たち!」
猿たち「は、はいっ!」
桃太郎「このカニの処遇については、この私、桃太郎が預かりたいと思う!
異存がある者はあるか!?」
桃太郎(カニ君の愚直すぎる行動が、逆に猿たちの穴をみごとに突いたようだな)
桃太郎(殺された猿は同族とはいえ、この村を出ていた他人も同然……。
猿たちは集団心理で盛り上がってたとはいえ実のところ、
ひとりひとりの行動意欲はそこまで高くなかった)
桃太郎(なおかつ、殺された猿に明らかな非があったという話を聞かされた直後、
この大勢の前で死刑執行者として振る舞うというのは、なかなか難しい。
みんな『大将、もしくは他の誰かがやる』と思っていただろうからな)
桃太郎(……カニ君の勝利、か)
ジャキッ!
桃太郎が刀を抜き、天に掲げる。
桃太郎「猿たち!」
猿たち「は、はいっ!」
桃太郎「このカニの処遇については、この私、桃太郎が預かりたいと思う!
異存がある者はあるか!?」
猿A「い、いや桃太郎さんがそうおっしゃるなら……なぁ?」
猿B「うん、俺たちはなにも……」
猿C「ま、まぁ任せていいんじゃないか? ……桃太郎さんなら」
桃太郎「かたじけない」チャッ
こうしてカニは私刑を免れた。
サル(す、すごい……! カニが作った真空状態をうまくまとめ上げた。
やはり桃太郎さんには上に立つ者としての天性の素質がある)
キジ「さっすがミーたちのリーダーだねぇ」
イヌ「見事だワン」
栗「カニの奴、助かったのか……!?」
牛糞「そのようだな」
ウス「よ、よかったでごわす!」
蜂「悪運の強いヤロウだぜ、まったく」
カニ(ぼくは助かった……のか……?)
猿B「うん、俺たちはなにも……」
猿C「ま、まぁ任せていいんじゃないか? ……桃太郎さんなら」
桃太郎「かたじけない」チャッ
こうしてカニは私刑を免れた。
サル(す、すごい……! カニが作った真空状態をうまくまとめ上げた。
やはり桃太郎さんには上に立つ者としての天性の素質がある)
キジ「さっすがミーたちのリーダーだねぇ」
イヌ「見事だワン」
栗「カニの奴、助かったのか……!?」
牛糞「そのようだな」
ウス「よ、よかったでごわす!」
蜂「悪運の強いヤロウだぜ、まったく」
カニ(ぼくは助かった……のか……?)
カニたちは桃太郎の屋敷に招待された。
カニ「本当にありがとうございました」
桃太郎「私は何もしていないよ。君のまっすぐな行動が、猿たちに届いただけの話さ」
栗「今日は最高だぜッ! 酒がうまいッ!」
ウス「いや~よかったでごわすなぁ~うんうん。メシもうまいでごわす、うんうん」
蜂「ふん。あの猿ども、とんだ烏合の衆だったな」
牛糞「──ところで、桃太郎さん。
カニを助けたのは、単なる正義感や同情心から、というわけではないでしょう?」
桃太郎「ニオイも鋭いが、頭も鋭いな、君は」
桃太郎「……実は、君たちを見込んで頼みたいことがあるんだ」
桃太郎「あ、あと牛糞君。この中に入ってもらっていいかな? やっぱりニオイが……」
牛糞「あ、すいません」
牛糞は臭いを遮断する箱の中に入った。
カニ「本当にありがとうございました」
桃太郎「私は何もしていないよ。君のまっすぐな行動が、猿たちに届いただけの話さ」
栗「今日は最高だぜッ! 酒がうまいッ!」
ウス「いや~よかったでごわすなぁ~うんうん。メシもうまいでごわす、うんうん」
蜂「ふん。あの猿ども、とんだ烏合の衆だったな」
牛糞「──ところで、桃太郎さん。
カニを助けたのは、単なる正義感や同情心から、というわけではないでしょう?」
桃太郎「ニオイも鋭いが、頭も鋭いな、君は」
桃太郎「……実は、君たちを見込んで頼みたいことがあるんだ」
桃太郎「あ、あと牛糞君。この中に入ってもらっていいかな? やっぱりニオイが……」
牛糞「あ、すいません」
牛糞は臭いを遮断する箱の中に入った。
桃太郎「単刀直入にいおう。鬼退治を手伝ってくれないか?」
カニ「鬼」
蜂「退」
栗「治」
牛糞「で」
ウス「ごわすか!?」
桃太郎「私のお供との戦いや、これまでのやり取りを見ていて、
君たちは鬼に対抗できる逸材だと感じられた」
蜂「ちょっと待てよ。鬼はあんたらが退治したんじゃなかったのか?」
桃太郎「ああ。三年前、私はイヌ、サル、キジを連れて鬼ヶ島に攻め込んだ。
彼らは降伏し、大部分は改心して世を苦しめるようなことはなくなった」
桃太郎「だが……」
牛糞「一部、まだ過激な鬼たちが残っていた、と……」
桃太郎「うむ。派手に暴れて攻め込まれたことを反省してか、水面下で活動しており
なかなか尻尾を見せない。私も手を尽くして根城を調査させているが
どこにあるかすら分かっていない」
カニ「鬼」
蜂「退」
栗「治」
牛糞「で」
ウス「ごわすか!?」
桃太郎「私のお供との戦いや、これまでのやり取りを見ていて、
君たちは鬼に対抗できる逸材だと感じられた」
蜂「ちょっと待てよ。鬼はあんたらが退治したんじゃなかったのか?」
桃太郎「ああ。三年前、私はイヌ、サル、キジを連れて鬼ヶ島に攻め込んだ。
彼らは降伏し、大部分は改心して世を苦しめるようなことはなくなった」
桃太郎「だが……」
牛糞「一部、まだ過激な鬼たちが残っていた、と……」
桃太郎「うむ。派手に暴れて攻め込まれたことを反省してか、水面下で活動しており
なかなか尻尾を見せない。私も手を尽くして根城を調査させているが
どこにあるかすら分かっていない」
桃太郎「しかも、彼らはどうやら鬼以外の力も集めているらしく、
おそらくは三年前よりも強大な軍勢になっているはずだ」
桃太郎「いたずらに戦力を増やせば、無駄に犠牲者を増やすばかりだろう。
だから三年前のように数名程度の少数精鋭で臨みたい」
桃太郎「君たちならば、私とお供三名で鍛えれば、短期間のうちに
立派な戦力になると踏んだ。
──いかがだろうか」
カニたちは一瞬お互いに顔を見合わせると、同時に返事をした。
カニ「やります」
栗「やってやらァッ!」
蜂「やるぜ」
ウス「やるでごわす!」
牛糞「引き受けましょう」
おそらくは三年前よりも強大な軍勢になっているはずだ」
桃太郎「いたずらに戦力を増やせば、無駄に犠牲者を増やすばかりだろう。
だから三年前のように数名程度の少数精鋭で臨みたい」
桃太郎「君たちならば、私とお供三名で鍛えれば、短期間のうちに
立派な戦力になると踏んだ。
──いかがだろうか」
カニたちは一瞬お互いに顔を見合わせると、同時に返事をした。
カニ「やります」
栗「やってやらァッ!」
蜂「やるぜ」
ウス「やるでごわす!」
牛糞「引き受けましょう」
翌日から、カニたちの厳しい特訓が始まった。
師匠には、それぞれの適正にあった者がつくことになった。
空中戦タイプの蜂の師匠は、キジ。
キジ「力で飛ぶんじゃない! もっとウインドに乗らなければ!」
蜂(ういんど、って何……?)
俊敏さが長所の栗の師匠は、イヌ。
イヌ「速いだけではダメワン! 攻撃に緩急をつけてこそ速さが生きるワン!」
栗「うおおおおッ! 緩急つけるってすっげェ難しいぜェッ!」
肉弾戦が得意なウスは、サル。
サル「生まれながらの体格に頼りすぎだ! 技を身につけるのだ!」
ウス「うっす!」
師匠には、それぞれの適正にあった者がつくことになった。
空中戦タイプの蜂の師匠は、キジ。
キジ「力で飛ぶんじゃない! もっとウインドに乗らなければ!」
蜂(ういんど、って何……?)
俊敏さが長所の栗の師匠は、イヌ。
イヌ「速いだけではダメワン! 攻撃に緩急をつけてこそ速さが生きるワン!」
栗「うおおおおッ! 緩急つけるってすっげェ難しいぜェッ!」
肉弾戦が得意なウスは、サル。
サル「生まれながらの体格に頼りすぎだ! 技を身につけるのだ!」
ウス「うっす!」
特殊タイプの牛糞は、おじいさんとおばあさん。
おじいさん「さてと、始めようか。ばあさんや」
おばあさん「そうだねえ、おじいさん」
牛糞「……ゴクリ(いったい何が始まるんだ!?)」
そしてカニは直々に桃太郎が鍛えることになった。
桃太郎「君の最大の武器は、そのハサミだ。さぁ遠慮なくかかってこい」
カニ「はいっ!」
ガキン! ガキン!
桃太郎「甘いっ! ──胴ッ!」
ドゴッ!
カニ「ぐぁっ!」
おじいさん「さてと、始めようか。ばあさんや」
おばあさん「そうだねえ、おじいさん」
牛糞「……ゴクリ(いったい何が始まるんだ!?)」
そしてカニは直々に桃太郎が鍛えることになった。
桃太郎「君の最大の武器は、そのハサミだ。さぁ遠慮なくかかってこい」
カニ「はいっ!」
ガキン! ガキン!
桃太郎「甘いっ! ──胴ッ!」
ドゴッ!
カニ「ぐぁっ!」
こうして瞬く間に一ヶ月が過ぎた。
桃太郎「……今日、奴らの根城が見つかった」
カニ「本当ですか!? ──ついに戦いですね」
桃太郎「君はこの一ヶ月よく頑張った。本当に強くなったよ。
だが君を連れていくかどうかは、今から行う試験で決める」
カニ「試験?」
桃太郎「これから君に本気で打ち込む。むろん、真剣でな」
カニ(真剣……!)
桃太郎「これを防げれば合格だ。心の準備はいいか?」
カニ「はい!」
桃太郎「行くぞッ!」
ビュオッ!
桃太郎「……今日、奴らの根城が見つかった」
カニ「本当ですか!? ──ついに戦いですね」
桃太郎「君はこの一ヶ月よく頑張った。本当に強くなったよ。
だが君を連れていくかどうかは、今から行う試験で決める」
カニ「試験?」
桃太郎「これから君に本気で打ち込む。むろん、真剣でな」
カニ(真剣……!)
桃太郎「これを防げれば合格だ。心の準備はいいか?」
カニ「はい!」
桃太郎「行くぞッ!」
ビュオッ!
翌日、桃太郎の家に全員が集合した。
桃太郎「みんな、連絡した通り新しい鬼ヶ島の場所が分かった。
出発は明朝だ。各自今日一日で思い残すことのないよう準備してくれ」
サル「三年前の戦いを思い出すよ」
キジ「久々に、ミーのソウルがバーニングしてきたねェ」
イヌ「今度こそやっつけてやるワン!」
栗「燃えてきたぜェッ!」
ウス「おいどんを見込んでくれたみなさんのためにも、絶対勝つでごわす!」
蜂「鬼どもがいると、色々面倒だしな」
牛糞「カワニセンタク……ヤマニシバカリ……」
カニ「明日か……」
(一度、村に戻っておこうかな)
桃太郎「みんな、連絡した通り新しい鬼ヶ島の場所が分かった。
出発は明朝だ。各自今日一日で思い残すことのないよう準備してくれ」
サル「三年前の戦いを思い出すよ」
キジ「久々に、ミーのソウルがバーニングしてきたねェ」
イヌ「今度こそやっつけてやるワン!」
栗「燃えてきたぜェッ!」
ウス「おいどんを見込んでくれたみなさんのためにも、絶対勝つでごわす!」
蜂「鬼どもがいると、色々面倒だしな」
牛糞「カワニセンタク……ヤマニシバカリ……」
カニ「明日か……」
(一度、村に戻っておこうかな)
サワガニ程の的に胴を当てるの激難やな足もたくさんあるし
カニたちは身辺整理のため、山向こうの村に戻った。
そして、村では奇妙なことが起こっていた。
カニ「猿の家に建てた墓が掘り返されて、埋めていた死体がなくなってる!」
牛糞「ドンブラコ……ドンブラコ……」
蜂「なんだと? どういうことだよ」
カニ「分からない……。でも、なんだか嫌な予感がする」
栗「ハッハッハ、気にしすぎじゃねぇのか?
おおかた猿村の連中が、別の場所に弔うとかしたんだろうぜ」
カニ「……ならいいんだけど」
ウス「心配いらんでごわすよ!」
牛糞「不可解ではあるが、今は鬼退治に意識を集中すべきだな」
カニ「(あ、戻った)うん……」
そして、村では奇妙なことが起こっていた。
カニ「猿の家に建てた墓が掘り返されて、埋めていた死体がなくなってる!」
牛糞「ドンブラコ……ドンブラコ……」
蜂「なんだと? どういうことだよ」
カニ「分からない……。でも、なんだか嫌な予感がする」
栗「ハッハッハ、気にしすぎじゃねぇのか?
おおかた猿村の連中が、別の場所に弔うとかしたんだろうぜ」
カニ「……ならいいんだけど」
ウス「心配いらんでごわすよ!」
牛糞「不可解ではあるが、今は鬼退治に意識を集中すべきだな」
カニ「(あ、戻った)うん……」
こうして一抹の不安を抱えつつ、翌日となった。
おばあさん「桃太郎、みんな、気をつけてな。これを持ってゆき」
きび団子を受け取る桃太郎。
桃太郎「ありがとう、おばあさん。行ってきます!」
おばあさん「無理するんじゃないよ。危なくなったらお逃げ」
おじいさん「気をつけてな、みんな」
桃太郎一行の旅は、順調に続いた。
おばあさん「桃太郎、みんな、気をつけてな。これを持ってゆき」
きび団子を受け取る桃太郎。
桃太郎「ありがとう、おばあさん。行ってきます!」
おばあさん「無理するんじゃないよ。危なくなったらお逃げ」
おじいさん「気をつけてな、みんな」
桃太郎一行の旅は、順調に続いた。
三日後、鬼のアジトに最も近い海岸に到着した。
桃太郎「あれが新しい鬼ヶ島だ。ほとんど人気のない地域なので発見が遅れた。
これから小舟で乗り込むが、きび団子を食べて力を蓄えよう」
蜂「これから暴れるってのに、食べて大丈夫か?」
桃太郎「心配いらない。すぐ腹ごなしすることになるさ。
栄養も味も抜群だから、食べておいた方がいい」
パクパクモグモグ
イヌ「やっぱりきび団子は最高ワン!」
栗「ンめえエエエエッ! こんな美味い団子始めてだッ!」
ウス「うまいでごわす! たまらんでごわす!」
蜂「ま、悪くはないな(美味すぎる……!)」
キジ「う~ん、デェ~リシャスだねェ」
サル「おばあさんの腕は全く衰えてないな。むしろ上がってるくらいだ」
カニ「柿にも負けないくらい美味しいや……。ところで牛糞は食べないの?」
牛糞「糞が食事をしてどうする」
桃太郎「あれが新しい鬼ヶ島だ。ほとんど人気のない地域なので発見が遅れた。
これから小舟で乗り込むが、きび団子を食べて力を蓄えよう」
蜂「これから暴れるってのに、食べて大丈夫か?」
桃太郎「心配いらない。すぐ腹ごなしすることになるさ。
栄養も味も抜群だから、食べておいた方がいい」
パクパクモグモグ
イヌ「やっぱりきび団子は最高ワン!」
栗「ンめえエエエエッ! こんな美味い団子始めてだッ!」
ウス「うまいでごわす! たまらんでごわす!」
蜂「ま、悪くはないな(美味すぎる……!)」
キジ「う~ん、デェ~リシャスだねェ」
サル「おばあさんの腕は全く衰えてないな。むしろ上がってるくらいだ」
カニ「柿にも負けないくらい美味しいや……。ところで牛糞は食べないの?」
牛糞「糞が食事をしてどうする」
一方、新鬼ヶ島では──
赤鬼「桃太郎どもが、舟でこちらに向かってきやす!」
鬼大将「くくく、ついにここを突きとめたか。桃太郎!」
鬼大将「知らぬお供もいるようだが、こちらにも新戦力がいるのだ!
桃太郎に敗れ、地獄に逃げ帰った時に見つけた強力な戦士が四人もな。
名づけて“地獄四天王”!」
赤鬼「(うわっ、安易……)ではあっしは青鬼とともに奴らを迎え討ちます」
鬼大将「うむ、頼んだぞ! ガッハッハ!」
赤鬼「桃太郎どもが、舟でこちらに向かってきやす!」
鬼大将「くくく、ついにここを突きとめたか。桃太郎!」
鬼大将「知らぬお供もいるようだが、こちらにも新戦力がいるのだ!
桃太郎に敗れ、地獄に逃げ帰った時に見つけた強力な戦士が四人もな。
名づけて“地獄四天王”!」
赤鬼「(うわっ、安易……)ではあっしは青鬼とともに奴らを迎え討ちます」
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